2015年9月20日日曜日
自炊生活始めました
一冊いくらかで、本のデータ化いわゆる「自炊」を代行してくれる業者が、著作権者である作家などに訴訟を起こされている。これまでの訴訟の結果とかを見ると、業者がベタおりで事業から撤退するなど、「自炊代行」は、ほぼ黒に近いグレーという感じ。
自炊代行業者がある程度著作権料を払って、合法に業務をできるかたちに持って行くのではないかという淡い期待は、手続きのめんどくささや出版業界の思惑やらあって、どうも進みそうな気配が見えない。
適法に「自炊代行」してくれる業者がでてくれば、多少金がかかっても「小金ならあるんじゃ」ということで札びらで横面張り倒すようにして本のデータ化を進めたいと切実に思っていたが、まったくそういう動きがないので、適法にというのを考えると自分で裁断機とスキャナーを買ってきて、自らの手で文字通りの「自炊」をするしかないという状況である。
仕方ないので、一番簡単にできる方法をいろいろググったりして、効率的にやるには一発で厚い本も裁断できるデカイ裁断機と、読み込み速度と精度のよい最新のスキャナーが必要という事で、それぞれ4万円以上もするハイスペックな裁断機DURODEXブラック200DXとスキャナーFUJITSU ScanSnap iX500をゲット、ネットのハウツー自炊記事を参考に試行錯誤してみた。
してみた結果、それほど作業は難しくない。
刃をどの位置に入れるかで糊付け部分が完全に切れなくて紙が重なってしまうトラブルが生じたりするので、最適位置を何回か試して固めるのと(文庫だと10.1の目盛り位置)、取り込む方式の細かい設定を、勝手に横書きと判断して横回転したりしないように「固定」にしたり、という調整が必要だが、ある程度そのあたりが固まってしまえば、①しおりが挟まっていれば外す(意外に重要)、②背表紙ごと糊付け部分を裁断、③表紙・背表紙の袋部分を切る、④厚紙に1枚張り付いていることがあるのではがれているか確認、④150枚ぐらいずつをスキャナーのトナーに入れてスキャン開始、⑥追加があれば続けてスキャン、⑦スキャンした1冊分のデータを名前付けてPDFファイルとして保存、⑧USB経由でキンドル端末にコピーしてPDFファイルとして読む。という感じで、それほど難しくもなく、時間はそれなりにかかるが1時間で10冊ぐらいはいけるので、アニメでも見る時間に片手間でスキャナーに突っ込んで読み取らせていけば、チマチマとだがそれなりに数ははけていくように思う。
キンドル端末で読むのに、文字を読みやすいようにクッキリさせる処理や余白のトリミングの最適化をすると良いらしいが、まあそのままでもちょっと文字小さいかなと思うが十分読めるし、その辺の処理はデータ化さえしてあればいつでもできることだし、そういうことに手間かけるより、とにかくデータ化を進めて押し入れのスペースを確保していくのが重要だと思うので進めていきたい。
この際もう読まないであろうものを捨てるなりなんなりというのと併せて、小説・エッセイ、マンガ、釣り雑誌と10箱以上はある我が家の押し入れの本を何とかしてしまわないと、データ化できない釣り具が増えるのを止めきれないので、本も置いている釣り具部屋が飽和してしまうのは避けられない。
早速100冊ぐらい自炊できたが、重い段ボール箱を押し入れから出してきてどこにあったかと探し回るのに比べると、題名検索一発で素晴らしく探しやすいというのが、省スペース化に加えて書籍自炊してデータ化した時の利点。
高い機器も買ってしまったし不退転の覚悟でのぞみたい。
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紙詰まりを起こしてページがグシャグシャに‥なんてことはないですか?それが怖ろしくていまだ自炊生活に踏み込めません‥
返信削除切りとり位置の設定さえ適切なら、最初と最後の厚紙部分にノリがはみ出ている場合にだけ気をつけていれば大丈夫っぽいです。今のところ問題無く自炊できてます。
返信削除グシャッとなった場合も、その部分だけキレイにのばして再度スキャンして付属のソフト使って後から挿入とか、編集もある程度できるのでまず問題はないように思います。
むむ、なるほど、そうですか‥
返信削除手持ちの郷土資料、津波でほとんど流されたけど、残ったものだけでもPDF化しようかと考えてます。思い入れのある本もあるので、本としての形態を損なうのは躊躇する気持ちがないわけではないけど、ぐしゃっとなる心配がそれほどないならやってみようかな‥
ちなみにPDF化する理由は、分散保管して消失リスクを少なくするのと、基本資料としていつでも誰にでも供せるようにしておきたいからです。志津川も歌津も図書館が流されたのが痛かった。この辺の郷土史本なんて古本屋にもほとんどないだろうしなあ。
返信削除本を裁断するのはやっぱり最初躊躇しました。
返信削除本を大事に読むというのは習慣としてありましたし、ナチスが情報統制で本を焼き始めた時に「本を焼くようなヤツらはそのうち人間を焼き始めるゾ」と警句を発した哲学者だかがいたとかいうのからすると、本を電子データかするヤツはそのうち人間をデータ化し始めるという予想も成り立ちそうで不気味でもあります。
ただ、保管や整理などの点では電子データはとても扱いやすいです。
再販かからないようなマニアックな本でも電子書籍なら在庫保管が必要ないので「売り続ける」ことができるというのが以外な利点になるのではと思っています。
書籍の本質が情報を広くあるいは未来に伝えるためのモノだと考えると、電子書籍も一つの形としてありだと思っています。
「情報を広くあるいは未来に伝えるため」のひとつの手段としての書籍、激しく納得!
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