2022年5月14日土曜日

やっぱりワシは、このあたりが好きっ!

  マイクロセブンCSはこれで4台目である。マイクロセブンCシリーズ全体ではシェイクスピア版も含めてわが家にゃ都合”11台いる!”。最近写真中央のC1のボロ個体が活躍してくれているけど、ハッキリ言ってデキが良い!なんだかんだいっても釣り具は釣果でその良さが証明されるはず。若いときに使ってたキャリアーも先週書いたように大好きだけど、好みで言えば正直マイクロセブンCが自分好みだと思う。ちょいとだけ目方的に重くなるけど、その分補強入れたりネジが樹脂本体に直接タップネジじゃなくて金属の雌ネジ填め込んであったりで作りが丁寧で丈夫。銘板剥がれて、ベールワイヤーのベールアームと反対側の支持部が錆び付いて、ベアリングもシャーシャー鳴ってたようなボロボロ固体でも、ギアがおかしな事になってるような固体にはお目にかかったことがなく整備してやれば快調に復活する。ハンドルのウッドノブは多少重量増につながってるかもだけど、軸が細いのは指の腹が痛くならなくてワシ的には握りやすい形状でわりと好き。簡易ローターブレーキのおかげもあってか投げるときハンドル回ってベールが返ってしまうとかの問題もなく、使ってて全体通しての不具合としては”フカセ”でユルいラインを巻き取るときにドラグノブのツマミの段差に巻いてしまったぐらいで、それもエポキシ盛って対応済みで、ドラグはテフロンパッド3階建ての優秀なのが付いててCSでラインがチリチリになるまで走るボラで試験したけど、全く問題ない優秀さで(ちなみにスプールはキャリアーと共通規格でドラグも同じ)、巻き心地も大森ハイポイドフェースギア機らしい素直な滑らかさで、とにかく使ってて快適で気持ちいい。

 「大森製作所は大衆に迎合した大手みたいなリールを作るようになって潰れた」という論調は多く目にするけど、ワシそれにはいつも疑義を呈してきた。その証拠としてマイクロセブンCシリーズを出したのにたいして売れなかったし、今でも中古市場では多少ボロいとはいえ値段がつくはずの小型のCSが落札価格千円台と”不人気実力派”に甘んじている。っていうのがあげられると思う。ワシ、このマイクロセブンCシリーズはほぼアウトスプールスピニングの完成形で、良いもの作ってれば売れるのなら、大森製作所は今でもこのシリーズをマイナーチェンジ加え続けながら売っていて然るべきだと思うぐらいで、具体的に今時版に改良するなら、スプールエッジの形状を真っ直ぐにしてスプール上下幅キッチリに糸巻きの幅を合わせる。ベール支持部の耐腐食性を上げる。ベールスプリングの耐久性をコイルスプリング方式にするなどして上げる、ラインローラーを大きさ重さは同程度のまま素材を硬質なものに変更(そのままでも良いかも)し形状をラインが転がりにくい形状に調整。ドラグノブにライン巻かないように段差無くす。ハンドルノブを今時の軽くて摘まみやすいのも選べるようにする。銘板剥がれないように良い接着剤使う。ぐらいで丈夫でそこそこ軽くて巻きが滑らかドラグ優秀整備性良好価格適正の”究極の1台”になってておかしくないはずである。でも、現実には大森製作所はとっくの昔になくなったメーカーだし、市場にはアホみたいな瞬間的逆転防止機構が搭載されてバカみたいな高額な値札が貼られた高級リール様が幅をきかせている。大森製作所の末期の様を嘆くときに鋭い論者だと「何やっても潰れたかもだけど、どうせ潰れるなら最後まで大森らしさを貫き通して欲しかった」という論調になってて、そこはある程度同意できるけど、無邪気に”良いものを作ってれば潰れなかった”とか書かれてしまうと、そうじゃねぇだろ?って、現実も全体像も見えてないお気楽な論者だなって、正直思ってしまう。ゴメンナサイ。

 ワシがしつこくしつこくマイクロセブンCシリーズ(とかPENNスピンフィッシャーやら)をネタに褒めちぎるのは、こういう単純明快なリールが多くの普通の釣り人にとっては良いリールなんですっていうのを世に知らしめて啓蒙し、いつの日か愚にもつかない瞬間逆転防止機構なんていう害悪が載っかってない、適正価格で新品手に入れることができ自分で手入れして長く使える素晴らしいリールが新たに作られる日が来て欲しいからである。何をエラそうにと自分でも思うけど、エラそうに書かないと自分で物事判断できない人種は影響されてくれないようなので、なんかさも権威ある人間の意見であるかのごとくエラそうに書きます。そして、数値化した指標はアホでも理解しやすいので、アホのように数を買っているのである(嘘です後付けの屁理屈です)。

 とはいえ、さすがにマイクロセブンCネタも新たに書くようなことは少なくて、今回新たにベールスプリング自作という”名工への道”的な試みについてと、意外なところで関連が出てきたかもなマイコン301TBネタ、ついでにこの春に買った大森5台の最後の1台余らせても仕方ないのでマイクロセブンNo.2ネタもチョイと突っ込んでおこうと思いますので、お暇なかたはどうぞお楽しみください。

 今回入手した、マイクロセブンCSはボロかった。ベールスプリングは折れていて、須山スプリングさんで作ってもらおうかと思ったけど、これまでベールスプリングとかの力の掛かるところ以外のバネは自作可能とステンレスワイヤーとかで自作してたんだけど、今回そのベールスプリングも作ってみようと思い立った。きっかけは、PENNのパーツ屋さんである「「MYSTIC REEL PARTS」」さんが海外発送やめてしまったちょっと後ぐらいに、ヤフ○クにPENNのベールスプリングを手曲げで自作して出品している人が現れて、隙間見付けて上手に小遣い稼ぎしてるなと感心しつつ、バネ屋さんに発注するより安めの絶妙な値段設定もあって、これで確保できるなら便利なので1票入れる意味で買ってみた。耐久性とかは使わないと分からないけど、填めてベールの返りとか試した段階の感触では、わりと大丈夫そう。そうなると、材料さえ手に入れば手で曲げて作っても少なくとも当座をしのげるような代物は素人でも作れるのでは?ということを考えてしまい試してみることとした。

 ステンレスの硬線があると錆にも強くて良いのかもだけど、太さ見ながら買いたかったので近所のホームセンターで探したら硬鋼線(ピアノ線)しかなかったので、とりあえずコレで行くことにした。太さは0.55ミリのと0.7ミリのを買って、とりあえず細い方が加工しやすいだろうということで、まずは0.55ミリの方で作ってみた。

 道具は、ルア-自作とかフックハンガー作成とかの際のワイヤー加工のために買った針金加工用のペンチがあるので、それと普通のペンチでグリグリと加工する。針金加工用のペンチは片方が円錐形になってるので、そこにピアノ線を巻き付けるようにしながら適宜挟んで型をつけて、欲しい3回巻きのバネを作成。あとは元のバネの長さに合わせて先を曲げて切ってハイ完成、って感じでこの太さのピアノ線なら特に難しくない。細いのでややベールの返りがおとなしい感じになるけど、ちゃんと閉じるのでとりあえずは使えるようだ。そのうちよく使うであろうC1用にも作成して0.7ミリと0.55ミリで比較して耐久性とか見てみたいところ。綱線なので錆には弱いかもだけど強度的にはそれなりにありそうに思う。多少錆びたり耐久性に乏しかったりしても、自分で作れるのならどのぐらいでダメになるか把握して、定期的に交換してしまうという手も使える。錆が問題になるようなら太さの感じも掴めたしステンレス硬線買い直しても数百円である。強度的には意外と何とかなりそうな気配で、自作で良いなら金もそんなにかからんし、いいかもしれん。とりあえず今回のCS、ベアリングがシャーシャー言ってるのは回していると錆が削れてベアリング復活するという話を読んで(ぬこさんマジっすか?)今度試してみようと放置してあるけど、他はグリス大盛りで整備して快調、いつでも出撃できるよう準備万端にしておいた。

 お次は「マイコン301TB」なんだけど、TBシリーズはマイコンシリーズで屈指の完成度だと思うんだけど、全く人気はなく、もう一回書くけど落札価格1000円のゴミスピ価格はどうなのよ?って思う。みんな見る目がなさ過ぎる。何が良いって大森後期の作でスプールエッジが比較的真っ直ぐで、かつ丈夫な金属製、そして今回全バラフルメンテしてて気がついたんだけど、初代マイコンがスプール上下はギアを介して減速なりしているのに対してTBシリーズ単純なハンドル1回転一往復のクランク方式になってて、それゆえ綾巻き系でかつスプール幅狭めの直径大きめでライントラブルが少ない。ラインのヨレをライン出し入れ無しでハンドル逆回転させてとる、という”TB”の名前のもとになってる”ツイストバックシステム”のワケのわからなさが目立つかもしれないけれど、ツイストバックシステムたいした機構ではなくてジャマにはならずで、使ってみるとトラブル少なく投げて巻いての基本性能がしっかりしててなかなかに良くできてるのが分かる。これワシだけの偏見じゃないみたいで大森仲間のSUZUKIさんも1台入手して使ってみて”使えます”と太鼓判押されてたのでやっぱりデキが良いんだと思う。

 今回の個体はわが家に来たときには、まともにハンドル回せないぐらいに重くなってたんだけど、毎度のことながら大森スピニングがギアとか逝ってるわきゃなくて、グリスが固まってるだけだろうってことで、全バラフルメンテグリスシーリングを敢行。案の定、スプール外した時点でローター軸のギアの出口のところに茶色くグリスがこびり付いていて、ギアでグリスが固まってるよりローター軸のギアの中で主軸に古いグリスがこびり付いているのが巻きが重い原因のようだった。ここにはいつもグリスじゃなくてオイルを使ってるぐらいで、軸とギアが筒の中の広い面積で接するので粘性の高いグリスよりオイルが良いと思ってる。

 でもってついでにツイストバックシステムの解説。さっき書いたように機構は単純で、ローターの下部にあるレバーを入れると、ローター上部のスプール内側に突起が飛び出して、ローターの内側壁面にある出っ張りに引っかかるようになる。使い方としてはラインの端をどこかに固定してヨレの入ってる長さの分引っ張り出す。そしてドラグユルユルにして(註:ドラグそのままで良かった)、ツイストバックシステムをONにして、ラインを張りながらハンドルを逆転させると、ローターが逆回転するけどローターとスプールが固定された状態なのでラインは出て行かず、ローターとスプールがその場でグルグル回る。回るっていうことは糸が縒れるハズなんだけど、その方向が通常の糸が縒れる方向であるドラグ出ながらハンドル正回転で回してできる糸縒れと反対に糸が縒れる。なので縒れていた糸が元に戻るぐらいに逆の縒れを加えてやれば”糸縒がとれる”という機構。ただこれどこまでやればちょうど良く糸縒れが取れるのか加減が分からんというのと、TBシリーズ自体は糸縒れあんまりできない良くできたリールなので、最初面白がって何回か使ったけど、結局ラインが縒れ始めたらライン交換って感じになって使わなくなった。糸縒れとるのには単純な金属棒を投げて適度にラインに張りを持たせて巻いてきて縒を取る”縒り取りスティック”とかいう商品の方がよく使った気がする。投げて巻いてではたいして縒れないリールでもドラグ効かせて走らせまくるとラインはチリチリに縒れる。川だとラインになにもつけずにしばらく流してから指で摘まんでしごきながら巻き取ると縒がとれる、ってのもシーバス釣っててコイにラインチリチリにされたりするとやったことあるけど、時合いならさっさとスプール交換した方がイイよねって話。写真でも分かるようにバネが1個にレバーとスプール引っかける突起の部品が1個と実質3個の部品数でたいして重くも複雑にもなってないのでこの機構は無視して、むしろその他の部分が改良されて良くなったマイコンシリーズだと思って使うと良いとおもっちょります。

 分解するときチョイと面倒なので、リアドラグの部分は最初にやっつける。ドラグパッドの枚数について、以前、フロントドラグだと一番底の面はスプール底面かスプールに固定されたワッシャーで始まるので、一番上のドラグパッドを押さえるワッシャーは、軸と同期して回らないものでないと、ドラグノブを回してしまってドラグ値変わってしまいかねないので、必然的に一番下がスプール固定、一番上が軸固定にならなければいけないので、ドラグパッドは1枚、3枚というように奇数になり、逆に軸が回転するリアドラグ方式だと一番上と下のワッシャー等が本体と固定になるので、最低限間に軸と固定のワッシャーが1枚入るドラグパッド2枚等の偶数枚になると書いた。301TBでもまさにそうなっていて、上左から4枚の灰色っぽいのが繊維質の素材にツルツルの樹脂で表面処理したような感じのドラグパッド。一番左のドラグパッドは本体底(=ドラグの天井?)とその下の軸と一緒に回るギザギザ付きの部品に挟まれている。ギザギザは本体内部に隙間を作ってはみ出させてあって、ドラグが効いてるときにこのギザギザで金属部品を弾いてジジジッと鳴る”音だし”になっている。2枚目はその軸と回る音だし部品と本体固定のワッシャーの間、次の3枚目は本体固定と軸固定ワッシャーの間、次の4枚目は軸固定ワッシャーと本体固定ワッシャーの間に挟まれていて、最後のワッシャーはドラグスプリングに適度に押さえつけられているという構成になっている。ドラグパッド4階建てで、実用充分な性能を確保しているけど、ちょっと部品が増えて複雑化しているところは欠点にも数えられるか。

 その他の分解作業では、巻くときカリカリ音がしないようにするサイレントカムの位置と入り方を写真に収めるなどして把握しておくのも地味だけど大事で、忘れてると、これどこに組めば良いんだろ?って悩むハメになりかねない。ストッパーの切り替えスイッチから伸びている軸から張り出している白い部品が、ハンドル軸のギアに填められたサイレントカムの伸びた足の部分を押して反対側でストッパーの金具を押したりするので、填める位置は右のようにハンドル軸ギアの直下、サイレントカムから伸びる足の部分は左写真のようにリアドラグ側の隙間に入れてやる。

 でもって、初代マイコンの全バラでは、リアドラグで軸が回転するということを妨げないために、いろいろとややこしいことになっていて、スプール上下のオシュレーションはギアをハンドル軸のギアに別に設けていて、そのせいで主軸を抜かないとハンドル軸のギアが抜けないんだけど、主軸にオシュレーションカムを止めているCクリップが非常に外しにくく「マイコンSS」を分解したときに二度とごめんこうむると思ったしろものである。

 ただ、立派なことに、TBシリーズでは軸が回るリアドラグではあるけど、初代マイコンのように分解しにくくはなっておらず、多少複雑化してはいるけど、分解するのに根性やら技術やらが必要とされるようなことはない程度に整備性が良くなっている。手順をまもってサクサクと分解していけば問題なくバラせる。

 まずスプール上下のオシュレーションがクランク方式で本体蓋開けたときにギアの上にあるのでスポッと抜けて、ついでにハンドル軸のギアも抜けるのでオシュレーションカムが剥き出しになって作業がし易い、剥き出しになったオシュレーションカムを軸の上でクルッと裏返してやると、左端の方で”コの字”の部品がカムと、カムを軸に削った溝に填めて固定するハンガー的な部品をまとめているのがわかるので、これをズラして外す。外すと真ん中写真の様にハンガー的な部品をオシュレーションカムから外せるので外して、オシュレーションカム自体も軸から抜けるようになって取り外し完了。って感じになる。リアドラグだと、軸が回転するので軸に穴を開けての”単純クランク方式”はできないというのは理解していて、クランク方式にするならオシュレーションカムにクランクを刺すか填めるかだろうなと思ってたけど、まさにそうなっている。っていうのに実は今回初めて気がついたというお粗末。オシュレーションクランク外さなくてもハンドル軸ギアまで外れればグリス追加とかの整備は十分可能なので、これまで使ってきた2台は全バラしはしてこなかった。今回全バラしして色々分かって面白かった。

 気付いたことの一つに、このギアひょっとしてマイクロセブンCシリーズと共通じゃないか?ということがあって、マイクロセブンCシリーズのギアとオシュレーションクランクの形状は他の同時期の機種、キャリアーや初代マイコンとは異なっていて、専用設計の気合いの入ったモノじゃないか?と書いた。初代マイコンより時代的にはマイコンTBシリーズと同じ時期だったっけ?よくわからんけど、初代マイコンはスプール上下は別途歯車設けた方式なのでそもそもクランク方式じゃないし、単純なクランク方式だと軸の穴にピンを刺すのが普通だけど、ピン刺したらリアドラグ方式では軸が回らなくなってドラグとして機能しなくなるので、マイコンと共通はあり得なかったけど、マイコンTBシリーズはオシュレーションは単純クランク方式だけど軸に穴開けてピンを刺す方式ではなく軸の回転は確保しつつ、軸の一定の位置に固定したオシュレーションスライダーから出ている棒にオシュレーションクランクを刺す方式なので、写真の様にどうも共通臭いハンドル軸のギアとクランクになっている。左が今回バラした301TB、右がマイクロセブンC1。実際交換して試してはいないけど、穴の開き方とか同じでわざわざ違う規格ならここまで共通な形にしないだろうから、間違いなさそうだなと思ってます。

 でもって、値段つかない機種だから自分で使うこと想定して、青グリスグッチャリ大盛りで仕上げて、外見も拭き上げたら、回転もベールの返りもドラグも快調そのもので、見た目もそれ程キズ腐蝕等なく、とても良い状態に整備できた。放っておけばグリス固まって巻きも重い”ゴミスピ”だったけど、今回の整備でバリバリに使える現役リールに復帰して、しっかりグリス詰め込んだので、今後何十年と実釣可能な状態に復活させることができたと思うので、久しぶりに良い気分である。実際には、使ってた別個体があるので、このリールそのものが使えるというより替えスプールが手に入ったということが大きいかも。今回の個体はキレイめなのでお留守番してもらう方向だろうけど、元々わが家にあった個体の方は、これで実戦投入させやすくなったし、近いうちに使ってみよう。

 最後のマイクロセブンNo.2は、需要が少ないせいか珍しい大きさなので落とせたらもうけもので入札しておいたらちょっと競ったけど落札。使う予定も必要性もなく、あえて言うなら蔵に転がってる箱入り新品娘のオートベルNo.2とで替えスプール有り体制が組めるな、ってぐらいで買う必要あったのかは疑問である。でも欲しかったんだもん。しかたなかったんだもん。外蹴りのアウトスプール版マイクロセブン、何度も書いてきたけどかっこいいんだもん。

 とにかく、作りはしっかりしてるけど設計は単純。オートベールとかではご自慢である”内蹴り式”の部品が当然無いので、部品数少ない。特に樹脂パーツが、外蹴りの蹴飛ばし部分、ハンドルノブ、ドラグノブ、ストッパースイッチの防水パッキン、ラインローラーのスリーブ、スプールのライン止め、ぐらいで、あとはドラグパッドの硬質フェルトを除くと全て金属でできちょります。硬派な感じです。

 前の持ち主が丁寧に使ってたのが偲ばれる感じで、キズも少なく、グリスやらオイルは定期的に注していたようで、そのまま使っても良いぐらいに機関快調で、40年から生き残ってきたこのリールを、今後もまた数10年は生き残らせてやらねばと、ガッチリグリス盛って仕上げておきました。

 同時代の庶民派「タックル5」も基本的なところは同じでこれも良いリールなんだけど、やっぱり大森製作所の由緒あるリール名”マイクロセブン”を冠するリールは、特別な格好良さがあるようにも思ったりして。

 てなかんじで、今回とりあげた3機種(シリーズ)はどれもナマジ推薦のお買い得な大森スピニングなので、興味のある人は是非手に入れて楽しんでみてください。


 大森アウトスプールの最終形態、樹脂製で軽いけど適切な補強で丈夫さも確保、ドラグも優秀な”不人気実力派”マイクロセブンCシリーズ

 マイコン買うならTBシリーズにしとけ!ギミックよりも基本性能の成熟度の高さ、トラブルの少なさ、使えるリアドラグ機マイコンTBシリーズ。

 昭和の時代の硬派なリールをお求めなら、そしてあなたが左手でベールを返して使う釣り人なら、自ずとこのリールがしっくりくるというものでしょう。マイクロセブン(アウトスプール版)。

 良いリールは、使って魚釣るのももちろん楽しいけど、いじってるだけで楽しくなっちゃうのよね。だからスピニング熱は治らない。スピニングの沼からは這い上がれない。

 それがどうしたっ!楽しいことは多分正しい!!

6 件のコメント:

  1. ナマジさん、川越物産展・大森特盛丼ありがとうございます。

     大森の機関のタフさはリールとしては確実にオーバースペックですね。私はベリーワゴンに200円で転がってた塗装沸きまくりのバネ折れジャリゴリひん曲がり糸溝付きの外蹴りマイクロセブン3番を蘇生して一軍メンバーにおいています。目隠しして触ったらそんなゾンビみたいなやつだなんて思わないぐらいの生命感でギアブッシュの滅入りもありません。ひどい扱いされてた物でも簡単な手術で棺桶から蘇るなんて大森製品はバケモノ感があります。

     釣具界は全力で商売に振らないと生き残れないんですかね。必需品ではなく巨大な市場とまでは行かず、中小ではやっていけなくて大企業になれたとこだけが回していける具合なのでしょうか。目指すはシェア世界征服、縮小するようなら撤退、製造をやめた名門と2強の商売の仕方を考えると大森が残れる道はあったとしても吸収一択のように思えます。自動車産業での中規模メーカーの消失、GM帝国・トヨタ連合やフィアットクライスラーとプジョーシトロエンひとつになります、みたいな独立して生きていける未来はほぼない流れとおなじ感じがします。

     常に危うく一見絶好調に見える70年手前でも破産危機でシェイクスピアに従属契約する状態でしたし、大森は優等生な顔をしていながら性格は”破滅型の天才”タイプで長生きできずに伝説になるのがそもそも宿命だったのだと思っています。


     当方自転車もしていまして、度々ベアリングの死に目にあうのですが、やけが出たり錆びたりした場合にそのまま回し続けて不具合部分が削れて解消することはなく、逆に小さかったダメージが目に見える傷になって他の玉やレーズ面に転造されていって最後ボコボコになってかじって砕ける進行の仕方をします。きっかけは耐久性が低いグリスに水が多量に侵入したことによる場合が多いです。やはりグリスは信頼性が第一。シャリ感があって解消するのは石化したグリスが転がりを阻害してる場合でしょうか。上のゾンビセブンもベアリング入手まで数か月メインで使用していたのですがゴロゴロだったこともありますが良くなりませんでした。でも、しばらくゴロゴロの感触と共にしていると交換してヌルヌルになると寂しくなるんですね。ゴロゴロロスになった思い出があります。

     バネ補修は釣具屋自作コーナー定番のストレートのバネ線を使ってます。小型機のベールスプリングなら0.8すこし大きなアウトスプールなら1.0でしょうか。硬いので短く区切って丸めるというより曲げていきループを作ると見た目は悪いですが作りやすいです。

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    1. おはようございます

       野外で長年使う道具はオーバースペック気味でちょうど良いのかなと感じてます。5年だかのモデルチェンジまで持てば良いって程度の道具に私は愛着持てませんね。

       ベアリングはやっぱり交換基本ですか。でも仰るようにゴロゴロしてるのも味がある気もします。今使ってる丸ミッチェルはギアゴロ感含めて気に入ってます。

       釣具屋で売ってるステンレス線は盲点でした。何で気付かなかったんだろう?蔵にあるハズですので探してみます。

       次回ネタはリールではありませんが合併・吸収を逃れた小規模メーカーのお話です。お楽しみに。

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    2.  つらつら考えていて、日本にまだリール作っている小規模メーカー生き残ってるのを思い出しました。ダムのOEMとかしてた五十鈴工業、あとABUのC3とか作ってた瑞穂機械製作所。前者は今でもオリジナルのベイトリールとか作ってます。後者はリール以外も作っててリールはピュアフィッシングに提供してるっぽい。五十鈴工業のリールなんて数売れてるわけないのにどうやって生き残ってきたのか?OEMが多いのか?不思議です。

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    3.  ごく小規模生産のところで残ってましたね。自動車産業でも巨大グループか年産数十台みたいな所に二極化しています。2000年ごろから特に顕著で、中規模はどっかの傘下になって存続か、その後切り売りされて商標だけになるか廃止されるかという具合です。
      と言っても長期存続している少量生産は数社程度しかなく自社製品だけでなく他社の部品や技術開発などもしているのでメーカとして採算あがってるのかは謎ですが。
       
       五十鈴工業は最近経営が上手くいかず母体というか代表というかが、会社譲渡によって変わることがあって、この先続けていけるのかが危うそうな感じがしました。感じがしただけなら良いと願ってますが、私は使わないタイプのリールなので買って応援することもできません。
      客はほとんどがトッパーで一部ベイトでトラウトやる人というかんじでしょうか。道楽フロッグバスポンド津波ルアーズヒヨコなど請けてますね。津波の場合は1機種200台程度と聞きました。
      確かにメガバスやスピンキャストで認知されるものの基本的に何をしていたのか点でしか追えない零細専業マイナー所が厳しい世の中で現在まで生き残ってこれたのが不思議極まりないですね。何か特別な術があるのでしょうか。

       譲渡先はトライオールとかいうのですが、そこから出てた大森氏設計五十鈴製クローズドフェースが欲しいのですが当時5万と高く、製造終了から年数経た現在も中古市場で定価から値下がりせず状態によっては倍近くに競り上がる状況で手が出せない有様です。


       瑞穂は安定した本業がちゃんと別にあるけど撤退せず受注次第で作り続けるという貴重な存在ですかね。ツネミカーディナルを去年買いそうになりましたが、悩んでる間に正気に戻って、ポチリとやらかすことなく済みました。危なかったです。
       他にも特殊用途や個人で手作りしてるとこもあるようですがそっちは分かりません。


       5年だかのモデルチェンジ、すぐ滅入って中古のタマによって当たりはずれがあるのが当たり前というのは古今有れど、最近の物は基本それみたいな感じがしますね。何ミクロンだシムで追い込むだので精度上がった分不具合が目立つようになったとかならその分耐久性上げればいいのではと、比べ物にならないぐらい高回転後負荷の機械でも滅入りに相当期間がかかるものありますからね。
      リールはまだ恵まれていて、ギアむき出しで砂塵に晒されるとかではなく、密閉してる構造なので摩耗が宿命といえるほど過酷な状況ではないでしょう。大森は美品もボロも具合に差が無いのでまともな機械なんだなと思いました。

       後期大森研究の第一人者、ナマジ教授のレポートまた楽しみにしております。小規模メーカーの次回ネタもお待ちしております。

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    4.  思い出しました、ゾンビセブンのベアリング変えてゴロゴロロスになった時、結局いっぺん元のベアリングに戻したんです。またちょっとしたら新しい方に変えたんですけどね。

       硬質バネ線の加工は結構難しくて私の場合3個ほど作り直してようやく使えるのができる感じです。画像できれいな自作バネ上げてる方々がいますがどうやっているのでしょう、まさか生材入手して加工後熱処理するのでしょうか。

       

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    5. おはようございます

       五十鈴も経営あぶないんですね。私もインスプールのチャージャーでポチりかけましたが弾数少なく出物がなかったので命拾いしました。トッパーの人達は道具に金かけるからやってこられたのでしょうかね。
       今五十鈴に大森新太郎氏がいるんですね。不勉強で初めて知りました。

       硬線の加工確かに難しくて私も5.5ミリでも何度か失敗してました。ネットオークションに出されてる人とか上手に作ってるけど不思議ですね。ホントに焼き入れしてたりして。まさかね。

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