2015年5月17日日曜日

中身の詰まったヤツら


 ルアー図鑑うすしお味第5弾もGTルアー関連。樹脂充填系の中身のギッチリ詰まったルアー達です。こいつらもワイヤー貫通構造で丈夫にできてます。


 まずはGTルアーの源流の一つと考えられる、ハワイのピリーです。下のが発泡素材を中心に入れているヤツで、上の反射板入りはカガミピリーと呼ばれてたと記憶しています。
 GT「ルアー」の源流自体はギブスの所でも書いたように米国東海岸にもあったと思いますが、GTのルアーフィッシングという「釣り」の源流は、たぶんハワイとオーストラリアに遡れるんだと思います。
 オーストラリアの方の、たぶん今の木製GTルアーの原型の一つであるオーストラリアのローカルルアー、バリー・クロス氏製作のダウンアンダースポーツフィッシングGTポッパーは残念ながら所持していませんが、ハワイの方のピリーはいくつか使ったのが残っています。
 見て、気付く人は気付くと思いますし、ハワイと聞いて分かると思いますが、こいつの発想の原点と製法の基礎はカジキ釣りのトローリングヘッドにあるとみて間違いないと思います。
 トローリングヘッドも角削った天然素材のモノもありますが、ピリーと同じように反射板を埋め込んだ樹脂製のモノも一般的です。トローリングヘッドは後ろにタコベイトとかのスカートを追加して、船で引っ張って泡を引かせてカジキなどをさそうルアーです。カジキのトローリングが盛んなハワイで、キャスティングで現地でウルアと呼ぶロウニンアジを狙うためのルアーをと考えたときに、トローリングヘッドと同様に泡引きして魚を誘うルアーをということで、キャスティングしやすいようにスカートのない一般的なポッパーの形状にして、フックも通常のプラグタイプのルアー同様にトリプルフックを2個付ける方式にして丈夫さを確保するためにワイヤー貫通構造にした、というところでしょうか。ちなみにシンキングですが早引きして水面から水面直下で使います。
 この樹脂はたぶんレジンとかの透明で比重の高いプラスチックで、こういう素材で作られているGTルアーは現在廃れて、メッキ用ルアーとかにその伝統を引き継いだものがみられます。


  でもって、樹脂充填系のもう一つの雄が世界に羽ばたく佐賀の漁具系釣り具メーカー「ヨーズリ(現デュエル)」の発泡樹脂製ポッパーのサーフェスブルです。
 発泡樹脂を型に充填して固めて成型したルアーって、その昔、米国のブーンという変態ルアーメーカーがジグザッガーとかニードルフィッシュとか作ってて、ルアーとしての源流はそのへんにあると思いますが、GTルアーとしては主流となった木製ワイヤー貫通式に押されて、ほぼヨーズリしか作ってません。でも、GTルアーとして無くてななら無い存在感を放っています。
                                                            
 チョット待て「節子、それサーフェスブルやない」と思われる方がいるでしょう。
 普通サーフェスブルといえば左の集合写真のような形状のルアーだと思うのではないでしょうか。確かにこれがサーフェスブルGT200ではあります。ちなみに集合写真撮ろうと思ったら、かなりのストック数があったので出すのめんどくさくなって現役ボックスに入っているのだけ撮影しました。GTルアーとしては一番沢山持ってるのがたぶんこいつというぐらいお気に入りです。

  でも右の写真のコレ、間違いなくサーフェスブルです。腹に書いてあるのを見てもらっても分かると思います。
  実はサーフェスブルの初期型です。たぶん。
 JOSさんにもらった古いGTルアー軍団の中にあったと記憶していますが、我々が良く知っているサーフェスブルGTの20センチと比べるとサイズが少し小さく17センチほど。カップの切り方とかヘッド周りのデザインがイマイチたどたどしくて、初期型な感じがしています。
 この辺、ヨーズリ大好きなナマジとしては歴史的ルアーとして殿堂入りさせたいぐらい愛しているのですが、誰もこの気持ち分かってくれないだろうなとは理解しています。


 初期型の次は最新型で社名もヨーズリからデュエルに変わって、ビックブルーというシリーズの「ブルポッパー(F)200」で出ています。素材が「破壊不能」な高強度のものになっているようですが、デザインとサイズは踏襲。使用感もほぼ変わらず相変わらずイイ塩梅のGTルアーです。曲線が美しい。特にお尻のあたりの微妙に縦扁しているあたりと、カップ周りの角のとれた感じが良いんですよこれが。  



  そして、一番なじみ深く思い出深いサーフェスブルGT、右の写真の上が200で下が150のサイズ。150はシイラとかに良いサイズ。
 特に上のクロームに青の背中の「青銀」と呼んでいたカラーが、オーストラリアのガイドに薦められてから大のお気に入りで、ロウニンアジはもちろんキハダやバラクーダ、デカいヨコシマサワラなんかも釣ってて、もう何個もロストして最後に残った1個体となっている。
 こいつは記念に取っておいて、使うのは新型のブルポッパーのクロームサンマカラーあたりだろうな、とか次ロウニンアジ釣りに行くのいつか分からないのに思っていたりする。


 海の世界では漁具系と表現したように手堅い実釣向けのルアーを作ってきたヨーズリだけど、淡水の世界では、金魚ルアーとか回転するオケラとか、B級変態系ルアーを作りまくっていて、その実力を、海向け海外向けにぶち込んでキタのが、左のサシミブル150である。
 海外でのヨーズリブランドの強さは日本では想像できないと思うけど、釣り具通販の世界のメジャーリーグだと思うバスプロショップスでもヨーズリは長く定番商品としてそのルアーがラインナップされている。他にもラッキークラフト、メガバスあたりも海外で強い印象だが、ヨーズリが海外では一番の老舗日本ブランドだといって過言ではないと思う(追加注:ダイワ、シマノの大手は除いての話)。
 なので、海外で売るときはブランド名もヨーズリのままだし、ルアーのシリーズ名も「SASHIMI」ともろ日本風オリエンタリズムあふれるモノとなっている。ポッパーの他にペンシルやミノーがあるらしい。
 ベースになっているのはあきらかにサーフェスブルGT150でサイズも形状も似通っているが、2つほどナンジャそれなギミックをぶち込んできている。

 一つは「ヨーズリサウンドシステム」というヤツで、お腹の所に透けて見えるラトルルームが設けられている。まあ、ルアー作る時に、ラトルルームって教科書どおりにバルサで左右位置を合わせて作るのめんどくさいので、あらかじめストローとかでラトルルームを作ってそれをはめ込むっていうのを良くやっていたけど、それと一緒である。
 発泡樹脂を型に充填して作るときに、ラトルルームのおさまるスペースを作っておいて後で装着するという、発泡樹脂製のルアーの製法上そうなるのが自然なんだろうなという感じで、ついでに外から見えるようにして釣り人の目を引こうという意図かなと思う。 

  もういっちょが、やや変態度が高いその名も「カメレオンフィニッシュ」で、パテント取った技術のようだ。
 表面に線が入っているのが分かると思うけど、コレが山型になっていて、山の両斜面で色を変えてあって、前から見たときと後ろから見たときに色が違って見えるということである。
 それが、どう釣果につながっていくのか全く不明な点がもう、変態ルアーメーカーとしてのヨーズリの実力を遺憾なく発揮している感じがして最高である。
 むかしこういう見る角度で絵が変わる表紙の本とかあったよね。



 確かに、後ろから見るとやや黄緑がかった色なのが、前から見るとブルーである。
 それがどないしたっちゅうネン。という気もするが、手にとって一瞬でも釣り人が「オオッ!」っとなって、レジまで持っていかせることができればメーカーさんの勝利である。
 実際、私がそうやってメーカーさんの策略にはまっている。

 海外向けの商品でマイナーなルアーではあるけど、売って無いルアーではないので、このルアーは今でもたぶん手に入ると思います。
 私も普通にSスイの棚で見つけました。
 チョットネットでググったら、海外通販でなくても国内の通販でも手に入るようです。
 ネタ的になかなか美味しいうえに、釣る能力は実力派のサーフェスブルGT150と同等だと思うので、シイラ釣りなんかに1個いかがでしょうか?割とお勧めのルアーです。
 サシミブル200もあるようですが、ロウニンアジに投げるルアーとしては堅実な漁具系を引き継ぐブルポッパーがイイかなと思ったりしてます。


 ヨーズリネタもうチョットだけ続くんじゃ。
 ということで、サーフェスクルーザー。
 左の方が200で20センチ、右の方に200よりちいさいのが2サイズ。
 このルアーも海外で人気を博した逸品。まあ、ギブス社ペンシルポッパーと似たようなサイズと形状なので、当然アメリカの釣り師はストライパーやブルーフィッシュに向かって投げていたようで、バスプロショップスのレビュー欄には「素晴らしく丈夫。コレで自己記録のストライパーをゲットしたよ」とか「デカいブルース(ブルーフィッシュのことらしい)にはこいつが最高だぜ!」とか絶賛の嵐だったのが印象深い。
 ビデオで当時ヨーズリにいた津留崎氏がサーフェスクルーザーで30キロぐらいのGTを釣った時にポッキリ折れて、それでもワイヤ-貫通構造なので無事ゲットしてたのも印象深い。丈夫な作りなんだけどそれでも折れるというのが、海の釣りの恐ろしさ。ナイロンラインの時代でそうなので、より負荷が掛けられるPEラインの時代になって、デュエルになったヨーズリが発泡素材の強度をさらに上げてきたのは理由あってのことなのだと納得する。基本海のルアーでは実力主義なメーカーさんなのであった。
 とはいえ私がGT戦線に参戦したころにはGT用ペンシルはフィッシャーマンのロングペンが一世を風靡しており、あんまり出番の無かったルアーだったというのが正直なところです。でも、今後こいつらで勝負を決めるシーンがどこかに出てきそうな気がしているルアーです。シンプルで基本性能が高いルアーは時代を超えて活躍するという予感がしています。

 はっきり言ってヨーズリブランドはメチャクチャ好きです。ミノーとかジグとかも実力派揃いで最高です。ヨーズリらしいルアーじゃなくて今の社名になった「デュエルブランドっぽい」というと、分かる人には分かると思いますが、妙にジャパニーズハイテクルアーっぽいリアル路線のルアーは正直好きではないのですが、ヨーズリっぽいルアーが健在な限り、私は買い続けて使い続けるでしょう。


で最後におまけ、この一見サーフェスクルーザーっぽい10センチほどのルアーは、ヨーズリでもギブスでもコーデルでもなくダイワです。
 塗装の感じとかから、こいつも発泡樹脂製かなと思ってたら、どうも木製のようです。
 名前はトップジャンパーらしいです。シーバスに良さそうなサイズだと中古屋で買った代物ですが、まだ使ってません。

2015年5月9日土曜日

「クレイジー」とくれば、バスマンなら「クローラー」、GT野郎なら「スイマー」、ジョジョファンなら「ダイヤモンド」


 ルアー図鑑うすしお味第4弾は、クレイジースイマーです。
 
 まあジャパニーズGTルアーはこのあたりから始まったということだと思います。前回のスカッダーや次回書きそうなハワイのピリーとか、オーストラリアのローカルGTルアーあたりを参考にしたのかなと思いますが、石垣島に移り住んでフィシャーマンブランドでロッドやルアーを作り始めた鈴木文雄氏がデザインし、実釣で鍛え上げつつ、今も巨大な170とかのサイズで作られ続けている超有名名作GTルアー。基本スイマーというカテゴリーのルアーは早引きで泡を引きながら尻振りながら泳いでくるという、トローリングヘッドみたいな動きをします。「泡引きポッパー」ともいったりもします。私がロウニンアジの釣りを始めたころには、しんどい早引きじゃなくて、バッコンバッコンと竿を煽ってポッピングする方法が流行りつつあったので、早引きよりポッピング多めで使ってました。ポッピングに適したバランスのモノには背中に「P」と書いてあったりしましたが、そうでない個体でも概ねポッピングもできました。

 B級でもマイナーでもまったく全然ありません。でもまあ今時の170とかのデカいクレイジーズイマーとか今時のカラーしか知らない人にはあんまり見たこと無いルアーだろうと思うし、古い人には懐かしいかもしれない話も書いてみようかなと思います。


 左の写真の3つは中古屋でゲットしたのですが、私がロウニンアジ釣りを始めた90年代半ばより以前の製品のようで、背中に「FISHERMAN」の表記がありません。でもカラーリングの感じとか、後部のステンレス線の処理の仕方とかからみてクレイジースイマーのわりと初期型で間違いないと思っています。最初のモデルはもっと細長かったとどっかで読んだ記憶が。この時代のは割とレアものかな。だとしても塩水系のルアーってべつにコレクターがいるわけでもなかったりするので、こうやってデータ化して公開でもしておかないと、歴史も過去も振り返ることすらできないと思うので、振り返ることに意味があるのかどうかも分からんところではあるが、書き留めておくことにする。




 でもって、右のが私がロウニンアジ釣り始めた時代のクレイジースイマー。背中の「FISHERMAN」表記が見えるように背中側から撮影してますが、真ん中のオレンジの背中のには「90/96」と書かれているのが確認できます。これは90グラムクラス(必ずしも実測重量と一致しなかったりする。バスルアーの5/8OZとかと一緒)で1996年の生産という意味です。まさに私のGT元年に買ったルアー。結構消耗して「P」のつく個体とか1個も残っていませんが、たぶん残っているのはポッピングが「苦手」な個体なのかな。




 この頃のカラーリングは今時のGTルアーの手の込んだモノと比べるとシンプル。せいぜい背中と腹と色が違って背中に縞が入ってるぐらい。でも、このぐらいのシンプルなカラーがルアーらしくて良いし、あんまりカラーリングに凝ってその分値段が上がるのは歓迎できない。左の水色はカップが蛍光黄色だけどボディーは水色一色で、これが結構な人気カラーで「ムーミン色」と呼ばれていた。ムーミン、トーベ・ヤンソンの原作挿絵とかでは白いけど、日本のアニメ版ではたしかにこんな色してた。
 クレイジースイマーから派生したGTPの105ムーミン色で永らく自己記録だった18キロを釣っている。

 
 右のこいつはクレイジースイマーじゃなくてGTPだけど、歯形とフックサークルでボロボロになるぐらいまでパラオで釣った個体で、緑と白のツートンで実に良い塩梅のカラーデザインだと思う。最近のGTルアーのカラーではキリバスで使ったクラフトベイト社GT-2のピンククマノミなんてのが、シンプルでポップで楽しいカラーリングでとても良いと思った。南の島の明るい空の下ではカラッとポップで安っぽいぐらいのシンプルなカラーが気分である。
 ちなみにクレイジースイマーの派生ルアーとしては、引き抵抗軽くするためにカップの下を削った結果ポッピングもしやすくなってるこのGTPと、リアフックだけのキャスティングマーリンと言うのがあったと記憶している。


 ただ、90年代当時の塗装は、剥がれやすくて難儀した。左の黒もワンバイトで塗装が剥げまくった。最近のGTルアーは車の外装用の塗料を使ったり丈夫な塗装になっている。まあ、それでもボロボロにされるし、ボロボロになったルアーを見て、想い出の海に、心は再び旅立ったりしちゃうんだけどね。




 GT用ルアーの小型版って、可愛い上に性能も良かったりして、シイラ釣りとか用に結構所有している。そのうちのいくつか。50グラムサイズと一番下は30グラムサイズ。ついでに右の2個は背中に記載無しでチョット古め。
 カタログ見ると10グラムサイズというメッキ釣りサイズもあるようだ。




 クレイジースイマーも、今時は凝ったカラーリングで、サイズも170グラムサイズとかあって、今の釣り人はそういうのがGTルアーだと思っているだろうし、それが当然だとも思うけど、私は私がロウニンアジ釣りを始めて修行した時代の90年代のクレイジースイマーにこそ、GTルアーらしさとでもいうべきものを感じるのです。
 GTルアーらしさというか、海のルアーらしさとでもいうべきでしょうか。トローリングヘッドとスカートのカラーパターンとか漁師のバケの鶏の毛の染め色のパターンとかにも通じる、紫、ピンク、青、黄色、緑、白、黒とかを割と単純な組み合わせであしらった感じ、あとワンポイントの赤とかの色使い、何が来るか分からない海の獲物を想定したシンプルな機能と丈夫な作り、なんかが「海の基本」だと思うのです。
 。

 今回の最初の集合写真も、そんな海のルアーらしい色が目に眩しいように感じたところです。

2015年5月6日水曜日

箱の底に残っていたのは希望だと思う


 昨晩九州遠征から無事帰宅しました。
 ツーテンの虎ファンさんには、車の運転、宿、ポイントの案内から、現場で借りるリールオイルまで、すっかりお世話になりました。
 まあ、今さら遠慮するような仲でもないので、思いっ切り頼らせてもらいました。
 あらためてありがとうございました。

 事前情報では、結構コンクリート護岸が増えて、ライギョも叩かれてスレてきたとか聞いていたりしましたが、まあ、そういう部分もなきにしもあらずでしたが、それでもまだ、ライギョは沢山いて、ルアーにバフッと食いついてきて、あいかわらず早合わせですっぽ抜けたりしまくってましたが、それもまたライギョ釣りという感じで楽しめました。タナゴ、フナあたりの小物釣りも堪能。

 九州は田んぼで麦と米の二毛作が多く、GWごろは麦がちょうど穂を付ける「麦秋」と呼ばれる季節で、ヒバリが高い建物も無くぐるっと広い空で高くさえずっている、その圧倒的な開放感だけでも至福と言って良いぐらいです。

 ライギョ釣りでは田んぼの脇の水路(クリーク)を狙ったりするのですが、水路は放置しておくと水生植物の腐食物や流入した土などで長期的には浅くなっていきます。浅くなると田んぼに水を張り雨水などを流すための水路としては機能しなくなってくるので、農家などがたまに、水を抜いて底をさらってという作業を何年かあるいは何十年かに一度という感じで行っていて、昔は村人総出でやっつけて、ついでに水を抜いた水路から出てきたフナだのコイだのはみんなで食って楽しんだらしいです。
 最近では、ユンボで泥をさらうのですが、さらった後の護岸をついでに長持ちするコンクリで固めてしまうというのが、私が憎悪するコンクリ好きの人達の効率的で悪しき流儀です。
 でも、今回の旅で何カ所かで、昔ながらに木の杭と木の矢板で新に護岸を作った場所が確認できました。

 長期的な管理とか考えると、コンクリの護岸のほうが経費も手間もがかからないはずです。それでも「木で」と考えたのは、景観の部分もあると思いますが、自然環境や生物多様性といったことにきっと気をつかったのだと思うのです。木なら隙間も多いし、そもそも有機物なので食べたり住んだりする生きものも沢山います。コケも生えればそのうち草さえ生え始めます。
 私のような都会に住んでいる人間が、やれコンクリの護岸はやめろだの、自然を守れだのというのは、自分でやらなくて良いから言えるという面もあり、正直無責任な意見という側面もあると思います。それでも言わなきゃらならんと思ってはいますが、実際に住んで管理する人達が、めんどくさい手間を考えてもそうすべきだと考えて、あえて選んだことを英断と敬服せずにいられません。

 九州では、炭鉱やらの製鉄関係の歴史的な建造物などが世界遺産になりそうだとかいうニュースで盛り上がってましたが、私は九州の、今まさに使われて受け継がれていっている、現在進行形で生物多様性や景観や安らぎを、そして釣り人に釣果をもたらしている、ドロドロの草ボーボーの水路の方が後世に残すべき宝だと強く感じます。

 九州の自然は、いまだ健在でした。もちろん問題も不安もいっぱいあるのは間違いありませんが、それでもまだ未来に希望がもてるぐらい魚はいましたし、田んぼという人の営みとともにある自然が受け継がれていっている。どうも地元の人もそれに愛着をもっているらしい、ということが見て取れて、嬉しく思いました。

 嬉しい話がもう一つあって、帰りの空港で香港のSUZUKIさんから、香港でタナゴゲットとの報告のメールをいただきました。
 香港オイカワから始まった一連の香港の小物釣りのラスボス的獲物として、香港に残っているかどうかも疑わしいタイリクバラタナゴを求めてというクエストがあったのですが、見事攻略成功したとのこと。苦労して情報集めて、足使って、そして結果が伴った喜びというのがメールの文章からもうかがえて、楽しそうな釣りのシーンが目に浮かぶようでした。
 香港のような高度に開発が進んだ場所でも、まだ、二枚貝とハゼの仲間がいないと繁殖できない生物多様性の象徴のような魚であるタナゴも残っているというのは、これまた、まだ全てが失われたわけではない、危うい状況にはあるけどまだ、希望は残っていると感じられるものでした。
 SUZUKIさん近く日本に帰国されるとのことですが、同じ神奈川県民になられるようで、また一緒に釣りに行ける日を楽しみにしております。一緒に苦戦したり好釣したりしましょう。


 パンドラの箱の解釈やらには諸説あるようですが、私は災厄やら禍やらが世の中にはあふれてしまっているけど、希望は最後まで残っていて、希望があれば人はそれを胸に生きていけるということかなと都合良く解釈することにしています。

 世の中には絶望するような悲劇や、怒りが収まらないような悪行や、心底嫌になるくだらないことが満ちあふれていますが、それでも希望もあるのかなと感じたところです。

2015年4月29日水曜日

一本筋のとおったヤツら


 ルアー図鑑うすしお味第3弾。 

 そろそろちょっと塩味効かせて、海用のポッパー、ペンシルです。 

 現在、GT用のルアーの多くが木製で、中心にステンレス線なりステンレスの棒で組んだリグなりが貫通していて、フロントフックは下から穴を開けて貫通しているステンレス線などにスイベルを通す形で接続しリアフックも含めフックにかかる引っ張り強度に対して、かなり丈夫なつくりになっています。 





 こういう作り方のルアーの源流を遡っていくと、どうも米国東海岸あたりにたどり着けそうです。 

 その東海岸のルアーメーカーの代表格が「ギブス」でございます。 

 まあ、古いGT野郎の皆さんにはお馴染みかと思いますが、今時の人はあんまり知らないでしょう。 
 ということで、あんまり書いてる人いないだろなと思いつつギブス関係検索かけてみたら、結構詳しく書いている人がいたので「どんな人だろ」と思ったら、知り合いでしたというオチ。釣りの世界は世間が狭い。 
 昔、Sスイにいて今は実家の方で釣具屋の店長さんをしているYさんで、私がGT釣り始めるときに道具やらいろいろ教えてもらった人なので、当然同じルアーに思い入れあるわけだ。 

 でも正直私がGT戦線に突撃していった20年ほど前にはギブスは既に一線をひいた感じがしていて、フィッシャーマンのポッパーとかが高いのでボックスの増量剤として買っていたように記憶している。 
 まあそういう2軍ルアーなので魚はあんまり釣っていないけど、投げてないので切られず残っていたりして、わりと笑える数が残っている。 

 代表選手はカップが斜めに切られているポッパーの「ポラリス」。 



















 3-1/2OZとかの重量ですが、ステンレス線とオモリを用意すれば重量アップとか改造も簡単。

 消耗が激しい(と期待していくが一発も出ないので結局消耗しない)ショアからとかサメ狙いとかの時には高いルアーもったいないので今でも用意していきます。



 シイラ釣りとかしていてサメが出たときにアタフタとワイヤー用意していると間にあわんので、あらかじめワイヤー装備したのを用意したりしてます。 







 GTルアーにメッセージやら落書きやらはお約束。 









 次に早引き系ペンシルの「ギブスペンシル」。 

 どっかで書いたけど、こいつと、またそのうち書くであろうヨーズリサーフェスクルーザーが、ロングペンが登場するまではペンシル2大巨頭だったはず。確か3-1/2OZと2OZがあって大きい方で20センチぐらい。 
 息とめて短距離走ぐらいのつもりで左手高速回転させて早引きで使ってました。早ければ早いほど釣れると信じられていました。
 スイマータイプのポッパーやメタルジグでもとにかく「早引き」というのが我々世代の塩水系釣り師の記憶にすり込まれていて、今でも釣れないと「スピード足りんのとちゃうか?」と不安になって早引きして、今時のスロージャークな釣り人に鼻で笑われたりしております。 
 でも、たまに早引き効いたりするのでなかなか止められない習性。 

 とまあ、ここまでは古くからのGT野郎の家の道具箱の隅あたりをつつくと転がっているだろうと思いますが、「ギブススイマー」はわりとマイナーかなと。 

 何でこんなもんを持っているのかというと、けっこう真面目にロシアとかの2m級のイトウの仲間(タイメンと限定しない意味が分かる人には分かるかな?)を釣るときどうするか?というのを考えて、とにかくサーモンロッドとかでは苦戦必至なので、最初っからキャスティングタックルで一番パワーのあるGTロッドで狙っちまえばそこまで苦戦しないだろうというアホなことを考えておりました。 
 そうするとGTタックルでPEライン使用だと、普通のエイト管とかでフックがぶら下がっているミノーはたやすくぶっ壊れるというのを聞いていて、当時ワイヤー貫通構造のGTロッドでキャスト可能なミノーなんてタックルハウスのソルティアミノーぐらいしか無かったので、他にないかなと調べたらギブスからミノーとは言い難いけど、こういうのがあると聞いて試しに買った物です。 
 結局、2mオーバーのイトウの仲間を狙いに行く機会もなく、最近では丈夫なミノーも各種あったりして「蔵」の肥やしと化していますが、久しぶりに蔵から出してみました。 




 こういう、日本ではGTルアーとして使われていた異常なぐらい丈夫なデカいルアーがなぜ米国東海岸で作られたのか、日本にいるとあまり想像できないかもしれません。 
 GTで使うようなサイズのトップのプラグって何に向かって投げていたのか、東海岸は大西洋に面しているので太平洋とインド洋の魚であるロウニンアジいません。ジャッククレバルという似たようなヒラアジ系の魚がいますが南の方にしかいないし、「ジャックと名前につくのはいい加減な扱いを受けている魚の法則」からいっても、あっちの釣りの本とか見ても、それほど狙われていないように思います。 

 実は、こういう東海岸メイドのデカルアーはストライパーに向かって投げることを目的につくられたのです。と断言。あとブルーフィッシュも狙ってたかも。 
 ストライパー(ストライプドバス)は、それ用のルアーであるボーマーロングAのおっきいのとかがシーバスミノーとして日本では認識されているし、写真見てもシーバスっぽいしシマズズキなんて呼ばれたりもするので日本人だとスズキの親戚のイメージで見ているかと思いますが、割とスズキとは遠目の関係で、川でも海でもやっていける生態が似ているので姿形が似ているだけで他人の空似的な別物です。スズキは海で産卵しますがストライパーは河川に遡上して産卵して、陸封型とかもいるというのを知ると、別の系統の魚だなと思えてきます。スズキ目ではありますが、その下の科が既に違うので、タイとスズキぐらいに違います。モロネ科の魚。 
 で、日本のスズキのイメージでみているとびっくりするのがそのサイズ。ストライパーは30キロ超えるような大型が知られており、昔トライリーンの公告にガタイの良い白人のオッちゃんがエラに両手突っ込んで顔まで持ち上げてやっとシッポが地面を切ってるような写真があって、長さもすごいけど顔がオッちゃんの顔以上にデカいド迫力でたまげた記憶があります。 
 開高先生がニューヨーク郊外だかコッド岬だかでストライパー狙う話を書いてたけど、その時にルアーというより「ボーリングのピン」みたいなものをサーフで延々投げてスカ食ったとかなんとか。まさに、ギブスポラリスとか木製でくびれもあってボーリングピンぽいので、このあたりを投げてたんだろうなと想像しています。 
 30キロとかが首振ったら、ヤワなリグはぶっ飛びます。メーターぐらいまでならロングAやらレッドフィンやらの20センチとかでもいけるかもですが、それ以上はワイヤー貫通構造の出番なのでしょう。 
  
    
 大型ストライパー用のポッパーとして、ワイヤー貫通構造の物はいろいろつくられていたようで、いくつか小さめのはシイラ用とかで買ったのが蔵に残っていたりするので紹介してみる。


 老舗クリークチャブのその名も「ストライパーストライク」は、元々は木製だった臭いけど、私が買ったころには既にプラスチック化していてスローシンキング。でもリグはエイト管ではなく丈夫な貫通式を踏襲。クリークチャブと言えばラージマウスバスの世界記録がこの社のウイグルフィッシュ(別のルアーだった説もあるようだが)で出ているが、たしかこのルアーでもストライパーのラインクラス別世界記録が出てたと記憶している。


 もいっちょ、貫通式のポッパー、アーボガストもつくってるんですよこれが、と知ってる人なら当たり前に知っているけど、意外にバスマンは知らんかも、な「スカッダー」。 2OZ。
 名前忘れました、こいつもアーボガストで貫通式です。JOSさんに、もうGTルアー使わんから、ということでギブスやらと一緒にもらったような記憶があって、「釣れるんですかコレ?」と失礼なこと聞いたら、「それ以前に波がある海上ではイマイチペラが回らん」とか言ってたように記憶してます。ボディーを貫通するワイヤーの前後にペラ付けてねじって処理している強引さがアメリカン。



 これもひょっとしたらそうかも。
 コットンコーデルのペンシルポッパー。お尻がステンレス線グルグル巻き付けた処理になっていないけど、フロントフックはスイベルなのでおそらくワイヤー貫通だと思う。ラトル入りのプラスチック製。2OZぐらい。 



 このあたりの先例があって、日本のGTルアーはワイヤー貫通構造という木製プラグを超丈夫につくるのに適したやりかたを踏襲して発展していくのである。 
 そのあたりの、ジャパニーズGTルアーの元祖的なアレについて次回のルアー図鑑うすしお味では取り上げてみたい。 

 しばらく塩味が続きます。海の塩辛さに何十年も泣かされ続けてきたオッサン達は楽ししみにしておいてください。 

2015年4月26日日曜日

フランス人全てがオシャレでもなければイタリア人全てにデザインセンスがあるわけでもない

 「薄塩味のルアーの楽しみ方図鑑列伝攻略法カタログ」第2弾ってシリーズ名なげーヨ!
 ということで、今後略して「ルアー図鑑うすしお味」でよろしくです。第2弾は軟質ボディーモノでいきます。

 おフランスって「ふらんすに行きたしと思えども、ふらんすはあまりに遠し」なんて昔の詩人が憧憬したぐらいの、オシャレな国で、釣り具関係でもミッチェルだのメップスだの、おフランス感あふれるオシャレな製品を産出しまくっている。

 ルブレックスもスピナーは普通にオシャレな感じなんである。でもプラグを作らせるとなぜか、この写真のフロピー。

 ぜんっぜんオシャレじゃない。軟質ボディーに、リップの角度が変えられるギミック付きと、むしろ変態っぽい。名前もノリピーみたいな軽いノリで軽薄な響き。

 こういう退廃的な変態的美学もフランスっぽいといえばそうなのだろうか。 
ノリピーも清純派アイドルだったのに覚醒剤使用で捕まって、元アイドルがシャブを「あぶり」で嗜むとかの絵面を想像すると退廃的で背徳的でなかなか衝撃的だったので、芸能ニュースなんてほぼ興味ない人間だけど記憶に残っている。

 ここまで3つのルアーを紹介してきたが、どれもネットでは語る人も多く、「B級ルアー列伝」だとフロピーなんか後期型のボディーがハードプラスチックになったバージョンなんかも出てきたり、さすがと唸らされるところで、ここまで読んで「何だ、ナマジもたいしたことないな、パクリ企画が本家以下とか読む価値無いジャン」と思われたかも知れない。
 
 お待たせしました。そろそろ本気出します。


 イタリアから来ましたバラクーダルアーです。

 まあ、こんなルアー紹介したところでほとんどの人が素通りだろうし、「そんな海外旅行の土産物なら確かにマイナーだろうけど、日本じゃ誰も知りもしないってだけジャン」と思われるだろう。

 違うんです。

もう、このブツを知ってる人には「アレをナマジ氏は買ってたか!!」とあきれられることが確信できるのですが、80年代とかに普通に日本の釣具屋のルアーコーナーの隅にホコリかぶって売ってたしろものなんですこれが。ちなみにワームみたいな軟らかさではなくもう少し堅め。
 同じメーカーのゴリっぽいやつとかもあって、安くて安心のブレットンスピナーの後ろにつけてメップスミノーもどきのブレットンミノーを作ったりもしてました。なので輸入代理店とかがあって日本の釣具屋にある程度流通させていたモノなんです。たぶん。

 でも、今ネットで検索かけたらまったく引っ掛かってこない。オレが書かなければたぶん歴史に埋もれてしまうんじゃないかというぐらいのマイナーさ。もう書いてる本人も「イタリア製なんて珍しいな1個買っとこ」と買ったけど、何をどう釣ればいいのか分からずパッケージに入ったまま残っているぐらいのしろもの。ゴリっぽいやつはスピナーとのコンビでチビバス良く釣れましたが、こっちはもう投げる気がそもそもしなかったというレベル。
 
 今時でもあるんだけど、単に魚の形に似せて軟質ボディーで作りましたリアルでしょ?っていう、デザインセンスの欠片も感じられないクソダサさ。そりゃ当時からホコリかぶるわなと納得の逸品。

 イタリアってったら、車でもランボルギーニとか死ぬほど格好いいデザインの製品産出しまくりだが、このルアーのデザイナーさんのセンスはどうなのよと責任を追及したい。

 まあ、日本でも水産業界紙(「水産週報」とか「水産経済新聞」とかあるんですッ!)の端っこの宣伝見てると、漁具にまんまカツオとかサバとかの形した軟質ボディーの「まるっぽシリーズ」とか売ってるのを見たことあるので、どこの国でもこういうこと考えつく「戦犯」はおるんだなと思うとります。
 よく考えたらフランスにも「戦犯」いて、さっきも書いたメップスミノーのミノーの部分なんてまさに魚の形で軟質ボディーなんだけど、そこにスピナーとコンビ組ませちゃうとオシャレで格好良くなっちゃうという不思議。

 ついでに、業界紙の宣伝コーナーで見た漁具としてのルアーで最高だったのが、「イカが抱きついたら放さない!」とかの宣伝文句もネーミングセンスも秀逸な「おっぱい針」。
 いか釣り漁船ってイカ角いっぱい付けた縄をドラムに巻き付けながら自動でしゃくる「自動いか釣り機」を20台以上舷側にぐるっと並べて操業するんだけど、イカ角はコストや扱いやすさの制限から胴とハリで構成されるシンプルな形のルアーになっている。その胴の色についてはイヤというほど試行錯誤されてきたんだけど、その歴史に胴の素材の柔らかさという新機軸をひっさげて参入してきた「おっぱい針」、イカが本当に柔らかいと抱きついて放さないのか、エギだと表面の布が無くてプラスチック剥き出しだとすぐ放すとかも聞くのでそういうこともあるのかもしれないが、それにもまして「おっぱい」という、柔らかさを表現するのに、これ以上海の男が納得する単語は無いんじゃないかというド直球なネーミングの吸引力があってこそ、大ヒット業務用イカ角になったのだと思う。

 実力があっても時代の要求やら歴史の綾やらで日の目を見ずに消えていくルアーも多い。
 ネーミングセンスやら宣伝やら伝説やら、ルアーの持つ実力とは別に、ルアーに魅力を与える要素があって、そういう部分も含めてルアーって面白い「嗜好品」だと思うのである。

2015年4月25日土曜日

薄塩味のルアーの楽しみ方列伝攻略法カタログ 序章


  「井上博司のブラックバス攻略法」とか「ブラックバス釣りの楽しみ方」の昔から地球丸の「バスルアーカタログ」、Dab氏のサイトの書籍版「B級ルアー列伝」あたりまで、ルアーの紹介が沢山載っている本って大好きである。
 少年の日にワクワクして読んだし、オッサンになってもやっぱり胸ときめく。

 先週、ニールズマスターネタを書いて、書いてて楽しかった。いろんな思いが胸に去来したしインビンシブルにあらたな愛も芽生えたように思う。

 そして、いろいろと「蔵」を探っていたときに気付いたのだが、我が家の蔵には結構レアなお宝が眠っている。それはまあ、あんまり人気とか価値のあるルアーではないのかもだが、「B級ルアー列伝」あたりから、そういうちょっと本流から外れたルアーについても結構好きで注目している人がいて、それなりにB級ルアー紹介にも需要があるんじゃないかと感じている。

 ということで、まあ人様の企画のパクリっちゃパクリなんだが、そこはそれナマジならではの、ちょっとあんまり語られることのない塩水系のマイナールアーなんぞを多めにして独自色出していきたい。
 単なる模倣は「パクリ」だが、本家にリスペクトを持って自分の表現に取り入れる場合それは「オマージュ」というらしいということを免罪符に、しばらく「蔵からひとつまみ」という感じで他に書くことあったら休み休みの不定期でぐらいでと、ゆるい感じでやってみたい。


 レアもので気に入ったルアーとか、デカイの釣ったときの記念のルアーとかは、写真の両開きのプラノのボックスに入れている。この中のルアー中心にやっていこうと考えている。
 B級ルアーやマイナールアーもちょっと注目浴びつつあるといっても、それはバスルアー、トラウトルアー中心で、おそらくソルトウォーターの古いルアーの情報とかあんまり需要はないのかもしれないが、それでも書く。なぜなら書きたいからである。

 一発目は、「序章」ということで、ジャブっぽくB級ルアーでは割とメジャーなエスコ社「ボナー」を取り上げたい。このあたりならまだ知ってる人も多いだろうし、読んでくれる人はいるだろう。
 科学的に解明した魚が水を動かす動きがどうちゃらとかいう「ごたく」だったようだが、まあ、およそ釣れそうにないルアーで釣具屋でもいつまでも売れ残っていたのだが、なにをトチ狂ったのか貧乏学生のナマジ君は買ってしまった。パッケージの値札シールには1200円とある。1200円もあればもっと別のルアー買えただろうと思わなくもない。結果パッケージも開けずに残ってるわけだが、これで魚釣ったことある人ってどれぐらいいるのだろうか。
 でもまあ、人のルアーに掛ける飽くなき探求心と、消えていったものの持つ哀切とか味わい深いルアーである。
 結局、実験室や会議室の科学的な理論なんてのは、経験則や天才の思いつきとかにはなかなか勝てないのではないかと思うところだ。
 なにげにフィンランド製で、ラパラ、ニールズマスターと出身地は同じ。フィンランド人はいろんなルアー作りおる。



 もいっちょ、科学的に解明した的な「ごたく」で大ゴケしたルアーとしてフレンジーミノーをついでに紹介しておく。
 既に日本では「リアルミノー」が登場した90年代くらいの登場で、登場時点でもうそのナチュラルプリントが古くさかった。ので全然売れなかったと思う。
 今見ると、不気味なプリント模様がオリジナリティーあって悪くないように思うのは気のせいだろうか。
  メーカーは分解性素材のワームのガルプシリーズで大当たりをかましたバークレイである。
 オッサン世代にはラインのトライリーンが懐かしい。


 まあ、このあたりが後から思えば充分メジャーだったと振り返られるぐらいにマイナーなところを狙っていきたい。

 ご用とお急ぎでない方はごゆるりと楽しんで行ってください。

2015年4月19日日曜日

無敵艦隊



 今自分の中で北欧フィンランドのニールズマスターというルアーメーカーがブームである。

 JOSさんに連れられて行った、とある「古釣り具カフェ」でニールズマスター社のビッジーを初めて実物見て、さらに店内の水槽でスイムテストもして、何というかゲンゴロウのようなと言うかコチのようなというか、平べったいボディーの魅力にやられて思わず買ってしまった。
 コレクション用として使わないものを買うのは止めておこうと心に誓っているのだが、禁を破ってしまった。良くあることだが。
 写真一番上がそいつである。この愛嬌あるルアーの魅力がとても私の写真では伝えられないことが残念である。
 一番下のは高校生のころ買った同社スペアヘッド。適度に重量があって、槍(スピアー)の頭の名のもとだと思われる鰓の部分の張り出しが飛行姿勢安定に貢献しているのか、小粒な割に良く飛んでくれた記憶があるが、ニールズマスターのルアーって田舎じゃあんまり売って無くて正直思い切ってキャストできないお宝ルアーだった。
 真ん中のは謎の太いミノー、数年前に中古屋でこんなんあったんだ、と購入してしまったモノだが名前が出てこない。どなたか知ってたら教えて下さい。


 でもまあ、ニールズマスターとくればインビンシブルである。ラパラの影に隠れがちだが、厚めで綺麗な塗装とナマズっぽいまるい頭部などラパラとはまた違う北欧ルアーの名作である。
 塗装のパターンとかアメリカモノともまた違って味わい深い。北欧のカラーパターンセンスはオーストラリアのバラムンディ用ミノーにチョットばかしポップになって引き継がれているように感じるのは私だけだろうか。
 ニールズマスターブームが自分の中に来て、なんぼか買い足して12センチぐらいをシーバスに導入しようかと思って、メガネを作りに横浜行ったついでにSスイに寄ったが、今正規代理店が日本にないようで、12センチ売って無かった。20センチとかがあったが流石に使い道がない。Sスイでは一時期インビンシブルを「北欧のルドラ」とかキャッチーなポップを付けて推していたが、あんまり流行ったようには見受けられない。
 インビンシブル自体は、ラパラの向こうをはるぐらいのミノーなので普通に優秀で、釣る能力は高いはずである。メーカーも「無敵」という意味のインビンシブルをその名に付けた気合いの入り方。でも今時のジャパニーズミノーを見慣れた釣り人には、この美麗な塗装も、しっかりした動きの機能も、お好みではなかったのかもしれない。
 店員さんとしては「使って魚釣ってもらえば実力は納得いただけるだろう」との思いがあったのだろうが、今時の釣り人の魚釣る能力ってたいしたことなくて、インビンで魚釣るところまでいける使い手って案外いなかったのかもしれない。
 と言う自分も、実はこいつでも魚釣ってなくて、これまた引っかけたら困る系ルアーだった。上が学生時代の生き残りで8センチ、下が最近中古屋で買った5センチ。
 中古市場とかで12センチで良い色あったら買ってシーバス釣ってみたいところ。

 そしてこれがまた、謎なミノーで、フィンランディアだと思うのだが、一番下の顎にキールがあるのが一番最近のモデル。一番上のラパラフローティングみたいなのも実は20年以上前にフィンランディアの名前で売られていたモノ。
 これら2種の間ぐらいに売られていたと思われる2番目のモノもフィンランディアだと思っていたのだが、なんか違う名前があるような不確定情報がある。
 これまた、分かる人がいれば教えて欲しいところだ。

 北欧ものって、ABUとラパラがメジャーでかつアメリカのバスルアーのような人気はないのが実情だけど、イケアとかの家具やらボルボやらの車でみても北欧デザインの優秀さってやっぱりあるように思っていて、ひそかにタラ釣り用とかで作られてた、メタルジグなんかのソルブローケンとかスティングシルダーとか、海のルアー長い人間は、渋くて格好いいルアーだったよなと想い出すのである。

 北欧、白夜の中でタラ釣りとか、フィヨルドの川に遡上するタイセイヨウサケとか、湖沼のパイクとか、いっぺん行ってみたいものだ。