2026年9月19日土曜日

当たり王

 ストライクキング社は、1964年創業の古くからある米国のルアーメーカーだけど、むしろ若いルアーマンのほうがなじみがあるんじゃなかろうか、なにせプラドコやラパラの軍門に降らず経営者は変わってたとしても独立したメーカーとして生き残ってて、バスプロのケビン・ヴァンダム氏と組んで、KVDシリーズのシャロークランクやら、沈むときにブルブルしながら沈む”シミーフォール”とかでブームを引き起こした「レッドアイシャッド」っていうバイブレーションとかで、トーナメントシーン中心に気を吐いている。ワシもディープダイバーで急速潜行得意な「XD」シリーズは特に海水で太いリーダー背負って3mラインを攻める時の「5XD」を中心に愛用していて、「10XD」でスーパーディープクランクの釣りを開拓した先進性と共に、あとで触れるけど「5XD」の完成度の高さ釣る能力の高さには惚れ込んで投げている。令和の時代になっても貼り合わせのバリとか残ってる仕上げでも、実釣能力はさすが本場のトーナメントで鍛えられたアメルアらしい強さのあるルアーである。若い釣り人にはそういうイケイケなルアーブランドとして目に映ってるかもしれない。

 でも、おっさんたちは「ん?」そんなご大層なメーカーだったっけ、ってピンとこないだろう。まず何作ってたっけ?っていうと80年代バス少年達に一番なじみがあったのが「ダイヤモンドワーム(正確にはダイヤモンドバックワームか?)」っていったら、ああ、そんなんあったな。と思い出してもらえるかもだけど、もっと有名なのは、ダイワの「ピーナッツ」の生まれがSRはそのまんまストライキング社の「ピーナッツ(S)」でDRが「ダンスキング」で、ダイワのピーナッツ、ピーナッツⅡ一族に連なる始祖を作ってたメーカーとしておっさん&ジ様界隈には一番知られているのではないだろうか。写真のがそいつら。ピーナッツをネタにしてから欲しくなってしまい、バス模様のリアルプリント柄のが雰囲気あって実に良いんだけど、高くて買えなかったのよ。相場で4千円がとこしている.写真のこいつらは半額程度で、でも悪くないとは思う。とくにピーナッツの派手な色とサイコな目はストライクキングっぽさもあって良い。ダンスキングは樹脂の素材が堅いのかラトルの響きが高くて良い音鳴る。

 ダイヤモンドワームに限らず、ダイヤモンド型の表面加工にはこだわりがあったようで、スピナベのブレードにもダイヤ模様のがあったはずだし、ワシんちの蔵からも写真上、バイブレーションの「ダイヤモンドシャッド」がパッケージ入りで出てきた。まあ地味であんま人気のないメーカーのルアーで、買ったときにはたたき売りされてて290円とかで3つほど買ったけど、陸っぱりでシンキングのバイブレーションって若い頃のワシも含めアホの所行であり、根がかって失くして結局パケ入り1つしか残ってない。ダイヤモンド状の表面加工が起こす乱反射が魚の反応を引き出して劇的に釣れるとかなら、たたき売られてなかっただろうし、ワシももっと探して弾数増やしてただろうけど、まあ安かったので買ったけど、それっきりである。ただ、ダイヤモンドシャッドが最初のダイヤ表面バイブレーションじゃないようで、名称不明のバイブレーションとして写真下のボーマーの「ピンフィッシュ」みたいな丸っこい形状で表面がダイヤ状のバイブレーションが格安で出てきて確保。入札前に、たぶんストライクキング製だろうなと思ってネットで検索かけたら、その時は出てきて名前も判明してストライキング製で正解というのも分かったんだけど、いざ入手して今回ネタにしようとして名前も忘れたので再度ネット検索したらこれが出てこない。同じルアーがネットオークションに出品されてるのとか引っかかってきたけど、やはり名称不明で出てる。入札した日にち前後の検索履歴とかから調べようとしても上手くいかなくてイーッとなってたけど、別件で”B列伝”を読み返してたら、さすがという感じで出てきて「シミーシャッド」と判明。こっちの方がやっぱり古い時代のものだった。ネットの情報は玉石混淆すぎて欲しい情報にたどり着きにくく、その道の権威の書いたものにあたるのが結局早いっていうことか。まあいつも書くようにどちらも上手に使いわけるのが王道。で、”シミー”シャッドという名前から、ひょっとしてコイツが”シミーフォール”するバイブレーションの原点か?と思ったけどそんなことはなくて”シミー”自体の意味は細かく揺れるとかなので、そういう名前ってだけのようだ。くだんのレッドアイシャッドの制作にはオモリを3カ所に分けて配分してどうたらこうたら理想の動きにするのに苦労したとかなんとか。ちなみにデュエル(ヨーヅリ)の「ラトリンバイブ」がシミーフォールの”元祖”を名乗ってて、現行のラトゥールシリーズでもれいによってデュエルお得意の”お化粧直し”して生産されているようだ。まあ、シンキングのバイブレーションなんて使わんから買わんけどな(ハッ!シミーシャッド買ってるじゃん)。

 で、まあピーナッツとダンスキング探してたら、別のクランクにも誤爆してしまった。こいつは「リトルS」って名前らしく、いわゆるクランクベイトの”アルファベット戦争”の時代のいかにもなネーミングだけど、調べたけど「ビックS」との2サイズの展開だったようだ。でリトルと言っても結構大きめでデカピーナツ級。でついでにもう一つの頭文字Sのシェイクスピアから「ビッグS」というのが出てて、サイズ違いで「ミディS」「リトルS」というのもあるようでややこしい。その辺の問題もあったせいか、シェイクスピアの方は正式には「リトルSHAKER(シェイカー)」っていう名前のようだ。シェイクスピアのシェイカーシリーズは鉄板リグの時代もあってビックSはヘドン「ビックヘッド」のそっくりさんで紛らわしかったりややこしいルアーで、また別途ネタにしたい。もちろんそちらにも誤爆しているからな。アタイ病気がにくいっ!

左から、ビックO、ピーナッツS、ピーナッツⅡ
 でもって、上のリトルSの意匠の素晴らしさよ、子供のお絵かきみたいな表情がとても良いと思う。何でもかんでもリアルお魚模様にしてるしょうもない国産メーカーと違いデザイナーが仕事してる感じがして好ましい。思わず使う予定などみじんもないのに2発目もチュドーンと誤爆。こいつ売れ残ったのか在庫処分で「トムマンアップロード」っていうトムマン印のパッケージでも売ってたようだ。まあ百花繚乱のアルファベット戦争の敗残兵といったところか?元祖のコットンコーデル「ビッグO」のできが良いから、なかなか差別化して生き残るのは難しかったんだろうなと思う。ぶっちゃけピーナッツもビックO小サイズとそっくりさんだからな。始祖「ビックO」はじめ、「モデルA」「バルサB」「ウィーR」「リトルN」「ファッツO」あたりの勝ち残った一流どころの、クランクベイトという機能の縛りの中での独自性の発露のなんと色気のあることよ。って話。

 でもって、ストライクキング社は昔からクランクベイト得意としているメーカーではあって、バルサ製の「バルサキング」なんてのもあったけど、木片をラグビーボール型に削って、金属製のリグをあしらってフラスカートも装備した「スペンススカウト」「カブスカウト」っていう素朴なクランクもあって、名前は当時の社長のスペンス氏の名前から来てるとのこと、”カブ”は小熊の意味だけど、カブスカウトってボーイスカウトの年少者クラスの組織名でワシもカブ&ボーイスカウト出身なのでなんか縁を感じて1個買ってた。スカウトってドラゴンボールのスカウターとか野球のスカウトである程度分かると思うけど、偵察とかの意味があってボーイスカウトの始まりって少年兵を戦闘行為につかせるのは戦時でもなんぼなんでもあれなので斥候に使えるように野外で行動する技術を鍛える(by BP)ってのが身も蓋もない原点だとかなんとか。我が家の蔵にあったカブスカウトのスカートは腐ってもうなかったのでこの機会にシリコンスカートをフックに細いステンレス線で縛り付けておいた。スペンススカウトの方は、最近ジャンク状態のを安く手に入れたもので、スカートはもちろんおなかのヒレもなくなってたのでアルミの0.5ミリ板で作って補修。スカートは適当に昔買ったルアーについてた手作りっぽいのをつけておいた。スペンススカウトなにげに需要はあったようで、ボディーが樹脂製のも長年作られていた。そして、金属リグを廃止してリップまで樹脂一体成形の「ウォータースカウト」も一時期作られていて、それじゃあ良さが台無しじゃんと思ったけど、実はウォータースカウトは津田商会製でパチものだとテツ西山著「ヒット:バスルアー」の後ろのカタログ?で知って納得してたんだけど、今回ネタにするにあたって、ネットで調べてたらなんと「ウォータースカウト」はコットンコーデル製のもあるようで、さすがに日本のパチものメーカー製のは無許可っぽいけど、コーデル製は版権とか了解得て作ってたんだろうから、このとぼけた味わいのルアーの分かる人間には分かるしぶとい魅力があるんだろう。ワシにはあんま分からんかったけどな。

 で、B級好きにはストライクキングでスカウトといえば、むしろこっちだろうっていうのが「サイコスカウト」で、樹脂一体成形垂直リップの個性的な見た目のクランクベイトである。釣れるルアーっていう評判は聞いたこともなく、まあ人気ってほどでもないのでボロいと500円前後からで買えたので2つほどゲットしたら、これが”B列伝”によると黒い方の目が普通のはパチものでフィッシュメイト製「ウォールアイ」で、キチガイピエロっぽいサイコな涙滴目の方が本物だそうである。なぜこんなマイナーなルアーをパチろうとしたのか?版権管理が緩そうとか、素人には分からん経営判断とかがあったのだろうか?単なる好みか?いずれにせよ微苦笑させていただきました。パチものもこういうほほえましいのは良いけど、いまだに我が国のブランドで製造は人件費安い国なんだろうけど思いっきり丸パクしてて、釣具屋の棚に本物の横にエラそうにパクりルアーが陳列されてるのとか見ると、どうにも胸くそ悪く怒りが湧いてくる。釣具屋もそんなもん同列扱いで売るなや。ワゴンか階段の段ボール箱にでもぶち込んでおけって心底思う。

 まあむかつく話はおいといて、ワシが良くできてるなと感心した5XDあたりについて書いて締めたい。5XDの前身は「プロシリーズ5」というクランクで、見た目は5XDもそんなに変わらない。写真の上から3枚、上と左が5XD下と右がプロシリーズ5。まあボーマー「ファットフリーシャッド」に始まるフラットサイド気味のややボディーの薄いディープクランクである。これが、写真で分かるかどうかだけど、リップが微妙に反って窪んで水噛みを良く、かつ若干大きくもして設計してやったんだと思うけど、ギューンと急速潜行して同じような大きさのプロシリーズ5より感覚的には1mぐらい深く潜る。底に当たった時の挙動も軽くひっくり返ってヒラうってテンションが抜けるので分かりやすく、抜群に使いやすい。そして実際に魚が釣れる。もうこの大きさのディープクランクではコイツを超えるのは難しいのではないかと思う完成度。後発で同程度の性能のものが色々出てきても正直べつにコレでいいやで終わってしまう。たださらに深くてデカくてな10XDになると、さすがに引き抵抗の重さや投げやすさで、デュエル「バレットクランク7+」の方が使いやすい。写真下の2枚、上が10XDで下がバレットクランクだけどデュエルのほうは反りや窪みのない平らなリップだけど、「バスフラッペ」とかから連綿と続く伝統?の根元の絞れた長いリップで上手に潜らせてて、さすが世界を相手に戦ってきた釣りの現場叩き上げの”漁具系”釣り具メーカー、その独自性の高い技術力に感心する。まあ、ストライクキングとデュエルは”シリーフォール”なバイブレーションでもしのぎを削る関係にあるようだけど、どちらもなかなかに実力のあるルアーブランドだなと思うのであった。

 ということで、ルアー図鑑うすしお味第92弾はストライクキング社のルアー界隈でいってみました。

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