2023年7月8日土曜日

秋のための種蒔き なんちゃってツイストバスター改め”空気銃弾型ラインローラー”

 オレ秋になったら714zでシーバス釣るんだ。

 などと死亡フラグ臭い台詞から始まっております。今日のナマジのブログ。まああれだ、いろんなリールをとっかえひっかえしながら理解したのは、ワシ単純な設計の”アメリカン”なウォームギア機が好きで、使ってて気を使わなくていい面倒臭くささのなさも、外回り注油ていどで1,2シーズンは問題無く使えるタフさと整備性の良さも、ものぐさなワシには向いている。シーバス用クラスのスピニングリール、アウトスプールだと4桁PENNや大森も好きだし、インスプールでもジャジャ馬な丸ミッチェルとかも使う楽しさがあるけど、単純に使いやすさで選ぶインスプールスピニングなら、PENN「スピンフィッシャー714z」が一番で、次点がシェイクスピア「2062」系だと思っている。


 ということで、この秋のシーバス用のリールは久しぶりに「714z」を蔵から出してきて主軸に据えようと思っているんだけど、別件で今検証中の案件があって、鉄のラインローラーが錆び付いて崩壊したコンパック「カプリⅡ」(大森製)のラインローラーとして、”ポリアセタール樹脂(商品名だと「ジュラコン」)”のスペーサーを加工して作った回転式のラインローラーが、果たしてどのぐらい耐久性があるのか、この春期のシーバスでN川専用機として実戦導入して試しているところ。梅雨開けたら春期終了予定で、既に終幕ちかくなってる現状の結果としては写真のような感じで、糸溝のようなのがつきかかってるのか、単に表面磨かれた程度なのか分からんぐらいの状態で、ほとんど削れたりしていない。しかしながら、これはN川専用の運用で実稼動時間が短いということもあって、耐久性試験としてはいかんせん時間が少ないように感じている。性能自体はちゃんと回ってて糸ヨレも少ない方で悪くないので、どのぐらいで糸溝できて交換した方が良くなるのか、あるいはそんなの気にしなくて良いぐらい耐摩耗性に優れていて長持ちするのか、手っ取り早く試験するなら秋に714zをシーバス用のメインのリールにして、そのラインローラーをジュラコンで拵えて、秋シーズン使い切ってどうなるか見てみるっていうのが良いかと考えたしだいでございます。

 カプリⅡで運用してきた今のところの感触では、すぐに削れてしょっちゅう新しく作ったラインローラーに交換しなければならないようなことにはなりそうにない。1シーズン持つような耐久性があれば、糸溝削れてきてから新しいラインローラーを作って用意して充分間に合うだろう。っていうか714z自体、いつのまにか増えていて交代要員には困らないので、糸溝酷くなって使えなくなるまで使い倒しても、しばらく代打送っておけばよい充実した体制。714z一時値段上がってて普通に1万円越えてたんだけど、ちょっと落ち着いてきて7、8千円で買えるときがあって、つい様子見で入札しておいたら確保できてしまったりして気がついたら箱入り2台含む5台(グリーニーな714は除く)もござる。アタイ病気が憎いッ!

 という714zと、冒頭写真のもう1台は韓国日吉釣具「ゴールドスピン」で、ハンドルやらラインローラーやら欠損してたダルマ個体を使えるところまで修繕したんだけど、せっかくの日吉製リールのラインローラーに樹脂製スリーブが入れられなかったのは残念に思ってた。「じゃあいっそ、樹脂製ラインローラーにしてしまおう!」ってな感じで、他の部品取りリールから持ってきてた真鍮にクロームメッキのラインローラーをジュラコン製に換装してしまって、こちらはメッキとかチヌとか狙う主軸リールに据えて早速使ってみよう。ゴールドスピンはちょっと実力のほどを見てみたいのよね。

 でもって作業開始。714zはコレまで使ってきた固体は予備機に回して、確保してある中で海水で使われてて一番表面腐蝕等がある個体のラインローラーをジュラコン製に換装する。

 ジュラコンスペーサーという商品名でモノタロウとかで売ってる、チクワ状の部品をまずはラインローラーの軸に刺さるように穴を適宜拡張する。微妙にドンピシャの規格品がなくて、外径が7mm、穴の径が3.8mmとかのがあれば良いんだけど、外径については6mmのつぎが8mmとちょっと飛んでいて、8mmの外径を削って削って7mmに調整とかは技術的に難しいので、6mmで細い分には填まるので外径6mmでいく。穴の径がまた面倒でこちらはどのみち削らなければならないのでちょうど良い直径の穴に削れば良さそうなモノだけど、ドリルでは削れるけど、ヤスリがけが効きにくい材質なので我が家のドリルの直径にある太さで穴を拡張するしかなく、3.5mmでは小さくて填められず、4mmにしたらややガタつく感じになった。まあ仕方ないので一回これで作ってみて塩梅悪かったら何か手を考えることにして作業を進める。長さをキッチリ合わせて切ってサンドペーパーかけてとりあえず填めてみると、穴が大きいのはやっぱりややガタつくけど外径的にはラインが落ちるような要素もないしいけそうな感触。

 でもって、アートナイフで片側に落ちて落ち着くように傾斜面と垂直面を作るように削っていく。

 ある程度形を削って作っておいて、丸棒の芯に填めてハンドドリルで回してダイヤモンドヤスリをあてて表面凸凹を可能な範囲でならしておく。

 できあがりはコレまでも作ってきたような”なんちゃってツイストバスター”的な形状に仕上がる。この形状自体は古いリール例えば大森「DXマイクロセブン」とかでもラインが落ちて落ち着く谷が作ってあったりして一般的と言っていいしろものだと思うけど「ツイストバスター」の呼称自体は間違いなく登録商標だろうから、自分のリール用に作って遊ぶ分には問題無いだろうけど、中古のリールに組んで売ったりする時にはこの名前は使っちゃダメなのかもしれん。ということで、新たに名前考えました。今は空気銃って本物の狩猟用のしか残ってなくてオモチャの方は”電動ガン”になってBB弾はじいて飛ばしてるのかもだけど、昔のオモチャの銃には空気銃方式があって、その弾がちょうどこんな形でもうチョット頭の部分が長い感じで、樹脂製というのもあって良く似てるように思う。ので今後この形のラインローラーを当ブログでは”空気銃弾型ラインローラー”と呼称することにします。長いので略称をと考えたけど空気銃型ではへんだし、「エア・ガン・バレット・ラインローラー」のローマ字頭文字でAGBLとかだと、何のことかさっぱりわからんくなるので”空気銃弾型”ってことで皆様よろしく。

 でもって、填めてみる。それなりにキッチリ填まってラインが落ちたりする隙間はなく、回転もするようだけど、やっぱり”ラインローラーの穴が大きい問題”はガタつきが大きめでよろしくなさそう。

 ということで対策考えて、覚悟決めて3.5mmまでドリルで拡張した穴をダイヤモンドヤスリをハンドドリルで回転させて、動画でも見ながら気長に3.8mmぐらいまで拡張するっていうのも最終手段としてあるけど、まずは芯の方を太らせる方式で試してみるかと考える。もちろん回転する部分であり摩擦に強い素材で太らせなければすぐに削れるので素材の選定がキモか。

 ステンレスの細いワイヤーでもまだ太そうだったので、ケブラーのセキ糸を竿のガイドラッピングの要領で芯に巻いて、瞬着で固定したら太さ的にはちょうど良くなって、多少回りにくそうになってたので歯磨き粉つけてルーターと輪ゴムで繋いで回して当たりを取ってやって滑らかに回るようにしておいた。とりあえずケブラーは摩擦に強い繊維なのでそこそこいけるはず。そのへんも含めて実戦導入して試験してみたい。

 ナイロン2号ライン実際に巻いてみると、ラインローラーの直径が小さく、谷が結果的に深い位置にくるため、やや前巻きになって塩梅良さげ。さて結果はどうなることやら、という感じかな。


 次にゴールドスピンは対照的に、規格品の外径8mm、穴径4mmのものがピッタリ合った。長さもちょっと削って調整するだけでよさげなので、サンドペーパーにグリグリ押しつけつつハンドドリルで回して、ピタッとラインが落ちる隙間なく填まって滑らかに回るように削って下準備完了。

 あとは、空気銃弾型に成形していけば良いんだけど、谷の深さは後ろ巻き前巻きに関係してくるので、谷底の直径が元は約6mmだったので、それにあわせて谷を作る。元からそういう部品だったかのようにキチッと填まってくれて、グリスとオイル注して回りも滑らか。ちょい角張ってる崖の上を面取りして完成。ラインの巻き形状はほぼ真っ直ぐで谷の深さも適切だったようだ。こちらはとりあえず巻いたのは2号ナイロンだけど、運用時は1号5LBナイロンの予定。

 どちらも、部屋でライン巻いてみた感じでは、ちゃんと機能していて、見た目の安っぽさはともかく、そこそこやってくれそうな感じを醸し出している。

 ラインローラーが破損、糸溝掘れてしまった、元から欠損等の不具合が生じた場合、交換部品が手に入れば問題はないけど、そうじゃないと自作するか、業者に頼んで作ってもらうかしかなく、後者はクソ高い。前者でも真鍮を削って成形してメッキかけるとかは素人がお家でできる作業じゃないので、結局お金が掛かるし難しい。ところがこれがポリアセタール樹脂を成形して作れば良いということになれば、こんなもんジュラコンスペーサーとか5~10個で数百円の安価な素材である。加工もヤスリがかかりにくい難しさはあるけど、そら擦って簡単に削れたらラインローラーとして用をなさんわけでしゃぁないってぐらいで、刃物がとおるのでそこまで加工が難しいこともなく、ご家庭で十分加工可能。っていうことで実用上問題無いぐらいの耐久性があるということになったら、非常に使える手になるように思う。多分そこそこ耐久性ありそうな今のところの感触なので、おおいにそのへんは期待できる。

 見た目がいかにもヤッスイ感じのプラ素材感剥き出しの白なのは正直イマイチだとは思うけど、調べたら”黒”はあるようで、見た目の問題も多少改善はできそうである。ただ、売ってる単位が50個なので、まあそれでも千円しないぐらいなので充分安いんだけど、購入は実戦投入して年内ぐらい耐久性試験した結果を見て考えても遅くないなと思っちょります。どうなることやらお楽しみ。

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