2023年7月15日土曜日

コバンの好物はクモではなくなってしまったのか?

  人と共生しつつも、いざとなったら野生で虫だのネズミだのを狩って生き残る能力をいまだ失っていない猫様。そのことが島嶼部とかの元々それを欠いていて高次捕食者に弱い生態系において”ノネコ”の影響が無視できない攪乱原因となっており、種々議論になっているところ。この件についてはワシも過去にも何か書いた。まあ、ワシの意見としてはその場その場で関係各位知恵絞って良い落としどころを考えてくれという感じである。排除も、昔からそうだったからといって野放しを継続することも、一律にそっち向いて思考停止で走ってしまうのは間違いの元で、それぞれの現場でその時々の事情を斟酌していくのが大事だろうという当たり前の話。

 でもって、ノラ出身で野性味の強かった我が家の愛猫コバンさん。好物はクモと紹介していたぐらいで、アシタカ軍曹筆頭に、玄関の隅に巣を張ってるようなヒメグモも、部屋をピョンピョン放浪している、可愛いハエトリグモさんも等しく襲って動かなくなるまで大はしゃぎで摑まえては逃がして遊んで、最終的にはスタッフならぬ本猫が美味しくいただいていた。ところが、最近はクモが出てきても散々遊び倒して殺してしまうけど、食べないんである。冒頭写真はとっ捕まえたアシダカグモをワシが寝てる布団に持って来て見せびらかしているところである。特に見たくもないので寝かしておいて欲しいが、コバンとしては是非下僕にも見せておきたいモノのようである。

 以前、”猫パンチ”について考察したときに、ズアカムカデを狩ろうとしてて危険が危ないので過保護にもムカデ取りあげて外に逃がしてやったということを報告していたのだけど、続けてたら猫パンチで完封してたかも?とも書いた。そのとおりのバトルがワシの見てないところで行われていたようで、1Fのコバン様を放流する三和土の広い部屋で死んで干からびかけた10センチくらいはあるムカデの死骸を発見して「やっぱり、イエネコにとってムカデ程度の毒虫は敵じゃないんだな」と感心したところである。

 と同時に、食ってないから死骸が残ってるわけで、以前はあんなに喜んで食べてたクモとかも含めた虫を食わなくなってきたなと、食の好みが飼い猫風になってきたのを実感した。アジの焼いたのとか、カリカリしたのとか、たまにオヤツであたえる鰹節とか、そういうのの方がすでに食べ慣れていて良いのか、あるいは味が良いのか、いずれにせよ、我が家に来て3年目、ワシとの生活に馴染んでワシの与える餌が”好物”になってくれたのなら下僕冥利に尽きるというもの。なんか愛しさが溢れてくる。

 とはいえ、本能的に虫だの窓のヤモリだのを追っかけるのは、そこは譲れない所らしく、今年も窓にヤモリが貼り付くと、窓越しに跳びかかったりして大暴れしている。

 ヤモリの足の裏に毛が生えていてそれで引っかけて垂直面を上ってるっていうのが誤りで、実は”ファンデールワールス力”で貼り付いているという報告が出てひっくり返った記憶があるけど、最近それにもまして驚きの、物理学的な力で移動してる生物の報告があって、これまたひっくり返ったので皆様にご紹介しておきたい。

 土の中には土壌線虫と呼ばれるような細長い小さな虫の仲間がいて、およそどこの土にでもいるんだけど、こいつの移動方法が静電気を使って昆虫などの体まで跳んで付着して移動拡散される。っていうのが北大・広島大などのグループから報告されたとのこと。ちっちゃな線虫、立ち上がって?接地面積を減らして静電気の力で浮きやすいようにしてピョンと飛び移るそうな。シャーレの蓋裏にひっついてるのをみて「コイツら跳んでんじゃね?」と疑問を持ったのが端緒だったそうな。鋭い観察眼に敬服(17日追加:”マダニも静電気利用で跳ぶ”との報告)。

 生き物にとって、産めよ殖やせよ地に満ちよを達成するには、移動手段って大事で、ちょっと前にネットで話題になった映像の、クラゲに乗って移動するアオイガイ(殻付きのタコ)とかも面白かった。クラゲなにげにただ乗りされがちでセミエビとかの幼生もクラゲに乗るので英語で「ジェリーフィッシュライダー」とかいう2つ名で呼ばれるぐらいで、クラゲって乗られても怒んないタイプなのかも。

 あと、最近「ジャングルの王者ターちゃん」久しぶりに読んでたら、超小型の猿であるショウガラゴは手足の滑り止めにオシッコと使うと書いてあって笑ったってのもあったので、ヤモリのファンデルワールス力との落差が面白いのでついでに紹介しようとして、ネット検索して裏取ったら、どちらかというと手足にオシッコつけるのは臭いをあちこちに付けるマーキングのためといわれているようだ。

 とまあ、暑くて釣り具いじるのも停滞がちなので、みんな大好き猫ネタでお茶を濁させていただきましたとさ。

 とはいえ、世間一般が求める猫ブログの内容と大きくかけ離れた、クモだのムカデだのしか写真がでてこないのもあれなので、ワシんちのコバンさんの可愛いところの詰め合わせ写真もサービスで最後大放出。

 最近暑くなってきて、昼寝は巣のダンボールでするので寂しい!でも夜は足の間で寝てくれます。

 暑くても膝の上には良く乗ってきて、腰をトントンしてくれとせがんできます。

 ペットボトルの蓋を投げたのを追いかけるのは毎日の楽しみ。最近は餌で汚れないように畳の上に敷いてあるダンボールの下に潜って、近くを通るペットボトルの蓋をサッと前脚出して襲うのが流行。

 体重は6.5キロとまずまず絞れている感じ。

 不思議なもので、種さえ違うたまたま縁があっただけの生き物2匹が一緒に住んでると、なんか分かちがたい運命共同体になっていくのを実感しています。コバンのことを思い浮かべるとき、胸に湧き上がる温かい感情は、たぶん愛とかなんとかいうヤツなんだろうなと思ってます。

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