コロナ禍もちょっと落ち着いてきて、近所漁港も”解禁”して豆アジ釣り放題で”スピニング熱”もさすがに寛解してくれると思うんだけど、実は前回PENN712ネタを書いた後に症状悪化して、いろいろ手を出そうとして競り負けつつも結局2台も新たにスピニングを買ってしまっている。竿の方はボチボチと売りに出してるのもあって後一本売れば我が家の制限数の110本に収まるんだけど、リールの方は2台売る間に3台買ってしまってて既に制限数の90台を大きく越えて100の大台目前となっている。アタイ病気が憎いッ!
今回の症状のヤバかった点は、ボロいリールを買って整備なり修理なりしてから転売して儲けてやろうっていう山っ気をまた出してしまい、ジャンクリール”人山いくら”のオークションに大森とかPENNとか得意な分野のリールが含まれているのを競り落とそうとしてたところである。まとめて10数台とか今考えると整備するにもえらい手間で競り負けてちょっとホッとしている。概ね買い取り業者とか中古何でも屋とかが倉庫整理の出物とか、売れそうにないボロリールをまとめて売り飛ばそうとしているようなゴミスピに意外なぐらいに値段が付くもので、こんなもん10台あっても5千円もありゃ余裕だろうと5200円とかで入札しておくと、その程度ではまず勝てなくて時に1万円を超えてくるので驚愕した。どうも、まとめて買ったのをバラで値段付けてネットオークションやネットフリーマーケットに出しているようで、オークションで競り負けたときに欲しいと目を付けていた大森スピニングとかがすぐにネットフリーマーケットで売りに出されてたりして、中古単体の相場を調べておいて中古業者から買った品を転売して儲けを出す”セドリ”という商売で小遣い稼ぎをしているようだった。ワシも考えるようなことは既に皆さん実践済みのようで、今更新規参入しようとしてもおいそれとは行かないヌルくない世界のようである。
見ていると右から左に流しているだけのちょっとこすっからい感じの人から、綺麗に修繕整備して、初心者でも使いやすいようにラインも巻いて買いやすい値段で提供している人もいる。後者は手間考えたら良心的としかいいようがなくて、名機でもなんでもない型遅れのありふれたリールだけど、買ってそのまま快適に使えるようにしてあるのは、特に知識のない初心者とかにとってはありがたいはずで、メーカーが売りつけようとしてくるわけ分からん高級クソリール様を買わされるよりよっぽど楽しく釣りができるだろうって感じで、ワシもこういう商売がしたかったんじゃとは思うけど、既に先達がいてこれまた今更参入するのも簡単じゃないなと思わされた。でもそのままだとゴミ扱いの、ボロいリールを復活させて誰かの楽しい釣りのためにっていうのは、過去にもやってるけどやっぱり自己満足度が高いと思うので儲けを出すのは難しいにしろ機会があったらやっていこうかなとは思うところである。
っていうのとは関係なく、冒頭写真の大森製作所謹製「マイクロセブンNo.3」は自分で使うために買うてしまいました。
ちょっと大きめの、シーバスやるにも大きいようなスピニングをはたして何に使うんだろうか?と疑問に思うかもしれない。これは、実は前回買った712の予備機として釣り場に持ち込むために買ったのである。「予備機なんて必要ならいくらでもナマジさんところの蔵にはPENNが転がってるんじゃないの?」って言われるとその通りで心苦しいんだけど、ちょっと説明させてください。お願いします。
基本ワシ、リール使う釣りに行くときには替えスプールを持っていく。ベイトリールだと現場で交換面倒臭いのでスペアリールの時もあるけど、ライントラブルとか道糸高切れとかやらかした時に、替えスプールがないとすぐに釣りに復帰できない。というわけで、せっかく買って整備したけど売れそうにもない712は実戦投入するしかないなと考えたときに、①スペアスプールを確保しようとしたんだけど、日本じゃ中古の出物も期待できないし、ミスティックリールパーツさんは海外発送やめちゃって代行業者通じると5千円以上するしで、4千円かそこらで買ったリールのスペアスプールに5千円はないよな、そんな金額あればもう一台安いリール買えるじゃんってなって、②そこで既にあるリールで我慢しておけば良いものを、この大きさの替えリールを持ち歩くのはけっこうかさばって邪魔くさいんだよな、などと思ってしまい、③じゃあ、ベール折り畳めて携行性が良い大森スピニングいっとくか?と3段論法的にまた余計なことを思いついてしまったのである。
大森のNo.2の大きさなら我が家にもいくつか転がってるんだけど、もうチョイ大きいんだよなとNo.3の大きさのをネットオークションとかで探して、候補としてボロい「スーパー7」と見た目キレイめのアウトスプール外蹴り時代の「マイクロセブン」に絞って、後者が1900円で落札できた。弾数少ない大きさだけど需要も少ないので安い。
到着してみると、”ゴリシャリ感”有りとなってたとおり、巻きが重いしシャーシャー言ってるんだけど、大森の中古でギアが逝ってるのは亜鉛ギアが初期不良でスが入ってた安大森以外いまだ経験しておらず、こんなもんベアリングが錆びてるだけだろうから交換すりゃいいやと、分解清掃に入る。固着が怖いラインローラのナットも素直に取れて、ギアやら主軸やら外して、ローターを抜くと、案の定ベアリングは上面から見えてる部分から赤茶色に錆錆でちょっとコレはベアリングが錆で固着してるんじゃなかろうかと怖かったけど、慎重に本体側から力かけていくと抜けてくれた。無事分解して、パーツクリーナーで洗浄してやる。この時代の廉価版の「タックル5」との違いはハンドル軸にも1個ボールベアリングが入ってて、ボールベアリングが豪華にも2個というのと、ハンドルにバランサー兼ねて左右交換時に使う替えネジの収納スペースが設けられている点で(あとワンタッチスプールもあるか)、ボールベアリング2個目は正直無しの「タックル5」でも巻きが重いとかは感じられないので、錆びる場所じゃないので邪魔にはならんけどなくてもかまわないんだけど、後者は地味にありがたくって、中古の個体で箱ごと付属品が揃ってるとかじゃないと、まず替えのネジは付いてないので左右交換ができなくなってる。後年、大森製作所は同じ軸に左右両用にネジ山を切るという独特の方法でこの問題を解決しているけど、この時代の場合、替えネジをリールに収納しておけるのは紛失防止に効果絶大で、見た目的にも個性的なハンドルになっていて格好いいのである。あと、内蹴り式じゃないので、その分の部品が少なくて極めて単純なのも好感度高し。
でもって、予定通りベアリング交換してやるかと、モノタロウで注文しようとすると、ボールベアリングって大きくなると高くなるって意外だったけど、「No.2」サイズに入ってる外径14mm、内径7mm、幅5mmのは200円ぐらいだけど「No.3」用の外径24mm、内径9mm、幅7mmになると、同じ日本精工製のステンレスベアリングでも500円くらいする。まあ必要経費だろうけど、どうせ金かけるならセラミックボールベアリングとか錆びないやつ入れておいたら錆びるところなくなるなと、ちょっと調べてみたらピッタリの大きさがないのはともかく、値段がお高い。4、5千円してて、それこそリールもう一台買える。まあいつもどおり、ここのベアリングは消耗品扱いで錆びたら交換だなと割り切りつつも、がっちりグリス山盛りでグリスシーリングで仕上げておいたので、これで相当塩水には耐えてくれると思う。
ラインローラーの端の方がやや腐蝕して回転悪くなってたので、輪ゴムで電動ルーターと接続して回しまくって滑らかに回るようにしてやり、本体内部やらベールスプリングやらもグリスでベッチャリにして無事整備終了。ギアなんてのは、40年前の設計の亜鉛のギアでも耐久性になんら問題なく丈夫って話で、ベアリング替えたら滑らかにくるくる回ってくれる。今時の高級リール様は、ご大層な設計・製造技術で作ってるように喧伝してるけど、空回ししたときに軽く回るとか、釣り場じゃ先に重さのあるルア-とか付いてるから関係なくなる”店頭性能”は向上してるのかもしれないけど、釣ってて問題が起こらないとか、長持ちするとか”実用機”としての性能が、このリールより進化しているのかはなはだ疑わしいと思っている。
少なくとも、40年前の設計(上手な設計だとは思うけど)のリールでも魚は快適に釣れるっていうのは、証明してみても良いかなと思ってる。魚釣るの自体はご存じの通り難しいっていうのはあるけど、その難しいことをやるための道具として40年前の道具でも別に問題ないというのは、それ程証明難しい問題じゃないと思ってる。まあPENNの”Z”やらも設計的には40年以上昔のリールだから今更証明するまでもないとは思ってるけどね。しつこく色んな角度からネチネチとこれでもかと証拠を突きつけてみようかなと。
「PENN712」と「マイクロセブンNo.3」で何を狙うのかというと、リールの大きさ的には青物狙っても良いんだけど、712のセラミックローラーはともかく、マイクロセブンの硬質クロムメッキのラインローラーってドラグ値上げてPEラインで走り回らせてやりとりして良いものか、やったことないので不安がある。案外平気かもしれないけど青物掛ける機会ってそうそうないので、そこは手堅く4500ssと6500ssにまかせて、ちょっと、浜でコチ・ヒラメ狙いでスプーン投げてみたいと思ってるので、そっちに回してみようと思ってる。「コチ・ヒラメにスプーン?」って思われるかもだけど、東北で河川から2kmは禁漁のサケを河口から距離離した砂浜で探ってたときにサケは釣れなかったけどコチは釣れたし、房総でメッキとか狙っててソゲだけどヒラメ釣れたこともある、メタルジグでも釣れるけどもっとユックリ狙えて、ミノーほど底ベタの棚を狙うのに技術が要らない。割とハマると思うんだけどどうだろうか?コチ・ヒラメ狙いならドラグ値そもそも緩めでやるし、そんなに走り回る魚でもないので問題はなかろうと思うのでPE2号ぐらい巻いて試してみたい。
という感じのが、2台のうち1台目で、もう一台は「あっ、そっち方面行っちゃうの?」というやや不穏な方向性の1台で、また来週以降ご紹介できたらなと思うちょります。