2018年10月14日日曜日
「鮎は河原で焼くのに限る」なんてのは鼻持ちならネエ鮎師のタワゴトってわけでもないのかも
今期の鮎釣り最終戦を終えて、真っ白に燃え尽きました。
顛末記などおいおい書いていきますが、なかなか最後に良い釣りでした。
正治さんありがとう。
で、正治さんの釣った分もだいぶもらってお土産にして、何十というアユを腐らせずに胃袋に収めるために、昨夜から今朝にかけてセッセと料理した訳なんだけど、いつも近所のアユは夕ご飯で食べきれるぐらいの匹数だけ布バケツで活魚の状態で持って帰って、天ぷらかたまに塩焼きだったので、全く気にしてなかったんだけど、アユってものすごく鮮度落ちが早い。
流通する魚介類で最も足が速い(腐りやすい方の意味でネ)はたしかスケトウダラで、今じゃ冷蔵流通技術が発達して生鮮で韓国とかに輸出したりもしてるけど、昔はそんな技術なかったので獲ったそばから船上で加工して冷凍すり身にしてしまってから流通させるという方法が北海道水試によって開発されたという、革命的な技術開発の引き金になったほどの足の速さ。だけど、一般に釣り人にもお馴染みな魚ではサバやらソウダやらが有名か。でも、これはヒスタミン中毒との関係もあって、単純な「足の速さ」比較ならカタクチイワシが最も鮮度落ちしやすいんじゃないかと思っている。マイワシの刺身はスーパーで買ってきてつくるけど、カタクチの刺身は買ってきてはつくる気にならない。スーパーに並ぶには最速で朝取れが夕方に並ぶんだと思うけど、そのころには既にお腹のあたりがグジャッとなりがちである。
アユもそのぐらいに鮮度落ちが早い。このことはちょっと予想外だった。イワナやヤマメはそこまで早くなくて、釣ってきたのは冷蔵庫で次の日ぐらいまでは死後硬直している。
でも今回、保冷バックにペットボトル凍らせたモノと入れて持って帰ってきたものを、その夜何匹か塩焼きにしようとして、体は死後硬直中なのに、すでにお腹が柔らかくなりつつあるのを見て、慌てて何匹か食ってしまうとともに、小さいのは翌朝の「天ぷら→南蛮漬け」に回すことにして、干し網3段が埋まるぐらいを急いで背開きにして干物にした。干物って鮮度良いやつでつくらないと美味しくない。
翌朝の天ぷらの時にはすでにお腹が割れて内臓出かかってるのがあって、そういうのは内臓出して天ぷらにしたけど、割れてなくても加熱中に割れてしまい内臓がはみ出したりするのもあって衣が焦げ茶になってしまった。
せっかくの鮎の内臓なのにコレじゃ楽しめないなと、煮魚にもしてみたら、なんとかハラワタの苦みを堪能できた。アユの香りは飛んじゃうけど苦みが甘辛の煮汁に混ざってこれはこれでアユらしく美味しい。沢山アユがないとやらないだろうある意味贅沢な味。
なぜこんなに鮮度落ちが早いのかと考えると、サケマスに近いような動物食の魚が進化して「苔」なんて呼ばれる植物プランクトンを食べるために、消化管があまり長くないなか植物プランクトンの細胞壁を溶かすためにとかで、消化液が多いかキツいかいずれにせよ自己消化もはやいんじゃないかと推理してるんだけどどうなんだろう。
そう思うと消化液出してるはずの幽門垂も大きくて苦くて美味しいように思う。
いずれにせよ足が速いのは確かなので、冷凍保存とかは味が落ちてしまってつまらないしで、アユを沢山釣ってきたらとっとと食っちまう方針で、干物やら揚げて南蛮漬けやら保存食作るのと同時進行で急いで料理してしまうに限ると思う。
あながち河原で食っちまうのが一番というのも大げさじゃなくて、舞台効果差し引いても美味しく食べるためには理にかなっているのかも知れない。
同居人の母方の実家でバーベキューしてると、道路挟んだ前の川から従兄弟達がアユ船ぶら下げてアユタイツのまま上がってきてそのまま炭火で焼いて食った、ってのは確かに最高に美味しかった。
なんだかんだで今回のアユも美味しく食べきれると思うけど、釣りでクッタクタになってる時に、何十匹も調理するのは正直疲れる作業でもあり、まあワシャ釣り師であって美食家じゃないから、持ち帰るのはサッと食っちまえる10匹も確保すりゃ充分で、あとは放生会で良いんじゃないかなと思ったところである。
そのへんも含め、アユ初めてのシーズンということでやらなきゃ分からないことをいっぱい学んで面白かったので、料理以外のこともおいおい書いてみたい。
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