2018年8月12日日曜日

夏なのでパンツいっちょの漢のはなし

 猛暑日の炎天下は危険が危ないので図書館でお勉強しているか、エアコン効いた部屋でグダグダとしている。朝夕夜に活動しないと身が持たぬ。

 部屋でグダる時は、ネット配信の「アベマVT」が暇つぶしとして超有能なのはコレまでも紹介してきたとおりで、格闘技の放送とかマニアックなところから日本の老舗団体の興行から、見るモノ沢山あって嬉しい。逆に「DAZN」はUFCの中継以外のボクシングとか日本語解説なしなので、見ていて今一盛りあがらず、実質月に1度か2度ののUFC見るためだけに契約していて割高になっている。

 「アベマTV」もどんな番組が視聴者にウケるのか試行錯誤中なようで、放映権料高い割に視聴数少なかったりすると容赦なく整理されてしまう。米国2番目の総合格闘技団体「ベラトール」の放送はもうしてくれないのだろうか? ヒョードル選手とか出てたりして往年の名選手の活躍の場になってたりもする団体なので観られないのはちょっと残念。

 でも、逆に面白い企画が始まったりしてなかなかに面白い。「QUINTET」「格闘代理戦争」とかすんごく面白かった。
 「QUINTET」は柔術系の大会なんだけど、柔術の国際大会とかも配信されているときあるけど、正直つまらなくて決勝とかだけ観るかんじである。負けないように守りに入っているのか技が決まらなくて判定決着が多いし、打撃なしなので技自体がわかりにくくて攻防が地味だしで、よっぽどの玄人じゃないと楽しめないと思ってたので、桜庭和志選手の発案らしいけどどうなのかなと、あまり期待せずに視聴した。
 めっさ面白いんでやがんの!
 ルール設定が「その手があったか」と感心するぐらいに上手くて、関節技や絞め技がバンバン飛び出すし、勝負の行方も最後までハラハラだし、戦略性のある作戦も見所だし、さすがMMA世界殿堂入りの桜庭選手、全盛期IQレスラーの異名を取った頭脳派である。ナニをやっているのかというと、5人チームで「抜き試合」をやって引き分けると両者退場で、勝ったときだけ残って次の対戦相手と闘い、どちらかのチームの最後の一人が負けるまで闘うという団体戦。選手は引き分けると敗退だから勝つために積極的に技を仕掛けるし、体重差があってもハンデ付けて闘うしで、どう敵のエースを止めるかとか、見所充分でかつ桜庭選手始め有名どころや柔術界の猛者も呼んできていて、柔術家とかここで勝たずになんとすると気合い入ってるし、呼んでもらえた若手とか光栄に感じているようでチームの勝利に貢献できなくて涙してるシーンもあったりして、とにかく暑苦しいぐらいに盛り上がってて素晴らしい。好評のようで第3回まで行われたところだけど、1回目の所英男選手の腕十字が決まったときは心底嬉しかった。それで負けることはあるにしてもあの思い切りの良さが所選手の魅力である。決めるべきところで決めてくれた。第4回以降も待ち遠しい。

 「格闘代理戦争」はUFCにも「タフ」とかいう若手育成のイベントがあって人気番組になってるらしいけど、その日本版で1回目は優勝したら賞金とK-1契約、2回目は賞金とワンチャンピオンシップとの契約。で「代理戦争」ってぐらいで、過去の名選手や現役選手が若手を推薦して金の卵を探すというトーナメント戦。
 これが、仲の悪い有名選手間の舌戦やらもお約束的に盛り上げつつ、それぞれ若い選手が夢を目指してここ一番の機会を手に入れようともがくさまが、そのひたむきさ純粋さが胸を打つ。2回目の決勝で負けた選手が、完全に魂抜けて控え室戻るまで顔をあげられなかったのをカメラが追ってたりして「コレですべてが終わったわけじゃないんだヨ」と声をかけてあげたかったけど「コレにすべてをかける」と挑んだ結果の敗退を彼はどう受け止めていくのか、難しいヤね。仕事も辞めてきたそうだけど「地下格闘技」にも出てたとか紹介されていて今アニメやってる「バキ」みたいなのを一瞬想像したけど、アマチュアバンドのライブみたいに、会場借りてお客集めて一杯飲みながら格闘技が見られるという素人興行があるらしい。恥ずかしながら初めて知った。
 あと、山本KID選手が首の怪我の関係なのか激痩せしてて心配だ。指導者としては選手時代のやんちゃな姿とは対照的になかなかに理論派であり後身も育ってきているので、しっかり治療して名伯楽になって欲しい。

 「格闘代理戦争」とも連携していることからも明らかなように、アベマTVはアジア最大の格闘技団体「ワンチャンピオンシップ」を推していくようで、過去の日本人選手名試合特集とかもやっている。日本人選手も結構出場しているのでアベマTVでも以前から放送していたので観ていたけど、最近日本人選手なかなか勝てないのよね、頑張って欲しいところ。アジア各地を回って大会開催していて、ルールも独特で総合では四つん這いの選手への膝蹴りOKとか、ケージの中で薄いオープンフィンガーグローブで闘うムエタイルールの試合とか過激で迫力ある。ムエタイの有名どころとか良く上がってくるけど強すぎる。
 というような過激さももちながらも、選手の健康管理も真面目に考えていて、計量時に「尿比重検査」というのを2016年から導入しているそうで、あんまりカラカラに水抜いて計量に上がると失格してしまうようである。水抜いて落とすつもりが軽量失敗とか散見されるなかで、なかなか先進的な取り組みで感心した。これからも楽しみに視聴したい。世界一のUFCがなんぼのもんじゃ、アジアにも面白い地域団体有って盛り上がってまッセ。 

 最後に、格闘技ネタに付き合ってくれた読者の皆様に、面白い格闘技マンガと書籍ベスト3を独断と偏見で選んで紹介しちゃいます。ジャカジャン。 

○ナマジ的格闘技マンガベスト3
1位「拳奴死闘伝セスタス」、2位「帯をギュッとね」、3位「ホーリーランド」
 「セスタス」はローマのネロ皇帝の時代の拳奴の闘いを歴史ネタもちりばめつつ描く隠れた名作。師匠ザファルの勝負哲学に痺れる。
 「帯ギュ」は往年の少年サンデー人気柔道マンガ。柔道という汗臭そうな題材なのにちょっと小洒落た青春群像劇で恋あり笑いあり、でも熱いゼ。
 「ホーリーランド」はいきなり作者が自身の経験から解説を始めるというのが妙なホント臭さを醸し出していた路上格闘モノ。 

○ナマジ的格闘技本ベスト3
1位「世界喧嘩旅」、2位「人間処刑台」、3位「空手道ビジネスマンクラス練馬支部」
 「世界喧嘩旅」は抱腹絶倒驚天動地の破天荒な漢、大山倍達総帥の強いヤツに会いに行く旅路。
 大石圭「人間処刑台」は多額の掛け金が動き、時にリング上で死者も出る何でもありの「地下格闘技」の世界で闘うモノ達の群像劇。描写がグロいけど闘うモノの純粋な有り様が落差で美しい。
 「空手道」は漠先生の異色の格闘技モノでサラリーマンモノ。世界一とか目指さない人間にもある「強くありたい」というそれぞれの闘いに共感。

 そういえばお薦めされてたボクシング小説「BOX」まだ読んでないな。他にも面白い格闘技モノとかあったら教えてネ。

2 件のコメント:

  1. 山本KID選手 癌で闘病中との報道。病に負けずに良くなって欲しい、神のもとに帰るのはまだ早い。

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  2. 本日亡くなられた。41歳の若さで。オレは悲しい。ご冥福を。

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