2018年6月18日月曜日

鮎釣り小ネタ


 毛鉤巻いたり仕掛け作ったり、アユ関係のお勉強したりで昨日の顛末記もまだ書けてない状態だけど、鮎釣り始めて半月ほどで色々と気付いた点など小ネタを書き記しておきたい。

 まずはお詫びと訂正から、どっかで「アユが攻撃するのは水平姿勢で縄張りに侵入してくるもの全部、色も形も関係ない」と書いたけど、水平姿勢が一番重要なのは正解っぽいけど「色と形も関係ありそう」だそうです。正方形のモデルはほとんど攻撃されず、黒より白が攻撃されて、横長の斑紋は攻撃を抑制していそう、ついでに小さいモデルの方が良く攻撃されるという報告(井口1991)。多分同じ報告に基づく解説を読んだのを記憶していたはずなのに、結果の数値の読み方が解説者によって違ったのか、単なる私の記憶違いか?いずれにせよゴメンナサイ。科学とは新しい知見によって日々更新されていくべき性格のモノであり、過ちを正していく姿勢こそ科学的なモノの考え方である、などと自己正当化を図ってみる。
 これでルアーでアユ釣るなら白くて模様の無い小さめのミノーが良いと割り切れる。
 昨晩、片野他編「アユの科学と釣り」という「アユ釣り愛好家の学者・研究者による「アユ学」エッセイ」と帯に踊る本を読みかえしていて判明したんだけど、この本、鮎釣り始める前に読んでも生物ネタ的に面白かったけど、鮎釣り始めてから読むと狂おしいほど面白いので鮎釣りファンでまだ読んでない人は読むように。
 まあ、アユ釣り愛好家と言っても友釣りばっかりで、私が闘いを挑むべき体制側の啓蒙本であり本来焚書にすべき書なのかも知れないが、敵の武器を鹵獲して闘うなんてのはゲリラ戦の常道なので使える知識は使わせてもらうゼ。君らが開発した武器が君ら自身を苦しめることになるのだよ。

 ここ一月ぐらいは、鮎釣りのことばかり考えているので、その中で書き留めておきたいことなどいくつかご紹介。


 まずは、タモ網。普通タモ網とかランディングネットってごぼう抜きにできないような魚を取り込むための道具なんだけど、鮎釣りではちょっと意味合いが違うように思う。鮎釣りにおいては、近年の友釣りでは引き抜きで飛んできたアユをタモでキャッチするのが当たり前になっているのに見られるように、アユは大きな魚じゃないので普通にごぼう抜きできる。じゃあタモいらねえジャン?と思うとそうでもなくて、どちらかというと引っこ抜いた後にバタバタ暴れてポロリというのを防ぐためにこそタモが必要。鮎釣りの鉤は友釣りでも毛鉤でもかかり重視のスレ針でかつアユは取り込み後もこれでもかというぐらい暴れるのでポロリが多い。釣った後これだけ暴れる魚は他にはツムブリぐらいしか思いつかないぐらいジタバタする。ので引っこ抜いてその後ハリ外したり、友釣りならオトリ交換したりするためにタモがいるのである。
 なので、長い柄の付いたのは必要ない、必要なのは中で暴れられても絡みにくい、ハリが刺さりにくいような目の細かい網が張ってあるやつで、そうじゃないと面倒くさい。かつ引っこ抜いた魚をキャッチするためにそれなりの枠の広さが欲しい。
 アユ用のタモを買えば当然そういうタモになってるけど、でもお高い。網目の細かい高級品なんて正直買えるかよ、という値段である。
 なので、なんか良いのないかなと考えて、暫定的に金魚掬うような観賞魚用のネットの25センチ枠のを試してみたら結構塩梅良いんでやがんの。こんなもん千円しないし、我が家にボロいの転がってたので実際にはお金掛かってない。だいぶ穴があいてきて繕って使っているけど使用不能に破れても次もコレで行きたい。
 ついでにオイカワの数釣りで魚籠の入り口にやるようにラインを一本張っている。これに釣れた時ハリスを引っかけて横に引っ張ってハリのフトコロにラインがくる状態にもっていくと、アユが暴れてタモに落ちてくれる。割とこれも塩梅良い。


 次に毛鉤交換の迅速化。まあインチキとはいえ出自がフライマンなので、魚の反応やら流下する餌の変化やらにあわせて毛鉤を交換しながら釣りたいわけで、鮎毛鉤釣りの場合複数の毛鉤を並べる仕掛けを使うので、最初からいくつもの毛鉤を使えているのでフライフィッシングほど頻繁に交換したくはならないけど、でもやっぱり換えたくなる。

 枝スの方を交換すると、交換の手間自体は大したことないんだけど交換した毛鉤はハリス結んだアイをガッチリ瞬間接着剤で金玉と接着してあるので再利用ができない。
 ということで、唯一枝スではない幹糸の先に結ばれている最後の1本を交換するんだけど、これも何回もやっていると幹糸も毛鉤のハリスも短くなっていく。
 ので、幹糸側の最後にコブを作って、幹糸に8の字作ったハリス側を接続する方式にした。穂先の取り付けと基本一緒で使う時はシモリ浮きを止めている毛糸で押さえ込んで緩んで抜けないようにしている。幹糸側のコブの先にちょっとあまりを出しておくと外すときにズラシやすい。ズラして毛鉤のハリ先で8の字を引っかけて外しているけど「そんな細かい作業できねえヨ」という場合はハリスの8の字の先に短くつまめるようにハリスの切れっ端でも結んでおけば良いと思う。



 次に浮子。鮎毛鉤流し仕掛けについている浮子は横長の棒状で、多分この形なのはアタった時に立ち上がるとか適度に揺れて毛鉤を動かすのかなと思っていたけど、アタリは以外に直接的で、流しているときはバシッと食ったのが目で見えることが多いし、流しきって下流で待ってるときのアタリは浮きに出る云々より手元にくる。
 でも、やっぱり浮子は流しきって待ってるときや逆引き中はちょっとジッターバグみたいに揺れていて足下で毛鉤動いているか見るぶんにはそれ程動いていないように見えるけど、糸電話を思い出せば分かるように、張った糸って振動を良く伝えるので間違いなく浮子が振動していることには意味があるように思う。
 ということで、高活性時に派手に魚の気を引くために振動を増幅するにはどうすればよいか考えて、それまで中通し式にしていたのを、グラスの心棒入れて心棒を長めにして揺れ幅を大きくしてみようという浮子を作ってみた。
 結果、仕掛けの重さで浮子の動きが制限されてか、あまり大きく浮子が揺れなくなってしまった。というオチ。ただ、揺れは小さいけど直接的にラインに振動が伝わっているので見た目の揺れが小さいからといってダメとは限らないのでしばらく試してみたい。良くないような感触なら心棒短く切ってしまえば多分揺れは大きくなるはず。単純に揺れが大きければ良いのならジッターバグでも浮子として使えばいいけど、そうなると騒がしくて警戒されることにもなるだろうから良い塩梅を探りたい。探った結果が市販のに付いている浮子だとしても、アタイ自分でも気になったら試しておきたいのヨ。


 小ネタ最後は友釣り仕掛け。友釣りの仕掛けというと、天井糸が仕掛けの長さ調整可能なように編み込み利用してあって、水中糸は極細金属糸で接続にはやっぱり編み込んで瞬間接着剤で固めてと、とにかく面倒くさい印象だった。
 でも、この面倒くささは全部「極細金属糸が悪い」のであって、極細金属糸を使わないナイロン糸仕掛けなら割と単純であると今のところ理解した。
 仕掛けの長さ調整もナイロン仕掛けなら結ぶのが難しい金属糸と違って現場で切って繋げば良いだけで面倒くせえ仕掛け必要ない。ナイロンどうしなら水中糸と鼻管周りの仕掛けの接続も普通に結べば良い。そもそも普通に結べてそれなりの耐摩耗性とかがあるナイロン糸を水中糸に使えば天井糸なんか必要なくて水中糸を穂先に接続したら良いはず。
 逆に言うと、それだけしち面倒くさいことをヤルだけの価値が極細金属糸にはあるということである。荒瀬の中でオトリを泳がそうと思ったら、ラインが受ける水の抵抗は相当なハズで「ライン細いは七難隠す」で、水の抵抗を受ける水中糸以外は全部ナイロンとかにしなければならないぐらい釣りの仕掛けには向かないはずなのに使いたくなる利点なんだろう。
 でも、いうほど荒瀬で大鮎狙うような場面って多いのか?まあ人様の釣りはさておき、自分の釣り場は膝下水深とかのチャラ瀬と深くて1mもないような淵ぐらいで流れもきつくないので、当面ナイロン仕掛けで問題ない。なんなら鼻管周りの仕掛けに使うナイロン0.8号通しでも良いかなと思ったぐらいである。まあそんな手間でもないので0.5号を水中糸というか道糸にした。
 そうすると意外なほど単純な仕掛けで、ライン以外のパーツといったら写真の鼻管、逆さ針、逆さ針のおしりに付いた自動ハリス止めに繋ぐ掛け針ぐらいで、あとは目印3カ所も付けときゃいいかってぐらいで、鼻管がそれ用のプルージック結びのための細いPEがクソ高いのでナイロンハリスで古式ゆかしく編み付け利用した接続にしたのがちょっと面倒くさかったぐらいで、全体的にはたいして手間でもなかった。
 うちの近所の鮎たちが縄張り作ってくれて友釣りの対象となるのかまだ未知数だけど、とりあえず出番があればコレで行きたい。
 ちょっと、作ってて気になったのがガマカツのハリの「ナノスムースコート」とかいうやつで、多分ダイワのサクサスとかと同じフッ素コート系の表面処理なんだと思うけど、ワカサギ釣りの時に虫餌の付けやすさは確実に利点だと思ったけど、鮎釣りの掛け針やらフライフックやらにも採用されてるのを見ると、そんなモンの滑り良くしてどうするの?という気がしまくっている。フライフックとか売ってるの見た時点で「フライ巻くとき滑って巻きにくいンとちゃうか?」と思って帰って検索掛けたらやっぱり巻きにくいらしい。鮎釣りの掛け針も根糸で巻いて瞬間接着剤で固めてハリスに固定するんだけど、始めてやったこともあってだとはしても固定できず抜けまくりで、最終的には8の字でコブ作って止めた。
 それだけの欠点が有りながらかつ値段が高くても、利点が補ってあまりあるなら使う価値はあるんだろうけど、スレ針で滑りが良いって、スレ針の利点である刺さりやすさが行き過ぎて逆に「抜けやすい」欠点のほうが出過ぎるんじゃないかと現時点では思う。刺さりやすいのは利点だろうけど刺さりやすけりゃ抜けやすいってのは当たり前で、刺さりやすくて抜けにくくするためにカエシが付いてたはずで、そこを刺さりやすさ重視でカエシを取っ払って、その状態で良い塩梅の保持力を持たせるように表面の加工やら形状やらを設計してあったはずで、同じような形でより刺さりやすくしてしまったら抜けまっせそりゃ。逆に欠点が出てこないぐらいなら対して利点もない表面加工であるという証明で金返せという話である。良くわからんので最初は良いやつ買っとこうと、あまり考えずにガマカツさん信頼して高めの買ったけど失敗だったかも。

 とまあ、鮎釣りに没頭している。近所のアユは釣りになる場所も今のところ限られていて、他の釣り人や鳥に目を付けられたらその時点で終わりで、今年は沢山遡上してきているけどいつまで釣り場にとどまるか、釣りが成立するぐらいの個体数が保たれるかも未知数である。ということで、他の釣りはしばし放置で今はアユに全力投球で、釣れるときに釣れるだけ釣っておきたいと思っている。楽しい。

6 件のコメント:

  1. タモ網の使い方については、このあたりの毛鉤釣り師の多くは、ベルトにタモ網の柄を挟んで固定し、釣れたアユをその上に取り込むというやり方をしており、最近は私もそのスタイルを採用しています。
    更に、魚籠とタモ網を連結して、タモ網に入れた鮎がそのまま魚籠に入るようにしている人もよく見かけます。
    このやり方は、アユを掴んで魚籠に入れるという手間が省けるので、手返しが早くていいとは思いますが、汎用性に乏しいので、私は採用していません。

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    1.  タモ網を固定して両手を自由にするわけですね。ナルホド。金魚網は枠や柄が簡単に曲げられるのも利点なので、曲げてベルトに固定するのは試してみようと思います。

       魚籠と直結は確かにやり過ぎ感がありますね。数を釣るには手返し良く効率的にというのがキモになってきますが、それを追求しすぎると釣りが単なる「作業」に堕落してしまいかねないのでどこかで線引きが必要だと思います。どこに線を引くかは釣り人によって違うでしょうけどね。

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    2. なんかナマジさんの記事よんだらこちらもなんか初夏の
      熱気がWW
      おかげて、こわれたパソコンのハードディスクあさって、
      ミノー鮎のフォト探したりしました。
      当時、アユ釣りに鮎カラーのミノー数種類使ってました。
      白く追星あってそんなおっきくないやつ。
      だまされてアユカケもかかってましたw。
      https://6617.teacup.com/ogaworld/bbs

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    3. kazuさん おはようございます

       梅雨の晴れ間の太陽はもう夏ですね。昼の釣りはしんどくなってきました。
       ミノーでアユも釣ってみたいのですが、なかなか思うようにはいってません。まあボチボチ行きます。

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  2. こんばんは。
    現在準備中の環境学習ツアー(川での魚捕り体験)の事業名に「アユカケ先生のお魚すごいぜ!」というのを提案して、当然ながら却下された風雲児です。

    子どもの頃、オイカワを囮にしてアユを釣れないものか?それよりオイカワの友釣りなんて面白いんじゃないか?というような夢を見ていた時期がありましたが、ここのところの釣行記を読んで、一度も試さずに来たことを思い出してしまいました。

    とりあえず今期は今日から挑戦開始の瀬戸内ヒラメのお手軽・安価釣法の確立の方が優先ですけどね。

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    1. 風雲児さん おはようございます

       「アユカケ先生」にウケてます。別名があれですもんね。

       オイカワ囮は多分釣れたと思いますよ。私が過去友釣りしたかったのは、鮎が遡上し瀬に婚姻色の出たハスが縄張りを作ってた「琵琶湖化」時代の霞ヶ浦でハスの友釣りです。完全に縄張り防衛に徹していて餌食わないので囮が手に入らないので困難な釣法だったと思いますが、尺上の婚姻色バリバリのハス2匹の重量を堪能できたら気持ち良いだろうなと夢想してました。
       メスは食い気旺盛でフライで結構釣れたんですけどね。今思えばメスでも寄ってきて釣りになったかも知れませんね。

       ヒラメご武運を。私も今から出撃です。

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