2017年8月26日土曜日

ムカつくヤツをブッ飛ばす!!


 我が家のペット、小型のライギョの一種コウタイは喧嘩っ早い。
 飼い始めて6年くらいは経っていて最近はヒレの再生速度が遅くヒレ先がぼろっちくなってきて年老いた感じになってきているけど、若い頃と同様に血気盛ん。
 水替えの時のホースに食いつくし、手を入れると高確率で噛まれる。飼い魚に手を噛まれるのはひそかな喜び。

 夏になると水温上昇を抑えるために、水槽の蓋を半分金網のものにしているのだが、ライギョの仲間は飛び出す事故が多いので、蓋を押さえるために、ロッドエンドにぶち込んでバランス調整する用にマスキーロッドに付いてきた真鍮のオモリを端に乗せていたのだが、何が気に入らないのか、乗せたすぐに頭突きを食らわせて落としてしまう。

 真鍮のピカピカ光る反射がルアーのスプーンみたいで攻撃衝動を起こさせるのかと思って、黒のビニールテープでグルグル巻きにしたら、多少はマシになったけど、それでもなにがムカつくのか気持ちは分からないけど、相変わらず頭突きを食らわして落としてしまうので、あきらめて落ちたら拾って乗せている。

 そもそも小型のライギョを飼い始めたのは、九州時代にライギョ釣ってて、ライギョの行動パターンっていきなりバフバフ食い始めることもあれば、全然反応せずに水底で寝てる?こともあったりして全然読めないので、飼ったら何か分かるかと思って先代のレインボースネークヘッドを飼い始めたのが始まり。飼ったら餌ほしがって水槽前面に出てきてグネグネと「餌くれダンス」をするところとかなかなか愛嬌のある魚なので、先代が死んだ後も同じライギョ系のコウタイを買ってきてずっと飼っている。
 飼ってて、行動パターンなんてまったく良く分からんかったけどまあそういう魚だと思う。

 オモリへの攻撃のパターンも、ムカつく理由も、6年経ってもいまだに分からない。しばらく反応しない日があったと思ったら、夜とか朝方にいきなり「ガコッ!」とか音がして起きてからオモリが飛ばされているのを発見したりする。
 法則とかはなく気まぐれで、なんかムカついたらブッ飛ばしているような気がする。スレたライギョの攻略法にひたすら同じ場所にフロッグを浮かせて、たまに動かす程度でとにかく待つという、短気な人間なら絶対やりたくない方法があるらしいのだけど、確かにそのうち気まぐれで食うことがあるのかもしれないと思わされる。

 どうせ落とされるのならオモリなんか意味ないようなきもするけど、ムカつくヤツをブッ飛ばすのって、脊椎動物である魚はもちろん、およそ生物なら持っていて然るべき、競争相手を打ち負かすという行為の端的に表れた行動のようにも思えて、適度にそういう攻撃衝動をぶつける捌け口があるのも、餌食う以外に楽しみのなさそうな水槽暮らしに押し込めているコウタイにはいい刺激かもと思って落とされるたびにまたのっけている。


 そういう生き物に備わった原始的な衝動である「ムカつくヤツをブッ飛ばす!!」という欲求は当然人間にも強く備わっていて、明日はそういう衝動を全解放で激突する夢のビックマッチが行われる。
 玄人のボクシングファンなら本場アメリカで世界挑戦の亀海選手に注目するのかもしれないが、ミーハーな私は、総合格闘技団体「UFC」の現2階級王者コナー・マクレガーとボクシング元5階級制覇のフロイド・メイウェザーとの対決に、もう待ちきれないぐらいに心が高鳴っている。思わず日本で独占配信のネット配信スポーツチャンネル「DAZN」契約しちゃって事前特集とか見て予習しつつ早くも気分は盛り上がっている。3日待てば録画放送でアベマTVでも見られるにもかかわらず、3日待ちきれないし、結果知ってから見るとちょっと興ざめなのでライブ映像を観戦することに決めた。

 興味ある人はネットの記事でも読んでもらえば分かるけど、現地アメリカでもメチャクチャ盛り上がっているらしく、勝敗の賭けでメイウェザーに1億2千万円からを張った人間がでたとかもネットのニュースで報じられている。
 メイウェザーの勝ちはオッズ1.2倍だそうで、対するマクレガーの勝ちのオッズは5倍。断然メイウェザー有利の下馬評なんである。

 まあそうなんだろうなと思う。今回総合格闘家とボクサーが戦うので猪木対アリ以来の「異種格闘技戦」のビックマッチと日本では言われているけど、両者歩み寄って?特別ルールを設けその隙を突いて猪木が寝っ転がって蹴った猪木アリ戦とはちょっと性格が違う。実際にはボクシングルールで戦う純然としたボクシングの試合なのである。
 そう考えると引退したとはいえ、方やボクシングで5階級制覇を成し遂げ49戦無敗の負けない手堅いボクシングをするらしいメイウェザーに、別種目の総合格闘技(MMA)のチャンピオンだからといって、ボクシングのプロデビュー戦のマクレガーが勝つというのは現実的ではないようにも思えてくる。
 総合格闘技でも当然パンチを打つので、パンチで闘うボクシングについて全くの素人ではないという見方もあるのかも知れないが、そんなもん、じゃあキック力があるからサッカーのメッシがキックボクシングできるかっていったら関係ないだろと思うぐらいに、総合格闘技のパンチとボクシングのパンチの技術って違うように素人目にも思う。パンチ自体は一緒でもそれを当てるまでの技術が全然違う、とちょっと玄人っぽいことを書いてみたりして。

 ボクサーの拳はそれしか使っちゃいけないがゆえに、高度に研ぎ澄まされた洗練された技術が宿る、てな説を読んだことがあったのだけど、へーそんなもんかいなと思っていたんだけど、立ち技系の格闘技団体「K-1」が一回無くなる前ぐらいにヘビー級で出てた元ボクシング世界王者のフランソワ・ポタという選手の闘いぶりをみて、確かにそうかも知れないなと思わされた。

 「K-1」はキックボクシングに近いルールで闘うので、キックボクシング出身の選手が多く、次に空手家ぐらいで、ボクシング出身の選手はたまに鳴り物入りで入ってきても、キックに対応できず、ローキックで削られると得意のパンチを出す機会もなく良いところなく消えていくのが常だった。ポタ選手も最初負けが込んで、「やっぱりケリが有るのと無いのでは全く別の競技なんだな」と思わせられた。ところが、この選手はさすが元世界王者、負けが込んだ後に吹っ切ったのか、ローキックの防御とかあんまり気にせず、前傾姿勢でとにかくパンチを先に当てまくるという戦法をとりはじめ、「これがボクサーの拳ってヤツか!」という感じで、当然相手もパンチの距離ならパンチ打ってくるんだけどK-1のトップ選手と比べても歴然としたパンチを当てる技術の差があるし、当たるとメチャクチャ効いているのが見て取れた。その年のトーナメントをベスト4まで勝ち上がり、準決で惜しくも逆転負けしたけど、ボクサーの拳の凄さを印象づけられた。

 っていうぐらい、ボクサーのパンチは当たり前だけどボクシングのルールで闘うために磨き上げられていて凄いんである。
 マクレガーはボクシング出身の、寝技もある総合格闘技の中で、パンチでKOしまくる打撃が強い選手である。だとしてもボクシングのキャリアはアマチュアのみで、5階級制覇の生きる伝説な元王者と比較したら誰でも不利なのは分かるはずである。
 予想としては、早いラウンドであっさりメイウェザーがKOすると私も思う。

 でも、どっちを応援するか、どちらの勝ちが見たいかといえば、断然私はマクレガーである。
 ミーハーと言われても、実はUFCの試合今までライブじゃなくて録画の過去の名試合とかしかみたことない「ニワカファン」であり、そのことで蔑まれようとも、絶対その方が面白いから期待する。
 だってさ、メイウェザー大人げないじゃん。テメエの土俵で勝って当たり前の試合で自分の経歴を飾って濡れ手に粟の大儲けとかこすっからいジャンよ。

 賭けのオッズも専門家の予想も、勝負は結果を見るまで分からないという事実の前には、あんまり意味を持たない。
 だって、専門家様の予想を覆す大番狂わせなんて、いくらでもあったわけで、だからこそ賭けの対象にもなり得るというわけで、勝負が終わった後に「ほら予想どおりだったでしょ」と言うのは簡単だけど、たまたま予想が当たる人もいるというだけのこと。
 大晦日にK-1やってた頃に、エースのマサト選手と総合格闘技の山本KID選手がやったときも、大方の専門家の予想はマサト圧勝とか言ってたきがする。
 蓋を開けてみたら早々にマサトダウン取られて、ダウン取り返して判定で勝ったけど、あれは総合格闘家にエースが負けたとあっては示しがつかんので勝たせたけど、山本KID勝ちでもおかしくなかったと思うのは贔屓の引き倒しか。

 今回も、これまた総合格闘技の選手でありながらK-1でも活躍した須藤元気氏がマクレガーに勝機アリ的な見解を述べていて、さすが変幻自在のトリックスターは大穴狙いでトリッキーなコメント出してくれると楽しく記事を読んだ。
 須藤氏曰く、例えばボクシングでは普通使わない体を使った崩し方とかが総合格闘技にはあって、それで相手を翻弄してパンチを当てるチャンスを作れれば勝機があるのではとのこと。
 なるほどなァ。確かにマクレガーの公開練習についてメイウェザーが「あいつの動きはボクシングでは反則ばかりだ」とか噛みついていて、ボクシングに普通ない動きというのはそう言われると、メイウェザーも警戒しているようにも見える。メイウェザーひょっとして結構ビビってる?
 反則っていっても、故意にやった悪質な反則、例えばマクレガーが蹴るとか以外なら、たぶん口頭注意とか減点とかぐらいだろうし、それでパンチ当てて倒すチャンスができるなら全然アリなんじゃねえの?とスポーツに正々堂々とかの幻想をあんまり持ってない人間としては思ってしまう。特にこの二人はスポーツマンとしてはどうなのよ?な悪童っぷりも魅力だとおもうので、試合前の心理戦、舌戦も含めてあらゆる手段を使った総力戦で戦って欲しいと思う。


 明日朝10時から、まあ前座も豪華なカードらしいので楽しみつつ。世紀の一戦を楽しみたい。

1 件のコメント:

  1.  最初、コレは意外に行けるか?とドキドキしたけど、そんなにボクシング界の伝説は甘くなかった。10回滅多打ちでTKO。ちょっと残念。

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