2017年8月26日土曜日

ムカつくヤツをブッ飛ばす!!


 我が家のペット、小型のライギョの一種コウタイは喧嘩っ早い。
 飼い始めて6年くらいは経っていて最近はヒレの再生速度が遅くヒレ先がぼろっちくなってきて年老いた感じになってきているけど、若い頃と同様に血気盛ん。
 水替えの時のホースに食いつくし、手を入れると高確率で噛まれる。飼い魚に手を噛まれるのはひそかな喜び。

 夏になると水温上昇を抑えるために、水槽の蓋を半分金網のものにしているのだが、ライギョの仲間は飛び出す事故が多いので、蓋を押さえるために、ロッドエンドにぶち込んでバランス調整する用にマスキーロッドに付いてきた真鍮のオモリを端に乗せていたのだが、何が気に入らないのか、乗せたすぐに頭突きを食らわせて落としてしまう。

 真鍮のピカピカ光る反射がルアーのスプーンみたいで攻撃衝動を起こさせるのかと思って、黒のビニールテープでグルグル巻きにしたら、多少はマシになったけど、それでもなにがムカつくのか気持ちは分からないけど、相変わらず頭突きを食らわして落としてしまうので、あきらめて落ちたら拾って乗せている。

 そもそも小型のライギョを飼い始めたのは、九州時代にライギョ釣ってて、ライギョの行動パターンっていきなりバフバフ食い始めることもあれば、全然反応せずに水底で寝てる?こともあったりして全然読めないので、飼ったら何か分かるかと思って先代のレインボースネークヘッドを飼い始めたのが始まり。飼ったら餌ほしがって水槽前面に出てきてグネグネと「餌くれダンス」をするところとかなかなか愛嬌のある魚なので、先代が死んだ後も同じライギョ系のコウタイを買ってきてずっと飼っている。
 飼ってて、行動パターンなんてまったく良く分からんかったけどまあそういう魚だと思う。

 オモリへの攻撃のパターンも、ムカつく理由も、6年経ってもいまだに分からない。しばらく反応しない日があったと思ったら、夜とか朝方にいきなり「ガコッ!」とか音がして起きてからオモリが飛ばされているのを発見したりする。
 法則とかはなく気まぐれで、なんかムカついたらブッ飛ばしているような気がする。スレたライギョの攻略法にひたすら同じ場所にフロッグを浮かせて、たまに動かす程度でとにかく待つという、短気な人間なら絶対やりたくない方法があるらしいのだけど、確かにそのうち気まぐれで食うことがあるのかもしれないと思わされる。

 どうせ落とされるのならオモリなんか意味ないようなきもするけど、ムカつくヤツをブッ飛ばすのって、脊椎動物である魚はもちろん、およそ生物なら持っていて然るべき、競争相手を打ち負かすという行為の端的に表れた行動のようにも思えて、適度にそういう攻撃衝動をぶつける捌け口があるのも、餌食う以外に楽しみのなさそうな水槽暮らしに押し込めているコウタイにはいい刺激かもと思って落とされるたびにまたのっけている。


 そういう生き物に備わった原始的な衝動である「ムカつくヤツをブッ飛ばす!!」という欲求は当然人間にも強く備わっていて、明日はそういう衝動を全解放で激突する夢のビックマッチが行われる。
 玄人のボクシングファンなら本場アメリカで世界挑戦の亀海選手に注目するのかもしれないが、ミーハーな私は、総合格闘技団体「UFC」の現2階級王者コナー・マクレガーとボクシング元5階級制覇のフロイド・メイウェザーとの対決に、もう待ちきれないぐらいに心が高鳴っている。思わず日本で独占配信のネット配信スポーツチャンネル「DAZN」契約しちゃって事前特集とか見て予習しつつ早くも気分は盛り上がっている。3日待てば録画放送でアベマTVでも見られるにもかかわらず、3日待ちきれないし、結果知ってから見るとちょっと興ざめなのでライブ映像を観戦することに決めた。

 興味ある人はネットの記事でも読んでもらえば分かるけど、現地アメリカでもメチャクチャ盛り上がっているらしく、勝敗の賭けでメイウェザーに1億2千万円からを張った人間がでたとかもネットのニュースで報じられている。
 メイウェザーの勝ちはオッズ1.2倍だそうで、対するマクレガーの勝ちのオッズは5倍。断然メイウェザー有利の下馬評なんである。

 まあそうなんだろうなと思う。今回総合格闘家とボクサーが戦うので猪木対アリ以来の「異種格闘技戦」のビックマッチと日本では言われているけど、両者歩み寄って?特別ルールを設けその隙を突いて猪木が寝っ転がって蹴った猪木アリ戦とはちょっと性格が違う。実際にはボクシングルールで戦う純然としたボクシングの試合なのである。
 そう考えると引退したとはいえ、方やボクシングで5階級制覇を成し遂げ49戦無敗の負けない手堅いボクシングをするらしいメイウェザーに、別種目の総合格闘技(MMA)のチャンピオンだからといって、ボクシングのプロデビュー戦のマクレガーが勝つというのは現実的ではないようにも思えてくる。
 総合格闘技でも当然パンチを打つので、パンチで闘うボクシングについて全くの素人ではないという見方もあるのかも知れないが、そんなもん、じゃあキック力があるからサッカーのメッシがキックボクシングできるかっていったら関係ないだろと思うぐらいに、総合格闘技のパンチとボクシングのパンチの技術って違うように素人目にも思う。パンチ自体は一緒でもそれを当てるまでの技術が全然違う、とちょっと玄人っぽいことを書いてみたりして。

 ボクサーの拳はそれしか使っちゃいけないがゆえに、高度に研ぎ澄まされた洗練された技術が宿る、てな説を読んだことがあったのだけど、へーそんなもんかいなと思っていたんだけど、立ち技系の格闘技団体「K-1」が一回無くなる前ぐらいにヘビー級で出てた元ボクシング世界王者のフランソワ・ポタという選手の闘いぶりをみて、確かにそうかも知れないなと思わされた。

 「K-1」はキックボクシングに近いルールで闘うので、キックボクシング出身の選手が多く、次に空手家ぐらいで、ボクシング出身の選手はたまに鳴り物入りで入ってきても、キックに対応できず、ローキックで削られると得意のパンチを出す機会もなく良いところなく消えていくのが常だった。ポタ選手も最初負けが込んで、「やっぱりケリが有るのと無いのでは全く別の競技なんだな」と思わせられた。ところが、この選手はさすが元世界王者、負けが込んだ後に吹っ切ったのか、ローキックの防御とかあんまり気にせず、前傾姿勢でとにかくパンチを先に当てまくるという戦法をとりはじめ、「これがボクサーの拳ってヤツか!」という感じで、当然相手もパンチの距離ならパンチ打ってくるんだけどK-1のトップ選手と比べても歴然としたパンチを当てる技術の差があるし、当たるとメチャクチャ効いているのが見て取れた。その年のトーナメントをベスト4まで勝ち上がり、準決で惜しくも逆転負けしたけど、ボクサーの拳の凄さを印象づけられた。

 っていうぐらい、ボクサーのパンチは当たり前だけどボクシングのルールで闘うために磨き上げられていて凄いんである。
 マクレガーはボクシング出身の、寝技もある総合格闘技の中で、パンチでKOしまくる打撃が強い選手である。だとしてもボクシングのキャリアはアマチュアのみで、5階級制覇の生きる伝説な元王者と比較したら誰でも不利なのは分かるはずである。
 予想としては、早いラウンドであっさりメイウェザーがKOすると私も思う。

 でも、どっちを応援するか、どちらの勝ちが見たいかといえば、断然私はマクレガーである。
 ミーハーと言われても、実はUFCの試合今までライブじゃなくて録画の過去の名試合とかしかみたことない「ニワカファン」であり、そのことで蔑まれようとも、絶対その方が面白いから期待する。
 だってさ、メイウェザー大人げないじゃん。テメエの土俵で勝って当たり前の試合で自分の経歴を飾って濡れ手に粟の大儲けとかこすっからいジャンよ。

 賭けのオッズも専門家の予想も、勝負は結果を見るまで分からないという事実の前には、あんまり意味を持たない。
 だって、専門家様の予想を覆す大番狂わせなんて、いくらでもあったわけで、だからこそ賭けの対象にもなり得るというわけで、勝負が終わった後に「ほら予想どおりだったでしょ」と言うのは簡単だけど、たまたま予想が当たる人もいるというだけのこと。
 大晦日にK-1やってた頃に、エースのマサト選手と総合格闘技の山本KID選手がやったときも、大方の専門家の予想はマサト圧勝とか言ってたきがする。
 蓋を開けてみたら早々にマサトダウン取られて、ダウン取り返して判定で勝ったけど、あれは総合格闘家にエースが負けたとあっては示しがつかんので勝たせたけど、山本KID勝ちでもおかしくなかったと思うのは贔屓の引き倒しか。

 今回も、これまた総合格闘技の選手でありながらK-1でも活躍した須藤元気氏がマクレガーに勝機アリ的な見解を述べていて、さすが変幻自在のトリックスターは大穴狙いでトリッキーなコメント出してくれると楽しく記事を読んだ。
 須藤氏曰く、例えばボクシングでは普通使わない体を使った崩し方とかが総合格闘技にはあって、それで相手を翻弄してパンチを当てるチャンスを作れれば勝機があるのではとのこと。
 なるほどなァ。確かにマクレガーの公開練習についてメイウェザーが「あいつの動きはボクシングでは反則ばかりだ」とか噛みついていて、ボクシングに普通ない動きというのはそう言われると、メイウェザーも警戒しているようにも見える。メイウェザーひょっとして結構ビビってる?
 反則っていっても、故意にやった悪質な反則、例えばマクレガーが蹴るとか以外なら、たぶん口頭注意とか減点とかぐらいだろうし、それでパンチ当てて倒すチャンスができるなら全然アリなんじゃねえの?とスポーツに正々堂々とかの幻想をあんまり持ってない人間としては思ってしまう。特にこの二人はスポーツマンとしてはどうなのよ?な悪童っぷりも魅力だとおもうので、試合前の心理戦、舌戦も含めてあらゆる手段を使った総力戦で戦って欲しいと思う。


 明日朝10時から、まあ前座も豪華なカードらしいので楽しみつつ。世紀の一戦を楽しみたい。

2017年8月19日土曜日

マハゼにまつわるエトセトラ


 ハゼ釣りなんざ、ナス型オモリに直接ハリ付けてゴカイ餌でちょい投げしときゃ充分。と思っていた時代もありました。

 確かに、それで釣れる場所ではそれで間に合うというか、むしろ最適解に近いかも知れないんだけど、そうじゃない釣り場も多いというのが、ここ数年来、江戸前小物釣り師修行の一環としてハゼ釣りをしてきて感じたところである。

 そのあたりを含め、10束釣るようなキ○ガイのいるハゼ釣り界隈で、若輩者の私なんぞが、何を偉そうに語るかという感じではあるけど、10束釣るような特殊な釣りじゃない、半日ぐらいやって「スカを食らわず」何十匹か釣って、今夜のおかずが釣れて楽しいというぐらいの釣り方とか、実用的なあれこれを紹介したい。

 ハゼ釣り、舐めてると意外に「スカ」に近いような惨敗を喫することがありがちで、さらには舐めてなくても、数釣りに特化した釣り方を参考に準備して出撃しても、そこそこシビアな状況だとむしろその釣り方のせいで釣れない釣りになるということもありえるので、「スカ」を食わずに活性低めでもそれなりに釣って楽しむ釣り方となると、また別の答えがあると思う。
 結局は釣り場が違えば釣り方違ってくるので、その釣り場用の釣り方を考えるしかないような気もするけど、なるべく単純で汎用性の高い釣り方をということで、3つの場面に分けてお勧めの釣り方とか小ネタとかを紹介することとしたい。


<場面1:浅くてハゼが見える釣り場>
 短竿での脈釣り。キモはハリスが絡まないように短めにしてかつパイプを装着。

 東京湾では湾奥の運河などがこの種の釣り場。河川でも干潮時とか潮位が低くなってきてハゼが見えるようなときはこの釣り方で。
 竿は状況に合わせてハゼがなぜか逃げなくて足下釣るような場合は1.5mとかでも間に合うときもあるけど、普通ハゼは近寄るとちょっと遠ざかるように逃げるので2.7m前後が使いやすい。
 とにかく、ハゼが多くいるところを目で探しながらハゼの目の前に餌を持って行くつもりで釣る。
 ハゼを見ながら釣っていると、様々なことが分かってくる。同じ釣り場のハゼでも日によって反応が違うのはもちろん、個体毎にも差があって、落ちるオモリに反応してアタックしてくるような高活性なヤツから、近づいただけで逃げるヤツ、餌を目の前に落としても無視するヤツと様々で、毎回同じようには釣れないことが分かる。
 水底のちょっとした深さの違いで魚の寄りが違ったり、数m移動しただけで状況が違ったりということも見えてくる。
 餌の食い方のパターンと、その時の「アタリ」のでかたとかを目で見ておくと、ハゼが見えないようなちょっと深いところでの脈釣りの時にもどういうアタリを出して、どのタイミングであわせるべきかとかが見えてくる(場合もあれば余計迷ったりもして、それはそれで楽しかったりする)。

 ハゼの餌の食い方のパターンとしてはアワセ方の種類で考えて大まかに3パターンぐらいに分けられると思う。1つめは「飲み込むか食って走って勝手にかかる」、2つめは「食って走ってから吐き出す」、3つめは「居食いしてから吐く」という感じ。

 1つ目はほっといても釣れるので適当にかかってからあげれば良い。逆にいうとちょい投げ置き竿で狙うならこの食い方をしてくれるハゼがいないと釣れない。

 2つめの食って走るのが一番多いパターンで、魚が見えない状況での脈釣りでも目印が派手に横に動くし手元にもビビビと来るので、このアタリが沢山出るような場所あるいは誘い方などで釣っていくのを意識する。多少水深違っても見やすいように道糸の3カ所ぐらいに目印の糸を巻いておく。
 アワセはとにかく早合わせ、それでもギリギリ間に合わない空振りが連発するときもあったりして結構難しく、その場合、ハリ掛かりを良くしようと餌を小さくしてみたり、吐くまでの時間を稼ごうとオモリを軽くしてみたり遊動式にしてみたり色々試してみるけど、いつでもコレで良しという正解にはいまだたどり着けていない。というかそんな都合の良い正解はないのかも?で、そのあたりを毎回あーでもないこーでもないと試して釣っていくのが楽しいところ。

 そんな中でもいくつか、おぼろげながら割と効果のあると思った対策をいくつかヒントまで。

 餌の付け方は、長く垂らすと端を咥えて引っ張り回されるので、アワセが決まらないときは小さくちょん掛けの方が良いのかと最初思っていたけど、どうも小さくすると食い自体が悪くなってアワセ自体は決まるようになっても釣果は伸びていかないように思う。
 ハゼが長い虫餌を食う様子を見ていると、端の方からチマチマと囓っていくより、近づいて横ぐわえぎみに胴のあたりから一気に吸い込むことが多いように思う。
 なので、私はミミズ餌なのだけど頭から苦労して通し刺しにしていたのを、ミミズの鉢巻きの所にハリのフトコロ分ぐらい掛ける「鉢巻き掛け」にしてみたら、そういう横ぐわえ気味に食う時にハリが口の中にスポッと入りやすくなってハリ掛かりが良くなった。と思う。
 鉢巻き掛け、ミミズがウネウネして結構難しいので最近は鉢巻きのあたりで、行って帰っての縫い刺しにしている。

 オモリについては「ハゼはオモリぐらい引っ張って泳ぐ」説が根強くあって、確かに固定式でもけっこうしっかり走り回るアタリが出るんだけど、やっぱり微妙に吐き出すまでの時間が稼げるような「気」がして遊動式にしている。この時、ズルズルとどこまでも道糸を引っ張っていけるようにしておくとアワセの時に道糸があらぬ方向に行っている分、力がかからなくてハリがかりしない。遊動式にしてもちょっと上で止まるように浮子止めゴムとかで「遊動」の長さを10センチ弱に調整している。

 オモリを軽くするという方向で、劇的に軽くできるのがシモリウキ仕掛けで、シモリウキ仕掛けについては流れのある釣り場のところでまた説明するけど、浮子の重さで仕掛けが振り込めるのでオモリ自体は極小さなガン玉ですむ。オモリで違和感を感じて吐き出すというような状況では脈釣りで多少オモリの重さを調整するよりは思い切って仕掛けを変えるのもありかなと最近思ってきている。

 3つめの、「居食いして吐く」が、渋い状況では重要になってくることが多い。これが掛けられるかどうかで、貧果に終わるかまずまずの釣果とできるか分かれてくることもある。
 ハゼが見える状況なら、餌が口に入った瞬間にアワせて掛けてしまう。後は吐き出すのが早いかアワセが早いかの勝負。割と得意な釣り方。
 ハゼが見えない深いところや振り切った遠目で釣っている場合、誘いを兼ねて聞き合わせして重みを感じたり、ハゼが走ったりしたら即アワセ。
 コレが決まる日は深場だと大型が多い傾向があるので良い釣りになる。でも、いつもそう上手くはいかなくて、手元にブルッという感触を残して餌だけとられておしまい、というのが連発してどうにも上手くいかないことがある。そういう時に餌の付け方だのオモリの重さだので調整するか、誘い方のリズムや道糸の張り方、アワセのタイミングとかを変えていくか、あきらめて場所変えたり見えてる浅場のを狙うか、色々悩むことになる。ダメな時はダメで、見えてるハゼ狙いが割と手堅いようには思う。見えてるハゼ狙ってると、速攻で吐き出すときには手元にアタリが来てからのアワセでは間に合わないように思えてくる。でも、なんとか上手くいくと気持ち良いので色々試してみたいところ。

 次に、ハゼの餌の追い方も誘い方のパターンにあわせて3つぐらいに分類。
 1つめは「動く物に反応して追ってくる」、2つめは「近くにあるとそのうち食う」、3つめが「口の前に餌が来ると一瞬口を使う」という感じ。

 1つめの動く物に反応するハゼが活性高く食いが良い傾向にあるので、脈釣りの時はオモリで底をトントン叩きながら誘ってくるのが基本的な誘い方だと思う。
 見ていると、中には着底するオモリにかじりつくヤツもいて、こういうのが最近流行り出したハゼクランクで釣る対象になるんだろうなと思うけど、ハゼが沢山いてもそこまで活性高いヤツがいつもいるとは限らないので、ハゼさえいれば成立するという釣りでもないんだろうなと思っていて手を出すのに躊躇しているところだ。
 遠目に振り込んだときとか、トントン手前まで誘ってくると後ろを付いてくるのがいたりする。誘った後に止める「食わせの間」が結構重要で、2つめとも関係してくるけど、追ってきて食い切らないなと思っても、しばらく餌を止めておくと食ったりする。その時々で動かし続けた方が良いのか、止めておく時間を長く取った方が良いのか、いろいろ試して良く食ってくる「間」をつかみたいところ。
 それから、割と良くあるのが近くの見えているハゼを上下の動きで誘う形で、この時にハリスが絡まないようにパイプを使っておくのが地味だけど重要。横に引っ張ってくるときはハリスは後ろにあって道糸に絡まないけど、上下させるとよく絡む。仕掛けの例についてはサイトの方の「工夫」「ハゼ釣り仕掛け」に実例あげているので参考に。
 一番簡単なのは、オモリに自動ハリス止めがついている「カツイチドロップシンカー」とかを使う仕掛け。

 2つめの「近くにあるとそのうち食う」も、意外にある。最初水辺に近づいていくと、ちょっと逃げて遠くに行ったり、石の裏とかに隠れたハゼが、しばらく静かに釣っていると、戻ってきたりするんだけど、見ていると餌を動かして誘っていると警戒するのか食わないんだけど、しばらく放置しておくとジワジワ寄ってきて食ったりする。こういうときは動きじゃなくて臭いに反応しているのかなという気がする。魚が見えない状況でも、放置しておくとブルブルッときて釣れるというパターンがハマるときがあるので、止めて食わせるというのは意識しておいて損はない。
 
 3つめの、口の前に餌が来ると一瞬口を使うハゼは、見釣りじゃないとたぶん釣れない。餌を上下させて誘うといやがるし、ちょっと離したところに餌を置いても寄ってこないというときに、ホントに魚の口の真ん前に生きの良い虫餌を持って行くと、しばらくするとパクッといくことがある。瞬間的にビックリアワセで抜きあげるぐらいの勢いで早合わせ。
 けっこう渋い状況でポツポツ拾っていかなければいけない時間帯とか、デカいのが見えてるときとか、見釣りができる浅い釣り場では結構コレをどうにかできるかどうかが釣果に響いてくる。
 なので、餌はこういうときにシッポのウネウネで誘ってくれる虫餌にこだわっている。

 ハゼ釣りの餌としては、細めのアオイソメが頭の部分の餌持ちの良さが手返しの良さにつながるので定番餌だけど、夏場の暑さに弱くてクタッとなりやすく、餌箱に保冷剤を入れたり、餌箱自体を首から掛ける小型クーラーボックスに入れておくなど保冷策が必要で、その点、若干餌持ちが悪いけどミミズはゴカイ系に比べると暑さに強いので、餌箱も保冷バックも小型のを使っている私はミミズを選択している。「ミミズちゃん熊太郎」を愛用。
 ハゼ釣りの餌として、他には冷凍エビとかボイルホタテをちぎってというのも手軽で人気のようだけど、渋い状況でも動きで食わせる能力を信頼して虫餌派である。ハリ付けがしやすくボイルホタテは数釣りには向いているようだけど、ボウズをくらいたくないのなら虫餌の方が堅いかと。
 冷凍エビとガルプの臭いワームでは釣ったことあるけど、釣れなくもないけど虫餌に比べると今一な気がする。

 直接釣りには関係ないかもだけど、マハゼの食性って謎である。図鑑やらでも小型の多毛類や甲殻類を食べる肉食と書いてあることが多いし、実際に虫餌に反応よく食ってくるので、そうなんだろうなと納得しかけるんだけど、実際に釣ってから食べるために捌いて腹を開けてみると困惑する。肉食っぽい餌なんて食べてないようで、泥のようなものが詰まっている。そう思って釣りながらハゼを見ていると、石の上で縄張り作ってコケ食ってるような個体も見えるし、なんか底の泥食ってるようなのもいる。少なくとも東京湾に注ぐ川やら運河ではマハゼの食性は底の植物プランクトンやら有機物を泥ごと食べているようなデトリタス食性が中心の雑食なんじゃないだろうかと思うのだがどうなんだろう?虫餌とか滅多に食べられないご馳走に歓喜して食いついているのかも知れない。



<場面2:そこそこ浅くて流れのある釣り場>
 中尺軽量竿でのシモリ浮子仕掛け。キモはとにかく餌が常時底について流れるように浮き下長め。
 
 東京湾に注ぐ河川の中下流域の釣り場(特に低潮時)。とか、流れのある浅い運河とか。
 近所ポイントが、まさにこういう釣り場。
 流れがあるので、餌を仕掛けごと流して広い範囲を探って、流れてくる餌を待っているハゼに食わせる。
 そのために、竿はある程度長さが欲しい。今時のオイカワ釣るような清流竿は4.5mで300グラムくらいと軽いのでそのぐらいのが使いやすい。
 流れのある釣り場でも、別にちょい投げでも延べ竿の脈釣りでも釣れそうなものなんだけど、やってみるとあんまり釣れなかった。常連らしいオッチャン達はシモリ浮子仕掛けなので試してみたところ、なるほど釣りやすいと納得。
 シモリ浮子仕掛けは軽いオモリで、浮力の小さいシモリ玉6個を使った仕掛けなんだけど、まず、オモリが軽いので、流れで自然に餌が底をズルズルと流れてくれてハゼがそれに良く食ってくる。ここのところが、流れのある場所でのハゼ釣りのキモだと思う。とにかく餌が底についてズルズルと適度なスピードで流れるのが良いんだと思うけど、玉浮きの仕掛けでも同じように浮き下を長めに必ず底を餌がズルズル流れるようにしていると釣れるようで、素人臭い玉浮き仕掛けの釣り人が結構釣っているというのは目にする。シモリ仕掛け用意するのが面倒くさい人は玉浮き仕掛けでもそれなりにやれると思う。
 とにかく、流速にもよるけど水深の3倍くらい浮き下を長く取ってズルズル流し。ハリスも長め。
 
 で、シモリ浮子仕掛けだと、さらに利点がある。流れるときに深さが多少違っても問題ない浮子の効く深さの幅広さも使いやすいけど、シモリ浮子自体が単体では浮力が小さいというのが、オモリの軽さとも相まって、アタリを出やすくしているように感じる。
 「食って走ってから吐き出す」場合は明確にシモリ浮子が引き込まれるし、「居食いしてから吐く」の場合でも居食いで仕掛けが止められて流れでシモリ玉がいくつか沈むので簡単に分かる。かつ、仕掛けの抵抗が軽いからか吐くまでの時間が長くなるような気がする。脈釣りに比べて「食ったら掛かる」感じが強く、良いアタリさえだせればアワセの空振りは少ない印象。

 流れの効き方によって仕掛けが早く流れすぎる時とか、底切るとシモリ玉が2個水没するぐらいに調整してあるのを、完全底ズルべたでシモリ玉6個とも浮くぐらいにして、底を引きずっているオモリと餌で抵抗効かせてユックリ流れるように浮き下長く調整したりもする。逆に流れが緩くて流れないときは餌が底を切らない範囲で浮き下を短くする。
斜め上流に投げて目の前を流すのが通常だけど、流れが早すぎるときは斜め下流に投げてわざと竿でブレーキ掛けながらウェットフライでいうところのスイングさせる感じでユックリ流して食わせたりもする。
 流れが止まった潮止まりには、チョイチョイとしゃくって誘いながら広範囲を探るようにするとアタリが拾える。しゃくらずズルズルと引いてくるのも試したけどしゃくった方が良いように思う。
 沖目を狙いたくなるのが心情だけど、夏だと特に意外に岸近くの浅いところで良く釣れるので、涼しいのもあってジャブジャブ水遊び靴で立ち込んで釣っているけど、岸近くの浅い場所も意識しておいた方が良い。

 この釣り方を初めて、しばらく悩んだのが「シモリ浮子の止め方」である。爪楊枝で止めるとかはすぐに外れてよろしくなく、輪ゴムを引っ張り込む方法はちょうど良い太さの輪ゴムが難しいというか太すぎて入らない(ラバージグのラバーは細くて良いらしい)。
 あれこれ悩んで、しばらくはシモリ浮子の上下に浮子止め糸で玉を作って止めていたのだが、6個を2カ所づつ玉で止めるのは面倒くさい作業。
 小物釣りのコツ的な本を買って読んでいたら、毛糸を適度に束ねてナイロンラインで引っ張り込んで余分を切り取るのが位置調整も楽にできて良いとあったので、グローバグヤーンでやってみたらこれが良い塩梅。
 シモリ浮子止めるのはこの方法が今のところ最良。
 シモリ浮子仕掛けって関東の釣り方なのだろうか?あまり馴染みがなかったのだけど、使い始めると便利で、唐辛子浮子で釣っていたマブナ釣りとかも移動しながら探るなら、オモリを勝たせておけばどれかの浮子が水面に来て浮き下調整少なくて済んで良さそうだなとか納得。
 


<場面3:深かったり広かったりする釣り場>
 やっぱりちょい投げ。キモは明確なアタリが出るような釣り場と時間を選んで行くことか。

 港や、河川でも護岸された場所で高潮時とかは延べ竿じゃ届かない。贅沢に釣り船でというのもありといえばありだけど、手軽に行くならちょい投げ一択。
 仕掛けも横に引っ張ってくるのであまり絡まないし、ナス型オモリにハリス直結でも結構やれる。絡み防止にハゼ用の小さい天秤を使ってもいい。仕掛けはそのあたり単純で良い。

 ただ、ちょい投げの場合、魚が食っているのが見えるわけじゃないので、勝手に掛かってくれるか、明確なブルブルと手元にくる走るアタリがあって、長いラインを通してのアワセが決まるぐらいはハゼが餌を口にいれてくれていないと苦戦する。
 実は近所ポイント初挑戦時には、冷凍エビ餌ちょい投げで大苦戦。あちこち自転車で走り回ってやっと1匹という有様だった。アタリはたまにあるんだけど掛かるぐらい咥えていてくれなかったのである。 

 その手の苦戦は割とありがちで、見釣りのできる浅い釣り場なら、餌が口に入ったタイミングを見ながら早いアワセで掛けてしまう手もあるし、流れのある浅い場所なら軽いシモリ浮子仕掛けを使えばアタれば高確率で掛けられるので、渋い中でも何とかするんだけど、ちょい投げは「アタるけど掛からないんだよね~」というありがちな渋さで苦戦しちゃうのである。
 そういう時ちょい投げならどうするの?
 最近あんまりやってないんで参考になるかどうかだけど、とにかく、アタリの出るところはハゼが集まってたりするのでそういう場所を足も使って探す。あとは釣り場毎に潮時だったりまずめだったり、釣れる時合いはあると思うのでそれを待つ。ぐらいだろうか?まずは情報収集段階でちょい投げで釣れる釣り場かどうかの判断が一番重要か。そこで勝負ありだったりして。

 今年は体調が秋のシーバスシーズンまでに復調できる気配が見えてこないので、秋シーズンはご近所でヘラ釣りとハゼ釣りの2本立ての予定である。ハゼ釣りも秋が深まると、浅場から深めの澪筋あたりにポイントが変わっていくようなので、そいつら追っかけるならちょい投げにも取り組まねばなるまいと思っているところ。


 ハゼ釣りはおかず分釣るぐらいなら比較的簡単で、良い時期に良い釣り場に行けば誰でも釣れる楽しい釣りであり、初心者にも超お勧めの釣りである。食っても美味いし良い獲物である。

 それでも、ちょっと外すと釣れなかったりという「釣り」の難しさは全くこの釣りも同じで、簡単な釣りだと思っていたのが、多少渋いときでも安定して釣りたいとか、沢山釣りたいとか思い始めると、とことん突っ込んでいける難しさも孕んでいる。たかだか数年やっただけで、これだけ蘊蓄書けるぐらいにはいろんなことを考えなければならなくなる。
 
 今回、3つの場面に分けて釣り方について書いてみたけど、結局、ハゼ釣りってポイント違えば釣り方違ってきて、その釣り場用の釣り方を考えるしかないような気もしているところ。
 東京湾界隈だと、マハゼってものすごい数がいて、魚がいないということはあまりない。その中でいかに上手に楽しく釣っていくのか、いくらでも工夫のしがいのある釣りなのでみんなで楽しめればいいなと思っている。
 そのための参考にしてもらえればとてもうれしい。  

2017年8月12日土曜日

光に覆われし漆黒よ。夜を纏いし爆炎よ。密林の名のもとに原初の崩壊を顕現す。終焉の王国の地に、力の根源を隠匿せし者。我が前に統べよ!ファイヤーー!!


 パソコンが重くなって「深夜の面白GIF画像」とか見てても動かなくなってくると哀しい。

 今使ってるパソコンは、2年ほど前の年末に先代がぶっ壊れて、急遽、家電量販店で買ってきたのであまり性能とか吟味することもできず、現物在庫がある中で我が家ではパソコンのモニターでテレビを兼用しているので、始めからテレビが見られる仕様という点が後付けのソフトやら機器やら買わずに済むので楽かなと選んだのだが、もうコレがそういう情報弱者を引っかける罠のようなパソコンで、画面も綺麗で大きく、画面の後ろにパソコン本体が収まっているコンパクトさからも見た目有能そうに見えるのだが、これが見た目と裏腹のポンコツ醤油味。
 買ってしばらくして、テレビ画面を小さくして別窓でネットブラウザを立ち上げてブラブラというお行儀の悪いことをしていて、なんか5年以上前の先代パソコンならサクサクとこなしていたこの同時作業が、テレビの録画してあった映像がコマ送りになってしまい再生できずクッソ重いのに疑問を抱く。

 先代ですらパソコンの頭脳というか計算を司っているCPUはインテルのクワッドコアたらいう4つ並列処理ができるのが入ってた。先代はでっかいタワー型の本体の昔風のデスクトップパソコンだったけど、そのあたり優秀で重いと感じたことは一度もなかった。
 それより5年は新型のはずの「インテル入ってます」シ-ルの張ってある見た目カッコいいパソコンに、テレビの機能に力を入れた製品だとしてもそんなにトロくっさいCPUが入ってるわけがないと思いつつも「intel inside」としか表記がなく、CPUの型名らしきものが見当たらないので、イヤな予感がしてバージョン情報を開いてどんなのが入ってるか確認したら「Celeron」というのが入っている。調べてみると同社の「Core」シリーズに比べると廉価版のCPUらしい。まあ、先代の方がパソコンとしては格が上だったようだ。ガックシ。多少金かかっても良いのでサクサクが良かった。

 でも、メーカーが想定しただろう、テレビのついでにちょっとネットにも繋ぐ、ぐらいの利用者像に我が家はバッチリあてはまっているはずで、そう考えるとまああんまり同時に窓いっぱい開かなければそれなりに動いているし、いいかと思って我慢することにした。

 だがしかし、数ヶ月後には起動してトイレ行って戻ってきてもまだモタクサしているし、動画はカクカクだし、ネットで広告の多いページが固まるしでどうにもならん状態になってしまう。
 こうなると、解決策を調べるためにネットで検索しているのに、そのネットにうまく繋がらないという、モニターに拳を突き刺したくなる状態に陥る。

 調べて分かったのは「CPU」を良いやつに交換することやパソコンの作業スペースみたいな「RAM」を増設というのが力業で、抜本的な解決にはなるようだけど私のような情弱野郎には荷が勝ちすぎるというもの。
 次に試すべきは、どうもマ○クロソフト様のクソOS「ウ○インドウズ10」で常駐させているソフトでいらないものを削りまくれ、特に別にセキュリティーソフトを入れているなら、初期設定で勝手に入っていて常時監視とかでパソコンの能力を使いまくっている「ディフェンダー」を無効にしろということらしい。

 削った。パソコンが立ち上がるたびに音声入力の御用聞きやらしてくる「コルタナ」も鬱陶しいと思っていたので削った。私にはまだ人工知能は早すぎる。
 ディフェンダーは設定を「オフ」にする程度では、自動更新のたびに勝手に「オン」にしてくるという「呪いのアイテム」らしいので、識者の教えに従って苦労しながら「レジストリエディター」で完全無効化した。

 これで解消した。めでたしめでたし。ナマジは末永く幸せに暮らしました土佐の一本釣り。と、ならネんでやがんの。

 最近また冒頭のように、容量小さいGIF画像でさえ動かなくなってきて、ネットしてても見たいページを立ち上げるのに一発では行かずに再読込を繰り返さないといけなくなってきた。

 情弱野郎がやれそうなことは既にやっているはずなので、次に打つ手は買い換えかパソコン屋に持って行ってRAM増設とかハードの強化だと思って、なるべく先延ばしにしていたのだが、どうにもならんようになってきて1年半かそこらで陳腐化するパソコンってどうなのよと思いつつ、なにか軽くする裏技的なものがないかと、繋がりにくいネットをさまよってみるもそんな都合良いものはなさそう。

 ネット情報ではとにかくディフェンダーを削れというのが目に付く。もう「完全無効化」してるんだよな~と思いながら、違和感に気付く。そういえば「完全無効化」したはずのディフェンダーから報告のメールが来てたような来てなかったような。その時は「なんなんだろうな?」と意味不明だったので深く考えなかった情弱野郎であったが、よく考えたらおかしい。「完全無効化」したはずだけどひょっとして復活してるんじゃないか?と思ってレジストリエディターをまた苦労して開いて確認すると、なぜか勝手に「有効」になってやがる。また無効にしたところあっさり症状は改善。

 ほんと「呪いのアイテム」としか言いようがない。

 思い当たる節は、ウ○ンドウズ10の大規模アップデートが1回あったので、その時に元に戻されたぐらいか?いやらしいのは「コルタナ」のような元に戻っていたらすぐにバレるようなソフトは削ったままになっているのにディフェンダーだけ復活させているところで、もう何らかの悪意が働いているとしか思えない。そうまでして、自社のセキュリティーソフトを押しつけてくるのはなんなんだと言いたい。
 廉価版とはいえ普通に今でも使われているCPUが処理できないぐらいの負荷を与えるソフトを常駐させて、しかも使用者側で無効にするのを邪魔しているとしか思えないこの企業姿勢。さすがは世界の大正義マ○クロソフト様である。ありがたっくて涙がちょちょぎれる。フ○ック!!

 当面の危機は去ったが、ポンコツパソコンを抱えて当初目標の5年を乗り切る自信がなくなってきた。
 我が家でパソコンに求める機能なんてたいしたものではない。テレビがやや特殊かもだが、その他にはネットつなげて映像も見られて、メール使えて、ワープロソフトというか日本語変換ソフト「ATOK」が使えて、表計算ソフトがつかえて、あとは写真の整理ぐらい。
 いっそ今のパソコンはテレビ用と割り切って、もう一台ノートパソコンなりをその他用に用意した方が、人間が2人いることから、たまに「パソコンの空き待ち」が生じているので合理的かも知れない。
 テレビパソコンはリビングにあり、光回線のモデム自体には差し込み口はまだあるけどリビングにパソコン2台もあると種々邪魔くさい。
 となるとWi-Fiルーターを繋いで、電波飛ばして寝室あたりでパソコンが使えるようにしたいところ。

 部屋へのWi-Fi導入は別件でも検討中であった。kindle端末にマンガのような大きなデータを送るのには元々付いている3Gの電話回線の電波では間に合わず、一旦パソコンに落としてからUSBケーブルで接続して端末に落としている。Wi-Fi環境あればパソコン画面で購入時にそのまま飛ばして送れるので手間が省ける。

 いっちょコレは我が家にもWi-Fi導入かということで、とりあえずお金がかからない方向で試し打ちをしてみようと色々調べてみたら、kindleのタブレットPC「Kindle Fire」がアメリカじゃ「iパッドキラー」と呼ばれていてクソ安いらしく、調べたらキャンペーンクーポン使えば4000円ぐらい、周辺機器入れても7,8千円というところ、Wi-Fiルーターも隣の部屋まで飛べば良い程度なら7千円程度。費用は1万5千円程度でおさまりパソコンいきなり買うよりは失敗したときのダメージが小さい。

 私は新しいパソコンの設定程度で、取説とにらめっこしながら1日2日はかかってしまうような情弱野郎である。それが、Wi-Fiで電波飛ばしてパソコンを無線でつかってしまおうなどという恐れ多いことをしでかそうとしているのである。
 その道には艱難辛苦が待ち受けているに違いないと覚悟して腹くくってことに臨み、パソコンショップの店員さんの「元のモデムの電源を一旦切ってからWi-Fiルーター接続。電源入れたら、その後はタブレットなりを起動してルーターのパスワードを入れるだけで簡単ですよ。」との説明にも「そりゃお前らプロには簡単やろうけど、だまされんぞ、パソコン初期設定のときでも個人情報やらいっぱい聞かれたぐらいや、三代さかのぼって家系を示せとか言ってくるかもしれん。油断するな。」と身構えて、元のモデムの電源を一旦切ってからWi-Fiルーター接続。電源入れたら、その後はFIREを起動してルーターのパスワードを入れたら問題なく繋がった。拍子抜け。

 繋がった後のKindle FIREの操作も極めて簡単。Kindleブックリーダーと同様、取説は電源入れろぐらいしか書いてないけど、電源入れるとメラメラ燃える「fire」のロゴの後にホーム画面が出てきて、各アプリケーションソフトに繋がるアイコンが並んでいて、アホでもそれをタッチすれば良いのだろうなということは分かる。ネット接続ややっぱり本を読む使い心地の確認とかしていると、最初のころは「ホームに戻るには下の○」とか使い方ガイドが出てきて自然と覚える。ホーム画面には使うアプリケーションソフトが並んでるだけというシンプルな構成なのであまり迷う要素がない。設定画面とかもソフトと同じようにアイコンで並んでてどこにあるのか探す必要がない。なんでもホーム画面のどっかに並んでる。アマゾン様は我々情弱に優しい。

 いままで、さんざんウ○ンドウズマシンで煮え湯を飲まされ続けてきたので、新しい機器の初期設定とかは極めて難易度が高いものと腰が引けまくっていたのだが、腐れ窓のトンチキが特別ややこしいだけなのかも知れない、とうっすら強く感じている。

 FIRE動きもサクサクで、ネットつなげて問題なく映像も見られるし、メールも使える。ワープロソフトはさすがにタッチパネルで文字打ちまくる気はないので良いとして、でもワード文書をよむソフトは始めから付いていてケン一からメールで来る「俺の釣り」も問題なく読める。自炊本読むのにPDFファイルを開くソフトは無料で追加できた。表計算ソフトはタブレットではたぶん使わないけど電卓ソフトは付いている。写真の整理も問題ない。本読み機能がさすがKindleのタブレットという感じで充実している。見開きモードがあるというのはマンガでは見開きドカンと迫力の合戦シーンとか眼福だったりするのでそういうのも楽しめるようになって満足度高い。あとブックリーダーの方は省電力の液晶じゃない電子インクを使っている関係から白黒だったけど、タブレットのFIREはカラーというのも良い。その分電力はつかうけど、まあ1日ぐらい持つので充分か。

 今のところ、普段パソコンの方で使っている機能で、タブレットでできない機能って、キーボード入力じゃないので長い文章を打つ気にならないというのと、インターネットエクスプローラーでないと編集できないサイトの更新ぐらいか。
 文章打つのはそれ用に電子メモ帳「ポメラ」があるので、そこは補える。後付けのキーボード接続ってのもありかも知れない。
 サイトの更新はまあパソコンでやるんだろう。でもインターネットエクスプローラーもそのうちなくなりそうだし、その時にでも良いプロバイダ探して引っ越しするんだろうなと思っている。

 結局できないのはそれぐらいで、試しにと導入したタブレットで、ちょっとネットに繋ぎたい程度の簡単な用途が主な使用者にとっては、おおよそのことはできてしまうことが明らかになった。
 かつ、その程度の用途にPCを使いたい使用者が使うのに必要なOSやらは、極簡単なもので良く、スマホやタブレット用のOSで充分間に合いそうで、もう増改築重ねすぎて避難経路が分からんくなってしまっている老舗旅館みたいなウ○ンドウズなど、多くの人には必要ないのではないかとこれまで以上に激しく強く感じた。
 情弱野郎どもがウンウン唸りながら1日かかって設定しきれず誰かに聞いてやっとどうにかなるような複雑怪奇なOSなんて必要なわけがない。

 軽くて簡単で良いなと思ったのでスマホやタブレット用のOSで動くパソコンとかないんだろうかと思ったら、そういうソフトを自分でパソコンに入れて使っている人はいるようで、でも「タブレットの画面を大きくしてサクサク使えるメリットはあるけど、普通のパソコンで使えるソフトが使えないことが多くイマイチ」とのことだった。
 
 多くはウ○ンドウズを想定してパソコンのソフトは開発されているので、シンプルな良いOSだけあってもソフトが無ければ使いようがないということのようだ。
 でも、ここまでウ○ンドウズのクソッぷりが白日の下にさらされ、しかも今後もこの無理矢理自分ところの製品にひきずり込もうとする商売が続くのであれば、そろそろ手を切りたいと切実に思うのである。
 私のサイト更新のようにウ○ンドウズ前提で組んでしまっているシステムがあると、企業とかでもそれ以外の選択肢はないのかもしれないが、個人のちょっとした用をこなす程度ならクソ窓以外にも選択肢はあるだろう?というのにそろそろみんな気づき始めるのではないだろうか。

 脱ウ○ンドウズマシンとなると、妥当なところでMacのパソコンなんだろうけど、ああいう意識高い系が使ってそうなチャラい印象の機械は持ちたくない。仕事でMacの性能が必要で使っている人は尊敬できるが、そういう高機能な道具でせいぜいSNSとかでリア充自慢ぐらいしかしてないような輩を私は敵認定している(Mac派の人ゴメンナサイ、偏見だと自分でも思います)。

 となると、やっぱりちょっと気張って、リナックス行っとくか。ということになる。リナックスマシンでウインドウズ仕様のソフトが使えるようにするソフトなんてのもあるようで、ちょっと調べなければならないけど、ATOKとか使えるのか、インターネットエクスプローラーは使えるのか、とか調べて、行けそうなら、リナックスマシンなんて売ってるのみたことないので、どうやって入手するのかあたりからお勉強して、今のパソコンが5年経つ3年半後には我が家のメインのパソコンをリナックスマシンにしてしまいたい。
 リナックスマシン愛用者に聞くと「普通にOSとして使うだけなら難しくないよ。」と仰るのだが、それはあなたのような情報強者で頭も良いのが付いている人の感覚であって、情弱で頭もあんまりスペックいいのが付いてない私のような者には難しいンですよと思っていたけど、今回、Wi-Fiとタブレット導入においてはサクサクと物事が進み、どうもクソ面倒くさくて難しくしているのはマ○クロソフト様の謀略で、マ○クロソフト様に知られないようにコソッとやったったら案外パソコン周りは簡単なのかも知れないと思い始めている。
 なにしろ、マ○クロソフト様がタブレットとかのタッチパネルも意識して開発したOSが、なにをすれば良いのかさっぱり分からず途方に暮れる「ウ○ンドウズ8」だというのが、そのあたりを雄弁に物語っている気がする。
 とりあえずはネットと本でリナックスのお勉強からはじめたい。

 俺はウ○ンドウズをやめるぞ!ジョジョーーッ!!

2017年8月4日金曜日

飢饉に耐える作物として領主様からいただいた甘藷の種芋を腹減ったからといって全部食ってしまうとは!この薄馬鹿下郎どもめが!! -侵略的外来アリおまけのおまけ-


 北杜夫先生だったと思うけど、ウスバカゲロウという昆虫について、ひどい名前を付けられたもんだとか同情していた。最初なにを言っているのかピンとこなかったが「薄馬鹿下郎」という意味にとるとひどい名前なのかなと何とか思いあたった。もちろん本来は「薄翅蜉蝣」の意味である。成虫が夜の自販機あたりに寄せられている姿を見たことあれば、華奢な羽をもった薄い翅の生き物だということは明白。ただカゲロウといっても、釣り人のお馴染みのカゲロウ目の昆虫とは遠縁で、薄い翅でヒラヒラと飛ぶ以外にあまり共通点はないアミメカゲロウ目の昆虫。
 まあ、ウスバカゲロウっていえば幼虫の「蟻地獄」ですよ。
 ア・リ・ジ・ゴ・ク

 蟻関係のお勉強したついでに、この分野ネタの宝庫なので、もう少し追加で面白そうな本はないかと探していたら「砂の魔術師アリジゴク」松良俊明著という新書が目に入った。ロープ際の魔術師はジョー・メデル!
 アリジゴクだけで1冊書くネタあるんかい!?と驚くとともに、逆にアリジコクだけで1冊書いてしまったような、マニアックに奥深くつっこんだ本が面白くないわけがないと確信して読み始める。
 期待は裏切られることなく、装備を鞭から、アリジゴクをすくって砂から漉しとるためのスプーンと茶こしに持ち変えたインディジョーンズともいうべき筆者は、大学近くの海岸やらでフィールドワークを重ねつつも、アリジゴクの謎を説く秘宝種をもとめて、オーストラリアの奥地に分け行っていくのであった。

 なにが最初にびっくりかというと、アリジゴクの仲間のウスバカゲロウ科は17種も日本にいるということで、かつあのアリジゴクとしかいいようのない砂のすり鉢状の巣を作るのはそのうち5種とされている。ほかのやつらはすり鉢作らず単に砂に埋まってたりするらしい。
 カザフスタンのイリ川デルタの砂州の上に作られたキャンプ地には、日本だと神社の軒下とかの日陰にアリジゴクっているはずなのに、日向の乾燥した砂で、写真のように例のすり鉢状の巣を作っていて「中央アジアのアリジゴクは日本のとは違うんだな~」と感心しつつも穴から引きずりだし、ちぎって餌にして、小ブナを釣り、小ブナでコイ科の魚食魚ジェリフを釣り、ジェリフを餌にヨーロッパ大ナマズ(サイズ的には中ナマズだったけど)をというワラシベ釣果を堪能したものである。
 でも、日本でもふつう我々がアリジゴクだと思っている、神社の縁の下の細かい砂や木のウロにたまった細かい土などに巣を掘るザ・ウスバカゲロウのほかにも、海岸の砂に巣を掘るクロコウスバカゲロウなんてのもいて、筆者は豊富なサンプルが得られるこの種で、実験などしている。

 待ち伏せ型の捕食者は、どのくらい場所換えをすべきかというような捕食戦略とか、我々釣り人のポイント移動の戦略と全く同じような疑問について調べられていたりして興味深い。
 砂浜の比較的変化に乏しい環境下で営巣するクロコウスバカゲロウの幼虫は、ほとんどと言っていいぐらいに巣の場所を変えないようだ。
 たいして、木のウロとかに巣を作るウスバカゲロウの幼虫は、それなりに場所替えをする。
 砂浜では、開けた環境で太陽も等しく降り注ぎ、場所を変えてもあんまり条件変わらないのであろうとのことであった。逆に木のウロとかでは雨が降った後、砂が適度に湿っている場所とかは時間の経過とともに変わるので、巣が作りやすく蟻をはめやすい湿り気の塩梅の砂を求めて移動するのではないかと考察していた。
 まあ釣りでも、どこいっても釣れへんときに移動する手間暇かけるぐらいなら、じっと待って夕まず目にでも期待しろだし、雨の影響で刻々と濁りの影響が出始めているときとかに濁りはじめのエリアを追っかけていくなんてのは、アリジゴクでも釣り人でも待ち伏せ型の捕食者なら基本は一緒ということか。

 そしてあのすり鉢状の巣。なかなかに恐ろしい罠になっているのである。
 昔捕まえてきて、篩にかけた細かい砂をイチゴパックに敷いて巣を作らせたことを思い出すが、作り方はぐるぐる後ずさりしながら、アリジゴクが大顎で砂を巻き上げながら掘っていく。初めて知って感心したが、実は最後に真ん中の底でアリジゴクが上顎を開いて砂が崩れるのを止めているのである。
 なので、アリなどの餌生物が入ってきたら、よく知られているように砂をかける前に、上顎のつっかえをはずしてまず砂を崩れさせつつ、追い打ちで砂をかけて獲物を地獄の底に誘うのである。
 でもって、ヒアリとかの刺すアリでなくても、ふつうのアリでも顎で噛んだり蟻酸を飛ばしたりするはずで、あの砂からほじくり出すと大顎以外はヤワヤワとした毛の生えた体のアリジゴクに一矢報いることぐらいできるのではないかと思うのだが、そこが砂の魔術師アリジゴクですよ。大顎で獲物をとらえたら、砂の中に引き込むことによって砂の重さで相手の動きを封じてしまうのだそうだ。
 アリジゴクの巣の中ではグンタイアリもアリジゴクに勝てないらしい。
 その上、とらえた獲物には大顎とその下に沿うように位置する小顎とから形作られた溝から毒が注入されて、抵抗する力を完全に奪われチュッと吸われてしまうのである。

 アリもただ漫然と食われているわけでは当然なくて、アリジゴクの臭いを避けているふしがあったりするのだが、人間からすると「穴ぼこみて避ければいいじゃん?」と思うのだが、アリは触覚や嗅覚に特化してて視覚が弱いので、どうしてもアリジゴクに落ちてしまうようである。というかアリが落ちなきゃ餌の半分ぐらいアリのアリジゴクの存在の危機。
 落ちてからも、アリとアリジゴクの抗争は熾烈を極める。アリジゴクは大顎を背後にエビぞらせてイナバウアー的な格好で獲物をとらえるのが得意である。すり鉢にアリが落ちたときに自分の後ろに逃げさせた方が、必殺イナバウワーバイトを決めやすい。
 前と後ろですり鉢の傾斜を微妙に変えて、後ろの方が緩くて登りやすくしてあるのである。
 にもかかわらず、すり鉢に落ちたアリの多くが急斜面の方を登る。
 永きにわたる生存競争の騙し騙されの抗争は今も続いているようなのである。
 当然、アリジゴクが狩られる側に回ることもあって、普段砂の中に潜っていて鉄壁のガードを誇り襲うチャンスのないアリジゴクに対し、寄生バチであるウマヅラアシブトコバチの一種は、わざとすり鉢に落ちて、その太い後脚を挟ませておき、アリジゴクの首関節の柔らかいところに針を刺して産卵するという、死中に活を得るような狩りをやってのけるようだ。
 ちっちゃな虫にも、生きるための能力がこれでもかってぐらい備わってて感動する。

 ちょっと脱線するけど、すり鉢の傾斜を出すのに三角関数つかってて、「サインコサインなんになる~」とか歌われてたけど、身近な謎を解き明かすのにも必要で、まあそういう手段があるということ知っておくというのはやっぱり必要なんだろうなと思ったところ。
 今の受験勉強の、詰め込んでテストでいい点数とればいいという中では、社会にでて役に立つような生きた知識にはなってないかもしれないけど、高校生ぐらいまでで習うようなことって、そういう概念があると理解するとか、やり方として何か本でもみながらやればできるというところまで分かっておく、なんてのはやっぱり大事だと思う。テストと違って現実では本みながらパソコンに計算させて答えにたどり着いても役に立つのだから。
 そういう意味で、高校の物理を専攻していなかった私が若い頃覚えた「相対性理論をなんで義務教育で教えてくれなかったんだ?」という憤りは至極まっとうなモノだったと思う。この世の真理の一端と言っていい理論の、めんどくさい計算やら証明やらは抜きで、物質とエネルギーが交換可能とかあたりの大事な概念だけでも誰でも知っておくべきだと思う。受験で点数稼ぐテクニックじゃなくて、この世を知る手だてとしての科学知識って重要だと思う。
 若き日のナマジ君もしかたないので「猿でも分かる相対性理論」とかいう本を読んで勉強して、とても大事なことを学んだ。オレって猿より頭が悪い!ってことを。

 閑話休題。
 
 で、なんでアリジゴクはあんなすり鉢状の巣を作って餌を捕まえるようになったんだろう?って茶こし持ったインディージョーンズである松良先生は疑問に思った。

 ウスバカゲロウ科に近い仲間でクサカゲロウ科という仲間のクサカゲロウなんかは、幼虫はアリジゴクに似てるんだけど、草の上とか前進しながらアブラムシとか食べている。見たことある人いるかもしれなけど、偽装のためにゴミしょったちっちゃなアリジゴクという感じ。クサカゲロウの卵は隙間の空いた「毛先が球」な歯ブラシみたいな感じで「うどんげの花」とか呼ばれているので見たことあるかも。田舎だと自販機の明かりに飛んできてそのあたりに生んだりしてる。

 アリジゴクの仲間も、もともとそういう歩いて餌を狩っていたものから、岩とかの壁面にへばりついて餌を待つのがあらわれて、次にその岩の下の半洞窟状のテラスの土の浅いところで潜って顎を開いて餌を待つのが現れ、その中からすり鉢状の巣を作って待ち伏せするのが現れたというのが先生の予想。今書いたタイプのアリジゴクはそれぞれ実際に現存種がいる。
 で、単に潜って餌を待つのと、すり鉢状の巣を作って待つのの間に、後ずさって溝を掘って餌を自分の大顎開いたところまで誘導したのがいたはずだ。というのが先生の仮説。だけど、現存種でそんな巣を作るものは知られていなかったので、アリジゴクの進化における「ミッシングリンク(輪っかの失われた部分)」なんだろうなと思っていたら、オーストラリアで放射状に溝を掘って真ん中で餌を待つアリジゴクが見つかった。
 これは、実物を調べねばということで、先生はオーストラリアに旅立つのである。
 結果として、原始的なすり鉢の元になった形ではなく、むしろすり鉢に溝を追加した最新型?の巣で、ミッシングリンクの発見には至らなかったのだけど、乾燥した大地が続くオーストラリアはウスバカゲロウ科200種を要するアリジゴク王国で、先生は充実した旅と研究成果に満足するのであった。

 こういう研究者が情熱を傾けて真摯に取り組んでいる様って感動するし、その語られる言葉も驚きや発見にあふれていて面白い。
 ぶっちゃけアリジゴクのことが分かったところで、社会に何かすぐに役に立つのかといえば、役には立たないだろう。
 でも、こういう真面目な研究者達の連綿と営々と積み重ねてきた研究が、明らかにしてきた事実が、積もり積もって、進化とは、生物とはとかいうとても大事で大きな謎を解き明かしていく礎となっていくんだと思う。

 まあ、そんなこた後生の人間が考えることだし、研究者は己の情熱のおもむくままに力一杯研究すればいいんだし、最近では成果は公に知らしめるべきという感じにもなっているので、生き物好きとしては、この人類が生命の秘密に迫らんとしている時代に生きる喜びをもって、面白い研究結果を、すんばらしい成果を期待して待ちたい。