プランBって「プランB、戦略的撤退!」とか、日本のサブカル由来のネットスラングだと思ってたけど、今ググったら「次善策、次の手」という意味でアメリカ英語でも使うそうな。
魚釣りって、魚の機嫌しだいの部分が大きいし、気象条件にも左右されることが多いから、次の手的「プランB」は是非用意しておきたいモノである。
秋のカヤックシーバスにおいて「プランB」である橋の下パターンや灯りの下パターンの運河の釣りが手堅く面白いので、一発大物狙いで凪でないと出られないカヤックの釣りにも、ためらいなく出撃することができる。カヤック出せなくてもオカッパリで運河で釣っときゃ充分楽しいはず、と思うから悩まずアクアラインを越えられる。
ただ、釣りにおいてはプランBも駄目で、さらに次の手、また次の手が必要な場合も出てきたりする。
最初は志高く大物狙いの予定が、とりあえずオカズ確保できればイイやになり、さらには「何でも良いから釣れてくれ!」という血を吐くような台詞を吐くハメにもなりがちである。
過去の記憶の中に、そういった敗走、敗走、また敗走という釣りは少なからずあるが、たぶん一番酷かったのは、就職してすぐの頃のとあるゴールデンウィーク。
いっちょサクラマスいてコマしたろうぜと、ケン一とテント車に積んで乗り込みましたは聖地九頭竜川。雨後の濁りの中、橋桁裏の流れの緩くなっているポイント、よっしゃ来ましたとファイトするも魚が根がかってしまい、今思うと死んでても文句言えない蛮行だったと思うが、濁流へ躊躇無く飛び降りて幸い股ぐらいの深さなのでジャブジャブと根掛かり外しにいって、つり上げました60UPの立派なサイズ。
「ニゴイやんけ!」
ニゴイ嫌いじゃないけど命がけで獲りに行かんでも良いだろと正直思う。
その後は、九頭竜サクラはもう時期遅いのかもしれん、木曽川サツキなら5月だしバッチリやろと転戦。サクラだろうがサツキだろうが、難しいのは一緒でこれまたかすりもせず。
「Y川って長良川水系の有名どころがあって、雑誌で佐藤セージが40のアマゴ釣ってた。40は無理でも30くらいは俺らでもいけるんちゃうか?」とオノレの技量も把握できてない若いバカ2人は近いからという安易な理由もあってまた転戦。
だがしかし、ケン一フライでチビアマゴ数匹、もう1人の方のヘタクソに至ってはハスルアーでウグイ1匹のみ。
「俺らでも釣れる魚って、一体どこに行けばおるンやろ?」と途方に暮れたすえに、若いバカ2人が出した結論が、「帰って、いつもバス釣りしてた野池でギルでも釣っとこか!」というモノであった。
ギルは釣れた。手のひらサイズの良い型のが釣れた。下手くそな釣り人にも優しく、チュボッとルアー・フライあまりえり好みもせず食ってくれるギルが結構実は好きだったりする。
この3連休もプランB、C、D、Eぐらいまでいったった。最後のどうしようもない時は「プランZ」近所のコイ釣りだと思っていたが、そこまで行かずにオイカワが釣れてくれた。
敗走しながらも、何とか拾える釣果は拾ってというのもなかなかに味わい深いモノである。
大物ゲット!とか、爆釣!とか、そんなんじゃないけど、苦労して釣った小さい魚にも苦労した分の価値があると、そう思って楽しめる釣り人になったことが、若い頃と比べて成長したところかなと爺臭く思ったりもする。
「一匹釣らな気が済まん!」という釣欲が、若い頃と比べても遜色ないレベルで胸にあることはこれまた喜ばしい限り。
大昔の「俺の釣り」読み返したら、「雨の中ルンペンみたいに橋の下でキャンプ。翌朝水溜りで寝ていた‥‥」と残っていた。 少年老い易く光陰矢の如し。
返信削除オイラもやや体力は落ちてきつつあると自覚する時もあるけど、釣欲やら釣友に釣り負けた時の悔しい気持ちとかといったメンタル部分だけはギラギラなままやで! 釣り師は丸なったらアカンね。
もう20年ちかい「ふた昔」前の話だと思うと、だいぶ遠いところまできたなと思うけど、それでもあんまりガキの時と変わってないことに、それで良いのかという不安とそれで良いのだと思える相矛盾した気持ちがあったりする。
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