先日、無様な釣りをしてしまったオノレへの怒りに我を忘れ、眠りにつくのも難しい有様で、ヨレヨレになって体調崩した。その怒りのまま睡眠不足で突撃してヨレヨレながら必死で釣ってそれなりに満足いく結果が得られたのは暁光ではあったけど、体はガッタガタで寒い日の長時間の釣りで、体は熱っぽく、関節も痛くなり、帰宅してこれは明日は高熱で寝込むことになるんだろうなと覚悟しつつ、夕食前と寝る前に葛根湯を飲んで寝た。
起きたら、なんか明らかに体が軽い。だるさは残ってるけど想像していた悪化の方向と逆の軽癒という感じで、昨日の晩の時点で相当に活きが悪いヘロヘロ状態で、泳がせ釣りの活き餌にしても、ピクピクしながら海底に横たわりそうなぐらいだったのが、朝にはややヨタってるにしても、ハリぐらい背負って泳いで捕食魚を誘えそうな感じになっていた。実に良く効く薬だと感心する。
葛根湯は、漢方では基本剤という感じらしい桂枝(桂皮)・芍薬・生姜・大棗(ナツメ)・甘草の「桂枝湯」に葛根・麻黄を加えたもので、桂皮が体を温め、芍薬は鎮痛、生姜・大棗・甘草は副作用を緩和とウィキペディア先生は言ってる。けど、生姜には体を温める効果もあるように素人ながら思う。生姜の入った葛湯ってもうその時点で暖まりそう。主薬の葛根には発汗、解熱、鎮痛作用があるとされていて、単体でも風邪や下痢のときに民間治療薬的に使われている。まあ葛湯飲んで暖まるってのも雅な民間療法だな。クズは実際には世界中でっていうか原産地の日本でも繁殖力旺盛な雑草で困ってたりするけど、新芽は天ぷらで美味しくいただけるし、根っこやらは薬にも食用にもなるッテのを知ってると、文明崩壊後の終末世界で生き抜くには鋲付き肩バッドより役に立つかも。で、麻黄には覚醒剤の原材料にもなり気管支炎に効果のある成分「エフィドリン」やら、鼻づまりに効果のある成分「プソイドエフィドリン」とかが、含まれていて、これらの薬草たちの薬効が、補い合い、時に副作用を緩和しとかしながら絶妙なバランスで、ひきはじめの風邪に卓効を示す配合になっているそうな。
ちなみにエフィドリンを麻黄から発見。気管支喘息患者を救うとともに、エフィドリンからメタンフェタミン(覚醒剤)の単離・合成に成功したのは、日本人の長井長義博士。
薬草の類いを利用するのは、近年チンパンジーも薬草利用するという報告があったりして、漢方薬に限らず人工合成ではない動植物から得た薬の歴史は、中国うん千年どころか、おそらく人類のご先祖様を少なくとも霊長類以上だったアウストラロピテクスぐらいまで遡った約400万年前には始まってたんだろうって話で、何百万年単で試行錯誤されてきた「人体実験(意図せずとも)」の積み重ねの成果であり。効くから今でも使われているという意味では非常に信頼できるものだと感じるし、今回実際良く効いてくれたという実感があり、なかなかに人間の叡智ってのはたいしたものだなと思いましたとさ。風邪薬としては「パブ○ン」みたいな漢方薬以外の方が一般的だけど、ワシ初期の、症状が出てないぐらいの段階の「緑内障」持ちで、抗コリン薬が使われている一般的な風邪薬は眼圧上げる恐れがあって使えないので、葛根湯のお世話になってるのである。ワシ緑内障の関係で、アレジオンとかの抗アレルギー剤ではない抗ヒスタミン剤系の花粉症の薬も乗り物の酔い止め薬も眼圧上げる作用があるので使えない。意外に面倒くさく、花粉症の予防にアレジオンがかなり効果があるので助かっているけど、症状が強く出ても即効が期待できる抗ヒスタミン剤が使えないと、鼻にティッシュ詰めて目を保冷剤で冷やすぐらいしかデキることがなくしんどいものがある。とはいえ、緑内障の治療については「トラバタンズ」という点眼薬の1日1回で眼圧正常に保たれて症状が出ないまま進行が止められているので、人類が積み上げてきた医学・薬学のありがたさに感謝するしだいである。
我が家にはワシの他にも、医学薬学のお世話になってるやつがいて、愛猫のコバンが、夏前ぐらいから口内炎で月1~2回程度通院している。
猫の口内炎って、最初口から血が出てるのに気がついて、口の中見たら口内炎だから、病院で塗り薬でも出してもらってビタミン剤でも与えときゃすぐに直るだろうと思ってたら、人間の口内炎とちょっと違って、むしろ口の中の潰瘍ととらえた方がよいらしく、ネットとかでお勉強すると不安で眠れなくなるような酷いことになる病気のようで、ワシの病気は歳も歳だし、死ぬような病気になったとしても、イヤだけど納得するしかない。でも可愛い愛猫が口の中が痛くて餌も食えなくなり、毛繕いさえ嫌がって薄汚れていくとか、見ていて絶えられそうにない。餌食べやすいように砕いて与えてやるのも、毎日櫛かけてシャンプーしてやるのもやぶさかではないけど、コバンにはアジの頭とかをガリガリバリバリと旺盛な食欲で食べていて欲しい。原因が分かれば治療も可能で、免疫関係の好酸球が自己を攻撃して起こってる場合は、免疫反応とかを抑えるステロイド剤とかの抗炎症剤が良く効くらしいんだけど、そうじゃない場合は原因不明なことが多く、抗炎症剤の効きも限定的であり、最終的には歯に当たる物理的刺激が潰瘍を起こす直接的な原因となるので、抜歯が症状を抑えるということは対処療法的に知られていて、痛くて可哀相なら歯を抜くそうである。当然餌は丸呑みできるウェットフードや小粒のカリカリだけしか食べられない。考えるだけでゾッとする話である。
そして、かかりつけの動物病院での診断結果は、好酸球も増えてないので原因不明という、目の前の世界の色が1段階トーンを暗くするような不穏なもので、体に負担のあるステロイド剤を試して効果が見られず、口腔内環境を改善する乳酸菌系やら魚油系やらのサプリメントを処方してもらい試し、処方以外でも飲み水に混ぜて、ティッシュに染ませて歯の表面を拭き取る猫用の液状歯磨きで患部に当たっている犬歯を朝と夜の2回嫌がるのを無理矢理押さえつけてキュッキュと磨く。もちろん皮膚や粘膜の病気には基本であるビタミンB群を含む猫用ビタミンサプリは餌に混ぜて食べさせる。![]() |
| 上から7/7、10/7、注射、10/19、11/23 |
原因は複雑で、大きくは3つ、製品の品質問題と、海外依存のリスク、国内生産基盤の老朽化があるようで、品質問題に関してはワシ”ジェネリック医薬品”って、後進国の人とかが安価に薬剤を利用できるように、先発メーカーが特許技術使わせてあげてるっていうのが根本理念にあると思っていて、日本みたいな自称”先進国”に住んでいて、経済的に困窮してるならともかく普通に暮らしてるのなら、使うべきではないと思っている。なので、良く効く薬を開発販売してくれている先発メーカーに敬意を払って、薬剤師さんはジェネリック薦めてくるし、制度的にもジェネリック推しと見受けられるけど、多少の目先の金なんぞより、先発メーカーに1票入れる重要さを鑑みてジェネリック医薬品は断っている。ところが、ジェネリック医薬品、品質に問題がありまくりらしく約4割に問題があるとか、ダメだろそれって愕然とする報告に頭が痛くなった。頭痛薬が欲しい、ジェネリックじゃないヤツ。海外依存のリスクはまあ”チャイナリスク”とか代表例を目の当たりにしてたら納得だわな。政治的な問題がなくてもパンデミックとかになったら、そら自国民に優先的に薬回すよねって話で海外依存で安い薬ってのは安定確保が難しいだろうし危ねえのはそりゃそうだろ。生殺与奪の件を他国に握らせるなって柱に怒鳴られそうな話。国内生産基盤の強化って、まあ儲かりゃ設備更新してけるんだろうけど、安く入ってくる海外製品と競合すれば今時そんなに儲からんのか?じゃあ海外の薬剤関税掛けるってしたら薬価は上がってワシら病人はヒーヒー言わないかんくなるけど、安定供給確保、安全性確保にどこまでお金をかける判断になるか、薬なんていう利権渦巻く世界では、結局あちこち引っ張り合いしてなるようになっていくんだろうけど、人の生き死にに直結する話なので、たかが金儲けのために引っかき回すのならたいがいにしとけよとは思う。
日本も円安で海外から買うにしても高くつき、じゃあ輸出するかと言えばすでに他の安い国に価格競争で勝てるほどの優位性があるとも思えず、食品も高くなったし、薬も高くなったし、いよいよ日出ずる国も日が傾きかけてるんだなと思うと寂しいかぎりである。葛湯でもすすって生き延びられるだけ精一杯生き延びたいけど、なんかしみったれた時代になってしまったと、バブル経済のころのバカ騒ぎをほのかに憶えている世代としては思う。今の時代しかしらないコロナ食らって学校の楽しい行事も潰れて、景気も悪く、夏はクソ夏でっていう若い子達に、こんな世界にしてしまってスマヌと当事者の一人として謝りたいところである。ワシら自身が招いたこの体たらく、ワシらがエラい目にあうのは自業自得と飲むしかなくとも、猫や若い子らに罪はない。当事者を代表してネットの片隅で謝っておこう。ゴメン!



0 件のコメント:
コメントを投稿