2023年10月28日土曜日

食欲の秋、読書の秋、スピニング熱の秋ーパソコン椅子探偵ダイナミック釣り具編ー

 インスプールの「コメット」買っちゃいました。とはいえワシ人気の大森コメット買えるほど老後資金に余裕はないし、ぶっちゃけ天邪鬼なのでみんな知ってるようなリールにあんまり興味はない。大森コメットのこと知りたければTAKE先生にでも訊いてくれと。今回買ったのはダイナミック釣り具ブランドの「コメットNo.170」である。皆さんご存じないのではなかろうか?ワシも買うまでしらんかった。

 見た目なんということのない、古い国産インスプールにありがちといえばありがちな寸胴なくびれのない形状でちょっとオリムピックの「S79」とかも思い出させる。

 ワシ”スピニング熱”患者だけどスピニングリールだったらなんでも欲しがるクレクレタコラかというとそうでもなくて、実際使いたいリールとスピニングリールの歴史というか”文脈”を理解するためにパックリ割って中身見てみたいリールの他には、不当に安い値段がついている大森を救出するぐらいで、見境なく買うわけじゃない。特に今回のダイナミック「コメット」のような誰も知らんような機種は、後で売るにしても知名度が無ければ、人気も需要も無いので売りようがないので、買うのも金かからずヤ○オクで500円落札+930円送料というゴミスピ価格だったのでまあ被害額はたかが知れているけど、整備して売っても500円スタートで買い手がつけば御の字で、なにしろワシが出品してるときはワシが買わんので買い手がつかないことが想像に難くない。写真わざとピンぼけにしまくって「ダイ・・なんとかいうブランドの”コメット”ですインスプールで希少です」とか嘘ではないけど詐欺的な売り方で売れンだろうか?売れんだろうな。

 でも買ったった。なぜなら名前が「コメット」だからである。見た目からして大森ではない気はする、するんだけど名前が一緒というのは、工業製品においては無視できない程度には意味があって、登録商標とかの関係があって、他社の製品名を使うことは難しくて、逆に自社の古い製品の名前は自分ところで押さえているので再利用したりしがちである。実際に大森製作所の「コメット」といえばタックルオートのインスプール版のような皆様ごぞんじのモノがパッと頭に浮かぶだろうけど、実は大森コメットには古い機種が存在して、それは外蹴りアウトスプールの「フリッパー」のベールにラインローラーが付いてるような機種で名前は一緒だけどモノは全く違うのである。というぐらいに名前一緒でモノは全く違うけど製造元は一緒というのはけっこうある(例:ダイワ「スマック」旧はインスプールスピニング→新は船用小型両軸、リョービ「メタロイヤル」旧はスピニング→新はチヌ落とし込み用片軸)ので、ダイナミック「コメット」もひょっとしたら大森製かも?という感じで山っ気が出てしまい、どうせ開始価格で落札だろうとマウスが滑ってしまったのである。

 とはいえ、冒頭写真の下のほうに総発売元として「ダイナミック釣具株式会社」とあるので、大森製の線は薄いかなとは薄々感じてはいた。じゃあダイナミック釣り具株式会社ってなんぞ?って調べてみると、これがまたネットには情報があんまりない。唯一それっぽい情報が引っかかってきたのは、ダイワが初期に1ブランドとして主に海外向けで「ダイナミック釣具」の名前を使ってたという記述だけど、ダイワの社史とかウィキっても該当するような記述はなく、確かにダイワには昔両軸リールで「ダイナミック」シリーズとかもあったので、なくもなさそうだけど確固たる根拠まではたどりつけなかった。

 中身見たらなんかヒントがあるかもって思ったけど、こちらも特に製造元特定につながるような部分はみあたらず、パソコン椅子探偵またも敗北である。れいによって情報お持ちの方はタレコミよろしくです。

 とはいえ、せっかく我が家に来ていただきパックリ割ってみたので、その様子はご紹介しておきたい。

 外観から見ていくと、まずは本体なんだけど、パッと見の形状から、大森「マイクロセブンDX」みたいに、左巻き右巻き双方ラインナップに対応して本体のハンドルと反対側も外れそうな雰囲気なんだけど、これ蓋じゃなくて外れません。っていうことは左巻き機種のみの可能性が高く、国内向けじゃなさそうって気はしてきて海外向けブランド説を後押しする特徴ではある。あと、熊の手対策でベール反転レバーの下に棚が設けてあるのかなと思ったら、下じゃなくて上に棚があってこれはベールアームの”止め”になっている。っていうのはベールアームの形状からして独特だなと思うけど同様の方式をとってる例は確かに古いダイワにあったりする。でも、ダイワのその時代のはナットの頭がオレンジ色のポチになってて微妙に違う。ラインローラーは固定式でベールワイヤー含めてこれといって特徴は無い。

 ドラグが、バラしてみると上の写真の順番になってたけど、もしこれが純正の順番ならドラグが分かってない製造元ということになって、初期ダイワ説は補強されるところ。まあ初めっからドラグが分かってたのは大森製作所ぐらいで他の日本メーカーも似たようなもんだったけど、大森ではないという可能性は高くなる。これ、せめて上段の金属製ワッシャーの順番を、片耳付きを真ん中に持ってくれば、下段右から2つめの手裏剣型のバネをドラグパッドの位置に入れてもドラグとして機能はすると思うけど、このままだと一番下の赤い繊維質のドラグパッドはスプールとスプールに同期する片耳付きワッシャーに挟まれて一緒に回ってるだけでドラグパッドの仕事していない。ドラグパッドの仕事してるのは下段左から2枚目の1枚だけである。いっそ一番下のドラグパッドと片耳付きワッシャー省略で1階建てでも単純で良いかも。とはいえ3階建てが入る高さもあるし、ちょうど良いテフロンパッドがあったので手裏剣型バネにはバネとしての仕事だけしてもらうことにして、写真下のような構成に組み替えておいた。ちょっと厚さが不足してドラグが締まりきらないので、1枚百均フェルトにして、これで3階建ての上出来なドラグになった。

 でもって本体蓋をパカッとご開帳すると、ギアは真っ直ぐの傘歯車どうしのシンプルなベベルギア。ハンドル軸のギアは鉄系の芯を鋳込んだたぶん亜鉛。ローター軸のギアは真鍮のパイプに亜鉛っぽい歯車をCクリップ留めしてある。ギアは若干アルミかなという気がしないでもないやや白い色調。

 ボールベアリング無しだけど、ちゃんと本体のアルミで直受けではなくて、真鍮製のスリーブがハメ殺されていてそこは真面目な作りになっている。

 このあたりは特に特徴のない、この時代にありがちな設計といえる感じで製造元につながるような情報は特に得られなかった。

 ベベルギアを回す感触は、ミッチェル304系で味わってるけど、なかなかに悪くないのよね。90度回転方向を変えるというケッタイな糸巻き機であるスピニングリールにおいて、一番基本的なギア方式という感じがする。素直に力が伝わって、ちょっとザラつく巻き心地も「ギアが頑張って回転方向変えて力伝達してるな」というのが感じられて悪くないように思う。このリールも使ってみたら案外楽しめるかも。とはいえ実釣に持ち出す場合に、こういう人気もなければ弾数もない無名の機種は、スペアスプール確保はおろか、どっか故障した時点で交換する部品も手に入らず詰むので使いにくい。

 逆転防止のストッパーはちょっと特徴的で、逆転防止のレバーからつながる棒が、バネでギア裏に突き出るようになっていて、ギア裏に片側が絶壁の山が設けられていて、ストッパーをONにすると、ストパーレバーがカタカタと上下しつつ逆転にはストップがかかる。

 ストッパーレバーを捻ってOFFにすると、ギア裏に突き出していた棒が引っ込んで、逆転可能な状態になる。

 っていう、D・A・Mっぽい仕組みの逆転防止機構になっている。

 ドイツのダム社はリールの歴史をお勉強していくと、どうも日本じゃ知名度いまひとつな感じだけど、なかなかどうして世界中のリールに色々と影響与えているようで、ABUの2番煎じのベイトリール作ってたメーカー的な印象をもたれがちというか、ワシも正直そう思ってたけど、なかなかに鋭いメーカーだなと改めて思うところである。

 ただこの逆転レバー、ハメゴロされている感じで、捻ってみたり引っ張ってみたりしても外し方が分からんかったので、無理して壊すとそれこそ部品が手に入らないのでグリスまみれにするだけでソッ閉じしておきたい。

 ローター内部を見てみるとベール反転方式は、本体から突き出た円柱で反転レバー蹴っ飛ばして反転させるというありふれた方式なんだけど、イヤに目立つのがクソデカい回転バランス取る用のオモリ。

 回転バランスはおかげで取れているけど、こんな大きなオモリはどうなのよとリールの重さをあんまり気にしないワシでも思ってしまうわけで、ネジ留めされてるのを外して測ってみたら45g強って、ちょっと重すぎじゃなかろうか?

 組み上げた状態で約420gで、大きさの感じはカーディナルC4ぐらいなんだけど単純な設計なのに重め。まあこの時代は軽量化とか小うるせぇこと気にしてなかったのか?

 全バラしした感じはこんなもんで、部品数少なくて好ましい感じ。

 さて、全バラししたし、あとはパーツクリーナーで金属部品は洗浄して、グリスぶち込んで組み上げるか、ってなって予想外の問題発生。

 パーツクリーナ吹きかけて、歯ブラシでシュッシュと磨いてたら、ハンドルが付いてた本体蓋が、なんか汚れてるなとクリーナー液が濁るので不審に思ってたら、よく見たら、塗料が剥げてというか溶け出していて磨いてたところはアルミの地金が見えてきてしまっている。ナンジャこりゃ?

 ちなみに先に磨いてた脚付きの本体とローターはまったく問題なかった。パーツクリーナーが樹脂製部品に悪影響があるっていうのは聞いていたけど、塗装やられるとは想定外だった。ひょっとしてとおそるおそるスプールも磨いてみたら、あきらかに塗装が溶け始めて慌ててティッシュで拭いたのでスプールは被害免れたけど、本体蓋はすでに写真のような有り様で、ただでさえ買い手がつかなさそうな機種に見た目もボロいとなると致命的なので、どうにかせねばならなくなった。ワシ、塗装とか外観関係は苦手というかセンスがないというか、下手に触ると汚すに似たり、なのは自覚しているのでガックリ。

 とはいえこのまま放置するのも気分が悪い。いっそ全部塗装剥いでしまって「こういう仕様なんです」っていう体で行くか?とも思ったけど、耐腐食性が落ちるだろうしよろしくないなと、ならば仕方ない苦手の塗装に挑戦するか、まあ失敗しても良いからぐらいのつもりでコイツには悪いけど練習台になってもらおう。

 とりあえず、塗るにしてもなるべく色を合わせないと不自然になる。いっそここだけ思いっきり違う色にして「こういう仕様なんです」って顔をするというのも手だけど、蓋を違う色にすると、このリールのデザイン的に反対側の”なんちゃって蓋”の部分も色を揃えてやりたくなる。そうなると、このくすんだ鉛色に合うセンスの良い配色を選ばねばならず、そんなセンスがあったら苦労せんわい、ということで却下。まあくすんだ鉛色みたいな色をでっち上げるんだろうなという方針とした。

 基本は銀色のスプレーラッカーがあるので、それをベースにして茶色か黒を足して元の色に寄せていくっていう方法だろうと見当をつける。印刷屋さんマンガの「刷ったもんだ」読んでると、職人さんが色混ぜて出したい色に持っていく技術とか出てくるんだけど、もちろんワシそんな技術持ってない。でもやってみる。

 銀と黒は我が家にあったので、茶色のプラモ用の塗料を適当に買ってきて色々混ぜる量を変えたりして試してみたところ、茶色は赤茶系の錆っぽい色だったのでか、思ったよりも赤系の発色が出てしまって、ちょっと伝説の”アズキメタリックカラー”に近くなってしまい、茶色は極少なくして黒でくすんだ色調を合わせる感じで、ワシのセンスではこんなもんかなというところまで行ったんだけど、ベースにした銀色がつや消しなので、仕上がりもつや消しでいまいち本体と合わせると違和感が大きい。

 仕方ないのでツヤ出しに、透明な樹脂でコーティングすることにする。けど、いまエポキシもウレタンも接着剤はあるけど、コーティング剤は切らしている。どちらも基本使い切りなので、今回だけのために購入するのもためらわれる。ルアーとか貯めてたのはまとめてコーティングしてからまだ日が浅く、次使うまで日が空いてしまうと冷凍庫保存でもコーティング剤は固化してしまいがち。

 ならばと、新機軸だけどドールアイ作成とロッドのスレッド塗装に使った紫外線固化レジンを使ってみることにした。紫外線固化レジンは固化するタイミングは自由に調整できるので、塗ってしばらく放置して表面が滑らかになってから紫外線照射すれば、綺麗に均一な皮膜が得られるのではないかと思ったけど、そんな簡単にはいかんですね。しばらく放置して待ってると一部下の塗装がレジンをはじき始めたりして斑状になっていく。ダメだコリャとティッシュで拭き取ろうとしたら、以外に薄くて均一な感じになったので、理想的とはいかないまでも”ここで手を打とう”というとっさの判断で紫外線照射。次の日1日たまに方向変えながら日光浴させてガッチリ固めた。

 今はこれが精一杯

 まあ、最初はこんなもんでしょう。塗装とか外観を整えることができるようになると、ボロリールを売りさばく上では非常に役に立つので、ちょっとずつでも挑戦して上手くなるようにボチボチと場数踏んでいくことにしよう。道のりは遠くとも。

 という感じで、涼しくなって作業ブース(台所部屋の隅)も暑くもなく寒くもない季節になってきたので、夏場放置していたリールの整備を再開してみましたとさ。

 秋の良い季節のうちにゴリゴリ整備を進めて、年内は難しいにしても、この冬中ぐらいに、いま積んである29台ぐらいはカタをつけないと、使ってるリールも年1回ぐらいは全バラして整備したいし、放っておくと”スピニング熱”が一向に治癒しないこともあり、リールが積み上がっていくばかりなので、精力的に取り組む所存であります。お楽しみに。

2023年10月21日土曜日

悶絶と殺気と試行と思考

 ブッコミ泳がせの釣りモノとして、そこそこ近所漁港に数が居るらしい「ハモ」を狙ってるところなんだけど、コイツが狙ってみるとなかなかにくせ者で、小アジの活き餌でもブツ切りでも、囓ってドラグ鳴るぐらい引っ張っていくんだけど、それでもちゃんと食い込んではいないようで、アワせると歯形でザクザクになったアジが帰ってきて「イーッ」となってしまい、アタイ悔しいの。

 悔しいから色々考えて、一つにはその場で飲み込まずに居られないように、餌を引っ張って持ち逃げできないように、重いオモリで海底に固定するなりドラグ締めて竿を真っ直ぐに仕掛けに向けてしまうなりして「なんやお持ち帰りできひんのか?ならここで食ってくか!」とハモに思っていただく、っていうのは、底延縄なんかを使って漁師さんが漁獲するときにも、重いオモリで幹縄を固定してそこから枝縄伸ばしてるんだろうから、王道のような気もする。気もするけど食い込みが悪い渋い状況でオモリの抵抗を大きくすることに関しては、ワシの心理的にも抵抗が大きい。竿柔らかくハリス伸ばして抵抗をゆるめたらアカエイキビレが釣れた実績もあるので  なおさらである。

 もう一つ考えたのが、たまたまイカが邪魔しやがるので成敗してやろうと繰り出した、活アジの後ろにイカバリを引っ張らせるイカ仕掛けを使ってたら、ハモが掛かったというのがあって、タモ入れ失敗でイカバリ折られて逃げられたけど、その方向性がまずはあるのかなと。ただ、掛かりが悪いからハリ数増やして顔でも体でもどこでも掛けられるところに掛けてしまう、というのは魚釣りの正道からは明らかに外れていて、口の中に掛けるのが基本というのがヘラ釣りとかもやってた人間からすると思うところで、そんな邪道な方法に頼っていると自分の釣りが荒れる気がしてやや忸怩たるモノがある。石橋宗吉氏というスパンカーを考案したりして日本の漁業に大いに貢献した漁師さんが書いた「一本釣り渡世」を読むと、ハリ掛かり悪いカジキにどうハリを掛けるかの工夫の試行錯誤が記されていて、その時にやはりハリを沢山散らして顔に掛けてしまうという方法についても思いついたけど、矜持がゆるさんからとかでやめたと書かれていて、ワシのような釣れても釣れなくてもぶっちゃけ困らん釣り人と違う、釣れなきゃオマンマの食いあげである本職の漁師さんでも、自分の中に釣りの美学的なものがあり、それを外れてしまうと何でもありで釣りが荒れてしまうというのが、やはり感覚的に分かっていて避けていたのかなと思う。とはいえ忸怩たる思いがあろうとも、とりあえずは1匹釣らないと話にならないので、もともと”邪道上等”な釣り人であるワシ、まずその方向性で試行錯誤してみたい。そこから再度また不要な部分を切り落としていく作業をしたり、他の方法も試したりして、意外といつも単純なことが多い”正解”へとにじり寄っていきたいと考えている。美学だなんだと格好つけていられるほど上手い釣り人じゃないからね。

 というわけで、寄ってきたのを掛けるのなら、参考になるのはアユ釣りだろうなということで、冒頭写真の様にザイロンハリスに孫バリ付ける方向でトリプルフックをぶら下げたのと、”散らしバリ”を後ろに並べたのを用意して、前夜散々ドラグ鳴るまで引っ張ってくのに掛からなかったリベンジマッチに、今宵こそ目にモノ見せてやると鼻息も荒く、釣れる気満々準備万端おさおさ怠りなく出撃したところ、約6時間アタリもカスリもせずという丸ボウズをくらってしまった。

 1日違ったら状況全く違うなんてのは釣りでは良くあることではあるけど、なんなのこの仕打ち。まあ準備万端気合い充分で行くと空回りっていうことは良くある。っていうかそういう殺気だった状態で釣りに行くと、水中に殺気が伝わって魚が逃げるとさえ感じるところである。携帯電話の着信時になぜか異様に魚が食ってくるとか、長いこと釣りしてる人なら憶えがあるだろうし、まだそれほど経験がないワシのブッコミ泳がせに限ってさえ、アカエイ諦めて柔らかい竿に細くて長いハリスにしたらアカエイ食って来たし、じゃあアカエイ掛かっても良いようにとギャフを釣り座に用意するようになったら食ってこない。ハモ諦めてとりあえず邪魔なイカをやっつけようとしたらハモが掛かってきた。どないせぇっちゅうねん?

 ルアーの釣りでさっきも書いた携帯着信時に食ってくるっていうのは、その瞬間巻くスピードが変わったり、実際に電話に出て巻くのを止めたりしたのが食う”間”を作っているのかもという気もする。でも投げっぱなしのブッコミですら明らかに油断してると食う気がしてならない。殺気の正体がなんなのか、音なのか視覚的情報なのか匂いなのか、それら一般の五感意外の電気的なもの、あるいは磁場の変化等とかなのか、それらの複合要素なのか、正体はわからんけど、人間には感じられないようななんらかの”気”を人間以外の生き物は感じているとしか思えない。熊打ちの猟師さんの著書で、若いときには殺気が溢れ出ていて犬にも怖がられたというようなことが書かれていて、歳食ってやっと殺気が薄れたとも書かれていたけど、ワシも若い頃、元同居人の母方の実家の犬にションベンちびるほど怖がられていて、犬ってそれほど視力良くないそうで、ワシの方が早く見える距離に入るハズなんだけど、車の中から犬小屋が見えるぐらいの距離に近づくと、すでにシッポを股に挟んで犬小屋の中に入っていくのが見える。ワシの車じゃないし運転さえしていない。匂いが伝わるにはまだ時間も距離も遠すぎるだろうし、音はワシの運転してない車のエンジン音でワシと分かる要素が考えられない。もちろん犬をイジめたりはしていない。当時のワシは、もしワシの中に狂気があるのなら、それも利用して釣ってしまいたいとか考えてる頭の悪さで、雪崩が起こりやすい解禁直後、ダム上流の流れ込みにスノーシューズ履いて単独特攻したり、雨降って放水中のダム直下で落下の衝撃で死にかけてるワカサギに狂ってるイワナを狙ったりと、削った安全の重さで魚の目方を稼ぐような殺気と狂気に満ちた釣行を繰り返していた。犬もションベンちびってびびろうというものである。

 というあからさまにキチガイだった若い頃ほどではなくても、今も殺気には不自由してないので釣る気満々で新しいハモ仕掛けも準備して出かけるに際して、”殺気対策”も考えて出撃した。まあ、あれだブッコミの場合、竿先をジッと見てアジが竿先ビクビク動かすの見てても楽しめるんだけど、そうするとアジが暴れて竿先がガクガクしたり、囓られてちょっと絞られたりすると、ヨッシャ来たとばかりに竿手にとって、結果的に我慢しきれず早合わせになりがちである。なので、ドラグがジーッと鳴るまで放置しておいた方が得策であり、よそ見して油断してた方が良いのである。たぶん。

 竿先見ずに後片付けし始めるとアタるのも良くある事例。なので、竿先見ずに暇がつぶせるようにkindleFireタブレットに小説ぶち込んで持ち込んでいた。

 またこの時読んでた小説が”意味のある偶然の一致”としか言いようのないもので、ハードSFな作風の上田早夕里先生の「妖怪探偵・百目」だったんだけど、この小説、「天才バカボン」方式で、主人公というか狂言回しはタイトルどおりではなくて、探偵である妖怪”百目”じゃなくて、助手の人間であると同時に、主人降格の登場人物があと二人居てそのうちの一人が全ての妖怪を一度祓って土に返そうとしている”拝み屋”播磨なんだけど、物語のラスボスである、人の恨みつらみや憎悪、絶望といった負の感情が好物で、強大に育つと全てを飲み込んでしまう災厄級の妖怪”濁(ダク)”と、その播磨が因縁浅からぬ関係で、八重山の離島で台風の避難所で発生した疫病に乗じて、両親を友人を、初恋の人?を、心通わせた愛嬌ある妖怪をまだ成長初期段階の濁に殺されていて、恨み骨髄なんだけど、濁自体がそういう負の感情を食べて育つ妖怪なので恨めば恨むほど仇討ちどころではなくなる。そう気がついて絶望して死のうと彷徨った森の中で古木の神に、濁に食われるような心の動きを封じてもらう。それは何かを憎んだりすることもなくなる代償に人を愛することもできなくなる縛りなんだけど、播磨はそれを喜んで受け入れる。読んでてそういう冷静さは是非とも欲しいと思ったけど、そうすると釣りに行く際の欲望、砂漠で遭難した人間の乾きに近いような濃い感情が消えてしまい、結局釣りが楽しめなくなるのではないかという矛盾に思い至り、いつも思うことだけど釣り場で冷静にありたいとは思うけど、冷静で居られなくなるぐらいに狂おしく求めるからこそ面白いんであって、冷めてしまっては楽しめないから、結局ワシは紀伊半島の山を彷徨って古木の神を探すことはしないでおくのである。

 っていうぐらいで、気がはやって早合わせに走ってしまうとかの、理屈のあるていどつけられる”殺気”は防ぐ方法を講じたつもりではあった。しかしながら結果としてはまるっきりアタリ無しという、人間には感知不能の殺気にビビって魚が消えたぐらいに思わすにいられないほどの惨敗で、新しい仕掛けの真価はまったく評価することはできなかった。それでも釣れないながらも両方試したところ、散らしバリは絡む、孫バリに3本バリは3本バリを尾鰭近くに刺したら泳ぎ邪魔されるのがいかんのか、すぐ死んで”泳がせ”的にはイマイチ。孫バリの方をブラブラさせてるとそうでもなかった。とかの基本的なことは理解できて、アジが活きの良い状態でアタリ待つときのハリの掛け方とアタって魚居るの分かってからの”ハモ掛けモード”で使い分けるのが現実的かなとか。絡むのにはザイロンにウレタン接着剤塗って張りを持たせたら改善するかなとか、いくつか整理・検証すべき着眼点は拾えて、それだけでもまあ良しとしたい。

 とまあ、こうやって新しい釣りモノに挑戦して、ちょっとずつ知識と経験を蓄えながら、釣り場で試行錯誤して苦労して獲物に迫っていくのは、それこそ”釣りの王道”だと思っているので、独自路線で邪道で天邪鬼なワシではあるけど、引き続き地道にボチボチと精進していきたい。

 殺気も適度に枯れて”釣るも自在釣らぬも自在”っていう境地に至れば、釣りに苦労なんてしないのかもしれんけど、なんちゅうか殺気放つようなギラギラした心をなくしたらダメなような気が直感的にするのである。”気”も日常生活に支障が出ない程度にほどほどに狂ってた方が良さげ。みんなでニコニコ楽しく釣っても良いンだけど、たまには目を血走らせて怖い顔で釣っておきたい、ってのも正直な気持ちなのよね。

2023年10月14日土曜日

ティースプーンでも買ってきて柄をぶった切った方が早い

  メッキ釣ってて、スプーンに反応良い日があってスプーンも良いなと思ったんだけど、ふと考えてみると我が家には各種厚さの銅板やら真鍮版やらがあり、金ばさみ、金鋸もドリルもある。

 「これスプーン自作できるんじゃないの?」


 といらんことに気がついてしまったのである。こまったことに。

 現在メッキ用に用意してるルアーはスタンダードな形状性能のスミス「ピュア2.7g」、水面近くをヒラヒラとイレギュラーな動きが魅力のルーハージェンセン「ハスルアー」3.5g、思い入れのある”忠さん”ブランド、現アートフィッシング「リトルマスター」2.5gあたりで、ぶっちゃけその布陣で困ってない。弾数もそれなりに備蓄あり。

 でも作ってみたくなったのだから関係ないんである。作るのである。

 ルアー製作において、実際にメーカーで製造するのにスプーンのあの曲面を均一に出すのは結構技術が必要で、木を削ったり、樹脂を金型に流し込んだりして作るプラグよりずいぶん難しいとは聞いたことがある。金属板から型を打ち抜いてプレスかけるんだろうか?

 「バイト」の制作者である常見忠氏は、最初銅板を金切りバサミで切って、トンカチで叩いて形状を出したそうで、ほぼ鍛造の世界である。やろうと思えば確かにできるけどそれで微妙な形状調整をとなると、何度かやり直しすることを考えると気が遠くなる。その方向は捨てるのが無難かと。

 じゃあスプーンにならないじゃん?と思うかもだけど、平面の板を折ったり曲げたりだけでも、スプーンとして成立はするようなのである。先ほど名前が出てきた「ハスルアー」はまさに平面的な金属板の腰?のあたりをクイッと1回曲げただけである。リトルマスターも基本的に平面の本体を頭の方をちょっと上に曲げ、お尻の方をちょっと下げて、写真の様に横から見たらS字状にうねらせているだけである。でもどちらのスプーンも充分以上に魚は釣れる性能に仕上がっている。

 方針としては、食卓のスプーンのような局面を打ち出しとかで作るのは面倒臭いので、曲げを二カ所か一カ所入れて、その曲げ具合の調整とかで釣れる動きのスプーンに仕上げていこうと思う。これなら素人がペンチで曲げるだけという簡単な作業で作成可能である。

 それでは早速作ってみよう。っても簡単である。一応同じ形のを量産したいなと、リトルマスターをやや引き延ばしたような形状の”型紙”を養生テープで作って1ミリの真鍮版に貼り付けて周りをマジックでなぞって、型紙ペリッとはがしてまた隣に貼ってマジックでなぞってと型を写す。一番左の赤いのは参考にしたリトルマスター。

 とりあえず3タイプつくってみるので3つ。

 金ばさみで、大まかに切り出して、端を切れるだけ金ばさみで切っておいて、グルッと周りをサンドペーパーで削って面取りしつつ角を丸めていく。金ばさみでゴリゴリッと切り出すとちょっと曲がるので、そのあたりはあとでペンチ使って曲げるときに戻して良い塩梅にする。

 アイとフックの穴をドリルで開ける。真鍮は削りやすいので電動ドリル使うまでもなく、手動で充分穴が開けられる。小型のスプーンなのでドリルの直径は1.5mmを使用した。

 ここまで来たらあとは曲げるだけ。ペンチ2本使ってギューッと力入れて曲げてやる。1mmの真鍮板はわりと簡単に曲がる。現場でも調整可能だろうと思う。

 3つあるので、それぞれちょっとづつ曲げ方を変えてみた。

 上の写真、上から緩やかに曲げてアイ側をちょい上げ、フック側を下げた物、真ん中が、やや鋭角的にアイ側をちょい上げフック側を下げたもので、一番下だけ二カ所曲げではなくフック側を下に一カ所曲げている。

 下の写真は横から見たところで、左から緩やかに二カ所曲げ、真ん中やや鋭角に二カ所曲げ、右がお尻の方一カ所曲げ。

 という感じで、色ぐらい後で塗っても良いけど一応完成したので釣り場に持ち出して試し投げしてみた。

 これは難しい!今売ってるルアーのほとんどが、アイ側の上げが大きい「オークラ」型、アイ側の上げが小さく比較的幅広の「ダーデブル」型、平面を曲げた「ハスルアー」型のどれかにほとんど収束していて、その派生程度にしかバリエーションがないのも頷ける。

 今回作ったのは、3つめの平面を曲げたハスルアー型の派生形になるんだと思うけど、最初の曲げ方の段階で全て低速でもクルクル回ってしまい、ラインが縒れて使いものにならんことが想像に難くない状態だった。これ、ワシだけじゃなくて初期の日本製スプーンでもありがちで、ダイワのクルセイダーの小さいサイズのは回転しまくりで「クルクルクルセイダー」とか呼ばれてた。なにしろ最初からアイにはヨリモドシが装着されて売っていたぐらいである。ある程度以上の速度になると回転してしまう、というのは悪い面だけではなく、それはそれで使いどころがあって、回転しやすいぐらい水を噛むってことは回転しない低速では動きが良いってことで、忠さん「バイト」の4.8gは高速では回転しやすくて流れ横切らせたりするとライン縒れまくったりするけど、止水では動きよくて頼りになるスプーンだったりする。とはいえ、作った3個は使用に耐えないレベルで低速でも回転する。

 でもまだ慌てる時間じゃない。最初から上手くいくわきゃないことぐらい想定している。ペンチを出して、ああでもないこうでもないと曲げを変えて投げてみる。

 結果的に二カ所曲げてる場合はユルい曲げ方にした方が回転は治まるけど、やや調整難しく、2個のうち片方はどうにも調整しきれなかった。二カ所の曲げ具合のバランスもあるのでか意外に用件複雑で上手く決まらない感じ。

 一方一カ所曲げたヤツは曲げをややきつめにすると回転は治まってくれて、動きも尻振りを基本にたまにバタバタッと変な動きが入る感じで、曲げ方が似てるからあたりまえかもだけどハスルアーに動きの質が似ている。これは調整も難しくないし実用的だと思うので、当面自作スプーンはこのタイプの形状違いやら大きさ違いを暇見て作って詰めてみようかなという感触。ちなみにウグイちゃんで試してみたら普通に釣れました。まあちゃんと動けばあたりまえに釣れるって話。

 スプーンはルアーの元祖的な存在で単純な形状素材なんだけど、その動きを制御しようとするとなかなかに難しいというのが理解できた。どこのメーカーが作っても似たような形状になるのは、そこから外して釣れるルア-として成立させるのが超難問だからなんだろうなと納得した。簡単そうだし自分で作って釣ってみたいと安易に手を出したけど、なかなか一筋縄でいかず学ぶことが大きかった。そのことが分かっただけでも自作してみたかいは既にあったのかなと思うところ。

 ということで、ルアー図鑑うすしお味第57弾は自作スプーン作りを主体にメッキ用スプーンということでいってみましたとさ。

2023年10月7日土曜日

冬までもてば良い-ウェーダー補修のアレコレ-

 今使ってる立ち込み用のウェーダーは、2015年前後に買ったモノのようで、途中健康面の問題とかでカヤック出せなくなって使用実績ほぼなしの年もはさみつつではあるものの、長年にわたる酷使といって良い使用状態で、もう減価償却はとっくに終わってるんだけど、あと一回ぐらい修繕して、今年中くらい使いたいなと思っている。

 だいたいウェーダーの修理って、新品から水漏れが始まって、1回目の修理はかなり上手くいって新品に近い快適な状態に復活するんだけど、2回目の修理の頃には、もうあちこち劣化し始めていて、大きな穴は埋められたとしても縫い目からの染みやら、藪漕ぎで空いた針穴とかは全て防ぎきるのは難しく、直しても、釣り終わって靴下絞らなきゃならんような状況からは脱出できるとしても、なんかじっとり湿ってる箇所が何カ所か残るモノである。3回目はもう直しても補修剤の無駄なので買い替え時だと認識している。

 実は、このウェーダーは春シーズンの終わりに2回目修理を実施して、透湿素材とネオプレンのソックス部分の接続箇所とか一周ぐるりと補修して、他にもあちこち補修したんだけど、秋になって何度か使ったらやけに早く水漏れ状態が酷くなって、どうもアクアシールの替わりのつもりぐらいで使った、ボンド「Gクリア」が剥がれかかって水漏れしているようである。Gクリアはゴムを溶媒に溶かしてあるタイプの接着剤で仕上がりはゴムそのもので柔軟性があってアクアシールっぽい使い方ができそうに思ったんだけど、どうも曲げ伸ばしとかズレるような部位につかうと接着力自体はあまり強くなくて剥がれてきてしまうようである。

 ウェーダーではなくて長靴をゴロタの蛎殻に引っかけたか何かで穴開けてしまって、ゴムとGクリアで補修してあったのは使い始めてすぐにゴムが剥げてきて浸水して「コリャダメだ」となった。曲がらないような部位はともかく長靴やらウェーダーでは補修用としては接着力不足なようなので、前回Gクリアで貼り付けたようなところは引っぺがして貼り直しである。とりあえず長靴に関してはボンド「くつピタ靴用接着剤」というシリル化ウレタン樹脂製の製品を使ったところ、問題無く貼り付いてくれて乾燥してもあまり縮まないので”盛り”も適正にできて、これはそこそこ使える感触なんだけど、やや量が少ないわりに値段がお高いので、ウェーダーの足回りグルッと丸ごと×二本足とか貧乏人はやってられない。縫い目の防水もあちこち怪しいのでそちらも対策が必要でこれまたワシ足長くないけど、それでもチューブ入りの接着剤で何とかしようとすると苦労する程度の長さがある。どないしよ?

 ということで、今回いろいろネット検索もして勉強して、縫い目の防水に関しては、アイロンで熱着するシームテープを使うのが王道で結局安上がりかなということでシームテープを何種か買ってみた。そしてパッチ当てて接着したり、水漏れ箇所に盛って穴埋めしたりという定番の”アクアシール”の代替品として使えるのはセメダイン「スーパーX」だというのが、ネットの識者の見解で、変性シリコーン樹脂主体の空中の水分と反応するタイプの化学反応形接着剤であり、固化時縮まず固化後も柔軟性があって接着力も強く、かつアクアシールみたいに固化に一晩かかるようなことはなく1,2時間でだいたい固まるので作業時間も短いとのこと。気になるお値段も写真の135mlの歯磨き粉サイズなら千円チョイと高くはない。保管は例によって冷凍庫保管だろうけど、アレコレ使えるなら便利かもということで、今回Gクリアの貼り直しはスーパーXでいくことにした。

 では、方針も決まったし作業に入っていこう。

 まずは、縫い目のシームテープだけどテント用とかのやつは安かったけど薄くてちょっと心配なので縦方向の縫い目に、ちょっとしっかりしたリトルプレゼンツのシーリングテープは50センチ売りで高めなので透湿素材とネオプレンの継ぎ目の大穴空いててパッチをあてた部分以外に使ってみた。

 使い方はアイロンの熱で溶かして圧着っていう単純なものだけど、意外にこれが難しい。マニュアルどおりに間に布を挟んで充分くっついたかなというぐらいに高めの温度でくっつけても、冷めると端がペリペリと剥がれかかってたりする。ならばと直接アイロン当てて”これでどうだ!”というぐらい熱してやると接着は上手くいったけど、なんか真ん中へんが溶けて穴開いてたりして、良い塩梅の熱し方に慣れるまでちょっと試行錯誤が必要だった。まあ穴開くぐらい溶かしてやって溶けた穴には再度シームテープ上貼って再度アイロンでなんとかごまかしておいた。溶けた穴にスーパーXでも良かったかもしれない。

 次にスーパーXで穴を塞ぐんだけど、まずは穴を特定しなければならない。風呂桶に張った水に、裏返したウェーダーの片足をグリグリと捻って太もものあたりを絞ってから息を吹き込んで膨らませて、絞りをキツく捻って沈めてブクブク泡が出てくるところを見つけ一旦水から上げて布で水気をサッと拭いてペイントマーカーで印をつけていく。その時に染み出してる程度でスーパーXちょいと直盛りで済むか、ボコボコ大穴から空気が抜けていてパッチ当て作業が必要か判断して分かるようにペイントマーカーで印を書きわけておく。

 今回は春にGクリアで貼り付けたゴムボートとかの修理用のシートを切って作ったパッチを、一旦剥がしてGクリアのゴム状に残ってるのを擦って除去して、マニュアルに書いてあるようにパッチとウェーダーの接着面両方にスーパーXを塗って、しばし乾燥(というか反応を開始させるということか?)させてから、貼り合わせてしばし重石で押さえておく。小さな穴は適当に盛って付属のヘラでならしておく。

 1.2時間で作業可能なぐらいに固まるので、これを表裏両足分作業すれば、あとは丸1日ぐらい固化させてやれば作業終了お疲れ様でした。という感じ。

 仕上がって早速使ってみると、大きな穴はふさがってて靴下絞らなければならないような水漏れはないけど、案の定しっとり浸みている塞ぎきれない小さい穴とかは残ってしまっているようだ。まあそのぐらいは想定と許容の範囲内なので良しとしておこう。

 ついでに晴れてる間にとカッパ関係も洗濯して撥水処理をかけなおしておいた。8月に台風来まくって、今年はどうなってるのかと思ったら一転9月は台風ほとんどこなくて、これまたどうなってるんだって話だけど、準備はしっかりしてあるので、秋の雨で良いシーバス釣れるよう切に願うところである。

 カッパと、ウェーダー含めた足回りは魚釣る上で極めて重要な道具であり、適切なものを手に入れて、適切に手入れしておくことは快適な釣りに直結し、自ずと釣果に関わってくる部分なので、面倒臭いけど手が抜けない部分である。雨具とウェーダーが水漏れ甲介では、雨の日に出かける出足が鈍るというもの、それじゃシーバス釣れねぇって話。

 ゆめゆめ怠るべからず。