2021年5月20日木曜日

未完の大作「ベルセルク」

  マンガ家、三浦建太郎先生の訃報が。画業お疲れ様でした。謹んでお悔やみ申しあげます。

 物語が壮大すぎて、作者の在命中に完結しないだろうと思ってたマンガに三浦先生の「ベルセルク」と諸星大二郎先生の「西遊妖猿伝」があって、「ベルセルク」が現実に未完となってしまって残念ではある。残念ではあるけど今まで描かれた物語部分で既に凡百のマンガを凌駕する面白さを楽しませてもらっているのでオタクとしては、「今までありがとう」って感謝の気持ちしかない。

 ベルセルクは、”魔”が跋扈するダークファンタジーで、主人公のガッツは”魔”となった友でありライバルでもある”グリフィス”に生け贄の烙印を押され、オノレの運命に抗い闘うっていう大筋なんだけど、まあその”魔”たちがおどろおどろしくも緻密にものすごい書き込み量で描き出されていて、不気味で迫力のある世界観を醸し出している。

 そんな中で主人公ガッツは、絶望的な闘いを繰り返すんだけど、だんだん仲間も増えてしぶとく生き残って物語世界を突き進んでいた。

 ガッツの台詞格好いいのが多くて、良く引用させてもらったりしている。「戦場(船上)には手に馴染んだものを持っていきてぇからな。」とか「祈るな!手がふさがる!」とか全くその通りだと思う。他人任せで神に祈ってる暇があればテメエのその手を動かしておけってのはナルホドナという感じ。

 ただ、ルカ姉さんの「後で自分に言い訳だけは ほざかない様にしないとね」って台詞には、後でせめて言い訳ぐらいほざけるように、アリバイづくりのような「ヤるだけヤッタ」感を醸し出すことに腐心していたりする自分を鑑みて、頭ポリポリ搔きつつ反省させられた。

 ものすごい書き込み量で魂削って描ききってきたので、三浦先生は自分に言い訳はしなくて良いンだろうなというような画風だっった。遅筆で有名だったけどアレは早く描けといっても無理ってもんだろう。

 三浦先生、本当にお疲れ様でした。胸躍るマンガをありがとうございました。マンガ描いてるときはろくに休めなかったでしょうから安らかにお休みください。

 しかし54歳って、なんとも早すぎるゼ、先生・・・哀しいね。合掌。

3 件のコメント:

  1. マンガ家の訃報が続いている。富永一朗先生がお亡くなりになった。
    とはいえ代表作の「ちんころ姐ちゃん」も読んだことないけど完結してると思うし、96歳なら大往生だろう。お笑いマンガ道場の鈴木義司先生とのプロレス的貶しあいと、ビローンと伸びたおっぱいネタ。楽しく拝見させてもらってました。良いマンガ家人生だったとお見受けします。安らかにお眠りください。合掌。

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  2. 浜酔人
    三浦先生、残念ですね。
    唯一無二、天下無双のダークファンタジーの作り手が世の中にいなくなったロスは、ガッキーロスとは
    比較にならないです。
    いつかハリウッドで実写化されると良いですね。

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    1.  日本のマンガの実写化はちょっと屍累々なので、私不安の方が大きいです。観たことあるので面白かったのはテルマエロマエぐらいか?鬼太郎も結構面白かったかな。
       むしろ、アニメが途中までで止まってるので、まあマンガも途中で止まってしまったわけですが、せっかく苦労してキャスカの記憶が戻ってくるところまで進んでるので、アニメ化(4度目になるのか?)に期待したいですね。CD作画はやめて手描きであの不気味さを表現できる作画陣ってどっかにおらんのかしら?

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