2020年7月25日土曜日
なんちゃってツイストバスター搭載!!
スピニングリールの糸ヨレはラインを90度曲げてからスプールに巻き付けるという始祖”イリングワース”から引き継ぐ構造における、避けがたい弱点なんだろうけど、最近のスピニングリールにはラインローラーの形状の工夫やらで困った糸ヨレをかなり軽減する機能が搭載されている。
”ツイストバスター”とかそのあたりの機構である。この機構、なんか小難しい設計とか極滑らかなボールベアリングによる回転とか、高度で複雑な技術が詰まってそうな印象だけど、ワシがTAKE先生ところのサイトとか実地とかで勉強したところによると、要するに”ラインローラーの上でラインが転がらなければ良い”っていうだけの単純な原理のようである。
ラインが転がりさえしなければ、出て行ったラインを縒りを入れることなく回収できるので”糸ヨレ”とは無縁でいられるらしい。ある程度スムーズにラインローラーが回転した方がラインは転がらないはずだし、ラインがラインローラーとこすれる摩擦で劣化するのも防げるので、ちゃんと設計されて良い塩梅にラインが転がらないようになっていれば、ラインローラー固定式でも糸ヨレはそれ程酷くならないとは聞くにしても、経験的にベアリングが錆びて固着したようなラインローラーでは糸ヨレ激しく発生するってのもあるので、ラインローラーは固定式より回転式が望ましいんだろうなとは思っている。
ただ、クルックルにラインローラー回った方が良いのかというと、そうでもないようでネット上で4桁スピンフィッシャーの4400ssの糸ヨレが酷いという意見が散見されて、ワシそんな風に思ったこと一度もなかったので、使うラインの太さとか竿との相性とかかな?と思ってたけど、なんとなくだけど犯人がラインローラーのボールベアリングなんじゃないかとワシャ疑っている。
4桁4400ssは末期にボールベアリング入りラインローラーの4400ssJが販売されていて、ベールアームごと取っ替えれば旧型の4400ssにもボールベアリング入りラインローラーが搭載できる。どうもssj化した人に糸ヨレが激しく出たんじゃないかと勘ぐっているけど、実例を調べられる機会がないので確証はない。まあ根拠のない偏見と差別かもしれんけど。ワシャ”ボールベアリング差別主義者”やからな。秘密結社BBB(”Ballbearing bashing band”ボールベアリングをボロクソにこきおろす者の団)でも立ちあげようかしら。
TAKE先生もラインローラーのベアリングにグリス入れて回転おさえたら糸ヨレ改善した事例を紹介されていて、設計やら使用状況にもよるんだろうけど”転がるか、転がらないか”は微妙なバランスの上で成り立つようではあるけど、なんにせよ良い塩梅にラインローラーが回転してラインを一定の位置で拾い続けるっていうのが王道のように思う。
ちなみに使ってる4400ssはラインローラーには樹脂製スリーブが入ってるけど、ボールベアリングは入っていない。回転は部屋でラインで擦った程度では回らないけど、輪ゴムで試すと回ってて、実釣時にもラインがあまり張ってないときや逆にドラグ出てくような高負荷時もあまり回ってない感触で、ラインが一定の張りでやや早めの巻き取りの時に、ラインローラーが回っている”シューシュー”という音が聞こえてくる。
ドラグ出ていくような高負荷時にはラインは4桁スピンフィッシャーだとV字の谷になってるラインローラーの底に押しつけられて転がらないだろうし、逆に張りがユルい時にはロ-ラーに押しつけられないので転がらずに素直に巻ける気がするので、糸ヨレ対策としてはちょうど良い効き具合なのかなと思う。
ということで、ラインが転がらないようにするにはどんなラインローラーの形状が良いのかっていうのを各釣り具メーカーさんは考えて、多分現在の主流は傾斜をつけて片方の隅にラインが行くようにしているんだと思う。右の写真は「98ツインパワー2000」のラインローラーで、ラインは右側の傾斜部から左の方の銀色の底の部分に移行して落ち着くようになっている。
他には過去にはラインローラーにラインが収まる溝を作ってラインが転がるのを防ぐ構造のもあったように記憶している。たぶんそれってローラーが固着して糸溝ができたリールが、なぜかラインが縒れないとかいう実体験から設計されたんじゃなかろうかと想像している。
でもって、今回、そういうラインローラーの工夫が成されていない古い時代のリールを”なんちゃってツイストバスター搭載機”に改造してみた。
機種は冒頭の写真のシェイクスピア「アルファ2260-030」。で、以前紹介したように大森製作所が作ったシェイクスピアだと思って買ったら違ってて、いろいろと残念なところもあり、ある程度整備、改善したうえで、ケン一のところに嫁に出していたんだけど「糸ヨレ酷し!」ということで出戻ってきていた。糸ヨレに関してはワシも実際使ってみたけど確かにすぐにヨレヨレでどこでもビミニツイストが作れるようになる。
ラインローラーは固着していたのを外して、ある程度回るようにしたんだけど、そもそもラインローラーのメッキが甘くてボロボロに剥げてしまったので、表面ならして瞬着でコーティングして、そんな強い糸を使う大きさのリールじゃないからこれでイケるやろと前回送り出したんだけど、ラインローラーの形状自体が転がりやすいU字型の曲線を描くタイプ(右の写真はU字型の例として大森「キャリアーNo.2」)で、ラインが1箇所に落ち着かない形状で、かつ、リール全体を小さく仕上げるためだと思うんだけどスプールの直径も小さくて、ラインが縒れるのが避けられなかったようだ。
スプールの直径ってスピニングリールの使いやすさには重要だと思ってて、古いインスプールのリールを使ってて意外にラインの放出性は良くて飛ぶしトラブルも少なくて「この程度でスピニングなんて充分じゃん」と思ってしまう。
単純なハンドル1回転でスプールが1回上下するクランク式で機構的にはどうってこともないのに、クランク式でスプール上下の幅が制限されるが故に糸巻き量を確保するためにスプールの直径が大きくなっていて、これが投げるときのラインの放出性の良さにずいぶん寄与している気がする。スプール上下の幅が狭いということはラインローラー上でスプール上下によってラインが引っ張られる?量が小さいはずでローラー上でラインが押しつけられるようにして転がるのも少ないのではなかろうかと思っている。直径の大きいスプールが使いやすいってのはインスプールに限らず大森のクランク式のスプール上下機構(オシュレーション機構)の小型機なんかでも共通で、何百mも遠投するような釣りに使うんじゃなし、ルアーの釣りとかにはスプールの長さは必要なくて、直径だけ大きくしてやれば単純明快に使いやすいリールができるんじゃないか?とぶっちゃけ思っている。っていうか昔のそういうリールはあきらかに使いやすい。大森製作所のリールのラインローラーは例に出したようにラインが縒れやすいハズのU時曲線型だけど、使ってて糸ヨレ酷かったという記憶がない。もちろん使っていくうちにヨレはどうしても入るけど、ナイロンラインならその頃には交換するので実質問題なく使えていた。
でもって件のアルファなんだけど、スプールの直径は今更どうしようもない。ただラインローラーは真鍮製で、ギリギリ自分の技術でも形状をいじれるのでラインローラーをいじることにした。
やることは単純で、ラインローラーを割り箸に突っ込んで填めて、その割り箸をハンドドリルで回転させて、ダイヤモンドヤスリをあててラインローラーの形状を削って、傾斜を付けて片側にラインが落ち着くようにして”なんちゃってツイストバスター”化してやる。
ちなみにラインローラーは真鍮製で軸も真鍮の直受けだけど、真鍮と真鍮の受けって「PENN720Z」ではボールベアリングの代わりにされているぐらいで、滑りやすさとか耐久性とか案外回転部分に採用する材質としては正しいのかもしれない。ただメッキが下手クソでボロボロに剥げてるようでは不合格ではある。
本来なら形状をいじった上で硬質クロームメッキでもかけるべきなのかもしれないけど、メッキって小さい部品だろうとメッキ槽にモノをぶち込んで処理する手間は一緒で、バイクのマフラーとかをメッキするのと値段一緒になるだろうと自動車整備の仕事してる友人に聞いたので、今回はあんまりラインに負荷かけるような釣りを想定しないリールなので真鍮剥き出しのままで行くことにした。
でもって、ギュイーンとドリル回して削って無事完成。左から右にユルく傾斜をつけて右の方の谷に落ちるようにしてます。
3時間ほどルアー投げた実釣でも糸ヨレ入ってなくて良い感じに仕上がったと自画自賛する。やっぱりある程度の高速回転時にシューシュー音がしててちゃんと回ってくれているようで一安心。ケン一家のチョイ投げマハゼ釣りの時期である秋までにはなんとかせねば、と思ってたけど余裕で間にあった。
釣り具に物理法則を無視したようなオカルト的な性能を持ったものは存在しえないっていうのは常々書いてるところだけど、逆に言うと物理だの工学だの要点をふまえてやれば、理屈通りの正しい道具にはなるんだなと今回改めて思った。
案外釣り具に関する事実は単純なことが多いとおもう。今回の例でいえば、糸ヨレはラインローラー上でラインが転がらなければそれで良いとか、スプールの直径が大きいと使いやすい、とかとか。
高校卒業程度の物理とかの一般的な知識の範囲で理解不能なことを謳ってるようなオカルトじみた機構はだいたい嘘っぱちか誇大広告なので疑ってかかったほうが良いと思っている。皆さんもお気をつけて。
なにげにU字型のラインローラーの例に出した大森ダイヤモンドが「キャリアーNo.2」なんだけど、今PENNから浮気して使ってるマイクロセブンCシリーズがなかなかに手にしっくりくる使い心地なこともあって、地味に大森熱も再発してたりしてネットオークションとか毎日確認して我慢できずにポチッとしたりしてます。コイツは某中古釣り具チェーンのネット販売で3千円ちょいの安値が付いてたので流れるようにポチってしまいました。
現在我が家にはリールが95台、ロッドが121本と、我が家の数値目標であるリール90台、竿120本をどちらも越えてしまっており、またネットオークションで売りに出すなりして整理せにゃならんなと思っちょります。
ちょっとリールと竿以外でも発症している病気があって、別途ネタにする予定だけど月の食費を1万円前後に切り詰めて生活している無職の貧乏人が、今月既に釣り具だけで2万円以上も散在してしまっている。アホか?!(断言するけどアホです!!)
アタイ病気が憎いッ!!
2020年7月18日土曜日
豆アジの下ごしらえ
まず準備する材料は、糠4カップ、コマセアミ1/6ブロック、豆アジ仔サバの内臓適量、食紅を付属の匙で5杯、水1カップ。
豆アジと仔サバの内臓はあらかじめ凍結したうえで”粗挽き”状態になるまで包丁でミンチにしておいてください。糠は粒子が細かいので”固形物”を増量する意味で、ある程度の大きさが望ましいと思ってます。
食紅は少量のお湯で溶かしてから水1カップに混ぜておきます。
材料を洗面器にぶちまけたら、手を”熊手”状にして突っ込みガシャガシャとかき混ぜてください。
均一に混ざったら、4等分してビニール袋に詰めて冷凍保管します。一回の釣り3時間ぐらいでだいたい1袋使い切ります。
コマセアミは1ブロック800gぐらいだと思いますが360円で、”カゴサビキ”だと2、3時間で1ブロック使い切るぐらいだと思いますが、買えば一パック200円の豆アジ釣るのにそんなに金かけてらんねえってのがあります。
コマセアミはアミと言いながら実際にはツノナシオキアミで、今年は産地の東北太平洋岸での不漁を受けて輸入物(種類一緒か不明)に切り替わるようで値段も少し上がるとか。釣具屋さんとしてはガンガン使ってくれれば商売繁盛なのでカゴサビキがお薦めされていますが、貧乏なのでつきあってられません。
コマセアミのブロックを6等分すれば1回分60円と経費削減できます。
糠は大きめのビニール袋に詰まったものが糠漬けも売ってる八百屋さんで80円で手に入るので5回×4袋は作れるとすると、作った撒き餌1袋あたりの単価は4円。
内臓はタダだし、食紅も1回あたりは数円、水もほとんどタダに近く、1袋あたりの撒き餌の原価は70円弱ということになりとっても安上がり。
撒き餌としての能力的には、魚を寄せて食いをたたせる能力自体はコマセアミ単体にはさすがに劣るものの、水中に溶けて煙幕を張るように広がって長く滞留する点や、手でまとめやすく”コマセ螺旋”に付けやすく、グルテンの追加等で長く持たせる等の小技が効かせやすいなどの利点も多く、アミコマセ単体をチョイと摘まんで投入して魚の活性をあげるっていうのはたまにやるけど、基本自作のこの撒き餌で行けると思ってます。
仕掛けは、豆アジは基本棚が浅いので2.1mと表層足元用の1.2mでたまに深棚用の4.5m。
2.1mと4.5mは普通のマアジ釣りで使ってる仕掛けと同様の”コマセ螺旋仕掛け”で棚が浅いのと魚が小さいのを受けて、浮子が小さく、オモリが軽くなっています。
道糸は1.5号で、仕掛けの竿への接続部分は縒りを入れたスパイダーヒッチでチチワを作りに外すときに引っ張るつまみとしてウキ止め糸を一番上に結びつけています。
浮子は自作の「ポ70豆アジ」(写真一番左)で胴が長さ70ミリでトップが直径1.5ミリのポリカーボネイトムク、足は直径1ミリのカーボン。5.2mの長竿で深棚を狙うときの「140ミナト」の縮小版。固定はウキ止めゴムとヘラ用の浮子ゴムを使用。細かい棚変更が多い浅棚の釣りではウキ止め糸を強く結んだのでは道糸が摩擦で弱りやすいと思います。
オモリとコマセ螺旋はステンレスの針金を軸に接続してスズハンダで重量調整してあり、張りのあるフロロ4号を通した硬質パイプを絡み止めとして噛ませてあるのが”天秤”として機能しています。ハリスはフロロの先の8の字で作った輪っかに接続。
1.2mの短竿の仕掛けは”タナゴ仕掛け”で本来白いUV固化樹脂とかで玉を道糸の上に作って蛍光色に塗って複数の”糸オモリ”を付けて作るらしいけど、UV固化樹脂持ってないのでウキ止め糸で玉を5個ぐらい作って下の方の玉の上にスズハンダのオモリを分散させて付けて小型の浮子がゆっくり沈むぐらいに調整してあります。オモリが分散させてあるので軽く横に引っ張りやすいのだろうと思うけど、目印である玉が横に動くアタリが出やすい仕掛けです。
ハリスは0.5号を使っていたけど、数を釣っているとそのうち弱ってきて水くみバケツの上に張ったラインに引っかけてハリ外しするときに魚が暴れて切れることがあり、そうすると、その時バケツにいた魚のどれかはハリを飲んでるので丸ごと食うのには危険であり、その分を別にとっておいてハリを探すか頭とワタを取って料理することになり面倒なので最近は0.8号を使っています。若干食いが落ちる気がするけど豆アジは活性上げまくって釣るのでそれ程影響はない気がしています。
長さは20センチを基準に落とし込みに反応良ければ40センチまで伸ばしたり、上層でクサフグにつかまるようなら7センチくらいの短バリスに詰めたりと適宜調整。
ハリはマルトの改良スレ3号、関東スレ2号を使っています。
豆アジ釣りの要点は”とにかく魚の居るところで釣ること”に尽きると思っています。人山立ってて釣れている人の隣に入るも良しだけど、基本的に浅い棚に浮いてきてプランクトンとか食ってることが多いので、釣り場をぐるっと見て回って魚が多く浮いているところでコマセちょっと摘まんで撒いてみて反応が良いところで始めるのが確実かなと。
風表でゴミが寄ってる場所、流れ込みがあったり潮通しが良かったりしてプランクトンの湧きが良いところ、夜灯りが付いてプランクトンが寄るところなんかが良い釣り座になる傾向にあります。
刺し餌は、オキアミのSサイズ、コマセアミ、鶏皮の食紅染めを適宜使い分け。鶏皮に食ってくると1つの餌で何匹か釣れるので回転数が上がります。あとフグにすぐに取られることもないので、フグが寄ってきたら打ち返しという作戦もとりやすいです。
基本的に撒き餌をコマセ螺旋に付けるか棚が表層になってきたら摘まんで投入するかして、活性上げて撒き餌に突っ込んできた魚の中に刺し餌を落としていく感じです。
アタリは、食うのが見えるので餌が消えたら即アワセでだいたい決まるんですが、それだと何故かスッポ抜けるときがあって、そういう時は餌を見るのではなくてコマセ螺旋仕掛けなら絡み止めのパイプを、タナゴ仕掛けなら目印の玉を見て横に引っ張られたらアワセると決まることが多いです。
食ってくるパターンは色々あって、チョイチョイと誘うといいこともあれば、ぶら下がって放置しておくと撒き餌が消えたぐらいに食ってくることも、落ちてる最中に反応してくるときもあり、落ちてる最中に食ってくるときにはやや向こうに振り込んで道糸を張ってユックリ落としてやると良く食う気がしています。
棚が深くて浮子でアタリを取るときには、5回ぐらい連続で縦誘いしたあと、ちょっと止めると食ってくるっていうのが、これは豆アジに限らずあるように思います。
豆アジ釣りの何が良いって、多くの場面で、棚が浅くて餌食う瞬間が見えるので、どう
いう状況でどういう食い方をするのか、深棚なら浮子の動きとかを見て想像するしかないのが、実際に見て確かめられることだと思っています。例えば、縦誘いの時にコマセ螺旋から撒き餌がどのように落ちるのか、それに反応する魚の動きと、刺し餌の動きと魚が食ってくるタイミングの関係とか、いろんな場合があるだろうけど、その具体的な状況の数々。
いま、かなりの数の豆アジなり仔サバなりを釣って、頭の中にそういう”どうすれば魚がどう食ってくるか”の情報が蓄積されつつある状況のはずで、そういう場数なり経験値なりを積みまくることができるという意味でも、豆アジ釣りは最高だと思うところです。
皆様も是非機会があれば、お気楽に挑戦できる釣りだと思うので試してみてください。単純な話、魚が沢山いて沢山釣れれば楽しいですよ。
その時の参考になれば幸いです。
豆アジと仔サバの内臓はあらかじめ凍結したうえで”粗挽き”状態になるまで包丁でミンチにしておいてください。糠は粒子が細かいので”固形物”を増量する意味で、ある程度の大きさが望ましいと思ってます。
食紅は少量のお湯で溶かしてから水1カップに混ぜておきます。
材料を洗面器にぶちまけたら、手を”熊手”状にして突っ込みガシャガシャとかき混ぜてください。
均一に混ざったら、4等分してビニール袋に詰めて冷凍保管します。一回の釣り3時間ぐらいでだいたい1袋使い切ります。
コマセアミは1ブロック800gぐらいだと思いますが360円で、”カゴサビキ”だと2、3時間で1ブロック使い切るぐらいだと思いますが、買えば一パック200円の豆アジ釣るのにそんなに金かけてらんねえってのがあります。
コマセアミはアミと言いながら実際にはツノナシオキアミで、今年は産地の東北太平洋岸での不漁を受けて輸入物(種類一緒か不明)に切り替わるようで値段も少し上がるとか。釣具屋さんとしてはガンガン使ってくれれば商売繁盛なのでカゴサビキがお薦めされていますが、貧乏なのでつきあってられません。
コマセアミのブロックを6等分すれば1回分60円と経費削減できます。
糠は大きめのビニール袋に詰まったものが糠漬けも売ってる八百屋さんで80円で手に入るので5回×4袋は作れるとすると、作った撒き餌1袋あたりの単価は4円。
内臓はタダだし、食紅も1回あたりは数円、水もほとんどタダに近く、1袋あたりの撒き餌の原価は70円弱ということになりとっても安上がり。
撒き餌としての能力的には、魚を寄せて食いをたたせる能力自体はコマセアミ単体にはさすがに劣るものの、水中に溶けて煙幕を張るように広がって長く滞留する点や、手でまとめやすく”コマセ螺旋”に付けやすく、グルテンの追加等で長く持たせる等の小技が効かせやすいなどの利点も多く、アミコマセ単体をチョイと摘まんで投入して魚の活性をあげるっていうのはたまにやるけど、基本自作のこの撒き餌で行けると思ってます。
仕掛けは、豆アジは基本棚が浅いので2.1mと表層足元用の1.2mでたまに深棚用の4.5m。
2.1mと4.5mは普通のマアジ釣りで使ってる仕掛けと同様の”コマセ螺旋仕掛け”で棚が浅いのと魚が小さいのを受けて、浮子が小さく、オモリが軽くなっています。
道糸は1.5号で、仕掛けの竿への接続部分は縒りを入れたスパイダーヒッチでチチワを作りに外すときに引っ張るつまみとしてウキ止め糸を一番上に結びつけています。
浮子は自作の「ポ70豆アジ」(写真一番左)で胴が長さ70ミリでトップが直径1.5ミリのポリカーボネイトムク、足は直径1ミリのカーボン。5.2mの長竿で深棚を狙うときの「140ミナト」の縮小版。固定はウキ止めゴムとヘラ用の浮子ゴムを使用。細かい棚変更が多い浅棚の釣りではウキ止め糸を強く結んだのでは道糸が摩擦で弱りやすいと思います。
オモリとコマセ螺旋はステンレスの針金を軸に接続してスズハンダで重量調整してあり、張りのあるフロロ4号を通した硬質パイプを絡み止めとして噛ませてあるのが”天秤”として機能しています。ハリスはフロロの先の8の字で作った輪っかに接続。
1.2mの短竿の仕掛けは”タナゴ仕掛け”で本来白いUV固化樹脂とかで玉を道糸の上に作って蛍光色に塗って複数の”糸オモリ”を付けて作るらしいけど、UV固化樹脂持ってないのでウキ止め糸で玉を5個ぐらい作って下の方の玉の上にスズハンダのオモリを分散させて付けて小型の浮子がゆっくり沈むぐらいに調整してあります。オモリが分散させてあるので軽く横に引っ張りやすいのだろうと思うけど、目印である玉が横に動くアタリが出やすい仕掛けです。
ハリスは0.5号を使っていたけど、数を釣っているとそのうち弱ってきて水くみバケツの上に張ったラインに引っかけてハリ外しするときに魚が暴れて切れることがあり、そうすると、その時バケツにいた魚のどれかはハリを飲んでるので丸ごと食うのには危険であり、その分を別にとっておいてハリを探すか頭とワタを取って料理することになり面倒なので最近は0.8号を使っています。若干食いが落ちる気がするけど豆アジは活性上げまくって釣るのでそれ程影響はない気がしています。
長さは20センチを基準に落とし込みに反応良ければ40センチまで伸ばしたり、上層でクサフグにつかまるようなら7センチくらいの短バリスに詰めたりと適宜調整。
ハリはマルトの改良スレ3号、関東スレ2号を使っています。
豆アジ釣りの要点は”とにかく魚の居るところで釣ること”に尽きると思っています。人山立ってて釣れている人の隣に入るも良しだけど、基本的に浅い棚に浮いてきてプランクトンとか食ってることが多いので、釣り場をぐるっと見て回って魚が多く浮いているところでコマセちょっと摘まんで撒いてみて反応が良いところで始めるのが確実かなと。
風表でゴミが寄ってる場所、流れ込みがあったり潮通しが良かったりしてプランクトンの湧きが良いところ、夜灯りが付いてプランクトンが寄るところなんかが良い釣り座になる傾向にあります。
刺し餌は、オキアミのSサイズ、コマセアミ、鶏皮の食紅染めを適宜使い分け。鶏皮に食ってくると1つの餌で何匹か釣れるので回転数が上がります。あとフグにすぐに取られることもないので、フグが寄ってきたら打ち返しという作戦もとりやすいです。
基本的に撒き餌をコマセ螺旋に付けるか棚が表層になってきたら摘まんで投入するかして、活性上げて撒き餌に突っ込んできた魚の中に刺し餌を落としていく感じです。
アタリは、食うのが見えるので餌が消えたら即アワセでだいたい決まるんですが、それだと何故かスッポ抜けるときがあって、そういう時は餌を見るのではなくてコマセ螺旋仕掛けなら絡み止めのパイプを、タナゴ仕掛けなら目印の玉を見て横に引っ張られたらアワセると決まることが多いです。
食ってくるパターンは色々あって、チョイチョイと誘うといいこともあれば、ぶら下がって放置しておくと撒き餌が消えたぐらいに食ってくることも、落ちてる最中に反応してくるときもあり、落ちてる最中に食ってくるときにはやや向こうに振り込んで道糸を張ってユックリ落としてやると良く食う気がしています。
棚が深くて浮子でアタリを取るときには、5回ぐらい連続で縦誘いしたあと、ちょっと止めると食ってくるっていうのが、これは豆アジに限らずあるように思います。
豆アジ釣りの何が良いって、多くの場面で、棚が浅くて餌食う瞬間が見えるので、どう
いう状況でどういう食い方をするのか、深棚なら浮子の動きとかを見て想像するしかないのが、実際に見て確かめられることだと思っています。例えば、縦誘いの時にコマセ螺旋から撒き餌がどのように落ちるのか、それに反応する魚の動きと、刺し餌の動きと魚が食ってくるタイミングの関係とか、いろんな場合があるだろうけど、その具体的な状況の数々。
いま、かなりの数の豆アジなり仔サバなりを釣って、頭の中にそういう”どうすれば魚がどう食ってくるか”の情報が蓄積されつつある状況のはずで、そういう場数なり経験値なりを積みまくることができるという意味でも、豆アジ釣りは最高だと思うところです。
皆様も是非機会があれば、お気楽に挑戦できる釣りだと思うので試してみてください。単純な話、魚が沢山いて沢山釣れれば楽しいですよ。
その時の参考になれば幸いです。
2020年7月11日土曜日
ネコノミ戦線異状なし-少し早めの夏休み自由研究-
”大人の隠れ家的なお店”って間接照明でなんか薄暗くなってるだけだろ?って書いてる人がいて笑わせてもらったけど、我が家もここしばらく夜は間接照明的な明かりがあって”大人の隠れ家”の雰囲気を醸し出していたりいなかったりする。
まあ、ネコノミの発生量とかの傾向を把握するための灯光罠なんだけどな。
6月10日頃から始まった”2020ネコノミ戦役”も早いもので1月ほど経った。ここで現在の戦況を分析しておきたい。
ここまで、作戦としては灯光罠による捕殺、朝夕の掃除機による捕殺、目視による直接捕殺をもってして戦ってきたところだけど、掃除機の威力は絶大でさすがは”昭和の家電三種の神器”の一角という働きで、灯光罠にしばらく獲物がかからない時期にも、継続的に1,2匹捕獲できていることが多く、浅く水を張った浴槽にフィルターのゴミをバラ撒くとゴマ粒より小さいネコノミが水面でクルクル暴れているのを発見するのであった。
数を数えてエクセルに記録し始めた6月17日以降で、捕殺数は掃除機によるものが73匹、灯光罠によるものが17匹、直接捕殺が8匹と”掃除機強し”という感じである。
最初のころ、朝昼晩と3回掃除機かけてみたけど、昼はどうもあまり活動していないのか、はたまた暗くなってから羽化(羽生えないけど最後の成虫への脱皮は羽化で良いようだ)するのか、捕獲できないので基本朝夜2回掃除で、だんだん0匹のことが多くなってきてるのでここ1週間ぐらいは夜だけに移行している。寝てるあいだに布団の中で刺されるとムカつくので1回にするなら夜だと思う。
ちなみに最初のころは掃除終わりにダ二アーススプレーを掃除機に吸わせていたけど、ネコノミ全く効いてる様子がなくピョンピョンしてて、すぐには効果でないのかな?と思ってたけど流し損ねたヤツが翌日浴槽でピョンピョンしてるのを発見して、コリャ殺虫剤には耐性あるなと思い知らされた。
17日からこれまで刺された咬傷数も数えていて、その数15箇所で刺されるときは何カ所かやられることが多いので、平均すると2日に1箇所程度刺されてるぐらいだけど、感覚的にはそんなに頻繁には刺されていない気がしてた。刺され慣れたのか最初のころほど痒くもなく、最近は捕殺数の減少に伴って刺されなくなっているのでとりあえずあんまり痒くて大変な状況にはならずにすんでいる。
掃除機は居室、空き部屋、廊下の区別ができないけど、灯光罠では明らかに廊下の捕殺数が多く、っていうか途中から灯光罠を追加した1階の三和土(コンクリ打ちっ放しのたたき)を除くとほぼ廊下で、主なネコノミの発生場所は廊下であることが示唆された。廊下の木の板の隙間とかで幼虫が育ったんだろう。
直接捕殺は普段生活している居室がほとんどで、朝起きて痒くて刺されてるなと思って下手人捜しして布団の上に発見するのと、PC前の座椅子周りで発見する2パターンあった。後者は廊下で発生したヤツがピョーンと足に飛びついて血を吸って、ワシの足にはネコのように潜り込むほど毛が生えてないので降車?したのかなと考えている。
透明なガムテープをすぐに剥がせるように扇風機とかこたつの脚とかに貼り付けておいて見つけたらバシッと叩きつけるようにして捕らえて、しっかり粘着面で挟み込んでブチッと潰して吸血しているか確認して捨てる。直接捕殺したヤツはだいたい吸血していたけど、掃除機捕殺等含め卵を持った雌は居なかったので抱卵して産卵するところまでは許さなかったと思いたい。
ちなみにネコノミは結構物理攻撃にも耐性あって指で摘まんで殺そうとしても潰れてくれない。潰すには爪で挟んでプチってやる必要があるけど、抱卵雌をプチッとヤると卵が飛び散るそうでガムテープで捕殺が逃げられにくくて有効。ちなみに跳ねて逃げられると目で追いきれなくて見失いがちなので、とにかく黒い粒が落ちていたらバシッとやっておく。結構な確率でタダの黒いゴミだったりするけど疑わしきは罰する方針。
1Fの三和土に灯光罠を追加したのは、1Fに洗濯機があるので洗濯して戻ってきたら足にネコノミ付いていて、1Fにも猫たち入れたことあるので湧いてたらやだなと思ったけどやっぱり湧いてるようだったので、掃除機かけられないので箒で掃き掃除してから灯光罠を設置した。ちょっと掃除がしにくいので後述するように基本放置で灯光罠で様子を見ているところ。ただ、洗濯作業等の時には長靴履いて作業して、終わったら足にネコノミ付いてないか確認している。右のふくらはぎにあるホクロが実にネコノミっぽい色形でいつもドキッとする。”なんでもネコノミに見える病”発症中。
捕殺数とかから見るネコノミ発生の傾向としては、先述の”明るいときにはあんまり出てこない”というののほかに、どうも気温は関係がありそうで、真夏日となった17日の朝に4匹、翌朝6匹と、これから大量発生するのかと不安にさせられたけど、その後も多くてもそのぐらいで、6月下旬からは1,2匹のことが多く0の日も増えてきてこのまま終息するのかなという感じ。
最初の予想で、持ち込まれたのは卵か抱卵した雌かで部屋の中で繁殖はしていないはずで数は100ぐらいかなと予想していたけど、そのぐらいで終わってくれそう。
成虫も飢餓耐性あって長期間潜伏できるようではあるけど、最初小さい雄ばかりだったのが後半雌も混じり始めたのをみても、部屋の中で幼虫が育って体の小さい雄が育つのに時間がかからず先に羽化して、後から羽化する大きく育つのに時間のかかる雌を待っていたとみられて、卵からの発生の可能性が高いとみている。羽化の盛りは過ぎたようなので、あとは遅れて羽化するヤツや羽化後に隙間に潜んでたヤツが出てくるとかを掃除機で吸っていけば終戦に向かうと思う。その後は灯光罠で新たな発生がないか継続的に監視して行く予定。
で、灯光罠は百均で買ってきた小型の懐中電灯を浅いタッパーに石けん水張ったのに設置したのを使ってたけど、電池が毎日充電しなければいけないので地味に面倒くせぇなと思って、継続監視に移ったときも考えて手抜き方法を考えた。ネットで探してみると暗くなると自動的に点灯するコンセントに刺す形の”足元灯”というのがあったので「コレだ!」とポチって、試しに空き部屋と1階に設置してみたら楽でかつ青い光は市販品のノミホイホイの真似したんだけど有効なようで空き部屋のはネコノミ以外ばかりだけど1Fのはちゃんとネコノミもかかってコレまで9匹捕殺と優秀な成績。
っていうのがネコノミ戦線の戦況なんだけど、灯光罠には当然走光性のあるいろんな虫がかかるので、なかなかに面白い。これ夏休みが今年はどうなるのか知らんけどお子さんの自由研究のネタにどうでっしゃろ?
まずは居室の市販のノミホイホイなんだけどこれだけ粘着シート方式で捕れた虫が張り付いているんだけど、実はネコノミ1匹もかかってないという有様。まあ隣で二酸化炭素吐いて適度に動く”餌”が寝てるのでそっちに誘引されてたんだろうなと思う。けど、そのわりにアカイエカとか明かりに寄ってくるとはあんまり思ってなかったのもかかってて興味深かった。多いのは家の前の排水溝で大量にハッチしているユスリカ系。ユスリカ大量ハッチはケン一も来たときに気付いたぐらいでなんか魚が食いに来たら面白いのにナと思ってたけど、普段は底のU字溝をチョロチョロ流れている細い流れなのでソリャないナと思ってたら最近5センチないぐらいのハクが上がってきてて、ちょっと釣りたくなってくる。その他の張り付いた獲物としてはチョウバエに網戸すり抜けた羽アリとウンカの類、シバンムシとかもかかった。
廊下と空き部屋の石けん水にはやっぱりユスリカとチョウバエが多くかかっていて、たまにツヅリガ系?の衣類の害虫的な蛾もかかる。お家の中の虫達という構成。本命ネコノミもちゃんと飛び込んで溺れてる。
面白かったのが追加で設置した1階の三和土の罠で、地面に近いせいか2階に比べて格段に数も種類も多くて、ある種の生態系ができてる感じの多様性を垣間見せてくれた。
一番多いのはチョウバエでその他に蛾の類とかは2階と共通だけど、小さいカマドウマとか意外に多かったのがトビムシの類で、こんなのまで棲んでるんだとちょっと感動。
申し訳なかったのが、1階三和土の生態系における捕食者である徘徊性のクモの類も、走光性はないと思うけど獲物を追ってか溺れてて、掃除機のかけにくい1階のネコノミ対策の要だとも期待してるのでゴメンナサイという感じ。これだけ多様な生物群が居ればクモのような直接捕食者も居るし、卵や蛹なんかはカマドウマとかでも食べそうだしで、長期的にはその場で繁殖さえさせなければネコノミは彼らがやっつけてくれると考えている。繁殖されないようにしばらくは洗濯とかで1階使う時には長靴着用で刺されないようにしたい。
という状況で、掃除機毎日かけるの面倒臭かったけど早めの対処で4桁のネコノミの大群と戦うはめには陥らずに済みそうである。ネットで参考にさせてもらった体験者の「ノミ対策は何はなくともマメに掃除機」というお言葉は実体験からきた大変ためになる忠告だったと感謝している。
新たに、ネコノミ戦役に就く後輩達にも、同じ忠告を送ってあげたい。製薬会社とかバルサン焚けと宣伝してくるけど、ネコノミに関しては大量発生時の成虫が運良く耐性持ちじゃなければ死んでくれる程度で、場面によっては使いどころはあるんだろうけど、それよりなによりとにかく”何はなくともマメに掃除機”である。
実家住みのころ、休みの日に惰眠をむさぼっているとオカーチャンが「アンタいつまでも寝取らんと起きな!掃除機かけられへんやんか!!」とたたき起こしにくるのを五月蠅く思っていたけど、住環境を清潔に保っておくのは健康な生活の基本で実にそのあたりを世のオカーチャン共は歴史的に蓄積された知恵から分かっているということなのであろう。出かけるときに「ティッシュとハンカチ持った?」帰ってくると「手を洗ってうがいして」と小うるさく言ってくるのも、コロナ禍にあるなか実に基本に忠実な疫病対策であったと思い至るのである。母の日じゃないけど母に感謝する。いつも感謝しておけってことか。
カーチャンありがとう!!
2020年7月5日日曜日
ア~ナルほどね!
眠い。昨晩のシーバス4バラしが悔しくて寝付けず寝不足で、豆アジ釣りは完勝といっていい結果だったんだけど、睡眠周期がグダグダに乱れて昼寝して起きたら今18時半頃という体たらくで、頭が眠いんだか寝過ぎなんだかボケて使いものにならない。
ブログ書くネタは用意してあったんだけど、ちょっと細かい話を今の頭では書ききれないので、今回は最近目にした魚関連の報告でちょっと驚いた事案を紹介したりなんぞしてお茶を濁しておきたい。
基本魚は陸地を歩いたり空を飛んだりできないので、水路でつながっていなければ孤立した池などに自ら移動することはできない。最初に”基本”と書いたのは例外があるからで、皆様ご存じのようにウナギは雨の日に湿った陸地を歩いて移動可能だったりするけど、そういうある種の妖怪変化に近いような魚種ではなく、水から上げれば死んでしまうような魚が、いつの間にか孤立した池などに棲息していることがある。
近年では”外来種の密放流”なんてのに象徴されるように、人が人為的に放流する場合は”魚類増殖”の事業としても普通にあって、昔はため池の底の泥を抜いて掃除したら、コイだのフナだの入れて次の泥抜きの時に収穫したとかもあったようだし、人の営みとして昔から普通にあった話。
そうじゃないのに、人が水の入った容器背負ってとても行けるようなところにない山上の池とかにもなぜか歩いたり飛んだりできないはずの魚が居る。
なんでじゃろ?と昔から疑問に思われていて、証明はされていないけどおそらく水草に付着する粘着糸をもつような魚の卵が水鳥の羽とかに絡んで運ばれて運ばれた先で育つのだろうといわれていた。ありそうな話で、ただこれだと鳥が飛んでる間に卵が乾燥してしまわない程度に近い場所しか運ばれないという制限はあった(雨の日なら飛距離は伸びそう)。
ところがここに来て、水鳥の糞の中に未消化の状態で排出される魚の卵があり、それが魚の卵を遠くまで運ぶのではないか。という報告が飛び込んできた。以下抜粋すると「ハンガリー・ドナウ研究所(DRI)生態学研究センター(CER)の研究チームは、外来種として広く知られるコイとギベリオブナの卵をマガモに与える実験を行い、「マガモに与えた魚卵のうち0.2%が消化器内で生き残り、糞として排泄され、さらにその一部は孵化した」との研究結果を2020年6月22日に「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」で発表した。(出典:ニューズウィーク日本版7/2日配信)」だそうである。
ちょっと驚いた。植物のタネが鳥の分に混じって拡散されるのは有名だし、ちょっと前に無人島の小さなカタツムリがやっぱり鳥に消化されずに糞に混じって分布を広げていたというのも目にしていたけど、魚卵は普段から美味しくいただいている日本人としては比率としては低いにしても消化されずにそのまま尻から出てくるとは予想外だった。イクラ美味しくいただいてるロシア人もビックリだろう。
ちなみにギベリオブナとなっているのは要するにキンギョのこと。そうしておきましょう。深く突っ込むとエラいことになるのがフナ類の分類。
カモの腹の中なら、消化されるっていう別の問題が生じてくるけど乾燥してしまうことはないだろうから、カモが食べ物を消化するのに掛かる時間で移動できる距離ぐらいは離れた場所に拡散され得る。
羽に付着も否定されたわけじゃなく近距離ならありそうに思うけど、こんな遠くまでっていうのはカモの尻(CDC?)経由なのかもしれない。
なかなか目からウロコの研究報告で、こういう身近な、でも永らく謎だった事項に科学的な証拠がでてくるっていうのはとても面白い。こういう記事をお薦めしてきてくれるYahoo様には感謝である。
目から鱗っていうと、これがまた面白い研究報告が沖縄美ら海財団(水族館の)ほかからきていて、ジンベイザメの目は細かい鱗がびっしり被っているとのこと。目に鱗のある生き物って、昆虫の複眼とか鱗っぽい見た目だけど違うはずで、あんまり思いつかないぐらいで、世界は驚きに溢れている。
目を意図的に引っ込めることもできるようで、ジンベイザメは目を大事にしている様子がうかがえて、あの巨体のわりにつぶらな瞳でしっかり餌のプランクトンとか見ているのかもしれない。ちなみにホホジロザメは餌に食いつくときに反撃で目を傷つけられないように白目剥いて噛みつく。
これってジンベイザメだけなんだろうか?近い種類のサメっていうとトラフザメぐらいだろうか?誰か調べて欲しいところ。
昔はこういう生物ネタって”自前”以外では新書買って読んだり、科学系の雑誌立ち読みしたりしないと手に入らなかったけど、いまもろに科学系の雑誌が紙媒体じゃなくてネット版があったりして、ある程度タダで読めてネットのありがたさを痛感する。
ナショジオのサイトなんて一昔前なら確実に金払わねば得られないような記事が無料公開分だけでもお腹いっぱいなぐらいで、こんなに情報が安くて良いのかと戸惑うぐらいである。
ネットにはゴミでしかないような情報も溢れかえっていて、そういうクソ情報が邪魔して欲しい情報にたどり着きにくかったりもするけど、なかなかに面白い情報も転がってて、それが上手くすると布団に寝っ転がってタブレットでヒョイヒョイやるだけで閲覧可能で、オッサンは未来に来たなぁと感慨深く思ってしまうのである。
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