2020年6月28日日曜日

コサバの沼に足がズブッと入ったような気がする 妄想フライボックス


 浅棚で餌使って豆アジ釣ってるときには、仔サバはガーッと直線的にやってきて、刺し餌を躊躇なくパクッといくと、そのままグイィーッと浮子引っ張りこんでくれるので豆アジほど駆け引きの妙がなく釣りモノとしては豆アジの方が面白いなと感じていた。
 仔サバがほぼ”前進あるのみ”な感じの泳ぎっぱなしなのに対して、豆アジは胸ビレ使って器用にその場で停止もできるし、ビューッと刺し餌に寄ってきたのに直前で急停止して、何がお気に召さないのかプイッとそっぽ向いたりもして、なかなかに熱くなれる獲物である。
 そんな感じなので、仔サバなど口に入る大きさのルアーなり毛鉤なり用意したら苦もなく釣れるだろうという考えは、またこの時期紀伊半島では美味しい時期を迎えている柑橘のサンフルーツより甘くて、意外にコマセで活性上げまくっても派手目のフライには反応さえしなかったし、フライを小さくアミコマセっぽいピンクのにしても、食ってくるのに”食い込まない”感じで掛けるのが難しく、えらく難しくてそれゆえに面白くなってきた。

 たかが10センチかそこらの仔サバである。だとしても真面目に釣ろうとすると結構難しくて面白い。


 とりあえず前回釣行時に、こんなもんじゃろ、と用意したのが右の写真のような感じで、フライもいくつかあれば事足りるだろうってんで数も少ないしルアーのフックの箱に入れているあたりが舐めきっている。
 ラインシステムをカマスの時にブレイデッドのシンキングリーダーと間違えて買ったポリリーダーたらいうフライラインの切れっ端みたいなヤツが、ランニングラインとかに繋げば低番手用のシューティングヘッドとして使えるっていう記事もあったので、古いの何故か捨てられずにとってあったダブルテーパーフローティングラインを真ん中でぶった切って真ん中にポリリーダーを接続っていうのを試してみたら、意外に普通にシューティングヘッドっぽく使えて、これは安上がりで助かった。ターンしすぎる嫌いがあるかなとも感じたのでそのへんは微妙に切り詰めるなりして調整するべきかもしれないけど、まあインチキフライマンが振るぶんにはこんなもんで良いかなって思う。
 でもってフライは、賑やかしで引っ張り系の定番ウーリーバッガーとかも入れてあるけど、前回作って用意したのは黄色ミラージュの20番、胴が白にピンクのウィング20番、鮎毛鉤釣りで意外に調子よい「教授」の元ネタのプロフェッサー的配色の胴黄色の20番あたりで、アミコマセにマッチザベイト的に見た目を寄せるより、派手目のアピール力ある鉤で食わせりゃ良いだろうと思ってた。
 20番がいかに小さいかというのが、写真でご理解いただけるだろうか。上の白ッポイ「全身シリコン」がカマス用に使ってた大きさで4センチぐらいあるはず。中段の黄色フラッシャブーやピンクのアミっぽいのはマアジ用に巻いてみた12番ぐらいの大きさ。
 20番は2号のハリスがアイ通らなくってハリス0.5号を足して結んだけど、仔サバと同じような大きさの若アユ釣ってる毛鉤がこの大きさの鉤なのでひょっとしたら小さいのが効く場面もあるかなと用意した。

 ”フライで仔サバ”第1回目は大苦戦。コマセが効いて表層付近に仔サバがグルグルし始めて餌ではバンバン釣れる状況で、コリャ楽勝だろと投げ込んだ、12番黄色ミラージュが全く反応も取れず、次に12番のピンクのアミっぽいのは食うんだけど掛からず、20番の白ピンクにしても掛かり悪いのに苦労しまくるんだけど、何とか2匹釣った。
 ただ、このままのやり方ではどうしようもないなと思わされる程”釣りにくい”。全然まったく最適な釣り方ができてない気がする。餌では簡単に釣れているので、餌で釣っとけというのは一つの考え方なんだけど、もうチョイでなんとかなりそうな気がするのと、コマセサビキじゃ本物の餌じゃなくても釣れてくるっていうことから、なんか打開策があるんだろうなと感じて、もう少しもがいてみることにした。

 ラインを張ってハリがかりさせてしまうっていうのが、張った道糸に短いハリスのサビキ仕掛けで釣れることから、打開策にならないかと試してはみたけどイマイチ。
 とりあえず一瞬口をつかうけど、掛かるところまで食い込まないのがまずいわけで、どうすれば良いのか、ハリスを伸ばしてラインを緩めてとかも試すけど、ちょっと試してみたいことがあるのでフライを変えて再挑戦してみたい。
 最終的には味と臭いの魚皮サビキ的なのを巻いてあるのでそれも試したいけど、その前に、もっとアミコマセっぽいんじゃなくて”アミ”っぽいフライで勝負してみたい。
 どういうことかというと、アミコマセ撒いて活性上げたならフライもそれを意識してアミコマセっぽいのが良いだろうと前回白ピンクのフライで何とか釣果を得たところ。
 ただ、白ピンクのフライ以上に反応していたのがハリスの結び目で、コイツらアミコマセに反応しつつも、本来食ってる活アミだのケンミジンコだのサルパだのの動物プランクトンっぽい見た目のモノに反応してないか?という疑いを持ったのである。
 コマセアミと活アミは見た目も動きもだいぶ違う。コマセアミは白っぽいピンクで動きはゆっくり沈んでいく。対して活アミはピンクの印象があるかもしれないけど、実際にはむしろ”透明”というのが見た目一番の特徴であり、しかも泳ぐ。ケンミジンコやらサルパやら他の動物プランクトンも概ねそう。プランクトンが水中を漂って生活する生き物である以上、背景に溶け込むために体色は”透明”になるのが道理である。
 ピッピとフライを引っ張ってるときにむしろ結び目に勢いよく食ってくるのは、活モノの動物プランクトンっぽく見えてるからじゃなかろうか?
 という考え方に基づき、透明感を意識して2種類ほど巻いてみた。
 一つめは、鮎毛鉤釣りで透明なユスリカ抜け殻を偏食している時の対策で作った「借苦(ズィーロン版)」を鮎毛鉤の玉抜きで巻いたもの。写真の様にズィーロンの繊維を適宜摘まんで捻って束ねて短い軸の22番フックからシッポを垂らす感じで巻いて、余った分を折り返して適当な長さに切ってウイングにしたという単純なもの。
 ユスリカ抜け殻対策の鮎毛鉤としてはこの系統が一番簡単に作れて魚も良く釣れた。”透明感”が重要な局面なら良い仕事してくれそうに思うんだがどうだろう。

 もいっちょは、単純にハリスに使うようなナイロンラインをグリグリハリに巻こうかと思ったけど、そういう用途ならユスリカ蛹の胴に透明感を出すのに使う透明なゴムの素材があったのでそれで巻いてみた。
 ゴムの方が噛みごたえが良くて食い込んでくれるとかもあるかもしれん。
 正直この手の透明なゴム系パターンとしてはサビキ界の名作”スキンサビキ”がもろにそうなんだけど、あえてもっと単純にシッポも何もない”結び目”にちかい小さな透明なコブというのを目指して20番で巻いてみた。

 とりあえず今回考えたズィーロンアミパターンと、透明ゴム芋虫系パターンの2つでハリス色々いじったりしつつ試してみたい。
 これであかんかったら、魚皮サビキ、スキンサビキという実績充分なパターンをフライパターンに落とし込んで試すのかなと思っているけど、そこまでするならサビキ釣りしとけよっていう気もする。

 いずれにせよ、雨は上がって今日の夕マズメから夜にかけては天気も持ちそうなので夕涼みがてら出撃しておきたい。
 さーて釣れるかな~?

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