2020年6月20日土曜日

3日間楽しみたかったら豆アジを1束釣ってきて料理しなさい


 豆アジ大漁→天ぷら(唐揚げも可)→南蛮漬け、という必勝リレーは豆アジ料理の王道にして最高の味わい方であるというのは全国津々浦々の豆アジ愛好家の賛同をうることであろう。
 だがしかし、さすがに毎回それだとちょっとだけ飽きてくるうえに、毎食のように揚げ物食ってると太る。ワシ太りにくい体質だけどそれでも帯状疱疹でちょっと痩せたのを回復して余りある肥立ちの良さで、夏場体脂肪率は下げといた方が楽なのでどうしたモノか。
 週末釣り師で家族持ちなら豆アジ釣れている間は必勝リレーだけでも飽きもしなければ太りもしないんだろうけど、終末釣り師であるワシャ独居老人で隙あらば釣りに行くので豆アジが飽和状態に近い。
 というわけでちょっと揚げ物系以外の食べ方も工夫してみんといかんなといくつか試してみた。
 ちなみに冒頭写真のややゲロっぽい見た目のアレな丼モノは”豆アジ南蛮漬け丼”である。南蛮漬けに唐揚げじゃなくて薄衣の天ぷらを選択しているのは、天ぷらの衣が甘酢を吸ってボロボロと崩れた状態の3日目ぐらいのが、丼飯にかけてかっ込むと堪えられない旨さなので、定番は唐揚げだろうけどワシャ豆アジは天ぷら派である。天ぷらにしてウスターソースがちょっとアジフライっぽい食味で美味いってのもある。ウスターソースの絡みも当然天ぷらの衣の方が良くて相性が良い。

 塩焼きと煮付けは試すまでもなくやっていたところ。束釣りで全部揚げるとか時間かかりすぎるので、半分ぐらいは油をたっぷりめに敷いたフライパンで薄塩の塩焼きにしておいて、キッチンペーパー敷いた容器にいれて冷蔵庫で”焼き干し”的に乾燥させながら保存しつつ摘まんだりネコ様の餌にしたり、その状態から煮付けにして食べたりしていた。
 豆アジの素晴らしいところは、骨も柔らかく鱗も小さく気にならないので下処理なしで丸ごと調理してもいけるというところで、塩焼きも煮付けも丸ごとで美味しい。

 ただ豆アジ小さいといっても味の良さでは天下一品のマアジである、生食系や干物系も美味いのは間違いない。しかし豆アジの大きさで数10匹を通常サイズのように3枚おろしにしたり、鱗とったりは面倒臭くてやってられない。
 というわけでそれらを必要としない手抜き料理の開発が望まれる。

 まずは生食系、一度やってみたかったのが骨ごとタタいてミンチ状にしたのに酢をかけ回して食べる”なめろう”の酢漬け的な料理で、祖母がイワシとかでやってた料理なんだけど、当時はそういう魚丸ごとの旨さとかが分かる年齢じゃなかったので「生臭くて不味そう」としか思わなかったんだけど、歳食って思い返してみるとメチャクチャ美味そうで作り方を教えてもらってなかったのが悔やまれる。
 たぶん、単純に魚ワタぐらい取ってミンチにして酢をかけてしばらく放置して食う、っていうだけの単純明快な料理だったと思うので再現に挑戦してみたいと思う。
 というわけで作業工程自体は簡単。ワタは胸ビレのあたりを指でブチッと千切るようにしてエラごと引き抜くようにすると簡単に取れる。
 とったら2丁包丁で”チタタプ”していく、味付け兼”締まり”がいいようにチタタプの段階で塩若干ふりかけておく。
 「ゴールデンカムイ」公式ではチタタプの際にはメノコマキリと銃剣が使われているが、我が家にはないので文化包丁と出刃で、チタタプ、チタタプと唱えつつネットリと粘つくぐらいまでたたいていく。
 たたいたら器に盛って、酢をかけ回して完成。生姜があったらすり下ろしておきたかったけど不覚にも切らしていたので塩と酢だけでいく。
 見た目は表面が酢でちょっと白く締まってる感じとか、ばあちゃんの食べてたのと似た感じにできたけど、味の方は正直期待したほどではなかった。頭も皮もぶち込んであるのでやや雑味が気になる感じで、頭と尾ビレ由来っぽい骨の舌触りも気になる。
 「脳みそが美味しいのに」とアシリパさんには怒られそうだが、次回ヤるなら頭とシッポぐらいは除いたほうがいいかも。あとぶっちゃけネギと”杉本のオソマ”こと味噌ぶち込んでナメロウにしてしまった方が味が決まる気がする。”オソマ”を追加することについてはアシリパさんの賛同も得られるだろう。


 生食第1弾の”ミンチにして酢漬け”は要改良な感じだったのと、正直一人でミンチ状になるまでチタタプするのは面倒くせぇ。チタタプは本来一緒に食べる仲間共同で交代しながら調理するはずで独居老人が一人でぶつぶつ呟きながらやるのは寂しいモノもあった。
 ということで、翌日の第2弾は生姜も買って、前日の反省を生かして頭と尻尾は外して”せごし”を試してみる。骨は指2本級のタチウオと比べても硬くないのでそのままで問題ないだろう。
 調理方法はこれまた単純。いつものように頭の後ろあたりに包丁を入れて背骨を切って、頭引っ張ってワタも抜く。鱗はとらない。
 ワタ抜いたら3匹ぐらいまとめてシッポもってザクザクと切っていく。
 器に盛って、生姜すりおろして、酢を掛け回してめんつゆで味付けて完成。
 これはイケる。ちゃんとアジの味がするし骨も鱗も気にならない。
 っていうか、酢で締めなくても骨堅くないので普通に醤油で刺身として食べても、ゴマ油とめんつゆで和えて”タタキ”にしても大丈夫っぽい気がする。
 豆アジ生で食いたかったら、頭とワタ、シッポとって皮鱗骨ごとぶった切って食うで良さそう。頭とワタ取った状態から”酢締め”にしてそのまま食べても良いかも。


 これで生食系は目処が立った、お次は保存食系っていうか干物。豆アジ開いてごまふった味醂干しがシッポでつながったやつとか最強だけど開くのめんどくせえ。
 丸干しで、鱗もワタも取らずに釣ってきたのをそのまま塩水につけて干すだけでイケるかどうか試してみる。
 結果、イケました。ワタもこの大きさなら中に入ってるコマセとかの味も気にならないかんじで、鱗も小さいと気にならない。味はもちろんアジなので美味しい。
 料理というのも恥ずかしいぐらいの、塩水につけて干すだけという行程なので面倒臭くないのも非常に良い。
 ただ、この時期天気が晴れたり降ったりで安定しないので、天日干しだと湿度高くてかつ気温は高くて乾燥が進まないうちに痛み始めるということが起こり得て管理が難しいので、安全確実な”冷蔵庫干し”で作っている。
 10%食塩水1時間半でキッチンペーパーを敷いた冷蔵庫の棚に並べて、翌朝ひっくり返して半日後ぐらいから食べ始めている。
 ちなみに下の段に並んでるのは左からフライパンで焼いたものの備蓄、真ん中のジップロックのが南蛮漬け、右のタッパーに生食用という感じ。

 豆アジ料理の幅がだいぶ広がって飽きなく食べ続けることができそうだ。
 干物が冷蔵庫2段で50匹ぐらい、揚げ物か生食2,3食分で50匹ぐらい、フライパンで焼いて備蓄が50匹ぐらいと150匹ぐらい釣ってきても一気に処理ができそう。特に干物は余らせたら冷凍保存も利くので豆アジガッチリ釣りまくる体制が整った気がする。
 いつまで釣れるか分からんところだけど釣れる間は釣りまくりたい。

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