2019年3月30日土曜日

保菌者一等賞!


 賽の河原で父母のために石を積む子供達は、積んだ石の塔を鬼に崩されるという。
 昔の帝政ロシアだかソ連だかの拷問では、穴を掘ってはその穴をまた埋めさせられたという。

 努力が何の意味もなく水泡に帰すとき、人は絶望感にさいなまれる。
 そんな酷いことが、この21世紀の未来社会においてもう平成も終わるというのにいまだ放置されているわけがないかというと、現実には往々にして生じているモノである。
 例えば病気などというものから人はまだ完全には逃れる術を知らない。懸命に治療やリハビリにあたったとしても”薬石効なく”な場合も往々にしてある。
 なんて思わせぶりな枕で書き始めると「ナマジの健康状態は良くないのか」とご心配いただくやも知れませんが、そっちの方はボチボチで心配するほどのことはなくまあ良くも悪くもないんだけど、スピニング熱のほうが、また熱がーッ!!っていう感じでぶり返しており、桜も咲いたしシーバスも釣れ始めたし(ヘラはデコったけど)で、もう大丈夫だろうと思っていたのに、いとも簡単に再発してしまっている。

 管理台帳によると2月からこちら11台を買ったりもらったりしつつも、9台を売りさばいたり人様に進呈したりして、いまネットオークションにかけているのが既に入札されていることもあり、やっと目標の90台に収まる予定だった。
 その後は欲しいリールが出てきたら、棚卸しで使い切れないぐらい備蓄があることが判明したスピンフィッシャーを放出していけばいいやという感じだったのだけど、既に今週1台買ってしまい91台、ネットオークションで入札中のが1台と即決で買おうかどうか迷っているのが1台と、また収拾つかなくなりそうな物欲が爆発している。

 それもコレも写真の1台が原因で、その名も「キャリアーNo.1」ときたひにゃあ、キャリアーって病原菌の保菌者の意味だったのかよ?と偶然にしても皮肉が効いてるなと思う。
 なんで、既に持ってるのをまた買ったのかと、またナマジは”大事なモノには予備が必要だ”とかいって同じの何台も買い集める悪癖が出たか?と思うかも知れないし、それもあるんだけど、仕方なかったんですよ。


 だって、コイツ1,296円だったんですもン、奥さんそりゃ買っちゃいますよネ~。

 例のマイコンNo.6を買った中古釣具屋のワゴン、そう毎回掘り出し物があってたまるものかと思ってたし、それなりの掘り出し物があっても、もう手を出さないぐらいには病状収まっていて、別の中古屋ではD・A・M社のリアドラグの小型スピニングがワンコインぐらいで売ってたのも、これはアワせてもカラツン!とばかりに手を出さなかったぐらいである。
 でも、高いリールの陳列棚から眺めていって、ゴミスピワゴンに視線を移していくと、どうにも我が家にもあるキャリアーっぽく見えるリールがある。心臓がドクンと高鳴るのを努めて冷静に「樹脂製で黒い無塗装に赤い文字のシールなんてのは安リールに良くある良くある」と落ち着かせながら、殺気が漏れないように気取られないようにとスルスルッとそちらに音も立てず忍び寄っていってシュパッと手に取ると、どう見てもキャリアーNo.1である。
 でもお高いんでしょう?と値札を見ると、ワゴンにぶち込んであるんだから大した値段なわきゃァなくて、もう一度書くけど1,296円のゴミスピ一歩手前の価格。
 おかしいでしょ店員さん!と抗議して値段を高く付け直してもらいたくなる混乱した衝動を抑えて、震えそうになる手を押さえながらレジへ急ぐ。
 へっへっへっ、金払ろてもうたらもうワシのモンや、今更返せっちゅうてもそれはデキひん相談でっセ。と、再開発計画で値上がり確実の土地を老夫婦からかすめ取った地上げ屋のような下卑た満足顔で店を出た。

 キャリアーで人気があって何万円もするのはもう一つ小さいSSサイズだけど、No.1だって悪かないし、正直特定の機種だけ異様な値段が付いているのを見るとバカバカしく思う。とはいえ弾数多くなくネットオークションとかでもあまり見かけないキャリアーのNo.1がたまたま中古屋で安く売ってるなんてのは驚き以外のなにものでもない。
 意外にSS以外は値段付かないのでオークションにもかけないだけで中古屋とかではワゴンに並んでよく売られてるんだろうか?そんなわきゃないよね。

 キャリアーは弾数少ないから入手しにくいかも知れないけど、タックルオートとかタックル5あたりのNo.1サイズって上手くすると2千円切るぐらいで入手可能で、かつ渓流からバス釣りからフッコ釣りぐらいの軽めの塩水の釣りまで、ルアーなら身近な釣りをだいたい射程に収める汎用性の高さがあって、絶対いま安くてそれなりに弾もあるうちに買って損はないように思う。値が上がって転売したら儲かるとかいう意味じゃなくて、安く”使える”リールが手に入るっていう意味でね。
 まあ、どのぐらい使えるかってのは、ナマジのフィルム時代の懐かしいの釣果写真達でご確認を。ワシもなかなかヤルもんやな。放流してるヘラごときでデコって凹んでると自分がド下手クソに思えてくるけど、そこまで悪くないヤね。

 キャリアー2台目が手に入り、なんとスペアスプールありの体制が整ってしまった。
 しまったんだけど、実は以前からキャリアーもう一台は手に入りそうにないけど、同じスプール使ってそうな樹脂製のマイクロセブンC1なら入手できそうだなという思いはくすぶってて、マイクロセブンCシリーズもそれほど高”値”の花というほどでもないので買っちまおうかと悩んだけど、90台に収めなきゃならんし止めておこうといったん症状落ち着いてたのに、キャリアーが呼び水になってまた欲しくなってきてしまっている。スプール交換はたしてできるんだろうか?私気になります!

 そうやってもう少しで目標達成だった目論見が脆くも崩れ去ってしまうと、アタイもうどうでもイイの、とハスっぱな台詞を吐いちゃう自暴自棄な気持ちも芽生え、シャブ中がなかなかシャブ止められんように、良くないことだと分かっているのにネットオークションでポチッと入札したりしてしまうのである。
 今の世の中は部屋に居ながら、それこそ世界中からお買い物ができるという、おそろしく欲望をかきたててくる世界になっている。まさに未来に生きているなと感じる。
 もういっそ、海外のオークションあたりで段ボール箱いっぱいに詰まった緑色のスピンフィッシャーとか老後の蓄え切り崩してドカンと買っちまって、チマチマ整備して売っていこうかとか考えてしまったりもする。
 しかし外国のスピニング熱患者にもモノすごいのがいるなァ。
 ワシの部屋の安ダイヤがいつの間にか増えてるのぐらいどうってことない気もしてくる。タックルAがいつの間にやら3台に。うち2台は送料入れると2000円ぐらいかかってて今回のキャリアーNo.1より金かかってるという冗談のような事実。
 さすがに、タックルAよりキャリアーはしっかり作られているしモノとしてのデキは違うようにワシでも思う。


 ちゅう感じでスピニング熱治りませんッ!もういやッ!!

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