確かに自然界にないので分解されにくいような人工合成物を人間様は作っちまって、そのために自然環境が汚染されてしまったりなんてのを聞くと、天然の方が安心な気がするのは分かるが、人間が作り出した最強レベルの毒であるダイオキシンでも天然の毒であるボツリヌス毒素なんてのに遠くおよばなかったりするのをみると、天然もおっそろしいなと、ゆめゆめ油断はできぬモノと思うのである。
天然素材だから安全安心だというのは幻想に過ぎないだろう。
天然の毒物で過去に私がくらった中で最悪だったのは、チャドクガ幼虫の毒で、高校の時に中庭の椿に毛虫が湧いているのに気づかず、窓から出入りするというお行儀の悪いことをしているときに椿に背中を擦ってしまい、しばらくして猛烈なかゆみに襲われた。
密集している毛虫たちにシャツごしに接触したようで、背中半分ぐらいの広い範囲が気が狂いそうにかゆく悶絶した。皮膚科に行くと首あたりまで赤くただれていたので「毛虫ですね」と一目で先生分かったようでステロイド軟膏を出してもらった。
毒生物といえばハチにも何度か刺されて痛かったけど、釣ったアイゴとハオコゼにも刺された経験があり、いずれもハチ以上にズキズキに痛かったのを憶えている。
魚で毒針というと、他にもゴンズイやミノカサゴ、死亡例もあるアカエイ、オニダルマオコゼなんてのも海に行けばいるのでくわばらくわばらである。
海に行くと魚以外にもおっそろしい毒生物はいて、身近なところではちょうどお盆ごろに海水浴場でもみられるアンドンクラゲなんてのも、水中で見つけて「あっち行け!」と手で追い払おうとしたら逆に水流で引き寄せてしまい水中でアワ食いつつ刺されたりしてヒリヒリと痛かった記憶がある。近い仲間のクラゲには沖縄のハブクラゲやら豪州のオーストラリアウンバチクラゲ(キロネックス)なんていうヒリヒリ程度で済まない人死が出るクラスのもいてこれまたくわばらくわばらという感じである。
クラゲではカツオノエボシやアカクラゲといった触手の長いクラゲも、釣りしていて要注意である。ルアーのフックとかに触手だけからんで揚がってくることがあったりするけど、見た目ビニール片のようなので不用意に触ると、ビリビリと痺れるような痛みがくる。カツオノエボシをして電気クラゲとは言い得て妙だなと感心するぐらいのビリビリ具合である。
毒生物って、恐ろしいのとともに、それ故にとても魅力的でもあるとも感じていて、警戒色の青いリングが特徴的なヒョウモンダコとか、アンボイナやタガヤサンミナシなんかのイモガイ系とかも、美しいのもあってとても惹かれるものがある。海で見たことはまだないが怖いもの見たさでいつかお目にかかりたいモノだ。
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