2015年5月9日土曜日

「クレイジー」とくれば、バスマンなら「クローラー」、GT野郎なら「スイマー」、ジョジョファンなら「ダイヤモンド」


 ルアー図鑑うすしお味第4弾は、クレイジースイマーです。
 
 まあジャパニーズGTルアーはこのあたりから始まったということだと思います。前回のスカッダーや次回書きそうなハワイのピリーとか、オーストラリアのローカルGTルアーあたりを参考にしたのかなと思いますが、石垣島に移り住んでフィシャーマンブランドでロッドやルアーを作り始めた鈴木文雄氏がデザインし、実釣で鍛え上げつつ、今も巨大な170とかのサイズで作られ続けている超有名名作GTルアー。基本スイマーというカテゴリーのルアーは早引きで泡を引きながら尻振りながら泳いでくるという、トローリングヘッドみたいな動きをします。「泡引きポッパー」ともいったりもします。私がロウニンアジの釣りを始めたころには、しんどい早引きじゃなくて、バッコンバッコンと竿を煽ってポッピングする方法が流行りつつあったので、早引きよりポッピング多めで使ってました。ポッピングに適したバランスのモノには背中に「P」と書いてあったりしましたが、そうでない個体でも概ねポッピングもできました。

 B級でもマイナーでもまったく全然ありません。でもまあ今時の170とかのデカいクレイジーズイマーとか今時のカラーしか知らない人にはあんまり見たこと無いルアーだろうと思うし、古い人には懐かしいかもしれない話も書いてみようかなと思います。


 左の写真の3つは中古屋でゲットしたのですが、私がロウニンアジ釣りを始めた90年代半ばより以前の製品のようで、背中に「FISHERMAN」の表記がありません。でもカラーリングの感じとか、後部のステンレス線の処理の仕方とかからみてクレイジースイマーのわりと初期型で間違いないと思っています。最初のモデルはもっと細長かったとどっかで読んだ記憶が。この時代のは割とレアものかな。だとしても塩水系のルアーってべつにコレクターがいるわけでもなかったりするので、こうやってデータ化して公開でもしておかないと、歴史も過去も振り返ることすらできないと思うので、振り返ることに意味があるのかどうかも分からんところではあるが、書き留めておくことにする。




 でもって、右のが私がロウニンアジ釣り始めた時代のクレイジースイマー。背中の「FISHERMAN」表記が見えるように背中側から撮影してますが、真ん中のオレンジの背中のには「90/96」と書かれているのが確認できます。これは90グラムクラス(必ずしも実測重量と一致しなかったりする。バスルアーの5/8OZとかと一緒)で1996年の生産という意味です。まさに私のGT元年に買ったルアー。結構消耗して「P」のつく個体とか1個も残っていませんが、たぶん残っているのはポッピングが「苦手」な個体なのかな。




 この頃のカラーリングは今時のGTルアーの手の込んだモノと比べるとシンプル。せいぜい背中と腹と色が違って背中に縞が入ってるぐらい。でも、このぐらいのシンプルなカラーがルアーらしくて良いし、あんまりカラーリングに凝ってその分値段が上がるのは歓迎できない。左の水色はカップが蛍光黄色だけどボディーは水色一色で、これが結構な人気カラーで「ムーミン色」と呼ばれていた。ムーミン、トーベ・ヤンソンの原作挿絵とかでは白いけど、日本のアニメ版ではたしかにこんな色してた。
 クレイジースイマーから派生したGTPの105ムーミン色で永らく自己記録だった18キロを釣っている。

 
 右のこいつはクレイジースイマーじゃなくてGTPだけど、歯形とフックサークルでボロボロになるぐらいまでパラオで釣った個体で、緑と白のツートンで実に良い塩梅のカラーデザインだと思う。最近のGTルアーのカラーではキリバスで使ったクラフトベイト社GT-2のピンククマノミなんてのが、シンプルでポップで楽しいカラーリングでとても良いと思った。南の島の明るい空の下ではカラッとポップで安っぽいぐらいのシンプルなカラーが気分である。
 ちなみにクレイジースイマーの派生ルアーとしては、引き抵抗軽くするためにカップの下を削った結果ポッピングもしやすくなってるこのGTPと、リアフックだけのキャスティングマーリンと言うのがあったと記憶している。


 ただ、90年代当時の塗装は、剥がれやすくて難儀した。左の黒もワンバイトで塗装が剥げまくった。最近のGTルアーは車の外装用の塗料を使ったり丈夫な塗装になっている。まあ、それでもボロボロにされるし、ボロボロになったルアーを見て、想い出の海に、心は再び旅立ったりしちゃうんだけどね。




 GT用ルアーの小型版って、可愛い上に性能も良かったりして、シイラ釣りとか用に結構所有している。そのうちのいくつか。50グラムサイズと一番下は30グラムサイズ。ついでに右の2個は背中に記載無しでチョット古め。
 カタログ見ると10グラムサイズというメッキ釣りサイズもあるようだ。




 クレイジースイマーも、今時は凝ったカラーリングで、サイズも170グラムサイズとかあって、今の釣り人はそういうのがGTルアーだと思っているだろうし、それが当然だとも思うけど、私は私がロウニンアジ釣りを始めて修行した時代の90年代のクレイジースイマーにこそ、GTルアーらしさとでもいうべきものを感じるのです。
 GTルアーらしさというか、海のルアーらしさとでもいうべきでしょうか。トローリングヘッドとスカートのカラーパターンとか漁師のバケの鶏の毛の染め色のパターンとかにも通じる、紫、ピンク、青、黄色、緑、白、黒とかを割と単純な組み合わせであしらった感じ、あとワンポイントの赤とかの色使い、何が来るか分からない海の獲物を想定したシンプルな機能と丈夫な作り、なんかが「海の基本」だと思うのです。
 。

 今回の最初の集合写真も、そんな海のルアーらしい色が目に眩しいように感じたところです。

2 件のコメント:

  1. おはようございます川尻です。
    シーバス、短い時合のチャンスタイムに無情の雨とは厳しかったですね。昨年と似た状況なので、6月もチャンス有りそうです。平日も行ける時有ったら行きましょう。

    ルアー、シーバス編も有ったら楽しみです。。

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  2. ホントに「ここで降るかよ!?」という極めつけのタイミングで降られました。天気には勝てません。

    6月までチャンス見つけてリベンジしたいですね。

    シーバスルアーは今のところチョットだけ出てくる予定です。

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