2015年5月23日土曜日

ジギングの発祥の地は北欧なんです


 ルアー図鑑うすしお味第6弾。は北欧モノメタルジグ三点盛りでございます。


 上から、スティングシルダー(社名同じ)、ソルブクローケンのピルケン、ABUのシャイナーでございます。
 言葉が変になってございますが気にせずつつけさせていただきます。
 産地は上からノルウェー、ノルウェー、スウェーデンとなっております。

 北欧スカンジナビア半島の国の位置関係は「乗る上」で、北がノルウェーと憶えておきましょう。地理の試験に使える知識です。地理の試験受けるような学生さん読んでくれてますか~?



 北欧ルアーメーカーって何気に金物作ってるなと気がつく釣り人も多いかと思います。実際にスプーンやメタルジグは結構作ってます、メジャーなABUはメタルジグは他にエゴン作ってますし、スプーンも名作トビー始めいろいろ作ってます、ソルブクローケンでもスプーンのパラバンとか、他にもマイナーメーカーモノ含め金物沢山作られています。
 スプーンはタイセイヨウサケ、ブラウントラウト、パイク、パーチあたりを釣るんだろうと想像に難くないですが、ジグがいろいろ出てくるのはなんでだろうと、不思議に思うかも知れません。
 これは、おそらく「タラ類」を釣るために作られたのではないかと私は考えています。次回とあわせてそのへんを掘り下げようと思いますが、メタルジグに関してはありとあらゆる種類のジャパニーズメタルジグが売られている今の日本の釣具屋の状況を見ると、イマイチ想像しにくいのですが、メタルジグの元々の本場は北欧始めヨーロッパで、今の日本のジギングの源流はそっちにあるんだと思っています。そして欧州からアメリカという流れがあって、アメリカでもバス用のカストマスター、クリップルドヘリングなんてのの小さいヤツもありますが、そっちは海の使用が多いジャパニーズスタイルのメタルジグにはつながっていかなくて、東海岸のストライ-パーやらブルーフィッシュやらとやっぱりタラ系とか釣ってた、ダイヤモンドジグとかルーハージェンセン製のデカ物たちが、日本のジギングへとつながっていったのだと考えています。

 その辺のデカ物のジグ達については次回にといたしまして、ヨーロッパのタラ類について、ひとくさり書いておきましょう。
 タイセイヨウタラは英国とアイスランドのタラ戦争の原因となったぐらいに、ヨーロッパでは重要な漁業資源であります。
 英国は食い物がイマイチな国として定評がありますが、その中では朝食と紅茶とウイスキーとフィッシュアンドチップスは、まあ美味しいと言われていて、フィッシュアンドチップスの主な原料は、「THEコッド」であるタイセイヨウタラのほか、小型のタラ科の別種、ポラックやらハドック、他にアブラツノザメの類やカレイ類、カスベ類等も使われているようです。
 英国に限らず欧米では、タラの仲間に代表される、白身で軟らかくそれほど脂がのっていない淡泊な身質の魚は好まれていて、一昔前ならメルルーサと呼ばれた一連の南半球産のタラ科じゃないタラ目メルルーサ科の魚なんかも世界中から買い集めていたし、最近ではニュージーランドのタラ目マクルロヌス科のホキなんてのが世界中に「白身魚」として供給されていたりする。
 ホキは皆さん白身魚フライとかで知らないうちに食ってると思うし、スタンドアップファイターの皆さんなら、NZのホキ漁のトロール船の後ろにくっついて、網からこぼれたホキを飽食している巨大マグロを狙うなんてのも目にしたことがあるかもしれない。
 
 チョット脱線しましたが、ことほど左様に、欧米ではタラの仲間は特別な魚なんです。
 そういうタラ類に対する熱い想いを持った人が「英語では同じタラの仲間でも日本語のスケトウダラのように「○○ダラ」で済ませずに、ポラックとかハドックとか呼び方が違う。タラの仲間に関しては英国人の方が日本人より親しみを持っているんです。凄いでしょ。」とか書いているのを見たことがあります。
 微笑ましくもありますが、我々日本人にタラぐらいしか食ってない英国人が魚に関して勝ったなどと思うのはチャンチャラおこがましいと、ここで反論してたたきつぶしておきましょう。
 日本人だってタラ科の魚でも「コマイ」なんて「○○ダラ」じゃない名前を付けるぐらいはやってます。当たり前。
 ご指摘のように日本でタラ科でないタラ目の魚に「○○ダラ」の名を付けることが多いといわれればそうですが、逆に英語をみれば、もっと酷くて何にでも白身の魚に「コッド」と名付けやがって、いい加減にしろといいたい。アイナメの仲間にリングコッドはタラ目ですらないにしてもまだ許せるが、ハタ類全般的にコッドって思いっ切りカブってるやないかい。グルーパーとごっちゃにしやがって。
 そのへんよく反省してからもの言ってこい、という話であります。まあそれだけ、欧米ではコッドは特別な魚というかコッド以外はあんまり魚扱いしていないということだと思います。
 なので、北欧でもメタルジグを深くまで沈めてしゃくるという釣法を考えてまで、タラ様を釣りたかったのだと思います。まあ、スプーンの遠投特化版としての需要もあったとはもちろん考えられますが。
 

 ということで、ノルウェー製のスティングシルダー。
 もの凄い昔からあります。
 小学生時代の愛読書、小学館の「釣り入門」といえば三平君の表紙が懐かしく思い出せるオッサン世代ですが、その70年発行らしい入門書にルアーとして紹介されている一つにスティングシルダーがあります。たぶんもっと昔からあって、メタルジグはジャパニーズ高機能メタルジグの登場までは、こういう金属片に鱗模様切ってメッキして目を貼ってというのと、ダイヤモンドジグのようなモロ金属片そのものの2パターンしかなかったのかと思います。


 おケツの所をよく見ると「MADE IN」までしか書いてないのだけど、ひっくり返すと腹側上にした文字で「NORWAY」と来る。

 実に渋い味わいである。 











次に、ソルブクローケンのピルケン。こいつは外国勢としてはいち早く、反射板を装備して人気を博した。もともとはスティングシルダーと同じように、鱗模様の付いた金属片タイプだったのに金型作り直さず、そのままその上に反射板シートを貼り付けてコーティングしている。その、やっつけ仕事ぶりが、尻の方の反射板の切れたアタリに注目するとおわかりいただけると思う。
 でも、反射板でアピール力強化したおかげか良く釣れるルアーで、こいつもシイラかカツオ釣った歯形だと思うが歯形だらけである。
 シーバスジギングにも使っていてそれ用にフックをPEで2本ぶら下げてる。



 ABUのシャイナーは、金属片であるメタルジグのアピールを考えると、反射する素材を貼り付けたいんだけど、単に貼ってコーテイングしただけだとすぐ剥げちまうので、どうにかしようとして分厚いプラスチックのコーティングを施したという感じだと思うんだけど、正直コレは使ったことがない。この手の厚いプラスチックコーティングのジグとしてはダイワのファントムが安くて良く釣れる名作だったので、もっぱらそっちを愛用してました。
 でも、子供が描いた魚のようなフォルムといい、可愛いルアーなので持っています。




 てな感じで、メタルジグ編突入しましたが、ジギングさっぱりご無沙汰なので、最近のジギングのトレンドとかあんまり知りません。
 最新のジグの評価とか全く書くつもりも能力もありませんが、日本のジギングがここまで流行った流れの源流のアタリをちょっとほじくってみようかなと考えていますので、しばしお付き合いください。

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