2015年4月26日日曜日

フランス人全てがオシャレでもなければイタリア人全てにデザインセンスがあるわけでもない

 「薄塩味のルアーの楽しみ方図鑑列伝攻略法カタログ」第2弾ってシリーズ名なげーヨ!
 ということで、今後略して「ルアー図鑑うすしお味」でよろしくです。第2弾は軟質ボディーモノでいきます。

 おフランスって「ふらんすに行きたしと思えども、ふらんすはあまりに遠し」なんて昔の詩人が憧憬したぐらいの、オシャレな国で、釣り具関係でもミッチェルだのメップスだの、おフランス感あふれるオシャレな製品を産出しまくっている。

 ルブレックスもスピナーは普通にオシャレな感じなんである。でもプラグを作らせるとなぜか、この写真のフロピー。

 ぜんっぜんオシャレじゃない。軟質ボディーに、リップの角度が変えられるギミック付きと、むしろ変態っぽい。名前もノリピーみたいな軽いノリで軽薄な響き。

 こういう退廃的な変態的美学もフランスっぽいといえばそうなのだろうか。 
ノリピーも清純派アイドルだったのに覚醒剤使用で捕まって、元アイドルがシャブを「あぶり」で嗜むとかの絵面を想像すると退廃的で背徳的でなかなか衝撃的だったので、芸能ニュースなんてほぼ興味ない人間だけど記憶に残っている。

 ここまで3つのルアーを紹介してきたが、どれもネットでは語る人も多く、「B級ルアー列伝」だとフロピーなんか後期型のボディーがハードプラスチックになったバージョンなんかも出てきたり、さすがと唸らされるところで、ここまで読んで「何だ、ナマジもたいしたことないな、パクリ企画が本家以下とか読む価値無いジャン」と思われたかも知れない。
 
 お待たせしました。そろそろ本気出します。


 イタリアから来ましたバラクーダルアーです。

 まあ、こんなルアー紹介したところでほとんどの人が素通りだろうし、「そんな海外旅行の土産物なら確かにマイナーだろうけど、日本じゃ誰も知りもしないってだけジャン」と思われるだろう。

 違うんです。

もう、このブツを知ってる人には「アレをナマジ氏は買ってたか!!」とあきれられることが確信できるのですが、80年代とかに普通に日本の釣具屋のルアーコーナーの隅にホコリかぶって売ってたしろものなんですこれが。ちなみにワームみたいな軟らかさではなくもう少し堅め。
 同じメーカーのゴリっぽいやつとかもあって、安くて安心のブレットンスピナーの後ろにつけてメップスミノーもどきのブレットンミノーを作ったりもしてました。なので輸入代理店とかがあって日本の釣具屋にある程度流通させていたモノなんです。たぶん。

 でも、今ネットで検索かけたらまったく引っ掛かってこない。オレが書かなければたぶん歴史に埋もれてしまうんじゃないかというぐらいのマイナーさ。もう書いてる本人も「イタリア製なんて珍しいな1個買っとこ」と買ったけど、何をどう釣ればいいのか分からずパッケージに入ったまま残っているぐらいのしろもの。ゴリっぽいやつはスピナーとのコンビでチビバス良く釣れましたが、こっちはもう投げる気がそもそもしなかったというレベル。
 
 今時でもあるんだけど、単に魚の形に似せて軟質ボディーで作りましたリアルでしょ?っていう、デザインセンスの欠片も感じられないクソダサさ。そりゃ当時からホコリかぶるわなと納得の逸品。

 イタリアってったら、車でもランボルギーニとか死ぬほど格好いいデザインの製品産出しまくりだが、このルアーのデザイナーさんのセンスはどうなのよと責任を追及したい。

 まあ、日本でも水産業界紙(「水産週報」とか「水産経済新聞」とかあるんですッ!)の端っこの宣伝見てると、漁具にまんまカツオとかサバとかの形した軟質ボディーの「まるっぽシリーズ」とか売ってるのを見たことあるので、どこの国でもこういうこと考えつく「戦犯」はおるんだなと思うとります。
 よく考えたらフランスにも「戦犯」いて、さっきも書いたメップスミノーのミノーの部分なんてまさに魚の形で軟質ボディーなんだけど、そこにスピナーとコンビ組ませちゃうとオシャレで格好良くなっちゃうという不思議。

 ついでに、業界紙の宣伝コーナーで見た漁具としてのルアーで最高だったのが、「イカが抱きついたら放さない!」とかの宣伝文句もネーミングセンスも秀逸な「おっぱい針」。
 いか釣り漁船ってイカ角いっぱい付けた縄をドラムに巻き付けながら自動でしゃくる「自動いか釣り機」を20台以上舷側にぐるっと並べて操業するんだけど、イカ角はコストや扱いやすさの制限から胴とハリで構成されるシンプルな形のルアーになっている。その胴の色についてはイヤというほど試行錯誤されてきたんだけど、その歴史に胴の素材の柔らかさという新機軸をひっさげて参入してきた「おっぱい針」、イカが本当に柔らかいと抱きついて放さないのか、エギだと表面の布が無くてプラスチック剥き出しだとすぐ放すとかも聞くのでそういうこともあるのかもしれないが、それにもまして「おっぱい」という、柔らかさを表現するのに、これ以上海の男が納得する単語は無いんじゃないかというド直球なネーミングの吸引力があってこそ、大ヒット業務用イカ角になったのだと思う。

 実力があっても時代の要求やら歴史の綾やらで日の目を見ずに消えていくルアーも多い。
 ネーミングセンスやら宣伝やら伝説やら、ルアーの持つ実力とは別に、ルアーに魅力を与える要素があって、そういう部分も含めてルアーって面白い「嗜好品」だと思うのである。

2 件のコメント:

  1. うわ~すげーな。どれも見たことない。爆

    でもなにがすごいって、今持ってること。なんで残ってるんですの?笑

    当方、小学4年生の時に初めて買ったリール用の竿が、2ピースのルアー用ロッド
    でした。グラスの安物でメーカーも不明。当時3千円後半でした。それだけはある。
    雷魚釣れなかったなー。70’sの田舎の釣り具では鉄板打ち抜きの金属片スプーン
    オンリーだった気がする・・・。     Kazu 


    あ、うちのBBS書き込みありがとうございます。サクラマス釣ったの私じゃなくて
    ネット友達のRANさんです。笑 私は・・・・・まだGW来てませんです。はは。 



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  2. 80年代のガキのころ買ったルアーなんて、なんで今でも持ってるんだろうと自分でも不思議ですが、「蔵」から出てくるんですねこれが。
    自分では「コレクター」では無いと思っているので、ほとんどが「これ面白そうやな、今度つこてみよ」と普通に売ってる時に買ってるので後からプレミアついた価格で買ったりは「あんまり」してないのですが、変なルアー結構あります。

    サクラマス、良いの釣ってるなと思って早とちりでした。失礼しました。

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