2014年12月27日土曜日

今年のベスト3(エンタメ編)



 仕事は一応来年にまわせる仕事は来年まわしの、いつもの、未来の自分に苦労をかけるパターンでなんとか正月休みに突入しました。明日から気仙沼です。さすがにもう釣り船も年末年始予約いっぱいでとれず、今年はオカッパリのみとなりそうですが、まあ、港でのんびり根魚やらチカやらとたわむれるのもまた楽しからん。

 その年のベスト3を選びつつ、こうやってブログで1年を振り返るのも3回目となりました。いろんなことを思い出しながらの作業は、わりと楽しいです。皆さんも今年1年、いろんなモノのベスト3など思い出してみると楽しいと思うので暇ならやってみてください。

○本:1位「フライ・フィッシング」、2位「シャンタラム」、3位「渚から来るもの」
 昨年はマンガばっかり集中して読んでたけど、今年は活字本も普通に読みました。やっぱり活字も面白い、やめられん。グレイ卿との時空を超えた釣り人としての連帯感、シャンタラムの長編小説読む醍醐味、久しぶりに味わう開高節に覚える「そうだ、開高先生の小説ってこんなに面白かったんだよ!」という再認識の喜び。その他にもオレ的出たら買う作家トリオの池澤、梨木、高野3先生が精力的に書いてくれているのも心強いし、若い桜庭、西尾両先生あたりの才能も要チェックだし、元祖全作品は読み切れない系作家の獏先生、椎名先生あたりも若い作家に負けない「生産力」でゴリゴリ書いてくれているのも頼もしい限りである。紙でもデータでも「積ん読」状態の本がまだ何冊もあり嬉しい悲鳴をあげつつ端から読んでいる状態である。

○映画:1位「電人ザボーガー」、2位エヴァンゲリオン新劇場版「Q」、3位「フルメタルジャケット」
 「アナ雪」なんぞはベストに数えてやんないよ、って具合のサブカル親父チョイスになっている。「電人ザボーガー」は、たぶん40代、50代のオッサンって、今会社とかで一番権力があって発言力がある世代だと思うけど、そういう世代のオッサンが好きなように企画して作って楽しんだというのがありありとわかるオッサンホイホイな特撮モノ。B級な感じは出しつつも割とまじめに手を抜かず作っている感じが良い。「エヴァQ」はネットのオタクどもの評判は今一だったが、地上波でみたら面白いジャンよ。来年は新作公開されるみたいだし映画館で観ようかな。「フルメタルジャケット」は各種パロディーに親しんできた身としては、ネタ元を確認する楽しさも堪能したが、ベトナム戦争ものとして映画としても純粋に面白かった。映画はまだみたい作品あるんだけど、2時間なり3時間集中する時間がなかなか作れない状況。まあ急ぐ必要もないさというところ。

○マンガ:1位「それでも町は廻っている」、2位「極黒のブリュンヒルデ」、3位「ましろのおと」
 正月休みの帰りの新幹線の中で「それ町」夢中で読んで「年の初めからこんな面白いマンガにあたるってことは今年はマンガは豊作かも」と思った。豊作だったのは間違いないが、結局一番本作が面白かった。どうってことのない日常系+ミステリ+その他なんだけど抜群の面白さを醸し出すセンス。最近知ったマンガ家ではこの石黒正数と「空が灰色だから」の阿部共実が異質の才能をみせつけている新しい世代のマンガ家だと感じているが、阿部共実は「このマンガがすごいオンナ版」で1位とって、世のマンガ読みどもも私と同じように驚きを持って読んでいるのだなと思ったところである。
 「極黒」は、エロ有りグロ有り萌え有り何でもありの力一杯のてらいのないエンタメ作品だけど、これがなかなかどうして、超能力バトルものとしての面白さも超一級品、ジョジョシリーズと比較しても遜色ないと太鼓判を押す。いよいよラストかと思ったら、第2部突入らしく、人気作なのでスッキリ終わらせてもらえないのはジャンプ系のさだめか?グダグダになるもよし、さらにヒートアップすればなお良しである。
 3位を何にするか、面白いのいっぱい読み過ぎたので迷った。最後自分の心に「お前が今次巻を一番楽しみにしているのはどれだ?」と問うて「ましろのおと」という答えが脳内スクリーンに浮かんだのでその答えを採用した。表現者の苦しみや情熱を描いた作品などこれまでもいくらでも書かれてきたはずだが、それでもなおやっぱり面白いものは面白いと思わされる「津軽三味線」マンガ。他人様にすすめるなら本作か。
 マンガは面白いのが書かれ続けて活況のジャンルとなっておりこれからも期待しまくり祭りである。惜しむらくは昨年からイチ押ししている「ヒナまつり」がいっこうにブレイクのきざしがないところだが、はよみんな気づいてやってくれと願うばかりである。

○アニメ:1位、「シドニアの騎士」、2位「スペース☆ダンディ」、3位「のうりん」
 上位2作品は宇宙モノだがまったく味わいや趣は異なる。でも、どちらも極個人的に好みのツボにはまりまくって1位、2位は迷う必要がなかった。3位に何を持ってくるか、今年はアニメも面白い作品が多かったので悩んだ。「ジョジョ3部」や「寄生獣」も今時の映像技術で素晴らしいアニメになっているが、こんなもん普通にまじめに作れば面白いのはわかりきったような傑作マンガが原作であり、今さら褒める必要もないのかなと思い、常々「深夜アニメには深夜アニメならではの馬鹿臭い作品も必要である」と思っているので、そういう馬鹿アニメ枠から1作品選んでみた。同時期農業高校ものとしてはこれまた傑作マンガのアニメ化である「銀の匙」が放送されていてこれも文句なしに面白かったが、オレ的には「のうりん」の馬鹿馬鹿しさのほうをより高く評価したい。他にも面白いのはいっぱいあったけど、あんまりアニメ観ないような非オタなこのコーナーの読者に1本お勧めするなら迷わず良作「ばらかもん」。30分が15分に感じられる時間をねじ曲げる面白さ。

 「ナニが自分にとって面白いか」ということを、今年はよく考えていた、結局はどこかに書いたことの繰り返しだけど「オレが面白いと思うことだけがオレが面白いと思う作品の共通点」という、答になっていない答が正しいような気がしている。好きな作家の作品でも今一つまらないときもあれば、全く興味の無かったジャンルの作品がビックリするぐらい楽しめたりもする。他人の感性と自分の感性が違うのはもとより、今日の自分と明日の自分の感性すら違っていたりする。
 だから、面白い作品を探すのは片っ端からあたってみるしかなく、手間は食うんだけど、それでももう、絶対に一生かかってもすべてを楽しむことはできないくらいの沢山の作品が作られ続けていて、私は一生楽しい作品に困らないだろうことは間違いなさそうで、面白い作品作ってくれる表現者達に最大限の敬意と感謝を感じているところである。
 
 来年はまたどんな作品に出会えるか、楽しみである。

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