2026年7月4日土曜日

ゴリ巻きするなら両軸使え!

 PENNスピンフィッシャー「430ss」は東北時代、「4300ss」のバックアップ機として愛用していた。スプール共通なのでスペアスプール体制が組めるのが利点。430ssは基本的にインスプールの名機「714z」をアウトスプール化した、金属ボディーの左ハンドル専用機でもってスピンフィッシャー小型機伝統のウォームギア機。714zととはハンドル、逆転防止関連等一緒で、ハンドル軸ギアも実は、430ssではサイレント化されているので、古いタイプだとサイレントドックの爪が挟めるようにラチェットが浮かせてないので同一のモノではないけど、実は430ssが4300ssにモデルチェンジしたあとも714zは販売されていた超ロングセラーモデルなので、714zの後期型のモデルのハンドル軸のギアは430ssのそれと共通である。っていうのを利用して、714zに430ssのサイレントドックを移植してやれば、管理釣り場で隣の人に「カリカリうるせぇ!」って怒られなくて済むサイレント仕様の714zができあがりって裏技もある。

 でもって、430ssのジャンク個体がネットフリマで5千円ちょい送料込みで出てきたので、つい出来心でマウスが滑ってクリッククリック。ギアが摩耗していて、スプールが干渉して異音がしている、あとワンタッチの爪が3本中1本折れてる、という説明だったけど、PENNでギアが摩耗してるのは見たことがないので、なんかの間違いだろうっていう読み。スプールの干渉は座面が低すぎるので適当にテフロンワッシャーでも足せばどうとでもなる。ワンタッチの爪は2本でも多分機能する。ということであっさり復活させられるだろうという読みでサクッと確保。これが、読みが甘すぎたって話で恐ろしく手間と金が掛かってしまい、沼の底でもがくようなはめにあわされた。

 ま、とりあえず全バラしするわなということで、分解していく。分解前にワンタッチの爪は2本でも機能していることは確認できてるので、スプールの干渉とギアかなと思ってギアが逝ってるとは思えないので、なにが原因で一部空転するんだろうなと思ってたけど、予想に反して思いっきりハンドル軸側のギアが摩耗している。写真上段の左側が摩耗してしまってギアの山が削れて幅広く真鍮の金色が見えている部分。右は比較対象の削れていない部分。で、削れまくってるのでローター軸のギアの裏のボディーの内側に真鍮粉がこびりついている。ステンレスのローター軸ギアに真鍮のハンドル軸ギアの組み合わせで、かつウォームギア方式は、丈夫でなかなか削れないというのが定説で、実際に長期使用で摩耗してギア交換したいけど、714zのハンドル軸ギアが430ssのギアに使えるかどうかという質問も受けたことがあるので、削れることもあるとは理屈では知っていたけど、現物に会うまで感覚的にはなかなか信じがたいものがあった。

 でもモノは必ず壊れるってぐらいで、削れるときは削れるんだろう。ちなみに714zの後期のハンドル軸ギアは、430ssのものと同じなので流用可能。サイレントドックの爪が挟むようにラチェットが浮いてない時代の714zのハンドル軸ギアは、ドックをカリカリ鳴るモノにすれば流用できそうだけど、430ssでは爪でラチェット挟むのでドックがハズレないので、ドックを固定するネジが無くやや運用上問題ないか不安が残る。でもって、これ削れているのがハンドル軸側のギアだけならそれだけ探してくれば良いけど、ローター軸のギアも逝ってるとなると両方セットで確保しなくてはならず泣けてくる。他の714zからハンドル軸のギアを借りてちゃんと機能するか試してみたら、問題なくハンドル巻いてローター滑らかに回転してくれたので、とりあえずハンドル軸のギアだけ交換すればなんとかなりそう。写真右がラチェットが爪で挟める430ssおよび後期の714zのハンドル軸ギアの形状。左が古い714zのハンドル軸ギアの形状で、ラチェットがギアに密着しているのが分かるだろうか。いずれにせよ、ギアの歯が削れているのは直しようがないのでセカイ○ンでお買いモんだろうなと、この時点でややうんざり。

 ただ、ここまではそうはいっても売り主の説明どおりではあり、読みが外れたとはいえ想定内で悪い方っていう程度。こっからが、正直トサカに来た。スプールが干渉して音がしているのはスリーブにテフロンワッシャー追加して高さ稼いでやれば大丈夫だろう、ってスプールまわりをいじり始めたら、なぜスプールが干渉してローターと擦るぐらい下がっているのか、なぜ丈夫なウォームギアの真鍮の山が均一にではなく片側だけ削れまくってるのか、やっと理解できた。スリーブのスプールが乗っかる座面にワッシャーが本来あるはずが抜き取られていて、擦れてメッキはげて地金が見えている。座面のワッシャーはおろか、ドラグパッドも抜き取られていて付属していない。要するにガチガチにドラグ固めて負荷が掛かってもドラグが滑って力が逃げるようにはせずに運用されていたとしか考えられない。ドラグ効かせる気がないから、ドラグの音だしも一枚の薄い板を折り曲げてある形状なのが、折れて根元部分だけ残ってる状態でそのままにされていて機能していない。そら、なんぼ丈夫なギアでも小型機のギアはドラグも使わずゴリ巻きして使うようには設計されておらず、高負荷のときには無理矢理巻いたら削れるしかないだろう。よって、まんべんなく削れているのではなく一部だけ削れている。これは「壊れたのではなく壊した」っていうヤツだろう。だ~か~らスピニングリールはそういう使い方できるリールじゃないんだって、見て分からんかね?わからんから20キロ越えるような青物釣るのにもゴリ巻きしてスピニング壊して文句言って、あげく剛性とか言い始めて、10万もするようなアホなスピニングが出てくるって話。スピニングは回転軸90度かえて巻くけったいな道具で、ローターの片方にラインが負荷を掛けてくる構造なので、ゴリ巻きしたらローター歪んだまま巻くことになって無理が生じるっていうのを、無理矢理ゴリ巻き仕様に仕上げたわけの分からんようになってるハンドルもたためないような奇形スピニングで皆さん釣ってござる。アホかと。ポンピングして竿で負荷を抜いた分を巻け!それだけのことである、ポンピングするとラインテンションが変わってバレるとか、竿掛けで船縁に固定した両軸リールしかしらんかった餌釣りから転向した遊漁船の船長とかが言うんだろうけど、竿が適切ならポンピングが原因でバレるとかないから。もっというと、いつも書くようにデカいのと力勝負するなら、巻き上げ効率の面からもリールの耐久性剛性の面からも”両軸受け”のリールが正解で、投げるのが難しいとか言い始めたら、そいつは腕がないんだからおとなしく小物でも釣っておけって話だと思う。道理に合わない無理矢理な道具や釣り方で、なまじ魚を釣ってしまうと、それが正しいかのように受け止められて、みんなで変なことやってる今みたいな状況になる。遠投カゴ釣りの人でも磯の底モノ師でも、普通に引き手サミングで大型の両軸リール使いこなしている。やっとショアジギとかベイトも使われるようになってきたようだけど、引き手サミング仕様ではなさげで、とっととカリスマのワシが20年ぐらい前から言ってることに気づいてくれって話。 

 で、多分売りに出してた人も、ジャンク買って直そうとしてたけど手に負えなくて放出したんだろうと思う。まあそういう個体こそ、ワシが入手して実釣可能なところまで修繕してやらねばならないだろう。そういうお務めだろうと思う。座面はテフロンワッシャー2枚でローターと擦らなくなった。ドラグは大径の1階建て方式でパッドは純正のテフロンパッドが在庫してあるけど、430ssは小さいけど小型青物ぐらいはやっつけることはできる機種なので、自作のカーボンシート製ドラグパッドを奢っておいた。音出しはスプール裏のネジは残ってたので、ステンレス硬線をまげて作った”音だし”をネジで固定してギリギリとやかまし目の音が鳴るようにでっち上げた。この形状は714zとかでは薄い金属板で作られているのの真似。

 で、とりあえずハンドル軸のギアは買わねばだけど、それ以外を組んでおくかと組み立てたら、逆転防止の軸がハマってる樹脂スリーブを紛失してしまった。お盆の上で作業しているので無くなるはずがないのだけど、本体側に付いてるのに気がつかずに作業してて、パーツクリーナーかけたりするのに持ち運んだときにでもどこかに落としてしまったのだろう。そういう怪しい場所を探し回ったけど出てこず。なぜか失くしたおぼえもないバネが出てきて頭をひねらざるをえない。ジジイ手も器用さが失われてきているし、注意力も散漫になってきてしょうも無いミスしがちで嫌になってくる。結局、逆転防止機構まわりは予備部品一式確保してあったので、そこから出してきて間に合わせたけど、上手くいかないときはこんなもんである。

 で、あとはギアを買うだけか、という話なんだけど、何度も書いてきたように海外通販では送料安く上げるにはまとめ買いで関税掛かる1万6千円だかの手前まで買ってしまえという悪癖をまた発揮して、予備があっても良いだろうと2本爪になってしまってる主軸も3本爪のを予備に1本購入、そして右巻仕様の850ssを左巻にするためのハンドルの軸とネジと、ショボい部品計4つで15,135円とけっこういってしまう。セカ○モンちょい前にシステムがサイバー攻撃受けたとかで、数ヶ月システムダウンしていて、”わび石”的にクーポン貰ってたの使っても、手数料と米国内の送料が一つ一つに掛かってきて高くなるのはどうしようもない。くわえて、今回他にも詫びとして既存のユーザーはVIP会員の使える簡易包装サービスとかいうのが使えて、これは部品だけだとかなり小さくなるので、「ミスティックリールパーツ」さんで買ってたときに、FedExじゃなくUPSの小型便にまとまると千円台で済むことがあったので期待したけど、佐川の国際便で送ってきやがって送料4,113円もしやがった。計2万円がところで部品1個5千円弱でございます。予備も含めて今回の430ssに部品代だけで1万円弱掛かって、本体が5千円強だったとしても合計1万5000円ぐらいになってて、それだけあればそこそこ程度のいい個体が買えるじゃんという事実は、目の前に酷い使われ方して壊れているリールがあって、それを使用可能なまでに修繕しておきたいという理屈を越えた執着によって意味を失い、老後(今現在だが)の資金を削っていくのである。アタイ病気がニクいっ!

 で、届いたギアを収まるべくして収めて、無事修繕完了。使用に際してなんの問題もない実力の、優秀な実用機である430ssの本来の性能を取り戻せている自信がある。

 まあワシがカリスマとして言いたいのは、道具を良く理解して、壊れるのは仕方ないけど”壊す”のはやめてくれっていうのと、そうやって道具の使い方や特性を理解せず壊す釣り人の意見を汲んで、ワケの分からんフォーミュラーカーで木材運搬させるような、本来の目的とかけ離れたような奇形的な道具を作って市場に出さないでくれって、毎度のジジイの繰り言をまた書いておく。なんか、多くの釣り人が今時の道具だから釣りやすい、性能が高いとか思ってるかもだけど、基本性能は30年40年昔のリールの方が堅い設計されてて優れてることが多くて、例えばデカいの釣りたいってなったときに、最新の高級スピニングよりも、古いPENNの両軸とか持ってきた方が適切で使いやすいってのは間違いなくあると思っている。自分だけ古い道具使って釣るのは不安があると思うし、高いの買わされた人間はそんなので釣られたらメンツ丸つぶれなのでグジャグジャ言ってくるけど無視して賢く釣っておいて欲しいと心から願う。さすがに釣具メーカーが無くなると、まあ困るわけで、多少は騙されてやって欲しいところだけど、あんまり変なもんしか作らないなら不買で姿勢を正してやって欲しいと、釣り人の皆様にお願いしたい。

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