2022年4月9日土曜日

オレンジチャーリーってなんぞや?

  2月3月、カマスとタチウオに振り回されまくってた釣行顛末記が上がって、読んだ人はひょっとして「オレンジチャーリーってなに?」って思ってるかもだし、フライマンならクリスマス島でボーンフィッシュに投げるようなオレンジ色のクレイジーチャーリーを想像しているかもしれない。写真でカマスの口に刺さってる状態では良く見えンのでなんか違うなと思うかもだけど、実際にはこんな感じですっていうのをご紹介しておこうかと思う。

 そんなローカルパターン興味ねぇ!って人も貧乏フライマンにとってわりと大事な事も書く予定なのでお暇なら読んでおいて損はないかと思います。

 普通、クレイジーチャーリーっていうパターンは重さのある目玉でハリを上して泳ぐようにして、牛の尻尾とかの短めの毛やフラッシャブーで短いウイングで仕上げるのが基本で、右の写真がクリスマス島でボーンフィッシュ釣った実績のオレンジのクレージーチャーリーである。冒頭写真のようなウイング多めの長めのは、どっちかというとクラウザーディープミノーに近いかもだけど、来歴がクレイジーチャーリー由来なのでオレンジチャーリーと呼称している。

 そもそもなぜ、カマス釣りにオレンジのクレイジーチャーリーを導入したのか?関東の諸先輩方には、カマス用のフライとしては5センチ位の黄色とかのバックテール(鹿の尻尾)を使った普通のストリーマーが有効と聞いていて、ボディーを銀色で巻いて、ギラギラ光る「ミラージュ」っていうフラッシャブーをアンダーウィング(下の羽)に黄色に染めたバックテールをオーバーウィング(上の羽)にという、左写真の「黄色フラッシャブー」はオレンジチャーリーと共に我がカマス用フライボックスの2枚看板である。派手な黄色にギラギラ光る素材で、薄暗いとき、サイズ大きめとかも繰り出して今年も安定の成績を残してくれている。巻くのも簡単で、すぐにボディーの銀色が剥がされないようにハリに瞬間接着剤を塗ってから銀色のティンセル(リボン)を巻き付けるようにしているのがコツといえばコツか。ちなみにワシは獣毛類の毛先を整えたりはあまりしない。それ用の道具”スタッカー”も持ってるけどエルクヘアカディス作るときにエルクの毛を整えるぐらいで、ストリーマーのウィングとかは毛先が不揃いの方が自然な形状になる気がして長くはみ出してるのを取り除くぐらいしかしない。かつ、切った後に残る先端が尖ってない毛もあまり気にせずしれっと使う。釣れるしもったいないからね。

 という基本形のストリーマーは、色とか素材とか変えたのも作るにしても、他にもオモリ有り無しやら、獣毛系以外やら色々手持ちの札は多い方が良いなと思って、後に全身シリコンとかウーリーバッカーなんてのもわりと釣れるということが判明して、定番化していくんだけど、カマスフライで狙い始めた初期に、とりあえずフライボックス賑やかすのに、クリスマス島用に巻いたクレイジーチャーリーは沢山余ってたので、フライボックスに放りこんだ。特に、クリスマス島遠征前にネットの記事で爆釣報告のあった、毛足の長いオレンジの獣毛で”ロン毛”に仕上げたパターンは、釣れまくったと書いてあったので沢山作ったのに、現地ガイドはとにかくロン毛は嫌いなようで、投げてても釣れないとすぐに「違うフライにしろ」と言って投げさせてくれない。毛を刈られることもあると聞いてたけど、投げることもできずではせっかくクリスマス島まで行ったのにボックスの肥やし状態で無念の帰国。と言う状況で余らせていたのでこの機会に使っておくか。と持ち出したら、棚が下がって良いかもぐらいに”変えたら来る”効果を狙っての起用が、どうもそれ以上に効いててなんか分からんけど良く釣れるっていうのが分かって、よく使うもんだからだんだん切られて数が減っていき、新しく作る時には元は白の堅めの人造シロクマ毛がアンダーウィングでオーバーがオレンジのフィンラクーンみたいな柔らかい獣毛という単純な構成に、ミラージュとかキラキラ系は反応良いように感じていたので、ウイングの間に銀の「ポーラーフラッシュ」を挟んで、ハリも細軸の管付きの「波止カマス」14号で巻くようになったら、これが成績抜群で、押しも押されぬ主力バリとなった。引っ張って良し、手前で追っきてるの見えてたら止めて落とし込みで食わしても良し、ついでにタチウオも釣れる。

 ということで、まあ巻き方など。の、まえに毛鉤を巻くのにつかう小型の万力である”タイイングバイス”について、不肖インチキフライマンのワタクシめが、一言二言述べさせていただく。

 バイスっていってもピンキリで、良いヤツは挟んだまま回転して裏側に羽付けたりも思いのままとかのもあって、何万円ってしてるけど、ワシの使ってるのはまあ最初は安いので良いよねと学生時代に3000円台で買って、以来30年ぐらい愛用している安物バイスである。まあハリ挟んで固定できるし、困っちゃいないよねッテ話で、インチキじゃなくて本格的に恒常的に沢山フライ巻くなら、良いヤツ買って効率的に巻くのは悪くない投資だと思うけど、ぶっちゃけたまに巻くぐらいなら、この程度の安物でも充分。「そんなこと言っても安物だとしっかりハリが挟めないじゃん」って思った方、今から書く情報は、そんなあなたのための情報です。今日はこれだけ憶えて帰ってください。

 ”バイスは各可動部にグリス塗って整備してやると驚くぐらい使いやすくなる”

 っていう当たり前の話なんだけど、ワシバイスにグリスとかあんまりフライの教科書とかにも書いてあった記憶がなくて長年思い至らなくて、締め付けレバーが明らかに錆び付いてギコギコと引っかかるようになってきたので、買い換え時かなと思いつつもダメ元でグリス塗って手入れしてやったら、これがこのバイスの真の実力か!と驚くぐらいにハリしっかり挟めるしレバーの操作も楽になった。買い換えなんて全然必要なくて今でも愛用しておりますとさ。やってない人は是非お試しあれ。多分ワックス系でも可かと。

 でもって、オレンジチャーリーの巻き方。っいうても、特別なことはしていないけどね。

 まずオレンジのスレッドでチェーンボールアイを固定しつつ、ハリの軸をスレッドで巻いてオレンジ色のボディーとする。この時点で一回瞬間接着剤を塗って固化促進剤で固める。この固化促進剤が、フライフィッシング用に売ってる「ハイスピードハーダニング」より、模型のタミヤ製の方が安くて量が多いので買ったンだけど、白く粉を吹いたようになってしまってちょっと安物回の銭失いした。アルコールで拭くと多少マシになるのと少々白くなってても釣果には影響ないだろうというインチキ的思考で我慢することとする。オレンジに白はルア-なら人気のクマノミカラーだし、そういうことにしておこう。

 でもって、一番下のアンダーウイングは、上のウイング材2種がユラユラと柔らかい素材なので、ハリに絡まってしまわないように、ややピシッとハリのある素材を使っている、商品名「ポーラーファイバー」とかいう半透明のシロクマっぽい人造の繊維。これじゃなきゃっていうことはなくて、スーパーヘアーとか堅めの素材ならなんでも良いと思う。その次にギラギラ銀色の「ポーラーフラッシュ」これもギラギラしてるフラッシャブーならなんでも良いんだろう。最後にオーバーウイングにオレンジの何だったか忘れた毛足の長い柔らかいオレンジに染めた獣毛。なくなってきたので「フィンラクーン」っていう狸の親戚みたいなのの毛と、人造の「クラフトファイバー」ってのを買ってみたけど、どっちゃもいけそう。っていうか問題なく釣れる。

 最後頭を瞬着ヌリヌリして固化促進剤で固めて完成。お疲れ様でした。

 っていう感じなんだけど、使ってるハリがガマカツ「波止カマス」というハリで、細軸で貫通能力高く、やや軸長めなのもカマス用だけあってちょうど良い感じで性能的にはまったく文句がないんだけど、12本200円とややお高いのが貧乏人的には玉に瑕。マルトで同じようなハリがないかと探すと、もうちょい軸が長いけど細軸の良さげなハリがあったので、ここのハリの欠点は基本100本とか単位で、かつ店舗にあまり並ばないので通販で大きさの細かな違いとか分からずに買うことになるのが厄介だけど、50本400円強と安いので「H260」というのの3、4、5号それぞれ1パック買ってみたら、5号は波止カマスの14号ぐらいのふところの深さで、4号が波止カマ16号相当ぐらい。3号も大きめのハリを使いたいときとかに使える大きさ。

 早速、明るい蛍光オレンジのクラフトファーで5号に巻いてみた。ちょい軸が長いのでヘッドをアイより後ろの方に持って来て、多少は歯ズレ対策にもなるかも。実戦投入した結果、釣果も上々で次期以降の主力のハリとして運用していくことに決定。カマスの場合突っ込むけどあまり首振ったり跳ねたりはないので、しっかり掛かればバラシは少なく、バーブレスにしてしまって細軸と併せて貫通性能を優先させている。ハリ外しも楽で手返し改善にも寄与。黄色ミラージュとか巻いてたフックもバーブレス版(「i77BL」6号)が売ってたのでついでにそちらに切り換えていく。

 てな感じで、突っ込んでいけばとことん難しいところに突っ込んでいくことになるフライフィッシングだけど、まあ”このあたり”でオカズ釣って遊んでインチキフライマンはインチキなりに色々試してフライフィッシングを楽しんでおります。

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