2021年11月6日土曜日

ダメッ!そっちの沼は深いっ!!

  今年症状がイマイチ良くなってくれない”スピニング熱”、いきなりミッチェル方面の発作が出ておりますナマジです。皆様くれぐれも健康にはお気をつけてシルブプレ。

 ぶっちゃけ自分、PENNとか大森とかで症状が出てたけど、ミッチェルやABUに比べたら可愛いもので、PENNも大森も一部例外を除けばそんな値段もしないし、熱が出てもたいしたことないと思ってたのに今回の”ミッチェル発作”。単発で一時的な症状で収まってくれるのを祈るのみである。

 なにしろミッチェルのスピニングは歴史が長い。戦前から製造されていた機種とかもあって、バリエーションも豊富、ABUもゆうてもインスプールのカーディナルさえ押さえたら、あとはアウトスプールの「C3」「C4」と50系ぐらいで、700系800系はあんまり蒐集欲をそそるもんじゃないので、”ABUスピニング沼”も決して浅くはないけどリールの種類数自体は多くなく、ミッチェルに比べたら病状は軽く済みそうに思う。

 ミッチェルは、その点例えば人気の「408」「308」でも年式・生産国ごとに細かい違いがあったりしてややこしい上に、超ロングセラーの「300」系もあれば、古い設計の「304」、「314(今回のはこれ)」とかもあり、海用の大型機種もあれば、遠投用の特殊な機体とかもあって、ハマるとどこからでも深い沼底に沈みうる危険を孕んでいる。

 あとミッチェルには独特のややこしさがある。分かるでしょうか?”ややこしい”のである。ミッチェルのスピニングは偉大な先達であるがゆえに、単純明快な”答”にたどりついていないってワシ感じてて、8枚もギア使って増速してたり(300系)、スプール上下も独特の”プラナマチック”方式で行きつ戻りつしたりしながら巻き取ったり(308他)、独自性が強く個性的で、機械としては正直古い設計だとも思う、でも歴史的背景もふまえそういう独自性の強い個性的な道具だと理解して使うなら、それらは強い魅力として輝き得る。んだろうな、って漠然と感じてはいたけど、今回「314」をいじってみて、その感覚はあながち的外れじゃないなと再認識したところ。

 さて、まあいつものことですけど、説明させてもらいましょうか。従前より我が家では”ミッチェル立ち入り禁止令”をしいて、”ミッチェル沼”の深みにはまらないように気をつけていたところではあった。まあ人気の408の状態の良いヤツとかお高いし、ワシには似合わんし、使うとなったらシーバス用で300系かなと思うけど、PENNみたいな放置しておいても腐蝕しないリールほどは耐塩性はないようで、8枚もギア入ってるのをまめに整備してやるのは面倒くせぇので性に合わんだろうし、人気あって欲しい人がいるならその人達の手元に行くべきで、ワシが買う意味もないだろうって思ってた。でも、1機種だけ気になってるのがあって、300より古い時代に作られていたミッチェルのスピニングの原型的なモデルの流れをくんで、後に304という名前が付けられたのがあって、これが300の廉価版的な扱いだったらしいけど、丸いベベルギアをそのまま収めたのが丸わかりの可愛い丸いボディーに300に近い大きさの中型のスプールが付いてて、ギア比が3対1ちょいぐらいと遅巻きなんだけど、この遅さは逆にシーバスで使ったら効くかもなと思って、あんまり人気もなくてだいたい1万円行かないような値段なので、何かの間違いで落札できたら手にしても良いかなとボロ目の個体が出ると2千円とかで入札してはいたけど、さすがにミッチェル様は人気機種ではなくても2千円では落札できず、ミッチェル沼にはこれまでハマらずにすんできた。

 ところが、今回のブツはなぜお仏蘭西から来たリールがどういう経緯でそうなったのか、全く不明だけど釣り具専門ではないリサイクルショップがメーカー不明のガラクタ扱いで出品していたのを「不明」で検索掛け続けていたのが初めて獲物を捕らえた感じで拾い出せたのである。304同様の丸いボディーに、ワンタッチスプールと、ノブを内側に反転させて収納できるハンドルがついてるので、304系の上級モデルの314に見えはするんだけど、これがまた、銘の入ってるところが塗装が剥げてて、かつハンドルとドラグノブがあんまり見かけない緑色で、ミッチェル300だといにしえのオリムピックが完全フルコピーしてたぐらいで、先駆者たるミッチェルの古い機種なら”偽物”があっても不思議じゃないと考えると絶妙に偽物臭いのである。緑のハンドルとかあるのかな?と調べたら、これはあっさりとあると判明した。ホントかどうか怪しいけど仏本国版は緑ハンドルだとかなんとか。偽物が出回ったかどうかのほうは軽くネット検索した程度では分からんかった。ただ、釣り具にまったく知識がなさそうな業者なのでわざわざ偽物を偽装するために銘のところの塗装を剥がしたとか、メイドインフランスの刻印があるボディー裏写真をワザと写していないとかは可能性低くて、たまたま偶然でそういう怪しげな”偽物臭”が立ち上ってるだけのように思えた。銘についてはPENNや大森のようなシールじゃなくて、塗装ごと削って刻印してるハズなので本物なら写真には写らなくても跡が残ってて質問欄で確認すればハッキリするだろうし、本体裏の写真も希望すれば追加してくれるだろうけど、ここは博打の張りどころと踏んで、下手に正体をばらしてしまって落札価格が上がるのを回避、偽物が来たらそれはそれで面白いのでネタは拾えたと思えば良しで、そのまま2020円で入札しておいたら、それなりに入札者はいたけど1109円というなんか半端な額で落札できた。送料入れても2千円がとこの賭け金で果たしておフランス製のミッチェル314が我が家にやってくるのか?

 届いて、ベリベリと梱包を剥がして銘を確認してみたら、ちゃんと314の刻印が!塗装が剥げ落ちた地金に残っているのも読めるし、よく見りゃ剥げた塗装の端っことか筆記体の「L」の字の頭の形が元の写真からでも見えるっちゃみえる。もちろんボディー裏にはメイドインフランスのこちらは出っ張った刻印ありで、まあそこまで完全コピーした偽物の可能性とかゼロじゃないにしてもまずないだろうて。とりあえず”314か偽物か?”の賭けには勝って格安で入手できた。ただ、これで実働可能に修復できなければ、また「パーツ取りの個体が欲しい」ってなるというか「コイツをパーツ取りにしてもう一台」とか沼にズブズブと沈んでいくのは手に取るように未来視できてしまう。なので、気合いを入れて分解清掃に入る。何しろ来た当初の状態ではハンドルもろくに回らん有様であったからネジがちゃんと外れるかぐらいから不安ではあった。

 これがまた予想以上の大苦戦。これまでいじったリールのうちで3本の指に入るぐらいの苦闘。ちなみに他の2機種は、スプール上下のための「オシュレーションスライダー」を主軸に止めているCクリップを外すのが至難の業だった大森製作所「マイコンSS」、ローターを外すのに回さなければならないのになかなか気がつかなかった先日のダム社「クイック110」で、これら3台に比べれば途中で瞬間的逆転防止機構のローラー落っことしてアタフタしたシマノ「NAVI3000」ぐらいは可愛いものであった。

 まずはさっき書いたようにあちこち固着してるのが怖いので、ビニール袋に突っ込んで潤滑油「クレ666」をネジ周り中心にぶっかけて、しばし放置の間に飯を食ってしまう。味噌汁の具にした茄子が鼻の高いおフランス顔に見えるのは気のせいか、はたまた吉兆か?ちなみにクレ666は「CRC556」みたいな潤滑油スプレーで錨マークも頼もしい耐塩性強化版。秋茄子嫁に食わすなっちゅうぐらいのもんで、茄子の味噌汁美味しゅうございました。変な”鼻”のせいで規格外で普通に出荷できなかったのか、直売所で2個120円と安かったけど味が違うわけないのよね。

 トレビア~ンな昼飯後におもむろに分解に取りかかる。まずは小手調べにスプールからかなと、ワンタッチボタンを押してスプールを外す。最悪ワンタッチ関連腐ってて外れんかったらどうしようとビビってた小心者だけど、そこまで酷くはなかった。けど、ドラグノブクルクル回して外したら、ミッチェルの真似したんだと思うけど、PENNでも小型機種では同じ様な形の、ドラグ上面を押さえるバネと、回るけどバネに填め付けてあるドラグパッドを押さえる金属ワッシャーが錆びていて、初っぱなから先が思いやられる。ブラシで擦って錆落とせるだけ落としてグリスグリグリしておくぐらいしか処置はないけど、機能的には不具合生じるほどじゃないのでまあ良いだろう。ドラグパッドは上が赤い繊維質のファイバーワッシャー1枚で、スプール座面の下にカバーが付くのがミッチェル方式で、カバーの上の座面には以前読んだ記事ではテフロンのパッドが入ってて、上のパッドが主体となりつつスプールの上下に2枚のパッドという構成だったと思うんだけど、下の方のテフロンパッドが見当たらない。始めから無かった可能性もあるけどどっかの時点で紛失した臭いな。スプールは浅溝は樹脂性らしいけど、これは深溝のアルミ製で他と一緒にパーツクリーナーで洗浄後、グリスヌリヌリしながら、上下のパッドをとりあえずちょうど良さそうな大きさのテフロンワッシャーがあったので、それを填めてみたらやや調整幅狭めかなという感じだけどドラグの滑り自体はスムーズで問題無さそうに復活した。元のファイバーワッシャーでもまだ大丈夫そうではあったけど、経年劣化するらしいので換えておいた方が無難だろうという判断。なにしろ半世紀ほど前の製造と予想される個体である(フットナンバーは「2719?81」で、ある程度年代分かるはず、お勉強してみたい)。欲を出すなら、おそらく上のドラグパッドをTAKE先生が408、308用に売り出している”特硬フェルト”製のに換えてやれば大きさ的にはそのままか微調整で填まりそうで、もっと調整幅も広くなって良い感じのドラグになると思うけど、とりあえずはテフロンで仮置き。

 こっからが本番という感じで、ハンドル外して、本体蓋のネジ外して蓋開けて、って進めて行くんだけど、ハンドル時点で既に問題発生でハンドルノブのネジが固着していて外れない。まあネジは回らんかったけど緑のノブ自体は回ってるので注油だけしていれば問題ないので深く気にしないでおく。本体蓋自体、腐蝕して黄色く粉吹いているぐらいだったので、本体蓋を止めているネジ三本が666スプレーのおかげか抜けてくれたのには心底ホッとしたけど、蓋開けてみて「なんじゃこりゃーっ!(©松田優作)」って驚いた。なんか砂みたいな粒子がグリスで固められて、本体内にもギア表面にもみっちりと付着していて、これはハンドルも回らんわけである。なんで、まるで詰め込んだように砂が入ってるんだろう?って思ってしまったけど、これどうも腐蝕した金属粒子が剥げ落ちたのがグリスに絡め取られてこびり付いているようである。
 このレベルにまで腐蝕しまくりだと、分解洗浄してグリスアップしたところでまともには回らんかもな?とやや意気消沈しつつも分解を進めて行く。
 ハンドル軸のギアは、スルッと抜けてくれた。ちなみに上に乗ってる花びらみたいなギアとそれを囲うように円弧状にギア上に填まってる部品が、ちょっとずつ行きつ戻りつしながらスプールを上下させる、”プラナマティック”というスプール上下(オシュレーション)システムの部品。
 しかしハンドル軸のギアを外した本体蓋裏の腐蝕はちょっと酷い。逆転防止関係の爪やらバネやらの部品が錆に埋まっている状態。パーツクリーナーとブラシでどうにかなるものなのか?極めて不安ながらも、この時点では外れそうに全く思えない逆転防止関係はとりあえず洗浄後に再挑戦することにして放置したまま分解を進める。
 主軸を抜いて、ローターを抜いてやると、ローターにローター軸のギアはハメ殺してあって、ローター軸のギア自体の内側と、主軸が入る本体を貫いている鉄系っぽいパイプの外側とが接して回転する方式で、ベアリングなどというものは見当たらない、PENN720Zではボールベアリングこそ使ってないけど、真鍮のスリーブが”ブロンズベアリング”といえば言えそうな働きをしていた。けど、このリールの場合、わざわざ滑らかな回転を担当するような部品は組み込んでません。ローター軸のギアが自分で回ってます!って感じの男らしい設計。たしか300にもこの方式は引き継がれていて、本体裏面に主軸のパイプとローター軸のギアの部分が背骨のように張り出してるお馴染みのデザインとなっている(参考:一番下右写真)。

 ベール周りは特にややこしいこともなく外せてベールスプリングも健在で問題はなさそう。ちなみにラインローラーは真鍮に硬質クロームメッキの固定式。
 外せる部品はとにかく外したので、いつもなら乾燥に時間がかかる本体やらローターといった大物からパーツクリーナーをスプレーしつつ漬け置き洗いも併用しつつ、ブラシでこすってきれいにしていくのだけれど、今回は腐蝕した金属の粉が大物パーツには多く付着しているので、先に比較的綺麗な小型の部品を綺麗にしてから大型に手を付けるという順番で、金属粉の再付着をなるだけ防ぎつつ、漬け置きの時間を稼いで汚れをなるべく落とすという方針で行った。
 パーツクリーナーとブラシのコンビはなかなかに優秀で、付着しているグリス混じりの錆とかはかなり綺麗に取れた。パーツクリーナー液を受けている皿の底にジャリジャリと錆やらの剥がれ落ちた腐蝕片が澱となって沈殿していく。っていう状況はリールいじってて見たくはない悪夢のような惨状である。
 そこそこ綺麗にできたけど、本体蓋裏の腐蝕は酷くて、逆転防止関係の部品は爪以外取れそうにないうえに、切り替えレバーは固着している。

 これはこの部分は、再度666スプレーを掛けて一晩寝かして再挑戦するぐらいしか手が思いつかないのでスプレーして一旦寝かせる。その間についでに表側の塗装が剥げた部分をこれ以上に剥げないようにと腐食防止のために、クリアーウレタンを薄く塗っておいた。
 本体の足の塗装剥げた部分にも同様にウレタン塗布。多少は腐食防止に役に立つだろうか?

 一夜明けて、再度逆転防止機構関係をとにかく使えるようにするべく、頭抱えつつ知恵を絞る。2こ上の本体蓋の写真で、上の方のU字型のバネを止めているネジはどうにもこうにも固着が酷くて取れそうにない。下の方の爪は外れたので洗浄してグリスアップできた。真ん中の菱形っぽい部品が表の切り替えレバーに繋がってるんだけど、レバーはハメ殺しでありそもそもこの部品は外せるような構造にはなってない。現状では逆転防止が効いてる状態で固まっているので、そのまま使えるといえば使えるんだけど、切り替えができないと完動品とはいえず、売りに出すときジャンクとして出さざるを得なくなる。何とかならんのかとレバーを力入れて動かそうとするのだけれど、揺すったり叩いたりも試してもウンともスンとも言わない。何かヒントが無いかと藁にもすがるつもりで、竹中由浩先生の「Let's Inner Spool!」の304の逆転防止の部品のところの写真を眺めて、目の前の314のものと比べてみる。ここの部品の配置は同じハズである。ところが、なんか違和感がある。真ん中の菱形のパーツの方向と、切り替えハンドルの方向がズレている。ハンドルを下方向に下ろして切り替えたくなるんだけど、菱形パーツの爪がその方向に回るのを止めるので、ハンドルは下げられない。なんじゃこりゃ?と意味不明だったけど、しばらく矯めつ眇めつして考えたところ、前の持ち主が逆転防止がオン状態で固着していたのを、オフに切り替えたくて力尽くでレバーを回して、菱形パーツとの方向が正常な状態から90度ズレてしまったんだろうと解釈した。であればまず無理矢理力尽くで90度元に戻す。そのままではまたレバーを切り替えようとするとレバーだけ回るので、固着を外して回転を滑らかにして、レバーだけ力尽くで回りだすのより軽い力でレバーと一緒に菱形パーツまで回るようにしてやる。という方針でイケるだろうとちょっと希望が見えてきた。力技だのみのところが部品を取り返しのできない状態に壊してしまいそうな危険を孕んでて怖いけど、ここは博打打つしかあるまい。
 結果、上手くいきました。レバーを最初力技で正常位置に戻しておいてから、根元に666を掛けつつ今度は菱形部品の方をモンキーレンチで挟んでユックリ左右に回してやるとだんだん軽く動くようになってきて、90度パチンパチンという感じで切り替えができるような動きになってきて、これならレバーで操作してもレバーだけ回るってことはないだろうと、レバーで切り替えを試してみると正常に作動する。
 いやはや何とかなるもんである。思いっきりホッした。ハンドルノブのネジと逆転防止のバネを止めているネジの固着は外せなかったけど、本来の機能はこれで全部回復できた。
 もうこれ以上腐蝕させてなるものかという勢いでABU純正グリス大盤振る舞いでグリスシーリング。
 本体内もグリス大盛りはもちろん、金属パーツはすべからくグリスで濡れている状態としてから組み上げた。
 とはいえ、あれだけの腐蝕具合だったし、ギアとかも見た目では分からんかったけどザリザリになってて回してもゴロゴロで使用に耐えないかもなと。やや諦めつつハンドルしばらく回してみると、意外なぐらいに滑らかに回ってくれる。ベベルギアって力の伝達効率は良いけど滑らかさとかはそれ程ではないって聞くけど、ハッキリ言って上等である。ベアリングレス機だけど、1対3強程度の低速ギアなのもあってか重くもないしゴロゴロしてるっちゃしてるけど気にするほどでもないと思う。この程度のベベルギア機らしいギアゴロ感が楽しめないような輩は「ステラでも使ってろ(©TAKE先生)」って話だろう。
 古い時代のリールなので、耐塩性とかもう少し後の設計のPENNとかに負けるとは思うけど、本体内部とかが腐蝕したとしてもギアとかハンドル軸とかの大事な部分は丈夫に作ってあって動かなくなるような腐蝕を免れていて、半世紀がとこ経ってからでもメンテナンスしてやれば復活するなんていうのは、なかなかに立派なリールじゃないかと感心した。ちなみにローター軸のギアは真鍮、ハンドル軸のギアはアルミで軸は鉄系だと思う、主軸と主軸の入っているパイプも鉄系っぽい。鋳造アルミの本体関係が腐蝕したのが”なんじゃこりゃ状態”の原因だろうけど、アルミの表面処理技術とかこの時代では限界があったんだろう。でも、大事な部品が鉄系でも錆もたいしたことなく生きているっていうのは”良い仕事”してるって評価して良いんじゃないだろうか?

 ただ、今回はたまたま上手くいって実働品にまで持って行けたけど、次回また同じような古くてボロいミッチェルが出てきたら手を出すかというと、今のところ御免被りたいと思っている。先に挙げた分解整備に苦戦した3機種のうち、ダムクイックだけは分かってしまえば次からはなんら苦労しない話なので、既に「クイック220」確保してあって船に揺られて我が家に到着済み、ってなくらいだけど、マイコンSSのCクリップと、腐蝕した金属片がグリスと共に固まって積もってるようなボロミッチェルは2度とゴメンだと思う。次回もうまく整備できるとは到底思えない。今回は幸運だったんだろう。

 しかしながら今回の314、手を掛けてみて情が湧き始めているし、なかなかにやりそうなリールで、特にベアリングレス機ってのがポイント高いしで、売りに出せば見た目ボロいとはいえ3千円くらいにはなってくれるだろうと思うから、売っても良いんだけどちょっと自分で使ってみたい。あんまり綺麗な個体だとシーバスとかに使うのは錆が怖くて二の足を踏むけど、このぐらいボロいと躊躇無く投入できそう。ベベルギア機は単純明快で整備性も良さそうだし低速機なのもシーバスにはむいてそうなので、ダムクイック220の次ぐらいに試してみる感じで順番待ちさせて蔵に出番までしまっておこう。

 ちょっとだけ不安なのは、1台蔵に置いておくことにより仲間を呼びはしないかという点で、マンガアニメオタク界隈では、いわゆる”美少女フィギア”は1つ買うと仲間を呼んで気がつくと専用のショウケースも買ってズラッと並べることになってしまう。とかまことしやかに語られていて、ミッチェルのリールにその手の魔性の力が備わっていないことを祈るのみである。まあ、デザイン的な見た目からして既に魅力的なのは感じるところで、これで使ったらまた良さがあるとかだと、沼の底に徐々に足がハマっていきそうな一抹の不安を感じるところでございます。
 ミッチェル沼の底の住人の方々が、おいでおいでをしているような気もしていて、よほど気をつけねば危ないなとビビっております。

 ああっ病気が怖いっ!!

10 件のコメント:

  1. 304系、アホみたいに汎用性高いですしギア比から遅いって言われますが、
    実際は80年代迄のアンバサダー5500cよりか早い程でそんなトロ臭くはないです。
    飛距離はスピンフィッシャーより出しやすいですね
    314でしたらスピンフィッシャー4500ssとかのHT100ワッシャーに替えた方が良いですよ
    しかも磨り減って使い古したワッシャーが効果的です。

    スピニング熱も不治の病ですが、アンバサダー熱も大概で理性で症状抑えるのが大変です

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    1. ぬこさん こんにちは

       ミッチェル沼の深みに誘い込まないで!!

       PENNのカーボンワッシャーがハマるのならありがたいですね。使い古したワッシャーなら今入ってるヤツを交換すればナンボでも出てきます。有益な情報をありがとうございます。

       日本のルア-関係の熱病でアンバサダー熱とヘドンルア-熱が症状の酷さでは双璧かなと思います。アンバサダー熱は左手サミング用の竿とか組み始めて一時まずかったですが、なんとか逃げ切って寛解しました。竿三本組まされてエラい目にあったのも今となっては良い想い出です。

       お大事にしてください。

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    2. 沼にハマらないようにするにはその1台に愛情掛けてやるのはどうでしょうか?

      Penn使い特有の癖で1台に対して可能な限りスペアパーツの充実を図るかと思います。
      ベイルスプリングは301/401/411/351と同じで右ハンドル機と同じですので調達する時は注意してください。

      あとスピンフィッシャーのHT−100ワッシャーを樹脂製シャロースプールに使用するのは止めた方がいいです
      経年劣化とドラグ力の向上でヒビ割れてきます。
      釣り堀の50cm程度のニジマス数匹でもヒビだらけになりましたし、変にデカいシーバスなんか掛けたらどうなるか
      わかったもんじゃありません。

      HT100でドラグを良くするのは金属製スプール限定技と見てください
      樹脂スプールはワッシャー欠品している可能性高いですが
      80年代中頃のアンバサダーのドライブギアの下に入ってるカーボンワッシャーで代用出来、
      アンバサダーの部品確保しているならわざわざ買わなくて済みます
      これは309系と301系も同じですから314も同じです。
      憂いなく揃って稼働状態となったらプラナマティック機は4桁スピンフィッシャーより少し少な目に糸巻くのが無難です

      多目に巻けない反面、少な目でもかなり飛距離出せますし、根がかり等で糸かなり失っても飛距離減殺される心配がないのが
      プラナマティックの良いところですね

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    3.  実はPENNでも若いときに使ってた430ssと4300ssは1台しか持ってなくて、違う個体を使う気にならないぐらい愛着があったりします。
       なので、1台に愛情かけてやるっていうのは良い手かもです。
       幸いスプールは金属製で、もう一個イーベイに出てるのを送料掛けて確保するかどうか迷ってるところです。

       ”ミッチェル足の呪い”初体験で、今時のアグリースティックエリート7fに付かないことが判明。春シーズンに使うジャクソン、ブリストール8fはFujiのパイプシートなので入りました。実戦投入は来春になりそうです。

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    4. 間違いなくミッチェルは底なし沼ですが、入手したのが314なのは幸運かも知れません
      私のは305でワンタッチスプールが無く、組立式のスプール構造もサビが恐ろしくて海に出すのに抵抗がありますので
      羨ましいですね。


      314なら高い汎用性にプラナマティック装備ですしワンタッチスプールもあります。

      それにミッチェル式のストッパーOFF釣法は308系より304系の方がやりやすいです

      ただしスピンフィッシャー等のインスプールよりキャスティングが少しじゃじゃ馬な所があり
      キャスティングが基本通りに出来てないとすぐにベイル返りトラブルが起きて普通に投げるのも覚束ない程です

      でも308系、304系、304系はキャスティング矯正には最高で
      これを難なく使えるようになれば他のスピニングリールでも僅かに飛距離伸びますし疲れにくくもなります。

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    5. ぬこさん おはようございます

       ミッチェル式ストッパーOFF釣法のためにも切り替えレバー復活できたのは大きかったです。ストッパーの歯が弱くて飛ぶとかいうのを読んで、ストッパーはランディングの時だけかける方式じゃないとまずいんだろうなと思ってるところです。初挑戦ですが瞬間的逆転防止機構が寒さで効かなくなった430ssgとかで問題なかったのでやれるでしょう。

       一方、ベイル返りトラブルが多いジャジャ馬と聞くとやや不安で、私はキャスティングややコネぎみなのかベール返りはたまにやらかすので、4500ssとか、ベール反転機構を取っ払って”マニュアルベールリターン”にして手で返して使ってるような下手クソ具合です。この機会に来春は314に稽古つけてもらうことにします。

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  2. ナマジさん、こんにちは。

     ミッチェルやアブの沼は人生沈めそうな感じですね。オールドの本流なので知っていた方がいいとは思っているのですが、私は幸か不幸かそちらの方は今のところ行っていません。
    しかしミッチェルの偽物のINTERNATIONAL100を確保しました。
    最近は推定初期ダイワや製造特定不能のTaicoなど変な方へ行ってます。

     話変わりましてメッキ11月に入っても狙えるんですね、日高にタチウオ様子見に行く際に探ってみようと思います。

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  3. レクエル堂さん おはようございます

     ミッチェル沼、ABU沼は危ないですから君子危うきに近寄らずですよ。
     かといって、"変な方向"が浅いとも限らないので足下お気を付けて。

     メッキは、上手な人に言わせると11月12月の水温下がってきて、高水温域に群で集まりだした時が固め打ちのチャンスだそうです。
     ちなみにこの地では昨年2月までメッキが深くて水温安定してそうな港内に残っててロウニンメッキとか越年してGT化していくんじゃないかと期待しましたが、3月ぐらいに消えてしまいました。死滅したのかどっか行ったのか?年々海水温が上がってきてるのは間違いなさそうなので、GT狙いに遠征は行かなくなりましたが、GTが遠征してきてくれるかもしれません。

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    1.  そうですね、気を付けます。
      "変な方向"は、だだっ広いうえに視界が悪く寒々しており、ズッコケて溺れたり妖怪に引きずり込まれたりしてもおかしくない感じがあります。三途の川ってこんな雰囲気なのでしょうか。

       メッキの貴重な情報をありがとうございます。万が一の遠征GTも期待してロウニンアジングうろついてみようと思います。

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    2.  三途の川に釣りの対象になるような魚がいれば、あの世もそんなに悪くないのかなと思ってます。

       メッキ、紀伊半島でも1箇所越年する水温高い深い河口域のある川があるそうです。詳しい地名までは公開されてませんでしたが条件に心当たりがあれば探ってみてください。

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