2020年8月29日土曜日

僕のそこそこの規模の失敗


 失敗の多い生涯を送ってきました。

 最近では、病気と上手く付き合って何とか永く勤め上げようと思ってた仕事を病状悪化で早期退職することになったこととかを始め、ここには恥ずかしくてとても書けない人間関係の上での失敗とか、仕事の失敗とか、釣りでの失敗とか、突然布団の中で思い出してしまって、嫌な汗をかいたり、いたたまれない気持ちになるような、そんな失敗の数々。
 昨日と同じ日々を送りたいと思って手堅く行っておけば犯さずに済んだ失敗を、欲をかいて昨日よりも楽しく、良い日々を送りたいと願ってしまうが故に犯してきたように思う。
 失敗の数は多く、成功の数は少ないはずなんだけど、その数少ない成功の甘美さに魅入られて昨日と同じ今日じゃいられなくなる。博打打ちや釣り師が一度の成功体験でハマってしまい抜け出せなくなるのと似ている。

 猫を飼うことにしました。一番懐いているコバンを、外に出さない部屋猫として我が家にすでに迎え入れてます。

 猫は、田舎じゃ自由に家と外を行き来する”外猫”が理想的って以前書いてなかったっけ?と突っ込まれるとその通り。
 その考えは今でも変わっていない。
 でも、今回は外猫ダメで室内飼い部屋猫でいく。
 飼うことを決意した状況が二つあって、近所のあるお宅に迷惑をかけているということが判明したのと、家のベランダに餌を食いに来ていたのが飼い猫ではなく野良だと判明したということ。

 なにげに朝の挨拶とかしてて、ご近所さんから猫に困っているという話を聞いて、その状況が自分の予想してなかったものだったことから、正直聞いてて「失敗したーッ!」と顔が青ざめてたと思う。
 その場で、自分も考えなしに裏のベランダで餌を与えてたことを白状して平謝りに謝って、問題解決のためにできる範囲のことをやらせてもらうと約束した。
 先方は、私が移住する以前からずいぶん我慢してきたので、あなたのせいってわけじゃないとは言ってくれたけど、確実に自分にも責任がある。
 迷惑の内容については個別具体的に書くのは個人情報保護の観点からまずそうなのでやめておくけど、解決するには猫をそのあたりにたむろさせておかないことが重要になってくるようなことで、餌やって呼び寄せてたら悪化の一途のはず。
 自分でも、状況把握が甘くて軽率だったと思うけど、読者の皆さんにしてみればもっとそう思うだろう。ただ言い訳させてもらうと、猫たちは私が来る前から近隣の家々から餌をもらっていて、今更自分がちょっと餌あげるぐらい問題ないだろうと判断していた。地域みんなで昔から野良猫に餌やって世話してきてたんだろうと感じてた。
 ある意味それは正しくはあったんだろう、ただ私が来るまで餌をあげているのは家のあるブロックの裏手のお家で、そっちに餌もらいにいく分には問題は起こさない。
 我が家の裏のベランダまできても問題は起きない。問題はそこから猫たちが私に懐いて、我が家の表側の通りにまで出てくる機会が増えて問題が悪化した、というのがありそうで申し訳なくて仕方なくなったのである。

 ご近所さんは、「よく見るのはオレンジの大きいの」と言っていて、「コーバーンか~!!」と頭を抱える。ヤツは人なつっこくてあんまり人を恐れないうえにちょっとバカっぽい。余計なことをして迷惑掛けるのが簡単に想像できてしまう。
 自分のできることっていっても、実際には限られていて、猫がご迷惑かけているご近所さん方面に行かないようにするには、そっちに来たら脅して来ないようにする、っていうのと、野良猫だというなら捕まえて引取先を探すっていうのもありだろう。
 地域猫として避妊して管理していくっていうのもちょっと検討したけど、行政や地域の人も巻き込んだ合意形成が必要なようで、とてもじゃないけどヨソモンのコミュ障の引き篭もりであるワシの手にはおえん。ホント無理です勘弁してくださいという感じ。
 猫を引き取って里親を探してくれるようなボランティア団体はあるハズなので、ネットで調べて一番近くの団体に相談してみた。
 捨てられたりする犬猫が多い中、飼育施設や経費も限られていてなかなか引き取れる枠が空かないのが実情とのことだったけど、たまたま雌の仔猫を探している人が居るとかで該当するのが居れば1匹、病院とかで掛かる諸費用+手数料もらうけど引き取ると言ってくれたので、ちゃんとした里親に引き渡してもらえるなら安いモノと、2期生の生き残りであるテブクロの引き取りをお願いした。
 テブクロ、どんくさくてすぐつかまるし、つかまって狭い衣装ケースに拉致されても、割と平気で餌も食ってくれた、トイレもちゃんと猫砂にするし、ちょっと懐いてスリスリしてくるしで良い子である。野良で生きてくには心配な有様だけど、逆にこれなら里親さんには可愛がってもらえることだろう。
 2期生はすでにワフーもどっか行ったのか、交通事故やら烏や雄猫の襲撃に遭ったのか居なくなってて、あとはウチに餌食いにきていたのは、ウニャ子とハイカグラとコバンである。
 まあ、問題児のコバンが好都合なことにワシに一番懐いている個体なので、無責任に餌だけやるんじゃなくて、責任持って飼うことにして外に出て悪さしないように部屋猫にしてしまう。っていうのが一番真っ当な責任の取り方ではないかと考えた。
 ウニャ子は野良猫としての生活が長くて今更部屋での囚われた生活には慣れないだろうし、カグラはあんまりワシに懐いてない。
 この二匹に対しては、表側に出てきたら両手を広げて襲いかかる振りをして「フシャーッ!」と威嚇の声を上げて追いかけ回すことにした。
 特にウニャ子との間には1年近くかけて築いた絆的なモノがあったはずなのに、それを威嚇して追いまわすとか、とんでもない裏切り行為でしかなく。ウニャ子の何が起こってるのか分からないような顔を見ると自分のやってることのあまりの酷さに、自己嫌悪で涙が流れる。その心苦しさはオノレの軽率が招いた失敗の罰として甘んじて受けよう。ウニャ子達が人に迷惑を掛けずに可愛がってくれる人達のいる方に足が向くように、酷い自己嫌悪にさいなまれながら追いまわそう。めげそうになるほどしんどいけど。

 今回、港町という猫には古くから寛容だったはずの地域であり、安易に”猫への餌やり”は許容されるだろうと思ってしまっていたのが誤りだった。個別具体的な事例毎にそのへんは変わってくるはず。ただ、今回エサやってる人も多いっていうのを理由に「オレだけのせいじゃない」とか「猫が居て当然だから被害受けてる側でも工夫して欲しい」とか、餌をヤる側の理屈で数押し的に行くという”最悪の失敗”だけは何とか避けたつもりである。困ってる人がいるのに、それを少数派だからといって我慢とかを強いるのはたちの悪い間違いだという気がしてならない。そういう迷惑受けてる少数派としての立場にあったこともままある自分が、それを言っちゃあおしめぇよ!かなと。

 というわけで、動物病院を予約して25日コバンを捕獲する。
 捕獲は簡単にいった。ベランダに出るドアを開けて餌で釣って招き入れてドアを閉める。つかまった意識のないコバンを抱えてとりあえず、風呂場に監禁するかと入れたら、ニャーニャー鳴いて抗議が始まった。
 しかたないので、一階の作業場を解放することにして予約時間まで1Fで遊ばせておくと割と機嫌良く探険とかして遊んでた。
 病院には山寺の和尚さんじゃないけどネコを洗濯ネットに押し込んで、キャリーケースに入れて持って来てくれとのことだったので、そのようにしてケースを肩からかけて自転車で爆走。
 初日はとりあえずノミ取りの薬「レボリューション」をつけてもらい、今後の検査やらワクチン接種やらのおおまかな日程について説明を受けてきた。
 病院から戻ってくるまでニャーニャー鳴きっぱなし。そら不安だったろう。
 前日注文した猫グッズとかを部屋に設置してる間も、コバンは一階で遊ばせておいた。
 一階で囓られたり爪掛けられて困るようなモノは、一つドアが閉まる部屋が余ってたのでそちらに収納して、一階作業場はそれなりに広いので長時間家を空けるときとかの”遊び場”として使えそう。

 基本、目の届きやすい居室で飼おうと思ってて、部屋に積んであったりしたモノたちは蓋の閉まるボックスを買って収納した。
 コンセント周りやカラーボックス前面、障子の前には鉄製のフェンスで侵入を防止。
 あと、寝るとき暴れられるとワシが眠れずに困るので、しばらくは寝るときは組み立て式のケージ内で過ごしてもらうことにする。冬になったら一緒に寝たい。

 餌もトイレもケージ中に設置で、猫ってトイレのしつけは簡単なようで、特に教えなくても、そこにしか砂がなければそこでトイレをする習性のようだ。写真ではまだダンボール箱だけど猫トイレも買った。ネコ様用の高級品を買ったけど、まあタダの桶で良かった気がする。
 ただ、これまで自由な野良猫生活だったのがケージに閉じ込められるのはえらい気に入らないようで、蓋を閉めるとニャーニャーと抗議の鳴き声を上げ続けるし、何とか脱出しようと敷いてあるダンボールを爪でガリガリやったりする。
 狭い場所での生活にもある程度慣れてもらわないと、ワシ基本もう猫のために遠出しない生活にする覚悟だけど、冠婚葬祭はそうも行かないだろうから、うちの街にはないけど出先ででもペットホテルを探して預ける場面も出てくると想定され、鳴こうがわめこうが無視して疲れて寝るまで放置。
 疲れて最終的には寝てくれるんだけど、その間寝られないワシの方が寝不足で体調崩し気味。
 だんだん、慣れてきたようですぐに寝るようになってきたけど、その分朝早く起きて鳴き始めるので、結局寝不足で、朝起きて布団を上げて部屋に掃除機をかけて猫トイレ掃除、コバンを放流後、一緒に朝食にして再度寝る。

 拉致監禁して酷いことしているはずだけど、懐きっぷりはあまり変わらなくて、横でひっついて寝てくれたり、アゴとか頭とか撫でてくれと差し出してくる。可愛い。
 お互い慣れていって、一人と一匹のペースができるまでは、ちょっと疲れるかもしれないけど、末永く仲良くやっていこう。

 猫の寿命って15年かそこらで、長くて20年と聞く。ワシもそこまで生き延びる必要が出てきた。
 釣りのために健康やら寿命やら削っても惜しくないと思ってたけど、コバンのために長生きしなければならなくなった。健康損ねて長期入院とかもマズい。ある種バカにしていた”健康で長生き”も真剣に考えなきゃならん。
 ちょっと体調崩しぎみなので、まずは無理せず回復させねば。
 自由にやんちゃに外での生活を楽しんでたのを、拉致監禁して飼うんだから、外に出さないことによる事故とかの危険の減少とかは当たり前として、相対的な”幸せ”がワシとの生活で野良猫生活よりも多くなるように、できるだけのことをやってあげたいと思う。

 まずは先立つものとして金が結構かかったんだけど、アベちゃんからもらった10万円の給付金。無職で収入の減少もクソもなかったのでもらうべき理由もなく、どっかに寄付でもするべきか悩んでたけど、ネコ様に使わせてもらいます。海川をコンクリで固めまくる自民党政権の施しを受けるなど屈辱だけど、ここでも魂など売れるなら売っておく。正直ありがたいお金。

 無職で持病抱えて、それでも猫と一緒に幸せに暮らしていけたなら、わしの人生は失敗じゃなかったと思えるんじゃないだろうか。病めるときも健やかなるときも共に生きて幸せになろうね。

2020年8月22日土曜日

夏の魂大安売り!


 ワシわりと天邪鬼で他人様の逆張りが好きで、他人様がお褒めになるご大層な事物には雑菌まみれのクソを塗りたくってやりたくなるし、誰の目も引かない路地裏に咲く花でも自分の審美眼がそれを美しいと認識したのなら積極的に愛でていこうという方針である。
 まあぶっちゃけABUカーディナルとか、全盛期から愛用しているとか憧れてたとか好きな人が使うなら良いけど、他人の評判だけでありがたがって使ってるような輩は中古釣具屋や転売屋の良いカモだなぐらいの認識である。
 インスプールの時代のとか師匠であるJOSさんが渓流で使ってたけど、そういう年季の入った手練れが使うから格好良いんであって、ヘッタクソが使ってたらケッて感じになる。まあ、一番新しい復刻版はスプール後ろ巻きとかの問題も改善されてて使いやすいらしいので、インスプール入門機として手にしてそれが似合うようになるまで使い込むっていうのはありかもしれん。
 アウトスプール時代のC4については釣友の愛機をいじらせてもらって、丈夫な作りと濡れちゃ困るモノはドラグも含めて本体内にシュッと収めた設計とかナルホドこりゃ名機だわと感心したので欲しくはあったけど、自分が使うべきリールが他に山ほどあるのにまあ不要だなと思ってた。

 ところが、最近TAKE先生がC3、C4にご執心のようで、この名機の泣き所であるベールスプリングの長寿命版をご自身で設計してバネ屋さんに発注して売りに出している。現在C3用が絶賛発売中で、C4用は強度試験中とのこと。
 ちょっとアレッ?と不思議に思う。C3のベールスプリングがすぐ折れるってのは良く目にする話だけど、C4は釣友が往年は結構な頻度で使ってたはずなのに一度も交換していないって言ってて、C4は大きい分余裕のあるベールスプリングになってるんだと思ってたけど、ネットで調べてもやっぱりC4もベールスプリングは予備必携で割とすぐ折れるってのが散見されて不思議な気がする。
 緑の線が入ってるのが最初の方のモデルらしいけど、ひょっとするとその後の黒いヤツはどっかの時点でベールスプリング強化されてるのかもしれん。まあ、世界中で長年にわたって売りまくった名機なので、すぐに折れるとか顧客がお怒りになるであろう欠点に対して、後半のモデルで改良を加えていたなんてのはあり得る話である。
 よく、古い時代の方が作りが丁寧でモノが良いって盲信している人が居るようだけど、マイナーチェンジ繰り返しながら売り続けていたモデルとかでは、一番最後のほうが完成度高くなってるとかあり得るので、一概には言えないのである。最新式が一番良いわけじゃないのと同じぐらい一概には言えないんだと思う。そのあたりは結局自分で使って自分なりの回答を得るしかないんだろうと思う。
 ってなことを考えていると「私気になります」っていう症状が出始めて、アウトスプール版ならカーディナルもそんな値段しないし、ちょっとボロ個体でも買ってみるかとオークションサイトを覗いてみて驚いた。「C3」値段高騰中!
 以前からインスプール版ほど評価は高くないけど、好きな人はそれなりにいるようで小さいC3の方が人気で箱無しだと1万円行くか行かないぐらい、C4は5千円前後って感じだったと思うけど、C3綺麗な個体だと2万円近い落札価格で、ネットフリーマーケットとかではそもそも売り切れてて弾がほとんどない。
 明らかにTAKE先生が長寿命ベールスプリング販売したのが効いている。インスプール版は使いこなす自信ないけど、古い名機には興味があってっていう層が、唯一の欠点であるベールスプリング折れを回避できる部品が売られたことによって「私気になります」ってワシと同じ”流行性カーディナルC症”に感染したんだろう。
 まあ、2万はさすがに馬鹿臭い値段だなと思わなくもないけど、買った人、ちゃんと使い込めばそんなに後悔はしないんじゃなかろうか?
 単純明快な設計で無駄がなくて軽くて丈夫、整備性も良いけどラインローラーとか”外回り”の注油ぐらいでほったらかしでも基本大丈夫で、瞬間的な逆転防止なんて釣ってる間はハンドル手で持ってるんだからほとんどの場面で別に要らんと気がつくだろうし、ウォームギアの滑らかでかつそこそこ重い回転は手元に来る感度も良いはずで(感度なんかなくても竿先見とけば分かるだろ?といつも感度を売りにした製品を見る度に思うけど)、調整しやすい斜め下に突き出たリアドラグ使いこなして釣るのとかもとっても楽しめるだろう。なによりすぐに型落ちになって価値が下がるってことがないのは長くつきあう後押しになり得る。
 「なんだ、スピニングリールってこんなに単純でいいんだ!」って思ってくれる人が増えればアホみたいに高級化してしまった釣り具をありがたがり、流行を安直に追う風潮に対する抵抗力になってくれんだろうか?

 などと思うと同時に、これひょっとしてC4も長寿命ベールスプリング発売開始と共に中古価格高騰するんじゃないか?って気がついてしまい、いっちょ”転売屋”で儲けたろうか、っていう山っ気がでてきてしまった。
 しかしながら「オマエは大事な釣り道具を右から左に流してあぶく銭を得てそれで良いのか?魂を売るつもりか?」っていう内なる自分の声がする。
 魂なんてモノは働いて銭稼いで生きていくには売れるモンなら売らざるを得ないってのは働いてる皆さんなら身に染みてご存じだと思う。ワシも働いてる時に魂なんぞ売れるだけ売った気がする。もう在庫なんてほとんど残ってない。
 それでも売らずにとっておいた最後の在庫品の一つである”釣り具への愛”なんてものを売ってしまって良いものか?
 コレまでも中古リールを買ってネットオークションで売ったことはある。でもそれはボロい個体を買って使えるように修理なり整備なりして、次に手にした人が楽しく釣りをしたり、蒐集したブツをクリクリ回して楽しんだりできるように、まだ使えるであろうリールに大げさに言えば”魂”を吹き込んできたつもりで、単純に右から左への転売とは違うと自負している。見た目的にはボロいのはそのままにして売りに出してたので値段付かず手間暇考えれば馬鹿臭い程度の儲けにしかならなかったし、全体的には大赤字だというのは以前も書いたとおり。
 ガサガサとC4を買いあさって、値段が釣り上がった頃に適当なご託を並べて売りに出す。なんとも気分の良くない商売である。そんなこと言い出したら中古屋さんの仕事否定するのかって話で、黄色いお店にはさんざんお世話になったし、必要なモノを欲しい人に渡す仲介役ってのも立派な仕事のはずである。ただ、仕事だと割り切れるかって話。
 でも、現在無職でいつでも釣りに行ける生活に耽溺している中で、もう定時に出勤するような仕事はする気がほぼ無い状況下、何とか金を稼ぐ手段を見つけて稼げるときは稼ぐべきではないか、魂なんてものは売れるときに売り払って金に換えてしまえっていうのが正しいような気もして、閉店前の大安売りとばかりに覚悟を決めた。

 決めたんだけど、いざ売ろうとすると魂もなかなかコレが売れないモノで、C4も地味に値段が上がり始めていて、ネットオークションでも競り負けまくる。ネットフリーマーケットで一台手にしたけどこの程度のそこそこ使用感のある個体で7300円と良い値段している。コイツは替えスプール付きだったので、本体だけなら6000円ぐらいでお値打ちな買い物だったと思うけど、ボロ個体でも7000円からの値段がつけられるようになっている。 
 これが、最終的にC3みたいに2万円とかまで値上がりするなら7000円で買っても儲けは出る。しかしながら、C3より大きいC4は古物が好きなマス釣り系の釣り人よりはバスマンやらが使う大きさなので、バスマンで古物好きなら古いベイトリール買うだろうって話で値段そんなに上がらないって可能性もあるので、あんまりボロさと値段が釣り合ってないようなのは手が出せない。とくに中古で値段が付くのに見た目の綺麗さは重要なので儲けるつもりならボロくて高いのは在庫抱えて途方に暮れかねない。かといって既に1万円超えている高い美品箱入りは、整備もクソもいじらない方が価値があるはずで買ってもいじれないならつまらない。
 っていうことで、安売りしてもあんまりワシの魂は売れんかったわい。ってちょっと正直ホッとしている。
 人気出て値段上がったリールはワシが買って仲介せずとも欲しい人の手に届くだろうから、放っておけばいいなという結論。金がなくなりゃ短期のバイトでも探すさね。

 だがしかし、値段つかないけど良いリールはワシが買わずしてどうするって、別にどうもせんのに思ってしまって、マイクロセブンC2の銘板剥がれを1700円で買ってしまってたりする。「銘板なんて飾りです、マニアの人にはそれが分からんのです」って感じで同型のシェイクスピア版も含めて3台目を買ってしまったのであった。
 ABUのC3、C4も名機だけど、大森のCS、C1、C2も負けてないとワシゃ思うのさ。
 ”大森熱”は不治の病かもしれぬ。皆様くれぐれもお気をつけて。このブログから感染した人がおられたら沼の底から伏してお詫び申し上げます。

2020年8月16日日曜日

猛暑の扉


 ベランダにさっき食べたばかりのカリカリの形が分かるぐらいの猫ゲロが吐いてあって、”どうしよう病気かも?”と心臓ギュッと握られるぐらいの不安を覚えてまずはネットで調べてみたら、割と猫はゲロ吐く生き物のようで、特にカリカリは固くて丸呑みにするので胃壁を刺激しやすく、吐くこともあるようだ。基本慌てて獣医さんに連れて行く必要はなく”要観察”で良さそうでホッとした。
 暑いので猫の胃腸も弱ってるってことだろうか。ちなみにゲロの主はカリカリをガツガツ食べるハイカグラだと思うんだけど、ゲロ掃除する前に食い意地の張ったコバンがやってきてモクモクと食べていた。ちょっと引く光景。えんがちょ。

 昨日今日と確かに強烈な暑さで、エアコンかけて引きこもっているワシは平気だけど、毛皮着て外に居る猫たちにはしんどいのは間違いない。
 猫たち梅雨が明けて暑くなってきたら基本朝早くか夜にしか餌食いに来ない。風の通り道を見つけて屋根の上でグッタリと伸びきったりしている。


 2期生の生き残り2匹のうち、ワフーはだいぶ体もできてきてベランダに石組み経由で跳び上がって自分でやってこられるようになった。
 細面でお母ちゃん似の和風美猫だとおもってたら、後ろ姿に”鈴カステラ(小)”がぶら下がっているのを発見し、雄やったんか!と驚いた。
 兄であるコバンが顔と足がボテッと大きいので比較するとスラリとしてて美少年である。っていうかコバンは腹の肉がタレてくるぐらいに太ってて、さすがにこの肥満具合はまずいだろうと思ってたら、腹の肉がタレるのは”ルーズスキン”という体型らしくて、ブルドックの顔周りの皮がたるんでるのと同じ理由で、ケンカして噛まれたときに致命傷くらわないようにダルダルの皮で防御するらしい。コバン一番人なつっこい性格で雄同士のケンカとかちゃんとできるのか心配してるけど、体型的には戦闘向きのようだ。内なる闘争心を覚醒させて腹の肉を切らせて骨を断つ的な戦術を憶えれば、近所のボスの座も狙えるか?

 もう一匹のチビ助であるテブクロは発育が悪くてかつどんくさい感じで、なんかミャーミャー悲しげな声で鳴いてる仔猫がいるなと思ったら、水飲みに側溝に下りたはいいんだけど上れなくなっていた。膝痛いのに下りて救助するはめに。
 当然まだベランダに自力で上れない。ベランダの下に餌落とすのも面倒臭いので早く育ってもらうべく、猫を室内に入れない鎖国状態においては出島的な、産後の肥立ちのためにウニャ子にだけ集中して餌を与えるのにも使ってるベランダ前の樹脂貼りの小廊下に拉致監禁して、腹一杯になるまで食わせてから放流というのを玄関前とかで見つける度にやっている。とろくさいので餌で釣らなくても簡単に捕まえられる。大丈夫か?。ちなみに雌。
 早く大きくなれよ。

 暑くって絶好調なのが窓壁担当警備主任のヤモリさん。どうも台所の窓のは夫婦のようで片方のはお尻のところがプクッと膨れている、膨れているのが雄だったはず。
 毒虫とか吸血性の虫を捕ってくれることを期待して警備主任としているんだけど、逆にヤモリの餌が少ないと可哀想なので、夜就寝前まで台所の照明は点けっぱなしにしている。虫の多い日とか餌食ってる様子を観察してると暑さを忘れて見入ってしまう。シッポの動きがニョロニョロと独特で面白い。
 ガラスのようなツルツルした面にも平気で張り付いていて、昔は足の裏の細かい毛を引っかけているって言われてたんだけど、実は細かい毛を張り付く対象物にひっつけることによって生じる”ファンデルワールス力”という分子間に働く弱い力を束ねてくっつくという真実が明らかにされて心の底からビックリした憶えがある。2014年の報告で身近な生き物の足の裏の毛にさえ思いもよらない不思議な力が備わってることが面白い。世界は驚きに溢れている。

 こうも暑くて、外気温が体温を超えるような状況になると、ケン一がメールの”雑談”で暑さにぼやきつつ、日本の伝統的な庇で影を作りつつ、大きな窓で風通しを良くっていう建築様式より中近東方式で分厚い土壁で熱を遮断し窓も小さくっていうのが流行るかもって書いてたけど、たしかに40度越える猛暑なら、風を通して外気取り込めば取り込むほど暑くなるので、現時点では冗談なんだろうけど、この調子だと冗談じゃなくなってくるのかもしれない。
 となると着る物も、肌を露出せず外気から体を守るユルく体全体を被う中近東風が流行るかも、っていうか釣り行くときに首から顔にかけて被る”バフガード”はそういう砂漠の民の衣装に近い物を感じる。最初炎天下にマフラーみたいなネックガードしたら暑くて仕方ないだろうって抵抗感あったけど、慣れると直射日光を効果的に防いでくれて非常に理にかなったものだとしっくりくる。これからの猛暑対策は中近東の砂漠の民に学べって話だろうか。ちなみにアラブのお金持ちはサラッと快適で皺にならない日本製の高級化繊素材で仕立てた服を愛着しているとか。国内への逆輸入も近い!のか?
 あと、外気が体温以上になったら使えないだろうけど、強制的に衣類の中に外気を取り込んで循環させ、空冷で体を冷やしつつ汗を蒸発させて気化熱奪う”空調服”がちょっと今気になってる。
 どなたか実際に釣り場で使ってる方がおられたら使用感など教えていただけると助かります。
 
 週明けしばらくぐらいまでクソ暑い予報だけど、明日月曜はまだマシっぽいので明日涼しい時間朝か、夕方遅めか釣りには行っておきたい、けど、エアコンの効いた部屋の快適さに堕落したワシに、それを断ち切って猛暑の中に出撃する根性があるか。まあ、無理せずボチボチと、でも行きたいなら我慢せず、熱中症には気をつけてってって感じか。
 皆様、暑いですけどご自愛ください。

2020年8月8日土曜日

ダルトンさんの特製


 はい、前回引っ張った謎のスイッシャーの正解はダルトンスペシャルでした。
 ちゅうことで、ルアー図鑑うすしお味第42弾スイッシャー編の後半戦はダルトンスペシャルを中心にあちこち横道それつつ行ってみよう。
 1982年に出版された「井上博司のブラックバス攻略法」ナツメ社において「1930年、P・ダルトン氏がが開発した伝統あるトップウォータープラグ。」等と紹介されていて、御年90歳のお爺ちゃんルアーである。アメルアの水面系にはこういう歴史ある渋いルアーが結構あって、100年生き残ろうかというその実力と実績は、なんか”見た目それっぽい”一瞬話題になって流行するけどすぐ消える”泡沫ルアー”どもとはモノが違うように思っている。
 その長い人生(ルアー生か?)は山あり谷あり紆余曲折があったようで、1998年に出版された地球丸の「バスルアーカタログ」において「フロリダ・フィッシング・タックルから遍歴を経て、ルーハーとブランドは変わっても、残り続ける大傑作」と紹介されていることからも分かるように、比較的最近まで生産・販売されていたこともあり、時代と共に販売する会社やブランド、生産地やらが変わっていて、頭の方の下あごを削った独特の形状は不変なれど、時代によって味わいというか率直に言ってデキが違ったりする。
 まあ主に塗装のグチャッと下手くそな時代があって、そういう時代のモノは塗装自体は得意の黄色に白のツートンカラー”紀伊色”に再塗装してしまえばいいっちゃいいんだけど、塗装がグチャな時代って、強度とかの構造的にもヘチャじゃないだろうな?っていう疑念が振り切れず、できたらしっかりした時代のを相応の価格で買いたいなというところ。
 今わりと手に入る、一番しっかりしていたであろう時代のは80年代の”バラクーダ社”なのか、ひょっとすると前述の「井上博司のブラックバス攻略法」では”ダルトン社”製となっているので”バラクーダ”はブランドなのかもしれないけど、とにかく商標上の”バラクーダモノ”だけど、これも実は後述するようによくわからん細かい経緯があるようにも思う。
 バラクーダブランドのその後、ルアーメーカーの統廃合の流れの中で、ニップアイデディーやバスオレノが”サウスベンド社”からハスルアーとかのスプーン作ってた”エバンス社”を経て最後”ルーハージェンセン”に90年代当初ぐらいに移籍するんだけど、同時期ぐらいに”ダルトン勢”もバラクーダからルーハージェンセンが引き継いだんだと思う。バスオレノとかは日本でも人気ルアーなので、そのへん調べれば日本語のサイトでも紹介されていると思うんだけど、そう、実はダルトンスペシャルは日本じゃあんまり人気のないスイッシャーであり、日本語サイトでは詳しい移籍の状況とか年代ごとの見分け方とかに辿りつけなかった。
 本国米国の英語サイトなら探せば”ダルトン沼”に深く潜っているマニア氏のサイトとかあるんだろうけど、英語苦手なので、よう探さんかった。ダルトンには他に「ダルトンツイスト」というジッタースティックみたいなルアーもあって、ずっと木製という渋いルアー達に愛好家がついても良いようなものだけど、日本じゃ日陰者である。ヘドンモノやヘルレイザーあたりは経典「ブラックバス釣りの楽しみ方」とかで則さんたちが絶賛しているし、結構本国でも地味なはずのミローの「サーフェススピナー」も「道楽」の山根氏やら「ズィール」の柏木さんやらが褒めたたえているなど影響力のある”仕掛け人”たちがある種”宣伝”していたので日本じゃ人気者だけど、そういう仕掛け人の後ろ盾がなかったダルトンモノは実力も歴史も雰囲気もあるのに日本じゃあんまり人気ないのである。
 そのおかげもあって、ダルトン安い。デキの良いバラクーダモノでも箱入りで2千円前後と値段がついていない。ヘドンの人気ルアーの80年代のとか状態良ければ万札飛ぶからね。かつ、やたらと中古でルーハージェンセン時代のが安く売ってて、ボロめの個体とか500円切るような値段で買えたのもある。
 しかしながら、この”ルーハーモノ”が細かく仕様変更が繰り返されているようにもみえ、一部”サウスベンド→ルーハー移籍組”のバスオレノとかとも共通するのかもだけど、どれがどの時代にどこで作られていて、どの時代のを避けるべきか?っていうのが結構複雑怪奇。
 逆に80年代”バラクーダモノ”以前のにはネットオークションとかではお目にかからないので、”ダルトン社”やら”フロリダ・フィッシング・タックル社”時代はいつだったのかとか、他のブランドとかで出てたこともあったのか?なんてのは分からないけどとりあえずは無視しておいて実害はなさそう。

 買いまくって、入手したダルトンスペシャルとネットオークションやらで売ってるあるいは売れた個体の写真等で確認していくと、概ね”バラクーダモノ”は80年代いっぱいまでで、特徴としては、
 ①緑の箱にツネミっぽい日本語シール(シール無しもある)、②アゴに頭を上にして「DALTON SPECIAL」「DALTON SPECIAL CLEARWATER」の刻字ありあるいは「無銘」、③5/8オンス以上のモデルのペラは曲線ペラで「バラクーダ」の刻印有り、④フックはイーグルクローっぽいネムリの入ったハリ先のもの。
 という感じで、塗装が綺麗だったり凝ってたり、ペラの「バラクーダ」の刻印も凝ってて格好いい。
 少し小さい3/8オンスのものは単純な形状のペラで、この場合ルーハー時代とかとペラでは区別が付かないんだけど、箱入りじゃなくても個体数みておけば、②の刻字の特徴でだいたいあたりをつけて、あとは塗装が綺麗か凝ってるかっていう”顔”で判別がつく。
 買ったのは3/8オンス中心なんだけどバラクーダモノと判断したのは2個。
 銀ラメの凝った塗装には刻字しにくいのだと思うけど無銘となっている。5/8オンスなんだけどペラは単純な形状で元々そうだったのか変えてあるのか不明。

 フロッグカラーのは、テツ西山氏監修・翻訳「改訂版ルアー&フライフィッシング アメリカ流淡水魚釣りの全て」ブティック社の英語版初版が1985年とちょうど80年代で、その中で”プロップベイト”の一つとして写真に乗ってるのが同じカラーで、ルーハー時代の塗り方とは配色が異なることからも80年代モノと判断している。上がルーハーモノ、下がバラクーダモノ。

 箱入りのが手に入れば、箱に様々な情報が記載されているし、塗装とかの目視した感じも分かるので2千円がとこだして、箱入りポチッと買っちまおうかと思って、ふと「なんかこの緑色の箱に見覚えあるような気がする・・・」と思って蔵をゴソゴソやったら、出てきました箱入り新品の14gは「格好いい刻印入りのペラのが1個欲しいのアタイ!」と狙ってた5/8オンスだと思う。箱カビてるけど中身は大丈夫。買った記憶ない耄碌ジジイだけど、たぶんどっかの釣具屋の棚で見つけて”エグった”んだろう。値札は1700円となっていて貧乏な80年代のバス釣り少年時代には買えなかっただろうから、就職してから買ったんだと思うけど「エラい、よく確保しておいた!」と昔の自分を褒めておきたい。

 これがペラの刻印。格好イイっしょ。
 ちなみにこの個体は刻字無しの無銘で普通の色でも無銘もあるようだ。
 箱書きやっぱりためになる情報満載。
 この時代の製造元は「Marine Metal Products Co.,lnc.,1222 Range Ave.,Clearwater,Florida 33515」とあることから「マリンメタルプロダクツ」社というところだったようで、ダルトンスペシャルのほかにダルトンツイスト、バラクーダリフレクトスプーン、ベイトセイバーとスーパーセイバーエアレーションシステム、フローティングフィッシュネットの製造元だと明記されている。
 刻字に「CLEARWATER」の文字が入るのがあったので、なんのこっちゃろ?色によって濁り水用と澄み水用の違いでもあるんかな?と思ってたけど、フロリダにそういう地名の場所があるらしい。フロリダの透明な水の流れる地で作られていたのかと思うと、紀伊半島も透明な水が流れる地なのでなんか釣れそうな気がしてくる。
 会社自体は釣り具製造業というよりは、会社名からして船用の金属艤装製造会社的な響きがあって、船用の活魚水槽の製造あたりが本業で、まあ土地柄釣り好きな社長さんとかで、バラクーダリフレクトスプーンを作ってたバラクーダ社がダルトン社かフロリダ・フィッシングタックル社からダルトンモノの商標権買ったのを、さらにまとめて買ったんじゃないかと想像している。
 ちなみに箱の中に「発売50年の品質」的なことが書いてあるので、1980年以降の製造だと分かる。

 でもって、次かどうか不明だけど80年代終盤の製造元は「GENUINE CRANKBAIT CO.」という所のようで、ネット上でダルトンツイストのカップにバラクーダの刻印がある個体の腹に横書きで会社名と製造年月日を表すとみられる「9/15/89」の刻字が認められた。おそらく商標と一緒にバラクーダ時代のカップや塗装用の型とかも譲り受けたのだろう。


 っていうのが存在すると同時に、アゴ下にテール側上にして「DALTON SPECIAL」か「DALTON SPECIAL CLEARWATER」という刻字が認められるものもネットオークションで売られていたものには散見され、クリアウォーターの刻字が残っているのはおそらく刻字用のマスクごと譲り受けたとみられるので、GENUINE CRANKBAIT社の前か、あるいは同時並行で製造販売していた別の会社があったのかもしれない。
 この「アゴ下にテール側上にしてルアー名」モノの塗装がグチャッと下手クソである。買った1/3オンスの個体の目を見て欲しい。ダルトンの目は書き目で大きいのが伝統なんだと思うけど、その目がグチャなのはどうかと思う。ダルトンさんが泣いてるようだ。書き目は円筒状の棒に塗料を盛り上がるぐらいにつけてから判子のようにポチッと押して塗装するんだけど、押すときに手が震えてしまってる。ついでにいうなら刻字もズレてクリアウォーターが読めなくなってる。
 多分、80年代終わりころから、人件費の安い新興工業国に製造工場を持ってったり下請けさせたりっていうのがルアーの世界でも世界的な流れになっていて、そういう本国じゃないところで不慣れな工員というかパートのオバチャンが、ポチッと上手に目を入れられなかったり、エアブラシ塗装の時のマスク掛けが上手にできなくてズレてしまったりしたんじゃなかろうか。

 というような、80年代終わりのごたごたをくぐり抜けて、最終的には販売元は「ルーハージェンセン」ブランドに落ち着く、アメリカのルアーメーカーの再編では、群雄割拠の小規模ルアーメーカーが、もともとレーベルの親会社的なプラスチック会社に吸収されていった”プラドコ社”(エビスコ社傘下)と、エバンスやらダルトンやらの金物系・ウッド系をまとめた感じのルーハージェンセン社に加えストームともくっついた”ラパラ社”、ラインメーカーでガルプシリーズで大当たりしたバークレイを母体としABUガルシアやらPENNやらシェイクスピア、ハーディーまで飲み込んだ”ピュアフィッシング社”あたりに収束していき現在に至る(註:再編状況舌足らずだったので8/9修正)。
 確実にルーハーモノと特定できるもので一番古いのとして「”DALTON SPC”3/8OZ。F0728(改行)LUHR-JENSEN 12/03/92」というのを確認しているので、90年代初めにはルーハーブランドから販売されていたようだ。ただ、商標権を複数の会社が同時に行使してて複数の会社が作ってたっていう可能性は否定できない。けど、どちらかというとあちこちの会社で作ってたとしてもブランド的には”ルーハージェンセン”で売られてたのかなとは思う。
 あちこちの会社あるいは工場で作ってたんじゃないか?と思うのは、刻字の方法とかの違いで製造された年代が整理できるんじゃないかと、手元の現物とネット上の画像を見まくったんだけど、どうも同じ年代でも刻字の方式が違うとかがあるように感じたからである。とはいえ、同じ刻字方式とかの特徴をもつものは同じ工場で作ってたんだろうからデキの良いのと悪いのを選別するには有効かもしれないので、とりあえず分かった範囲でおおまかに4つに分けた。その内容は下記のとおりである。 


<類型1>腹に年代も分かる横文字刻字、例:「DALTON SPECIAL(改行)LUHR-JENSEN1999」「”DALTON SPC”3/8OZ。F0728(改行)LUHR-JENSEN 12/03/92」、90年代当初モノから終盤の1999年まで確認できた。安っぽい塗装で木目が感じられるぐらい薄くて不安に見えるのもあるようだったけど、全体的には割としっかりしてそう。もう一つ特徴としてはハリは茶バリ。

<類型2>腹に年代記号化したんじゃないかと思われる横文字刻印、例:「”DALTON SPC”3/8OZ(改行)"LUHR JENSEN"F#868」、「”DALTON SPC”1/3OZ(改行)"LUHR JENSEN"F#979」、”868”が1986年8月とは考えにくいので記号は直接年代を表していないぽい、のだろうか?これも安っぽい塗装と綺麗なのがあり、購入したモノは刻字が薄くて読めない。年代の違いかもしれないけど”安っぽい率”が比較的高いように思う。ハリはクロームメッキの安っぽいヤツ。

<類型3>腹に横文字刻印「DALTON SPECIAL」だけ。フックは茶バリで、たぶんダルトンモノ以外のバスオレノとかでも同じだと思うけど、この手のヤツは塗装綺麗で腹の白に薄くパールが吹いてあったりして、中古屋でそれまでルーハーモノとみられるバスオレノとか見つけても塗装も薄い感じで安っぽくて買う気にならなかったけど、初めて見たとき「オッ明らかに塗装良くなってるジャン」と小型のを一個買ってしまっている。製造時期は不明。バスオレノとかニップの愛好家で「その刻字なら●●年代の××製」とか分かる方がおられればご教授願います。

<類型4>無銘でハリはクロームメッキのやや安っぽいヤツ。ごく最近まで普通に売ってたのがこの手のやつで、今でも通販で在庫残ってる店があったのでいくつか箱に記載された情報も欲しくて買ってみた。
 バーコードの入ったシールに記載された情報から、箱入り3つのうち2つが97年製、一つが98年製と見られる。アメルアじゃお馴染みのメキシコ製。
 もっと最近まで製造されてたんだろうと思ってたので、90年代終盤の製造年は意外だった。釣具屋の棚で見かけたおぼろげな記憶から2000年代後半とかの印象だったけど、本国で売れずに大量在庫してたのを日本の輸入業者がガサッと買い占めてチビチビと放出し続けていたのかもしれん。真相は不明だけど。
 ”1999”年の刻字入りのと製造年代が被っているようにもみうけられた。
 デキ的には塗装も綺麗で作りも問題無さそう。かつネットオークションとかの中古市場に弾数が多くて安く手に入る。箱に入ってなければ千円しないぐらい。

 まあ、80年代おわりから90年代当初にかけて、安い人件費の国で生産するようになった時に、最初は不慣れで手が震えて書き目をグチャッとさせてしまってたパートのおばちゃんも、5年も経てば立派な”熟練工”でヒョイヒョイッと同じ塗料の量で真円にちかい目を入れられるようになるだろうし、エアブラシ使った塗装も上手になって「薄っすくお腹にパールを乗せて艶めかしい感じを出してくれ」なんていう高難易度の依頼にも「ハイハーイまかせといて!」ってなモンだったのだろう。
 よく、新興工業国の製品がデキがヘチャでよろしくない事例とかがあると「日本製の方が優秀。日本人は手先が器用で物作りに向いている。」云々というようなことを誇らしくおっしゃられる愛国者様がいるけど、そんなもん特殊な技術的蓄積の必要なごく限られた分野では否定できないのかもだけど、一般の工場労働者に求められる技術ぐらい、どこの国の人がやったって慣れたらできるって。
 米国産時代のバグリーのルアーの塗装の美しさとか素晴らしいモノがあったけど、地球丸「バスルアーカタログ」では、当時のバグリーの工場見学の報告が載ってるんだけど、アメリカ人のオバチャンがプシュプシュとエアブラシで綺麗に仕上げてた。そのバグリーもアメリカ生産をやめて一時ヘチャになったけど、ドミニカ共和国産の今のバグリーのルアーは米国時代に負けず劣らず素晴らしいデキだと個人的に思っている、ってのを以前紹介したようにどこの国の人だってちゃんと給料払って雇って教育して経験積ませたなら、美しい塗装ぐらいはわけないんだと思っている。

 という感じで、避けた方が無難なのが「アゴ下にテール側上にしてルアー名」で、狙うべきなのは、実弾としてならルーハーの無銘モノか年代がわかるやつで90年代終わりのもの。古き良き時代の丁寧な物作りを楽しみたいのなら80年代の”バラクーダ”モノ、歴史的価値のあるものを蒐集したいのなら、日本じゃお目に掛からないけどイーベイとかアメリカのネットオークションでも探して1930年物でもなんでも好きなの集めてください。
 ワシ的には実弾として考えているので、90年代後半モノを中心に買ってみましたとさ。
 日本で人気ないからといって釣る能力が劣ってるわけじゃないってのは先週も書いたとおりで、とくに紀伊半島でシーバス狙うならタダ引きしたときの暴れすぎない、今時の日本製シーバスミノーみたいなユルヨタな横揺れが非常に良いんじゃないかと自分の感覚ではしっくりきている。しばらく雨の増水もなさそうだけど、秋の低気圧とかが来たら活躍してくれると信じているところ。
 逆にトップウォータープラグとしての”首振り能力”的にはどちらかというと1箇所首振りより足の長い”走る”動きが得意なので、そのへんも日本での不人気の要素かなと思う。
 バス釣り主体にしてた若い頃にも、井上先生も激賞しているし気にはなってたけど、バラクーダモノの時代には、田舎じゃ売ってなかったし、ルーハーモノは90年代前半ぐらいまではダルトンに限らず安っぽくて、気にはなる存在だったけどイマイチ食指が動かなかった。
 それが、令和の時代になって、何の因果かしっくりきてしまい買いあさることになるとは全くもって釣り具と釣り人の縁とは不思議なものである。

 って締めくくって終わりにしたかったんだけど、火の付いた”買い物欲”が暴発して暴走してしまっているのでその症例など報告して、皆様の健康被害防止のお役に立てればとおもっちょります。
 何があかんかったって、目的のルアーを定めずにネットオークションでスイッシャーを安い順に見ていくなんていうことをやっちまったもんだから「あっ!コレ安い!!」と余計なモノを買う流れが連鎖して先月釣り具代2万円超という有様だったのである。

 まず買ったのが、「名称不明」とされてゴミ価格で売られていたグデブロッド社「シナースピナー」の小さいの、って「オイオイ、ナマジよ、”ゴールデンアイ”が特徴のグデブロッドのルアーがシール目なわけないだろ?」とネット回線の向こうで突っ込みが入っていることと思うけど、これ、ゴールデンアイといいつつ、実際には白目がオレンジの樹脂製アイがついてた、トラブルメーカーとかブラバーマウス、バンピングラインドなんかがオッサンには懐かしいグデブロッド社の”ゴールデンアイ”ブランドのルアーで間違いないと思ってる。
 グデブロッドも会社なくなる最後の方は経費削減のためか、最大のヒット作「マーベリック」もシール目にされていて、当時水面引きできるミノーをということでタイガーが結構良かったので好敵手のマーベリックもネットオークションとかで探してたんだけど、結構な数のシール目マーベリックが取引実績に出てきてたので、安いこともあって狙ってたんだけど、その時は出玉なくて購入には至らなかった。ってのがあったので目はシールでもグデブロッド特有のプラスチックボディーの内部に金属を蒸着させたような鱗模様からいってもコイツは「シナースピナー」と判断したところ。偽物安くつくるならこんな面倒な塗装の仕方はしないと思う。
 ただ、さっきも書いたようにグデブロッドのルアーといえばパッチリおめめの”ゴールデンアイ”が独特の表情を作ってたのに、その象徴的な目を捨てたのはワシでも「そら売れんくなるよな」ってのは正直思う。ある時ロッドのガイド交換が必要になってスレッドの色をあわせたいので、ガイドラッピング用のスレッドメーカーとしては世界でもっとも定番のメーカーだったので当然のようにグデブロッドので同じ色のがあるだろうと買おうとしたら、グデブロッド社潰れてたという有様。多くの釣り人が”ゴールデンアイ”じゃなければグデブロッドのルアーじゃない!!って思ったんだろうな。もちろんそれだけが潰れた理由じゃないにしてもだ。
 それ以降、ロッドのラッピングスレッドは国産の「錨印」のナイロンスレッドを愛用するようになった。ナイロンスレッドなんて横文字で売ってはいなくて「セキ糸(極細)」とかなってるのを買うと、グデブロッドのより太くて巻き上げに掛かる時間も短く済むし、厚ぼったくなるけど丈夫に巻ける。


 っていうシナースピナーなんてマイナーで弾数確保もままならんような、実弾候補でもなんでもない気まぐれのお買い物の時に、5個まとめ買いで送料無料となってたので、同じ出品者の売り物をみてバグリー「007jr」×2個、エバーグリーン社「プロップマジック75」×2個をお買い上げ。200円かそこらの送料オマケのために3千円弱の余分な出費。アホかと。
 007jrは先週紹介した「スピナー007」の小型版のペラ無しペンシル。これがお尻重心の縦浮きっぽい形状なのに水平浮き系だということだったので興味出てしまい思わず2個買っちまった。スイッシャー買おうとしたとしても芋づる式にいろいろ欲しくなるのが病気の人の困ったところ。
 動きは、首はそこそこ振るけど、ダイブするでもなし凡庸な感じで2個も買って失敗したなと思って回収のために早巻きしたら、これがなかなか良い感じで、ロウニンアジ用のサーフェスクルーザーとかストライパー用のギブスペンシルやコットンコーデルのペンシルポッパーみたいな”早引き系”ペンシルとして機能する。高速巻きすると、水面を胴の部分で切り裂きつつ飛沫を上げて左右にヨレながら走ってくれて、なかなか個性的かつ”ナブラに効きそう”な動きで、これは秋の港内ナブラ攻略とかで出番あるかもと、ボロくて叩き売りされてたのがあったのでもう一個追加してしまう始末。
 プロップマジック75は実はシンキングのスイッシャー。長年のワシの秘密兵器的な”動かないシンペン系”ってバス釣りの世界では”I字系”って呼ばれてちょっと流行ったらしく、ただ以前も書いたけど”動かんルアーは釣れても売れん”っていうのにルアーの設計者の人達苦労してたようで、なんか毛が生えてたりペラが付いてたり、ワシの自作シンペンのようなタダの棒ではない工夫が凝らされていて、ペラ付きのシンペンというかシンキングのスイッシャーって流行るとどこからでも出るようで何種類も出ていた。本体ごと回る大西洋サケ釣りの”デボンミノー”の次ぐらいにプラグとしては古いであろうシンキングスイッシャーが令和の時代に復活してて温故知新。
 どれか買ってみようと思ってたので、蛍光黄色の良い色のが2個出てたのでポチった。既にシンキングスイッシャーも流行は過ぎつつあるのか、綺麗な中古品だったけど700円かそこらで買えた。送料無料だし。
 動きはこんなもん水中を真っ直ぐ進んでペラが回るだけで想像以上でも以下でもあり得んって話だけど、ワシの自作シンペンも”安定して動かない”ようにアイを上の方に持って来てるけどこのルアーも同様であり、やっぱりプロが設計してもそうなるのかと”正解”のお墨付きをもらった気がしてちょっと嬉しい。
 でもってお次は「これひょっとして”名称不明”となってるルアーで安い値段つけられてて、欲しい人が名前で検索しても出てこないから、赤子の手を捻るがごとく落札できるのがあるんじゃね?」といらんことを思いついてしまい、ネットオークションで”名称不明”でルアーを検索してみると、そんなに甘くなくて価値のある人気ルアーが安く手に入って転売で儲けるとかそういううまい話は転がってはいなかった。うまい話は転がってなかったけど、本当に”正体不明”の謎のルアーは転がってて、安かったこともありまたポチッとしてついでに同じ出品者から安いルアーもう1個買ってまとめて送料お得感を醸し出してみたりとアホなことをまたまたやってしまった。
 オマケで買ったルアーは写真上でニールズマスター社インビンシブル・・・じゃないんですねこれが、実はダイワもその昔はコピーもの結構作ってましたっていうののルアーの代表作がラパラコピーの「バルサミノー」でコイツは本家「ラパラフローティング」のライバルであるインビンのコピーの「シースネーク」であります。新興工業国が先進国の製品のコピーから入るっていうのは何度も書くけど常道で、褒められたことじゃないけどまあ大目に見てやって欲しいところ。
 でもって、正体不明の謎のルアーが写真下。インビンシブルはそれなりに日本でも有名だったからコピー商品があるのは理解できる。しかしコイツは同じニールズマスター社でもあんまり知名度がない、それこそ井上先生の本でぐらいしか紹介されてるのみたことない「スペアヘッド」のコピーなんである。しかも本家のようにバルサじゃなくてプラスチック製。


 鰓の張りだした独特の形状と全体的な体型からスペアヘッドのコピーなのは間違いないけど、なんでまたこんな渋いところを真似しようと思ったのか?実によく分からん代物。コピーモノといえば我が国ではコーモラン社が有名で、往年のコーモラン製コピールアーは”安い”その分ハズレ引くときがある、っていう低い品質で鳴らしたものだけど、コイツは妙に良くできている。プリズムのシール目の表情とかクランクベイトっぽい太めのミノーな感じとか、ヤマリア社のザファースト7センチを連想させるけど、リグが一般的な8管ではなくていわゆる鉄板リグになってて、あんまり国内でこういう作りをするメーカーってないはずで、かつ作り悪くないんである。
 実は本国フィンランドではニールズマスター社はプラスチック版の自社ルアーも出してたりするんだろうか?そんなわけないよね。

 フィンランドでコピールアーで鉄板リグとなると、1社思いつくメーカーがあって”OPM”社といって、エビスフィッシング扱いで90年代にワゴンで売られていた安ルアーのメーカーなんだけど、これがフィンランド製で同国の雄ラパラ社のミノーのコピーも作ってたけど、オザークマウンテン社(そういえばここもルーハーに合流組か)のスイッシャー「ウッドチョッパー」とかABU社「ハイロー」とかマンズ社「レザーバック」っぽいクランクとか選定基準がよくわからん渋いところをコピーしていた。そのレザーバックっぽいクランク、写真の「ミニポットベリー」が鉄板リグなんだけど、今回買った謎ルアーとは塗装の感じとかが違うんだよな、何というか謎ルアーの塗装は日本っぽくて、OPMルアーは素朴な北欧風の塗りだったんだよな、とは思うけど90年代からルアー作って生き残ってるとしたら、パートのおばちゃんじゃないけど塗装技術も上がってこのぐらいの塗りに変化しててもおかしくはないか?
 あと考えられるのは、日本と米国以外で北欧ルアーが好きな国といえばオーストラリアで、豪州なら丈夫な鉄板リグなのも納得だし、黒金系のカラーは彼の地のバラムンディー狙いでは鉄板カラーだし、細かい所だけど一部3重に巻いてある丈夫そうな設計のスプリットリングが、豪州を代表するルアーメーカーであるハルコ社のルアーにも見られたので豪州産ってのもありえるかも。
 いずれにせよ、よくわからんルアーなので真相を知る方からのタレコミ情報をお待ちしています。

 今回久しぶりにルアーを買いあさってみて、同じ名前や形を持ったルアーが販売元やら生産国を変えて作り続けられていく様を俯瞰して眺めることができたように思う。時にはコピー商品のような仁義に反するブツもある。でもそれも含めた混沌としたグチャッとした世界がルアーの釣りの面白さを形作っている一要素のような気がする。
 よく偏狭な原理主義者が、開発当時の会社の製品のみしか認めないとか主張しがちだけど、ワシャあんまり気にしてない。品質が悪すぎて使用に耐えなかったり使う気が起こらないのは困るけど、例えばラパラなんて「フィンランドモノしかダメだ!」っていう人もいるだろうけど、アイルランドモノでもエストニアモノでも”ラパラ品質”は守られていたと思うし、釣れれば良いってもんでもないんだろうけど間違いなく釣れたので、どこで作ってようとラパラはラパラだと思っている。アメリカ資本になってアメリカンなプラスチックルアーとかもラパラブランドで出すようになったけど、それも時代の流れであり許容できる。それでラパラブランドが生き残っていつでもラパラの定番ルアーとかが手に入るのなら大いに結構。意欲的に新作世に問うてくれてフラットラップのような傑作が生まれるならなお結構。
 お気に入りのルアーを作ってた会社が潰れてなくなるのは実弾が補充できなくなるので非常に困る。そういう時に商標権なり設計図やら金型やら引き継いで別の会社が作ってくれるならとても助かる。”忠さんスプーン”のセントラルフィッシング社が忠さんが亡くなって当然無くなったんだけど、いまでも”忠さんスプーン”は広島のアートフィッシングさんで作られていて購入できる。ありがたいことである。
 
 今回買いあさったダルトンスペシャルもダルトンさんが開発してから、永い年月をいろんな会社がいろんなところで製造して販売してきた。時代や製造元によって味わいは違うしヘチャなデキのものもある。でも”ダルトンスペシャル”というものを永らく引き継いできたのは事実でダルトンスペシャルをダルトンスペシャルたらしめている根幹はどの時代のモノにも変わらずあったのだろうと思っている。1つのルアーに込められた魂が経てきた歴史を垣間見た気がする。なかなかに味わい深いことである。ルーハーさんまた適当な時期をみて復刻再販してください(統合先のラパラさんにお願いするのが筋か)。
 
 時代が変わって、経費削減や市場の要望を受けてとかで細かなところでは変わっていくにしても、ルアーやあるいはブランドが販売元や製造元が変わってでも生き残ってくれるのは嬉しいことだとワシャ思っている。メイドインチャイナになってもPENNスピンフィッシャーが黒金で、自分でパカッと開けて整備できるっていうだけで、それはまごう事なきスピンフィッシャーだとワシャ思ってしまう。是非第3世代の9500SSで糸巻き量が足りないぐらいのサメとかにたどり着いて、第5,第6世代の”10500”のお世話になってみたいモノである。その頃には第7世代かもしれん。

 変わっていくのをどこまで許容できるかっていうのは、まったく個人の好みで異なるはずで、でもグデブロッド社が”ゴールデンアイ”ルアーの目をシール目にしたのはいくらなんでもダメでしょうっていう、その時代の多くの釣り人が感じる押さえるべき肝はあるんだろう。ひょっとするとその部分をして”魂”と表現しても良いのかもしれない。
 名前もブランドも引き継いでないけど、今時風に言うなら”インスパイヤー(触発されてとか着想を得てって感じか)”されてぶっちゃけパクったようなルアーなんかでも、あんまり釣り人はうるさく言ってこなかったし、そういうパクリ、後出しのルアーから名作が生まれたりもしているので、あんまり褒められたことではないかもだけど、基本的な形のルアーなんていうのは、ある種の共有財産として権利関係引っかからない程度に真似しつつもみんなで発展させていくっていうのは、まあありなのかなと、それがルアーの釣りの文化なのかなと思ったりもする。
 そのへんあんまりあからさまなパクリが大手を振るのもムカつくけど、良い塩梅におさまる程度に、”良いルアー”を釣り人が選んでいくのがセンスの使いどころなのかなと思うところ。”教祖”のお言葉やらシャブ電波みたいな宣伝文句に踊らされてばっかじゃ選球眼良くならないので、自分の目利きを鍛えなきゃダメだと思うのよねアタイ。

 結局ワシが言いたいのは「ルアーマンの皆様、良いルアーを使って楽しい釣りをしましょう。」ってことです。どうかヨロシクね。

2020年8月2日日曜日

水車とスイッシャーは水飛沫をあげる


 ”ピンとこない”の対義語は”しっくりくる”だと思う。”ピンとくる”でも良いんだけど”ヒントでピント感”が昭和のオッサンには感じられ困ってしまうので”しっくりくる”でお願いしやす。

 ルアーの釣りにおいて、どのルアーが自分にしっくりくるか?というのは、なかなかの難問で、いくら名手や先達が太鼓判を押そうとも、自分で使ってみて自分の釣り場や使い方、考え方感じ方にあわないと”ピンとこない”ってことがあり得る。
 シーバス釣りにおいて、昨年秋の釣りでコレまでしっくりきてというか絶大な信頼をおいて使ってたザラパピーが、釣れる魚の大きさからいってややピンとこなくなってきたので、代わりにしっくりくるもう少し大きめのペンシルベイトはないモノかとアレコレ試してみて、「そうかカクーンだったのか!水平浮き系のハトリーズだったのか!!」とやっとしっくりきて合点がいった。バス釣りではお世話になったレッドペッパーも香港ではしっくりきていたシュガペンも今一ピンときてくれなかった。縦浮き系はシーバス出るけどフッキングしにくい。以前にはオリザラ(オリジナルザラスプーク)とかも試したけどコレはバス釣りでは誰もが大絶賛なんだけどワシにはシーバスはもとよりバス釣りでもピンとこなかった。釣れないルアーなわけがないほどの実績をもつヘドンを代表する名作なのにそれでもピンとこないときはピンとこない。
 ラージマウスバスが釣れるルアーとシーバスが釣れるルアーって若干傾向違うといえば違うけど、むしろそれは釣り場の状況とかが違うってだけで、スズキ科とサンフィッシュ科と分類的にはそれ程近くないにしても、臨機応変にいろんな水域環境に適応する魚食魚として”収斂”した似たような部分が多く、バスが釣れるルアーは基本的にシーバスも釣れると思っている。別に魚はシーバス用とバス用のルアーを区別したりしていない。

 でもって今年の当地の梅雨時期のシーバス釣り。普段は水深が10センチないような浅瀬でも、増水して太い流れの膝下水深ぐらいになると、そのザーザーと流れる早瀬には多分やる気のある個体が突っ込んできて、上がれなくなる落差の下に餌を待ってとどまる。と想定。
 さて何を投げるかと考えて、ミノーやシンペンをぶち込んでみるもミノーは水面直下系でも底を叩いたり流れを受けると動きすぎたり、流れに乗せると速攻で狙いたい位置から流れていってしまう。シンペンはまずまず引けるんだけどやる気のあるヤツを探すには激しい流れの中ちょっと地味すぎる気がしてピンとはこない。
 水深浅いんだし水面系で派手に誘ってやるのが正解かなと思って、ペンシルやポッパーをぶち込むと、これまたミノー同様流れに逆らうと動きが破綻し、流れに乗せると釣りにならない速度で流される。
 これは竿で動きを付けて首振らせたりポコポコ音出したりっていうルアーではラチあかんな、と思いスイッシャーなら波立つ水面でも派手に飛沫あげてくれるだろうし、流れに逆らってもペラは回り続けてくれて、流れに乗せぎみに引っ張ってもペラは回ってくれて魚誘ってくれるだろうと、一時期シーバス釣りに良いって話題になってたスミス扱いミロールアーのコーリングアップたらいうやつ(多分サーフェススピナーとかダブルスキャットって呼ばれてたの)を持ち出してみたら。これはしっくりきた。
 段差の横に立って早瀬にぶち込んで飛沫上げさせてたら足下でバシュッと食ったし、トロ場の静かな水面でもジョロローッ、ジョロローッと止めて巻いてでバシッと良い出方をしてくれた。残念ながらハリ掛かりしなかったけどコレはいけるという感触を持った。
 実はこのルアーは買った当初、「ペラが回るか回らないかでゆっくり巻くのがシーバスに効く」と紹介されていたのでそういう使い方していたけど、それだと自作の動かないシンペンと地味さで大差なく、かつ要所で首振らせたりの小技は使えず全然釣れる気がせずまったくピンとこなかったのでお蔵入りしていたんである。でもこのルアー早引きのほうが断然しっくりきた。ペラが軽くて良く回ってくれて飛沫飛ばして俄然働きそうな感じが醸し出されてて実に良い感じ。
 名手がなんと言おうとワシャこいつを早引きに止めを入れる使い方で釣らしてもらいまっさ。ということで、例によって”大事なモノには予備が必要だ”といくつか購入しようとしたら、なんとちょうど生産の端境期なのか新品はほとんど売ってなくて、ネットオークションとかではちょっとプレミアついたような値段で取引されている。それでは本国米国の通販で大人買いを、とバスプロショップスを確認しても、むしろこのルアー日本で局地的に人気なのでスミスが発注して作ってるだけだったのか売っていないという有様。何とか1500円ぐらいで中古を1個黄色いのを確保して、中古屋で見つけて買ってあった前のフックのヒートンが斜めに入れてある大物仕様のコーリングアップも含め3個は確保できたけど、主力にするには弾数不足は否めず、これは別の良い”しっくりくる”スイッシャーを探さねばならん。って思ってしまって、アホのように寝ても覚めてもスイッシャーのペラが頭の中で回っているという状態に陥り、先月2万円以上も釣り具で使ってしまうという”突発性スイッシャー欠乏症”を発症してしまったのであった。アタイ病気が憎いッ!
 ということで、今回久々の「ルアー図鑑うすしお味」第42弾はスイッシャーで行ってみます。デケデン。

 まあでも、我が家の蔵にはいろんなルアーが在庫してあるので、そっから適当に見繕って試してみて、良さげなのを選んで補充すりゃいいやぐらいに考えていた。
 まず第1候補は、同じ前後にペラのダブルスイッシャーの代表選手といっていいヘドンの「ダイイングフラッター」。選考の基準として単に”釣る能力”だけじゃなくて、値段が手頃で入手が容易というのも重要な考慮すべき点としている。その点、ヘドンのいくつもあるミリオンセラーの中でも、歴史も古く人気もあってヘドンがプラドコの1ブランドになった後も定期的に生産されていて、今でも新品も売ってるようだし、ネットオークションとかでもプラドコ時代のなら千円前後のこなれた価格で入手可能である。
 ダブルスイッシャーって基本直進で使うもんだと思ってた田舎のバス釣り少年だったので、後年ツーテンの虎ファンさんが同じヘドンの「ウンデットスプーク(ヘドン時代の)」を竿先で鋭角にクルリクルッといわゆるテーブルターンさせているのをみて、ダブルスイッシャーってこんな芸当もできるんだと驚いたぐらいなんだけど、さすがに細長いダイイングフラッターやらデビルズホース(スミスウィック・写真上)、ボーイハウディー(コットンコーデル・写真下)やらはターンは苦手で、そのかわりペラの回転は良くて、ついでにフッキングさせやすいのが長所だと思っている。
 ダイイングフラッターは九州時代ナマズ釣りでお世話になった。ナマズ狙いでは当時ジタバグとジッタースティックを主軸に据えてたんだけど、それで出るけど掛けきらなかったような魚を、ルアー変えて”変えると来る”で食わせるのに暗い中でも流れの中でもタダ巻いて止めてするだけで確実にペラが回って魚を誘ってくれるので頼りになる代打として1軍ボックスに忍ばせていた。
 写真一番上の黒にオレンジの水玉模様が当時愛用してた個体でプラドコものだけどこの時代は木製だった。
 今回中古で紀伊半島用の黄色いのをということでプラドコ製を2個確保。これが釣り場で投げてみると期待に反してピンとこない。ナマズを誘ってくれた激しい水飛沫が、速い流れのシーバス狙うにはどうにも”やかましすぎる”感じがして釣れる気がしない。バスやらナマズ釣るときには長所だったペラの回転性能と水飛沫が裏目に出た感じ。
 ダブルスイッシャーはどうにも良いのを見つけられなかった。デビルズホースとボーイハウディー、それと秘蔵のエバンス時代の発泡素材製の「ニップアイデディー」は3本フック仕様なのが気に入らないし、「ホッツィートッツィーJR」はさすがに70越える魚だとタモの中とかで暴れられたら壊されそうで怖い。なかなか”しっくりくる”のはないもんだなと、とりあえずダブルスイッシャーはコーリングアップの弾数をもう少し中古探して稼いでみるかなということにして、ダブルがダメならシングルをということで、ペラ1枚のシングルスイッシャーで”しっくりくる”のを探してみた。
 バズベイトっていうのも”あり”かもしれないけどバズは”止め”が入れにくいので釣れそうではあるけどとりあえずは保留。じゃあバズペラのフレッドアーボガスト社「スパターバズ」&「スパターバグ」は?と思うかもだけど、ヤツらも”止め”を入れるとペラが沈んで次の立ち上がりがモタクサするので実質ただ巻き系だと思ってる。よってバズ同様保留。バズペラはタックルボックスの中でかさばって邪魔くさいというのも地味に欠点。


 でもってシングルスイッシャーでも代表選手と言ったらこれまたヘドンなわけで”マグトー”こと「マグナムトーピード」が大正義なんだろうけど、これまたワシにはピンとこないルアーで、根本的にワシ、世の一般的なトップウォータープラッガー達が重視する”1箇所でネチネチ首振らせやすい”っていうのがあんまりピンとこないんだと思う。ペンシルやポッパーはそういう使い方しなくもないけど、スイッシャーって基本はジョロローッって水面走らせてナンボだと思ってるので、首振る性能が優秀っていうのは重視してなくて、マグトーも小型版のベビートービートも持ってはいるけど活躍させられず、ピンとこず蔵に眠らせている。
 じゃあワシ的には過去どんなスイッシャーがしっくり来てたのかって考えると、シーバス用にはそんなもんなかったので今さらながら探ししてるんだけど、バスマン時代に愛用していたスイッシャーと考えると、ホッパーストッパー社「ヘルレイザー」とバグリー社「ラットフィンク」の2つだった。
 どちらもやや太っちょの丸っこいスイッシャーで浮力があってポコッと浮いて水面を軽やかに走ってくれてペラ小さめで軽いこともあって実に軽快に良い音と飛沫を出してくれたモノである。
 ラットフィンクはとうの昔に廃盤で中古でも高くて手が出ない。オフトが復刻版で小さい「ラットフィンク2」って呼ばれるのを以前出してたようで、そちらはそこそこ買える値段の中古があるので買ってみたけど、写真下が当時モノで上がラットフィンク2なんだけど、ちょっと小さすぎてピンとこない。
 ヘルレイザーはプラドコからヘドンブランドで復刻されていて、これはそれなりの値段で中古が買える。でも実はワシの愛したヘルレイザーは小っちゃい方で、復刻版は当然トップウォータープラッガー達に人気のあった大きい方なので小さい方は復刻されていない。復刻版じゃないとなると80年代とかの当時モノは3,4千円ぐらいはしているようで、かつ小っちゃい方は不人気なのであんまり弾数もない。ワシの愛したヘルレイザーは印旛沼横の水路の杭に取られた時点で永遠に失われてしまったようである。
 小さい方のはペラも小さくて、これが軽く水面走らせるには抵抗小さくて好都合で平べったい体を横にする感じで実に軽やかに良い音でペラを回してジョーーッと走ってくれたモノであるが手にはいらんものはどうしようもない。
 ところが、復刻された大きい方のヘルレイザーは最初当時より小さいペラがついていて、大きい方でも復刻されたとき嬉しくて2つ3つ当然のように買ってるんだけど、わりとワシ好みの軽く水面走る系のシングルスイッシャーになってて結構しっくりきたので、当時内房の運河で実績あった銀色にラメフレーク散りばめた色に塗装し直して釣る気満々で導入したんだけど結果には結びつかなかった。
 とはいえ”しっくりきた”のなら復刻版ヘルレイザーで良いジャンってなりそうなんだけど、ところがどっこいで、トップウォータープラッガー達はさっきも書いたように1箇所でネチネチ首振らせることができる性能を重視するので、軽く走る小さいペラに変更されたのが大変お気に召さなかったようで、「大きくて移動にブレーキをかける効果のある当時のペラに戻せ」という強い要望を受けてだと思うけど、すぐに交換用の大きいペラとフック・カップ付きヒートンのセットが付随して売られるようになって、その後は中古で良い色のを見つけると安いので思わずいくつか買ってしまっているけど、写真下の個体のように大きいペラに換装済みのものばかりになっていて、いまネットオークションに出されているものとか見ても大きいペラのばかりである。ワシむしろ交換した後に余った小さいペラが欲しいぐらいで小さいペラ版を探して補充しようとは思うし、候補にはしておくけどできれば他のもっと手に入りやすくてしっくりくるシングルスイッシャーを探さねばと、泥沼に深くハマっていくナマジなのであった。

 でもってルアー作ってる古いメーカーなりブランドなりなら一種類ぐらいはシングルスイッシャーを作ってるもので、我が家の蔵にもいくつかあるんだけど、ボーマーの「リップシャッド」とかマンズの「フロッグマン」とかが転がってた。けど、ここら辺はマイナーすぎて中古の弾数が少なくて不合格。
 バグリーは同社の代表作である「バンゴーミノー」のお尻にペラかました「スピナーテールバンゴー」なんてのもあるくらいで、スイッシャー結構好きなのかラットフィンクの他にも「マイティーミノースピナー」に「ICU」とか「スピナー007」なんてのがあって、「スピナー007」は我が家の蔵にも2個あって、割と中古もこなれた値段でかつよく見かける。蔵の2個も中古屋で安かったので買ったモノだと思う。
 名前にわざわざ”スピナー”と付けているのは、昔のアメリカンルアーあるあるなんだけど、同じ形の”ペラ抜き”のペンシルベイトがあるからで、バグリーには「007」っていうペンシルがある。上の方で紹介したボーイハウディー(同名で出てる)やダイイングフラッターの「ダイイングクイバー」、デビルズホースの「ツースピック」なんかがそうで、集合写真に1個混ざってるけどオリザラにはペラ有り「ウンデットザラスプーク」なんてのがあったりする。同じ胴体を使い回すと設計とか金型とかの手間と経費が節約できるからだらろうなって感じで、ヘドンはウンデットスプークを「210(ツーテン)」の胴体で作ったり「ザラⅡ」の胴体で作ったりしていて時代によって形が微妙に違ったりするらしい。そのへんお好きな人にとっては蒐集欲をそそられてたまらん世界のようで、触らぬ神に祟り無しである。ヘドンとか超人気で沼の底も満員御礼で、いまさら参入しても良い場所には沈めんので、まあ沈もうとおもえば深い所に沈んでる”ツーテン”の虎ファンさんが良い場所空けてくれそうだけど二の足を踏んで足突っ込まないようにしている。
 スピナー007は縦浮き系かと思いきや結構横浮きでなかなか良い感じ。使っていってしっくりと来るかどうか、コイツも候補に入れておきたい。これバルサじゃない堅めの木だと思うんだけどひょっとして同社得意のバルサだとちょっと強度的には不安が残る。
 候補として蔵に転がっているルアーからプラドコ版ペラが小さいままの「ヘルレイザー」とバグリー社「スピナー007」を選んだけど、もうちょっと探せば、世の中にスイッシャーはまだまだいろんなのがあるだろうから、いくつか候補を買ってみようということになって、田舎に移住して、黄色い中古釣具屋の引力からはやっと逃れられたのに、現代にはネットオークションもあれば、ネット通販もあり紀伊半島の港町でも”お買い物”の誘惑からは逃れられず怒濤のお買い物中毒状態に突入していくのであった。

 まずは、とにかく安くなければ実弾として困るので、ネットオークションのスイッシャーを価格の安い順に並べて千円前後までで買えそうなスイッシャーのあたりを付けていく。
 見ていて目立ったのはバルサ50の「スマートアレック」が安いってこと。横浮き系シングルスイッシャーで釣る能力的にはしっくりきそうだけど、同じバルサ50ファミリーのホッツィーと同様になんぼ芯に堅い木材入れて補強してあるといってもバルサ製のルアーでヒートン使ってあるのは強度的に不安がある。使うのならワシのラパラ在庫みたいに目方で買うぐらいの大量在庫がないと安心できない。あとラパラはぶっ壊されてもワイヤー貫通なので魚がハリだけ持って逃げていくってことは想定しなくていいのでヒートンモノとは若干事情が違うというのもある。
 その他には意外に選択肢少なくて、シングルスイシャーって思ったより過疎地なのかも?古くからある名作除くと、水面系の小工房のお高いハンドメイド品とジャパニーズリアルミノーのリップ取ってペラ付けたような購買欲をそそらない最近の大手日本製ぐらいで、こりゃ名作系しか自分的には”無し”だなという感触。
 で、日本の名作であるハトリーズ系もそこそこ安いし良いかもと思って「ベイジングスパロ-」っていうのが見た目的には良いかなと思ったけど、ちょっと弾数少なめで二の足踏んでいたら、アメルアで妙に値段安めで弾数も多いのを発見。
 試しに買って釣り場で投げてみたら、これが一発でしっくりきた。シングルスイッシャーなんだけどタダ巻きでヨレヨレッと今時の日本製ミノーみたいにユルい横揺れしてくれて、かつペラの回転が軽くて良い飛沫を立てて回ってくれる。
 魚出してもいないのに「コレだ!!」ってことになって、怒濤の買い取り強化月間に入って手頃な値段のをポチりまくったんだけど、そのルアーとは一体何なのか?
 それは次回のお楽しみに。
 今宵はコレまでとしとうございます。って”引き”で終わるのであった。