2020年1月18日土曜日

タチウオ昇龍拳対策 妄想フライボックス



 カマスもそうだけどタチウオもいかつい牙をはやした典型的な魚食魚で、植物質の餌を消化するためのグルグルの腸管をチヌの腑分けで目にしたとき「これルアーで釣れる魚なんか?」と不安になったのと反対に、その牙を見て「こんなもんルアーでもフライでもガップリ食ってくるやろ、楽勝!」と思わずにいられない。
 実際には簡単といえば簡単なんだけど、それでも時合いやら食わせるコツ的な部分もあって、当たり前だけど釣ろうとすれば、ちゃんと釣りとして難しい部分が出てきて苦労させられるけどそれゆえに楽しめる。
 歯がキツい魚なのでカマス同様にワームで釣ってるとワームがちぎられまくるので無職のフトコロには地味にこたえる攻撃特性で、また例によってインチキフライマンは「カマスもいけたんだしタチウオもいけるやろ、フライなら金かからん」と何の根拠もなくフライで釣れる気になって早速フライロッド持って釣りに行ったんだけど、1回目はアタリはあったんだけどあえなく敗退。
 ヤツらの攻撃特性のもう一つの特徴として、立ち泳ぎして獲物を待って下から突撃してくるっていうのがあって、ワームのジグヘッドリグの時にアシストフックを下側にぶら下げたように、どうもアシストフックが必要なように感じる。フライの場合軽くて吸い込まれるので後方にもう1本ハリを追加するのが妥当か?
 ということで、2本のハリを針金で連結したうえでフライを巻くというのが王道だと思うけど、面倒くせぇのでコレまで作ったフライにも追加できて便利だしということで、バス釣りでスピナーベイトのハリ掛かり向上のために後ろにハリを追加する”トレーラーフック”方式で行くことにした。


 やり方は簡単で、ハリのライン結ぶアイの部分にゴム管やプラの管を被せてズレにくくしておいてから元のハリに刺して使うというモノである。
 シングルフックとダブルフックとどちらが良いかなとか両方用意してみたけど、どちらでも良さそうな感じがする。
 というか、トレーラーフック方式初戦は魚釣れたけど元のハリまでガッチリ食ってきていて、釣れる時はトレーラーフックも要らないのかもしれないし、食いが浅くてあった方が良いときもあるのかもしれない。この方式だと要らなければ外せば良いのでそのへんは臨機応変に対応可能。
 欠点としてはゴム管の針穴が大きくなって緩んでくるとハリがズレやすくなってくると感じたのと、どうしてもハリが多いとフライのウイングが絡んだりという不具合は増え気味。

 タチウオが釣れるか釣れないかは、ハリの工夫やらフライパターンがどうこうより、圧倒的に魚が居るか居ないかに左右されるうえに、魚の居る時合いが夜明け前の5時前後にはあるような気がしているけど居ないときもアリ、カマスと比べても博打性が高いつりモノなのようだ。それでも”せごし”食いたさに眠い目をこすりながら早起きして狙いに行ってしまう。
 そんなわけで、フライパターンはそれ程多くは用意していない。自信のあるハリを投げ続けてこまめに移動しながら群れの居る場所を探り当てることが大事なので、かじかむ手でフライ交換してる暇があったら投げておけだと思っている。

 とりあえず、デシーバー系というかバックテールストリーマー系の単純なハリは投げやすいしとりあえずアタリも拾えているので、4センチ5センチのカマス用よりは大きく作って、フラッシャブー増し増しでギラギラと巻いてある。
 このタイプ、ハリ一本だとそうでもないけどトレーラーフック付けるとややハリにウイングが絡みやすくなる気がする。

 もいっちょは、海のフライでは自分の中では定番のf’sクラウザーミノー。
 フックをひっくり返してダンベルアイを下に付けて底狙いでも根がかりにくい上に単純で巻きやすく良く釣れて世界中のフライマンに愛されているクラウザーディープミノー。そのお腹の辺りに綿系の素材でポッコリと膨らみを持たせてボリューム感と水押しの強さを加えたF船長の自身バリ。上のヤツちょっとお腹がグシャッとなっててごめんなさいだけどF船長ご本人にいただいた本家版、下がワシが巻いたヤツでトレーラーフック追加済み。
 ただ、フックが上向き系は下から襲ってくる魚にはイマイチかなという気もする。


 上記2本の、ウイングが絡みやすい、フックが上向き、という欠点を解消し水中で存在感を出す”太さ”を確保したハリをということで巻いたのが、このシリコンキャンディーミノー。
 キャンディーミノーっていうバックテールや化繊素材をウイングにしてハリの部分でそれらの素材をエポキシで固めたパターン(エポキシで固めた頭が透明感のある飴っぽい感じになる)があるんだけど、それのエポキシをシリコンに変えたパターンで、かつ頭のボリュームを綿系の素材(今回はフェルト細工用のアクリル綿を使った)でモコモコと成型するポポビクス氏の手法を採用。シリコンは固まってもエポキシより柔軟性があるので、頭はガッチリ固めつつ腰あたりまで薄くシリコンで被っておく感じにするとウイングの自然な揺らめきをあまり邪魔せずにハリに絡むのを防ぐ効果が高い。
 頭の太さに合わせてフラッシャブーとかを増し増しにしてギラッギラに仕上げてみた。上の黄色いハリで実際にタチウオ釣っている。
 下の黄色オレンジの目玉は黒目がコロコロ転がるタイプでラトルの役目もチョットぐらいするんじゃないかと期待している。

 というような感じで、フライパターンはこんなもんで良いかなと、あとは群れ回ってくるのを期待してマメに足を運んでおこうという感じ。
 でもって、シリコンキャンディー作ったついでに、昔九州の漁港でよくセイゴフッコ釣れたシッポまでシリコンで固めたシリコンミノーを作ってみたらカマス好釣だったのでついでにご紹介しておく。
 あんまり大きいと回転しがちでハリスがクルクルになってしまったりするけど、こんなルアーみたいなインチキ臭いハリが意外に釣れたりするんです。
 シリコン接着剤は昔から信越シリコンの赤と青のラベルの「KE42-100TM」を、脱酢酸系なので乾燥時スッパくっさいんだけど、室温で放置しておいてもチューブの中身固まらないし有機溶媒系の接着剤みたいに頭痛くならないので愛用していたんだけど、今回使い切りそうになってアマゾン様に注文しようとしたらアマゾン扱いのはなくて出店している資材屋さんで買ったら送料500円分ぐらい高くついてしまった。
 どうも最近は青と水色のラベルの「KE45T-100」が主流のようで今後はこちらを買う方が良いのかなとも思うんだけど、有機溶媒不使用は同じようなんだけど室温保存大丈夫か?とか手に付いたときに固化するの待てばベリベリッと剥がせるのか?とかの”使い勝手”が一緒なのかわからんので、もし青と水色のラベルのをフライタイイングに使用中の方がおられたらそのへん使用感を教えてくれると助かります。

 もいっちょついでに、フライパターンがある程度絞れればフライボックスは小さい方が良いんだけど、小さいフライボックスはあまり厚さがないモノが多くてタチウオフライとかしまっておくとペッチャンコに潰れてしまう。
 これがちょうど良いのを見つけて、カマスフライボックスとタチウオフライボックスは左の写真のような感じになっている。
 メイホウのSSサイズのケースにオーナーのダブルフックが刺さってたウレタンフォームがあつらえたように幅がピタッとあってて、大きなフライが多いタチウオボックスには真ん中に1枚両面テープで貼り付けてそれぞれ頭を外側のウレタンがない方にむけて刺して、小さなフライが多いカマスボックスにはウレタンフォーム2枚敷き詰めて4列みっちり刺している。
 蓋の裏にはコルクの薄い板を両面テープで貼って、カマスボックスではそこにもフライを刺してあるし、タチウオボックスでは冒頭の写真のようにトレーラーフックを刺してある。

 フライボックスに実際に魚釣った実績のある”実弾”が並んでいくと、なんとも頼もしい感じがしてきて、「弾数は充分だゼ」ってな感じで釣りに行きたくなるというモノである。

0 件のコメント:

コメントを投稿