小物釣りもマハゼにマアジにと絶好調に突入している。
仕掛け作りも楽しくて、あれこれ工夫してやってる。自分の備忘録がてら公開してみるので皆様の参考になれば幸い。
まずは4.5mの延べ竿で狙うハゼ釣り仕掛け。これは基本今までと同じで以前も書いたとおり肝は自動ハリス止めにパイプ突っ込んでハリスがオモリの方に絡まないようにしてあるのと、オモリが遊動式なんだけど完全な遊動式ではなくて、少し上に”止め糸”で止めをいれてあること。
止めがないとあわせたときに魚が既にあらぬ方向に走っていて仕掛け全体が大きく曲がっていてアワセが効かないなんてことになりかねない。
長めの竿だとある程度重いオモリで振り込んだ方がやりやすく、また側溝のポイントは流れもそれなりに強いのでオモリはバス用のタングステンシンカー3.5gを選んでいる。”鳥の口に入る大きさの鉛は使わない”は今後も徹底したい。
ビーズが2個付いているのは上はオモリの穴が大きくて止め糸のコブが抜けてしまうのでその抜け防止。下は硬質のプラスッチック製で、せっかくタングステンという堅いオモリを使うので音鳴らしてみるかなと入れてみた。あんまり効果は実感していない。むしろタングステンの金属光沢はハゼの好みらしく赤いオモリ以上に”オモリアタック”は多い印象。
自動ハリス止めに固定するパイプ付きのハリスは各サイズ用意して釣り場に持ち込んでいる。釣り場で作ろうとすると老眼なのでイィーッとなる。
先日、根掛かりしたのを外そうと引っ張ったら、ハリスじゃなくて1号の道糸で切れてちょっと途方に暮れた。
0.6号ハリスだとそういうことはなかったんだけど、ハゼが大きくなってきたのでハリの大きさを上げたらハリスが0.8号でとうぜん1号の道糸よりは弱いと思い込んでたけど、今時のナイロンハリスは強くて、実際にルアーの前と後ろのアイに結んでどちらから切れるか引っ張ってみたら1号の道糸から切れた。
コリャいかんと、0.8号の太さで5LBの強度をうたっているレグロンで試してみたら、レグロンの強さは嘘じゃなかった。ハリメーカーが使ってるハリス用の0.8号より強い。ということで、ハゼ用の新しい仕掛けはレグロン0.8号で作っている。
続いてマアジ狙いの延べ竿用螺旋仕掛け。
ヘラ釣りの仕掛けとアユの餌釣りの仕掛けの混ざったような代物。
螺旋はアユの餌釣り「浜松式」で使われてるけど、普通の釣り人にはコイの吸い込み仕掛けに使われてるのが馴染み深いだろうか。
螺旋を使ったアジとかの仕掛けが紹介されているのは見たことがないんだけど、通販とかで探すと、普通に海の小物用としてアミコマセを想定して売られている。
正直、アジ釣りっていうとコマセカゴにアミコマセみっちり詰めてガンガン撒いて、アジを狂乱状態にしてサビキに食わせる”カゴサビキ”が一般的だけど、それって単純に仕掛けもコマセもよく売れるから釣具屋が薦めてるだけだろうと、いつものようにうがった見方をしている。
でもって、延べ竿で1本バリでチマチマと釣ろうと思うと、コマセなしの電気浮子仕掛けでこれまで釣ってきたんだけど、螺旋使えば少量ずつコマセ効かせられて、かつコマセカゴより軽くて浮子も小さくできるので、仕掛け全体が繊細に仕上げられて食い込みも良くなるしでコレはいけるやろと導入してみたら今のところ上手くいっている。
日中や灯りの下では、電気浮子よりトップが細くて、細かいアタリが取りやすいヘラ浮子も使ったんだけどなかなか塩梅良かった。
ヘラ釣りの技術は浮き釣り全般に通じるモノがあるので修行して”ゆるふわ流”初段とっておいて役に立っている。コマセを螺旋にギュッとまとめるのもヘラのバラケのハリ付けの要領で左手でチョイと摘まんでやっつけている。
この仕掛けで肝になるのが、サビキ仕掛けと違ってハリスが長く取れることによって、ヘラで言う”ハリスの倒れ込み”でフワフワ落ちていく刺し餌を食わせることができたり、違和感なく食い込ませたりできるところだと思っている。
ハリスの長さやオモリの重さ、コマセの効かせ方の調整とか、ヘラ釣りと同じような技術がアジ釣りでもやっぱり効果あって、ヘラ釣りせっかく基本を身につけて面白くなってきたところなのに、こっちじゃ釣り場が遠くて残念に思ってたけど、アジ釣りで充分補完できそうな感じになっている。
この仕掛けもハリスを接続する螺旋の下の部分にはゴムパイプを被せてあって、ゴムパイプの中にハリス接続用に太めのフロロのラインが通してあり最後8の字で輪っかにしてある。ハリスの方も8の字で輪っか作って一回ぐるっと通す”ループトゥーループ”で接続する。これでハリスが螺旋とかに絡むのが劇的に回避できる。
もいっちょアジ釣りの仕掛けでフカセ仕掛け。
写真じゃ何が何だか分からないと思うけど、上の方は見やすい蛍光ピンクのナイロン1.5号、その下道糸の主な部分はとりあえず感度と沈みやすさを重視してフロロの0.8号、フロロの先は例によって8の字作っておいてハリスと接続。
接続部分にはウレタンパイプを被せて結び目とかハリスが絡む部分を極力減らしてみた。止め糸で3箇所ほど目印を作っている。ハリスにスズ製ガン玉を打って使用。
まだ一回しか使ってないけど、正直道糸は透明のナイロン0.8号通しでも目印打てばいけそうに感じた。ハリの重さだけではあまり沈んでいかないのでガン玉打つので沈みの良いフロロにこだわる必要もないのかもしれない。ガン玉をハリスに打つ限りにおいてはハリス先行で沈むので仕掛けが絡むことはあまりなさそうでパイプも要らんかも。
仕掛けは不必要なモノがついていると絡んだり切れたり不具合の元になるので、究極的には”竿先とハリを1本のテグスで結んで終了”っていう完全フカセ仕掛けなら問題起こる場所が最小限にできるはず。
ただ、実際にはそれだと道糸のどこで切れるかわからないので、道糸とハリスは分けて、切れてもハリスだけ交換で済むようにした方がいいし、沈み方の調整にガン玉は必要だと感じたし、目印ぐらいは付けた方がよさそうにも思う。
いずれにせよその程度の単純な仕掛けでもアジ普通に釣れます。まあ、状況にもよるんだろうけど。
というのが現在使ってる3種類の仕掛けなんだけど、とにかく小物仕掛けにおいて”パイプ”が絡みを防止する能力には絶大な信頼をおくところである。沈むときに天秤のようにオモリとハリスを遠ざけてくれる。
こういう、細かいところだけどちょっと違うだけで全然結果が違ってくる、っていうのは釣りでは良くあることなのでチマチマと改善を続けていきたい。
仕掛け作りにおいては、どういう工夫を加えるか、っていう部分より、どれだけ無駄を省いて単純化できるかっていうところが重要だったりもするけど、パイプはわざわざ入れるだけの価値のある部品だとおもっちょります。
2019年10月27日日曜日
2019年10月19日土曜日
ご近所チヌ資源管理計画
チヌ釣りの際のリリースするか確保するかの基準について、私的規則を決めました。
「2匹目が釣れたら2匹目を確保」
以上、って感じに単純明快になものにした。
キャッチ・アンド・リリースについては以前にもサイトの方で書いた。その時と考え方はあんまり変わってないんだけど、ぶっちゃけ仕事もあって”週末釣り師”だったころは持ち帰って捌いて料理して余さず食べるって、次の日ゆっくり家で飯食えるかどうかも分からんのに面倒くせぇ。っていう要素が大きく、かつ釣り場の魚はちょっとでも多い方がイイよねって単純に思ってたところがある。
今現在状況はずいぶん変わってて、毎日釣りに行ってもかまわない無職という身分であり時間はそれなりに自由にでき、一方で食糧確保は重要な案件となりつつあるのでよっぽどの大魚でもないかぎり持ち帰っても余らすようなことにはならないので、持ち帰りたいのは持ち帰りたい心境。
とはいえ、釣り場を荒廃させてしまったりしたら元も子もないので考えなしに何でもかんでも持ち帰るというのもおそらく間違ってるんだろう。
ただ、キッチリと資源量調査をして科学的に妥当な持ち帰り数を設定するとかワシ個人じゃできるわけもない(科学的根拠に基づいた資源管理も完璧ってわけでもないし)。
まあ、マアジみたいな浮き魚やらマハゼみたいな小型魚は数が多いんだから釣り人の持ち帰り量とかあんまり気にしなくて良いんだろうなとはザクッと思っている(移動性少なそうなゴンズイは要注意かなとも思ってる)。
悩ましかったのが件の”チヌ”ことクロダイで、この地にはえらい数が多いようで港でも河口でも砂浜でも護岸でも地磯でもどこにでも出没して、これまで5匹かそこらしか釣ったことのない人間が何を心配する必要がある?っていうぐらい数自体は居るんだろう。
当地でも釣りモノとして人気で筏釣りや港での浮きを使った釣りを主体に多くの釣り人が楽しんでいて、それなりにお持ち帰りされていてこの数である。食費浮かせるのに全部持って帰って良いんと違うか?と思わなくもないけど、どうも自分の釣り場の、ルアーに食ってくることがあるような浅場に突っ込んでくる個体っていう条件に絞るとそこまで数が多くないように思う。かつ見えてるヤツらみんなデカくて40は越えてる感じで、そこまで育つのに10年から掛かってるって話だと、今まだルアーで釣る方法がそれほど当地ではやられてないのでワシぐらいしか狙ってないけど”チニング”なんてヘンテコな言葉作って流行らせようとしている釣り業界の目論見もあって遅かれ早かれルアーでも狙われるようになるだろうから、そうなると見えてたヤツが抜かれていって居なくなるのは早いと予想している。
今時、世界の果てのジャングルの奥地に釣りに行っても船外機に日本の釣り具メーカーのステッカーが貼ってあるぐらいで釣り人の腕は長く地球上のどこに居ても届く。
新たに開拓したと思った釣りモノでも、そのうち同じように気がつく釣り人がいて秘密はバレて広まり、釣り場には人山が立ち、魚はスレて数を減らしていく。
いままで何度か経験してきたことであり、どこに行こうが逃げられない。
ただ、逃げ切れないにしても抵抗して、少しでも良い釣り場を維持していきたいと願う。
そのために、少しでも釣り場の魚を減らさないようにオールリリースにするべきか?
実は違うんじゃないかと思う。既に魚が減ってしまった状況なら、その方がイイしなんなら釣りしない方が望ましかったりもするんだろうけど、現状私の釣り場にはチヌいっぱいいる。
ほっときゃ誰かが見つけて、割と簡単に釣れるということを知ってしまい人山コースなのは目に見えている。
チヌ釣るの現時点で苦戦しまくってるけど、そんなもん1シーズン目っからワシ程度のつたない釣り人がもう5匹も釣ってる時点で上手いヤツらにかかったら”簡単”に釣られてしまうだろうとは想像に難くない。
実際やってることは魚見つけてルアー投げてるだけっていう酷く簡単なことで、釣れるという認識があったらそんなに難しくない状況だと思ってる。今は当地では”見えてるヤツにルアー投げても無視されるだけ”っていう認識だから見逃されているってだけの話だと思う。
私も、ケン一から”釣れる魚”だと聞かされていたから、釣り方掴むまで時間は掛かるかもしれないけど釣れるハズとある程度確信を持ってルアー投げてた。私が釣れたのは今回はケン一やJOSさんのような何年も掛けて開拓してきた釣り人から、クロダイ系はルアーフライでの釣りの対象となるという”根拠”をもらったから釣れたのである。おかげさまでとしかいいようがない。
魚が多すぎる釣り場の悲劇的な結末として思い出すのは、昔東北で、解禁中毎週末必ずと言って良いほど通ってオールリリースで楽しんでたイワナの支流。
元々見つけた段階で魚影も濃く型も良かったけど、土曜の朝一はそこに入るのでたぶんその後では釣りにくく毎週オールリリースの人間しか釣ってない状況に近くて魚が残り、2年目以降はあからさまに異様な魚影になって、案内したりすると驚かれる状況になっていた。その川も東京に戻ってしばらくして行ってみると、1度目は魚籠持った釣り人が何人か居てイヤな予感がしたけど2度目には釣り人いなくなってて、魚も釣りが成立しないぐらいに居なくなってた。
今考えると、もう少し魚間引いてやって難しい釣り場にしておくべきだったのかもしれない。
あんまり釣り場に魚が沢山いて釣れすぎると、考えなしになんでもかんでも持ち帰るようなよからぬ釣り人を含め多くの釣り人を呼んでしまってかえってよろしくないと最近思うようになってきた。
当地において今後自分のシーバス釣り場に人山が立つようなことはないと楽観している。だって、魚そんなに居ないし既にルアーでさんざん狙われているしで、20年以上シーバス釣りやってきたワタクシが恥ずかしながら40以上の大きさの魚、予定外のヒラフッコ入れてもまだ4匹しか釣ってないっていう「チヌより難しいやんケ!」な状況なので、来るなら来てみろテメーらにゃ釣れやしねぇから、ぐらいの不遜な心持ちでいる。
川崎のご近所ポイントでも春のバチ抜けは、やり方分かっちまえば素人でも釣れる釣りなので見つけた最初の頃はウハウハだったけど、後半は人山立って大苦戦をしいられた。でも、条件良い日を選んで1匹2匹釣るのがやっとの魚少ない秋には釣り人いるのは橋桁周りぐらいでノビノビと釣りを楽しめた。
っていうくらいで魚釣れすぎるのもどうかと思うよ実際。ちょっと難しくてスカ食いながら釣るぐらいの方が熱くなれるし人山も立たないしで良いんじゃないでしょうか?
で、そのちょっと難しくておいそれとは釣れないんだけど、ワシが暇に飽かせて通える分の情報量で優位に立って釣りを成立させて楽しめる程度に”間引く”にはどのぐらい持ち帰れば良いのか。釣りしながら考えてしまい魚釣れなかったけど、良い方針を思いついた。
それが、最初の方で書いた「2匹目を確保」である。要するに釣りに行って自分の技術で1匹釣れるけど、複数は釣れないぐらいの難しい釣り場にしておきたければ、単純明快複数釣れたらその分持ち帰れば良いんじゃなかろうか?
これなら、机上の空論かもしれないけど自分が上手くなっていくにしたがい、資源に与える影響が大きくなっていきさらに難易度が上がって、常に1匹釣れるかどうかぐらいになりゃせんだろうか?
まあ基本理念はそういうことで、実際には3つも4つも釣れることは想定してなくて2匹目だけ持って帰るで良いだろうって話。
割とスッキリした整理だと自画自賛するんだけどどうでしょう?
1匹も釣れなきゃつまんないと思うけど、数釣りするような小物じゃないなら簡単に釣れすぎるのもいまいち攻略しがいがないというかツマランと思うよ。
結局、自分のような面倒くせぇ性格の釣り人は、今の技量で釣れるよりちょっと難易度の高い獲物が釣りたいわけで、釣れなきゃ釣れない中で楽しむんだろうけど、釣り場の状況が悪くなっていき「昔は良かった」的なことしか言えない老害じみた釣り人にはなりたくないので、少しでも釣り場を良い状態に保つにはどうすれば良いのかっていうことを、どうやったら魚が釣れるのかってことなんかより、時に真剣に考えてみたりする秋の夜長。
つらつら書いてみたけど、まったくもって”自分の釣りのため”だけを考えている。みんなの釣り場を!とかそんなヌルいことを考えてる余裕なんて全くない。なんてゲスいんでしょう。自分だけ釣れればそれで良いっていうのか?って聞かれたらぶっちゃけもちろんそれで良いって思っちゃってる自分の身勝手さと他人に釣らせる魚はねぇゼっていう底意地の悪さが露呈していて、我がことながら何とかならんのかと思わなくてもないけど、そんなもんだよね実際。
アジやらハゼならみんなで並んで仲良く釣れば良いと思うし、そういうことができる釣りモノの素晴らしさってのはしみじみと感じるところだけど、貴重な獲物を独り占めしたいという実にあからさまに正直な欲望もまた私の中に真実として存在するのである。
アタイちょっぴり恥ずかしい。でもそれがアタイってやつなのヨ。
2019年10月12日土曜日
神秘的なリール部品
PENNスピンフィッシャーの4200と4300の大きさがだいぶ集まった。
上段左から714Z、430ss、4300ss。
下段左から716Z、420ss、4200ssで、右端の中段?が今主軸機で使っている430ssg。
こいつらは、糸巻き量的には420ssで4LB150ヤード、430ssで4LB300ヤードというカタログ数値でいわゆるウルトラライトからライトタックルでのルアーの釣りに好適な大きさで、特に4300ssの大きさは汎用性が高くて渓流からバスからシーバスとかの軽めの海の釣りもこなす万能選手で4機種とも愛着もある名機達だ。
4200の大きさは4200ssがややスプール径小さすぎる気がしてあまり好みじゃなかったんだけど「フェンウィックGFS55Jのリングシートに似合うPENNがどうしても欲しい~」と駄々をこねて716Zは購入。この時も4200ssほどスプール径が小さくなくて使いやすそうで、インスプールのモデルだからかな?ぐらいに思ってたけど、この度ボディーが金属鋳造製の公式第3世代(ミスティックリールパーツさんの整理では第2世代)の420ssを入手(JOSさん感謝!)して使ってみると、4200ssで感じたほどのスプール径の小ささはなく、とても使いやすく実際に好釣である。
若干ドラグの効きが小型青物釣るには滑り出しが引っかかる感じがあったのでドラグパッドを純正のテフロン乾式からカーボン湿式に換装してドラグも今時のリールと比べても負けやしないゼなものになっている。カーボンのパッドは4400ss用のを耳切るとちょうど良い大きさになる。
という感じで使ってみて感じるのが、後継機のハズの4200ssと420ssがなんかやけに使用感が違うなというところ。
420ssは430ssと似たような使用感だし、端的に言えば430ssのスプール部分を小っちゃくしただけの設計に見受けられる。
事実420ssと430ssのハンドル軸のギアは品番「8-420」で共通である。使用感似てて当然。さすれば430ss愛用していたので使いやすく感じたのもまた当然。
ところが、4200ssになると、設計ががらりと変わってくる。以前どこかで書いたけど、どうも4桁スピンフィシャーになって最初にギア方式を伝統のウォームギア(中型以上ではハイポイドギア)から変更して大森的なハイポイドフェースギアを採用したのは、この4200ssだったようである。
他のモデルは4桁になっても最初はハイポイドギアでその後ハイポイドフェースギア化というのが多く、同じ4桁スピンフィッシャーでも製造時期でギア方式が違ったりする。最後までウォームギアだったのが4300ssで、4桁化の時に設計し直してメインギアが小さくなり左右両用になっているけど、その設計は430ssgに引き継がれている。
話を4200ssに戻すと、716Zから420ssになった際にはアウトスプール化しつつもギア方式とかはほぼ一緒、サイレントドック採用でカリカリ鳴らなくしたぐらいか?
ところが、420ssから4200ssはギア方式から変更したので、当たり前だけど内部設計も全く違っている。
写真の左が716Zで真ん中の420ssとギア方式やらクランクの形式が同じというのが良く分かると思う。
対して右の4200ssについては、ギアがハイポイドフェースギアになり、スプールの上下はハンドル軸の歯車を介して上下させるカム方式で、逆転防止機構はローター軸のギアの直上、本体内部に設けられている。
ちなみにサイレント化はハンドル軸のギアに噛ませたワイヤーの部品が逆転防止の爪を正回転時押し上げる方式。
という感じで、内部設計をあらためてしげしげと眺めてみると”4200ssはPENNが作った小型ダイヤモンドみたいなスピニング”だと思えてくる。
ハイポイドフェースギアでローター軸のギアの上に逆転防止を持ってくるってあたりが大森っぽいと思ってしまうのは単なる思い込みだろうか?単に当時の流行か?
シェイクスピアSIGUMAシリーズとかで、小型で単純、軽量なスピニングを米国で売りまくってた大森を見て、PENN社としても「うちも小型機はああいう軽量軽快なのを目指そうか?」と思っても不思議じゃないように思う。
4200ssはあきらかに軽く作ることを目標とされて作られている。ライン巻いてグリス込みの湿重量だけど、716Zが255グラム、420ssが253グラムと金属本体なのもあって小型機としてはやや重めなのに対して、4200ssはグラファイトボディー化の効果も遺憾なく発揮して198グラムと大幅に軽量化されている。
まあそうはいっても、今試しにタックルオートSS測ったら187グラムと本体金属なのに素晴らしく軽くて、軽く小さくは大森にはかなわないなと思うものの、PENNスピンフィッシャーの海でも余裕を持って使える丈夫さを考えると、その分多少重くなってるのはPENNらしい個性だとも思えてきて、まあいいやんケと思えてくる。
軽量小型化のためだと思うけど、スプールの大きさ自体も写真のように変えている。径も違うし高さも違う。左が4200ss。
それらも合わさって、全体的に小さくまとまった可愛いリールになっている。
4200ssはあんまり使いどころのないミソッカス扱いしてたけど、なかなかにこれも味わい深い1台である。見直した。
ただ使うとなると、やっぱり420ssのほうが手に馴染みがあるしどうにも格好いいリールなので420ssを新天地での小物釣りには使うことにした。
3桁と4桁スピンフィッシャーの間には部品互換性がけっこうあって、スプールが共有できるってのが実用性高いんだけど、420ssをいただいて、4200ssのスプールを替えスプールにできるなと思って填めようとして、上手くカチッと止まってくれないので、互換性ないんだなとちょっと残念に思った。どちらの機種もすでに替えスプールの在庫はミスティックさんところにもないのでちょっと困った。
ただ、互換性ないわりにはスムーズにハマってくれて、寸法的には入らなくもない感じなんである。
ちょっと頭に引っかかったので、なんとかならんやろか?とあれこれいじりつつ調べてみたところ、どうもこれハマらないのはスプールの径やら高さの問題じゃないようだ。4桁スピンフィッシャーの小型機種のワンタッチッスプールを止める爪の方式には大きく分けて一般的な金属タイプと、終盤にでた樹脂製タイプがあって、金属タイプなら3桁とも互換性あるけど、金属タイプに適合したスプールは樹脂製の爪では止まらず逆もまた止まらないようなのである。写真の白い樹脂の部品が新型の爪(2021.8追記:パーツリストで見る限りどうも金属タイプと樹脂タイプどちらも同じスリーブでイケるよう。互換性無いような設計にはPENNはしないってことか。結局4200ssのスプールが420ssにハマらないのは高さの問題のよう)。
420ssにハマる新型の爪が装着できる主軸か、逆パターンで4200ssにハマる金属爪の主軸が部品として手に入ればスプール使い回しできそうなんだけど、どちらの部品も在庫がないようである。後者は初期4200ssに採用されていたので間違いなく製造されていたはずだけど、前者は多分4300ssのが流用できるだろうというやや博打的な買い物になる。けど、どっちゃにせよ現時点で入手不能(後から気づいたけどこの方式だとスプール交換するのに軸毎交換が必要で釣り場で交換は非現実的)。
どうにかならないかと、スプールの径的には4200ssを引き継いでいるはずの420ssgなら替えスプール含めパーツ在庫まだあるようなので、主軸とスプールが移植できないかとかも430系使って検討してみたけど、ワンタッチと普通のスプールじゃ座面の高さが違ってて合わない。
万事休すか?爪の形状だけなのになンとかならんのかいな?と頭を捻っていたら、爪がハマるスプールの真ん中にハマってる部品”スプールスリーブ”っていうやつだけ手にはいらんかな?とミスティックさんの在庫を確認するもこれまた欠品。
実はこの部品、716Z,714Z,420ss,430ss,4300ssには共通なのである。4200ssだけ小型化のためにスプールの高さも低くしたので若干短いのである。くそミソッカスめ。
となると420ssの替えスプールが売りに出されるのを気長に待つしかないなということに落ち着きかけた。海外のネットオークションだと売りに出てるのあったけど、海外発送しませんとなっててアタイ悔しいの。
ところが、何を考えたのか自分でも良く分からんけど、ちょっとぐらい長くても改造する方法あるンと違うか?とか思ったのか、420ssのスリーブに4200ssから持ってきたスプールを填めてみた。
結果填まった。ちょっとボタンの部分が飛び出してるのは、そこにラインが巻いてしまうという嫌な不具合を誘発しそうで怖いけど、とりあえず使えなくもなさそうであり、高さ違うけどスプールの上下幅も問題なく許容範囲で、元々互換性は保って設計していた臭い。流石や。
いずれにせよもしもの時の替えスプールぐらいの役目は果たしてくれそうである。
420ssのスリーブも欠品だけど、同じスリーブを使ってる716Zの替えスプールが安く某ネットオークションに出ていたのでサクッと確保。とりあえず420ss替えスプール有りの体制が整ってバンザイである。
まあ、あとはスプールとか主軸の欠品してたのがミスティックリールパーツさんで在庫復活するのを気長に待ちつつ、ネットオークションでスプール出てたら見逃すなってところだろう。
在庫復活なんてあるのか?といぶかしむ筋もおられるかと思うけど、どっかの釣具屋が潰れて倉庫から在庫出てきたとか、復刻版発売にともなってとかだと思うけど、在庫復活することが実際にあったんですよハイ。
714Z、716Zを運用して行くにあたり、壊れそうな部品はベールスプリングは在庫あったので確保してあるし、ベールワイヤーはベールアームの穴の位置を変えて返るときの衝撃を弱くして長持ちするように手を入れたし、あとはワンタッチを止める主軸の金属の爪が折れることがあるようなので(だから新型4桁のワンタッチの爪は交換可能な樹脂製なんだろう)主軸の予備だけ欲しいなと思ってたんだけど、ながらく欠品だったのがなぜか先日復活しているのを発見。
ついでに他の部品も含めて確保。
ワンタッチの爪折れ問題はPENN社の方でも把握していたようで、今回買った金属製の中でも2種類あるのが見て取れて、1種類は写真じゃクロっぽく写っちゃってるけど、馴染みのある銅製の爪のやつで、左のはどうもステンレス製の爪のようである。耐久性は大幅に増したんじゃないだろうか?
それでも金属の爪は折れるということで、最終的な形は樹脂製の爪を交換しながら使うという方式になったんだろうと推測できる。
スピンフィッシャーが、長く売っていく間に顧客からの修理の依頼やらを受けて情報集積して細かい改善を重ねた”たたき上げの実用機”であるってワシが書くのはこういうことですワ。不具合修正するより先にニューモデルが出るような促成栽培のポッと出の一発屋とは年期が違うんですワ。
ちなみに他に買った部品にも主軸が見えてると思うけど、本当は5500ssの主軸が欲しかった。なぜなら5500ssの永年使ってる個体で消耗品以外で唯一壊れたのが主軸に填まってる真鍮の台座の部分で、ドラグ効いてライン出て行くときに力の掛かる部分であり、そこが金属疲労で割れるのが、ギアが摩耗するとかより早かった。ので、予備あれば欲しいなと思ったんだけど、やっぱり同じような壊れ方するのか、5500ssの主軸は欠品だった。
購入できた4500ssや4400ssの主軸は逆にその大きさのリールで釣る魚ではドラグそれ程負荷かけないので壊れないということなのかもしれない。
ミスティックさんちの在庫見てるだけでなかなか想像を広げて楽しめるのである。
最近、実釣に忙しくて道具いじってる暇も道具ネタネチネチと書く余裕もなかったけど、今日は台風でこもってたので久しぶりにネチっこく書いてみました。
楽しんでいただけたら嬉しいです。
台風被害にあった方々にはお見舞い申し上げます。こちらはだいぶ降りましたが峠は越えた様子、これからの進路にあたってる方々は逃げるときはケツまくってためらいなく逃げてください。
※2021追記、コロナ禍の物流の混乱等を受け、「MYSTIC REEL PARTS」さん海外発送を止めてしまっています。
2019年10月6日日曜日
貧乏暇なし
気候の穏やかな港町に移住して、ノンビリと療養する予定が、なぜこうなったのか?驚くぐらいに忙しい。
魚が見えていると、多少疲れてようが体調悪かろうがとにかく目の前の魚釣っておけ、今釣らなかった魚は次は居ないぞという強迫観念に突き動かされて、アホのように釣行を繰り返しているのが主な原因だけど、生活するうえで必要な諸々を自分で片付けているっていうのも馬車馬に拍車をかけるようにして暇な時間を削り取っていく。
ちょっと近所に釣りに行って、あとはゆっくり小説やらマンガやら読んでしばらくまったりと暮らしていこうという当初目論見は儚くも崩れて、マンガなど新刊追っかけるのが精一杯で布団に入って読み始めると疲れていてすぐ寝落ちしてしまいあまり読めていない。
でも、それがイヤかというとそうでもなくて、自分の手でいろんなことを片付けていくのは楽しくもあり、一所懸命”生活”しているという実感には満足を覚える。
ブログネタもPENNネタとか暖めてるのもあるんだけど、顛末記書くだけで結構時間かかるというのもあって、ちょっと丁寧に写真撮って書いてる暇と気力がなく放置してあるのでそのうち書かねばの娘である。
基本”主夫”なので、炊事洗濯掃除はキッチリやらねばならぬ。特に掃除は苦手で放置しておくと”汚部屋”になっても割と平気な性格なので、そうならないように掃除機は毎週日曜にかけるとか、機械的にやっつける規則を作って”お掃除チェックシート”も作って今のところ清潔な我が家を保っている。
古い一戸建てなのであちこちガタがきていて、立て付けが悪いのぐらいどうってことないけど、雨漏りが結構あって一番酷いところは大工さんに入ってもらって直してもらったけど、ショボい防水樹脂の劣化とかは自分で腐りかけた天井板割り外してコーキングしなおした。
エアコンも秋になってやっと付けられたんだけど、部屋の障子が穴だらけでっていうか、そもそも欄間とかもあってがら空きに空いていて、障子の穴は塞いで欄間も障子紙で目張りして冷気を逃がさないようにした。これで来年の夏暑くて死ぬことはないだろう。
地上波TVのアンテナが設置されてなくて、工事して取り付けてもらおうかとも検討したけど、地上波深夜アニメとNHKの動物番組ぐらいしか観ないしで、そのうち地上派受信せずにオンデマンド配信とかですまそうという心づもりだったのを前倒しして、地上波とはおさらばしてNHKの受信料も払わない手続きをした。
「ダーウィンが来た!」とか一番組100円程度で見逃し配信ネット視聴できるので視聴する番組数少なければその都度買った方が、受信料払うよりも、オンデマンド配信の見放題プランよりも安上がりだ。
民報テレビ局のスポンサー様におもねった、視聴者をバカ扱いしたような番組などとっくの昔に見限っていたけど、これでおさらば縁が切れて清々する。
もいっちょ縁を切りたいウ○ンドウズさまが、まだ縁を切れそうになくてしばらくはこのままナノがなんとも歯がゆい。リナックス機の導入はやっぱりちょっとワシのような情報弱者には難易度が高い。タブレットPCの「FIRE」でなんでもできるようになるとウ○ンドウズ機いらなくなるんだろうけど、タブレットにはUSBポートがないので、ブルートゥースの無線機能で何とかすれば良いんだろうけど、カメラとか外付けハードディスクやプリンター、スキャナーとかとの連携させかたがイマイチ分からんのよ昭和の男には。アタイ悔しい。
新居で非常に快適なのが”釣り部屋”で、細長いフローリングの洋間に棚を備え付けて、釣り具を押し入れ箱とかダンボール箱に整理して何が入ってるか見える側面に記入。
箱は引き出し式以外は積んでも2段までぐらいにして、欲しいものがどこにあるのか、いちいち山を崩して引っ張り出していた前の部屋の押し入れ保管から比べると格段に機能的になって、釣りの準備が捗っている。
すさまじい量の釣り具だ、と引っ越しの時感じたけど、棚で高さも使って整理すると案外スッキリと収まってこのぐらいは普通のご家庭にもあるよね、ってかんじである。
雨が多く暖かいので、10月になっても朝顔が咲きまくっていてなかなか風情がある。
イソヒヨドリが多い土地で、まあ鳥全体おおいんだけど、朝夕さえずりまくってて、釣り場で水際街灯があると夜暗くなっても良い声聞かせてくれたりもしている。
お隣の犬も可愛いけど、港町だけあって猫が多くて、都会ほど警戒心強くなくて餌で釣ればおさわり自由でとても可愛くて猫が多いだけでも越してきた価値があるというモノ。
魚は相変わらず安くて美味くて、底びき網が獲ってきたユメカサゴがTHEカサゴやらソイ系やらに比べれば1段落ちかなと思ってたんだけど、鮮度良いやつはなんらひけをとらない美味しさで、こちらでガシと呼ぶカサゴの煮付けって煮付け魚でも自分の中では上位の一つだけど、やっぱりカサゴ系の煮付けの美味さはたまらんものがあると再認識。煮汁だけでドンブリ飯が食えるぐらいの良い出汁。寒くなったら接岸するだろうから根魚も狙いたい。
あと、秋のゴンズイの実力には恐れ入った。煮返していくと煮汁がどんどん濃くなっていって、家系豚骨醤油のようなドロッとした濃いぃ汁になってこれまた丼飯余裕なのであった。グズグズに煮崩れると骨がスルッと綺麗に抜けて鰭も皮も美味しくいただけるのでゴンズイは良く煮るべし。
最後まで付き合ってくれた読者様にサービスで”虫テロ”お見舞いしておこう。みんな軍曹好きだよね?
我が家の警備担当アシダカグモ軍曹であります。
多分こいつ一番デカい個体じゃないです。何匹か居るのかも。
という感じでボロいながらも楽しい我が家で港町の生活をこれでもかってぐらい全力で楽しんでおります。
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