「紀伊ハンター」っていうのを紀伊半島に移住したことだし、心機一転サイトの方の新しい名前にしようかとも思ったんだけど、場所は変わってもやることは一緒でいつものグダグダとした釣りが展開される予定なので、慣れ親しんだ「週末顛末記」からあんまり変えずに「終末顛末記」としました。
ということで、どうぞこれからもよろしくです。
新たなる船出にあたって、目標としてはとりあえずは近くの釣り場の探索・開拓で、まずはメッキでもウグイでもなんでもいいので釣れる魚を釣りつつ、足を使って情報収集だと考えている。
今回、紀伊半島移住に際して釣り情報的なものは一切検索したりしていない。
どうせ自分で調べなきゃ分からんことだらけなので、下手な情報を入れてその情報に引っ張られて先入観で人が見逃しているような釣りモノを拾い損ねるのは避けたい。
っていうのもあるけど、要は自分で釣り場から釣り方から構築しなきゃつまんないって話で、例えば地元の上手い人に釣り場案内でもしてもらえば釣果は倍増するんだろうけど、面白さは半減するんじゃないかと思っている。
ワシみたいな技術面で人様に勝てない人間が、人様の情報で釣ってたら人様より良い釣りなどできやしねぇって話でもある。
クロダイが思ってたよりどこにでも出没していて、これはなんとかせにゃならんなと思っているし、川崎から引きずっているシーバス不調のドツボからも脱出せねばと思っているけど、シーバスは季節が良くなればなんとかなりそうな気がしているけど、クロダイについては、ほぼ未経験の釣りモノなので多分数年はかかるんだろうなと覚悟している。
まあゆっくり時間掛けて楽しみながら攻略していこう。
自転車で行くような近場の釣りの他には、ちょっと体力を取り戻して、カヤックの釣りを本格的に再開してみたい。青物や根魚、カマスやらベラやらなんでも釣れるような気がしている。
そして、4,5年のうちに、あんまり歳食うまえに、磯からのサメになんとか挑戦してみたいと思っている。そこまでやれるかどうか分からないけど、そのつもりでジョギングやら筋トレやら実釣やらで落ちた体力を取り戻したい。
釣りのことが頭の中ほとんどを占めているけど、移住の裏課題として「お金なんかはちょっとでも楽しく幸せに生きていける」っていうのを実践してみたい。
ぶっちゃけ当面は無職で収入がなくなったわけで、今の蓄えでなるべく永く食いつないで働かなくていい期間をできるだけ長くして釣りばっかりしていたいと思っている。
「働いたら負け」ぐらいの心意気で行きたい。
今回の移住の準備を通じて理解できたのは、「地方の病院があるぐらいの街は狙い目である」という事実。
何が良いってまず物価が安い。
物件探してて驚いたけど、想像以上に家賃が安いし、中古物件買うにしても都会の人間が想像する”家の値段”と桁が一つ違うぐらい安い。
人が減ってて空き家が増えてるのであきらかに値崩れしている。
ちなみにワシが借りたところ、もとは事務所兼住居で事務所スペースが床剥がしてコンクリの三和土になってていくらでも物が置けて、二階の住居スペースは3LDKでお家賃なんと月1万8千円でっセ!!
まあ古いしあちこち壁剥がれているし雨もりするから今まさに大工サンに入ってもらってるしで、維持管理費用それなりにかかるにしても、それでも安い。首都圏のあの家賃の高さは何だったんだっていうぐらい安い。
そして、我が町(と既に愛着わき始めている)は港町なので魚がこれまた異常なぐらい安い、今安いのはヤマトカマス、ムツッ子、小アジで夕飯と次の日の昼のオカズになるぐらいの分量のある1パックで200円しない。閉店間際になるとそれが半額シール貼られてたりして、密かに魚釣って食費浮かそうと考えてたけど、こんなもん魚買わんかっても節約にもならんぐらい安い。多分時期毎に安い魚は変わってくるだろうから飽きもせず魚食っておけば良いんだろう。
”魚が安い”の例外はビンナガで、人気のない関東では安いマグロという位置づけで一サク400円ぐらいだったのが、曳き縄やらの船が生で持ってくる黒潮圏のこの地では人気高いようで一サク600円台でマグロの主力として君臨している。トンボ(ビンナガ)食いたいけど、160円とかでカマス売ってるの見ると贅沢な気がしてまだ買えてない。
何かめでたいことがあったら食おう。あぁそうしよう。
あと、マスヤの「ピケ8」関東じゃ売ってなかったので久しぶりに買ったらなんかパッケージに萌えキャラがドンと印刷されてて「何とち狂ったことしてるんや?マスヤ」と驚いた。マスヤは全国区では「おにぎりせんべい」作ってるところです。
でもって、割とお店も何でもある。
港町の街中は寂れつつあるのは確かだけど、高速道路が繋がってインターチェンジ降りたあたりの国道沿いには大型スーパー、家電量販店、ホームセンター、郊外型の飲食店などなど、いざとなったら今日買い物はネットでも済ませられるけど実店舗があるのはやっぱり便利。
地方でも、小さな集落はもう”限界集落”って言葉があるぐらいで、生活の基盤が成り立たなくなるぐらいに店もなければ病院とかへの接続も悪くなって地方自治体は苦労しているようだ。住んでる人が居る限り健康で文化的な生活を約束するのが公的機関の役目だろうけど簡単じゃないのは想像に難くない。
そういう状況のなかで、仕事や地縁をそのままに生活圏をかえずに、病院やら店舗やらのある地方の中核的な街に移り住むという動きは地味に存在するようで、多分これから日本に訪れる超小子高齢化の人口減の未来にも、地方の中核的な街は最後まで生き残るように感じている。
実際問題自分も持病持ちで通院せねばならず、離島や山奥に手つかずの釣り場を求めて住むというわけにはいかなかった。
病院があるっていうのが一つの指標になるような気がしている。
物価安くても仕事がないから若い人が残らないってよく聞くけど、移住のサポートをしてくれた特定非営利活動法人の職員のかたに聞くと「割と普通に事務系の就職口とかありますよ」とのことだった。
意外にも農林水産業とかの地場産業より、都会でサラリーマンしてたような移住組は普通に事務系の仕事の即戦力として重宝されるそうな。まあ聞いてしまえばそらそうだろうなという感じ。
じゃあなんで地方には仕事がないって若い人は都会に出たがるのか?
理由として大きいのは二つあると思ってて、一つは単なる思い込みでもう一つは”実質賃金”的なものが見えてないというのがあると思う。
ハッキリ言って都会に行けば憧れるような希望の職に就けるかっていえばそんな甘かねえのが世の中ってもんで、都会に出ても黒い職場しか見つからず”ワーキングプア”なんて悲惨な現代の奴隷に陥ることも充分あり得る。
都会で良い仕事に就けるような能力のある人なら地方でもそれなりに良い仕事は見つかるはずである。
都会の方が選択肢は多いのは確かだけど、選択肢が多いのは雇う側も同じで、ボンクラ雇わなくてもいい人材が選べるっていう現実も認識しておいた方が良いように思う。
都会にでさえすれば良い仕事が見つかるなんていうのは単なる幻想である。もっと言えば企業側が奴隷を狩るための甘い誘惑の罠でしかないンじゃなかろうか。
そうやって若人が都会に出て行くから地方にも仕事はそれなりにあるんだそうである。
復興で景気のいい東北ではなかなか募集かけても人が集まらないぐらいだと聞いてたけど、日本も人口減ってきてどこも人は足りてないようだ。
もういっちょ、数字の見た目に騙されて、都会の方が給料が良いと思い込んでいるという話。
今回自分はひとまず”単身赴任”である。同居人(元同居人か?)は今の職場居心地良いし途中で放り出すわけにもいかないのでもう少し働くとのことで、2人で同時に住む場所を探してたんだけど、家賃が文字通り桁違いで、二人で住めそうな古いけど3LDKの一軒家が1.8万円なのに、かたや2LDKの都会的で綺麗な部屋は10万円以上する。
住居費用だけ見ても”実質賃金”は8万円の差額を勘案しなければならず、田舎と都会じゃ賃金に差があって当然で、都会で暮らすと住居手当とか多少つくにしても食費だ交通費だとなんだかんだで感覚的には月に10万円以上余分にかかる気がする。
そこまでの賃金の差があるか?っていう話である。
ましてや、無職で稼ぎがないのに都会にとどまるというのは、選択肢としては一応考えてはみたけど諦めざるをえなかった。
都会で運良く良い仕事が見つかったら稼ぐだけ稼いで、小金貯まったら早めに仕事辞めて地方に移住して、たまに働くぐらいで消費を抑えて楽しく暮らすというのは、狙ったわけじゃないけど勝ちパターンなのかもしれない。
まずは飯は時間があるので完全自炊で安い食材で美味しく食べる。
100円でコンビニのお握り一つも買えないっていう感覚でいるのと、100円あれば大根やらキャベツが半分ぐらい買えるっていう感覚でいるのでは全く食費に関する考え方が違ってくるぐらいで自炊の方が圧倒的に安くて良いものが食える。
車は維持管理費もバカにならないので買わない。釣り場が近いところに移住したんだし、自転車とカヤックでやれる範囲で結構なことができそうだし、足が欲しけりゃカブでも買うかってぐらい。
「地方じゃ車がないとやっていけない」なんていうくだらねぇその幻想をまずはぶち殺す。
電車もあるので電車に折りたたみの自転車を組み合わせてっていうのも考えている。
大工道具や障子張りの道具も買ったので、住処は快適に暮らせるように、時間をかけていい身分なのでその分金かけずに楽しんで改良する。
楽勝だと思ってるんだけどどうなんだろう。
金金うるさいアホどもをバカにするような情報を発信していきたいモノである。
そういう情報はアホどもには届かないだろうけど、アホじゃない人が周りが金金言ってる中で自分はそんなにお金必要としてないけどやっぱり必要なんだろうか?とかいう不安を抱くときに”お金なんて少しで大丈夫”と安心できるようなことが書けたらなと思っちょります。
こうご期待。