2019年7月13日土曜日

症例3および4についての報告ー大森製作所タックルオートSS、同マイコンSSの場合ー

 先週に引き続き”スピニング熱”のなかでもやっかいで重篤化することで知られている劇症型大森症の症例についてつまびらかに紹介していきたい。 

<症例3>大森製作所ダイヤモンド「タックルオートSS」

 一番マシだったマイクロセブンNo.1は問題なくかるーく復活させることができたので、次は一番ボロかったタックルオートSSに手を入れることとした。
 そもそもタックルオートSSの本体になぜかマイクロセブンCSのスプールが付いている”ニコイチ”個体で、かつハンドル軸のハンドルの反対側のキャップをなくしたまま海水浴びて放置されていたようで、表面塗装が腐食で全体的にボロいのは我慢するにしても、ハンドル軸のギアも内部で相当さび付いているようで、最初はハンドルは回らないしベールも固着という有様で、さすがにどうにもならんだろうという代物だった。何か使える部品生きて残ってるのだろうか?


 ところが、他の2台と共にビニール袋に詰めこんでCRCぶっかけて一晩寝かせておいたら、割と各部普通に動くようになって、ひょっとしたら使えるようになるんじゃなかろうか?と希望が見えてきて全バラし。
 ハンドル軸のギアは心棒の部分は鉄にメッキがかけてあるようなんだけど、メッキは剥がれてたけど心棒自身に酷い腐食はなく、ハンドルねじ込みも問題なく右左どちらも可能で、パーツクリーナーで洗浄してブラシ掛けたら普通に使える程度に復活した。さすがにベアリングは新品と交換だったけど内部の機械的には何の問題もない状態に回復。
 これまで古い中古リールをいじってきて感じるのは、グリスで覆われている内部部品は腐食しないっていう”グリスシーリング”の絶大な効果で、グリスで覆ってしまうわけにはいかない本体表面とかがボロボロになってるような場合でも、内部に浸水の形跡がある場合でさえグリスが塗ったくってある部品自体は腐食していなかった。

 ということでこれでもかとグッチャリ大盛りでグリスシーリング。グリスの役目として最近のリールグリスにはギアの高負荷での摩耗防止とかが求められているようだけど、ぶっちゃけスピニングリールでギアに高負荷かけてのゴリ巻き自体が使い方間違ってると思ってて、普通にポンピングで竿で稼いだ分だけ巻き取ってればギアの摩耗なんて起こりようがなくグリスはそんなに上等なモノでなくても、ちゃんと油膜で水気やゴミから部品を守ってくれりゃ良いと割り切ってる。まあいうても気を使って対塩水的に定評のあるMAXIMAウォータープルーフグリス使ってるけどな。
 内部の機械的な動きは問題なくなったんだけど、古めのリールを快適に使うのに大事なのは、ライントラブルを防止するために、①ラインローラーの角度を水平にする、②スプールへのラインの巻き上がりを真っ直ぐかやや逆テーパーになるように調整する、の2点で、これを知ってて実行しているのと知らないのでは全く違ってくると思っている。
 ベールアームってベールが返るたびにガシャンガシャンとぶつかって力が掛かっているので、使っているうちに角度が変わってきてベールが深く返るようになってラインローラーの角度も変わってくることがある。
 金属の板を曲げて作ったベールアームなら曲げ直して角度を修正してやれば良いので簡単だけど、樹脂製や金属でも鋳造の、ちょっとやそっとでは曲げられないようなものはこれまで手が出ずに放置していた。
 ただ今回のタックルオートSSはけっこうラインローラーが斜めってしまってたし、壊しても惜しくないようなボロ個体なので以前から暖めていた方法を試してみることとした。


 ベールが返ったときにベールアームを受け止める樹脂製のキノコ型のストッパーが填めてあるタイプのリールでストッパーを太いナイロンハリスを炙ってキノコ型に成型して自作し高さ調整したのの応用編で、ベールアームかそれを受けるローターの面に穴を開けてそこに太いナイロンハリスで作ったキノコ型のストッパーを押し込んで高さを調整して角度を変えるという方法である。
 今回、ベールアームが樹脂製だったのでベールアームに熱したステンレス棒で穴を開けてキノコ型ストッパーを押し込んでから熱したステンレス棒で頭を押して高さ調整した。
 アルミ鋳造とかのベールアームでもアルミなら柔らかいのでハンドドリルがあれば穴が開けられるはずで、ローターかベールアームどちらかに穴が開けられれば同様の方法が使えると思う。
 ベールアームが傾いてくるとラインローラの角度が変わるとともにスプールに対しての位置が下がってくるので、ライントラブルに繋がる”順テーパー”にもなってくるので傾いてきたら対策取った方が良さそう。

 で、ベールアームの角度は上手くいったんだけど、スプールへのラインの巻き上がり調整が苦労した。なにしろ本来のスプールじゃなくて別のリールのスプールが付いているので全然高さがあってない。
 大森No.1サイズだとこの組み合わせではドラグノブの雌ネジが主軸の上部まで届かなくなって締められないんだけど、SSの大きさだと締めることはできるようだ。ただ、普通に巻いたら、きっつい順テーパーで、”プリン巻き”と表現している人がいたけど、まさにそんな感じに巻き上がってしまう。
 順テーパーを補正するには、スプールを下げるかラインローラー(が乗ってるローター)を上げるかで、まずはスプールを下げる一番手軽な方法、スプール座面のワッシャーを薄いのに交換を試すも全く焼け石に水で2~3ミリぐらいはまだ足りない。
 次に追加でローターを上げてみる。ローターとローター軸のギアの間に、ベアリングや枠に接触しないようにジュラコン樹脂のワッシャーの穴を削って調整して填めてみる。大分改善したけどまだけっこう順テーパー。だけど、ローターをこれ以上上げるとローターの下面の隙間が大きくなって塩梅悪そう。
 あとは主軸の穴の位置を開け直して主軸を下げると主軸に乗ってるスプールも下がるはずだけど鉄系の主軸には堅くて穴はよう開けん。
 悩んでたら一つ方法を思いついた。インスプールのABUカーディナルの巻き調整の方法で、その手があったか!と感心させられたのがスプール上下のクランクのシャフトを曲げて主軸が上下する高さを調整してやるという、主軸削ったりする方法に比べると簡単な方法で、幸いタックルオートもクランク方式だ。だいぶ形状は違うけど。
 ということで主軸に突っ込むピンの部分をなるべく下に曲げて主軸のお尻が本体の底を叩かない範囲で下げてやろうとしたけど、ピンを曲げるとクランクのギアの上に乗ってる部分が浮いてしまいよろしくない。理屈ではカクッカクッと2回曲げて主軸に突っ込む部分を真っ直ぐにしてやれば良いんだろうけど、ステンレスっぽいピンはそんな思うようには曲げらんねぇ。
 ということで若干斜めにできたかなという気持ち程度の修正にしかならなかった。

 最後の手段で、ダイワのアンチバックラッシュシステム(ABS)でスプールの形状が元から逆テーパーになってるのを下巻きで再現するというダイワABSスプール以前の結構昔からやられていたらしい”手動下巻きABS”で最終的な巻き上がりが真っ直ぐになるように下巻きを結構な角度で逆テーパーに巻いてなんとか帳尻を合わせた。
 小さくベールアームを折り畳める収納性の良さを生かして旅のお供に持ち出しての実釣でも、ライントラブルもなくドラグの効き具合も優秀で良い感じに使えて、さすがにここまでボロくて元々ニコイチの個体は売るにも売れないので手元において使うことにする。
 ハンドルがハマってない方のキャップがないのは、パイプ椅子の先に填めるようなエストラマー樹脂性の伸び縮みするキャップでちょうど良いサイズのがあったので高さを切って調整し水抜きの穴をウレタン接着剤で封してから填めておいた。
 防水性能も復活。これであと10年は余裕で闘えるだろう。ニコイチで見た目もボロボロで格好良くはない。それでも自分で修繕して復活させたリールなら愛着湧いて気分よく使える。ボロは着てても心は錦。今後”旅の友”はコイツにまかせよう。

<症例4>大森製作所ダイヤモンド「マイコンSS」

 大森製作所の名を世に知らしめた大ヒット作、初代”マイコン”の一番小さいSSサイズで押しも押されぬ人気機種である。箱入り美品なら1万円以上している。
 表面腐食が多くボロ目で回転も重め、音なし切り替えツマミが固着、ドラグは締めてもスカスカで機能していないという状態では3台3千円のジャンク扱いもやむなしだけど、大森のリールがギアまで逝ってたのはこれまで遭遇していない。症例3のように内部に塩水入っていてもなお錆を落とせば復活する程度に丈夫な部品を選んで組まれているので、見た目はともかく内部は無事なのは予想できる。
 音なし切り替えは、最悪できなくても釣りはできる機能だけど固着外せれば外せば良い程度の認識。
 ドラグにおいてはマイコンのリアドラグを前の持ち主が分解後適切に組み直せなくて、っていうのはお約束だと思うので何の問題もないだろう。
 再起不能と思われた症例3のタックルオートSSに比べれば構成部品数は多いにしても、マイコンシリーズ自体初期型もNo.6で経験済みだし301TBと302TBは昔の愛機で馴染みがあり、楽勝気分でこれは勝ったも同然と余裕綽々で分解清掃整備を始めたんだけど、これが予想だにしなかった難敵で思わぬ大苦戦で薄氷を踏むような辛勝。運が良かったとしか思えない有様で今思い返して胸をなでおろしている有様。もう二度とマイコンSSには手を出すまいと誓うほどのトラウマ的に厳しい闘病だった。


 まずは鼻歌仕事だと思ってたドラグでも落とし穴にハマった。
 リアドラグの部分は本体内部と分けて整備してしまった方が作業用のお盆の上が散らからずにすむので、最近使って現役リール棚に置いてあった301TBのリアドラグと比較しながら最初に手を付けて、案の定ドラグパッドとかの順番が写真のようにデタラメだったのを苦笑しながら直してグリスも塗り直して填め直して、苦闘の末の本体復活の後ドラグの効きを確認してみたら、最初ちゃんと作動するのに、すぐに何というか中でずり落ちてしまう感じでスカスカに空振りして作動しなくなる。
 No.6分解したときのドラグの順番の写真や301TBの現物と何度も比較してみるんだけどどう考えてもドラグパッド、ワッシャーの順番は間違っていないので、何がおかしいのかずいぶん悩んで、ドラグパッドの填まっている金属製のスリーブの、ワッシャーが止まる出っ張りの前後に分けて填めてやる必要があるという正解に何とかたどりつくことができた。全部まとめて出っ張りで止めてると思ってたけど、ドラグラチェットを鳴らすギザギザの歯車とパッド1枚だけを出っ張りより本体側に重ねて他をドラグノブ側に重ねるのが最終回答。
 でも本当にしんどかったのは本体内部。基本的にはNo.6と同様の設計である。にもかかわらずSSサイズはメチャクチャ難易度が上がる。SSはその小型軽量がルアーの釣りに好適として人気なんだと思うけど、小型軽量に仕上げるため、リアドラグ化で増えて複雑化した部品を狭い本体内部に配置するためのギリギリの立体パズル的な設計になっていて分解そのものが難しい。

 具体的にはスプールを上下させるためのオシュレーション機構の部品であるオシュレーションカムを主軸に止めているCクリップの上の方の1個。ハンドル軸のギアに隠れるギリギリの位置で外しにくいことこのうえない。これが外れないと主軸が抜けないのでハンドル軸のギアもローターも外せない。全く分解整備できないやんけ!?
 下の方はマイナスドライバーと千枚通しで何とか外したけど、どうにも上のが外せなくて、なんでいつもの単純なクランク方式で主軸に穴開けて刺す方式じゃないのかと”恨みます”って気分になるけど、考えたらリアドラグ方式ではスプールと固定した主軸の回転をお尻のドラグに伝えなきゃならんので、クランク方式にするにしても主軸に穴開けてピンで固定して回転しないようにしてはリアドラグは意味を成さない。リアドラグでクランク方式自体はABUカーディナル(インスプール時代とクラッシックラインのC3とか)という前例があるけど、どうしてもハンドル軸のギアの後方に大きく場所を取るので、カーディナルのように後方というより斜め後方にドラグを持ってくる設計じゃないと下半身が長くなりすぎる。オシュレーションをハンドル軸のギアから歯車で持ってくる方式なら、ハンドル軸のギアとある程度重ねる設計が可能で小さくまとめることができる。マイコンSSはオシュレーションカム方式をとりつつもほぼハンドル1回転で1往復で減速密巻きにも倍速綾巻にも振ってないそうなので、大型機種との並びもあったんだろうけど純粋に小型にまとめる設計のためにこのオシュレーション方式をとっているようだ。なので、マイコンシリーズは単純なクランク方式採用のフロントドラグ方式の小型ダイヤモンドリール達とはハンドル軸のギアに互換性がない。
 てな蘊蓄はCクリップを外すためには何のお役にも立たず、最終的にはCクリップが跳んでどっかに行ってしまう不安におびえつつ、普段は座椅子に座っての作業で力をかけるときは膝上にリールを固定して作業しているのを、リールをお盆に押しつけるように固定して腹ばいで両手にマイナスドライバーと眼鏡用プラスドライバーを持って艱難辛苦を乗り越えてやっとCクリップがリール本体内に落ちたのを確認しようやく峠を越したことに安堵したのであった。所要時間およそ1時間の激闘であった。
 他にローター軸のベアリングが固着してたのも衝撃加えて外すにもドライバーとかあてる場所が小さくて危なかったけど何とかギアごと外して難を逃れた。固着系はどうにもならんときはどうにもならないので運が良かった。ベアリングの回転の軽さとかおもクソ無視して最終的にはグリス盛りまくっておいた。音消しのツマミも問題なく回復。消音部品の爪をぴったりの位置に填めるのに何度かやり直しが必要だったけどNo.6の経験を生かして無事組み付けできた。

 分解してパーツクリーナとブラシで洗浄してみたらばギアとかはあんのじょうピッカピカでベアリングも特に錆びてはいなかったので軽い回転に復活。まあグリスで重くなったけどナ。
 ちなみに金属パーツ小皿にまとめてパーツクリーナーに浸してブラシがけしてるけど、手間食って非効率でもバラした順番に並べておいて一つずつ作業していった方が良い、っていうか基本。そうしないと組む順番が分からなくなる恐れあり。慣れればデジカメで分解するときに写真押さえていけば問題なく組めるようになるので手抜きしてます。
 ついでに、どうでも良いことだけど、マイコンがなぜ「MI-CON」で私のコンピューター的に「mycom」やマイクロコンピューターの略の「micom」じゃないかって話は、多分「マイクロセブン(MICRO7)」のマイクロとコントロールあるいはコントローラー(Controller)をくっつけた、リアドラグで”精密に調整できるよ”的な意味で名付けた一種の造語ではなかろうかと思っちょります。

 という感じで、リールの方は快調に復活したけど長時間根を詰めてストレスフルな状況下でお行儀悪く作業していたのでこちらの腰にきた。洗浄後乾燥させてから組み上げるのが嫌になるぐらいに腰が痛かった。こうやってキーボード入力で文字打ち込むのも座椅子に座ってこたつ机で打ってるけど、パソコン用兼釣り具いじり用に良い椅子と机を買うべき時期に来ているのかもしれない。
 見た目腐食有りでボロっちいのは致し方ないにしても、性能的には何ら問題なく好調な個体に復活。これでジャンク3台は三者三様に復活させられたことになり、とっても気分が良い。
 以前にも書いたようにマイコンシリーズでは愛用していた301TB、302TBが好きなのでコイツとマイクロセブンNo.1は売りに出す予定。

 何しろこの時点(書いてるのはチョイ前で7月4日)で台数は規定の90台を3台オーバーである。
 2月にリール管理台帳を付け始めてからこちら、この患者は21台を購入し18台を売却または譲渡した。前者の金額は計56,296円、後者が37,003円で差し引き利益はマイナス19,273円と大赤字である。健康保険は適用されないので全額自己負担である。
 なんでこんなに赤字経営なのかというと、値段が付かないマイナー機種は売る手間が面倒くせぇので人様にあげてしまっているというのが大きいといえば大きいけど、そもそも値段が付くような割と人気の機種であっても、買って一生懸命分解清掃整備してそのことを説明して売りに出しても買った値段ぐらいにしかならないからっていうのも大きい。儲けて商売にするなんて遠い彼方の話である。
 有り体に言って全バラフルメンテは業者さんに頼んだらどれだけ安くとも2~3千円はして普通5千円~1万円ぐらいはする。手間暇考えればそのぐらいは当然するはずと納得できる。
 順テーパーが当たり前の時代のリールを逆テーパー気味に調整したり、ラインローラーの角度を調整したりという簡単な整備だけでも、使いやすさに直結するので金払う価値はあるだろう。
 っていうのを中古リール買う方は分かってなくてピカピカした見た目にしかこだわってないし、”機関好調”は書くのはどうとでも書けるけど、客観的には評価する指標が難しく、表面拭いて可動部にグリス付けた程度の「整備済み」個体とワシが自分で使うつもりで半日からかかってグリス大盛りで仕上げて向こう10年はラインローラー、ハンドルノブ、スプール外して主軸への注油と折れたらベールスプリング交換のみで闘えるようにしたリールでも「整備済み」ということにおいては同じである。
 古いリールは見た目状態良くてもそのままじゃ使いにくいなんてことは普通にあると思うんだけど。
 そのへん海外のオークション覗いているとユーチューブからリンク張ってあるのがあったりして、滑らかにクルクル回転してベールも軽く返ってるのとか説明しながら撮影してあって、なるほどこれなら写真よりは回転具合とかの機関良好っぷりを判断するには参考になり得る上手い宣伝方法だとおもう。
 でもそんな面倒くせぇことやってられっかよってのが正直なところ。2、3千円で買ったリールが買値よりちょっと値が付いて5千円で売れるようになるぐらいの違いのために、カメラ買って興味もない広告映像のお勉強もせにゃならんくなるとかまっぴらゴメンである。
 同様の面倒くせぇという理由で見た目が良くなり売却値段向上に直結するだろう再塗装技術の習得にも今のところ興味はない。ボロいリールの場合そのボロさも味のうちだと思っている。自分で使う場合ボロくならないように丁寧に扱うとしてもだ。

 でも、これからもボロリールを買って苦労して修繕・整備して売るというのは多分続けていくだろう。リールいじるのが楽しいという単純な話だけでもおおいに買う理由になりえる。特に動かないような状態のジャンクリールを使えるように直せたときの気持ちよさは一度味わうと病みつきになる。使えるリールを壊したオノレの罪や汚れさえ浄化される気もして、もはや止められず完治は不可能なところまできている。
 直して気に入ったら自分で使っても良いし、友人にあげても良い。既に持ってるリールと役割かぶって売りに出したとして、値段がたいして付かないとしても、使えなかったリールを使えるように修繕整備して中古市場に還元して、手にした誰かが気に入って愛用してくれるならそれだけで充分嬉しい。
 新品売らなきゃな釣具屋には恨まれるかも知れないけど、いりもせん機能でごちゃついた道具ばっかり買わそうとしてくる勢力に対抗して、単純で必要充分な道具の良さを知る釣り人が一人でも増えることを目指してのナマジなりの体制・権威への抵抗活動である。
 ということで治療方針としては、当初のそれに改めて立ち戻って、ジャンクとされてるような動かない系ボロリールを買って直して楽しむということになるのだと思う。
 完治はもう望めないぐらい病膏肓に入ってる状態だと思うけど、ジャンク3台復活はだいぶ病状を軽くしてくれて、今現在なんでも良いから大森が欲しい的な劇症型大森症は治まってくれてスピニング熱は末期的症状というほど酷くはなく、今後も上手に病気と付き合っていくしかないのかなと思うのであった。

 ということで次回は割と得意分野になりつつある”安ダイヤ”関連の症例報告いってみます。お楽しみに。

12 件のコメント:

  1. マイコンのCクリップの脱着、苦労するんですよね(´・ω・`)
    私も201の全バラクリーニングでえらく苦労しました。
    輸出用の大森をミッチェルと共に淡水汎用に回す予定で、ミッチェルでは味わえないストッパーのクリアなカチンって音を楽しむつもりです。

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    1. ぬこさん こんにちは

       やっぱりマイコンのCクリップには皆さん苦労してるんですね。仲間が居て心強いです。
       と同時に、これってCクリップ上手に外せる器具を開発したら特許とって儲けられるんじゃないかと一瞬思いましたが、そんな私が思いつく程度のこと既にやってる人居るんだろうなと検索したら、案の定いろんな種類が売ってました。
      https://www.monotaro.com/k/store/c%83N%83%8A%83b%83v%20%8DH%8B%EF/
       なかなか銭の花は咲かないものです。

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  2. こんにちは。

    マイコンSSの記事のところでお尋ねします。

    ドラグワッシャーの配置が、「金属製スリーブ」の出っ張りの前後に歯車とパッドを分けて配置させた、とありますが、これは同じようなドラグ機構の「カーボンマイコン」(No101)とかでも同じ事なのでしょうか?

    それともこのマイコンSSだけに当てはまる事なのでしょうか?

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    1. はしどいさん こんにちは

       実は最初組むときはNo.6の順番を参考にしてて、No.6はまとめて全部お尻側で、それが初期状態か自信ありませんが、ちゃんと作動してました。
       マイコンSSの場合それでダメだったので、実物のある301TBをよく調べたら歯車1枚ドラグパッド1枚だけ前方だったので試してみたらうまくいきました。

       ということでカーボンマイコン手にしたことないので断言できませんが、同じようなドラグで設計変えてるとは考えにくいので、小型のSSやNO.1サイズには共通かなと思ってます。
       ちょっと自信なくてスイマセン。

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  3. こんばんは。

    某オークションでマイクロ7やマイコンSSを出品しているのはナマジさんですか?

    商品説明を読んで、感動しましたもので・・(笑)

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    1. うわっ!!バレてしまいましたか。
      ってブログ読んでたらバレバレですよね。

      写真綺麗に撮るのとか苦手なので、商品説明頑張って書いてます!!

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    2. 私も曲がりなりに分解したり、清掃したり、アチコチいじくってみたりしてまして・・(笑)

      それでもさすがに大森リールは壊れませんけどね~

      あのナマジさんの渾身の説明は私は感心しましたね!(笑)

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    3. お褒めいただき光栄の至りに存じます。
      マイコンSSは入札既にアリ、マイクロ7も売れると良いのですが。

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  4. 助けていただきたく、メッセージしています。キャスティングで110円で買った最悪のタックルオートを整備しています。ドラグノブがスプールと一緒に回ってしまい、チリチリとラインが引き出されるとどんどんドラグが締まってしまいます。こんな症状はありますでしょうか?

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    1. こんばんは

       症状から推察して、おそらくドラグワッシャーの組み間違いで、順番を正しく戻せば解決するはずです。
       一番上にスプールと同期して回る、耳付きワッシャーが来ていませんか?それだとスプールが回るとドラグノブと接する面が回ることになりドラグノブまで回ってしまいます。

       正しい順番は、ドラグパッドやワッシャーがはいってるスプールの穴の底(スプール同期)の次に、フェルトのドラグパッド、次がコバン型穴ワッシャー(主軸と同期で回らない)、フェルトのドラグパッド、耳付きワッシャー(スプール同期)、フエルトのドラグパッド、一番上がまたコバン型穴ワッシャー(主軸同期)となり、コバン型穴ワッシャーは主軸に填まっているのでスプールが回っても回りません。これが一番上のドラグノブと接するのが正しいです。
       基本ドラグはスプールと主軸それぞれに同期する金属ワッシャーが交互にきて、その間に適当な滑りのドラグパッドを挟んでやるという構造です。

       枚数が足りないとか構成がおかしい場合は、ドラグパッドもワッシャーも日曜大工の範囲で作成可能ですので挑戦してみてください。

       110円は状態悪いとしてもお値打ちです。整備・修理楽しんでください。

       2023年4月15日土曜日の記事やドラグ関係の記事も参考になるかと思います。
       お役に立てれば幸い。

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  5. 早速のアドバイス本当にありがとうございます。1分で問題が解決しました。恐らく前オーナーは自分で分解後にワッシャーを組み間違え、それに気付かないで問題を解決できず長年の放置、そしてジャンクとして売却となったのだと思います。私は一昨日は分解してキャラメル状のグリスを落として洗浄し昨日は乾燥後にグリスとオイルを注し、おかげさまで今日ドラグを直せまして、後はラインを巻いて明日にでもちょっと調子を見ようと思います。本当にありがとうございました。

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    1.  推理が当たってたようで自称”パソコン椅子探偵”の面目が保てました。お役に立てたようでなにより。

       タックルオート、大森製作所のシンプルで丈夫な特徴が味わえる名機だと思います。良い買い物になりましたね。

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