2019年4月27日土曜日

嵐に闘え反逆者

 潜在的な保菌者だったのかもしれないけど、直接的には中古屋のワゴンでオリムピック社トゥルーテンパー727と出会ってしまったことが原因の急性インスプール熱発症に端を発し、一時的な小康状態を何度かむかえつつも、その度に再発を繰り返してきたスピニング熱もやっと今度こそ寛解に向かいつつある。と思う。よね。たぶん。希望的観測をもって。だと良いな。どうだろうね?
 とにかく半年がとこ頭の中を常にスピニングリールのベールアームがクルクル回ってるクルクルパー状態だったんだけど、今は新しい主力機となりつつある720Zを使うのが単純に楽しいって程度で、一時期の、分解整備して遊べるならどんなリールでもかまわんぞッ!ぐらいの勢いは全くなく、台数も規制値90台を1台割り込んで89台となり「まあ、よっぽどの出物があれば買えば良いさ」ぐらいに余裕の心境である。
 苦しいところを乗り切って、私は生還したようだ。ヤレヤレだぜまったく。

 という状況に思わぬ所に落とし穴が待っていた。現在私は突発性ポッパー症候群に冒されつつある。
 久しぶりに往年の名作「BHポッパー」でフッコ釣ったら、シーバス釣るためのポッパーがどうしても欲しいッ!!アタイもう我慢できないの!ってスピニング熱治ったところでおかしな物欲はナニも治まっておらず、むしろ日和見感染状態でメバル用シンペン症も同時発症してしまいそうでヤバかった。

 そんなもんオマエ、いっつも使ってるチャグバグがあるやろが?という一人つっここみは発症中の人間には意味をなさない。
 ポッパーなんて正直シーバス釣るためだけなら何でもいいんだと思ってる。竿先でチョンチョンしながら巻いたら適当に飛沫あげてポコポコ音してくれれば充分で、そんなもん売ってるポッパーほとんどそういうルアーだっちゅう話。
 でも、世の中にはよりどりみどり選びたい放題の多種多様なポッパーが存在して、ちょっとずつ違っててお好きな人にはその違いがまた楽しめる汁気のある部分なんである。
 ポッパーを大まかに分けるなら、まずはポッパーとチャガーとダーターに分かれるんだろうか?ただ引きでは潜って泳ぐダーターはまだ分かりやすいけど、ポッパ-とチャガーは正直違いがよくわからん。名前からチャガーなんだろうなというチャガースプークやらチャグバグ(旧型)が水平浮きなので水平浮きがチャガーかっていうとズイールのチマチマサーブとか水平浮きでもあんまりチャガーって認識されてないので、そのへん曖昧なんだと思う。気にしないでおこう。
 写真の上からダーターの代表「ラッキー13」のベビーとタイニーサイズでポッパーとして使うとポコンと音させて潜った後に後ずさり気味に浮き上がるので小場所でネチネチと粘るのが得意。タイニーでは小バス良く釣った。シーバス釣るならむしろポッパー的に使うよりユルヨタな感じで泳がせるダーターとしての方が出番あるかも。
 真ん中はポッパー代表の「ポップR」でバス釣りの世界ではつとに有名。ワシもお世話になりました。
 一番下がチャガー代表の「昔のチャグバク」。水平浮きでペンシルベイトのようなきれいな首振りがお得意。

 っていうあたりは既に我が家の蔵に転がっていて、それで充分な気もするんだけど明確な目的があっての物欲でない病的な物欲は始末が悪く、なんか分からんけど持ってるのと違うのがとにかくほしいのである。
 そもそも「(旧型)」「昔の」と書いてることからお察しのとおり、っていうかこのブログ読んでる人たちには常識かもしれないけど、チャグバグには、ラパラ傘下になった現行ストームブランド版のもがあって、それは既に例によってごっちゃり買い込んで蔵につっこんであって全然ポッパーの弾数的には困ってないのである。
 ちなみに写真ので全部じゃなくて、あちこちのタックルボックスに入ってるのはメンドクサくて出さずとも新品在庫と普段のボックスに入ってるだけでこのぐらいはある。まあ、主力のポッパーとかどこのご家庭でもこの程度は在庫されていることだろう。サイズは6センチの小っこいのがフッコ釣るには出番多し。

 で、ほかにもクロダイ釣ろうかなとか思ったときに、クロダイポッパーの火付け役に敬意を表して買ったザブラポッパーの黄色スイカ色とかついでに中古屋で安かったのを買ったポップXとかもあるんだけど、もっと別のも欲しいのである。人間はその欲望によって万物の霊長として進化し、その欲望によって滅びの道を歩むって感じが、自分の物欲を省みて強く実感できる。足ることを知れば人は幸せに生きていけるはずなのに、なぜ愚かにも多くを欲してしまうのか。ああっ!そうだとしても、欲で滅びる運命と書いてサダメだとしても、オレの魂がポッパーを求めてやまないのである。
 
 ちゅうことで買いました。えぇ買いましたともたんまりと。
 ちゅうても、わし別に80年代のヘドンもののチャガースプークとか大枚はいたいて買い求める人種じゃないので、基本、ラパラ、プラドコ、デュエル系の人なんである。
 ラパラは傘下のストームブランドのチャグバグ買いまくってあるしスキッターポップも持ってるし、プラドコはポップR持ってるしでデュエル(旧ヨーヅリ)から行ってみました。今回漁具系ルアーメーカーもう一方の雄ヤマリアはシーバスというより名作ポップクィーンとかシイラのイメージなので中古屋で1個買ったのみ。
 シーバス釣る場合のポッパーは一カ所で粘るというよりタダ引きにところどころ竿先で”ポップ”させるぐらいで使うことが多いので、太めで一カ所で粘るの得意そうな3Dインショアポッパーは無視して、たぶん昔は違う名前で出てましたな感じの、シルバーポップ75と3DSポッパー65がネット状の評判もおおむね「安いけど釣れる」といういかにもヨーヅリっぽい好評だったので新品中古双方から攻めてみた。
 まあ、このぐらいあればとりあえずデュエル方面は良いかなと。
 試投もしてみて、まあこの手のポッパーで失敗作作れって方が難しくて、普通に”縦浮き系”で後方重心で飛距離も出るし適度に首振りながら音も飛沫もどちらもそれなりにという平均的に良くできた感じのバランスに仕上がってて流石世界のYO-ZURIブランド。
 でも、優等生すぎていまいちものたんない。

 もっとアクの強い個性派はおらんのか?と考えて、そういえば昔のチャグバグは今思うと灰汁が強かったなと年寄りは懐かしく思い出すのである。
 現行チャグバグは縦浮き(系の斜め浮き)ラトル入りの現代風な標準的なポッパーとして昔のチャグバグと見た目同じなのに機能は更新されてて全く別物になっている。
 昔のはラトル入りのラトリンチャグバグもあったけど、基本ラトルなしで水平浮きで今時のポッパーみたいに後方に重心がないので、飛距離が出しにくいっていうか、クルクル回って失速するのはまだしも、変な曲線をえがいてどこに飛ぶのか分からん感じでなかなかに投げづらかった、しかしながらオモリなんか入れてないだろう水平浮きの軽いボディーは水面で軽やかにポップ音を奏でて地味に飛沫飛ばしつつ、竿先一つできれいに180度近いターンを決めてくれたものである。
 でも眺めて楽しむのには昔のチャグバグも良いけど、実釣にはあんまり向かん。そこそこ良い値段してるし弾数そろえられん。
 ということで”水平浮き系”のポッパーぐらいあるだろうと探してみたら、意外に少なくてハンドメイドの高級品をのぞくと、プラドコのレーベルブランドからポップRの細長い版「スーパーポップR」をさらに後方のラトル兼オモリを小さくして横浮きにした「チャグR」というのがあったので中古とかで買ってみたら、そういえばこれ蔵にも新品があった。
 後は廃盤だけど日本製でスミスハトリーズのトレッピーというのとティファのスリックポップというのも買ってみた。
 しかし、アメリカンルアーの型同じでオモリだけ換えて違うルアーにしてみました。っていうのが合理的なアメ人らしくて笑える。チャグバグなんて典型的な水平浮きポッパーを斜めに浮かしたらあかんだろっ?と最初思ったけど、使ってみたらすぐ納得した。充分以上に縦浮き系ポッパーとして優秀なものになっていた。見た目一緒だけど実体は全く違うルアーとして新たなルアーが爆誕してた。ルアーなんて結局そんなもんで細かい外側の造形なんて些末な事項で、重心位置とか比重とか、そういう動きに直接大きく関係する部分がしっかりしていれば魚ぐらい釣れるものになるって話である。米国の釣り人は流石にそのへんよく分かってるんだろう。日本人釣るのにはまた別の要素があって”新開発”ですって見た目違う方が売れるんだろうけどね。その点世界のルアーメーカーであるデュエルはさすがの商売上手で、金型変えずに名前とか色とかパッケージとか変えて売り続けてる。昔からのファンは廃盤になっても同じような後継版が買えるので安心して愛着もって使えるし、新参者はなんか最新型っぽいルアーが安いって喜んで買ってくれる。誰も損してない。だから中古の弾数多くても一票入れる意味で新品も買う。千円しないしね。

 で、こいつらもシーバス釣りで日没待つ間とかに試投。
 投げてみるとチャグRは昔のチャグバグに近い。竿先で弾くとちゃんとクルックルと首振ってくれる。投げたときにたまにクルクル回って失速するのまで似てるけど昔のチャグバグほど酷くはなく結構遠投性もあって、いかにもレーベルなカラーでもありなかなか良い。だいぶ満足して症状治まってきた気がする。

 お次のトレッピーはやや小粒でサイズ的には現行チャグバグ小サイズでちょうど良いかなと思ったけど、これハトリーズだけあって結構芸達者で、ポップしながら頭水中に突っ込ませたりもできる。
 バス釣りとかで障害物際で小技効かせて楽しんだら面白そうだけど、逆に早め連続の動かし方では安定してポッピングしにくく潜ってしまったりして、ちょっと私がシーバス用ポッパーに求める性能とは外れるのでまた別の出番もあるだろうから蔵に入れておこう。

 最後のスリックポップがなかなかに良くできてて、後方にオモリが固定されていることもあって投げたときに姿勢が安定していて飛距離がかなりでる。
 しかも首振りがペンシルベイトのスケーティングみたいで、その動きが連続的に首振らせても破綻せず安定している。
 本体に入ってて転げ回るラトルがかん高い音なのだけは好みじゃないけど、そのぐらい目をつぶってやるのは問題ないぐらいに全体としてデキが良い。
 多分昔のチャグバグを意識して作ったんだと思うけど、改良されて上手に仕上げられているように感じた。日本人は”改良”が得意だというのが定説だけどさもありなんというところ。
 実際には使ってみて魚に判断してもらわないとだけど、まあ良い線いくんじゃなかろうかと思っている。こういう売ってた当時人気があって中古で弾数多く安く買える廃盤のルアーって流行が終わったってだけで釣る力は変わらないもんである。

 という感じで、それなりにポッパー欲も満たされて症状も治まりつつお届けした、久しぶりの「ルアー図鑑うすしお味」第40弾はシーバスに向かって投げてみるポッパーたちで行ってみました。
 それでは皆様連休中良い釣りを!!

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