2015年8月29日土曜日

心よ原始にカエル


 前回マンズを取り上げたので、マンズのザ・フロッグにはお世話になっているし、ゴブリンなんかもゴソゴソとフロッグ入っている箱(=蔵)から探し出したわけだが、フロッグも結構マイナー味のしみ出た良い味わいのがあるわけで、そこいらを今回第17弾ではピックアップしてみたい。

 1発目のブツであるが比較用に左に置いたザ・フロッグとの対比でばかでかさがご理解いただけるだろうか。
 中空フロッグダブルフックという、現在のフロッグゲームシーンの中核をなすスタイルの元祖はおそらく、その名もスナッグプルーフ社のフロッグだったと思うのだが、その老舗スナッグプルーフ社の変態巨大フロッグ「フログジラ」である。
 釣り具屋の棚でのインパクトも破壊力抜群で、これはデカイライギョがバフッとバイトしてくるにちげーねーぜオヤッさん。という感じだったのだが、今一バイトとれず、フッキングは悪く。お蔵入りとなったのであった。
 デカけりゃ良いってもんでもないらしい。


 我々オッサン世代がフロッグを語るとなると、「ガルシアフロッグは足が弱くて一発でもがれてしまってね~」とか「ビルプラマー時代のじゃないスーパーフロッグは浮力強くてバイトは取れるけどフッキングしないのよねー」とかそういう、チョット知った風なご託を並べなければならない雰囲気がある。

 でも、オッサンども、おまえの本当の心のフロッグはそいつらなのか?違うだろう?オレは知ってるんだぞ。恥ずかしがらずに正直に言ってみろよ。どうなんだほら。

 というわけで、コーモランの「かへるくん」シリーズである。
 ガルシアフロッグみたいな高価で壊れやすいフロッグをガキのころ使ってたわけないでしょ。
 スーパーフロッグはバイト取れるけどフッキング絶望的に悪かったでしょ。
 結局たよりになったのは、あからさまにガルシアフロッグをパクッたとはいえ、安くて良く釣れるかへるくんだったでしょ。
 ということで、真ん中がよく使っていた「かへるくん」で足もげずに残っていた奇跡の1個体。
 左はどうも違う時代のものらしい「かえるくん」これはエグったのだが、たぶん商標登録の関係で「かえるくん」使えなくなって、じゃあ「かへるくん」でとなったいい加減な流れが想像にたやすい。
 右の「かへるくんS」はちょっとサイズアップして芯がコルクから発泡樹脂素材に変わった最後の方のモデルだと思うが、使い勝手は軽やかだった「かへるくん」に比べると浮力が小さく、イマイチだった記憶がある。
 まあ、初めてのライギョを経験させてくれたのは「かへるくん」である。きっとそういうオッサンは多いと思う。


 「かえるくん」は目も身体の水玉模様も、黄色に黒という手抜きカラーリングで、全身に目がある妖怪ヒャクメ状態で正直不気味だ。

 「かへるくん」は背中のCORMORANもどことなく誇らしげ。
 上向きシングルフックのフロッグというコンセプト自体はガルシアフロッグのパクリだが、現物から金型起こしたような丸パクリではなくサイズもふくめオリジナル要素結構あって、当時のコーモランルアーとしてはがんばった感じになっている。
 丸パクリルアーも結構イイけどね。




 カエル方面ではヨーズリが変態ルアーメーカーとしての実力を遺憾なく発揮している 。
 ケロちゃんベビーとリトルダーリン2種である。
 左がウィードレスフック付きのオタマのケロちゃんベビー、右がリップ付きのオタマでリトルダーリン。右のリトルダーリンは後のダンスズイールとかにもつながるニョロニョロ感が素敵。

 たしかヨーズリにはケロちゃんベビーのシッポが足になってるケロちゃんフロッグもあったような記憶が。

 さらにいうなら、硬いボディー前半に3種のワーム素材の足を付けるフロッグも確かあった気がするのだが、ググっても出てこない。メーカー違いか?
 



  でも、大学生のころ一番信頼して使ってたのが、ミスターツイスターのホウグフロッグ。これはまあワームなのでフッキングがすんばらしく良かった。
 現在のライギョ釣りでは使うルアーは中空フロッグがほとんどという状況だが、同居人の得意技スワンプラットとか、カエル、ネズミ系ワームの釣りというのも戦略の一つとしてはあり得ると今でも思っている。


 でもって、割と硬いイメージのレーベルが何を思ったか、足がプロペラのバズンフロッグなんてのを作っている。
 カラーリングがカエルでもリアルなのはレーベルお得意のプリントカラー。
 意外にレーベルはカエル好きなのか、カエル型のクランクベイトも作っていたはずだ。






 それから、このチョット小振りな、中空ダブルフックのペラ付きフロッグは、タイ旅行の同居人のお土産である。
 中国や東南アジアのルアーの文化って、そろそろ単なるパクリの時期は終えて、自分たち独自の道を歩き始めている様が、このルアーからもみてとれる。
 単なる安い乱造品にはないデキの良さが写真で分かるだろうか。
 香港の村田さんのブログとかでも、チャイナルアー、東南アジアルアーが紹介されているのを目にするが、なかなかに見ていて楽しいルアーたちが生まれているようだ。
 どこの国の釣り人だって、ルアーを釣りを楽しまずにはいられないということだろう。



 最後の1つはバルサ50から出ていたヒックリージョー。
 則さん達が初期のスーパーフロッグを復活させたモノだったという話は後々知ることになったが、初めて投げた時に、足が絶妙に折りたたまれていてアクションさせる毎にそれが伸び縮みしてカエル泳ぎする様に感動した。
 ウィードガードやボディーの作りや目の表情などなど、当時は最強のフロックだと疑わなかったし、今でも最高に想い出深いフロッグである。
 F師匠にもらった物で、足は菱の池での実釣では必要ないので外してベビーパウダーを振ってベトベトに劣化しないようにして紙の袋にしまってあるが、既に固化して硬くなっているので袋は既に空けることができない。

 カエル自体が可愛いと感じる人間だからか、カエルのルアーも実にキュートなモノが多いと感じるところである。皆さんのタックルボックスにはどんなカエルが棲んでますか?ゲコゲコ 


2015年8月22日土曜日

マンズについてはワシにもひとこと言わせてくれ


 「マンズ、マンズはどうしてこうなのか...。オイラはこのメーカー大好きです!!」というB級ルアー列伝のDab氏の決めぜりふでB級ルアー界の人気者となっているマンズですが、もちろん私も大好きです。という事でルアー図鑑うすしお味第16弾はマディーウォーターなアメリカ南部はアラバマ州のルアーメーカー、マンズ社について書いてみたいと思います。

 まあ、マンズの有名どころのヘンテコルアーとしては、ハードワームとトゥーファーが双璧ではないだろうか。
 ハードワーム、80年代とかのかなり昔の時代の製品ですが、売っているのはこのシャロータイプしか見た事無かったです。しかし、パッケージの裏にはディープタイプやダブルスイッシャーも書かれていて、かなり力を入れてラインナップを揃えている本気度がうかがえたものです。ただ当時健在だったトムマンおじさんがどんなに本気だったとしても、もうこの見た目の馬鹿臭さ、本来うねうねグニャグニャしているはずのミミズをなんで堅いルアーにしちゃうかね?と突っ込みどころ満載である。だがそれがいい。水面で水しぶきを上げるミミズがいても良いじゃないか!という固定概念をやぶる先進の気質がトムマンオジさんの真骨頂かと。


 トゥーファーは2000年代ぐらいの割と最近の作で、トムマンおじさん亡き後、その志を継いだ社員達が一丸となって開発したのかどうか知ったこっちゃ無いが、もう見たまんましょうもない愛すべきルアーとなっている。どっちが前なのか不明だが、片方のアイに結べばポッパーに逆側に結べばバズペラのフロントスイッシャーにという代物だが、釣具屋の棚で見た瞬間にネタとして1個は買うべきだと確保したが、その後投げてもおらず2個目を買う予定もない。


 でもって、そういうヘンテコルアーの系譜にフロッグマンが並べられていたりすると、ちょっと「失礼しちゃうワ」と感じるところである。フロッグマン扁平なコチのようなシングルスイッシャーなんだけど、「井上博司のブラックバス攻略法」で、開発段階でトムマン氏がデカバス釣りまくった実力派と絶賛されていて、ナマジ少年すでに廃盤になってたのを苦労して友達に売ってもらって試し投げして、「スゲー首振る!」とか感動してあんまり投げずに宝物扱いして未だに残っているという逸品である。割と田舎のルアー少年には人気ありました。



  という、すっかりB級イメージのマンズなんだけど、まあヘンテコルアーばっかりじゃ商売になるわけもなく、カッチリ釣れるルアーも 作っていて、水面びきのクランク、ワンマイナスとかのクランクベイトシリーズ、それから開高先生も愛した「チビのジョージ」ことリトルジョージなんかが堅く釣れるルアーとしてラインナップされている。

 リトルジョージの、1/2オンスとかは馴染みのあるティアドロップ型なのに対して、3/4オンスは半月型なんだけど、割と珍しいかもしれない。売ってる状態で2つあるアイのうち、どっちにフックをセットしてどちらにライン結ぶべきなのか統一性が無くいい加減な状態がアメリカン。リトルジョージは海外通販で安く手に入って良く釣れるので20から30個はストックしている。






 マンズといえば忘れちゃならないのが、柔らかい系である。
 中空フロッグ系もいろいろ作っていて、THEフロッグは九州時代かなりお世話になった良作フロッグ。既に杯盤だが今も足からラバースカート生やしたのとか新作を作っているはず。


 中空フロッグ「系」と書いたのは、この中空フロッグの製法で作られたペンシルベイトであるゴブリンとかの中空トップシリーズというこれまたヘンテコ系があって、フロッグに入れて良いのかどうか分からん怪作なので「系」としたところ。動きはちゃんとしていて首振らせることができます。でもフッキングするんかいなという不安が拭えないところで、釣った実績はありません。

 柔らかい系でマンズといえば、われわれオッサン世代ならジェリーワームを忘れてはならんでしょう。でもまあ私はむしろアーガーテイルとかフリッピングワグラーとかテイルがユラユラ系を使ってました。
 蔵に残ってないか探してみましたが、クリームとか渋いところが残ってましたが、マンズのワームは発掘できず。しかしながらマンズのワームオイルというこれまた渋いものが出てきました。オッサン釣り師の皆さんは甘い匂いを憶えているのではないでしょうか。我が家のはグレープフレーバーでした。良い匂いです。
 匂いは想い出を喚起しやすいというのは、マドレーヌを紅茶に浸して食べたときにその香りから半生を思い出すという小説「失われし時を求めて」の作者にちなんでプルースト現象とかいうそうですが、マンズのワームオイルの匂いもなかなかに楽しい記憶を想い出させてくれます。

 ということで、アメリカンルアーを数回にわたって取り上げてみました。匂いとか思いとかそういうものもまとった嗜好品としてのルアーらしさに溢れたルアー達だったと思います。

2015年8月19日水曜日

みたらし団子が食いたかったんダ


 今日は1日中みたらし団子のことを考えていた。

 真面目に仕事しろ、とのお叱りはごもっともだが、どっかの昔話に神様が「キツネのことをこれから考えなければ宝物を与える」という条件を出したら、村人はキツネのことしか考えられなくなった、というのがあったくらいで、気になり始めるとそれを頭から追い出すのが自分では難しい状態にハマってしまうことはままあることだと自己弁護しておきたい。

 まあきっかけは、録画してあったアニメを見ていたら、超能力バトルものの主人公なんだけど、ある事件がきっかけで、やさぐれてというかちょっと病んで、仲間に探されないように遠くの街に逃げて、逃げた先の街でネットカフェをねぐらに、街の不良やらチンピラを超能力使って小突き回して憂さ晴らしをするという鬱々とした展開だったんだけど、ネカフェから出ると主人公がなぜか毎回みたらし団子を買って食っていて、けだるげに3つ刺さった大きな団子を横咥えにしてモッチャモッチャと食べているシーンが妙に旨そうで、どうにもみたらし団子が食いたくなったのである。

 ネカフェで食べているピザはストーリー上の必然性が感じられる小道具になっているのだが、みたらし団子の方は、全く脈絡が無く、物語から浮いているがゆえに変に印象的だった。まあみたらし団子の串を叩きのめした不良の足に突き立てていたので、主人公の落ちたゲスっぽさを演出する小道具になっていたのかもしれないが、いずれにせよみたらし団子が食いたくて仕方が無くなった。

 食い物と女の話が書ければ作家として一人前だとか読んだことがあるが、最近のアニメでは農業高校舞台の「銀の匙」が自分たちで収穫した作物を調理して旨そうに食ってたり、視聴していてよく腹が鳴ったが、そういうストレートな旨そうな感じではなくて、なんというか主人公のやるせない心情とかと共鳴して、けだるげにみたらし団子を横咥えしたくなる感じで、なかなかに良かった。

 帰りに、おにぎりとか巻き寿司も売っている和菓子屋に寄ったらお盆休みで、仕方なく駅ビルに戻って専門店街に探しに行ったら、みたらし団子売ってる店が2つあって、どちらを買おうか迷ったが、結局どちらも買ってついでに北海道フェアのイカめしも買って、夕飯は前菜みたらし2本、メインディッシュイカめし、デザートみたらし5本という感じで、腹はち切れそうになるぐらいみたらし団子食ったった。

 きっと全国の和菓子屋で、今週微妙にみたらし団子の売れ行きが良かったはずである。

2015年8月15日土曜日

これはいいものだ


 なんともとぼけた味わいのある木彫りのカエル。

 同居人のタイ旅行土産で、最初音だけ聞かされて、ケコココココココッという感じの軽やかなカエルの鳴き声に聞き惚れた。
 これ、モーコックと呼ばれるタイとかベトナムの楽器なのである。南米のギロに近い感じで背中のトゲトゲをバチで擦るようにすると、カエルっぽい良い音で鳴いてくれる。
 カエル好きのハートを鷲掴みである。

 同居人はガッコの先生なので、普段は土日も結構仕事があったりして大変そうだが、夏休みとかにまとまった休みが取れるのはうらやましい。今回も2週間ほどタイでのバカンスを堪能してきたようだ。
 タイは確か2度目で前回は釣り具も持って行って、カスープというコイ科の魚食魚をゲットしていたが、タイとかの東南アジアは割と釣って魚食べる地域なので、結構すれてたりして魚が釣れるところがなかなか見つけにくいということで、今回は釣り具無しで出発したのだが、宿の目の前が水路で、リールのラインにつながった釘のようなものを射出する仕掛けでテラピア取っているジモチーがいたりして釣り具持ってきゃ良かったと思ったそうな。
 水路は船で巡ることもできて、メコン大ナマズとかの仲間の食用ナマズ「バサ」の養殖場でパン撒いたりとかも面白かったそうな。

 私はタイ料理の辛いのがあまり得意でないけど、同居人は辛いの大好きなので食事もずいぶん楽しんだようで、香港で釣ったアフリカンクララはタイでも人気で、市場ではヒゲを切って、筒切りにぶった切って売られていて、料理としてはすり身の揚げ物が旨かったとのこと。
 すり身系の料理は得意なのか、ライギョ(プラーチョン)の一見丸揚げなんだけど、食べてみると一旦皮を剥いですり身にして味付けしたのを再度皮に詰め込んであるのなんて手の込んだ一品も大変美味であったとのこと。

 写真とか見ても旨そうで腹が鳴るのだが、土産にもらったコオロギフライ(毛針のフライではなく揚げてあるフライ)は、スナック感覚なパッケージだが、いまいち旨そうに見えないのだが偏見だろうか。

 タイ土産で異国情緒を楽しんでいる。

2015年8月8日土曜日

塩水系のリールメーカーがなぜかルアーを作った


 ザラスプークなどのペンシルベイトを葉巻型と呼ぶ事があるが、このルアーは葉巻型であるうえに、カラーリングも葉巻を模している。
 その名も「シガールアー」である。


 

 要するにこのルアーで魚を釣ったときに、火のついた葉巻を魚が咥えているというかたちになるジョークグッズなのだが、そういうしょうもないジョークをエーベルというちょっと堅苦しいぐらいのイメージのリールメーカーが作っているところがむしろ面白がるツボである。
 ツーテンの虎ファンさんにいただいた代物だが、「こういうのはフライもやる人間じゃないと面白さがわからんやろなと思ってナ」とおっしゃっていて、確かにエーベルの高級フライリールのイメージとくっだんないジョークのギャップが趣きある逸品である。

 エーベルってフライの世界じゃ「エーベルじゃなくて発音的にはアベルね」とかこざかしいことをいうスノッブなフライマンが愛用しているイメージのあるお高くとまったリールで正直私の嫌いなリールだが、こういうくだらないルアーを作るセンスをみると、やればできるじゃないかと好感が持てる。メーカーとしては触れて欲しくない黒歴史なのかもしれないが。
 英語表記の「ABEL」は確かに、キリスト教文化圏では人類初の兄弟げんかと殺人事件で有名なカインとアベル兄弟(Cain and Abel)のアベルの方の綴りと一緒で、アベルと読んでも良いのかもしれない。どうでもいいことだとおもうし、そもそもカタカナ音読みのアベルじゃなくてネイティブっぽい発音はあるんだろうけど、どうぞ好きに呼んでくれという感じである。

 割とエーベルのことをボロクソに書いているが、高級な道具で武装すれば自分も高級な釣り人になれると思っているようなフシのある俗物には辟易とさせられるので、そういう「高級釣師」が使ってそうなイメージのABELについてゆがんだ偏見の目で見ている事を認めざるを得ない。
 実際使っている人に聞くと、ナマジがクサするほどの高級品じゃなくてちょっと高いけど実用的なリールだよとの話である。



 こいつはまあ見たまんま、ミロー社製のペンシルベイトである。パッケージ裏にはL&Sベイトカンパニーとプリントされていて昔の社名時代のモノかもしれない。ルアーの厚めの樹脂の底に反射素材が埋まっている感じとかまあミローのルアーである。
 ちょっと大きめのサイズで、同社のこのサイズはあんまり見た事無いけど、海のルアー得意なメーカーなので、まあこのぐらいはあってもおかしくはない、けどまあ使わないだろうな、と一旦中古釣具屋の棚から手に取ったのを戻しかけて、「PENN」のシールを目にして驚く。
 PENN社はご存じのようにリールメーカーで、ロッドもトローリング用のとかは有名だが、ルアーは初めて見た。迷わずゲット。
 釣り具業界見回してみると、最近でこそピュアフィッシングやらの合体企業がリールから竿からルアーやラインまで一通り作っていたりするが、昔はそういう総合釣り具メーカーってダイワ、シマノとかの日本勢を除くとABUぐらいで、ルアーメーカーはルアー作ってるしリールメーカーはリール作ってたような印象がある。
 まあ、このばあいPENNがミロー社(当時はL&S社か?)にOEM(相手先ブランド名製造)で作らせたのは明らかだろうと思うけど、味わい深いものがある。

 OEM生産って、釣り業界では割とおなじみで、日本メーカーもブランド力無いときはアメリカメーカーから受注してアメリカブランドでつくってたのよね。ルーのスピードスティックとかね。
 ルアーの名前がどこにも書いていないので、ルアー名知っている人がいたら教えてほしいところ。

 というわけで、ルアー図鑑うすしお味第15弾はアメリカンリールメーカーが作ったルアーを紹介してみました。

2015年8月1日土曜日

アメ人は何考えているのかよく分からない

 まあ、アメリカンリールもアメリカンルアーも好きなわけだが、アメリカ人ってのは良くも悪くも発想がフリーダムッ!て感じで、どこの国の釣り人でも、驚くような、あるいはあきれるようなルアーとか作ってくるけど、アメリカは特にすごいというか時に酷いと感じるところがあり、自由の国アメリカをルアーでも感じたりするところである。
 ということで、ヨーロッパ方面攻めたことだし、何回かに分けてアメリカ方面、蔵にあるマイナー風味なルアーを取り上げてフリーダムな感じに攻めてみたい。
 ということでルアー図鑑うすしお味第14弾はアメリカンルアーに注目!



 先頭打者はコットンコーデル社はトップスポット。なんか釣れる気がしたのか貧乏学生時代に奮発して二個も買ってますが、あんまり釣れませんでした。おそらく制作者サイドも若き日のナマジも、バイブレーションしながら泳ぎ上がってきて水面を引けるなんて、他にはないアクションで爆釣間違いないと考えたんだろうけど、なんというか冷静に考えると「それって最初っからトップウォータールアーでいいんじゃね?」という突っ込みに応えられるほどの爆発力はありませんでした。
 さすがにラトル入りバイブレーションの元祖ラトルスポットの名前をいただいただけあって、動きはたぶん制作者の意図したとおりに、バイブレーションしながらちゃんと浮き上がってくる動きをしてくれます。しかし「それがどうした?」という今一な釣れ具合。マイナールアーとして歴史に埋もれました。





 二番打者は割と特徴的な形状で知ってる人は多いかも。袋入りはギルモア社のジャンピングGのビックとスモールの二種類あるスモールの方。トップ使いならビッグを買うところをちょっと腰が引けてスモールを買ってしまうところがマイナー嗜好なのかなと反省するところ。
 どう見てもクランクベイトな形状ですが、トップのペンシルベイトです。
 ギルモア社はペンシルとスイッシャーが得意で、ヘビ皮貼りの高級品カッパーヘッドジャンパーとかもありましたね。写真右のジャンパージュニアとか普通にウッド製普及品価格のルアーも地味で人気はイマイチでしたが動きは良くて良く釣れました。
 袋入りという事から分かるようにジャンピングGは未使用ですが、普通に首振らせたりアクションさせられるそうです。なぜ、こんな形にしたかったのかは謎ですが、その辺がアメリカンルアーの自由さというところかなと思います。




 ヘドン社のブラッシュポッパーをマイナーものとして紹介してはお叱りを受けそうなんだけど、初めて投げたときにというか引いたときに「これ作った人天才!」と感動したのは、愛すべきコーモラン製コピールアー「トンガリ虫」と先に出会っていたからだと思う。
 「トンガリ虫」有眼側というのか顔がある方を上に泳ぐのだが、本家の方は顔を下に泳いでくるのでシングルフックが上向きになって、パラ菱ぐらいのカバーをちょうどすり抜けるぐらいの良い塩梅のウィードレス性能で、結構バス派手に出てくれました。フッキングは悪かったけど。そういう性能面も含め、魚に見える下側に目のある側をもってくるあたりのセンスの良さというのが、アメリカンバスルアーのらしさかなと感じるところである。





  らしさというと、昔のルアーには各社に「らしさ」があって、一目でどこのメーカーのルアーか分かるというのがあった。最近の日本のルアーとかみてどこの製品かわからんというのは、興味が無くなったので知識がないという以前に、似たような流行のデザインを追っかけているのでどれも似たような顔してるという面もあるんじゃなかろうか。対して、昔のアメリカンルアーならヘドン、ボーマー、アーボガスト、コーデル、レーベル、バグリー、ストームあたりの大手でも、それぞれ顔があった。それぞれの会社のポッパーを思い浮かべてもらえばそれぞれ全然違うというのが明らかなのではないだろうか。
 その各社の「らしさ」の典型が、ストームの目の立体構造だったりして、ストームのルアーで立体構造じゃない目を持つリルタビーとかの「タビーズ」は別会社のを版権ごと買ったルアーだと聞いてなるほどと思ったりする。
 スピナーベイトにもしっかり「ストーム目」を入れてきていて、写真のバスホッグはちょっと塗装が粉吹いて見にくいがしっかりストーム目である。隣のチャグバグと出身一緒というのがよく分かる表情になっている。



 っていうような古き良き時代の楽しいルアーには、今時の、売れなきゃすぐ消える世知辛いルアー市場でしのぎを削らざるを得ない結果、没個性になりがちなルアーデザインには無いルアーらしさを感じるのである。
 そのあたりが、古き良き時代のアメリカンルアーの人気の理由の一端かなと思う。思うんだけどそのあたりの人気ルアーはスルーして、次回はちょっとマイナーなというか意外な路線に突っ込んでみたい。