2014年5月24日土曜日

Book of the namazu, by the namazer, for the namazer.


 ナマザーによる、ナマザーのための、ナマズの本が出た。
 前畑政善「田んぼの生きものたち ナマズ」農林漁村文化協会である。

 前畑先生は主に琵琶湖でナマズを研究している研究者だそうで、10数年にわたって研究してきたナマズについて、その研究成果を含め、ナマズについて田んぼとの関わりから見えてくる生態や、食文化や信仰などナマズ文化的なものまで、広くわかりやすく紹介してくれている。
 田んぼに登って産卵行動を行う様子は豊富な写真で臨場感たっぷりに説明されていて、断片的に知っていた知識もあったけど、おかげで1つながりの生命活動の流れとしてイメージを持って頭に定着してくれた。

 ナマズについて、「ナマズ属与太話」で疑問に思っていると書いていたような当方が知りたかった知識も、いくつも回答が示されていた。
 ナマズの背中にハシゴ状に並ぶ測線は「大孔器」というそうだ。
 ナマズがどこで電気を感じているのか、是非知りたかったが、表皮の「小孔器」で感知するといわれているらしい。やっぱり電気は感じていたんだと思うと、ある種予想どおりだが、それでも不思議で驚きにあふれていると感じる。

 THE「ナマズ」のみならず、他のナマズのことも書かれていて、ビワコオオナマズは産卵期にウィードエリアで釣れるので、当方はてっきり水草に産卵するモノだと思い込んでいたが、実は岩に産卵するのであった。ルアー投げてる足元の石組みのあたりをウロウロと2匹で泳いでいるのを見かけたことがあるが、まさにこれから「合体」するところだったわけである(ビワコオオナマズもナマズも雄が雌のお腹に巻き付くようにしてイタします)。
 ビワコオオナマズ、江戸時代の文献には9尺(2.7m)のものがいたとか書かれていて、さすがに先生も「魚だけに’尾ヒレ’がついてると思いますが」と書いてますが、いやいや意外にそんな化け物サイズも昔はいたのかもしれませんゼ。

 ナンポウオオクチナマズというナマズは、ほとんど情報が出てこない謎のナマズで、中国深センで釣りをする村田さんが、どこかに情報無いかと検索かけてたどり着いたのが、当方のサイト(でもたいした情報持っていなかった)という、当方が香港に釣りに行くという縁がこのナマズから始まった魚なんだけど、このナマズの中国湖南省での養殖の様子の簡単なレポートがありました。養殖対象となって種苗が生産されているから観賞魚ルートで日本にも流れてきて、当方はマニアックな熱帯魚屋のネット上のカタログでその名を知ることになったという事だったようである。日本のナマズの仲間であるナマズ(Silurus)属のナマズではヨーロッパオオナマズに次ぐ大物なので、今後もナマザーなら要チェックのナマズだぜ。

 この本には、グレイトなナマザーである前畑先生の「ナマズ愛」が随所に感じられる素晴らしいナマズ本であると、ナマザーナマジが世界中のナマザー達にお勧めする1冊である。

 ナマズの「大孔器」の説明に使われている写真は実は「釣り人ナマジ」提供となっている。農林漁村文化協会の担当者さんから、当方のサイトをみて「このナマズの写真を使わせてもらえないでしょうか」と連絡があったときは、ナマザーとして当然協力させてもらいますよとお答えした。むしろほんのチョビッとだけど、この素晴らしいナマズ本に参加させていただき、ナマザーとしてとても光栄に感じています。

6 件のコメント:

  1. おおーっ、ナマジさん資料提供者ですか。やはり写す場所がマニアック!!
    わかる人はわかるわけですね。

    千代川にウナギ釣りのシーズンがやってきました。川岸テトラ付近には餌となる手長エビも増えてきていることでしょう。手っ取り早く小径の網ですくったり、かぶせて手で捕まえたり。やがて川にはまる者やウナギを忘れてエビ捕りメインになる者が出てきて、楽しい夜になります。

    そちらの手長釣り好調のようでなによりです。  Kazu@岡山

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  2. ナマジです Kazuさんこんばんわ

    こちらでもテナガ餌にそのまま夜の部ウナギ釣りというのは、エイ狙いも兼ねて今年もやってみようかと思っています。

    夕涼みがてら、夜釣りはなかなか良いものですよね。

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  3. えっ エイ狙い??  やっぱり狙うんですね。。。笑

    仲間内でのエイの扱いは不憫かつ偏り多きもので、エイが釣れた場合に前向きな提案が出たことありません。
    「どこか食えんの?」「ヒレじゃねーの?」「どこがヒレ?」「待て待てトゲに刺されると死ぬらしいぞ。すぐ放て!」
    とか、
    「わしの投げづりキャリアの一番の引きはエイだな」「えーーーっ、ほんまですかー?」「ジャンプしたときのあの凄さは忘れられん」「えーーーーーっ、飛ぶんすかー。」

    エイにはなんか画期的な性質とかあるんですかね。笑  kazu@岡山


                                      

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  4. ボク的には逆に狙わない理由がないですね。

    最大20キロ越える大物で、狙って無くてもたまにかかるぐらいの個体数が、近所の川や東京湾の普通に狙いに行ける場所にいて、デカイ分パワーがあってやりとりが面白く、しかも狙っている人間が少ない。

    さらに重要なのは情報が少ないこともあるけど適度に難しくて、そこそこ苦労しなければならないという点。全く釣れない希少な魚じゃないけどシーバスほど沢山いるわけじゃない、ほどほどの難易度が「身近な大物」として味わい深いと思います。

    でかくてもあまりたくさんいすぎると興が冷めます。近所のコイは80UPくらいまで普通に泳いでいますが、たくさんいすぎて難易度が低くイマイチ燃えません。

    ちなみに食味は悪くないですが、シーバスの60UPですら既に消費するにはもてあますサイズでリリース前提なのでデカイ魚に関しては味の良し悪しはあまり気にしたことはありません。まあ小さいサイズでも美味しいテナガやハゼもあんまり美味しくないらしいタナゴも釣るので味はまあ釣った後のおまけみたいなもんだと思ってます。

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  5. こんばんは。風雲児です。
    これは面白そうですね!探して読んでみなくては!

    たまにナマズの天ぷらが無性に食べたくなる時があって、そんな時は近くの千種川や揖保川で夜遊びしてます。
    橋の上からのブッコミ釣りですが、ギギだらけの場所なので、ハリには売れ残りのカレー用牛肉付けて、レバーブレーキリールのストッパーOFFで食い込ませてますが、食えば一気に走るので面白いですよ。

    あと、ビワコオオナマズ狙いの湖北ルアー遠征も何度も挑戦していますが、いまだに何の手がかりも掴めておりません。
    やはり鍵はウィードエリアですか・・・。

    そうそう、今日岡山県美作市を走っていて、面白い看板を発見しましたよ。
    「鯰」という集落にある急カーブ注意の看板です。
    http://yamakyow.blog.fc2.com/blog-entry-160.html
    (カメラを持っていなかったので、ネット上にあった記事を紹介します。)

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  6. 風雲児さん おはようございます

    「ギギだらけ」の部分に反応してしまう私です。ギギ釣ったこと無いので釣りたいです。

    ビワコオオナマズはまさにウィードエリアで時期にはバスのランカーサイズ狙いのナイターの人間も並んでいる中、バイブレーション投げてました。釣れる日はそれほど苦労しませんでした。人に教えてもらったポイントなので場所そのものをお教えすることはできませんが、内緒でヒントになる事をお伝えできると思うので一度メールくださいませんでしょうか。

    鯰という地名は九州にもありました。人との関係が深い魚だというのがわかりますね。

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