2026年1月24日土曜日

対カマス軍新体制

  釣り場で一軍フライボックスを地底の割れ目に落っことしてしまい紛失した。なにを言ってるのか分からんかもだけど、そのうち顛末記で状況は報告するのでとにかく一軍フライボックスを紛失して、早急にカマスフライの増産と体制の再構築が必要だったということだけご理解いただきたい。

 幸いなことに、カマス釣りではフライの消耗が激しいため(ハリス切られなくても毛が刈り取られていく)、ある程度巻きためたフライがあったので、すぐに冒頭写真のように暫定一軍ボックスを用意することはできたけど、在庫の予備フライが出払ってしまい、休漁中の土日で30本ぐらい巻くはめになった。釣り場に持ち出す釣り具に関しては、破損や紛失もあり得ることは覚悟完了のうえで使っているつもりだったけど、それでもここ数年の試行錯誤の成果が詰まった、時間も情熱もかけて思い入れのあるモノだったので、巻き直せば良いといえばそうなんだけど、なかなか割り切れるものでもなく、落ち込んだことは否めない。とはいえ、新たに一軍ボックスをこしらえるとなると、色々と整理することができてコレはコレで良い機会だったのかなと前向きに考えることとしている。

 カマスのフライは、というかどの釣りでもそうだと思うけど、特定のハリだけが強いというような状況は少なくて、ポイント選択に時合いや棚や引っ張り方とかの方が重要で、フライパターンがどうのこうのではないことが多い。なので紛失したボックスにはなんじゃらかんじゃら巻いたフライをゴチャッと詰めてあったけど、もっと単純な構成で良いはずで、ボックス内をスッキリさせた。とはいえたまに明らかに特定のハリがなぜか有効だったり、反応の仕方が違ったり、特殊な用途もあったりして、そのへんも踏まえて写真のような一軍メンバーとなった。ワシの場合特にかもだけど経験積んで上達してくると、ルアーやフライは種類数少なく同じハリを弾数多めにという感じになってくるけど、まさにそんな感じで自分の”フライでカマス”もなんぼか上達してきてはいるんだなと実感する。ボックスは小っちゃいのがかさばらなくて良いので、以前から愛用しているメイホーの小っちゃめのボックスの底にウレタンフォーム、蓋裏にコルクを張ったのを愛用している。ちっちゃめのフライボックスってあんまり売ってなくて、特に大きめのフライを収納するので小さいけど高さは欲しいとなると、渓流用の小型ボックスとかではイマイチなことが多く、その点メイホーの小箱は丈夫だし使い勝手のよい設計で重宝している。 

 でその厳選した一軍のなかでも不動の4番打者「オレンジチャーリー」。
 適度に派手で、フライ独特の柔らかい動きと、止めたときの水平姿勢が良いんじゃないかと思ってるけど、とにかくコンスタントにアタリが拾える、特定のアタリフライがあるわけじゃない中で魚回ってくるのを待つならコイツを信じて投げるのみ。一番下に堅めの素材であるスーパーヘアーを入れて絡みにくくしてあり、かつ針先が上を向くキールタイプに巻いてあるので、障害物とかへの根掛かりもなんぼか少ないのもあってトラブルが少なく使いやすい。根掛かりに関してはさらにフックはバーブレスにしたマルト「H260」という細軸のを使っていて、根がかってもだいたいフックが折れて帰ってくるので海に出すゴミが少なくて済む。通常は5号のフックを使ってるけど、今期がそうだけど掛かりが悪いときは、フトコロの深さでしっかり掛かって保持してくれることを期待して3号の大きめので釣っている。3号に巻いた”オレンジチャーリー大”はタチウオ釣りとかの暗い時間の釣りでもアピール大きめなおかげか成績が良い。

 次に、朝一とかに出番の多い1番バッター的な「黄色ミラージュ」は、単純なバックテール(鹿の尻尾)系のストリーマータイプ。紀伊半島ではルアーもフライも、黄色やオレンジといった明るい色が効くと思っていて。オレンジチャーリーは昔巻いて余ってたのを使ったのが始まりだったけど、コイツが一番最初にカマスをフライでというときに巻いたフライ。関東の先輩に、単純なシュッとしたバックテールストリーマーでよく釣れると聞いてたので、まあ黄色でというのと、下に入れる素材としてギラッギラに光る”ミラージュ”という商品名のフラシャブーを入れたので、朝早い時間、黄昏時の低光量下でギラッと魚を誘ってくれるのを期待して投げている。そういう時間帯に使うからか、なにか気に入る要素があるのか、マアジが結構食ってくるパターンでもあるので、12番とかの小さいのも巻いて用意してある。アジ回ってるようなのでアジ狙うかと小さいの投げると案外カマス食ってきたりもする。あと、暗くなってからの時間、とにかく毛針だとアピール力が不足気味なのでサイズ上げて、ミラージュマシマシ、夜行フラッシャブー追加の”ミラージュ大”も使う。暗くなったすぐぐらいは効く気がするけど、本格的な暗い時間の時合いに対応できるほどの打開力はなく、小さいケミホタルやラトルなんかを背負わせてもあんまり効いたことがなく、暗い時間のフライでカマスの釣り方はなかなか正解が見えない。フライパターン1発でなんとかなるような単純な話ではなく、状況に合わせた攻め方全体でなんとかするんだろうなと思う。餌のように匂いと味で寄せるわけでもなく、ルアーのように動きでアピールするわけでもない”毛針”というもので、いかに暗い中で食わせるか?食ってくるときはあるので見えてないとか存在を感じてないわけはない。なら食わせる方法はどっかにあるはずと考える。餌が多い状況で暗い時間に普通に食ってくるっていうのはありがちなので、魚の活性にもよるから、まったくダメな時は帰って風呂入って寝ろって話かもだけど、たまにアタるけどなかなか掛からんとかいう状況なら、もっと掛ける方法はあるだろ?って話で、それを突き詰めていくと、暗い状況でも釣れるようにだんだんなっていくのではないかと思っている。暗いと尻込みしがちだけど挑戦はし続けるべきだろう。やっちゃいけないのが、安易に餌なりルアーなりに変えることで、それやり始めるとフライが上手くならないのは当然のこととして、釣り全体としてもとっちらかってしまって、やるべきことが分からなくなって迷いが出て、ろくなことにならないだろう。

 「白牛シリコンキャンディー」小は、昨冬から投入して好成績。以前使ってた金玉白熊の発展系というか、単純化したようなフライ。
 見えてる群れの上を通してきて、追ってきたカマスが食ってくるのが、①白いフライは見やすい、②小さめであまりフワッとしない方が良い、とのことだったので金玉白熊にシリコンちょっと塗ってフワッと毛が広がらないようにしたら良い感じで魚も釣れた。けど、もともと金玉付きで重いのがシリコンの重さも加わってさらに重いとライントラブル増えそうなので金玉省略。視認性は実は透明な白熊(ホッキョクグマ)の毛よりは、もうちょっとハッキリとした白の方が良いだろうなと、カーブボディーがちょうど良さげな毛の長さのがあったのでそれにして、シリコンでキャンディーミノーっぽくハリの長さぐらいを固めた。そして目はさいしょポンチで抜いた黒目を付けていたけど、面倒なので1カ所ハリのアイの後ろあたりに黒いスレッドを巻いて黒目に見えるようにした。写真でも黒目に見えてると思うけど一つ目小僧になってます。真っ昼間とかのイマイチ食いが悪くなった時間とかに良い反応得られることが多く、地味だけどよく働いてくれてます。元々小さいけど一応アジ釣り用に巻いたさらに小さい12番の極小サイズも用意。

 で、なんで釣れるのかよく分からんけど、あきらかに他のフライがダメなときに効いたりする、「黒ウーリー」。もともとは堰堤上のヤマメ狙いで引っ張ってた管釣りマス用としては定番のパターン”ウーリーバッカー”を投げたら釣れたっていうところから始まったんだけど。どうにも食いの悪い群れが見えていて、だんだん棚下げていってスレ掛かりとかになってる玄人衆を尻目に、普通に追ってきて食ってくるってのがあってから、居るのに食わん時に試す代打の切り札的なフライになっていった。初期は普通にボディー全体にハックルをグルグル巻いて、テールだけテツ西山流にマラブーじゃなくラビットファーとかにしたものを使ってたけど、とにかくカマスの歯に弱いという欠点があって、すぐにグルグル巻きのハックルが切れてビローンとなってしまい、かつテールはすぐに刈り込まれてハゲる。で試行錯誤した結果現時点では、ハックルは頭の方だけグルグル巻いて、テールは黒のポリエステル補修糸を使っている。ポリエステルはPEライン考えれば分かると思うけど丈夫で銀のフラッシャブーが無くなってもある程度もつ。もはやウーリーバッカーではないかもだけど、かといってウイングケースもないのでモンタナニンフでもなく”黒ウーリー”と呼んでいる。色なのかなんなのか緑系のも巻いて試したけど同様に釣れたので、色ではなくどうもハックルグルグルが効いている気がしてならない。エビとかアミとか甲殻類の脚や触覚の感じが出せてるのかもと想像しているけど妄想しすぎか?なんにせよ釣れるので他と明らかに系統が違うし、切る札としては一枚持っておきたい。

 で、他と明らかに違うのもういっちょが「全身シリコン」白、これはどちらかというと良くアタってるときに魚の反応の仕方を変えたいようなときに使う感じで出番がある。具体的には、メチャクチャ食いが良くて切られまくる。ならばと引っ張る速度を落とすと食ってこない、ってな時にコイツにかえるとちょうど良い掛かり具合になる、ってなことがたまにあったり、逆に掛かりが浅くてどうにもってときにダメ元で出してみるとしっかり掛かってくれたりする。一般的な毛針と違ってシリコンで尻まで固めてある、ルアーのスラッゴーみたいな毛針なので、他の毛針とは魚の反応の仕方が若干違う気がしている。真っ直ぐな棒が直進するのはルアーでも結構釣れる動きではある。これが毛針として認められるか?という疑問をケン一にぶつけてみたところ「毛つかってるんなら問題なく毛針」と太鼓判を押してくれたので安心した。羊毛をハリにグルグルしてシリコンでグッチャリ固めてます。ここまで馬鹿臭い毛針っぽくないパターンはナマジオリジナルだろうと思われるかもだけど、元ネタは備前貢さんの「ストライパームーン」からで、イカナゴパターンでNY郊外のストライパーを釣る時に、地元民にフライを尻尾までシリコンで固めたものに交換される話が出てきて、試しにセイゴ釣るのにいつも使ってたフライを尻まで固めたら良く釣れたというのが誕生の経緯。お魚っぽい見た目に作るのも簡単なので、トウゴロウとかっぽい大きなサイズも作るけど、シリコンで固めるので重くて投げにくくリーダーに結び目ができがちなのが欠点か。ということで白牛シリコンキャンディーより大きめぐらいの中型を用意した。

 で、カマス釣りでは使わないけど、スカ食いそうなときにボラとかウグイちゃん、なんならフグ釣って丸坊主を回避するために用意しているのがコバンフライ。我が愛猫のコバンさんの毛が、ブラシかけてあげて抜けてきたのをまとめてみると、あら不思議、ちょうど排水に混じって流れてくる加工残渣的な有機物っぽいゴミと同じような色目で、視認性もそこそこあって塩梅がよろしい。写真のは現場で適当に毛をむしりつつ使うのでモジャめに巻いてある。けど、フグとかウグイちゃん用にはもっと小さく、かつ上下の動きで誘えるとなお良しなので、小さいサイズで金玉付きのも用意している。

 黄色オレンジ白とかの派手な色しかまったく効かないかというと、写真上段の「青フラッシャブー」とかの寒色系でも普通に釣れる。釣れるけどオレンジチャーリーより釣れるかっていうと、そこまででもなく、コイツじゃなきゃダメって時もあまり経験がなく、なんか変えるかって時に色変えたぐらいでは、あんまり効果ない気がしていて、でも一応寒色系も1種類ぐらい入れておくかと入れてみた。実績残せなかったら二軍行きだな。
 で、1つは新規枠をつくっておこうということで、白牛シリコンキャンディー小を使うようになって、金玉白熊が出番なくなったので、白熊系を1つ復活させて試してみるかと巻いたのが、写真下段の「銀白熊」バックテールウイングのストリーマータイプに上を白熊、下を銀のフラッシャブーで巻いてみた。銀色のきらめきって単純だけど効く気がするので、こういうシンプルなハリも案外良いかも。コイツも実績残せなかったら二軍行きでかわりに新しいの入れて試してみたい。

 というのが、今回整理した一軍ボックスのラインナップ。単純化しつつ、変化もある程度つけられるようになっていると思う。あんまり沢山札が増えても実際の釣り場では、短い時合いなら1枚2枚切るのが精一杯なので意味がなく、それなら自信のあるフライで棚やら引っ張り方やら、ハリスの太さ長さやら全体的な試行錯誤で釣ろうとした方が釣果に結びつくと思っている。ルアーでもそうだけど、よく釣れる定番はあっても、それさえ投げていればどうにかなるというような安易な魔法のようなフライは存在しない。フライパターンだけでどうこうできれば皆苦労しないだろう。100年は前のフライマンであるエドワード・グレイ卿が「完全に正しいフライパターンで間違った流し方をするより、多少間違ったフライパターンで正しい流し方をする方がよっぽど良い」と看破している。

 ついでに二軍ボックスも公開しておくとこんな感じになっている。
 基本的には、オレンジチャーリー、黄色ミラージュ、黒ウーリーなどの消耗しがちなハリの予備が多いけど、その他にもしものためのポッパーとか、暗いときのアピール力対策で巻いた、F’sクラウザー、マドラーミノー系、トウゴロウをイメージした全身シリコン大などを入れている。今回ことの発端が一軍ボックスを釣り場で紛失したということだったので、もし釣ってる最中に一軍ボックス海に落としてしまったりしても、リュックに入れてる二軍ボックスで最低限釣りが続けられるように、ということも考えた構成となっている。


 で、巻きためたりお蔵入りになってるのを保管しておく、右のストック箱も加えて、新体制はこんな感じ。
 今回思ったのは、よく使うフライはとにかく多めに巻いておくことって話で、バンバン魚が食ってくる状況だと、毛針が端から刈り込まれてハゲていくし、ハリス切られたりもある。そしてフライボックスを紛失するなんていう間抜けなミスも、人間はやってしまいがちなのである。そういうときに巻き貯めた在庫があると、今回そうだったように、すぐ釣りに行くのに支障が出ることがなくてすむ。被害は最小限で抑えられる。まあ釣れてない時期だったからどうでも良かったといえばそうなんだけど、釣れてる時期で、すぐにでも釣りに行きたいのに各フライ5本は巻かねばとかになったら寝る暇がなくなって、釣り場での集中力に精彩を欠きかねない。

 備えよつねに!というのが今回の教訓かな。皆様怠りなきよう。
 人間ミスを一つもしないっていうのは難しくても、それを想定して備えておいたり、ミスしてからの上手な対処でカバーしたりっていうのは可能だと思もっちょります。

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