2018年11月10日土曜日

好き好き大好き寵愛してる。

諸君 私はPENNが好きだ
諸君 私はスピンフィッシャーが好きだ
諸君 私はPENNスピンフィッシャーが大好きだ

4400ssが好きだ
430ssmが好きだ
7500ssが好きだ
9500ssが好きだ
950ssmが好きだ
4500ssが好きだ
5500ssが好きだ
706zが好きだ
4300ssが好きだ

近所で 珊瑚礁で 河川で 渓流で 黒潮で
護岸で 地磯で 湖沼で 干潟で 水路で

水辺で使われる ありとあらゆるPENNスピンフィッシャーが大好きだ

水面で一心にバチを食っているシーバスにモグラ叩きでルアーを投げ込んでいくのが好きだ
アワせた直後空中高く跳び上がったシーバスが水中に戻って4400ssに重みを伝えてきた時など心がおどる

私の操る7500ssがロウニンアジの泳力を受け止める様が好きだ
悲鳴を上げて逆転するドラグがそれでもラインを切らさず持ちこたえた時など胸がすくような気持ちだった

4300ssのスプールに左手を添えて道糸の放出を調整し思う場所に投げ込んでやるのが好きだ
恐慌状態のイワナがルアーに追いすがってくる様などはもうたまらない

カヤックの上で4500ssのドラグを滑らかに滑らせながらワカシが疾走していく様をみる時など絶頂すら覚える

諸君 私はスピンフイッシャーを望んでいる

「PENN!! PENN!! PENN!!

よろしい ならばスピンフィッシャーだ
一心不乱のスピンフィッシャーを!!

我らはすでに時代遅れなのかもしれない
だがスピンフィッシャーは一騎当千の古強者だと私は信仰している

メイドインジャパンの高級機種を崇拝している連中に恐怖の味を思い出させてやる
天と地のはざまには奴らの哲学では思いもよらない事があることを思い出させてやる

状況を開始せよ
征くぞ諸君



 ほんとすいません。714と714Z買っちゃいました。
 とりあえず今使ってる人生初のインスプールのスピニングリールである「トゥルーテンパー727」は調整もすんで快調だし、”釣れてる時は道具を換えない”は鉄則だと思うので、少なくとも今期はトゥルーテンパー先生にインスプールのなんたるかを教わりつつ修行するんだろうなと思ってて、どうせ自分のことだから次はPENNのインスプールに手を出すのは分かってるにしても、とりあえずは鬼が笑うような先の話だし、考えないでおこうと一旦放置することに決めた。そのうち本国人気に応えて大型インスプールを復刻生産しているピュアフィッシング社が小さいインスプールも復刻するかもだしその時買えばいいやとも思ったのは以前書いたとおり。
 しかし、一旦放置と決めた次の瞬間からもうPENNのインスプールのことしか考えられなくなってしまったのだよ諸君。
 気付けばネットオークションで落札相場調べてたり、使ってる人の評価を読んでみたり、昔のPENNリールジャパンやコータックのカタログで糸巻き量とか調べてみたり。
 「もうコレは買うしかしかたないナ」
 と観念して、ネットオークションで”第1世代”緑の714と”第2世代”黒金の714Zを落札した。
 幸いPENNスピンフィッシャーはカーディナルやミッチェルのような人気機種じゃないので、70年代の緑の時代のモノでも写真の箱入り娘で多少スレ傷がある程度のものが1万円台前半、90年代の半ばまで第4世代と並行して現役で売られていた714Zなど単なる中古価格でしかなく7千円ぐらいが程度良いやつの相場である。ポチッとナってなもんである。入札私だけで、だいたい相場の値段だった開始価格で落とせてあんまり人気がなくて助かった。

 「おいおい、買うのなら同じ機種を2台じゃないのか?」と玄人衆なら思われるかもしれない。もう生産してない機種なら予備機としてや部品取りを考えると、同じのを2台買うのが、収集ではなく実戦投入を目的とするなら理にかなっている。特に同じスプールが2個手に入るのは大きい。
 でも心配ご無用。スピンフィッシャー714と714Zは実は”色違い”といって良いぐらいの機種で、設計もほとんど変わっておらず、部品もほぼ共通なのである。
 なので、左の写真のような着せ替え人形的お遊びもできる。意外と黒銀は渋くていいジャン。

 スピンフィッシャーの歴史は1961年にまで遡る(「ベールアームは世界を回る」「MYSTIC REEL PARTSホームページ」参照)。
 その歴史をチョイと紐解いてみると、一番最初の機種はおそらく「700」でローターのカップが多分その後の機種のように鋳造(ダイキャスト)してから内側を削ったものではなく、筒状の上部と叩き上げたカップ状の下部を溶接しているらしいことがローター上部と下部の色の違いから見て取れる。
 ただ、この初代から内部のギアだのの機構はお馴染みのウォームギア方式が鎮座してたりして、90年代の半ばまで「Z」シリーズに引き継がれて続いたスピンフィッシャーのインスプールのリールは、基本的に同じ設計を使って30年以上マイナーチェンジを繰り返して生産されてきた超御長寿シリーズなのである。小型の714についても箱に入ってた取説に「1975」年の文字が見えるので70年代には登場していたようである。ちなみにスピンフィッシャー714のミドルネームは「ウルトラスポーツ」のようで714Zにもミドルネームは受け継がれているのが本体側面に見て取れる。ちなみに一番小さい716、716Zのミドルネームは「ウルトラライト」。他もミドルネーム?あるんやろか?
 ”PENN公式”と言って良いピュアフィッシング社の整理では緑の(たまに青も見かけるけど、百貨店別注の茶色もあったそうな)700番台が”第1世代”で、黒金の「Z」付きの700番台が”第2世代”とされているけど「MYSTIC REEL PARTS」さんところの整理では、むしろ「Z」付こうがインスプールの700番台(とアウトスプールの747と757)は全て”第1世代”で、逆に公式では”第3世代”にまとめられている”3桁ss”と”4桁ss”が実は世代が違っていると整理している。外見で見れば同じアウトスプールで似ている3桁ssと4桁ssが意外に設計に変更が加わってること、外見が緑から黒金に大きく印象を変えた無印とZ付きの700番台が実は色違いに近いことを知ると、ピュアフィッシング社の公式見解より「MYSTIC REEL PARTS」社の整理の方が的を射ていると思える。両者の整理の観点が、視覚的に分かりやすく歴史を示したいのと、部品を注文する都合上設計等の実態を反映させているのと、というそもそもの目的の違いがあってどちらが間違いということではないのかもしれないとは思うけどね。さらにいうなら細かな仕様変更が繰り返されてきているので同じ世代でも年式や”ssj”のように販売地域によっての違いがあったりするので簡単に整理なんてできないよね。

 一番上のずらっと5台並べた写真は、下から714、714Z、430ss、4300ss、430ssgでスピンフィッシャーでは2番目に小さいサイズのリールで渓流やらシーバスなんかで使う機種達なんだけど、714、714Zを分解して内部構造把握しつつ使えるように調整しようと思ったら、他の後継スピンフィッシャー達との違いもなかなか面白かったのでコレからちょっとその辺について紹介してみたい。

 まずは、714と714Zの公式第1世代と第2世代の違いについて「最大の違いは色の違い!」と書いてしまうとズルッとずっこけてしまうかもしれないけど、結構真面目に色とか外見とかって性能やら内部機構やら以上にリールにおいて重要な要素だと思うんですよ。だって、スピンフィッシャーっていったら黒金仏壇カラーで、その印象は「海で強いぜスピンフィッシャー」な性能面の印象と分けがたく関連づけられて確固たるイメージが形作られるに至ってて、ピュアフィッシング社の下での第5世代「SSV」や新しく出たばかりの第6世代「SSⅥ」もその配色を踏襲しているぐらい重要な要素になっている。その違いが小さかったとは思えない。
 色以外の変更としては、大きいモノでもサイドプレートが重い金属製から樹脂製に変更されて軽量化が図られていること、あとは本体のハンドル軸の根元に注油穴が設けてあったのが入手したZでは省略されていたこと、ドラグノブの形状がちょっと違うぐらいのもので正直設計的にはマイナーチェンジだと思う。むしろサイドプレートをあけて違いに驚くのは714のグリスの盛りっぷりで「日本よ!コレが本場米国70年代方式のグリスシーリングだ!!」とでも言わんばかりで、面白すぎたのでそのままの状態を保存すべく714のグリスについては”ソッ閉じ”しておいた。プレートの方にギアの形が分かるぐらいに水色のグリスが盛り上がっているのが写真でおわかりだろうか。

 ハンドル軸根元の注油穴については、430ssとの関係もあって面白い。この部分に注油穴を設けてあるのは、実は手元にあるのでは714と430ss。
 多分コレ、714Zに注油穴がないのは途中から省略されたんだと思う。714Zと430ssはインスプール版とアウトスプール版の兄弟機だと思っている。1枚目の写真で比較してもらってもハンドルの上のあたりの本体の丸いちょっと官能的な感じの曲線なんかも同じで、それは2枚目の写真見れば明らかなようにでっかい真鍮製のウォームギアが鎮座しているからそういう曲線になるんである。機能美っていっていいでしょ。
 で、この3機はローター除いた内部の機構はほとんど一緒で430ssで逆転防止がカリカリ鳴らないサイレントドック方式になってるくらいで、だいたい一緒なのは写真でも分かるだろうか?714は内部も緑。
 こいつらにはベアリングがローター軸に1個だけで、しかもハンドル軸は片軸で支えている形なので支えているハンドル側のスリーブは長くて、途中に”油溜まり”の部分を設けた真鍮製のものである。そういう長くて摩擦面が大きいスリーブには注油が大事ということで油溜まりの所に注油穴がわざわざ開けられてたんだと思う。
 ちなみに、より新しい4300ssと430ssgのウォームギアはおそらく軽量化のためだと思うけど小さくなっている。この2機についてはオシレーションカムが一枚板を加工したモノから鋳造一体成型ものに変わっている程度で2機間で大きくギア方式を変えたモノではなく共通している。
 3桁430ssから4桁4300ssになった時には、スプールは共通のモノにしつつも、内部の設計を大きく変えており、この大きさにおいては、単にボディー素材が金属から樹脂素材に変わったことに伴うマイナーチェンジにとどまらず大きなモデルチェンジがあったと整理して良いように思う。ボディー素材とギアの他に、もう一つこの時の大きな変更を指摘するなら、ハンドル軸の両サイドにボールベアリングがぶち込まれて、ハンドルが左右どちらにも付けられるようになっているところか。

 話を714Zの「注油穴の省略」に戻すと、アウトスプールの430ssには注油穴があるのになぜそれより古い設計の714Zで省略されているのかと疑問に思うかも知れない。これは設計自体が714Z(実質714)よりアウトスプール化した430ssのほうが新しいのは事実なんだけど、714Zのほうが長く製造されていたから、経費削減かなんかで後年製造された714Zでは省略されていたとかじゃないかと、推定でしかないんだけど思っている。1995年のコータックのカタログでは714Zが健在でまだ注油穴が残っており、アウトスプールの430ssは既に4300ssに代替わりしていることが確認できる。私の手元に来た注油穴無し714Zはそれより後年の製造なのかなと想像して楽しんでいる。

 こういう、部品を同じ世代の”大きさ違い機種”はもちろん、世代超えていろんなモデルで共通にしてしまうというのは「せっかくニューモデル買ったのに古いのと同じところばっかりで新鮮味がないジャン」と、アホな客に思われてしまいがちだけど、進化した部分や設計思想に基づいて変えた部分以外を「変えない」というのは、新しく設計し直したり金型作ったりという経費が削減できて製品単価を抑えることができて売る側も買う側も利点が大きいはずである。また、共有部品で長く修理が可能になるのなんかは、ちょっと売る側は困るカモだけど使う側からしたら良いところばかりなのに、今のリールは同じ時代の旗艦機種の本体設計を流用して、素材やら部品やらの経費抑えた普及機作るなんてのはあるけど、世代間はあんまり共通の部品なんて使ってなくて「モデルチェンジ後は買い換えてネ」という売る側の都合ばかりが強く感じられてあんまり気分良いもんじゃない。
 ダイヤモンドキャリアーがベールスプリング折れて、ナマジ的次世代小型主力機を選定する際にダイワトーナメントssと4300ssで比較検討した末に4300ssで行くことに決めて、やっぱりぶっ壊れたときの予備機は欲しいなと思ってたときに釣具屋の棚に眠っていた430ssを発見して、スペアスプール共通ということで即購入。実釣でも感触を確かめていたところ、まだ雪深い季節の岩手の渓流で雪道でコケてハンドルを折ってしまった。まあ一人で携帯も持ってない時代に山に入っており、足でも折ってたら遭難沙汰で430ssのハンドルが代わりに折れてくれて助かったと思うことにしようと、すでに4300ssに代替わりして久しいし、取り寄せようにもハンドルだけはもないだろうなとSスイにダメ元で聞いてみたら、あっさり「大丈夫ですよ。430ssのハンドルはインスプールの714Zと共通で714Zはまだ売ってますから部品在庫あるはずです。」との回答。無事430ssも復活して、やっぱりPENNだなコリャとPENN愛というかPENN信仰が深まったのであった。


 今回も714Zを使う前提で部品を買い足ししようと、ついでにあれこれ足りなくなりそうなのがないかチェックしていたら、部品使い回しの多さのおかげで、実際に在庫しておかなければならない部品種類数が少なくて済むことに改めて感心した。714と714Zのドラグパッドは純正は白いテフロン製なんだけど、もう「MYSTIC REEL PARTS」さんにも在庫がないということで一瞬焦ったけど、説明読むと「パーツナンバー56-440を耳切って使えばいいんですよ」てなことが書いてある(訂正:大きさ確認したら耳付きのままで少し隙間が空くけど使えた)。パーツナンバー56-440は黒っぽい灰色のカーボン製の3方耳付きのドラグパッドであり440ss、4400ss、440ssg、430ss、4300ssに共通で714系にも使用可能な使い回しの効く部品なんである。という例で部品共通が便利というのがおわかりいただけるだろうか。

 ということで、どこを第2世代と第3世代の切れ目とするかは別にして、大きな変更に伴って変えるところだけ変えてきたスピンフィッシャーの歴史について、同じ大きさの機種が”公式”の第1世代から第4世代まで5台揃ったので、ついでにと重量とかも測ってみたら、これまた面白い結果が出てきたので、ナマジ推論と合わせてご紹介したい。

 早速計測結果を書いていくと、714:275g、714Z:254g、430ss:260g、4300ss:248g、430ssg:283gとあいなりました。
 ちなみにライン巻いてない空スプール状態で、グリスやオイルは入れたままの湿重量。
 714から714Zの間で20gぐらいの減量に成功しているのは、片軸でハンドル軸を受ける設計だと強度とかは必要ないサイドプレートを樹脂化したのが効いてるのと、地味に714のグリスシーリングの”グリス重”が効いてるのかも。
 でもって714Zをアウトスプール化した兄弟機430ssは5グラムほど重い。インスプールの方がシンプルに軽く作りやすいというTAKE先生説を裏付ける結果。まあ5グラムなんてワシャ気にならんけどね。
 でもって4300ssはでっかいウォームギアがこのクラスでは過剰だろうという意図からかギアを小型化し、本体も軽量化のため樹脂製にしたかいあって、最も軽い248gを記録した。他のメーカーの同程度の糸巻き量のリールと比較したらそんなに軽くないのかも知れないけど、軽量な小型リールにしたいという意図が明白に分かるモデルチェンジだったのだと思う。ちなみに糸巻き量は8lbで160ヤード。2号150mってところで日本製だと2000番程度か。
 でもって、人生後半を任せることにしている430ssgがまさかの最重量283g。どないなっとるねン。逆転スイッチすら省略のこれ以上無いぐらいにシンプルな造りなのにどこで目方食ってるんだ?としげしげ眺めてみると、なんとなくカッチョ良い今時風のハンドルが怪しいので、4300ssのハンドルと比較してみた。結果、4300ssハンドル:25gに対して430ssgハンドル:33gとこれだけで8グラムも違っている。TAKE先生のお言葉「ハンドル軽いは七難隠す」を信じるならとんでもねえ改悪である。
 たぶんおケツの金属部品も重いんだろうし、550ssgから下の大きさの機種で共通という逆転防止機構の一方通行のベアリングもこのリールに対しては過剰な丈夫さで重くなる要因かも知れない。
 ただ、この430ssgが人生後半を任せるに値するリールだという確信は私の中で全く揺らがない。だって使ってて重くもないし、丈夫なことは証明してあるし、なんと言ったって快適に魚釣れてるモン。いいリールだもン。重い分丈夫で安心だモン。

 重さとか、ベアリング数とか値段とかのカタログ数値、人様の評判なんてそれほどあてになんないって話だと思う。使ってみて自分に合ってるかどうか、使いやすいかどうか、好きになれるかどうか、それだけのことだと思う。
 小型リールにおいて自重の重い軽いはハッキリ言って気にしたことすらない。4300ssから430ssgに変えたときも、重いとは思わなかったし今回測るまで知るよしもなかった。
 でも回転の重い軽いや特性の違いは気になる程度に違うと思っている。ローターが金属で回転に慣性力が強く働いて回り続ける傾向のある430ssと樹脂製ローターの4300ssでは4300ssの方が巻き取りや回転が軽く感じる。
 ただ、渓流ではそれほど慣性力の強いローターの利点を感じることはなかったけど(悪いとも感じなかった)、海のおもいっきりルアーを早曳きしなければならないような状況では”回り車”のように勢いついて回り続けてくれる重いローターは使いやすくて有利だと感じてた。今時息止めての高速巻きなんて流行らんからローター重いリールが評価されることなんて無いだろうけどさ。
 てなぐらいで使い方やら個人の好みによって、どんなリールがイイかなんて違って当たり前。
 私は430ssgのというか第4世代スピンフィッシャーの、とにかく経費削減して単純化して部品削れるだけ削りつつ、スピンフィッシャーらしさは出して安っぽくならないようにという、身も蓋もない方針に基づいて作られただろう必死さと、ある程度スピンフィッシャーらしさが残せている風合いに好ましさを感じる。ハンドルなんか軽きゃいいんじゃと安っぽい見てくれのが付いてたら、ただでさえ樹脂製で安っぽいのにデザインで見るところネエじゃん。”PENN使い”にとって8gぐらいはどうてっことねえよと思うのである。全体で35gも違うって?そんなモンは誤差のうちじゃ。ゴチャゴチャいうてると9500ss(1kg近くありまっせ)でぼてくりまわすゾ、体鍛えとけヤ!!

 ということで430ssgを最後の小型スピニングと心に決めつつも、714Zにも浮気してみるついでに、新型の第6世代やまだ触ってない第5世代も使ってみようかと検討してはみた。結果、それは止めておこうということになった。
 多分VもⅥも良いリールなんだろう。Ⅵはまだ謎の部分は多いけど、ⅤはPENNらしく丈夫でメンテナンスしやすくて黒金なのは写真と展開図見ただけで分かってしまう。ドラグも相変わらず良いんだろう。
 でも、既に日本のリールと一緒で同年代の他のシリーズとの基本設計とかの共用という方式になってきているようで、Ⅴの展開図見て部品番号でみる限り昔のシリーズとの部品共有はなく、世代間断絶みたいなことになっている。
 第4世代が出たときには、4桁第3世代で充分間に合ってたけど、スペアスプール共通という世代間をまたぐ使い回しが効くのは愛用者には実にありがたいと感動して、一票入れるつもりで買ったけど、VとⅥにはそこまでして買い支える義理を感じない。
 VにもⅥにも10500という50ポンドナイロンモノフィラが255ヤード入るとんでもない糸巻き量の超大型機が用意されているので、磯からサメとか釣るのにスピニングで太いナイロンラインの糸巻き量が欲しいときにはお世話になるかも知れないし、6500サイズに設けられているマニュアルピックアップ方式のベールレス仕様機も気になるけど、とりあえずは必要ないかなと。

 それから、根っこの部分で、世代が新しくなる毎にやっぱり部品数が増えて、スピンフィシャーですら複雑化しているということが、自分にはあんまり好ましく思えないというのがある。
 もちろん部品が増えて複雑化した分性能や機能が上がっているのだろう。それは悪いことじゃないのかもしれない。でも、自分が釣りを続けて上手くなっていく過程において、そういう複雑で高性能な道具を使いこなせるような方向を目指しているのかと言えば、明確に違うはずである。
 できるだけ単純化して、面倒臭くねぇ道具と技術で釣れるようになりたいと思っているのである。
 私は魚を飼うのも好きなんだけど、観賞魚飼育においてとても参考にさせてもらい、いろいろと蒙を啓いてもらったサイトに「■GOOD AQUA■」というのがあって、その中で管理人さんが「上級者になるほど、高額で複雑な機器を使うというのはおかしいだろう、水槽管理が上手くなればなるほど道具に頼らなくて良いはずである」という趣旨のことを書いておられて、当時常識となりつつあった水草育成に二酸化炭素を添加する方式を前提とした、水の攪拌が少ない外部濾過装置等を使わず、ホームセンターで売ってるような60センチ規格水槽にセットの上部濾過槽とショボい照明を使って二酸化炭素の添加も行わず、その条件でも育成可能な水草を適切に選んだりしながら充分美しい水草水槽を育て上げていた。
 我が家の水槽における水草育成は、限られた水量の中に二酸化炭素を多く溶かし込むのは難しいし限界もあるけど、空気中には近年の増加が問題視されるぐらいの二酸化炭素が含まれているので、水中は根っこの繁茂を楽しむモノと割り切って、水上葉を展開する水草でお茶を濁している私である。
 でも、釣りにおいては道具に頼りすぎない、真に自分に必要な道具を適切に選び、その道具に見合った技術で釣りができるところを目指して行きたいと思っている。志は高いのである!エッヘン。
 そう考えると、インスプールで単純な第1世代が必要な場面はあるかも知れないけど、第5世代以降の高性能さはワシにはあんまりいらんのじゃなかろうか?
 古くからの愛用者に対するサービスも含んでいるだろう古い機種の復刻とかあったら一票入れるか考えるだろうし、感心するような単純かつ新しいスピニングリールが出てきたら喜んで買いたいと思うけど、単に高性能化するだけじゃ今更買う気にならんのよねというのが正直なところ。
 そう思って、もうスピニングリールなんて新たに買うことはないだろうと思ってたら、インスプールなんて思わぬ方向に求める答えの手がかりがありそうだったりして、世の中わからんもンである。
 思いもよらない意外なところから新しいスピニングリールが出現するかもしれないよ。なんてネ。

 次回は714Zの調整ネタの予定。まだ続くのですじゃ。お楽しみに。

6 件のコメント:

  1. ナマジさんそうだろうとは思ってたけどほんまにペン使いなんですねw90年代後半から釣り再開した私はこのあたりの道具まったく知らんので、なんかうらやましいな。

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    1. ええ、何の因果かPENN使いになってしまいました。
      でも最近はオリンピックに浮気してます。
      今日もそのリールは良い仕事してくれました。釣り人が下手くそだったけど。

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  2. インスプールの沼に浸かりかけてますネ(笑)
    60-70年台のイギリス、イタリア、フランス、米国もしくは旧共産圏に目を向けると変態リールがたくさん出てきますよ。
    さすがに金が保たないのでほとんどは海外のマニアページと分解画像で満足してしまいますが………

    PENNのインスプールだと自分は722Zを持ってますが、かなり面白いですよ。
    軽量、大口径スプール(Φ47.5)、1:5のハイギア、ドラグ性能も良い。
    何より、ギアがすぐば(スパイラル)ベベルギヤという珍種で巻きも快適。
    おそらくウォームギア系よりも強力な巻き上げ力を確保できるかと思います。

    ただ、自分はローターを止めるナットを強く締めすぎてピニオンギアを潰しかけました(汗)。
    ローターナットって逆ネジか正ネジかメーカーによって違うので初分解時に間違えました。
    幸いピニオンギアの内径にリーマーをかけて復活できましたが、それ以来分解を控えています。
    ローターナット締め付けの適正トルクを守る、そこの分解を極力控えさえすれば、かなり良いリールのように思いますよ。

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    1. 沼に浸かりかかった人間に重石を乗せるようなマネをしてはいけません!ありがとうございますっ!!
      旧共産圏のリールとか超面白そうなんですけど。
      アンバサダーの深い沼からは4台もらって左巻き2台買ったあたりで命からがら抜け出したのに、こんどはインスプールの沼でまた沈みそうになるとは不覚。

      青い722が緑の714と同時期に○フオクに出てて、可愛い見た目でちょっと惹かれたのですが、722には「熊の手」対策の保護の出っ張りがなかったので私向きではないと判断しました。トゥルーテンパーも714Zもベールを手で「起こせない」ところが実に私向きかなと。
      インスプールはなんとか3台で逃げのびたいです。

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  3. 初めまして yusaku と申します。430ss を長年使用していますが 8-420ギア が潰れてしまい 再生したく 探しています。714zや716zの メインギアラチェットおよびシャフトは 使用出来るでしょうか
    ?分かれば 教えて頂きたいのですが宜しくお願い致します。

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    1. 2020年11月8日日曜日の書き込みの方に返信させていただきました。

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