2017年5月9日火曜日

すべての高い山に登れ!

 ネパールの85歳の登山家ミン・バハドゥール・シェルチャン氏が、最高齢でのエベレスト登頂挑戦中のベースキャンプで6日心臓発作で亡くなったことを受け、「エベレスト登頂に年齢制限を設けるべきではないか」との議論がでているそうな。

 なんでもかんでも危険!危険!と禁止したがるのは日本だけでないのかと暗澹たる気持ちになる。
 同じことをくどくどと何度も言うようになってきたら自分も年老いた証拠だなと自覚しながらも、また繰り返し口を酸っぱくして書いちゃう。
 冒険を制限するようなアホなことをするんじゃない。他人が危険を冒す自由をお節介にも邪魔するなと。

 人類の歴史を紐解いてみろと、アフリカの森の木の上でぬくぬくと暮らしていたら、俺たち人類は生まれてないんだぞと、肉食獣ひしめくサバンナに新天地を求めて、木から降りるという「大冒険」をしたからこそ、我ら人類は木につかまる必要のなくなった前足で道具をつかんで成功をその手にしたんだろ?
 その後にしたって、冒険冒険また冒険で暖かいアフリカで生まれたくせに極寒の凍ったベーリング海すら渡って、南米の先っちょまで行って凍りそうな海で素潜りでカニとって暮らすまでになったんだろって。そういう人類の旅を「グレートジャーニー(偉大な旅)」って賞賛するのが我ら人類の正しい認識でしょって思うわけよ。

 およそ、文明化だ科学技術の発展だっていうのも、冒険か危険か失敗かから生まれたものばかりで、安全に効率的に能率的にとかいって人類が得たものなんて、アメリカ人の横幅ぐらいじゃないかと思うんだけどどうなのよ。

 この世の中にはクソなものと素晴らしいものが玉石混交で存在していて、他人の冒険の足を引っ張るような輩どもはクソで唾でも吐きかけておくべきで、85にしてなお、世界の最高峰に挑んでいたネパールの爺様には最大限の敬意と賞賛を贈るべきだと思うのである。
 その魂は根性は実に素晴らしいものだと感銘を受け、爺様にとって「強敵」と書いて「とも」と読むべき存在だったであろうユーイチロウ・ミウラの国から、謹んでお悔やみ申し上げます。

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