人工衛星「ひとみ」の失敗を受けて、JAXAは理事長以下エラい人3人を厳重注意処分としたそうな。
今日日の組織として、たとえリスクが元々見込まれて然るべき宇宙開発という分野においても、結果責任で失敗にはエラいさんが責任を取るというのは当然なのかも知れないが、直感的に非常にいやな感じがする。
直感的に感じるいやな感じを言葉にすると、以下の2つに要約されるのか。
一つは、挑戦的な分野で失敗を過度に罰することにより、失敗を避けた当たり障りのないことにしか手をつけなくなる懸念。
もう一つは、なんか最近妙に失敗をゆるさない厳しい世の中になっているなという感触。
一つ目は、そもそもハイリスクハイリターンな未知な分野において、そら上手くいかんこともあるだろうということで、あんまり結果だけ見て厳しいこと言うなよということ。
まあ、失敗した原因とか言い始めると、リスク管理の不備やら計画の甘さやら出てくるんだろうけど、そんなモノは結果論であとから無責任な評論家の言うようなことで、意味などあまりないように思う。
JAXAの宇宙開発事業なんてのは税金突っ込んでいるわけで、パトロンは我々納税者なわけだが、パトロンとしては多少失敗することがあっても、長い目で見て画期的な成果を出してくれる分には大目に見てやって良いんじゃなかろうか?
JAXAはここ最近は充分画期的な仕事をしていたように感じる。
「はやぶさ」が小惑星の砂を持ち帰ったりという派手な成果も上げたし、主力のHⅡAロケットは打ち上げ失敗なんて遠い昔の話にしてしまったぐらい安定してるし、超小型のロケットの実用化もニュースで流れてた。
パトロンとしては、それら実績を勘案して、多少の失敗は「よきにはからえ」という感じで良いんじゃなからろうかと思う。
もう一つの、失敗を許さない世の中の雰囲気だが、さすがに某都知事のような厚顔無恥な輩については身から出たさびだという気もするが、それにしても毎日毎日よく飽きずに報道するなとうんざりした、もっと他に流すネタ無いのかという感じで、見て不愉快にしかならないのでニュース見る気が失せた。正直、多額の贈収賄とかならあれだけど、伝票のごまかし的なせこい話などどうでも良いように思う。マスコミ各社こぞって視聴者の怒りをあおるような報道を流し続ける必要があったのかどうか?
まあでも都知事ともなれば、厳しく追及されて然るべき立場なのかも知れないが、ちょっと報道ぶりとか怖く感じた。
最近の例で失敗が許されない、厳しいと感じたのは、賭博でオリンピック出場を棒に振ったバドミントン選手と「覚醒剤打たずにホームラン打とう」という大阪府警の啓発ポスターにも出てたのに覚醒剤打っちゃった元野球選手。
どちらも、自分の金や健康を損なう他には、悪人達の資金源となるという間接的な罪ぐらいしか思いつかないが、けっこう社会的にも競技者としても厳しい制裁を受けている。
賭博も薬物も、胴元が国である場合は違法じゃなくて、胴元が悪人どもだと違法という違いがあるだけで本質的には賭博と薬物というものに違いはないと思う。競馬やって酒飲んでもおとがめはないが、違法カジノで遊んでシャブ打つと手が後ろに回るのである。
もちろん法治国家である以上、法に従い処分されることは当たり前なのだが、必要以上に叩かれて社会的に抹殺されているようにも思うので、ここに違和感を感じたと記しておきたい。
執行猶予が付いた元野球選手は実刑じゃなくて良かったねと正直思った。次やったら娑婆にいる限り薬が切れないのだろうから刑務所に入って薬抜くべきだろう。
バドの選手はリオはダメでも次の東京オリンピックには出る道を残してやればとも思った。十分な制裁をすでに受けただろう。若き日の過ちを挽回する機会はあってもいいのではないか。
賭博については、放置しておくと悪い奴らにカモにされる被害者が出るので、勝手にやれないように管理しているのだろうし、薬物についても使い方もよく分からないで悪い奴らに売られて健康を損なったりする被害者が出ないように管理されているのだろうけど、その利用者自体にそんなに悪質な罪があるとは思えない。
特に薬物については、犯罪抑止のためにことさら悪者に仕立てられているために、実際以上にイメージが悪い気がする。1回やったらやめられないとか、軽い薬でもそれを入り口にだんだん強い薬を求めるとか、そういうケースもあるだろうけどそうじゃない場合もあるはずで、そういう不正確な知識は、甘く見て軽い気持ちで始めてしまうのと同じ程度には危ないのではないかと思う。
「それほどスゴいのなら是非やってみたい!」と過大評価する人間もいるだろう。
報道とか情報というモノに正確さが求められると共に、それを受け取る側にも、正しく受け取って冷静に判断することが求められているのだと感じるところ。
ネットも含め、飛び回る情報に踊らされてかき立てられた怒りやらが、本当にまっとうなモノかは立ち止まってあらためて確かめておきたい。
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