2015年7月4日土曜日

私は人種差別と言葉狩りが嫌いだ

 ルアー図鑑うすしお味第12弾では言葉狩りに果敢に挑んだのかなんなのかな名前のルアー達にスポットをあてます。Fワード、差別用語、それがどうしたという感じの名前になってます。



 まずは前回に引き続きソルトウォーターグレードボーマーものです。
 「バドンカドンク」
 9センチぐらいのペンシルです。モノは、ヘドンで出ていたスピッティンイメージをソルトウォーターグレードボーマーに移植したのかな、まあそんな感じのルアーで例によってポリカーボネイト製で丈夫なら橋桁ぶつけても大丈夫かなと、釣具屋の片隅で特価札貼られて寂しげに売れ残っていたのを全部買いました。
 バドンカドンクとは、このルアーを紹介しているブログとかの説明では「黒人女性とかのデカイ尻を表すスラング」とかなっているけど、デカ尻って感じの造形ではないのでググってみたら、
 「バドンカドンク ba-donka-donk=extremely curvaceous female behind=とても曲線的な、女性のお尻(つまりはいいお尻)。黒人英語発祥の表現。」
  「Badonkadonk [バドンカドンク] 1.term used to describe buttocks of exceptional quality and bounce (主にラテン系や黒人女性特有の大きなヒップ・魅力的なヒップ・男 を魅惑するヒップ)バドンカドンク/スラングで“魅惑のお尻”の意だとか」
 とかの説明が拾えて、「魅惑のお尻」が日本語訳としては適切かなと思ったところです。
 でも、流石に直接「魅惑のお尻」としてしまうとたぶんアメリカでもPTAとか東京都条例的なモノとかがうるさくイチャモンを付けてくるんだと思いますが、このルアー、英語表記では「BADONK-A-DONK」と途中のAの前後で単語を切って表記してます。
 実に上手いです。単語を切ってスラングを分解したという言い訳に加え、ボーマーの伝統であるアルファベット「A」を切り出してボーマーの系列だということも表現してます。山田君に座布団アメリカに運ばせたいぐらいですね。


 こういう言葉遊びはルアーの世界でもちょくちょく見られて、ビルルイスのラトルトラップなんかは「RAT-L-TRAP」となっていて、ネズミ罠とラトルを引っかけてるんだろうなと思います。ちなみにラトルのスペルはRATTLE。




 でもって、そのパターンで人権団体が訴えてきそうなルアーが「HOT’N-TOT」カタカナ日本語表記だとホッテントットです。
 ホッテントットは今ではコイコイ人と呼ばれているアフリカの民族で、身体的特徴として女性のお尻が突出しているのが特徴らしく、昔は見せ物小屋でさらされてたりした歴史があってホッテントットはその頃の侮蔑的な意味合いを含む呼び方として使われなくなりつつあるようです。
 私は、言葉だけ使わないようにして、臭い物に蓋をしても全く意味が無いと常々おもっていてこういう言葉狩りは嫌いです。
 ひるがえってルアーの方のホッテントット、メタルリップのディープダーバーで着水後メタルリップの重さで前傾姿勢でお尻をプリッと出して浮いている様を、ホッテントットの人の身体的特徴であるお尻が突出しているのにひっかけたネーミングなんだと思います。
 って、これは流石に「有罪」でしょう、他人様の身体的特徴を揶揄するような言葉の使い方、そういう使い方こそ使わないようにしなければならないことの本質だと思います。
 ホッテントット作っていたストームは既にラパラの傘下にあります、ラパラさん、歴史ある名前ですが、改名についてご検討願います。
 最近のには上のように金属リップじゃないプラリップのモノもあるようです。こいつも尻出して浮くんでしょうか。まだ使ってません。



 同様の民族名ルアーとして「ブッシュマン」があります。ブッシュマンも藪に住んでる野蛮人的な侮蔑の意味が含まれているとして言葉狩りにあい、サン人と最近は呼ぶらしいですが、映画「ブッシュマン」の痛烈な文明批判のユーモアを味わった世代としては、侮蔑の言葉なんかいナ?と疑問に思うところです。
 いずれにせよ、ルアーの方のブッシュマンを作った時代のダイワが映画「ブッシュマン」の人気にあやかりつつ、ダブルフック上向き装着のウィードレス性能の高いブッシュ仕様のルアーとして命名した行為にはブッシュマンへの侮蔑は全く感じられず「無罪」だと思うのです。
 ちなみに、コイコイ人とサン人はわりと住んでる地域とかも近くあわせてコイサン族とも呼ばれるそうです。
 写真のブッシュマンはラバースカート腐って外してあります。スカート無しだと貧相ですが、スカートあるとわりと釣れそうな顔してます。

 PTAから怒られそうなエロ系のネーミングって、日本製のルアー割と多くて、ホッツィー・トッツィーとかのおとなしめから、ゴッツィー・ボッキーとかセクシャルクレイジーとかのどうにかならんのかというあたりを経て、やってくれました旧ヨーズリ改めデュエルさんという感じで、デュエルの「ハードコア」シリーズは英語圏の釣り人には受けまくっているそうである。
 いわゆるFワードである「FU○K!!」も日本語で「クソ野郎!!」的な使い方から「ファッ○ンナイス!」というように、「クソ素晴らしい!」的に肯定的な意味を最上級に高めるために使われる場合ってあって、デュエルも外人が凄い喜んで「ハードコア!!」とか言ってるのを聞いて肯定的な意味で最上級のシリーズだヨという感じで命名したんだと思うが、「ハードコア」といえば普通「ハードコアポルノ」の意味で使われることが多く、まあ「無修正シリーズ」みたいな感じになってしまっているのである。
 それは逆に人気出るよねって、結果オーライなデュエル海外輸出部門なのであった。
 ちなみにハードコアシリーズのミノー、使ったこと無いですがデキは良いようで例によってデュエル社お膝元の九州のシーバスマンなら必携のルアーだそうです。
 写真はそのハードコアミノーじゃなくて、バス用のハードコアジャークベイト。いかにもジャパニーズハイテクミノーって感じの造形が海外向けっぽい気がします。こういう味付けのルアーってイマイチ趣味じゃないけど、試しに買ってみたら使ってみたくなってきました。
 アメリカンルアーはアメリカっぽいバタ臭さを、日本製ルアーは日本製らしいハイテク臭さを楽しむのが乙というものではないかという気がしてきています。

 今回ルアーの名前に注目してみましたが、ルアーのネーミングってやっぱりルアーの魅力を構成する結構重要な一要因に違いないと思うのでした。


 ネーミングがわるいと、JAPAN製でもなくJ-POP、Jリーグにも関係なくジョイントですらない、何が「J」なのかさっぱりわからん、このJプラグのように100円でたたき売られるメにあったりするのである。
 だいたい、何を考えて日本にトローリングプラグなんて需要の少ないモノを仕入れたのか、100円でも誰が買うんだかという感じだけど、私が買いました。


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