2015年6月27日土曜日

ボンバー!ボンバー!ボンバー!!

 ルアー図鑑うすしお味第11弾は、ロングAを爆心地とする爆弾野郎どもを紹介するゼ。なに言ってるんだか意味不明だが勢いで行くゼ。


 前回の豪州編にチラッと出てきたバラボーマーあたりが気になってたので、ちょっと前にネットでまだどっかで売ってないかな?とか、強度的にロングAって今のメキシコ製エイト管モノはもとより、丈夫さには定評のあった昔のメリケン製ヒートンモノでも、でかいアカメとか狙う人に言わせると「実はブッ壊されます。ルアー自体はぶっちゃけ壊れても良いけどワイヤー貫通してないので獲れないのはいただけません。」とか聞いてて、バラムンディもアカメに近い魚で大型化するから、ロングAで大丈夫なのかい?とか思ってネット情報をさまよっていたら衝撃の事実が発覚。
 なんと、2008年から展開されている「ソルトウォーターグレードボーマー」ブランドで出ているロングAとかのルアーは、強度の高いポリカーボネイト製なんだそうである。ポリカーボネイトってハンドメイドルアーのリップには使われていることあるけどボディーに使ってるのは初めて聞いた。強度が高いといってもいろいろあるが、ポリカーボネイトは海外でデモ隊鎮圧する機動隊が持ってる透明な盾がポリカーボネイト製ってぐらいの衝撃には強い素材で、コストとか加工技術とか大丈夫なんかとビックリする。

 でも、なかなか紹介記事が、メーカーのプラドコのサイトからの引用ぐらいで少ない中、アマゾン持ってったら普通のロングAはピラニアとかの歯で穴開いて浸水しちゃうけど、ポリカーボネイト製の方は塗装剥げたけど穴は開かずに驚きの丈夫さを発揮してたとかなんとかいうのが拾えたくらいで少ない。
 でかい魚の重量級首振りや青物の引きや大型根魚の突進で破壊されないのか、実際の釣りの現場からの報告が見あたらず、どっかで私が実験あるいは実釣で使えるか試すしかないのかなと思うところだけど、少なくとも歯が強い系の魚の攻撃に耐えうるだけのタフさは間違いないところのようだ。ぶつけまくる橋の下パターンには実に心強い。塗装なんか剥げても適当に塗り直しゃよし子さん。



 ロングAについては実は3度めの紹介である。サイトのシーバスルアーの紹介でも書いたし、2012年6月9日のブログでも書いた。まあ、好きなんですネ。
 その際、元々のメーカーであるボーマー社がプラドコに吸収合併されその一ブランドになって、ロングAもエルサルバドルやらメキシコやらで安く作られるようになり、最近は安くてその割に塗装も綺麗でいいけど、強度が足りなくて壊れやすい、と苦言を書いていたのだが、まったく「プラドコさんごめんなさい」という感じで「丈夫な素材で作ってくれ」というリクエストは私がそう書いた時点ですでに知らないだけでかなえられていて、己の不明を恥じるところである。
 罪滅ぼしといっては何だが、思いっ切り何票も入れる感じで爆買いしたところだが、かつ、今から全力でロングAの魅力を紹介していきたい。

 まあ、ルアーなんで釣れなきゃ魅力もクソもない(そうじゃないと思うこともたまにあるが)という話で、歴史を紐解くとボーマーの最初のルアーである爆弾型のディープダイバーからとっくに50周年を越えているらしく、その米国老舗メーカーというか老舗ブランドであるボーマーの初のミノーとしてロングAは70年代終わり頃には登場したらしい。それから既に30年以上の月日が流れて会社も工場も釣り人さえ変わっても、それでも釣具屋の棚から無くならないというのは、いかにこのルアーに釣り人が魅力を感じ、釣れると信頼してきたかということの証明だろう。それも世界中でである。

 じゃあ何が釣れる要素なのかと考えると、アクションはバタバタ派手目、固定重心で立ち上がりは早くて良い。ラトルも入ってて全体的にアピール度の高いミノーである。
 バス釣りの世界では思いっ切り竿を煽ってジャークしてフラフラッと浮かせてまたジャークしてという感じで使うジャークベイトとしてスミスウィックのラトリンログと双璧の扱いを受けている。
 ただそういった使い方しかできないかというとそうでもなくて、ただ巻きでも早めならバタバタとした、デッドスローならヌルヨタな感じの結構良い動きをしてくれるし、固定重心だけどツイッチもかけやすい。
 固定重心なので竿あしらいやリーリングへの反応が素直で素早く使いやすいミノーで、アピール度が高いこともあって勝負が早いルアーだと感じている。
 活性高い魚がいたら多少遠くからでも食わせるパワーが秘められているという感じか。そういう魅力は高性能ジャパニーズミノーの遠投性や繊細な動きとは、まったく別方向の要素で、ボックスにジャパニーズミノーが入っていても、ロングAも入れておいて損は無いような気がしている。ロングAがはまる状況が結構あるように感じている。
 特に私の得意な橋の下パターンとかの近距離戦では、飛距離はいらなくてむしろアクションの立ち上がりが遅いとピンスポットの魚が食ってくるポイントを逃してしまいかねず、立ち上がりが早くバタバタという感触を手元に伝えつつキッチリ泳いでくれるのは心強いモノである。

 でもまあ、他にも同程度の性能のルアーなどいくらでもあるだろう、それでもやっぱり投げるならロングAと思うのは、釣り人達が信頼を置いてきた歴史やいろんな釣り人の楽しい釣りのシーンにあったロングAの印象風景、そういうモノも含めて選んでいるというのと共に、忘れちゃならんのが、このルアーのバリエーションの豊富さで、サイズや色など色々と悩んだり集めて楽しんだり、新色や「こんな色あったんか?」的なレアカラーを見つける楽しみなんかも、ルアーという嗜好品の楽しみとなっているところ大だと思う。

 サイズについては、3インチの13Aは持っていないが、4インチ約10センチの14Aからは持っているので写真もつけてで紹介していきたい。



 14Aはシーバスでは意外に使っていない。シーバス用の小さめのおとなしいルアーはラパラやジャパニーズミノーの出番だということだろうか。
 昔はボーマーのルアーも上のような箱入り娘だった。







 

  15Aは5インチ、約12センチとシーバスには一般的なサイズでよく使うサイズ。 型番の「15A」の一桁のところがインチ数を表していて二桁目は特に意味はないけど、クランクベイトのモデルAと区別するための数字だと思っています。
好きなカラーは派手目の蛍光色でお腹がオレンジで反射板入りですが、白に黒の点線が入ったストライパーカラーとかイナっぽくて気分だし、オーソドックスな黒金も好きですし、濁りの中ではレーベルから移植したGフィニッシュのギラつくパールベースのカラーが良いかなと思って使ってたりします。
 反射板入りモデルではクビもとあたりにラトルルームがあるのだけど、反射板入りではないモデルではボディーの空洞全体にラトルが転がり回って良い音させてます。


 反射板も金銀はもちろん、ホロシート、プリズムシート、夜光シートなどなど、いろんな種類があって、たぶんコレクションとして収集し始めると収拾つかなくなると思います。













 ロングAのネットオークションとか見ていると、「リアヒートン」とか明記されていることがありますが、アメリカ製だったころの古いものはリアフックのアイがヒートンねじ込み式になっていてそのことを指してそう呼びます。
 プラドコがメキシコやらで作ってたのはリアフックのアイもエイト管です。
 プラドコ時代がダメかというと、そうとも私は思ってなくて、メキシコやらエルサルバドルやらで作って安く仕上げた割には、カラーも綺麗で強度以外では文句なしでした。充分コストパフォーマンス考えれば優秀で、橋脚にぶつけるような釣り方じゃなければシーバスに使う分には何の問題もないと思います。ストックしてあるメキシコものどももこれからも使うだろうと思います。



 16Aは6インチで15センチぐらい。ヘビーデューティーロングAと表記されることもあって結構迫力ある大きさ。アマゾンでピーコックバスとか釣るのはこのサイズかと。









 シーバス用には、冬の大型狙いのボートシーバスでストライパーカラーは活躍してくれました。
 オカッパリのナイターでは背中も腹も蛍光黄色の反射板入りを愛用。良い釣りした想い出のカラー。リップ削って水面直下用とかも用意してました。










 17A、ロングAマグナムは7インチで約18センチとちょっと普通のシーバスロッドでは投げにくいサイズ。冬のシーバスボート大型狙いでは、釣れた70UPの口から20センチぐらいのコノシロが出てきたりするので、ルアーサイズもそのぐらいまで上げれば爆釣するのではと、それ用の竿も用意して17A投げてみましたが、反応無かったです。でも普通に16Aや14センチのタイドミノースリムでは釣れてたなんて経験があるので、なんかマッチザベイトなサイズってルアーではあんまり意識しても仕方ないような気がしてます。
 40~60のシーバス釣るには7~12センチぐらい、60~80くらいなら10~15センチぐらいのミノーサイズがなんとなく良いように感じています。
 デッカイミノーが効く場面もあると聞くのですが、残念ながらそこまでたどり着けてません。
 17Aは強度テストは必要かと思うところですが、化け物のようなイトウ系やナイルパーチのようなアカメ系をやりに行くときに持っていきたいなと思ってストックしていたところです。まあ、その時はソルトウォーターグレードに買い直すんだろうなと思います。

 左は、プラドコ版の欠点にあげたブッ壊れるというのの事例。
 右から、ぶつけた尻が割れてエイト管が飛び出したモノ、真ん中はリップ折れ、一番左は分かりにくいですが、泳ぎが偏るのでアイを曲げて調整して使用しようとしたら、アイの周りのプラスチックがへこんでアイがグラグラになってしまって結局リップをバチバチとニッパで削ったというもの。
 プラドコ版ではロングAもよく壊しましたが、なんと言ってもぶつけて前後に泣き別れにしてしまったのは、橋の下パターンで出番の多いザラパピー。もういくつ壊したか。
 その点橋の下パターンでザラパピー以上に出番の多いラパラフラットラップはぶつけてもワイヤー貫通のバルサボディーなので、ワイヤーが曲がるだけで回収できて軽い曲がりならその場でペンチで直すし、ボディーのバルサまで破損するような重傷なら帰宅後、フックホールシーラーとかで成形しながら直して再生します。



 で、丈夫なポリカーボネイト製ならぶつけても大丈夫じゃネェの?と当然考えて、早速ソルトウォーターグレードボーマーのロングAを買ってみた、というかそれと意識せずにいくつかは買ってたストックに混ざっていたが、今回久しぶりの大人買いで弾数確保した。





 あまり人気無いのか、デカめの釣具屋の棚にもなくて通販で見つけたのだが、ポリカーボネイト製になったからといってそんなに値段は変わらず、安いところでは800円くらいで売ってたりする。
 サイズの大きいのはメイドインチャイナ、15はエルサルバドル製とメキシコ製と色で違った。もう、世界中の工場で作ってる。でも塗装やらのデキははっきり言って安かろう悪かろうではなくて、結構良いんである。特にメイドインチャイナのデキが良いのを見ると日本の白モノ家電とかが、生き残れなかったのがよく分かる気がしてチョット切ない。


 15Aは早速活躍しているが、まだぶつけたりはあんまりしていないので強度的にはどんなもんかこれから評価していきたいが、釣れる能力は素材が変わっても相変わらずで文句はないところ。
 日本で、PENNのリールにフェンウィックのロッド、プラドコのルアーとか使ってるとアメリカかぶれな人のタックルに見えるが、その実リールは中国、ロッドは台湾、ルアーはメキシコと、どちらかというとグローバルスタンダード側の釣り人という感じなのだろうと思う。グチャグチャと屁理屈こいて抵抗してみたところでグローバルスタンダード様の手のひらの上からしょせん逃げられない運命ということか。

 ついでに通販のネットカタログ見ていたらソルトウォーターグレードボーマー、他にも面白そうなミノーがあったので買ってみた。



 一つは、Aラインソルトミノー、ロングAからの派生らしいが、16Aに近いサイズでややスリムにもかかわらず重量アップで1オンス、16Aはフックが3本で邪魔くさいと感じていたので2本フックは好印象。派手なラトルの固定重心だけど割と飛びそうな重量感。こういう、重心移動システムの飛距離は捨てて、固定重心の「釣る力」に力を入れたミノーって、ジャパニーズルアーにはあまりないタイプでいかにもアメリカンルアーだと思う。まあ中国製だけど。ひょっとしたら拾いモノかもしれないと思い秋にカヤックで使う予定で楽しみにしている。



 もういっちょついでに、ウインドチーターミノー。猫科の陸上生物最速ランナー「チーター」とズルとか反則級とかいう意味の「チート」を掛けたダブルミーニングで、風に反則級に強いミノーという感じなんだと思うが、これまた固定重心。まあ実際に強風の中でミノー投げたことある人間なら、重心移動システム付きの飛距離を誇るミノーが結局自重が軽いために風の中で木の葉のように舞って使い物にならないということも経験しているだろうから、全体的にボリュームを持たせて固定重心で飛行姿勢を安定させて風を突っ切るという設計思想はご理解いただけるかと思う。その実力のほども秋には見極めねばなるまいテ。
 というより先に、ちょっとまて、その表面に筋切ったカラーリングはレーベルだろう?と、こんなマニアックなブログを読んでいる人は感じると思うけど、その感覚、正解です。
 もとはレーベルブランドで出していたのを、ソルト仕様ということでポリカーボネート製にしたときにソルトウォーターグレードボーマーブランドに移籍させたみたいです。

 ポリカーボネイトなんていう大仰な素材が、シーバスごとき釣るために必要かという問題は、特殊な状況でぶつけたときの対策で必要なんです、ということより、「ポリカでできたクソ丈夫なミノーで釣ってるんだゼッ!」っという釣り人の精神を鼓舞する中二病的な格好良さのためにひたすら必要だと私は切望するのです。

 「ソルトウォーターグレードボーマー」
 アメリカさんはその辺よく分かってらっしゃると思う今日この頃である。

2 件のコメント:

  1. ロングAは私も好きなルアーです。
    ここしばらくバス釣りをしていませんが、バス釣りをしたいた時は多用していましたが、イメージはシルエットが細いクランクベイトでした。
    ミノーでなく、シャッドでなく、クランクベイトでなく、しかしアピール力がでかいのでいろいろ使ってダメなときに登場させてました。
    ジョイントタイプもバス用にサスペンドチューンして使ったことがありますし、ボートシーバスでも定番ルアーの隙間を埋めて活躍してくれました。
    ルアー自体がぶっ壊れるような魚を掛けたことはないですが、ヒートンタイプで70アップのシーバスを釣りましたが何ら問題ありませんでした。
    ヒートンタイプ以降の8管?タイプはしばらく使うと浸水しましたね。
    そういうのは浸水止めせずにお蔵入りさせました。
    そのへんのもろさも含めて魅力的なルアーですね。
    ミノーのジャンルに置くなら私の中では5位以内の上位入賞ルアーです。

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  2.  ナマジ的ミノーベスト5、今のところベストワンはフラットラップラパラ断トツですが、ラパラを分け始めるとベスト5のうち4つまで、フラットラップ、Fマグ、F、CDとラパラで埋まってしまうので、ラパラでひとくくりにすると、1位ラパラ、2位ロングA、3位コモモ、4位シュガーミノー、5位グレートハンティングミノーぐらいかな。
     アスリートとかフライングダイバーも捨てがたい。ブラウニーも結構好きなのでそのうちどっかで書きます。

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