2026年2月7日土曜日

対カマス妄想タックルボックス

 ヘラブナ釣りの世界では同時に竿を2本以上出してはいけないとされている。1本新たに出すなら使っていた1本は畳んで袋にしまう。競技会のルールとかでもそうなっているけど、基本的な釣り方のイロハとしてヘラ釣りの教科書でもそうするように書かれていたりする。バス釣りなんかだと、バスボートの上に各種ルアーを変えたタックルを並べていたりするので、釣りの種類や、特に船上か陸っぱりかで変わってくるとは思うけど、基本的にはヘラ釣りのその教えは良くできてるなと納得している。

 まず竿を何本も一度に出すと、釣り場で邪魔で踏んづけて折りかねないってのがあるけど、それ以上にしょせん一度に使えるのは置き竿除けば1セットだけなので、選択肢が絞れていないなか、いろんな道具が手にできる状況だと、決めきれずにどちらつかずの中途半端な釣りになってしまいがちでる。ワシが、竿何本も並べて挿せる”弩級箱”をいつも馬鹿にするのは、釣りたいモノ、狙いモノが絞れていないようにしか見えず、そんな雑な釣りで釣れるかよ!って思うからでもある。

 もちろん、船で移動で状況に応じて本命の青物狙いからお土産確保の根魚釣りもするとかになると、いくつか道具は用意せざるを得なくなるだろう。けど、船上では邪魔にならない位置に竿立てもきちんと用意されているので竿立てに使わない竿を刺した時点で同時に2本出していない状態と同様にはなると整理できる。車に積んであって状況に応じて使う道具を変えるっていうのは似たような話。またどうしても2種類の釣りが同時進行する釣りものもある。”泳がせ”がそれで、アジ釣りつつ釣ったアジをぶっ込んでアタリを待つなんていうのをやらないと、餌確保しつつ本命を狙えない。その分難しいけどそれは必要性があるのを理解してやっているので、どっちつかずなことをやっているのとはワケが違う。

 でもって、カマス(アカカマス)釣りにおいても本職の人たちになると、飛距離が出て探る能力にたけているジグヘッドのワームで群れを探して棚だの距離だの把握した後は、群れが大きく固め打ちできそうなら餌釣りに切り替えて餌の匂いで活性や棚を上げながら数を稼ぐというようなこともやられているので、2つの釣り方を上手く使い分けできるだけの技量があれば、そういう釣り方もありだとは思っている。その場合おおむね使わない方の竿は車に戻されるようにみうける。出しておいても引っかけたりろくなことにならない。

暗い時間のフライでカマス
 そういった明確な戦略に基づく、釣り方の使い分けって実際にはかなり難しい。例えばワシはここ数年カマスはフライを主体に釣っているけど、フライでは苦手な状況というのがある。群れが遠い、暗くて毛針への食いが悪い、とかが典型である。なら釣り方を使い分けて、群れが遠いときはルアー投げて、暗い時間には餌投げておけば良いじゃんって思うかもしれない。ただ、それをやると結局釣り方が絞れていない状況になって戦略がとっちらかって竿何本も弩級箱に刺している弩級の素人と同じ過ちにはまっていく。ワシもカマスをルアーで狙うときはあって、混雑が予想される時期にルアーで来るお客さん案内するときとかには、バックスペースの関係で釣り座が確保しにくいフライではなくルアーを選択して、アタリルアーやら棚やら探って情報流す“案内人”の仕事も一応してたりする。ただ、たまに1日ルアー投げただけで、次のフライで釣る機会にはもう既に感覚がちょっとズレてしまってフライでの釣りのリズムに復帰するまで苦労したりする。基本、釣り方を変えて同じようにどの釣りも釣れるほどの器用さあるいは熟練度がない限り、色んな釣り方に手を出しても、戦略はおろか釣りの技術そのモノすらとっちらかってしまって収拾つかなくなりがちである。あと、カマスはフライでやると決めたからには、その利点も欠点も把握した上で釣ると決めているつもりで、多少フライが苦手な状況が出てきたぐらいで、いちいち他の釣りに逃げていたら釣りがいつまで経っても上手くならん。飛距離が足らなかったら単純な話なら遠くまで投げられるように練習しろだし、まあそれでもフライの飛距離はたいしたことないから、フライの飛距離にカマスが寄る場所と時合いをキッチリ押さえるっていうのの精度を上げるのがフライでカマスの根幹に係わる大事なところのはずで、それを遠くにルアー投げたら届くからといって安易にルアーロッド出してきたらフライの腕が上達するわけがない。暗い時間のフライの”弱さ”もしかり。まったく釣れないっていう場合もあるけど、今期初めの方のように餌のトウゴロウが多かったせいか、わりと普通に釣れるときもあったし、キビナゴでバコバコ釣れてる横で10:1ぐらいの難しい釣りになったときもあった。でも、暗ければ一律ダメっていうのでなければ、10:1だろうがその1匹を足がかりに、もっと釣れるように工夫は積めるはずで、餌に勝つところまでいけなくても10:5とかに改善できれば、逆にフライが得意な渋めで棚が深い明るい時間とかもあるんだしまったく悪くない。それを暗いとフライはダメなことが多いからって決めつけてしまって餌かルアーでってやり始めると、フライの上達は望めずフライで5匹釣れる可能性がなくなる。散々やって、暗い中でも釣れるときにはなんぼか釣る技術が手に入って、それでもなお釣れない状況が生じる、それがどういう時か判断できる。っていうところまで腕が上がったら、割り切って暗くて釣れない状況はルアーか餌で釣っておくっていう判断もあるだろうけど、現時点では”それをやっちゃあおしまいよ!”だと思っている。ワシはフライフィッシングが特段得意なわけでもなく特別好きってわけでもないソレナリフライマンである。でもフライでカマスを始めてしまって、やっと面白さも分かってきた現時点で、他の釣り方に手を出して釣りを乱してしまうのは避けるべきだと思っている。遊びに来てくれるお客さんにフライマンが多いから、フライで釣れる状況か調査かけておかねばならんということもある。今しばらく、カマスはフライで釣っておく方針である。

 と言ってるそばから、冒頭写真なんじゃこのカマス用とおぼしきルアー達はという話だけど、しかたなかったんじゃぁ!年開けてからカマス全然ダメなんじゃ~ッ!というわけなんだけど、実は状況が悪いのでやむなくフライじゃなくルアーを投げ始めたというのでは全くない。そこはそれカリスマ釣り師であるワシ、有言実行で難しくてもフライでカマスを継続している。ならなんで、カマス用のルアーが揃っているのかというと、当面使うあてもないんだけど、魚釣れてないからムシャクシャして買った。反省はしていない。まあ、いつものことで釣れてないからマウスの滑りが良くなる病気です。アタイ病気が憎いっ!

 ということで、いつもの如く買いあさったりしたわけだけど、まいどまいど自分でも思うぐらいだから、皆さん思うかもだけど、ルアーぐらいなんぼでも”蔵”に転がってるだろって話で、それを引っ張ってくれば良さそうなモノである。ワシもそう思う、デキればそうしたい。しかしながら釣り場では往々にして予想外のことが起こって、お隣で予想外のルアーが大活躍してたりして「そんなもんもってへんがな」ってなって、マウスがスルリのクリッククリックなのである。

 今期のカマス、なにが起こったかというと、シーズンはじめの12月に例年になく港内に餌となるトウゴロウイワシが多かった。それは本来越冬しに湾奥に移動してきているはずのアカカマス群が餌食ってて脂乗ってて旨い。という食味面での恩恵もあったけど、釣りに関しては餌追ってあっちこっちして読みにくい。すぐどっか行ってしまう。という難しさをもたらし、一方で食い気は結構あって反応は悪くないという良い面もあった。特に、ルアーにおいて顕著だったのが、暗い時間に餌追って表層に浮いたカマスがミノーとかをガンガン食って来たっていうことで、色々投げてみたりイケチャンやY君親子の投げてるルアーの釣れ具合を観察してたりしたんだけど、思いの外、ルアーによって釣果に差が出て面白い結果だった。活性高ければルアーなんて何でも良いんだろうと思うとそうじゃなく、以外にシビアな選球眼で食わんルアーにはアタリがない。

 とりあえずワシが投げてて調子よかったのがラッキークラフト「ワンダースリム70」で一緒に写ってる”シャッドキャロ”では安定の実績を誇る「ベビーシャッド」やベルズ「マジェンダ60」なんかは釣れそうなサイズ感でもあるけどなぜかダメだった。

 そして明るい時間になると、棚も沈んだしもうチョイ潜るのどうだろうと、ちょっと遊んでみたいのもあって、ディープクランクとかも投げてみたら、意外に食ってきて、安心実績のダイワ「ピーナッツⅡDRサイレント」、根魚クランクに導入中のジップベイツ「ビースイッチャー4.0」はカマス釣れました。ならラパラ系なんかの木製ディープダイバーはいけそう。

 どうも、派手なラトル音は嫌われている臭くて、絶対釣れるだろうと思ってたマジェンダ60にカスリもせず、サイレントのピーナツでは釣れている。でも色々検証していると、単純にラトル音って話ではなさげな事実も浮かび上がってきて面白い。

 朝の暗い時間に無双したのが、イケチャンの投げていたラッキークラフト「ステイシー65S」?でひょっとしたらロングリップ版だったかもしれないけど、とにかく強かった。イケチャン曰く止めたときの沈降姿勢とかが水平で宣伝どおりピタッと止まるのも良いのかもと言っていた。釣れるときはアタリッきりで、食いが浅く掛けそこねやらバラしもあるけど、とにかくよく釣れていた。ということでとりあえずワシも買うわなそりゃ。買って、ありゃ?っと疑問が生じるのが、このルアー、固定重心で動きの立ち上がりが早くリップがやや大きめなのもあって止める時にピタッと止まるというのが売りで、当然固定重心でラトル無しだと思ってて、実際以前拾った蔵にある8センチぐらいのはラトル音はしない。ただ今回買ったのはオモリの固定が甘いのかカタカタと小さな音はしている。いつになるか分からないけど違いがあるのか試すべく、そのままカタカタ仕様と穴開けて瞬着流し込んだ音無し仕様を用意した。イケチャン使ってたのは果たして音無しだったのか?

 なんにせよ、固定重心で沈降姿勢が水平なシンキングミノーなら蔵にも転がっているだろうと、ゴソゴソ引っ張り出してみた。左上マリア「フライングダイバー70」はもともと港湾の”穴撃ち”用で護岸の根元に放り込んでユックリ沈めて引き始めたらすぐに動き始めるというのが求められるので、当然沈降姿勢はすぐ泳ぎ出せるように水平。大きめのオフセットリップは動き出しも早く、止めも効きやすく優秀。固定重心だけどコイツもコトコト音がする。一応オモリを固定した版もでっちあげた。写真でひっくり返ってるのがそれ。その下のバスディ「ドリフトツィッチャー70」も良さげで、これもオモリはコトコト音はする。ない方が良いなら固定は簡単。で右上は定番品のアスリート70Sでこれはラトル音とかしないと思ってたけど、振ったらカタカタ鳴る個体もあった。まあこれも必要ならオモリ固定は簡単。最後はその条件ならラパラ「カウントダウン5」はいけるだろという感じ。

 で、シンペン水面直下引きで食ってくるぐらい棚が上がってたら、当然食ってくるだろうと投げたニールズマスター「インビンシブルDR8」は意外にアタらず、たまたま時合いを外したのか、なんか違うのか機会があれば再度試したいところ。コイツは超がつくほど優秀なミノーなので釣れるはずだと思っているけど、CD5と共通だけど逆に静かすぎるというおそれもある。潜らないミノーは色んな選択肢はあるだろうけど、そこそこ潜ってくフローティングミノーはあとはノンラトルだとバグリー「ダイビングバングオー」2インチとかか?ややレアキャラ。シンキングだと、あるいはディープダイバーだと引いてくる棚をある程度調整できるので、餌追って棚があがったり下がったりする状況では使いやすいようには思う。

 で棚が深くなってシンキングミノーでどうこうできる範囲を超えると、シャッドでリーダーにガン玉噛ませたり、簡易な天秤を間に入れたりして沈めて狙う”シャッドキャロ”。の出番なんだけど、イケチャンが琵琶湖でワーム大遠投する時に使われているらしいリグを使ってて、絡み少なく優秀らしいので真似て作ってみた。胴付き仕掛けとか作る横に枝スをだせる3方スイベルを使って、オモリに繋ぐ”捨て糸”部分はある程度しなやかで、かつ絡みにくい細いブレイデッドワイヤーを使うのが肝らしい。ここが柔らかければ当然捨て糸自体が絡む。逆に針金のように堅すぎると捨て糸にリーダーが絡む、そのどちらにもなりにくい隙間のバランスのようだ。いろんなことを考える人がいるもんであると感心する。で、シャッドキャロで面白かったのが、Y君親子が夜のカマスに参戦したときに、棚が深めのようなのでシャッドキャロで狙ったんだけど、なぜかいつものベビーシャッドはダメで、ウルトラスレッジとかスーパースレッジとかいうリップの長い、ボートのエレキモーターで引っ張る”ドラッキング”を想定したシャッドなんだけど、それが良かったとのことで、なんでだろう棚かなとか思ったけど、棚は潜る力が弱ければその分カウントダウン多めで沈めて引っ張れば良いので関係なさそうに思うし謎だったけど、入手してみて合点がいった。ボートで引っ張るのを想定しているのでキャストのための重心移動とか必要なくて、このシャッド”固定重心”だった。でも完全に固定されていなくてカタカタと小さめの音はしている。以前から書いているけど、ノンラトルでもハリとかスプリットリングが擦れる音はするので無音じゃない。なのでノンラトルのルアーでも音は出ている。でもその音がベビーシャッドのようにグラスラトルまで入れて派手なのとは違うので反応が違って当然。ということで、細かくみていくとそういう派手なラトル音ジャラつかせるルアーと固定がユルくて軽くカタカタ音がしている程度のルアーとでも魚の反応が違うということは当然考えられる。ワシ今期の活性高かったカマスはノンラトルが強いと思ってたけど、実は軽くカタカタぐらいの音があった方が良かったのかもしれない。

 なんていうことを、様々な情報から妄想してさらに疑問が湧いてくると、もう楽しくなっちゃって、そのうち実際どうなのか試さなきゃならないなと、その検証のための材料として、写真のようなルアー達が必要だったのである。とブログには書いておこう。いつ投げるねんって話だし、同じような状況がまた期待できるのかさえ分からんけど、欲しくなったから買ったんである。

 皆様寒さ厳しいおり、釣果も厳しいこともあるかと思いますが、色んな方面で変な病気を患わないように気をつけていきましょう。