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2024年1月13日土曜日

いや~ん!エッジ!!

  昨年は色々とリールを改造したわけだけど、まだ実釣で全然試験してない改造方法があって、何かと言えば大森スピニングの”なで肩”なスプール形状をFRP板とかを使って形状調整し、ピシッと下面が平らでエッジの効いたスプールにする改造である。まあ、ワシ飛距離よりトラブル防止を重視しているので、なで肩エッジで糸巻き量少なめ運用でも良いかなと思わなくもないけど、ラインがスプールエッジに当たるのが、エッジ効かせて角だけとかになると、当然発生する摩擦は少なくなり飛距離向上のほかにもラインが傷むのが遅くなる、っていうのと糸ふけが良くなるので、軽い仕掛けを落とし込むのにラインの出が良いってのが利点としてあるようで、特に後者は切り身餌にガン玉ぐらいの軽い仕掛けで落とし込んで釣る冬の良型アジ狙いや、これまたガン玉うって鳥皮で足下狙う根魚釣りとかでは、ラインが抵抗少なく出ていく利点が生きてくるのではなかろうかと思うので、実戦導入して試験してみたい。

 ということで、昨年末に年末進行でワシャワシャ分解整備していた、タックル系とタックルオート系で、まずはスプールエッジにラインが引っかかりそうな酷い腐蝕がある「タックルオートNo.2」はせざるを得ない。その他、候補としては「タックルno.2」「ニュータックルNo.1」「タックルオートNo.1」「タックルオートSS」があったけど、試験してみて”耐久性ダメでした”とかの結果になるとよろしくないので全部やっちまうわけにいかず、まあ最悪FRP板とか追加した部分を引っぺがして磨き直せば良いんだろうけど、まずはせざるを得ないタックルオートNo.2に加えて、既にタックルNo.1が改造済みでスペアスプール体制が組めるニュータックルNo.1、ついでに改造有り無しの比較もするために、この春の主力機として想定しているマニュアルピックアップ化した「タックル5No.2」と、色違い同型機の「タックルNo.2」をマニュアルピックアップ化した上でスプールエッジ形状もいじる。ということで、冒頭写真の様に3台できました。というところ。タックルオートNo.1はタックル系同様の寸法で改造可能だけど、タックルオートSSはそもそもなで肩の部分が小さく、糸巻き幅もほぼスプール上下幅なので、計測した時点であんまり改造する意味なさそうだなという感触ではあった。

 逆にタックルオートNo.2は改造の意義が大きそうで、スプール上下が12mmしかないのにちょっと少なめにライン巻いた糸巻きの幅が16mmと4mmも糸巻きの幅が広くなってる。こりゃグズグズになりそう。ちなみにタックル系、タックルオートともにNo.1サイズはスプール上下幅は13mm、糸巻き幅は11mmで実はタックル系ではNo.2サイズでも同様の幅になっている。タックル系のNo.2サイズはNo.1サイズのスプール径を大きくしたような機種でスプール大きめのスピニングは使いやすいの法則にあてはまると思ってたけど、その感覚はあっていたようだ。2号ナイロンだとNo.2サイズの方がしっくりくる。ただスプールエッジ改造すると糸巻きの径が実質大きくなるので、そうなるとNo.1サイズでも2号ナイロン快適に使えそうではある。

 でもって、基本的な改造方法は前回同様でFRPを必要な大きさの輪っかに切り出す(写真1枚目)、スプールにハメて(写真2枚目)、下に糸巻きの幅の厚紙とかの”アテ”を入れて高さを均一に斜めッたりしないようにしつつ(写真3枚目)、ティッシュでつくった紙縒りを隙間に巻き付けて瞬間接着剤を染みこませて固定、を2回ぐらいやって大まかな構造を固めて(写真4枚目で、この時点でラインをなんぼか巻いて塩梅を確かめているところ)、ロッド回しで回しつつエポキシを盛ってやり、固まったらドリルで回しつつサンドペーパーでFRPの角の面取りやら上部エポキシの形状をならすなどして(写真5枚目)、最後塗装。

 ただ、3台やったうちニュータックルNo.1はサイズも同じなのでやり方前回同様なんだけど、タックルオートNo.2とタックルNo.2は糸巻きの縮小幅が大きくてスプ-ルの芯の方までFRPが入るので、輪っかが幅広くて1箇所切り込みを入れた程度ではスプールに填められない。真っ二つに切るとどう考えても平面が保ちにくいので、1/4ぐらいをピザみたいに切り出して(写真2枚目)、切ったところから填め込んで、最後切ったピザを填める形にした。この方が格段に平面に仕上げやすいし強度的にも丈夫だと思う。ただどこまで耐久性とかが稼げているかは、1箇所切り込み方式も含め、ある程度現場で運用してみないことにはどうにも分からんので、あとは実戦導入あるのみである。

 スプール上部の色は、前回は輪っか状にもとのアルミ色を残したけど、今回はタックル系は黒でタックルオートは銀で塗りつぶした。こっちの方が表情キリッとして良い気がする。まあそのへんは趣味の問題で表面滑らかになって防水防錆性が上がってればよし。やや不安だった銀色のラッカー塗料が意外にアルミに違和感ない発色なのはちょっと儲けものかも。アルミのお色直しには使えるかも。小皿にプシューッと出して綿棒でヌリヌリしてます。

 という感じで、この冬から春にかけての体制は、カマスアジ根魚等の1号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整済みのタックルNo.1とニュータックルNo.1、シーバス用の2号ナイロン運用が、スプールエッジ形状調整有りのタックルNo.2と調整無しのタックル5No.2でどちらもマニュアルピックアップ仕様でラインローラーはポリアセタール樹脂製。スプールエッジ調整の有り無しで糸巻き量が直径にして44mmと41mmと差が出ておりその分の”スプール大きめ効果”的なモノは期待できるし、実際に使ってみてスプールエッジの形状をいじった効果が感じられるかどうか、ボチボチと試してみてまたご報告できたらなと考えております。

 耐久性がそこそこあって、釣ってる間にポロッと剥がれたりしないのであれば、タックルオートNo.1のボロいのもスプールエッジ形状調整してやりたい。そのうえで同型機2台あるので、ボロいほうは替えスプール要因兼部品取り兼予備機にして、セットで釣友にあげる予定。できたらスプール調整有り無し両方使い比べてみて感想聞いてみたいと思っている。そのとき、いまタックルオートNo.1とかのサイレント化部品を開発中の御仁がおられるようなので、おそらくハンドル軸に填める樹脂製の部品と、そいつが押し上げる突起が付いた逆転防止用の爪のセットだとおもうけど、それを組み込んで消音仕様にして、スプールエッジ改良までした最強魔改造仕様のタックルオートNo.1にして渡したい。くだんの釣友は”瞬間的逆転機構”がローター内に特に防水機構もなく鎮座しているスピニングをちゃぷっと海水に漬けてしまったらその後ジャリジャリし始めたそうで「これ買ったらそれでもう買い直さんでいいトラブルもないってリールはなんなの?」ってボヤいてたので、今時のフルに防水化してある、普及機レベルのある程度の値段の国産大手機種を買うか、昔の、浸水したところですぐには不具合生じないし(何なら海中で使っても大丈夫だと思う)、後々中で塩が結晶化したりしても簡単にバラせて整備すりゃ元通りの、PENNだの大森だのの瞬間的逆転防止機構が付いてない時代の実用機を、ベールスプリングだけ予備用意して使うかどっちかだと言ったら、昔ので良いというので、大森の基本的な良さが詰まったタックルオートをチョイといじったらご要望にそえるのではないかと考えているところである。「金出すよ」とは言われているけど、1500円落札と1300円落札のボロリールで友人から金せびれるかよって話で、戦闘能力というか実用性抜群に仕上げる自信があるけどロハでいい。そうやってタダであげてでも数減らさないと、スピニングが蔵に積み上がってどうしようもないの。アタイ病気が憎いっ!

2024年3月9日土曜日

僕が考えた最強の大森タックルオート

 最近釣友が、職場の釣り好きに誘われたのがきっかけとかで、貸しボートでのカマス・アジ釣りにハマっている。昔使ってた魚探引っ張り出して、ボート用の台座自作して取り付けたり、アジの時合いにはアジ釣りマシーンと化して釣ってたり、なかなかに楽しんでいるようだ。で、その時に狭いボートの上で竿先に絡んだ道糸をほどこうとしてたら、反対側のリールが誤ってチャポンと海水に浸かってしまったらしい。一瞬チャポン程度ではどうっちゅうことないだろうという楽観視を尻目に、しばらくしたら中でジャリジャリとした感触が生じ始めた。

 「ほんの一瞬浸かっただけやで」と嘆こうが、覆水盆に返らずっていうか、今時のスピニングリールにおける諸悪の根源”瞬間的逆転機構”がろくな防水機構もなくローターの下に入れてあったら、一瞬ドボンなどもってのほか、水道ジャバジャバ水洗いなんてとんでもない、雨降っても、波かぶっても、あんなところ防水してなければ無防備状態で、しつこく書くけど水辺で使う道具なのに、水かぶった程度で不具合が生じかねない。雨が降ったら釣りに行かず、小さなミスも犯さない、リールを水中に落っことしたり、自分がコケてリール水没させたりしない人間用なのであろうか?ワシャそんなん自分がコケて肋ヒビ入らしているぐらいで、とても上手にあつかわんわい。

 釣友も「別にご大層なリールが欲しいわけじゃなくて、それ買ったら面倒がなくそれっきりで良いのってどれよ?」とぼやくわけである。彼の所持するリールにはそういう良いリールがあるにはあるけど、若き日の相棒であり、もうおいそれとは出したくないらしく、次買うときに同じような面倒な機種はウンザリだということらしい。

 手っ取り早くいくなら、大手の1万円ぐらいからの大衆機で、瞬間的逆転防止機構にガッチリ防水機構が付いているのを買うという選択。整備性は良くないけどラインローラーとかの外回りだけ気をつけてやればよさげ。あとはメーカーメンテ。

 中古で探すなら、そういう耐海水性能で強いのはPENN、整備性が良いので面倒臭くないのが大森、という感じだけど、ボートでアジやらカマスやらを狙う小型リールでとなると、PENNはちょっと弾数少なくかつお高い。大手の大衆機よりヘタすると高くつく。大森No.1サイズはボロければ値段安いし、見た目ボロくても整備すれば機能はなんら問題ないことがほとんど。ということで、どうせわが家で出番もなしに蔵に在庫しているだけなら、使ってもらった方が道具として正しい有り様である。ということで「余らしてる大森でよかったら使えるようにして進呈するよ」ということになった。

 ちょうど、TAKE先生が「コメットG1」の逆転防止の消音化部品を売りに出したところであり、コメットはタックルオートをインスプール化したような機種でハンドル軸のギアとか設計に共通点が多く、件の消音化部品も「タックルオートNo.1」にも適合するとのことで、そのあたりも組み込んで、ワシが考え得る現時点での最強の「タックルオートNo.1」に仕上げて引き渡したい、ということになった。なったんだけど、他に良いリールはないかと、自分が使うのを想定して「面倒臭くなくて優秀なアウトスプールの小型スピニング」にはどんなのがあるか、ってのをちょっと数え上げて考えてみた。

 まずPENN勢は「430ss」「4300ss」「430ssg」あたりだろう。前2者はベールスプリングを折れたら交換する必要があるっていうほかに、欠点と言わなければならんほどの不具合はない。ただ、さっきも書いたように弾数少なく値段高いのでおいそれとは買えん。430ssgは瞬間的逆転防止機構搭載なんだけど、油グッチャリの湿式で使えるので浸水しても平気ではある。ただ寒いとグリスの粘度が上がって逆転してしまったりする。逆転防止機構を一方通行のベアリング一個に任せて単純に仕上げてるのは整備性良くて良いんだけど、欠点もある。弾数少ないのは一緒。

 お次、大森製作所なら「マイクロセブンC1」「キャリアーNo.1」「マイコン301TB」「タックルオートNo.1」「タックルNo.1」あたりか、正直海水での実用性では本体樹脂製の「マイクロセブンC1」がもってこいな気がする。けど、現在使用中の機種であり今回の選からは惜しくも外した。キャリアーも樹脂製だけど人気機種なので値段が高い。「マイコン301TB」も良いリールだけどリアドラグのツマミの隙間から浸水してドラグの調整幅出すバネが錆びがちなのでその点やや注意必要。値段という点では「タックルオートNo.1」「タックルNo.1」はクソ安い。ボロいと2千円しないことが多い。消音化パーツが出たことで「タックルオートNo.1」は若干注目が上がって値もあがるかもだけど、「タックルNo.1」など左巻のネジが失われてることが多いのが難点だけどゴミのような値段で買えるし、じっさい買って今年使用予定で整備済み。ということで、今期も今後も使用予定がなく、大森らしい軽くベールが返る内蹴り機構と簡易ローターブレーキを楽しんでもらうにも「タックルオートNo.1」が最適な機種だろうと考えた。チョイボロすぎる個体をスペアスプール要員兼部品取り個体として抱き合わせてセットで、片方をカリッカリの実戦対応モデルに仕上げて進呈しよう。いじるのは消音化はオマケで、大森スピニング最大の欠点とされる”なで肩のスプールエッジ”、”スプール往復幅より広い糸巻き幅”をレイの方法でアレしてやる。

 と方針はこの時点で決まったんだけど、この際他にも実用性の高い機種ってあるか?と続けてアレコレ考えてみた。

 ABU「カーディナルC3」は合格だろう。ドラグ含め濡れたら困る機構は本体内に収めてある。アキレス腱のベールスプリングも長寿命ベールスプリングを組み込めばだいぶ戦えるはず。ダイワ「ウィスカートーナメントSS」は、かなり良い、ルアー用小型スピニングに初めてロングスプールを採用、まだこの時代は瞬間的逆転防止機構が搭載されておらず、ラインローラーにもベアリングは入ってない。650サイズのベールスプリングは普通のトーションバネだけど、750サイズから上になると耐久性の高いグルグルコイルバネが採用されていて「樹脂ボディーの瞬間逆転防止機構の搭載される直前の機種が実用性が高い」というワシの持論に合致している。バラしにくく整備性はイマイチってことぐらいしか欠点が思いつかない。ラインを端まで巻くとドバッとまとまって出てしまうトラブルが多いらしいけど、糸巻き量減らすことで対応可能。渓流で使ってたけど気持ちよく使えていた。ダイワがトーナメントSSならシマノは「92’ツインパワー2000」が瞬間的逆転防止機構が付く前の樹脂本体機でマルチポイントストッパー方式。分解整備しただけで使ったことないけどこれは良い気がする。ベールスプリングがコイルグルグルなのはポイント高い。リョービ「サイノスXS1000ZM-T」も2000番の同型機をいじった程度だけど、マルチポイントストッパーでベールスプリングがコイルグルグル、ラインローラーに無駄にボールベアリングが入っておらず、やや樹脂で回転部を受ける構造が多いのが耐久性的にどうかと思うけど、まあそれなりに持つんだろうとは思うと上出来。で、ルー(韓国日吉)「ゴールドスピン」は使ったら良かったので、弾が少ないので入手はやや難しいけど実用性高いアウトスプールスピニングとなれば出しておかねばという感じ。他にも、ワシが知らんだけで、瞬間的逆転防止機構が搭載される前の機種で実用性の高いのはあったんだろうと思う。オリムのその時代の機種は触ったことないけど何かあったんだろうし、日本じゃあんまり見ないけど、ゼブコとか絶対アメリールらしい実用性の高いのを用意してただろう。そして、そういうのを下請けしてた韓国、中国製のリールでも丁寧に拾っていけば良いのはあるかも。

 というときに、自分が評価する項目として、重要な項目から書き連ねると「瞬間的逆転防止機構が付いていない」「整備性の良い単純設計」「必要充分な耐久性」「まともなドラグ」「適正な幅のスプール」「適正な形状のスプールエッジ」「ラインローラーにはボールベアリングではなく樹脂製スリーブ」「回転部を受ける工夫」「ベールスプリングはグルグルコイル」「本体樹脂製」「ハンドルはワンタッチ折り畳み不採用、取り付け方法はねじ込み式が望ましいが共回りも可」「ハンドルノブが長時間使ってても指が痛くならない形状」「ローターブレーキ採用」「指がスプールエッジに届く設計」あたりを評価基準にしている。いるけど、いじくってどうにかしてしまえる、あるいは外法で対応可能なら欠点は補完できると思う。 

 ということで、本題の「タックルオートNo.1」の改善に取り組んでいこう。タックルオートNo.1を上の評価項目で評価すると、「適正な幅のスプール」「適正な形状のスプールエッジ」「ベールスプリングはグルグルコイル」「本体樹脂製」「ハンドルノブが長時間使ってても指が痛くならない形状」以外は問題なしである。つまりこの5項目のうち対応可能なものに手を付けようという方針。ベールスプリングはグルグルコイル式に改造できないか考えたことはあるけどなかなか難しい。むしろトーション式のベールスプリングの自作で対応する方が簡単なので、まあ定期的に交換か予備を用意しておくことで対応してもらおう。本体樹脂製じゃないけど、整備性の良さと逆転防止機構まで本体内に入れた、ある程度防水性がある設計でカバーできるので耐海水、耐腐蝕的には充分対応可能だと思う。釣りから帰ったらジャブジャブ洗って、から拭き乾燥。たまにラインローラー、ハンドルノブ、スプール外して主軸の根元に注油程度で問題生じないはず。ハンドルノブの形状については、一概にこれが良いという話ではなくて、釣り手のツマミ方、握り方、手の形大きさで変わってくるので、なんとも言えんところで、ワシは大森の三角パドル型は摘まみやすいし痛くなってこないので好きである。一応マイクロセブンCシリーズのウッドノブ型と2つ用意して使いやすい方をという選択方式にする。で、のこった「適正な幅のスプール」「適正な形状のスプールエッジ」についてはれいによってFRPの板を使って、スプールエッジの形状等調整をやってしまうという方針。あとせっかくなので消音化部品も組み込む。

 まずはだいぶ慣れてきた感のあるスプールエッジの形状等調整。No.1サイズの場合、スプールの幅が約13ミリにたいしてスプール上下幅は約11ミリなので、11ミリの高さの厚紙の下駄を履かせて、填まるように切り出したFRP、8ミリの板をズレないように填めておいて、隙間にティッシュの紙縒りをクルッと入れて瞬間接着剤を染みこませて、その上にさらに紙縒りを重ねてまた瞬間接着剤。という感じで大まかな形状を整える。その上でハンドドリルに填めてエッジの面取りをしてティッシュも削ってある程度滑らかにしたうえで、エポキシで隙間とか窪みを埋めつつロッド回しに刺してコーティング。固まったら銀色のラッカー塗料でヌリヌリで完成。

 でもって、消音化部品の組み込み。消音化部品は樹脂製で出るかと思ったけど、樹脂製だと温度差とかで作動が安定しないとかで、バネ的部品でハンドル軸の回転を拾ってそれを、金属製のカムに伝えてカムの隙間にストッパーの爪を入れて正回転時にラチェットから遠ざけるという仕組み。チョイ面倒だけど金属製なのは丈夫そうで悪くない。

 写真上左が元のストッパーで矢印の位置に爪がない。で外して消音化部品と並べたのが写真上右、右の爪付きのストッパーに交換して、ワッシャーで高さ調整の後、写真下左のように金属製カムを隙間でストッパーの爪をはさむように設置。チョイ見づらいけど写真下右のようにハンドル軸のギアの軸にバネ的部品を填めて、その出っ張って曲げてある部分を金属製カムの隙間の反対側の凹部に填めてやるという手順。そんなに難しくなく、想定していないだろうぐらいにグリスグッチャリなので滑りすぎると上手くいかんのでバネ締め直しとか調整必要かと思ったけど、一発で決まって問題なく機能してくれた。

 カリカリ鳴るの嫌いじゃないけど、たしかにラチェットに当たるごとに抵抗は発生しているわけで、ラチェットに当たらず音が鳴らないようにしてみると、ボールベアリング一個しか使ってない、でもハンドル軸をアルミの本体で直受けにしたりせず真鍮スリーブを入れているという、丁寧な仕事ぶりが光る大森スピニングの真骨頂的な滑らかな回転が味わえる。さすがの大森ハイポイドフェースギア。回転の滑らかさとか、わりとどうでも良いとワシ思ってるにしても、これはこれでたしかに良いものだと思わされた。そりゃ今時の高級スピニング様はもっと滑らかに回るのかもしれん。しれんけど、そのためにどんだけボールベアリング突っ込んで面倒くせえことになってるのかって話。実用上充分以上に滑らかな回転をボールベアリングたったの一個でやっつけている、同時代のボールベアリング2個入りのオートベールと比べても下位機種なのにこの仕上がり。無駄が無くスッキリしてて良いリールだなと改めて思うのよ。って感じでいっちょあがりが下の個体。スプール調整済み、消音化部品組み込み済み。グリスグッチャリ整備済み、ハンドルは純正のまま。対して上がローターが一部欠けてたようなボロ個体で整備済みではあるけどやや回転の滑らかさとか損なわれている。スプールはそのまま(可能ならどちらも試して比較してもらいたいところ、その後追加でスプール形状調整も承ります)。ハンドルはマイクロセブンCSのを付けてあるので、どちらかお好みのを付けて使ってください、どちらにも付けられます、という感じ。結局、リール改造用の部品とか各種売ってるけど、買って価値あるのはスプールとハンドルぐらいで、あとはだいたいにおいて自己満足程度かなと思っている。スプールは同じ替えスプール買うだけでそのリールの戦闘能力が格段に向上するし、形状やら糸巻き量の適正化やらいじれる要素も大きく、スピニングの飛距離とかトラブルの少なさとかスプール上下の方式とかも関係してくるけど、大きくはスプールの形状で決まる話で、ベアリングの数増やして空回ししたときクルックル回るようになったところで戦闘能力はあがらんのでそれは無駄な金の使い方だと思うし、そんなもんよりスプールに金かけろだろ。そしてハンドルはノブの形状とかが手に合わん痛くなってくるヤツだとつらいモノがあるので大事。見た目より何より使ってて痛くなってこないのが良いハンドル。こればっかりは使ってみないと分からん。

 なんにせよ、基本設計がしっかりしている機種に不足している機能を足していく、あるいは必要な調整を施すのは比較的容易に対応可能。でも基本設計に”瞬間的逆転防止機構”なんていうクソがデデンと鎮座していると、防水性とセットでそこは外せないのでどうにもならん。スピニング作ってる各社は早く外せっての。

 とはいえ、しばらくは瞬間的逆転防止機構の流行はおさまらないんだろうから、ワシそういうのはクソだとネットの片隅で叫び、レジスタンス運動に身を投じつつ、クソが鎮座していない時代のスピニングを愛でていきたい。

 てなことやってたら、大森熱がぶり返して「大森スピニングが整備したい!」ってアタイ苦しかったの。でもご安心くだされ。わが家には整備待ちの大森スピニングぐらいたーんとござる。

 ブッコミ泳がせに使ってる「マイコン202」が調子よくてずいぶん気に入ったんだけど、そうなると替えスプールが欲しいなという症状が出てきて、すると出てくるんですね中古市場にポロポロッとボロ個体が2台、2台とも競りもせず確保。まだマシな方を整備して剥げてた塗装もお化粧直しして、すでに現場投入済み。そして、ワシが整備してやらねば燃えないゴミになりそうなジャンクな「マイクロセブンNo.1」のグリーニーな個体。ハンドル後方の左右交換用のネジ入れに格納されていた左用のハンドルネジが赤さびまみれになっていて泣きそうになったけど、ダイヤモンドヤスリでネジ山を復活させてなんとか使用可能な状態に復帰。てな感じに今期も楽しく大森沼にズブズブと潜っております。皆様もご自愛くださいませ。アタイ病気が憎いっ!

2023年12月23日土曜日

中身が大事だけど外側もそれなりに大事

 年末進行で巻きでいってます。なんで、大森製タックルオートが4台もあるのかと言えば、実は欲しいのは「タックルオートNo.3」で、探してるとどうしても「あっこれ大きさ違うけどボロいし安いしワシが買わなきゃ」と救出したくなるのである。仕方ないよね。マウスも滑るよね。なぜ、No.3サイズが欲しいかというと、大森のこの時代のワンタッチじゃないスプールの機種には、なんとPENN5500SSとかのドラグノブが装着可能ということで、そうすると5500SS後期のドラグノブはワッシャーとの接触面が真鍮製になっていて、ドラグ高速回転時の熱で溶けたりしないわけで、その互換性に気がついたnorishioさんから名言(迷言?)「これで大森はあと100年は闘える。」もとび出して、ワシんち5500SSのドラグノブは蔵にいくつか転がってるので、ワシも欲しい~って熱にうなされたんだけど、これがなかなか中大型の大森は人気薄で、出れば安いことが多いけどなかなか手頃な値段とボロさの弾が出てこないので、思わず弾数多い小型機に誤爆しまくってるのである。アタイ病気が憎いっ!

 No.2サイズは持っていなかったので1個買ったら、次にハンドルが変なのが付いているジャンク個体が出て来たので最悪替えスプールゲットということで確保。No.1サイズ、SSサイズはそれぞれ蔵に1台あるので、もう一台買ったら換えスプール体制組めるしまあいいか?っていうのはSSは確かにそうなんだけど、実はNo.1サイズはスプールはタックル系統と互換性あるので換えスプールは既にあるっちゃある。No.2サイズがちょっとややこしくて、タックルオートNo.2に例えばタックル5No.2のスプールは一応そのまま使えるけど、逆は高さの関係で何らかの調整なしではちょっと使えない。写真の右がタックルオートNo.2のスプールで左がタックル5No.2のスプール。No.2でもタックル系統とタックルオートはスプール同一規格だと思ってたけどちょっとタックルオートの方が高さがあるということに今回買って比較して気がついた。要するにスペアスプール云々は後付けのいいわけで、結局いつものとおり「欲しかったんじゃーッ!」という物欲に負けてマウスをスルリと滑らせてポチっただけのことである。

 そんなこんなで、年末進行でサクサクいきまっせということでNo.2から分解整備に入って行くんだけど、とりあえずハンドルが変なのが付いているジャンク個体はハンドルのネジのサイズが合ってないのを無理くりねじ込もうとして中途半端な位置で抜き差しならなくなってしまっていて、このままではどうにもならない。幸いなことに右にハンドルが突っ込んであるので、左側にまともな大森製ハンドルを突っ込んで逆に捻ってやって外れたら万々歳、外れなかったら仕方ないので右のネジ穴は死んでもらうことにして、カナノコでハンドルぶった切ってとにかく外すという方針でいく。ハンドルはまだ2本残ってたので1本使う。

 結果、ポキッと変なハンドルが折れてくれて、軸からはみ出した部分をカナノコで切って左巻き専用ギアとして無事救出できたんだけど、これ今考えると、ポキッといったのが左に填めた大森純正ハンドルでなくて良かった。最悪軸の左右両側のネジ穴がふさがってるというダルマギアにしてしまうところだった。最初から安全策でカナノコで切っておくべきだったんだろうけど、結果オーライではあった。

 あとは、前回5台まとめてやっつけたタックル系統に設計的にはベール反転の内蹴り機構が追加されている程度なので、基本的な構造は似ていてサクサクと分解整備が進む。似たような機種をまとめてやっつけるのはやっぱり効率的ではあるな。

 とはいえ、元の持ち主にはハンドルの件も含め説教くらわしたくなるんだけど、塩水かぶってもろくに洗ってもなかったのか、スプールが酷く腐蝕している。内部は糸抜いて保管してないとどうしても腐蝕してしまうとかはワシもやりがちなんだけど、スプールエッジってそうは腐蝕せんぞ?かつ、ココが腐蝕しているとラインが引っかかって出が悪いし傷つくしでそのままじゃ使えん。これはあとでアレしてしまうことにしてとりあえず今回は放置して暫定的に組んで片づけることを優先して、グリスグッチャリでいっちょ上がり。

 次も、同じタックルオートNo.2でこちらの方が見た目も綺麗で回転やらも変なところはないので、サクサク進むかと思いきやラインローラーが固着してしまっていた。しかし、ここは樹脂製スリーブが入っているので、まず外れないことはないので、強引にペンチで摘まんで引っこ抜くとかはローラー割りかねないので、CRC666液に浸るようにジップ付きのビニールに入れて一晩おいて手袋填めてゆっくりグリグリと捻ったら無事取れた。ルーロンスリーブがラインローラー側に固着してたので、千枚通しで引っぺがしてやった。このチューブ状のルーロンスリーブは変形させても後で軸に刺せば元通りになるのでぺちゃんこになっても気にしなくて良い。という感じでバラしても部品数こんなモンなのでパーツクリーナーかけてグリス盛って2ちょあがり。

 サクサクいくぜと次はNo.1サイズ。コイツは見た目がボロい。塗装剥げまくり。回転は問題無いし、ベールの返りが悪いのは錆びてるからだろうぐらいで、お化粧直しだけは面倒だけど楽勝だろうと思ってたら意外な落とし穴というか、これまた元の持ち主説教案件。

 まずは分解とさくさく作業を進めると、ストッパーの爪がラチェットにガチンと噛んで凹んでて驚く。ラチェット鉄系で、爪はステンの板の打ち抜きのはずで、相当な負荷にも耐えうる丈夫な大森設計の逆転防止機構なのに、どういう力のかけかたをすればステンの板が凹むのか想像できない。

 でもって、ローター外したらローター軸のギアの填まる俵型穴になってる筒状の部分が割れてやがった。ココは下はボールベアリングで上をローターナットで挟んで締めてという構造なので、割れていても固定はできていてまともな回転はしていた。とりあえず瞬着で接着してズレないように細いステンレス線で巻いて締めて固定して実用上問題無い程度には処置したつもりだけど、そもそも割れる力がかかるにはローターナットで固定してあるローター軸のギアとローターがズレて、内側のローター軸のギアの俵型の部分がローターを割らなければならず、そんなにズレることがやっぱり想像できない負荷の掛かり方で、ドラグが、それも優秀なのが付いている大森小型機で、どんなラインを巻いてどういう無茶をすればこうなるのか、責任者一回説明しにこい!っていう感じである。インスプールのベールを手で無理矢理起こす”熊の手”の持ち主が理解できないとTAKE先生は嘆いていたけど、これは次元が違う。世の中にはオッソロシイ熊以上の手を持ってる愚か者がいるようだ。PE巻いて根がかり相手にスプール握り込んで走ったとかか?分からん?まあ、とりあえず使えるようには復旧できたので良しとしておこう。接着剤で留めて針金巻いたぐらいで大丈夫か?と心配される方もおられるだろうけど、そもそもさっきも書いたように、ローターとローター軸のギアはロータナットで締めて一緒に固定されていて、どう使ってもズレて力が掛かる構造ではないハズなのでまず大丈夫なんである。壊す方がよっぽど難しい箇所。

 なんにせよちょっと驚かされた。ほかにもベールの返りが異様に悪いのは、ベールワイヤーのお尻の金具が錆びて太ってるからだと思ったら、どうも微妙にお尻を止めるネジとベールアームを止めるネジは長さが違うようで、逆に組まれていて正常に作動しなかった様子。まともに組めないんならバラさんでくれと切に願う。なんとか分解修繕してパーツクリーナーかけてからタッチペンで塗装。

 まあ新品同様とはいかないけど、充分実用に耐えうる状態に復活させた。見た目もこんなもんだろというぐらいにはお化粧直ししてやったつもり。

 このぐらいボロい個体だと、なんとか復活させることができると、わが家に来てもらって良かったと思える。普通に使えばあと何十年と使える状態にはなったと思う。ウチに来てなければ燃えないゴミの日に出されててもおかしくない。生きてる部品は回収しておけば使えるけど、日本の中古市場では特定の機種を除いて部品売りってあんまないので曲がりなりにも単体で稼動品だというのは意味と価値があると思いたい。

 最後のSSサイズも、一見調子よさそうだけど分解したらエラい目に遭うとかないだろうな?と疑心暗鬼になるも、コイツは良個体でサクサクバラして掃除してグリス盛って組み上げて終了って感じでホッとした。スプールの銘板がれいによって剥げてるけど、こっちの方が全体的に状態は良いのでもう一台からスプール持って来てこちらに付けても良いかも。基本ボロい部品は1台に集中させてそのボロい個体から使い潰していきたいんだけど、これが大森スピニングは普通に使ってると潰れないんだわ。まあ末永くよろしく、もしくは売りに出して稼いでもらうか?いずれにせよ悪くない買い物であった。

 ちょっと、元の持ち主なに考えてたんだって個体もあって苦労したけど、基本大森スピニングはボロいの買っても、分解整備してやれば快調に復活してくれるので、整備のしがいがある。

 タックルオートなんて、内蹴りで簡易ローターブレーキもついてて、ボールベアリングは一個だけど回転も滑らかで軽くて、本体もアルミ製で軽くて丈夫、ドラグはもちろん良いしで、アウトスプールのスピニングに求められる性能はかなり高く保持していて実用機として堂々の実力派である。ベールスプリングは交換用の予備をバネ屋さんにでも作ってもらうなりして備えるとして、スプールエッジの形状もアレしてしまえば良いだけで、それほど中古の相場も高くないし超お買い得である。まあ、マウスが滑ったのは遺憾に思うけど、この4台並べて眺めて「アアァッ!良い!!」と悦に入ることができただけでも、銭つこうた価値があったというモノである。ということにしておこう。

 これで、だいぶ整備待ち渋滞解消にむけ進捗した。整備待ちリストにある機種の中には珍しく新品箱入りなんてのもあって、そいつらは当時のまま残す方向で分解はしても古いグリスのままでも良いかなとか、ある程度割り切ってあと20台前後、この冬中に終わらせてしまおう。あぁそうしよう。

2020年5月23日土曜日

大森熱もたまに再発する


 小人閑居して不善をなす、っていうらしいけど、おうちで暇してると悪い病気が出たりするのよねこれがまた。
 だいたい、魚が釣れていないと道具をイジリ始めるってのはお約束で、今回もしばらくの療養期間中に、買って放置していた1台と、勢いがついて思わずポチッと落札してしまったのの2台を暇に飽かせて分解清掃してしまった。
 どちらも見た目はボロい個体なんだけど、いつも書いているように大森のリールが内部まで逝ってることはほとんどなくて、固着している箇所でもなければせいぜいベアリングを交換する程度で何の問題なく復活する。今回も2台ともサクッと復活。

 左の青いのは「タックル5No.2」なんだけど、以前書いたように同型機のベールアームのナット固着を上手く外せず、無理矢理捻ってネジを折ってしまっているので、ベール周りの部品が取れればいいやとジャンク扱いのを安く入手したんだけど、分解清掃したら普通に復活してしまった。折れている方の個体は折れた部分にドリルで穴を掘ってネジ穴に加工できないか、自動車整備関係の仕事している友人にチョット見てもらっているところ。あかんかったらベールワイヤーレス機に改造予定。
 タックル5はNo.1の大きさを小遠征の根魚釣りに使ってるけど、外蹴りで単純な構造で壊れるような要素も少なく、左手でベールを返す釣り人ならベールの返しが重いとかも関係ないし今のところ快調に使えている。ドラグはこの時代から既にフェルトのドラグパッド3階建て方式だし、ねじ込みハンドル、鋼製の芯を鋳込んだハンドル軸のギア、樹脂製スリーブの入ったラインローラー、折りたたみ可能なベールとまさしく大森仕様という感じで全然人気がないのが可哀想になってくる。兄弟機の「タックル」や「マイクロセブン(アウトスプール版)」も含め凄く良いのにみんな見る目がない。

 もいっちょ、右の黒い小さめのリールは「マイクロセブンCS」でこれまたボロ個体を、どうせ分解清掃したら復活するから、と落札して予想通りあっさり復活。コイツを入手したのは我が家にある「タックルオートSS」には何故かマイクロセブンCSのスプールが付いていて、スペアスプール有りの体制がすぐに組めるからというだけの理由で、特に使うアテがあるわけでもないのに思わず反射的に入札してしまった。「大森熱」という悪い病気は、なおったと思っても魚釣りに行けずに心が弱っていたりすると再発するのです。
 またこれが「マイクロセブンC」シリーズも不当に人気がなくて、同じ樹脂製のキャリアーが小さいSSの大きさだと一時期ほど高騰してはいないにしても万札ぐらいは飛んでいくのに、若干重くなるとはいえ、ラインローラーに樹脂製スリーブ入りでネジがタップネジじゃなくて金属の雌ネジとか、重い分はしっかり作られていて耐久性はあるハズでどちらかが優れてるってよりは性格の違うそれぞれ魅力的なリールのハズなのに、購入見送ったけど箱入りのC1が2千円とかにしかなってないのを見て「なんでやねん?」と突っ込まざるを得なかった。
 以前スピンフィッシャーの「4200SS」について、PENNが作ったダイヤモンドリールみたいな単純軽量なスピニングと書いたけど、逆にマイクロセブンCシリーズは大森製作所が作った樹脂製4桁スピンフィッシャーみたいな、樹脂製だけど必要なところに金属で補強入れて丈夫に耐久性も持たせたスピニングなんじゃないだろうかと感じている。
 
 いずれにせよ、今回の2台は送料は別途掛かるけど落札金額自体は500円と1100円と格安だったのである。キャリアーSSが1万円は越えてくるのに、同じ大きさのマイクロセブンCSはなんぼボロいと言っても10分の1の価値しかないとか思えないんだけど、みんなちゃんと見てる?って不思議に思う。
 大森人気も一時の加熱状態は過ぎて落ち着いてきたようで、ハッキリ言ってダイヤモンドリールが安い。今でもキャリアーSSとコメットとかの小型インスプールぐらいは値段付くけど、他はそんなに値段付いてなくて、インスプールでも「マイクロ2世301」が開始価格4000円で1週目買い手が付いてなかったってぐらいで全体的に安くなってる。
 ダイヤモンドリールのデキの良さとか全く変わってないはずだけど、単なる流行廃りの関係でみんな飽きたか、良さが理解できるほどスピニングリールを「分かってない」かだと思う。バカくせぇことである。

 ただ、あんまり値段が安いとネットオークションに出されもせずにゴミの日に出されてしまいかねず、ダイヤモンドリールなんてベールスプリングとベアリング交換してやれば100年快適に使えるはずでありゴミにするには惜しすぎるので、そろそろ初心者マークが取れそうな「大森アナリスト」として、人気それ程なくて安いけど使えるお薦めのダイヤモンドリールを推しまくってチョットでも相応しい人の手元に相応の値段で届くように応援していきたい。
 まずは、普通に使えるスピニングが欲しいという向きには「タックルオート」をお薦めする。上でも書いたけどフェルトのドラグパッド3階建て方式、ねじ込みハンドル、鋼製の芯を鋳込んだハンドル軸のギア、樹脂製スリーブの入ったラインローラー、折りたたみ可能なベールと、ザ大森方式というスピニングで、大森ご自慢のベールの返りが軽い内蹴り式なのでハンドル回してベールを返す釣り人にも快適に使える。ボールベアリングが2個に増えてワンタッチスプールになる高級版の「オートベール」も、さっき書いた外蹴り版「タックル5」他でももちろんそれぞれの使い方を考えて選べばまずこの辺は間違いないし、値段も汎用性の高いNo.1サイズなら弾数も多くて安いはず。
 それから、せっかくダイヤモンドリール買うならリアドラグのマイコン系が使ってみたいという釣り人には「TB」シリーズをお薦めする。なぜなら、マイコンシリーズの終わりの方にでてきたせいもあって、スプールエッジの形状が大森独特の”なで肩”じゃなくて真っ直ぐ系に修正されていたりして、使ってて全く不満を感じなかったので自信を持ってお薦めしたい。マイコンシリーズで値段が多少付くのはオリジナルのSSかNo.1ぐらいで、その他のマイコン系は3千円も出せば買えることが多い。鱒用に人気のSSサイズのマイコン30STBでもそのぐらいで買えると思う。
 そして、不当なぐらいに評価が低いマイクロセブンCシリーズだけど、これこそ買いだと思う。これまで気付けば4台も買ってしまっているけど、箱入りのC1の3900円、シェイクスピア版の「シグマプレジデント2440-040」2800円でもデキの良さ大森製作所の気合いのは入りようを考えると安いぐらいだと思うけど、C2の980円とCSの1100円とか、もうゴミスピ価格である。


 キャリアーのほうが軽いっていっても、マイクロセブンCシリーズだって樹脂製で軽いはずでどれぐらい違うのか、実際測ってみた。
 結果は、
①NO.1の大きさ
 キャリアーNo.1:220g、マイクロ7C1:236g、タックル5No.1:250g、タックルオートNo.1:252g、マイコン301TB:274g
②SSの大きさ
 タックルオートSS(スプールはマイクロセブンCSの樹脂製):187g、マイクロセブンCS:195g、タックルASS:204g
 ちなみにラインも巻いたうえでの湿重量。
 という感じで、確かにキャリアーの方が軽い、でも言うほど違うか?って正直思う。マイクロセブンCSの195gとか明らかに軽いリールの範疇だと思うがどうなのよ。
 っていうか、大森のNo.1と同じぐらいの大きさのスピンフィッシャー430ssgとかライン巻いたら291gもあって300g級の重さだけど、竿とのバランスもあるんだろうけど特に重いと感じたことはないんだよね、ってぐらいで220gと236gの差が我慢できんほどなのかね?ってPENN使いからしたら思ってしまう。その分丈夫に作ってあるって考えたらまったく問題ない”重さ”だと思うけどナ。タックルオート自体単純でよけいな機構も付いてないんでずいぶん軽快なスピニングだと思うけど、ソレより樹脂製のCシリーズは軽いんでっセ。カリカリ音しないようにする消音化の部品も組み込んであるし、お買い得だと思うンだけどどうでっしゃろ。

 って、部屋でクリクリリール回して書いてるだけでは説得力がないので、ちょっとこの夏はダイヤモンドに浮気してマイクロセブンCシリーズの実力を推し量ってみようかなとおもっちょりマス。

2019年6月15日土曜日

薬石効なく

 病気っていうのはこの21世紀の進歩した医学をもってしても根本的にどうにも制御できない時もあって、そういった制御不能な病とは上手いこと付き合っていくのが得策で、ゆめゆめ完治させてしまおうとか思わんぐらいの方が良く、ましてや精神力でどうにかしようなんて思ったところで、どうにかなるなら医者もクスリもいらんわけで、例えば糖尿病患者は気合いでインシュリン分泌量を増やすとかできやんから注射打つんである。
 そういった現代でも治療の難しい病にいわゆる「スピニング熱」というものがあり、これに罹患すると「大森が欲しい!」「この年代のギア方式は」「回転の滑らかさが」「スプールエッジの形状の違いが」などと意味不明なことを口走るようになり、ネットオークションサイトや中古釣具屋での散財が家計を圧迫し、山のように積み上がるスピニングリールを前に途方に暮れるという症例が報告されている。
 現代医学を持ってしても治療法が確立されていない不治の病である(「不治の病」って打とうとしたら「Fujiの病」と予想変換される我がATOK)。まったくもって痛ましいことである。

 かくいう私も昨年秋ぐらいから潜在的保菌者だったのが発症し、インスプール熱や急性大森症、慢性的PENN症候群などに日和見感染するという苦しい闘病生活が続いたモノの、リール管理台帳作成による「リールは一家に90台まで!」という治療方針が効をそうしたのか、四月以降はその症状は顕在化しておらず、当ブログにおいても”スピネタ”は4月20日以降ご無沙汰であった。
 ただこの間も症状が表に出ていなかっただけで、確実に病は深く静かに進行していたということを告白せざるを得ない。最後の記事から4台買ってしまっている。

 オレは悪くないんや!!大森にいつも変な値段付けてるTベリー○×店が悪いンや!!
 と、とりあえず人のせいにしておこう。中古釣具屋に街に出かけるたびに足を運んで掘り出し物がないか確認するという行動は釣り人なら多かれ少なかれやると思うけど、この店だけ異様にマニアックなリールがワゴンに転がってる率が高い。手が出たのだけでも「マイコンNo.6」、「キャリアーNo.1」、そして今回の「ポスカ1」と3台もあって、他にも逆回転している時代のカーディナルやら松尾工業の赤いボタンをポチッと押すとベールが戻るヤツやら、台数制限なければ手が出てただろう良い出汁のきいたスピニングが転がってたりした。
 写真のポスカ1なんて216円ですよ、おつり4円もらって小銭入れふくれるのいやなので1円出しておつり5円にしてますよコイツ、ワシ意外に細かい性格。
 大森熱もややおさまっていて、もうスプールやらギアやらのパーツの予備にもなるような機種以外買わないでおこうと思ってても、216円には思わず手が出たですよ。
 ポスカは大森晩年の生産拠点韓国に移した時代の製品で、フットにもKOREAの刻印があり、多分アクションMとかタックルAとかみたいな樹脂ボディーの安リールなんだろうなと思ってたけど、手にしてみると意外に作りもしっかりしていて悪くない。アクションMのような”チープ大森”的なリールではない。
 どうも、大森製作所の伝統あるリール名「マイクロセブン」の名が付く最後の機種であるマイクロセブン「V」シリーズと「C」シリーズのうちカーボン樹脂ボディーの「C」シリーズの方の後継機的なリールだったようで、多分本体の金型は一緒。
 これが、大森ファンには不評で「大森が大森らしさを捨てた時代のリール」と一刀両断されているけど、分解清掃しながら見ていくと、なぜそうしたのか、せざるを得なかったのか、大森製作所の苦渋の判断が浮き彫りになってきて、なかなかに味わい深いモノがあった。
 ワンタッチ折りたたみのウッドノブが付いたハンドルなんていう当時の流行も真似してる。だってそうすればハンドルネジ込みやめて亜鉛一体成形のギアに多角形の心棒入れる方式で良いから経費削減できるし、日本の釣り人はそっちの方が買うんだもん。
 スプールをワンタッチボタンで着脱可能にしたのも、スプールのハマる軸を太くしてドラグの効きを安定させるためというのもあったかも知れないけど、なんか見た目に分かる機能を付けて差別化しないと日本の釣り人買わないんだもん。
 一番驚いたのはドラグ。まあ大森なので基本の三階建てドラグなんだけど、これがエラい締まる。ギュッとドラグノブ締めると完全にラインが出なくなる。ドラグパッド見てみたら写真じゃ灰色っぽく写ってるけど実際には白と薄緑の斑模様の硬めのザラついたパッドで、どっかでこの素材見たことあるなと思いだしてみると、これライギョ用のアンバサダーの改造パーツとして売ってる”ドラグをフルロックするためのドラグパッド”と同じ素材だと思う。たぶんこれは石綿代替品系の素材かと。
 たかだかナイロンの2号とかで釣りするリールでこんなにドラグ締まるようにしてどうするんだと思う。正直アホのような設計だと思うけど、そうしないとドラグをしらない日本の釣り人には売れなかったんだろう。「ダイヤモンドリールはツマミ締めてもラインがズルズル出ていく」とか言われてたんだろうことは想像に難くない。
 「流行や釣り人の好みに迎合せずに良いモノを創り続けるべきだった」っていうのは評論家が後から言える台詞であって、当時自社製品が思うように売れなくなっていくなかで、生産拠点を人件費安かった海外に移したりもしながら生き残りを暗中模索していた当事者の苦悩をポスカに見てしまうと、そこまで言うたらんでもエエやんか、と思うのである。
 良いもの出しときゃ売れるんならマイクロセブンCシリーズが売れてなきゃおかしい。ポスカなんて作らんでも良かった。

 などということが書けるのは「マイクロセブンC1」買っちまったからである。
 ポスカ買ったジャン。悪くないリールだったジャン、じゃあその前身のマイクロセブンCも欲しくなるジャン。我慢できないジャン。仕方ないジャン。←急性大森症再発!!
 スプールが同じ樹脂製のキャリアーと互換性あるだろうから欲しいなと某ネットフリーマーケットで眺めてた個体、キャリアーそのものがもう一台手に入ったしいらんなと一旦心から追い出せてたんだけど、一回でも欲しいと思ってしまうと何かのきっかけで再発するネ。ジリジリと値を下げてきていたのもあって3900円でワシが購入させていただきました。箱入り取説付きでこんな値段でいいんかい?
 大森ダイヤモンドで樹脂製のリールといえばキャリアーが人気でワシも大好きだけど、マイクロセブンCもなかなかどうして悪くない、っていうかすんごく良い。
 キャリアーがボールベアリング1個で単純軽量設計のタックルオートの樹脂版で、マイクロセブンCはボールベアリング2個のアウトスプールの系統であるマイクロ7(アウトスプール)→オートベールの樹脂版的なリールかなと思ったけど、分解してみるとどうも、割と新機軸の気合いの入った機種だったようだ。
 ハンドルノブこそ日本風のウッドノブ付きだけどねじ込み式のハンドルで、当然ギアには堅い素材を芯に鋳込んだ大森得意のハイポイドフェースギア。
 ラインローラーも大森らしい樹脂製スリーブの入ったもので長く使える仕様。同じ樹脂製リールでもキャリアーとポスカは樹脂製スリーブなしのセラミックラインローラーを直受け方式だけどセラミックは滑らかで摩擦が小さいのかハードに愛用していたキャリアーNo.1でも摩耗した感じはまだない。とはいえスリーブ入りの方が安心ではある。
 音出しとサイレント、逆転の3段階切り替えはまああって困るもんじゃない程度だけど、蓋を開けてギアを見るとちょっと驚く。
 多分、ギアがマイクロセブンC用に新しく金型起こしたモノっぽい(マイコンとかと共通の可能性はある←追加註:マイコンと共通はないことに後から気付いた。理由はまた書く予定)。

 大森製作所はギアとかは変更が必要なければだいたい同じのを使ってるので、部品の共有使い回しが効くのが蒐集して使うにはもってこいの特徴だと思ってるけど、キャリアーとパーツ交換どこまで可能か調べようとしたら直径からして違ってた。左がC1でちょっと小さい。
 ちなみに予想どおりにキャリアーとスプールが交換可能、ついでにハンドルも交換可能ってことはギアに鋳込んでいる心棒は共通っぽい。
 細かい点だけど、蓋のネジが樹脂に直接ねじ込むタップネジじゃなくて、金属の雌ネジを埋め込む方式なのは他にはPENNの4桁スピンフィッシャーぐらいでしか見たことない丁寧な作り。ポスカではタップネジになってて経費削減したんだなと思う箇所。
 という感じで、大森製作所の最高傑作は何か?という問いにはいろんな回答があり得るんだろうけど、”大森アウトスプールの最終進化形”としては樹脂製でありつつねじ込み式ハンドル、堅い材を芯に鋳込んだハイポイドフェースギア、テフロンパッドの三階建てドラグ、樹脂スリーブ入りのラインローラー、ベール折りたたみ機構といった大森らしさを備えた「マイクロセブンCシリーズ」であると言っても良いんじゃないだろうか。
 その後のタックルシルバーとかはちょっと路線が違うので、対抗馬としては個人的にはマイコンTBシリーズかなと。大森アウトスプールの大きな流れであるマイコンシリーズの中でも終盤の機種で良い塩梅にマイナーチェンジが効いてて使いやすく良いリールだと思っている。でも他にもアウトスプールならキャリアーとタックルオートの単純軽量も一つの方向性だし、ってまあそのへんまた迷うヤね。でも現時点ではマイクロセブンCをワシゃ推す。
 マイクロセブンC1は実釣がまだなので、本当の意味での道具としての評価は現時点ではできないんだけど、まあ間違いないリールだと確信している。

 とかやってたら、ネットオークションで安いアグリースティックが手に入るようなら欲しいと「釣り具」「シェイクスピア」を検索条件として登録して定期的に見てるんだけど、ガツンと写真のリールが目に飛び込んできた。ハイ買っちゃってます。
 シェイクスピア「アルファ2260-030」である。
 ご存じのようにシェイクスピアは大森製作所にスピニング作らせてた時代が長くて、タックルオートとかはシグマシリーズの名前で売られていてたまにネットオークションにもかかってたりする。
 でも、このアルファのシリーズは金属製のがフルーガーメダリストと同じ機種だったりというのは目にしてたけど、樹脂製のは初めて見たうえに「030」は大森なら人気の「SS」サイズである。ちなみに「035」が「No.1」、「040」が「No.2」サイズと対応。
 ▲型の可愛いハンドルノブといい、マイクロセブンC系の造形といい、これは大森製作所の製造で間違いなさそう。あとは中身がマイクロセブンCかポスカかというところで入札に使える金額が違ってくる。コイツの正体がマイクロセブンCSなら即決価格の3980でも安いぐらい。大森人気最近落ち着いてきてるけどこのぐらいなら買いだろう。ポスカSなら開始価格の2980円の価値も正直ないかも。216円は安すぎるにしても、そこそこのデキの割に不人気だし中古本体のみなら千円台が妥当なところかと。
 写真見るとアメリカ仕様であちらでは需要のないウッドノブやベール折りたたみ機構は省略されているようだけど、ドラグノブはワンタッチボタンじゃなくて、ハンドルもワンタッチじゃなさそうということで、外れてポスカSでもまあ悪くないかと3200円で入札するも開始価格2980円でそのまま落札。

 手元に届いて”とにかくハンドル”と外してみると、ねじ込み式で「当たり引いた!」と喜んだんだけど、外してハンドルのねじの部分をみるとなんか違和感が。大森式で交差してネジ山が切ってあるんじゃなくて、PENN方式の根元と先とで太さを変えてあるネジ。
 ねじ込み方式ならマイクロセブンCS確定だと思って、入札中も質問したくて仕方なかったけどバレると即決で持ってかれそうなので我慢したけど、ねじ込み式でマイクロセブンCSじゃないっていうのは予想外だった。っていうかどこ製なんだこれ?
 でも、ねじ込み式なら丈夫な軸を鋳込んだハンドル軸のギアが入ってる実用的なリールなはずで、それならどこ製でもまあいいやと分解清掃に入ったんだけど、蓋を開けたらどう見てもハンドル軸のギアが亜鉛一体成形の鋳造もので、真鍮のブッシュで軸を受けてるのも亜鉛の軸が削れそうで怖いけど、それよりなにより、亜鉛の軸にハンドルのネジねじ込んだらダメでしょ?亜鉛そんなに堅くないんだからねじ込んで力かかり続けると軸太っちゃうでしょ?ねじ込みで太る軸を真鍮のブッシュで削るので一定の太さに、ってわきゃないよね?
 他にもローター軸のギアが強度が欲しいストッパーの歯車まで含めて亜鉛一体成形だったり、逆転のスイッチを切っても行き過ぎてちょうど良いところで止まらず逆転上手くできないとか、ラインローラーのメッキが甘くてライン巻いてたらハゲちょろげてきたとか、全体的に安っぽい作り。
 マイクロセブンCでもなきゃポスカでもなく、大森っぽい見た目にしてくれとシェイクスピア側が発注したのか、それとも大森が潰れた後に金型引き継いだ工場が作ったとかか、とにかく大森製作所じゃないところが作った安リールのようである。
 ドラグの安定性がイマイチなのを調整したり、メッキ剥げ剥げのラインローラーの表面がざらついているのをサンドペーパーでならして瞬着で表面コーティングして、逆転スイッチちょうど良いところで止まるようにカーボンの芯で止めを作って、と使えるようにするのに手間暇かけたけど、使ったら数年でどっか壊れるかも。ポスカの方がカチッとしていて数段モノが良いように感じた。
 シェイクスピアのブランドは好きだし、見た目も可愛くて良いんだけど、中身だけなら正直500円のワゴン行きだな。ハズレ引きました。でもまあこういうのも楽しいとは思うので2980円(と送料)は授業料込みということで文句はあまり言わないでおこう。

 とまあ、3台も買ってしまったわけだけど、マイクロセブンC1はキャリアーNo.1とスプール共用体制組めるしシビれる良いリールだしで手元に置くんだけど、ポスカ1とアルファ2260-303は正直単品で持ってても出番がない。かといって売るにしても値段が付くようなリールじゃないと思ってたら、ケン一が「余らしてて子供らハゼ釣るのとかに使えそうならもらうよ」とのことだったのでケン一へ業務連絡です、そのうち送るので待っててね。ラインもナイロン2号巻きました。

 リール文字通り売るほどあって、必要性が薄いのは売れるモノは売って、もらってくれそうな人には押しつけて、なんとか90台以下を保っております。
 スピニングネタもうちょっと仕入れてあるので、連投か休み休みか分からんけどあと2、3回書きます。お好きな人達はお楽しみに。


○オマケ「ギア交換」
 以前から、たぶん我が家の蔵にある、キャリアーNo.1、タックルオートNo.1、タックル5No.1はギア一緒じゃね?と思ってたんだけど、マイクロセブンC1とキャリアーNO.1のギア比較したついでに入れ替えできるか試してみた。
 キャリアーNo.1とタックルオートNo.1は交換可能。まあタックルオートの樹脂版がキャリアーなので当たり前かな。
 で、あたりまえにタックルオートNo.1のギアもタックル5No.1に入りそうに思ったんだけど、入りそうで入らない。逆は入った。
 昔のアンバサダーとか、組み立て段階で職人さんがピッタリ合う部品同士で組むので隙間とかがなかったと聞いたことあるけど、たぶん同じようにしてたり削って微調整したりもしてるんだと思う。
 大森製作所のサイズ同じリールはギア共通の場合が多いけど微妙にハマらないこともあるよ!ってことだと思う。
 ご参考まで。

2019年3月3日日曜日

おかわりっ!大森で



 大森製作所が世に送り出したダイヤモンドリール達のうち、どの機種が同社史上最高の傑作だったのか?”究極の一台”はどれか?なーんて書くとエラそうだし重くなるけど、そういうのをワイワイ「オレならコレだ」「いやいやアレだ」とやるのって結論あるようでなくって、言いっぱなしでも根拠もオチもなくたって楽しいジャンとおもってサクッと書き始めてみる。

 nori shioさんも書き込みしてくれていたけど、沼の底に沈んでいる濃いめの大森ファンのブログとかを読んでいると、TAKE先生も絶賛、大森最後のインスプール「コメット」が最高とされていたり、大森にしては珍しいウォームギアが滑らかに回る高級機種「プロラインNo.101」こそ大森の最高傑作と推す声もある。ワシの持ってるマイクロ二世301もそれらに並べてよい機種だとはnori shioさんの見解。
 いやいやインスプールならそうかもしれないけど、大森史上最大のヒット作っていったらマイコンシリーズなわけで、マイコン以外はあり得ないでしょと思う人もいるだろうし、アウトスプールなら小型軽量コンパクト、某”カリスマ”ルアーマンも愛用で人気の高いキャリアーSSが一番良いから一番オクで値が張るんでしょ?と思う人もいるだろう。
 以前私は、「生産性に優れて性能もよいハイポイドフェースギア方式、確実な内蹴り式のベール返し、錆びないし小型軽量な樹脂製スリーブの入ったラインローラー、3階建てのドラグ、単純で確実性の高いローター軸のギア直上のラチェットに歯をかける方式の逆転防止機構、ローター軸(と機種によってはハンドル軸)に一個のベアリング。手入れもなしに放置しても塗装が多少やられる程度の耐久性のある素材。小型リールには充分実用的な単純クランク方式の平行巻機構」を備えた、オートベールとタックルオートあたりが小型スピニングの一つの完成形じゃないかとかも書いた。じっさいこれらを大森のアウトスプールの最高到達点だと推す声も目にする。
 このあたりはまあ妥当な線だとはおもうけど、思うんだけど常々私が主張しているように、良いリールなんてのは釣り人との関係性の中からしか生じ得ないモノで、どんなに世間一般に不評だろうが、その釣り人が愛用してきて一番好きならその人の中での一番はそのリールになるんだろう。「俺が好きなんだからコイツが最高!」って意見は客観性を持った説得力はないにしても、大いに頷けるし気持ちは良く分かる。
 私がコレから安ダイヤの「アクションM」と「タックルA」を使い込んでいって、「オレのダイヤモンドはアクションM」とか言い始めても「ハイハイおジイさんそうですね」とウロ入り始めた年寄りをいたわるような目で見てあげて欲しい。


 とはいえ、一般的に大森ダイヤモンドが高く評価される点は、単純な機構に丁寧な設計と適切な素材選定で”必要充分”な、無駄なく実用的で値段も良心的なスピニングリールを世に送り出してきた点だとは言って良いかと思う。
 マイコンあたりはリアドラグにした分やや複雑な機構だけけど、それでも、その後の行き過ぎたゴテゴテしたリール達と比べれば充分単純明快なリールである。最近のリールは原点回帰で軽さとか回転性能とかが重視される傾向にあって、あんまりめんどくせぇ機構は付いてなくて逆転防止の切り替えも省略とかになってたりするけど、そのくせ部品点数としても多くて重く、繊細で扱いにくく防水性とか過剰に求められるようになる「瞬間的逆転防止機構」だけが現代のリールに存在する大きな矛盾点だと私は思っている。逆転防止なんて大森方式のローター軸の部品に歯を掛ける方式でも、それ以前のハンドル軸に設ける方式でも特殊な用途以外には困らないし、カリカリ鳴ろうがガチャガチャしようが慣れればどってことない程度の話である。
 そういう”必要充分”という視点で自分の釣りに照らし合わせて、さっきあげた小型アウトスプールの大森ダイヤモンドの美点をもう一度点検してみる。最初の前提としてアウトスプールを選んだのは、最近インスプールの扱いにも習熟しつつあるけどやっぱりアウトスプールの”ベールを手で返して良い”スピニングの方が馴染みがあるし、そういう釣り人の方が現代では多いんじゃないかと思って、インスプールはまあ語る人も多いのでそういうのは沼の深みに棲む人達にお任せして、私としては”左手でライン放出を調整してそのまま左手でベールを手で返す釣り人”代表として大森アウトスプールについて考えてみたいと思ったからである。
 点検してみると、ベアリングが1個が良いか2個が良いのかっていうのがなかなか難しい問題で、回転性能的にはそんなに差が出ないのはPENNで回らなくなったローター軸のベアリングをハンドル軸に回したら何の問題もなくて、ハンドル軸には回転性能だけ見たらベアリングなんて、少なくとも自分の釣りには必要ないと思っている。ただ、ベアリングの”摩擦が小さくできる”という特性は耐久性にも関わってくるのでベアリングなしだと軸が削れていくのでは困ってしまう。そのあたりは具体的にはベアリング1個のタックルオートと2個のオートベールのどちらを選ぶかなんてのに関わってくる。
 他はほぼ自分の釣りにも有利な美点なんだけどベアリングの他にもう一点、自分の釣りにあきらかにいらないな、というのがあって「確実な内蹴り式のベール返し」がじつはワシにはいらんのじゃないか?と思っている。
 不要なら取っ払える機能なので取っ払っても良いんだけど、重量変わると回転バランスに影響するはずなので”無し”でいくなら最初からない方が良く、部品点数減るのでその分故障箇所や経費の削減という利点が出てくる。
 右手の人差し指でラインの放出を調整して左手でハンドル回してベールを返す釣り人ならベール返しが確実で軽いことは重要でTAKE先生のリールの評価基準でも思いっきり重視している点だけど、そこは人差し指でライン放出調整できないような重いルアーとかも投げる塩分濃いめの釣り人である私には正直関係ないっちゃ関係ない。
 事実、昨年秋にインスプールのリールに慣れた手で430ssgを使って右手人差し指でライン放出止めてハンドル巻いてベールを返そうとしたら、なぜか空振りしてしまい投げ方を元に戻して左手でベール返して釣りは続行できたんだけど、部屋に帰ってから原因調べてみたら内蹴りのベール返しの組み方を間違えてて機能しなくなっていた。おそらく数年前に油ぎれ起こした一方通行のベアリングに注油がてら全分解してグリスアップしたときに組み間違えたんだと思うけど”ベール反転機構なし”の状態で気がつくまで何の問題もなく使用できていたのである。ついでに言うなら4400ssはワシの右手の人差し指じゃスプールまで届きにくいというTAKE先生的評価基準ならダメリールなんである。でも私の中での信頼感と評価は極めて高い。ってぐらい釣り人毎に最適な答って違ってくるよって話。
 実は仕様で”ベール反転機構なし”というスピニングリールなんてのもあったりする。起こすのも返すのも手でやるマニュアル方式。なぜこんな一見”欠陥品”のリールが売られているのか?重量級のルアーを投げるリールで、投げた際にハンドルが回るなどしてベールが反転してルアーが初速のエネルギーを持った状態で急ブレーキがかかりラインが切れたり逆転機構の破損やらが起こるというトラブルはありがちで、私も7500ssの逆転防止機構は2度壊している(それを想定してだと思うけどPENNには音出し式の逆転防止機構が予備に付いているので釣りは続行できた)。ベールを起こす位置を一定にして滑らかな無理ないキャストが実行できていれば起きない”過ち”なんだけどたまに過ちを犯すのが人間というモノである。くだんのリールはエイテックのテイルウォーク”クロシオ”シリーズにあるんだけど、そのあたりの人間の過ちを織り込んで割り切った、実際の釣りの現場が分かってる人が考えた賢い設計だなと感心したモノである。

 ということで、タックル”オート”、”オート”ベールの名に誇らしくその機構を謳っている大森式の”内蹴りのベール返し”なんだけど、大森さんスイマセンそれワシいらんかもしれませんわ。ということで、より単純な外蹴り式のリールが案外良いかもって考えたらどうにもたまらなくなってしまうという”急性大森熱”症状悪化で、実釣でも使用感とか試してみたいならシーバスかなということで、ネットオークションで写真上の「タックル5NO.2」と「タックルNO.2」をサクサクッと落札してしまった。他にも似たようなタイプに「マイクロ7」のアウトスプール版があるけど、これはワンタッチ着脱スプールでベアリング2個とタックルオートに対するオートベールと似たような機種のようで、ベアリング1個の「タックル5」は「マイクロ7(アウトスプール)」の普及版のような関係らしい。
 アホみたいにポンポンとリール買いやがってと自分でも思うんだけど、これがまた外蹴りアウトスプールのダイヤモンドリールって人気薄で1500円と1980円とゴミスピ価格一歩手前のお安さなんである。こりゃあ落札するしかないよね?

 まあ買っちまったモンは仕方あんめぇ。どちらもグリス固まってるのか回転も重いので早速分解清掃実施。特に黒銀の「タックル」の方は普及機だからぞんざいに扱われてたんだろうけど、スプールエッジにも結構傷が入っていたのでハンドドリルで大きな傷はえぐって引っかかりがないようにならしてサンドペーパーかけて、ラインローラーも注油なんかしてもらってなかったようで固着して糸溝できてたのでアロンアルファで溝を埋めておいた。
 パカッと蓋を開けると、オートベール、タックルオートでそろそろ見慣れたいつもの大森式の機構の数々で細かい説明省略。
 ベアリング1個なので、ハンドル軸は真鍮で受けてるけど特に鋼製の軸にも真鍮のはめ殺しのブッシュにも摩耗はないように見える。
 グリスも塗布し直して、さて、左にハンドル付けて終了。と思ったらクリクリ回しても「あれ、入らんがナ?」という感じで填まってくれない。
 愛用していたマイコンTBシリーズやら先頃購入したタックルオートもハンドルは左右兼用だったので、当然そうだと思っていたんだけど「タックル」に関しては左巻き用のネジに交換する必要があるらしい。そのために2枚目写真のようにはめ殺しじゃなくてネジが外せるようになっている。
 「あっちゃー!やってもうた~」という感じである。左用のネジなんて使わなければなくしてしまうだろう。実は紛失防止に「マイクロ7(アウトスプール)」ではハンドルの後ろを延長してハンドルネジの収納スペースを設けている。キャスト時にハンドルが回るのを防ぐ重さ調整のための設計かなと思ってたけど、それも兼ねてるかもだけど収納スペースらしい。ちょっと見た目はイマイチな気がするけどそういう機能があると知ると大森らしい実直な良さのある造形にみえてくる。
 今回落札した2台とも、困ったことに右巻き仕様になってて左巻き用のネジなど付いていなかった。どうすんのよこれ2台も?と途方にくれてしまうのだったけど、でも見たところネジの太さが右にも左にも付けられるマイコン301TBと一緒と違うか?と思ったので試してみた。あっさり装着可能で、私の場合リールを一度に2台使うことはあまりないので使おうと思えばハンドル借りてきて使えるようで一安心。
 と、思わぬ形でハンドルの互換性が判明してしまったけど、実は今回の購入で確かめたかったことに一つに、ダイヤモンドリールのパーツ共有性というのがあって、写真を見る限りスプールなんかは金型代節約のためだと思うけど形一緒で、いろんな機種で使い回せるんじゃないかという気がしていたのでその辺も確認したかった。
 一番下の写真が「タックルNo.2」に「タックル5No.2」のスプールと「マイコン301TB」のハンドルを装着した状態。何ら問題なく部品共有可能。

 ただ、「タックル」と次に分解した「タックル5」は同型機のようで、スプールどころかギアからナニからほとんど一緒。本体の表記が凸ってるのからシールに変わって色が骨董的な雰囲気の青から70年代日本リール風の黒銀に変わった他、スプールのライン止めが省略されてるとかの細かい違いだけ。ネットでカタログ登場年とか調べたところ「タックル5」は1975年からの登場らしく、「タックル」シリーズは1979年カタログには掲載されていて「タックル5」が消えているので色違いのを後継機的な扱いで「初めてのスピニングリールに」と売っていたようだ。部品共有もナニもあったモンじゃない。設計基本一緒。ただお化粧直ししてでも、一番ややこしくないことから値段も低く設定できるこの型のリールを残していたのは、入門者にも優しかっただろうし「タックル5」の愛用者にも部品供給が続けられて良心的だったんじゃないかと評価できる。
 ちなみに「タックル」のベールアームを樹脂製にした「ニュータックル」というのもあったようだ。 

 「タックル5」の方を分解していくと、思った以上に一緒で笑える。さっき見た「タックル」のギアでも平行巻機構のクランクの輪っかの端が右上の方削ってあって、多分蓋を止めるネジの場所に当たるので削ってあんのかなと思ったけど、こっちの部品も同じようになっててフフってなった。ちょっと削らんと入らんかったんだろうけど、新しく金型かなんかを作り直すのが経費かかるのでそのまんまにしてある感じが、人間の手仕事を感じさせてくれてほほ笑ましい。
 両機ともベールアームは金属製で、ラインローラーを縒りが入りにくいように水平に、とかの調整はしやすい。意外に使っていると金属の板で出来た部品は曲がるようでだいぶ曲がってしまっていた。ダイヤモンドリールのベールアームがたためる意義が小さくたたんで持ち運びしやすいという以上に持ち運びの際等にベールアームの変形を防ぐところにもあったんだなと実感できる。
 部品点数は45をちょっと越えるぐらいでとっても少ない。壊れるカ所やらお金の掛かる部品やらが少なくできている感じでとても好印象。
 このあたりから、分解清掃にパーツクリーナーを使い始めたんだけどスプレーするとグリスとか吹っ飛んでいくし、瓶に貯めて漬け置き洗いも頑固な汚れが落とせて作業が捗る。
 そうやって分解清掃してグリス、オイルを入れ直してやると「タックル」もそうだったけどコイツも問題なくクルクルと快調に回ってくれる。「タックル」のほうは全く手入れされてなかったけど、こちらはラインローラーとスプール外して主軸には注油してあって前の持ち主がだいぶ愛用していたと見えるけど、特にギアとか真鍮のブッシュとかに摩耗は見られず、やっぱりベアリングは1個で良さそうに感じる。
 
 出撃準備も整ったんだけど、ダイヤモンドリールのパーツ共有について確認してみたいという目論見は同型機だったのであんまり達成できなかった。おそらくスプールの形式から見て、アウトスプールの場合、同じサイズのワンタッチスプールの機種「プロライン(アウトスプール版)」「マイクロセブン(アウトスプール版)」「オートベール」はスプール交換可能。ワンタッチじゃない「タックル5」「タックルオート」「タックル」「ニュータックル」はこれまたスプール交換可能なんじゃなかろうか?ギアとかについてはひょっとしたら両者で共通の部分はおろか、インスプールともある程度共通しているようにも思う。
 そこまで調べる気はないにしても、スプールの互換性があるってのは蒐集していくとスペアスプールも手に入ることになって実戦投入するには極めて使える情報だと思うので調べて書いておきたい。自分の選ぶべきは普及版の方だと思うので、ワンタッチスプールじゃないほうのスプール互換性があるか調べてみたくなった。っていっても先にあげた4機種のうち「タックルオート」以外は形が一緒なので互換性あることは明らかで、「タックルオート」と他の3機種のどれかが互換性あることだけ確認すれば良い。



 No.2サイズの「タックルオート」を入手しても、逆にNo.1サイズの「タックル5」とかがあっても確認できる。
 サクッと「タックル5No.1」を某ネットフリーマーケットで3000円で購入。だんだん突っ込む金額が上がってきてヤバい感じに感覚が麻痺しつつあるけど、躊躇なく買ってしまった。
 前回の失敗の轍を踏まないようにちゃんとハンドル左に付いているのを確認して購入。上の写真の右がその個体。コレで左巻き用のネジが1本手に入ってネジだけの使い回しも可能。
 でもって、「タックルオートNo.1」とスプールとハンドル交換してみた。真ん中はタックルートの左右兼用のハンドルネジ。同一軸状に右用と左用のネジ山が交互になる感じで切ってあって、初めて見たときに機械にうとい私の場合「へーこんな方式があるんだ」くらいにしか思えなかったけど、これ機械に詳しい人が見るとびっくりするらしい。いくつかのブログで興奮気味に書いている記事があった。
 ナニが凄いのか分からん。ベイトリールの平行巻機構の細かい版みたいなもんじゃないのかと思って、むしろ平行巻機構の方がなんで端まで行ったら戻ってくるのか?同じ方向に回ってるのに途中で止めても行ったり来たりせずきちんと往復する仕組みが理解できん。
 だとしても既に設計してあって使ってるギアの軸の穴に合わせて、後付けでキッチリ左右のネジ山を切るのがそんなに簡単じゃないんだろうなというのはおぼろげに想像できる気はする。普通はPENNみたいに右と左で軸の穴の大きさを変えて、ネジの先の方半分を細くして右用、残りを太くして左用とかに切るンだと思う。いまのシマノの高級機種もそうなってたはず。そもそも高級機種じゃなければ軸の穴を四角や六角形にしてというのがもっと一般的。それを普及品の「タックル5」でも丈夫で緩まないネジ込み方式にこだわって、次には左右両用のネジまで切ってしまうあたりの大森製作所の真面目な機械屋ぶりなのである。
 ちなみに一番下の写真のようにハンドルとスプールは何の問題もなく交換可能。
 「タックルオート」がいけるんなら、ひょっとして樹脂版の「キャリアー」も行けるんじゃなかろうかと試してみたらキャリアーはダメだった。スカートの直径やら主軸の径は一緒で入ることは入るのだけど高さが合わなくて、低い方はワッシャーか何かを噛ませれば使えなくもないかも?という程度。キャリアーは逆に樹脂製どうしで「マイクロセブンC」とかとスプール互換性有るんじゃないかと思うので興味ある人は調べてみてはいかがかな?キャリアーSS2台買うのはちょっとキツい値段だけど「マイクロセブンCS」を予備機に使ってスプール共有とかできれば実戦的かもしれない。CSも充分お高いけどね。

 「タックル5No.1」も分解清掃してやろうとパカッと開けてみると、なんとグッチャリと”グリスシーリング”されていて、前の持ち主の愛用度合いが見てとれて笑みがこぼれる。正直スプール傷だらけとかのリール見ると「もうちょっと丁寧につこたれよ!」とムカつくモノである。
 2枚目は参考までにベールアームの反対側のベールワイヤー支持部の金属パーツ。重量を金属のベールアームと釣り合わせるために結構大きな金属の部品になっている。樹脂製ベールアームのニュータックルとかどうなってるんだろうか?
 笑ったのが、グリス塗り直してハンドル軸のギアを填めようとしたときになかなか填まらずに押しこんでも浮いてくることで、グリスで機密性上がると空気が抜けずに、左巻きなので後ろのキャップが填まった状態では空気圧で押し返してくるんである。精度高いうえに全然削れてないやンけ。
 くわえてこの個体は分解清掃後もハンドル回すとシャーとコーッの間のような音がしているので、最初ギアとか長い愛用の間にさすがに摩耗したのかなと思ったけど、どこが鳴ってるのか部品外しながら確認したらギア関係なしでローターで、それならベアリングかとベアリング買って交換してみたら、クルックルの滑らかな回転になってしまった。
 大森小型アウトスプールにおいてベアリングは1個あれば上等だと得心した。
 ミニチュアベアリングの世界ではトップブランドらしいミネベア社製とまでいかないけどそこそこ良い日本製の200円弱のステンレス製ベアリングで大復活である。
 大森ダイヤモンドぐらいの精度・耐久性高く作ってあるリールなら、故障するカ所も特には思い当たらないし、手元に来た使い込まれていたであろう個体達がべつにギアもブッシュも摩耗してないのとかみると、消耗品的部品であるベールスプリングとベアリング交換だけしていけば普通に100年使えそうに思う。どっかのメーカーが宣伝で言ってたことなんて大森やらPENNやらの耐久性重視した設計の実用機なら、別に今さら言うほどのことでもなくて、「モデルチェンジまで持てば良い」ってな新品で店頭にある時の性能に振りすぎた”その後”のリールの多くが、そういう代物だったってだけだろう。

 ということで、ナマジ的大森ダイヤモンドリール最高傑作は、どうも「タックル5」が”必要充分”に近い気がして、そうなんじゃないかと今のところ考えている。余計なモノはなるべく付けない方がイイ。「タックル」でも同じだけど色が懐かしい感じの「タックル5」の方が好み。
 あとは実際に使ってみて、金属のベールアームが糸がらみとかのトラブルを頻発させないかとか、ちょっとみてみたいところ。まあそんなに細糸つかわんしワシの場合大丈夫だろとは思う。
 そのあたりを確認するためには樹脂のベールアームの「ニュータックル」との比較が必要だ!とまた1台買いそうになって、なんとか寸前で踏みとどまった。樹脂のベールアームで同じスプールが付いている「タックルオート」がその辺の比較には使えるわけで、もっというなら同じような形の樹脂製ベールアームの「キャリアーNo.1」使ってたので既に使用感は”普通に使える”って知ってるだろう。全く油断も隙もありゃしない。くわばらくわばら。

 ということで、私と同じようにベールを手で起こす釣り人の皆さんには、大森の「タックル5」「タックル」といったアウトスプールで外蹴り方式の機種をお薦めしちゃいます。こいつら人気薄で安く手に入るうえに、部品数少なくて手入れも楽だしで、今時のリールに飽きたら、こういう良くできたリールを自分で分解清掃したりしながら理解して愛着持って使うなんてのはとっても楽しいですよと提案してみたい。

 さあさあ、皆さんふかーい沼に一緒に沈みましょう。ヌルヌルしてて気持ち良いですよ。
 現時点で我が家のリール数は制限である90台を3台オーバー。手放す速度より手に入れる速度が速くて困ります。全然へらんがナ。
 次回も大森ネタ「ナマジ痛恨の過ちに天を仰ぐ!」にご期待ください。

2019年2月24日日曜日

やめられないとまらないッ♪ダッイヤモンド♬


 かっぱえびせん風に始まっちょりますけど、今回もスピニングリール熱にうかされての「こんなモンを買った」的しょうもない記事でございます。お目汚しを。
 マニアックなリールネタ、ワシみたいなオタクな人間しか読まんだろうと思ってたけど、もともとこのブログの読者であること自体が相当にマニアックなせいか存外読まれているようで、それならばと遠慮なくスピニングネタ連投させていただく予定。まあ釣り具って魚釣れりゃ良いジャンとも思うけど釣り人ならこだわっちゃう部分だよネということでお楽しみいただければ幸い。写真のリールがなんなのか?は後半あたりに出てくるヨ。



 なんというか、朝起きてネットオークションサイトとかで新着のスピニングリールを確認するのは習慣になってしまっていて、12月ぐらいからかれこれ3ヶ月ぐらい見続けているので、だいぶ目が肥えてきた。
 みていると、案外人気のある機種って限られていて、なんでコレが値段付かないの?ってのが結構あったりする。
 以前書いたようにそういうのでも自分が入札参加すると値段が釣り上がって安くは落札できない。と、羨ましい落札価格を横目で睨みつつ指をくわえていたんだけど、なんか写真写りがイマイチで全然入札されないままのがたまたま目について、ものは試しと入札してみたら開始価格の1500円のまま落札できてしまった。
 人気の大森製作所ダイヤモンドリール「タックルオート」のNo.1サイズである。
 配送されてきたモノは、赤土コマセでも使ってたのか”土汚れ”が付着していたけど、分解清掃したところ機関良好で見た目もそれ程悪くない。
 以前外側ボロッちい個体を500円で落札したオートベールの普及版的なリールだけど、オートベールではワンタッチボタン付きのスプールになるのとベアリングが2個になる程度の違いで、タックルオートは大森ダイヤモンドではお馴染みのハイポイドフェースギアでローター軸のギア直上に歯を掛ける逆転防止機構、真鍮製ブッシュで受けられた硬い鋼製の軸にねじ込むハンドル、樹脂製スリーブ入りラインローラー、折りたたみ収納できるベールワイヤー。という基本機能をそろえた”マイコンシリーズ”以前のダイヤモンドリール標準機という印象のリールである。
 このタックルオートのインスプール版が超人気のコメット、樹脂版がこれも超人気のキャリアーで、タックルオートも大森が一時期値段上がってたときにはだいぶ良い値段してたようなので、今でも状態良い箱入り個体とか2万円近い開始価格のもあったりして、多少見た目アレな個体でも1500円で買えるとは意外だった。
 ハッキリ言って中古市場の値段なんて、リールそのものの価値やらなにやらとはあんまり関係なくて、単に人気があって誰かが使ってるとか、もっとぶっちゃけ値段が高くなっているからありがたがっているっていう泡のような相場で意外に良いリールでも人気なくて安いのはある。
 大森製で今でも異様な値段が付いているのは、コメットGS・G1とキャリアーの一番小さいSSサイズで、他はインスプールのマイクロセブンやウォームギア機のプロラインの小型もそこそこ、オートベールとタックルオートとマイコンのSSサイズもそこそこのお値段だけど、他は普通の多少くたびれた程度の品なら、5千円も出しときゃ買えそうだし、3千円以下の掘り出し物もけっこうある。
 コメットやキャリアーが高止まってるのは、大森が傾きかけて人気が陰りつつあった時代の機種なので弾数がかぎられているのも一因だろう。その逆でロングセラーのオートベールやらタックルオートや高い人気を誇ったマイコンは中古の弾数多いのでよく使われていたNo.1サイズとかは欲しい人間にはあらかた行き渡ってて、当時バス用には小さすぎてそれ程売れなかったと思ってるんだけどSSサイズが、今時の細糸つかったウルトラライトな各種の釣りに応じたリール需要と合致して値を上げてるんじゃないかと中古ダイヤモンドリールアナリスト(経験3ヶ月)としては分析している。
 No.1サイズ、充分小さいし下巻きぶち込めば渓流でも使える、っていうか実際キャリアーのNo.1渓流に使ってたのは以前書いたとおり。PENNで言えば4300ssサイズ、国産リールなら2500番に相当するだろうか?バス釣りにも軽めの塩水系の釣りにも使える汎用性の高い大きさでッセ。
 コメットだのキャリアーだの今更買うんなら、欲しけりゃ買えば良いけど、オートベールだののSSサイズ以外とかを安く買って楽しんだ方が、ダイヤモンドリールの単純でも手を抜いていない良さとかを知るには充分だし楽しいと思うんだけどどうだろう。シーバス用ならNo.2ぐらいが2号(約8ポンド)200mの糸巻き量でちょうど良いサイズか。

 と人様にお薦めするのは、スピニングリール熱が悪化しまくってどうにもならないので、読者の皆様を一人でも多くこの沼に引きずり込んで一緒に沈んで楽しもうという、沈みゆく人間の悪あがきなんである。
 なんせ2月は魚が釣れんかったから、道具いじくってるぐらいしか楽しみがなくって、暇さえあればスピニングリール買って分解して清掃して、クルクル回して「ハ~ッ・・・良いッ!」とかつぶやきながらニマニマしておりましたとさ。

 でもって、もう1000円縛りとかとうの昔に忘れ去って「安くて良いダイヤモンドはないかね」と南アあたりをうろつく宝石商みたいなことを考えながらネットの海をさまよって、またこれがなかなかのブツをゲットしたったですとよ。

 へっへっへ冒頭の写真のとおりリールマニア筋には人気の小型インスプールでっせ。お値段ちょっと張り込んで2200円。また例によって2000円前後の落札価格と読んで2100円まで入れてくる競合者をキッチリ100円差でかわしてハンマープライス!
 上の写真のとおり、れいによって潮カブって放置してました系の表面腐食で左サイド塩吹いてて、機関も不動のジャンク品となってたけど、何度も書くように大森のリールが潮カブって放置したぐらいで使用不能になるわきゃなくて、実に狙い目の美味しい獲物。
 見た目なんてどうでも良いじゃんと、正直思わなくもない。そう思って買ったばかりのアンバサダー5000をリール下にしてコンクリの上に置いてF師匠に「リールの扱い方がなっとらん」とお叱りを受けたりもして、リールは砂埃とか入れば故障の原因だし、そういうことを気をつけてない証拠がリールの傷や汚れなのでリールの外見もなるだけ綺麗に保たねばならんし、道具を大事に扱うのは何事においても基本だと学んでいくんだけど、自分が不注意で腐食させたスプールとかとっても恥ずかしく思うけど、他人が腐食させたり傷付けたりしたのを使う分には平気である。他人にどう見られようが、自分が犯した過ちのせいじゃないのは自分が知ってるので気にならない。オレが赦せるかどうかだけが重要だろ?てなもんである。
 見た目格好いいかどうかは趣味の道具において重要だけど、ピカピカの新品みたいなのがいつでも格好いいかといったらそうでもなくて、古いリールなんてのは経てきた年月に相応のボロさが格好良かったりもするんである。コレクションの価値としては新品箱入り娘が高いんだろうけど、実釣の相棒とすることを考えるなら、ことさらに処女性をもとめる童貞野郎のように未使用とかにこだわる必要などないと思うんだけどね。相棒にするなら相性が大事でそんなもん使ってみなけりゃ分からんって話だろと。中身が大事だろと。
 こいつの名前がまたイカしてて「マイクロ二世301」といって、マイクロセブンの後継機的な位置づけで出したけど、あまり売れなかったのか生産された期間も短そうで弾数少なく知名度も低いようであんまり人気もないようだ。
 いかにも昭和骨董的な雰囲気の大森インスプールの銘板に漢字で「二世」とあるのがなんとも趣がある。メカに漢字っていうのはアニメ「コードギアス」の「紅蓮」のオペレーティングシステムみたいでどうにもオタク心をくすぐる。
 大森製作所にはどうもアニオタいたんじゃないかと疑われる節があって、リールの命名に「タックルファイブ」とか「タックルエース」とかあるのをみると「ボルテスファイブ」とか「ダンガードエース」とか思い出してしまうのはワシだけじゃろうか?もちろん「二世」で思い出すのは「バビル二世」。マイコンは良くわからんけどコメットは「コメットさん」ってアニメじゃないか。ドルオタもいたのか?と疑問に思ってググったら驚愕の事実が発覚、「コメットさん」原作は横山光輝先生やったんや!バビル二世と原作者一緒という原作者繋がりがでてきた。大森製作所には横山ファンがいたのかもという仮説に基づいて横山光輝作品をウィキってみたら冗談のつもりがホントっぽくなってきた。「マイクロ7」の”7”はラッキナンバーでありがちな数字なので「地球ナンバーV7」と関連づけるのはこじつけかもだけど「プロラインNo.101」の”101”を「その名は101」と関係あるとみるのは、他のリールがNo.1とかとなっているのに加え、プロラインがハイポイドフェースギアの得意な大森製作所が高級機種として満を持して放った”遅れてきたウォームギア機”で意外に新しく「その名は101」が「バビル二世」の続編なのと符合しすぎるぐらい符合してくる。ってのは妄想だろうか?当時の大森関係者に誰かその辺聞いてくれないだろうか?まあそんな取材機会があったら他にも技術的なこととかいくらでも聞くことあるだろうけどさ。
 思いっきり脱線したけど分解清掃に話戻すと、左巻き専用機でパカッと蓋を開けると、ギアはいつもの大森ハイポイドフェースギアなんだけど、平行巻機構がギアのある面の空いてる隙間に突き出した出っ張りで上下させる方式。この出っ張りにも真鍮製のスリーブが被せてあって、とにかく回転して摩擦が生じるところにはスリーブかブッシュかワッシャーをというのが徹底されていて、この辺が大森製作所がファンをして”真面目な機械屋”と称され愛される理由だろう。
 もちろんラインローラーにも樹脂製スリーブ入り。
 ここまで大森ダイヤモンドリールを何台か分解清掃してきて、いつも感心させられるのは、ドラグがしっかりしていることで、フェルト製にしてもテフロン製にしても、経年変化による劣化が少なく、グリス塗り直してやれば見事に何の問題もなく使えてしまう。正直、機械部分は人様の説明読んでそうなんだ~と思うぐらいで良く分かってないんだけど、ドラグは単純な機構なのでさすがにライン巻いて引き出してみりゃある程度分かる。
 素材選定において、間違いなく何十年と使う愛用者のことを考えていたとしか思えず、今時の10年そこらで劣化する素材を使ったリールやら、今後も供給されるか定かじゃないというか供給されないだろう、わっけの分からん素材を使ったリールやら作ってる会社は、供給安定していてなんならドラグなんか自作もできるような一般的な比較的安価な素材使って実用性抜群の耐久性もあるリールに仕上げていた大森製作所のリールの、古くなった固まったグリスでも煎じて飲んでおけと説教したくなってくる。イヤーねぇ昭和のオッさっんは説教臭くて。

 ただ、真面目な機械部分については定評あれども、意外にライントラブルが多いとかTAKE先生とかの玄人衆には使用感にダメ出しされてたりもするのがダイヤモンドリールの可愛いところ。
 私などはある程度熟成された後期の製品であるマイコンTBシリーズやキャリアーを使ってたおかげか、そのへんあんまり不満はなくて”普通に使える”としか思ってなかった。
 ただ「二世」となってるぐらいで、このリールは結構そのあたりも改善されているように思う。”一世”のマイクロ7では重量分散でラインローラーと反対側に持ってきたベ-ル反転機構にラインが絡むとかは、その後のプロラインやコメットではカップが深くなって改善されたとTAKE先生解説にあるけどコイツもカップは深め、そしてベールアームのローラー固定しているナットは六角ナットから円錐を2カ所削ったナットに変更、スプールはワンタッチボタンなしのタイプとキッチリ宿題やってきた優等生になってるように見える。あとは実釣でどうなのか試してみたいけど、このリール使うような渓流の釣りに今後いつ行けるのかわからんので、実釣での報告はまたの機会にということで。
 渓流でもメインのリールはどうせPENNだと思うけど、ダイヤモンドリールの地味に良いところはベールが折りたためてコンパクトに収納できるところであり予備機として持っていって使ってやろうと思う。今回紹介した2台も機構は違えど折りたたみ式のベールを備えていて、後期のマイコンとかはベールアームの下のボタンをスライドする方式だったけど、それ以前はベールアームが返ってアタるところの出っ張りを押し込んでベールをたたむ方式になっている。

 とまあ今回、大森ネタでいってみたんだけど、スピニングリール熱こじらせて急性の”大森熱”も発症してしまっているようで、まだ紹介していないダイヤモンドリールが4台もござる。どうすんのよ?
 コレどうすれば治るのか?あるいは不治の病なのか闘病生活はまだまだ続くようなので、次回も大森ネタ連投の予定。
 「使えない大森を2台落札!そしてナマジは途方にくれる!!」にご期待下さい。 

2023年12月16日土曜日

ハンドル長者

 積み上がった整備待ちのスピニング達を精力的に分解清掃しているところだが、ここらで一発回転数を上げて”巻き”でいかないと、今年中ははなから諦めてたにしても、この冬中も怪しくなってきた。あと27台あるけど、いやなことに多分そこそこの速度で増えるしな。

 常々感じているところだけど、過去に分解清掃したことのある機種は、バラし方も組み方のコツも憶えてるので、仕事が捗る。初めての機種でややこしい機構が入ってたりすると当然その逆で手こずる。というわけで、馴染みのある機種だけまとめてとっとと片づけてしまえば、より直近の記憶でやり方を憶えているだろうし、回転数上がるんじゃないかと、今積んであるスピニングのうち、大森外蹴りアウトスプール関連、具体的には「タックルNo.2」、「ニュータックルNo.1」×2、「タックル5No.2」、「マイクロセブンNo.1」を連続して、っていっても一日で全部できるわきゃないので一台やっては飯食って、もう一台やっては次の日にとかやってくんだけど、とにかくこの5台をやっつける。 

 やっつけるんだけど、目ざとい読者の皆様なら「ナマジまた右巻き買ってやがるけどどうすんの?」というところに引っかかるだろう。タックル5No.2は左ハンドルが付いているし、マイクロセブンNo.1はハンドルに左用のハンドルネジが収納されているので大丈夫だろうけど、その他の3台は左用のネジごと購入できたのでなければハンドル左にできないだろうと思った皆様、その通りです。なにしろ安いのが出たら条件反射的にスルリとマウスを滑らせてクリッククリックしてたので、右巻のに左用ハンドルネジが付いてくるわけはない。

 ご心配にはおよびません。ジャーン、大森No.1,no.2共通サイズ、左右両用ハンドル~。って感じでハンドルが手元にございますのよオホホホホ。金持ちケンカせず、衣食足りて礼節を知る、左右両用ハンドル備蓄充分、右巻大森機恐るるに足らず。

 我ながらアホかと思うけど、最初左の3本がイー○イに出てて、セカ○モンでお買いモンのときに、関税掛かる手前までなんか買っとくかというときに見つけて、こりゃ良い!あっても困らんだろう。と買ったすぐに、ヤ○オクでバラで2本出てきて、入札しておいたらどちらも落札という感じで、ヤフオクも1本千円ちょっとしてたし、セ○イモンも送料分足したらそのぐらいにはなるので、このハンドルが必要となるような外蹴り大森小型機って、タックルだろうがニュータックルだろうがタックル5だろうが、タックルが雑誌で取りあげられて一瞬値が上がったことがあったけど基本は3千円も出しときゃ買える。ボロ個体なら持ってけ千円台ってことが多く、そんな安リールに割高なハンドルつけてどうするよ?って気はするけど、綺麗なヤツはともかくボロ個体はワシが一旦回収して使えるように整備して、かつハンドルも左右イケるようにしてやるぐらいしないと、ゴミ箱行きが避けられないように思う。まだ使える大森スピニングをワシャ救いたい。まったくそんな必要も義理もないんだけどそう思ってしまうから仕方ない。

 ということで、5台ワシワシと分解整備していきます。

 まずは、一番酷い状態のニュータックルNo.1。とにかくボロい。ハンドルが回らんぐらいに錆がキツく、コイツは稼動状態に持って行けるか怪しいぐらい。

 でも過去同程度に酷かった「タックルオートSS」は、わりとアッサリ復活したので、何とかなるだろうとCRC666ぶっかけて、ビニールに他のジャンクリールと共に寝かせてたのを引っ張り出してきても、やっぱりハンドルはハンドル外してCRCぶち込んだのにほとんど回らん。大丈夫かコレ?ちなみにタックルとニュータックルの違いはベールアーム。金属製ならタックル、樹脂製ならニュータックル。でも箱書きにしか「ニュー」と付かないのでネットオークションとかでは「タックル」として売られていることが多い。

 いつものようにお盆を用意して分解開始するんだけど、これ思った以上に状態が悪く、過去の事例でコレより酷かったのは丸ミッチェル「314」の最初の個体ぐらいか?

 とにかく錆が酷くて、その錆が粉状に剥がれてティッシュでぬぐうとジャリジャリとした嫌な感触。

 ハンドルも回らんわけである。ハンドル外すとなんか錆なのか砂なのかわからん黒っぽい粒子がみっちりとハンドル軸と本体のハンドル根元の筒状の部分の間に詰まってる。なんじゃこりゃ?スプール外したローターにも茶色いこちらは錆っぽい粒子がジャリジャリに付着している。

 のわりには、本体蓋パカッと開けたら、ギア周りとかは普通に固まった古いグリスぐらいで、このぐらいなら珍しくもない。

 上から4枚目は、ベアリングが片面シール型なんだけど、そのシールを止めてるCクリップを針で突いて外してシールも外した状態。今回ベアリングは交換だろうと思って、苦労して固着気味のベアリングをローター軸のギアごと抜いたんだけど、ベアリングはギア周りと同様、あんまり錆びてもいなくて、シール外して古いグリスとかも落としたら普通に使える状態になった。

 外回りがやたら錆びまくってるけど、中はそれほどでもないという落差。どういう経緯でそうなったのか分からんけど、大森式で本体内にストッパーまで入れて防水防塵性をあげる設計は意外としっかり機能してる気が改めてしている。浸水したらしい丸ミッチェルはさすがに本体内も錆で酷かった。大森もハンドル軸やら主軸に鉄系の素材を使ってるので、ステンレス多用のPENNほど腐蝕には強くないけど、本体内部はある程度守られているので、致命傷にはなりにくい気がしている。

 とはいえ、外回りはあちこち錆はきていて、ベールアームのお尻のローターへの固定ネジは腐蝕して固着していて外せなかった。幸い、”ニュー”タックルはベールアームは樹脂製で錆には強いので、大森金属製ベールアームで良くあるラインローラーナット固着からの”ねじ切り”はなく、ローラーもスリーブ入りなので問題無く外せた。主軸とハンドル軸が鉄系なのでやや錆びてるけど、これは使ってれば滑らかにはなるだろう程度。ちょっと手こずったのがさっき書いたローター周りで、まずはローター自体が抜けてくれなくて、コレ抜けないと交換予定だったボールベアリングに手が出せないので、コレで壊れるなら寿命ということで部品取り個体に、という整理で「ええい、ままよ!」と木槌使ってカンカンやって外した。

 と、だいぶ苦戦したので分解に掛かった時間は約40分、単純な設計のリールのわりには時間食ったけどボロいとどうしても固着外したりとか汚れこの時点で拭けるだけティッシュで拭き取ってとかやってると時間を食うのは仕方ない。

 次にパーツクリーナーと歯ブラシで汚れをシュッシュゴシゴシと落とす作業だけど、これも錆や汚れが酷いと、時に竹串やらマイナスドライバーやら爪やらでこそげ落としつつ進めなければならず時間がかかる。

 パーツクリーナーは揮発性のある薬剤を使っているので台所の端の作業ブースや横着してコタツで作業するわけには行かず、換気しやすい玄関の三和土から階段に上がるところに小さい椅子を置いて階段に物を置いて作業している。

 ギア周りとかの内部は普通に汚れたグリスの除去という感じなんだけど、主軸の台座周りとか、本体と蓋のハンドルの穴周りとかがジャリジャリの汚れが酷くて、このジャリジャリが他に回らないように、部位ごとに分けて混ざらないように気をつけて作業する。

 小さい部品もティッシュで拭き拭きしつつ、ここでしっかり汚れを落としておかないとマズいのでかなり手間暇かかった。約50分ほど。ただココをしっかりやっておけば後の組む作業はボロかろうがそんなに手間は変わらないはず。

 とはいえ、今回はコタツに入って動画見ながらというか聞きながらではあったけど、全ての金属部品と摩擦面にはグリスをグッチャリとを基本に、主軸とラインローラー、ハンドルノブにはオイルも注すという丁寧な作業はそこそこ時間はかかった。1時間ちょっと。ということで、ハンドルも左に付けて、1台目は都合2時間半ほどのお仕事でございました。流石に新品同様の滑らかな回転とはいかず、錆びてる軸が擦れるのかコーッという感じの音がしていてやや重いけど、手に来る気持ち悪い振動が出たりとかはなくて、使ってて慣れると同時に錆びた面が滑らかに磨かれていけば特に使うのに不快なことはなくなりそうで、現時点でもワシなら気にせず使えそう。大森ハイポイドフェースギア自体は特に削れたりしてないようで滑らかなので、軸から一定して出てる小さな異音ぐらいは聞かなかったことにしておける。海なら波の音に負ける程度だろうしな。

 2台目は次にボロいタックルNo.2。これは買うときにハンドルキャップがなくて錆びてるのが見えていて、別機種と2台セットでゴミ処分価格だったんだけど、これはハンドル穴からの浸水で内部錆びてて苦戦しそうだなと思ったけど、実際にブツが来てみたら普通にハンドル回るのでわりとイケる感じ。ハンドルキャップってたまに釣り場で拾うけど(ゴミ拾ってるので地面よく見てる、エラいよねワシ)、ネジ込みとかネジ留めなら落としてもしばらく気がつかずに使い続けることはあるかもだけど、共回りのネジ付きキャップも拾ったことあって、仕舞うときに緩めすぎて落とした時かなと思わなくもないけど、ないとハンドル取れてくるので釣りにならないはずで困っただろうなと気の毒に思う。ただ、ねじ込み式とかでハンドルキャップなくしてもとりあえず巻くことはできる状態でも、そこから浸水するのは見りゃ分かるだろ?ってはなしで、部品取り寄せするなり、なんか填まりそうなモノを、それこそキャップなんで填まりゃ良いのでハメておけって、ハンドルキャップ無しで売られてるような中古を見ると思う。今回は、以前これまたハンドルキャップ無しで入手したタックルオートSSに填めてた椅子の足の樹脂製キャップを加工したものを再利用。こういうショボい部品も捨てないところがまたエラいよねワシ。で、分解はサクサクで固着もなく15分ほどで終了。部品数少ないからね。

 ただ、潮カブって白く析出したスプールの腐蝕とか、回ってなかったラインローラーの錆とか、パーツクリーナーでシュッシュ、歯ブラシでゴシゴシ程度では取れない部分もそこそこあって、マイナスドライバーやら爪やらでガリガリと削り落とす作業は地味に生じて、分解ほどサクサクとは作業進まず45分ほどかかってしまった。
 表面塗装が脚周りとか剥げてて、お色直しするべきか迷いどころだったけど、銘板も剥がしていっちょやっつけるかなと剥がそうとしたら剥げず、なぜかしっかり接着されていたので、そんならまあ見た目はこのままでいくかと流しました。

 各部品が綺麗になったら、グリス塗りつつ組んでくのはそれほど時短できる要素は無く、続けて2台目だから熟練度が上がって早くなったかというとそうでもなくて、普通に1時間ほどかかって、全行程通してでは約2時間となりました。キャップもちゃんと填まってウレタン接着剤で落とさないように接着。
 前回より時間が短縮できたのは、前回時間が掛かった固着を外す作業が無かったので分解が楽だったところに負うところが大。まあでも2時間で全バラフルメンテ完了なら悪くはないかなと。
 前回の鉄系の軸周りに錆が出てたニュータックルNo.1はさすがに巻きが多少重くなってたというのが、今回はベアリングもギアも軸周りも錆びてなくてクルックルに復活したので比較して良く分かった。なんなんだろうねこのボールベアリング1個しか使ってない大森スピニングの滑らかな回転は?ちなみにハンドル軸は両側アルミ直受けじゃなく、鋳込んであるのか填めたのか真鍮ブッシュで受けている。金属本体なのでストッパーの音もチリチリよりシャリシャリに近い涼やかで気持ち良い音。上出来だな。

 お次はニュータックルNo.1の2台目、こっちは普通に使えそうな感じだったのでサクサク行くつもり。分解はやっぱり固着が無ければ15分で終わる。サクサク。
 パーツクリーナー洗浄も35分くらいと良いペース。
 こりゃ2時間切るなと動画見ながらコタツでダラダラとグリス盛り盛りして組み立ててたら、それでもやっぱり1時間ぐらいで合計1時間50分ほど。
 仕上がり快調で、ちょい時間も短縮できたけど、正直3台目で飽きてきた。

 でも4台目は黒いタックル系から青いタックル5No.2に変わるので気分も新たに、って色が違うだけの兄弟機だからやること一緒だけどな。
 こいつはライン付きなのでライン引っぺがすところから始める。”ラインはオマケです”とか書いて出品されてるのは良くあることだけど、使用時間もわからんようなラインそのまま使うわけにもいかず、新しそうなら下巻用に使ったりするけど基本捨てる。オマケもクソも引っぺがすの面倒だしスプール腐蝕してたらバレるしで手間かけてないだけだろって感じで今回も古いナイロン糸なので容赦なく引っぺがす。小型リールだとそれほどでもないけど長尺の道糸の交換とかには専用の”ラインクリッパー”があると仕事が捗る。
 しかし今回は問題発生。
 なんか途中から赤さび色になってきて、ラインが固まっててラインクリッパーのモーターの力では引っぺがせない。なんじゃこりゃ?と思いながらドラグユルユルにしてライン手で引っ張って剥がしていくと、クソ忌々しいことにガムテープで”エコノマイザー”的に嵩上げして糸巻き量調整してやがった。そのガムテが腐って粘着部分が染み出してラインを固めている。苦労してガムテを剥がしたけどスプールの芯のところに小汚く赤茶けたカスがへばりついている。ここまで30分もかかってしまってムカつく。

 ムカついてても仕方ないので分解してパーツクリーナーをシュッシュ、歯ブラシでゴシゴシ。幸いなことにパーツクリーナーはガムテのカスにも効果大でしばらく漬けてから歯ブラシかけたら綺麗に取れて一安心。
 内部は綺麗な状態で、パーツクリーナーの廃液もガムテのカスで赤茶に濁ってるけどわりと綺麗な状態。
 いつものようにグリスグッチャリで仕上げて、こいつは見た目もそれほど腐蝕等もなく機関も快調に仕上がった。苦労した甲斐もあったというものである。
 コイツは売れるかもと一瞬思ったけど、No.2サイズはいかんせん需要が少ない。買った値段ぐらいにしかならん。でも快調な個体を使う人に届けるだけでも意味があるかなとも思うので整備待ちの渋滞が解消したら来年は本格的にリールを売ろう、などという鬼が笑うことを言うております師走の今日この頃。

 ということで、ライン引っぺがしに30分、分解15分、パーツクリーナー35分、組み上げやっぱり1時間と都合2時間20分かかってて、うちラインはぎを除くと1時間50分ぐらいで、このあたりが今のところの限界かな?雑にやっては意味がないのでこのぐらいが適正かなと思っちょります。

 やっと最後の5台目マイクロセブンNo.1まで来た。
 こいつもライン付きだったけどラインクリッパーが存分に威力を発揮してくれて、ライン引っぺがすのに所要時間2分。早い!改めてその便利さに惚れ惚れする。
 そして分解17分、内部も写真のようにそれほど汚れておらずパーツクリーナー40分、組み上げ65分、合計2時間4分ほど。
 微妙に時間がかかってるのは、真ん中写真見るとお分かりいただけると思うけど、タックル系に比べて上位機種の外蹴りマイクロセブンは、ハンドル軸ギア側にボールベアリングが一個追加され、スプールがワンタッチ式採用となってて、その分部品数が増えてちょっとずつ時間がかかっているのである。意外にワシ正確に同じように作業できてるんだなと面白かった。
 ここから時間短縮するなら、一番時間掛かってるグリス塗りながらの組み立てのところをどうにかするんだろうけど、グリス塗り多分メーカーとかの組み屋さんは、熱して液体状に溶けたグリスに部品をくぐらせて表面全体に均一に塗布してるか、液状になったグリスをスプレーしてるんだろうと思うけど、電気ポットあたりを改造してグリス溶解槽でも作るか?何台分も流れ作業でやるわけじゃないから、あんまり効率上がらないか?まあ丁寧に塗ってくのも良い気分なのでそこまでしなくても良いかなとは思う。
 あと訂正してお詫びしなければならん件に気がついた、ちょい前の大森”No.5”ネタの時に「マイクロセブンにも大型機ならではの強化が施されていて、ローターのベールが付く”腕”部分に斜めに張り出した補強部分が設けてあり、いかにも大物仕様といった雰囲気が醸し出されている。」と書いたけど、ごめんアリャ嘘だ、小型機にも同じように補強が入ってる。ワシの目は節穴である。信用しすぎないようにお願いすると共に伏してお詫び申しあげます。ゴメン!
 という感じでやや擦れ傷多めながらも、2個もボールベアリングが入ってるおかげか回転もクルックルで気持ちよく仕上がった。マイクロセブンNo.1は薄い水色も雰囲気あって綺麗で格好いいので一回魚と一緒に並べて写真撮りたいのでそのうち実戦投入したいけど、タックル系もあるので出番作ってやれるかどうか。まあいつでも出せる良い状態で保管しておけるのは悪くないさね。

 という感じで、5台無事使用可能な状態に復帰。良い塩梅に整備完了で満足。満足してるんだけど、ボロくて重いニュータックルNo.1は、回して錆落とししてやりたいので実戦投入予定だけど、せっかくなのでちょいいじくってやりたい。
 まあ来年のシーバスシーズンに間に合えばいいやということで、これもまた鬼があんまり笑わせるなよと言うような話。
 同じ系統の機種を連続してやっつけるのは、確かに手順をハッキリ憶えている間にやれて作業効率的には悪くなかったように思う。後半部品位置確認用のデジカメ写真とか省略してたぐらいである。
 同じ作業ばかりで飽きるということを除けば良い手かなと思いました土佐の一本釣り。
 ということで、次もまた同じような機種が4台ほど溜まってるのを片づけるかなと予定しております。ハンドルもまだ2本あるしな。お楽しみに。