2023年4月29日土曜日

謎のデカアメリール&マイナー大森大放出祭り!

 昨年に引き続き、春のシーバスシーズン不調に沈んでいると、当然のことながら悪い病気が出てくる。もう慣れたけど、いちおうアタイ病気が憎いと言っておこうかしら?

 そんなスピニング熱悪化に拍車をかけたのが、某ネットオークションに1円スタートで釣り具を出している”W○VE”という釣り具買い取り専門店。ここは店舗は買い取りのみで、販売はネットオークション等で行ってるという商売なんだけど、これがマニアがお亡くなりになって秘蔵品が持ち込まれたのか?中古釣具屋がつぶれて在庫が放出されたのか? とにかく、国内のネットオークション等ではめったにお目にかかれないようなレア機がガンガンと出品されて、一時沼の底の方でナブラが立っていた。

 乗るしかない、このビックウェーブに!とワシも参戦。戦果(戦禍)はPENNが青い「スピンフィッシャー704」と緑の「スピンフィッシャー700」、シェイクスピアの「シーワンダー2090EJ」、大森が「カーンTB303」の4台。と使いどころが全く自分でも分からん大型機が勢揃い。TB303はリアドラグを活かしてブン投げ泳がせで、ドラグユルユルでアタリを待って、魚が食ってジージードラグが鳴り始めたらあらかじめ想定してたドラグ数値までギュッと締めてアワセ食らわす、なんてのに使えるかなとも思ったりだけど、他は704は実用性はあるだろうけどインスプール大型PENNということでは706zとかぶるし大きさ的には6500ssとかぶるしでどうにもこうにも。700もまあいい、ハンドル形状がクルリと反転して収納する形になる以前の初期モデルではないにせよ、スピンフィッシャーの始まりの機種なのでPENN偏愛者としては押さえておいてもいいだろう。だがシーワンダーにいたっては、どうすんのこれ?って自分でも思うぐらいだけど、コレが意外にどういう需要か競りまくって、2台同時に出てた時に”2台以上同機種が出たときは明らかな瑕疵がある個体の方が皆落とせそうに思うので競り上がるの法則”を読み切って状態良い方に突っ込んで見事に隙間を付いて落札。したのはいいけどやっぱりどうすんのこれ?

 しかしながら、これでも競り負けまくったので余計なリールをそれほど増やさずに戦禍は抑えられた方だったとも言える。たった4台ぐらいどってことないやね。ちなみに競り負けたのは、様子見で低額入札してたのも含めてPENNが「710」「712z」「720」「430ss」、シェイクスピア「2071」「シーワンダー2080」「シーワンダー2090」×3「スピンワンダー2064」、オリム「トゥルーテンパー727」×2、「トゥルーテンパー707」×2、フルーガー「シュープリーム551」、大森「ダイヤモンドマークⅤ」「カーボンTB303」×2「アルフォード25」×3「マイコンTB302 3台セット」、メップス「スーパーメカ」、とコレ読んだだけで沼の底の皆様にはどんだけケッタイなスピニングが出てきていたかお分かりいただけるだろう。っていうかおそらく当方同様にナブラに突っ込んでたんではないだろうか。そう、これだけの大放出祭りになるとお好きな人は気がついて、ネット上で人山が立つのが可視化できるかのごとき注目度の上がり方で、フルーガー「シュープリーム551」はお気に入りのシェイクスピア2062系同型機なので欲しかったのと、「アルフォード25」はもの自体はダイヤモンドキングと同型機っぽいんだけど、色目がもろに緑白銀のPENNの”グリーニー”カラーでこれは入手せねばと思って、そこそこ気合い入れて金額突っ込んだけど、競った相手全く引く気配なしで火傷しないうちに敗走決め込んで芋引いてしまった。アルフォードは計3回敗退。

 今回異常だったのは、種類数も多かったけど、同じ機種がいくつも出てきて、かつそれが2週以上にわたって出てきたので、1回競り負けてもすぐにリベンジマッチの機会が巡ってくるという「釣り具との出会いは一期一会、迷ったら買っておけ、次買おうなんて思っても次は売ってない」という、釣り具蒐集の道ではワシなど及びもつかん深度に潜られているツーテンの虎ファンさんのお言葉に反する状況が生じていて、正直頭が混乱したまま入札を繰り返していた。幸い人山状態で競り負けが多くて今考えると被害が少なくて済んだけど、入札中は携帯に高値更新の報が入る度にブチ切れて「コレで文句ねえだろ!!」と相場無視の大枚突っ込みたくなるのをかろうじて抑えているような有様。落札したPENN2台はまあ相場どおりで、シーワンダーは結局6台出てきたんだとおもうけど、競り負けまくりつつも、前述したように1台をその中で一番低い落札価格で競り落としたし、「カーンTB303」は3台のうち1台をこれも安値で落札と、頭おかしくなりそうな(おかしいのか?)中でも冷静に切り抜けられたと安堵している。ちなみに「カーンTB303」となってたので、マイコンTBシリーズに樹脂ボディーの後継機があったのか!という全く初耳に水の情報で驚いたんだけど、我が家に来たのを見たらカーボンちゃうやんけ?という金属本体で「カーソン(carson)」ブランドにOEM提供してたマイコンTBシリーズでございましたとさ。”S”の字体が角出てて確かに”b”に見えなくもない。

 一連の出品されたお宝?スピニング達、おそらく海外の釣具屋が潰れた倉庫流れ品をまとめて買い取ったいわゆる”バッタ品”とかじゃなかろうか?個人の蒐集品にしては同じ機種がかぶりすぎている。かつ品揃えがバタ臭い。シーワンダーって600g越える大型機でっせ、こんなもんいくら好きでも6台は集めんだろうって話。ワシ結構好きな方だと思うけど6台はいらん。あと箱入り娘率の妙な高さも個人じゃなくて業者臭い。

 でもって、さてコイツらを分解整備してネタにしましょうか、っていかないのが目下の状況。とにかく整備待ちの機体が多すぎて完全に渋滞起こしている。今回の戦果の4台は2台は箱入りデッドストックっぽいぐらいで状態も良く整備は急がない。急ぎの案件は昨年使ったリールだったけどこれはなんとかカタがついた。ただ、謎の大放出祭りが始まる直前は韓国日吉釣具に端を発してちょっとKOREA方面に症状が出かかってて整備に手間くうリアドラグ機が2台整備待ちで、1台は使うかもなので急ぎたいし、その他にもメイドインジャパンな変なのが3台。さらに物々交換でやってきたアーリーアメリカンな素敵な1台もあり、そして、昨年11月に5台まとめて買って余りにボロいのが多いので、CRCぶっかけてビニールに突っ込んだ上で箱にぶち込み念のためビニール袋で覆ったまま放置中のジャンクリールが静かに眠っている。2台は単純な分解整備だけど2台は欠損ありの手がかかりそうな個体で、もう一台は面白い機構のリールらしいけど錆が酷くてこれも苦戦しそうで、手を出すのが正直おっくう。とはいえ夏になると作業ブース(台所の隅)が暑くて機械油にまみれて作業したくなくなるので、それまでにコリアンな1台と面倒なジャンク5台はやっつけてしまいたい。

 ということで、当面は韓国リアドラグ機と箱に封印されし5台をやっつけてブログネタにしようと思っておりますので、お好きな方はお楽しみに。デッカいシーワンダーとか早くご開帳して内部構造を堪能してみたいところだけど、順番からいって秋以降になりそうな気配になっております。

 ということでボチボチといってみますかね。

※ てなことを書いていたらまたアルフォードが出て来て4度目の勝負!オレたちの戦いはこれからだぜ!! ー完ー

2023年4月22日土曜日

高浮力浮子で、回転数を上げる”延べアジ”戦略

  ワシ近所漁港の常連さんがたの間では「フライの人」っていう感じで認識されている。イヤイヤイヤイヤちょっと待ってくれって感じである。

 フライは冬期のカマス釣るのに一番お金が掛からん釣り方で、かつ安定した釣果があるので選んでるだけで、特別好きでこだわってるわけでもなければ、もちろん得意な釣りでもないという自称”インチキフライマン”であり、それでも悶絶しながらおおいに楽しみつつ年々腕は上げてきてるけど「私はフライマンです」って胸を張っていえるかというと、技量も情熱も全く足りてないと思ってる。
 ワシ本来は「ルアーマン」のつもりである。とはいえ現実的には近所漁港では冬場はカマス狙ってフライロッド、それ以外は通年アジ狙ってのべ竿を握ってるのがほとんどなので、カマスの時期にシャッドキャロ投げてスピニングリールくりくり巻いてたら、知り合いの常連さんに「リール巻いてるの珍しいですね、どうしたんです?」と言われてしまったしまつ。
 イヤイヤイヤイヤ、皆さん見てないだけで雨の日はシーバス狙ってルアー投げてリール巻いてるし、そもそも家では”スピニング熱”の症状が酷くていつでもクルックルですよ。って感じに反論したいところなんだけど、確かに、リールを必要としないのべ竿で釣るマアジも、ここ数年ワシの中で重要なモノとなっているのも事実で、稼動日数的な比率で言えばフライでもなければルアーでもなく、ワシ”のべ竿の人”である。マアジが重要な獲物となっているのは、1人と1匹の餌確保というオカズ釣り面でもそうだし、釣りの技術・面白さを追求するという釣りモノとしての面でも、なかなかに楽しくも苦労させられる”正しい魚釣り”であり日々夢中になって研鑽に励んでいる。

 研鑽の賜物で、年々技術的・経験的な部分は向上してきていて、GWぐらいの中アジが終わって豆アジが見えかける端境期を除いて安定してオカズを確保し続けることができるようになってきた。アジ釣り、釣れる時はサビキ仕掛けに2匹も3匹も掛かってきてクーラーいっぱいとかの印象が大きくて、簡単に初心者でも釣れるようなフワッとした印象があるけど、そういう爆釣日は年に何回かあるかないかのレアケースで、通常は主流のサビキ勢でも短い時合いにパタパタッと釣れておしまい、っていうのがほとんどで、アジング勢などよっぽど腕が良いか、カマスと一緒に回ってる良型のような高活性の群が居る場合以外、こう言っちゃ何だけどあんなもんは”釣りのふりをした何か”でしかない体たらくである。
 その点”延べアジ”は堅い。ワシの釣行顛末記の「海水小物」タグの記事を見てもらえれば分かると思うけど、行ったらうねってて底濁りでダメだったとか以外は実に堅くしぶとく水揚げ目標をクリアしている。水揚げ目標の数値はギリギリ設定ではなく加工消費のペースを考えて抑え気味にしてるぐらいだからというのもあるけど、そのぐらいは余裕で釣ってくることができる。
 いっとき釣れ盛ってた釣り場が、食いが悪くなって釣り人”解散”してしまったような場合でも、延べアジなら釣れる状況が残ってたり、同じ日に同じ場所で釣ってても、延べアジは明らかに時合いが始まるのが早く、終わるのが遅くて時合いが長いので結果かなり釣る釣り人の部類には入ってると思う。

 ただ、好調時のサビキ勢は、棚までドボンと仕掛けを重いオモリで素早く沈めて、デカい浮子で仕掛けを張って、コマセで思いっきり活性上げた魚が食ったら向こうアワセで掛かって、釣り上げたらコマセカゴをコマセ溶かしたバケツにジャボンと浸けて再投入という、いちいちオキアミ刺して、棚までオモリが入ってからも長バリスがゆっくり倒れ込んでいき時間が掛かる”長ハリス長待ち”の延べアジとは比較にならないぐらい回転数が上がる。
 そういうもんだとは思うんだけど、横でポンスカ釣られると煽られる。時合いが長いから後からまくれるって言ったってその時にはサビキの人は終了撤収で居ないんだから勝ち逃げされたようなモノ。同じ時間内で回転数あげて競り負けない方法は無いのか?と過去にもいくつか試したことはある。
 単純明快なのは、のべ竿でサビキ仕掛けを使うという方法で、サビキで釣れてるんだから釣れるはずである。でも上手くいかなかった。なぜかと考えるとコマセの量の違いで、ワシ、コマセって言ってもアジのアラをミンチにしたのとパン粉を主体とした練り餌状のものをコマセ螺旋に少量付けて棚で落として魚の気を引くのが常である。通常コマセサビキの人が使うようなアミコマセ100%カゴいっぱいドカンドカンと投入とは絶対的に量が違うので、魚がそこまで狂ってくれない。
 コマセ買ってくればイイじゃんと思うカモだけど、マアジ一パック200円とかの港町で、1ブロック450円とかのアミコマセ大量投入とか馬鹿臭くてやる気にならん。ワシャ貧乏人なんで、そこまで釣具屋が儲かる釣り方をやる余裕はない。

 でも、食って走って向こうアワセで勝手に掛かってくる状態にアジがなってるから、コマセサビキの釣り方は成り立ってるわけで、それをサビキじゃなくて本物のオキアミを刺し餌に使ってるんだから、コマセ大量投入せずとも食って吐き出さずに走る状態ぐらいには、横でサビキにポンスカ釣れてる時なら持っていけるのではないかと考えた。横のコマセが効いてこちらの魚も多少活性上がるだろうし、ということで普段は浮子のトップをツンと沈めるようなアタリを拾うために比較的細い1.5mmのトップを使ってるんだけど、これだと食って走っても抵抗が小さいのでアワセを入れない限りハリにはかからず、かつ違和感感じた段階で吐かれてしまい”食い逃げアタリ”とよんでいる状態になってしまいがち。食い逃げアタリが頻発するようなときに竿先を上げて道糸を張り気味にしたやると、逃げた魚の走りを竿先が止めてハリが掛かるという小技はあるといえばある。
 なので、浮子のトップに該当する、魚が引くときに沈めなければならない部分を大きくする、つまり径を大きくしてやれば、浮力は押しのけた水の重さに等しいので、浮子を水中に引きこむため必要な力が大きくなり、逃げた魚の走りを浮子の浮力が止めて自動でハリが掛かるというのを狙う作戦。
 まあ、そういう役目なら玉浮子であれば、ぽかっと浮いた部分を沈めるには細いヘラ浮子のトップを沈めるのと比較にならん抵抗になるので好適だろうと、蔵でゴソゴソ玉浮子を探したけど、鮎の餌釣りに使ってた中通しの自作浮子やら、海外土産でもらった道糸を引っかけて止めるタイプの玉浮子やらは出てきたけど、黄色とオレンジのセル玉の”ザ玉浮子”の大きめなのが出てこない。ヘラ浮子外してそのままウキ止めに刺したいので、中通しやらは適さない。ついでに道糸引っかけて止める浮子はなにげに米国名門「サウスベンド」社製だというのに初めて気がついた、値が付くような価値があるわけじゃないけどちょっと面白い代物。写真のように白の側に飛び出してる赤いポッチを押すと下の写真のようにラインを引っかける鉤が出てくる仕組み。

 セルの玉浮子って今時売ってるのか?通販探せばあるだろうけど近所の釣具屋にあるかは心もとなく、仕方ない、作るか。ということで釣り場で拾ってきたゴミの中に、素材として使えそうなハッポーの玉がいくつかあったはずなのでゴソゴソとサビキに手を釣られつつラインゴミから回収。
 コマセカゴに付いてるってことは水中で仕掛けを立たせる役目なのか?なんか分からんけど、ちょくちょく拾える発泡素材の玉を3つほど用意した。
 多分2つぐらいで6mとかの深棚用の仕掛けのオモリを背負うには充分だと思うけど、トップに目印になる小玉が付いてると魚が掛かったらヒョコヒョコ動いて分かりやすいだろうということで、ダンゴ3兄弟的な見た目の完成品を目指す。

 とりあえず、大きい方のオレンジの玉はフジツボだの石灰質の巣を作る多毛類だのの”殻”がこびり付いているので多少綺麗にしたい。こういう石灰質を溶かすには”酢”が常套手段で、観賞魚マニアは石灰分とかが溶けていない硬度の低い”軟水”に棲む水質にうるさい魚を飼うときにはあらかじめ底砂を酢酸で処理して石灰分を溶かしきってから使ったりもする。あと、主夫のお掃除技術として、酢酸の”酸”と重曹の”アルカリ”を使いこなせれば一つ上の掃除上手になれる。
 浮き球は酢に沈めようとしても浮いてきてしまうので、ティッシュを被せてそのティッシュに酢をかけることで全体的に表面に酢を行き渡らせる。
 小1時間ほど放置した後、水洗いしながら爪でカリカリと殻を剥がすようにしてやると、綺麗に取れてくれて気持ち良い。フジツボ付きのままでも風情があって良いかもだけど、道糸のナイロンが削られる気がするので綺麗にしておいた方が良いだろう。
 海中に沈んでた竿とかたまに釣れてるのを見かけるけど、ガイドやらが腐蝕しててもカーボンとレジンとかでできているブランクスは生きてることが多いので、この方法知ってるとブランクス回収して使うことができる。昔アンバサダーを釣り上げて、付着している蛎殻とかとっぱらって整備したら使えたっていう伝説があったけど、ステンと真鍮とかの部品はかなり海水に強いので、アルミの部分さえ酷く腐蝕してなければ実際にそういうことはあり得たんだとおもう。

 でもってあとは、串刺しにして接着剤で留めて完成。
 クシは、浮子の脚にいつも使ってるカーボンの1mm棒、コレに接着剤のつきが良いように玉が来る位置にセキ糸を巻いてから”コニシのSU”で接着。脚の先を浮子ゴムの穴に合わせて若干セキ糸で太らせて瞬着で固めていっちょあがり。
 ダンゴ3兄弟というよりは、江戸娘のかんざしみたいな感じで可愛らしく決まったように思う。

 決まったのはいいけど、はたしてこれ使えるのか?まずは浮子として最低限、オモリ背負って立ってくれないと話にならない。ついでに水面から上の”浮いてる”部分が沈むときに押しのける水の量が”浮力”と等しいので、あんまり沈んでギリギリ先のたまの一部だけ浮いててもらっても作成の意図とあわない。ということで深棚攻略していて釣れん時間帯に浮子スポッと交換してどんな塩梅か試してみた。普段深棚用に使っている浮子はいつもより太目の8mmのバルサ棒で作ってるのでオモリなしで考えると浮力結構あるんだけど、オモリで調整してトップの途中まで沈むところでバランスさせているので、その状態でトップに残っている浮力は、まだ水上にある1.5mmのトップが沈むときに押しのける水の量相当だけなのでたいしたことはない。一方、新作のダンゴ浮子は黄色の玉の半分ぐらいを水面上に出す状態でコレを沈めるには玉半個分+上の小玉の持っている浮力に抗わねばならず、アジが”食い逃げ”で引っ張ったときに充分ハリ掛かりさせるだけの止める力を発揮してくれそうである。

 でもって、実戦導入。隣でサビキ勢がポンスカという状況ではなかったけど、妙に活性が高いのに警戒はしているようで、食い逃げアタリで途中で吐き出してカラ振りにならず、飲んで掛かって上がってくるというような状況に突入した。これは新作ダンゴ浮子の出番だろうと、ちょいハリス短くして試してみると、まさにサビキ勢が釣れてる時の浮子の動きでヒョコヒョコ小玉が動くようになって上げたら掛かってる。ハリス短くして30センチ位の短バリスでも同じように最初釣れたけど、すぐにスレたのかヒョコヒョコッと動いたあと止まってしまいその時点でアワセ入れても掛からない。このとき50に伸ばしたらまた掛かるようになった。
 なんとなくだけど、飲んで走るぐらいのハリスの長さと魚の活性ならいけそうという感触を得ることができた。逆にいうとサビキでポンスカ釣れてても餌で釣ってる自分の浮子に、地味な居食いしてるようなアタリしか出ないなら”高浮力浮子向こうアワセ作戦”はハマらない気がする。
 食い逃げアタリになる状況としてもう一つ思い当たるのが、棚があってないときで、本来アジの居る棚の上で食わせるとすぐに棚に戻ろうとして食い逃げアタリになるっていうのが、食い逃げアタリじゃなくて安定した地味なアタリを出させようとしてて棚を下げると効くときがあるのであるんじゃないかと思っている。
 応用技として、活性高い魚の群のやや上の棚に刺し餌を入れてやってわざと食い逃げ誘発させるというのもあるかもしれない。
 
 いずれにせよ、当初は回転数を上げるために、短バリスで向こうアワセを狙うための浮子を含めた仕掛けの工夫を、ということで考え始めたけど、必ずしも短バリスにはならないような感触で、その時の活性やら状況に応じてハリスの長さは短くも長くもなりそうではある。ただ、隣でガンガンコマセ効かせてくれてる釣り人がいれば、サビキの短バリスで掛かってくるぐらいに活性上がってるのだから、短バリスでも行けそうには思う。今期はすでに深棚でやる回転数が上がらない”長バリス長待ち”の釣りは終わっているので、来期ドボンと7m棚とかにサビキぶち込んでる釣り人に混じって、どこまで回転数上げていけるか試してみたい。

 マアジ釣り、まだまだ”延べアジ”に限定しても工夫していけそうで、近所漁港はアジが良く釣れるので楽しくてならない。
 そろそろ季節的には端境期突入で中アジやや難しくなってきて、そうこうしていると初夏の豆アジの季節がやってくる、バケツの上にハリ外し用のライン張ってこれまた全力で釣らねばなるまい。

2023年4月15日土曜日

リピートアフターミー!オートベールNo.2で学ぶダイヤモンドリールの分解整備

 ハイ、エッブリワン!今日も大森沼の底の方で楽しく溺れているかい?

 なになに、もっと深く潜りたいけど自分で整備するのとかちょっと取っつきにくくて、って何を言ってるんだ良い若い者が!そんなモノは安ずるより有無を言わせないでレッツトライだ!!四の五の言う暇があったら手を動かす!分かったな?

 そんな諸君達にちょうどよい教材となる事例があるので、今日はしっかりダイヤモンドリールの分解整備の方法を学んでいって欲しい。なお今回学ぶ方法は独自の”ナマジ流”なので、専門的な知識のある人からみたら、やっちゃダメなこともしてるかもしれんが、でもまああんま気にするな。ダイヤモンドリールはタフだから全く問題無いぜ。気軽にリピートアフターミーすれば、沼の底の濃い仲間にカモンジョイナスだぜ!

 ということで始まりました、ダイヤモンドリール分解整備講座、講師のナマジでございます。若輩者で恐縮ですが本日は皆様よろしくお願いいたします。

 はい、まずは準備が大事、何事も段取り上手に行きましょう。準備で何が大事かっていえば、とにかく作業する台にする”お盆”これが無いなら分解整備するなっていうぐらいに重要。とにかく細かいパーツが転がってどっか行ってしまうのは、お盆の上に分解した部品を並べていくことでほぼ防げます。というかテキトーな場所でバラしてると組み上げたときに部品が足りなくなること必至。”ほぼ”と書いたのはそれでも”跳んで脱走”系の部品があって、バネがたまに外した途端にピョンと跳ねることもあるけど、鬼門と言って良いぐらいに跳ねるのがCクリップで、始めから跳ねることを見越して、リール本体内に跳ね落ちるような角度から外してやるのが吉。細かい部品をネジとかどこのだったか混ざってしまわないように分けるための小皿もあると便利、パーツクリーナー液に部品を泳がせるのにも小皿有用。でもって、分解するのに必要な工具、ドライバー、スパナ、六角レンチ、細かい作業用のペンチ、場合によってはトンカチなどを用意して、固まった古い油を落とすにはパーツクリーナーとパーツクリーナー用のお盆(油で汚れるので大きめの食品トレーで何回か使ったら捨ててる)と歯ブラシ、ちなみにパーツクリーナーは「モノタロウ」オリジナルのお徳な増量版を愛用。そして何はなくてもティッシュ、あとは綿棒、グリスとオイル、意外と重要なのがデジカメ、というところが主な準備するモノだけど、リールが手に入って道具達の準備ができたらハイ始めましょうとはいかない場合もあるので要注意。錆びまくってて固着が心配されるようなときは一旦CRCをぶっかけまくってビニール袋に突っ込んで結んで数日放置し固着部にCRCが浸透して外し易くなってから作業した方が良い場合もあったりする。まあ、どうにもならん固着はそうやってもどうにもならんけどな。大森だと外蹴りアウトスプールの「マイクロセブン」と同時代の「タックル5」のベールアームの反対側のローターに止めるネジと、ベールアームにラインローラーを留める、円錐に切り込み入れた形のナットが固着外せず後者はねじ切った前科あり。ここで大事な事は固着は無理に外さない、ということか。ラインローラー固定でも使えるけどねじ切ってからベールアームごと再建とか難易度高いのでヤバそうに思ったら放置。あと、購入なり落札なりしたリールが届いて、ハンドル回したりするときも注意。ここでも動かなかったら無理に回さないことが大事。グリス固まったり変なところが腐蝕して固着してたりすると回したら壊れたということもあり得ます。

 ということで、準備もできたのでダイヤモンドリールを代表する”標準機”だとワシャ感じている、大森スピニングと聞いて思い浮かぶような仕様がだいたい全部乗せで揃っている「タックルオートNo.2」を分解しつつ整備のコツやらその機構やらをご説明してみましょう。分解していくときに、先ほど準備するものとして意外と重要だと指摘したデジカメでバシバシ写真撮りつつ作業を進めてください。あとでブログネタにするから撮影が必要ってわけではなく、部品の填まってた位置関係、順序、特にバネがどこに掛かっていたかなんてのは、見たモノを全て記憶しておける直感映像記憶能力でも持ってなければ憶えていないモノで(我が姉が能力者でトランプの「神経衰弱」で一回めくった札は全て憶えていた)、あとでどう填めていいか分からなくなってしまうのはありがちなので、分解時デジカメで部品の填まり方とかを撮影しておいて組むときに分からなくなったら画像で確認する。コレ大事。デジカメのない時代に丸ABU分解して、ストッパーのラチェットをはさむ薄い板のついた爪をどう填めたら良いのか途方に暮れるのは、あの時代にリールをいじった人間の共通体験だったのではないだろうか?

 まずは外し易いところから順番にという感じで進めていく、ハンドル外してスプール外して、でハンドルはこの時代のは分解できないので汚れをパーツクリーナーで飛ばして拭き取ってからグリスとオイルで適宜整備というかんじだけど、パーツクリーナーはイソヘキサンという油をとかす溶媒が主体にアルコールとガソリンという主成分のようで、イソヘキサンは樹脂に悪影響があるようなので、ハンドルノブは今のところ大丈夫だけど、細かいパーツやら接着面には使わない方が無難でCRCで磨いておくか樹脂OKのパーツクリーナーを使用するべきとのこと。ワシャハンドルとか金物と外せない場合を除いてCRCで汚れ落とすようにしている。

 スプールは、裏面のドラグの”音だし”が写真撮っておかないと分からなくなりそうな構造で、バネからのびる針金部分を開いてスプール裏の出っ張りを挟んで、その挟んでできた隙間に音出しの爪の曲がった部分を刺してネジ止めしてある。

 ドラグ周りは、ドラグパッド留めてるCクリップさえ外れればあとは外すだけなので、特に問題はないけど、ここでも順番を写真に収めていないと間違えるかも。良く考えていけば順番分かるはずではある。スプールと一緒に回る底か耳付きワッシャー、と軸に固定される小判型穴ワッシャーが交互に来て、その間にドラグパッドのグリス漬けの硬質フェルトが来るというドラグの基本構造が分かっていれば間違いようはない。スプール座面の赤いファイバーワッシャーはドラグの一部としても邪魔しない程度に機能してるハズだけど、邪魔しないようにするならもっっと摩擦の少ないテフロンとかが好適で、かつ長い期間においては赤いファイバーシートは経年劣化するのでテフロンワッシャーに交換できればしている。この時テフロンワッシャーの枚数変えたりして厚みを調整することで、ある程度ラインの巻き形状の調整もできる。薄くするとスプールが下がるのでそのぶん”前巻き”になる。ドラグパッドもパーツクリーナーにしばらく浸して拭き取って、また浸してと2,3回もやれば古い油が抜けてくるので、乾燥後新たにドラググリスを塗ってやる。

 次に本体蓋をパカッと外してやると、オシュレーション(スプール上下)のクランクのピンが主軸に突き刺さってるのを抜けば、ハンドル軸のギアも抜けてくる。ピンが抜けると主軸もローター軸のギアから抜けて、ローター周りを分解する準備も整う。

 ハンドル軸には力の掛かってくるギアの側に一個ボールベアリングが使われている。同時代の簡易版的なタックルオートではハンドル軸のギアは両側真鍮スリーブ受けとかで、それで小型機の巻きが重くなるとかは特に感じず、あんまりありがたみは感じたことはないけど、本体内なので錆びるような場所でもなく、あって悪いというほどではないと思っている。また大型機ではオシュレーションシステムがクランク方式ではなくハンドル軸の回転から歯車回して減速する方式らしいけど現物はまだ見たことがないので、見てみたいという症状が出かかってます。

 ハンドル軸のギアをヌポっと抜くと、ローター軸のギア直上の歯に掛かる、逆転防止の爪とか、スイッチ関係が見えてくる。

 右が逆転防止スイッチON状態で、本体にネジ止めされた”爪”はバネによってストッパーの歯に押しつけられている。左が逆転防止をOFFにして切った状態で、下げたスイッチから繋がる銅の部品が、爪の歯車に当たるのと反対側のお尻を引っかけて下げることにより、爪は歯車から離れてストッパーが掛かってない状態になり逆転するようになる。バネの巻いた部分はネジの下にあり片方の端が爪を引っかけて歯車に押しつける方向に効き、もう片方の端は本体上部の角の方に引っかかってる。オレンジで囲んだところがバネの各端。というようなややこしい部分は写真に撮っておく感じ。

 主軸も抜けたら、ローターが外せるようになるのでギア含め外していく。ここでちょっと注意が必要なのは、大森スピニングの場合、ローターを留めているナットは逆ネジがほとんどなので、正ネジのつもりで「堅くて回らないな」とグイグイ締めてしまっていると、ネジ山が飛んだりしますのでご注意を。

 でもってローターの下には、ベール反転蹴飛ばし関連と、ベアリング及びギアを押さえてる円盤、銅製の板を曲げた簡易ローターブレーキが見えてくる。

 3箇所のネジを外して、抑えの円盤を取っ払うと、No.1以下のサイズではローター軸のギアの上部を引っ張れば、ギアがボールベアリングごとヌポっと抜けたんだけど、このNo.2ではまずベアリングを上に抜いておいてから、下の本体内部側からギアとストッパーの歯車を抜く方式。

 たまにというか、ちょくちょく本体にローター軸のボールベアリングが固着してしまってる場合があって、錆が酷くなければここでも”無理に抜かない”で放置で良いんだけど、ベアリング錆々とかで抜かざるを得ない場合は、ベアリング壊して外しても規格品のボールベアリングなので本体壊さないようにだけ気をつけて、裏からドライバー当ててトンカチでどついて無理くり外したり、ドリルで穴開けて破壊してむしったりしても、新しいボールベアリングでクルックルに復活させられます。No.1、No.2サイズは共通で外径14mm、内径7mm、幅5mm、No.3サイズで外径24mm、外径9mm、幅7mm、いずれも国産のステンレスボールベアリングであれば数百円程度。ベアリング買うのはモノタロウ便利。

 ローターもローター軸のギアも引っこ抜けたら、本体は残ってる逆転防止関係、爪はネジ止めされてるのを外し、スイッチ関係はEクリップで留まってるので外せばガラのみになる、その後はローター関連。

 まずは、固着しているという触れ込みのラインローラーだけど、実は全く心配いらない。ローラーを留めているネジなりナットが固着している場合は前述したようにヤバい場合があるけど、ラインローラーにはルーロン系樹脂スリーブが入っているので、固着しているといっても真鍮スリーブやまして鉄系スリーブのように錆びて腐蝕して分かれがたく融合してしまっているような固着は起こり得ない。ルーロン系樹脂は錆びないので、CRCぶっかけたりしてつついてみたり捻ったり引っ張ったり、それでもダメならある程度柔軟性もあるので、金属部分との間に千枚通しでも突っ込んで変形させつつ引っぺがせば、剥がれてくれる。形は元に戻る。で腐蝕して緑青吹いて太ってしまってる真鍮にクロームメッキのラインローラーの内側、両サイドを目の細かいサンドペーパーなどで慎重に削り取って、本来あるべき寸法に戻してやって、引っかかりつつも回りそうになってきたら、隙間にコンパウンド(ワシ歯磨き粉で代用してます)塗って輪ゴムでルーターと接続して回して当たりをとって滑らかな回転に仕上げておく。なんら問題無い状態に復活。グリス塗って回転が重いようならオイルをさして緩めてやってお好みの回転具合に。

 ローターにはベールアーム側にベールスプリングとベール折り畳みのポッチが付いている。

 ベールスプリングはトーション2回巻きで、使ってると数シーズンで折れるのはいかんともしがたいところ。バネは作ってもらうか自作して用意して、折れたら交換と割り切るしかない。釣り場で折れてもアウトスプールのリールなら、投げ終わったらいちいち手でベールをキッチリ位置まで返してやるのが面倒だけど釣りが全くできなくなるということはない。インスプールだと手で返せないので難しいけど、釣り場ではしかたないので左手でローターを回しつつベールを手動で起こして釣りしたこともあるけど、それに比べればアウトスプールの場合はなんぼかましである。

 折り畳みのポッチがベールアーム基部の左上ぐらいにあるのが分かるだろうか?中にバネが入ってる先がふさがった筒がローターの穴に出たり入ったりする構造で、普段はちょっと出てベールアームをライン巻く位置で止めているんだけど、ポッチをローター内に押しこんでやると、ベールアームの止めが外れてライン巻く位置を越えてパタンとたためてコンパクトで携行や収納に便利。ハンドルさえたためない今時の高級スピニングさまのようにエラそうに手間やら場所をとらせない親切設計。

 ローターのベールアームの反対側には、内蹴りで”オート”にベールを反転させるための機構が入っている。

 上の写真がベールが返った状態で、下がベールを起こした状態。いずれも側面の蓋をハズした状態。

 ベールを起こすと、ベールワイヤーのお尻の部品にある出っ張りが”リリースレバー”の棒の部分を右に押しやって、リリースレバーの下部がバネをたわませつつ下の写真の矢印のように先がローターの中心に向かって出っ張る。

 その状態で、本体上部、ローターの下に入る部分の蹴飛ばしに、リリースレバー下部の先(写真×部)が回転して、まず軽くローターブレーキに当たりながら接触して、写真下の矢印と逆の方向に各部が動いて、ベールスプリングの力でカションとベールが返る。という仕組み。

 ちなみに、このリリースレバーを左側に寄せているバネがあるんだけど、No.2についてたのは填めるときにちょっと苦戦した写真上のグルグル巻きタイプ。
 大森熱患者には、小型機の眼鏡マークみたいな、バネの片方をネジ止めするタイプ(写真下)の方がなじみ深いかも。こちらの方が上下幅は必要としないけど、巻き数少ないので力と耐久性は劣るのかも。まあ、そのへん適材適所で必要な形に変えてあるんだろうなと思ってます。
 以前いじった「スーパーセブンNo.3」でも上のグルグルバネだったので、内蹴りのNo.2とNo.3のサイズがグルグル、それ以下は眼鏡型、No.4以上は残念ながら触ったことないので不明。大森のこの辺の代表的機種でNo.4かNo.5あたりの大型機は一度触ってみたいところ(使うあてはないけど欲しいモンは欲しいんじゃ)。

 という感じで、ローター周りも取っ払ったら分解は終了。
 パーツクリーナーによる汚れ落とし洗浄作業は、固まってるグリスとかはマイナスドライバーで掘り取って、大まかな汚れをティッシュで拭いてから、パーツクリーナー液ぶっかけて、ひたすら歯ブラシでシュッシュと、細かい所は竹串やら爪やら使いつつ、汚れを落としていく。固まってないユルいグリス汚れならパーツクリーナーのスプレー圧で吹き飛ばせる。汚れが落ちたらセッセとティッシュで拭きまくってしばし乾燥という感じ。
 細かい部品は、ローターならローター関係、ハンドル軸周りならハンドル軸周りと小皿に分けて、小皿にパーツクリーナー液をためて漬け置き洗いすると汚れを落としやすい。
 オートベールにはややこしい機構が搭載されているわけではないので部品点数もそれほど多くないし紛らわしい部品もあまりない。あるとしたらベールアームを留めるネジと反対側のベールワイヤーのお尻を留めるネジが似てるぐらい、ハマらなかったら逆ってだけでたいしたことはない。ややこしい部品が多い機種を分解するときは、デジカメで判別できるように撮影しておくのは当然ながら、小皿多めに用意して混ざらないように気をつけるのが良いと思う。

 で、4枚ある内の1枚がすでに剥がれて逸散してしてしまっている本体の銘板、残ってるのもどうせすぐ剥がれるだろうから、この機会に一回剥がしてしっかり接着し直そうということにした。
 ボディーごとお湯で温めて、接着剤ユルくしてマイナスドライバーでも使って剥がすか?と思ってたら、パーツクリーナーで洗浄した時点で、劣化してた接着剤がトドメ刺されたのか、1枚かってに剥がれてしまい、他の2枚もマイナスドライバーでちょっと突いたらあっさり剥げた。接着剤は茶色く干からびたようになっていて、摘まんでペリペリと剥がせた。
 さて、接着剤に何を使うか?はみ出した部分の拭き取り処理のしやすさとか美観面ではエポキシなんだけど、エポキシは堅い素材同士の接着はペリッと剥がれがち。接着力なら信頼の「コニシのSU」なんだけど、これは逆にはみ出すと乾いてもベタ付いていて始末が悪い。良いとこ取りしたような都合の良い接着剤ないかなと考えたけど思いつかなかったので、仕事を分担してもらうことにした。銘板中央付近にSUをベトッと付けて、端の方をグルッとエポキシで囲って接着。はみ出したエポキシは固まる前ならティッシュで綺麗に拭き取れる。はみ出さない程度に真ん中へんだけSUってのでも行けるカモだけど、端の接着剤が付いてない隙間に塩水入ってとかすると腐蝕の原因になりそうなので、接着はSUに防水はエポキシにまかせた。

 これで、洗浄とお化粧直しも終わったので、あとは”全ての金属面がグリスでグッチャリ”を基本にグリス盛り盛りでグリスシーリング。ローターの乗っかるベアリング周り、ハンドル基部、逆転スイッチ周りは浸水場所なのでとくにグリスを厚く盛ってグリスで浸水を防ぐぐらいの気合いで盛る。ドラグはドラググリス(「カルズ」が手に入らなくなったのでPENN純正をドラグ用に流用)、ベアリングと主軸周り、ラインローラーにはオイル追加で緩めに仕上げる。本体やらローター表面、ライン巻くまえのスプール表面にもグリスなすりつけておくと腐蝕防止になんぼか効くと思います。

 コレにていっちょ上がり。あとはライン巻いて使うなり、棚に飾ってたまにクルクル回して「は~っ、いいっ!」とか見惚れるなりご自由にプリーズ。

 グリスについてだけど、グリスは耐摩耗性潤滑性に優れたリール専用のモノを使うことが常識であり推奨されている。まあそれは基本正しいんだろう。
 ただ、大森とPENNに関しては、そんなご大層なグリスを必要としない。海での使用時のタフさで有名な4桁時代のPENNスピンフィッシャーの出荷時のグリスはただの茶色い”芋グリス”だったけど、ギアが摩耗したとか経験が無い。大森スピニングも黎明期のデカいコンパック「スーパーセブン」のように、亜鉛パーツがボロボロだったという例外除けば、そんな良いグリスが使われてなくてもギアが摩耗していた個体に当たったことがない。「リールのギアにはおよそ過剰なほどの耐久性」という評価も目にしたことがあるけど、それに頷きたくなるギアの丈夫さ。
 だから、ワシは容赦なく耐塩水性重視でとあるPENN使いのかたがお薦めしていた青いマキシマのグリスを愛用している。ギアは何かグリスでさえあればもうそれで充分で、海で使っててやられるのが、浸水箇所であるローター基部からベアリングへの浸水でベアリングが錆びるっていうのが一番防ぎたいところで、それには耐塩水性に優れたグリスが適任だと考えている。マキシマの青グリス使うようになってから”ここの浸水はしょうがないので消耗品”と考えてたベアリングを交換した記憶があんまりない(水没させた714zで一回替えたか?)ぐらいなので、塩水による腐蝕防止にはかなり効いてる気がする。調子悪くなければ外回り注油以外は、良くてシーズン一回とかの”ほったらかし”で塩水で使うのなら、耐摩耗性とかに優れたグリスより、対塩性重視で、ギアはそもそも丈夫なモノを選ぶ。っていうのもありだと思っている。そういうギアがなければ仕方ないけど、何十年も前の設計の、ローター軸のギアが真鍮切削、ハンドル軸のギアが真鍮か鉄系の芯入り亜鉛鋳造の組み合わせのハイポイドフェースギアが充分そういうギアなのに、なにをいまさら多少の軽さだの回転性能だののために、グリスが適切でないと持たないようなヤワなギアを選ばなきゃならんのか理解に苦しむ。

 何回も書いてるけど、某大手の2番艦モデルをうちの”釣りの上手い人”がもらって使ってて、以前の持ち主とあわせても数年程度でギアが摩耗したっていう実例を目にしている。冬には使わないし、渓流のルアーで上流に投げて巻いてくるのにそんな負荷かかるかよ?っていう使用状況なのに、一流メーカーの高級リール様がこのざまか!と思い出す度に腹が立つ。そんな昔の話もちだされても、今の最新鋭のリールは丈夫になってるって言われても、まったく信憑性がない。当時もそのリールは高級さに見合う丈夫さやらを充分持っているような説明だったはずで、最新鋭のリールも同じようなことを謳ってるのだろう。ただ、メーカー側が設定している、言い換えれば市場のお客さんが欲しがっている丈夫さのレベルがとんと上がってないなら、丈夫さが向上していることは期待ができない。要するに「軽い」だの「回転が滑らか」だのばかりが求めてられているなら、同じ丈夫さでより”軽く”より”滑らかな回転”にはするだろうけど、もっというならそれらを数字でハッタリ効かせるための目方やボールベアリング数は競うけど、丈夫さ耐久性は、ヘビーユーザーが数年でぶっ壊すような、素人の使用なら次のモデルチェンジぐらいまでは持てば良いっていうろくでもない基準からたいして変わってないハズである。丈夫にするぐらいならその分素材薄くして目方削った方が売れるので優先順位をそちらに振るのは自然というモノ。まあでも、高級機種は逆にそういう尖った性能のものが正しいのかもしれない。素人が荒っぽく使うような機種は丈夫に作られてるのかもしれない。それならそれで悪くはない。ワシャ買わんにしてもな。ダイワ、シマノ最近はアフターサービスも充実させて道具を長く使う層にも気を使ってきているから、ワシしらんだけで、ひょっとしたら今の最新鋭のリールは本当に丈夫なのかもしれない。でもそれはまだ市場に投入されてから何十年と経ってはいないので、そういう長期間での耐久性の評価がなされていない、今までの傾向からすればまだまだワシにとっては信用できない程度のものである。信用を回復するのって難しいのよ。

 じゃあ、なんで充分丈夫だった何十年も昔のハイポイドフェースギアのままでダメで、ギアの素材をジュラルミン(アルミ)系やらにして、ハンドル軸側のギアまで面倒臭い切削やら鍛造やらで強度稼いでまで軽くする必要があるのか。今回いじったオートベールは充分軽い、4桁PENNとかちょい(だいぶ?)重めだけど、その分耐久性も対塩性も信頼性が高いので、そこは利点が大きいし竿に付けて振ったとき意外に重くも感じないので受け入れられる、それらの充分余裕持った何十年って使えるギアを今のリールに入れれば良いはずである。でもそれをすると間違いなくオートベールのような軽快なリールには現代のスピニングは仕上がらないのである。なぜならこれほど”軽さ”にこだわっているにもかかわらず、根本的に重くなるボールベアリングの多用と瞬間的逆転防止機構の搭載がいまさらやめられなくなっているからである。オートベールのボールベアリングは2個、簡素版のタックルオートなら1個である、でも回転は素直に軽く滑らかで何の不足もない。瞬間的逆転防止機構の悪口はこれまでいくらでも書いてきたけど、しゃくったときにガチャガチャいわないっていう利点しかないのに、重いし繊細で扱いが面倒臭いしでろくなもんじゃない。

 というなかで、妙に軽くしたギアがいかにして耐久性のない、ハイポイドフェースギアの特性をダメにした分かってない代物かを、ワシ、大森ハイポイドフェースギアをいじくってつらつらと眺めながら考えたので、感覚的で根拠になるようなデータが示せるわけじゃないけど、大きな考え方は外してない気がするので、書かせてもらおう。この辺からは、初心者向け整備方法講座ではまったくなく、沼の底のキチガイの妄執の世界である。初心者の皆様は”ソッ閉じ”でも許します。貴君にはまだ早い。読むなら心して読まれよ。

 まずハイポイドフェースギアというのが何者かというところに迫ろうとすると、それ以外のギア方式から紐解きたくなる。このへんはTAKE先生の著書「TACKLE STUDY」にまとめられているので、そのおさらいである。まずは90度回転の軸を変換するとなったら、誰でもそうするだろうっていう円錐と円錐に真っ直ぐ歯を切った”ベベルギア方式”で、とても分かりやすい仕組みで力の伝達効率も良い。我が家にあるリールでは丸ミッチェルがそう。欠点は主軸ハンドル軸が直交するので左右両用にできないのと、ややギアがシャーコシャーコとやかましめ。で、やかまし目のギアはベベルギアの歯を斜めに切った”スパイラルベベルギア方式”になると、ずいぶん滑らかな回転になる。我が家のリールではPENN720zがそう、力の伝達効率が良いのはベベルギア同様だけど、かさ歯車に斜めに歯を切るのは難しいらしいのと、ベベルギア同様左右両用にできないのが欠点。というスパイラルベベルギアの軸をズラしたようなのが”ハイポイドギア方式”でPENNの3桁スピンフィッシャーの中大型機で使われているぐらいしかないレアな方式で、左右両用にできるし、ベベルギア系の長所は持ってるしなんだけど、双方のギアの歯を切って作るのがやはり面倒臭いようだ。もいっちょ左右両用ができるのがナマジも大好き”ウォームギア方式”で側面に斜めに歯車を切った円筒と円盤を軸が直行するように横に並べたような作り。これも通常切削で作るので面倒くせぇのと力の伝達効率は悪くて巻きは重め。ただ巻きの滑らかさと丈夫さには定評あり。世間的にはカージナル33とかなんだろうけど、我が家ではPENN714zシェイクスピア2062系といったアメリール達がこの方式。お好きな人が好きな方式。
 このあたりの方式は、左右切り替えできてスピニングリール向けの方式は作るの面倒くせえ!という欠点を抱えていた。スピニングリールのギア方式において作るのがもっとも面倒臭くないのは、円筒に真っ直ぐな歯を切って、平たい円盤に真っ直ぐな歯を設けた”フェースギア方式”が筆頭で、斜めの傘に歯を切るとかいかにも難しいことはしないので、ハンドル軸のギアを金型使って鋳造で大量生産するのにも向いている。我が家にはないけど古い安物スピニングとかクローズドフェイスリールなんかに使われていたそうな。
 コイツは安モンに使われるだけあって、ギアの滑らかさなど期待できないし、耐久性も悪く、左右両用にできない。でも伝達効率が良いのと生産性が良く安上がりなのは魅力。
 で、いろいろとフェースギア方式には改良が加えられ”歯をせめて斜めに”と”スパイラルフェースギア方式”ってのもあったようだし、シマノ製DAMやら稲村「ロディーマチック825RL」であった、ハンドル軸ギアの方だけ斜めに歯を切って、軸が直交せず左右両用ができる方式(ハイポイドストレートフェース?)もあったけど、これはどうも写真一番下のロディーマチックでもそうだったけど歯が削れてダメだったようだ。

 という中で、スピニングリールの90度回転方向を変えて力を伝えるギア方式において、日本発で世界標準になっていったのが、ハイポイドフェースギアである。
 写真一番上を見てもらうと分かるように、ローター軸のギア(ピニオンギア)は円筒にぐるぐる斜めに歯を切っている。ネジの山作るのと似たような工程だからかさ歯車のような円錐に斜め歯を切るよりは簡単そうに素人でも思う。
 次にハンドル軸のギア(ドライブギア)なんだけど、これは平面的な円盤に斜めの歯を付けているだけで、鉄系の芯を鋳込んではいるけど型に溶けた亜鉛を流し込む鋳造(ダイキャスト)で作れる。
 という生産性の良い作りやすいギア方式なのに、滑らかで力の伝達効率も良い。軸が直交しないので左右両用ハンドルにもできる。
 なんでそうなのか?ギアだけ取り出してどうその歯が重なって回るのか、手にとってクルクルしてみて裏から表から矯めつ眇めつしてみた。
 実際のリールの中では真ん中写真のような位置関係になるけど、歯同士がどう重なるのか、分かりにくいので、重なり具合を視覚的に理解するためにギアの前後と左右を変えて、重なり具合がイメージしやすい位置に持って来たのが下の写真である。円筒状にグルグルと切られたローター軸ギアの歯に、ちょうど良い角度でハンドル軸ギアの歯が重なるのが分かる。
 この時、どちらも斜めに歯が切られているのが肝のような気がする。円筒の曲面と円盤の平面に切られた歯が直線状なら、接する面は極端な話1点の狭い位置になりそうに思う。斜めかつハンドル軸ギアの歯は曲面も持たせているので、その分接する面自体が大きく、また回転する中で滑ってアタる範囲も大きいように思うが間違っているだろうか?つまり、動的な中で接触する面が大きいので安定して力の伝達効率が良く、接地面が広ければ当然摩擦にも強く、接触具合が安定してるから巻きも滑らかなんじゃないか?というのがワシの観察結果からの推定。どうでっしゃろ?
 なので、丈夫に作ろうとしたら接触面が大きくなるように歯の切り方を設計してやれば良いはずで、そうすると巻きも安定する。ただ、接触面が大ききければ発生する摩擦も大きくなるので、巻きの軽さという点では不利になっていく。
 そのへんの設計における優先度のつけかたで、丈夫かつ安定した滑らかな巻きで、巻きの軽さもそこそこという設計で、大森スピニングやら4桁PENNやらの亜鉛使ったハイポイドフェースギアは作られていたんだろうと思う。
 それが”もっと軽く”を、自重においても巻きにおいても追求していくと、歯の接触面は小さい方が良くて、ギア自体薄く軽い素材の方が良い。亜鉛のドライブギアでは接触面があまり小さくなると摩擦で削れて実用的な耐久性から外れていくだろう。なのでより軽量で堅い素材でとジュラルミンとかで鋳造以外の強度が稼げる面倒くせえ方法でということになってきているように理解した。
 亜鉛鋳造なら安上がりなのに、それを捨てて”軽い”っていうカタログ数値でアホでも数字が読めれば評価できる指標を稼いで、どうせ巻くとき軽いっていったって、ルアーでも魚でも引っ張るときには重さがかかってくるので、そんなのラインも巻かずにクルクル回したときの”店頭性能”でしかなく、異様なまでの軽さなど意味ないのに、巻きも軽く尖らせた性能にもっていって、挙げ句の果てに耐久性がおろそかにされている気がしてならない。狭い接触面ではちょっと削れたらかみ合わせが悪くなって回らないとか極端な不具合に繋がりやすいだろう、っていうのが実態じゃないの?違うというなら教えて欲しい。
 小難しいことはワシ分かってないのかもだけど、間違いないのは軽い素材や軽量化技術で今までと同じ強度で驚きの軽さに、とかなら強度は相変わらす足りてないだろうということ。
 何十年も前の設計の、安物ではなかったけど適正価格だった、全盛期の大森ダイヤモンドリールやら、脂の乗ったPENN4桁スピンフィッシャーやらの、芯を鋳込んだ亜鉛鋳造のハンドル軸ギアをもつハイポイドフェースギアは、丈夫だし、安定してるし、充分に巻きも軽いし、重量的にも大森はもちろんPENNでも意外に重いと感じることはない、実用上極めて良い塩梅に仕上がったスピニングだったんだと思う。
 始めて買ってシイラ釣りとかで愛用してたPENNスピンフィッシャー5500ssは、ベールスプリングは何度も交換した、ドラグパッドも何回か入れ換えた、主軸に填まってるスプールが刺さる真鍮製ブッシュが一回割れて主軸ごと交換した。銘板などとうの昔に剥がれ落ちた(そういう仕様です!)。ハンドルの塗装をワシの指が写真のように削るほど使った、ということで、どれだけクルクルしたか察していただきたい。でもそこまで使っても、ギアの摩耗など見受けられない。
 たしかに「リールのギアにはおよそ過剰なほどの耐久性」なのかもしれない、もっと軽く仕上げた設計のリールの方が好きな釣り人も多いのかもしれない。
 だとしても、ちょっとやそっとじゃ壊れないタフなリールに、ワシャ心底惚れ込んでるんじゃ。

 いろんなスピニングに浮気はするけど、最終的にはPENNが正妻、大森が2号さんというところに収束していくと思っている。

 今回”リールいじり”の導入編みたいなことを書いたのは、この楽しさを知ってもらって”スピニング熱”に感染させて沼に引きずり込みたいって思ってるからで、実際リールの整備とか自分で興味持ってやり始めることで、リールの構造や部品のそれぞれの役割や働き、そうなっている意味なんかが改めて分かってくることがあるので、分解もできん、中になんかゴチャゴチャ入ってて無駄に高額になってる高級リール様をあてがわれてありがたがってるのがいかに馬鹿臭いか、そういうのが分かる釣り人が増えたら良いなと思ってます。そうならんと馬鹿臭い道具しかメーカーも作れないので、もっとみんなが自分たちの使う道具がいったいなんなのか?どこから来てどこへ行くのか?とかに興味を持ってくれたなら、お気楽ブロガーの本懐であります。

 ここまで読んでくれた人がいたということは、それが全くの無駄じゃなかったということであり、あなたは既に濃厚接触者で発症待ちだということです。
 発症待ちもクソも、現在進行形で酷い症状に苦しんでるって?
 同志諸君、スピニング熱は不治の病です。あきらめて共に沼の底で楽しみましょうブクブク・・・ああ今日も仰ぎ見る水面は遠い・・・。


※追加:フェースギア機、我が家にも1台ありました。まさに昔の安いスピニングという感じの初期ダイワ製「スーパースターNo.2」。ベベルギアに一見似てるけど、円柱と平面円盤でギアが構成されています。1,450円は当時安モノってほどでもなかったのか?

2023年4月8日土曜日

ゆく川の流れは絶えずして同じ川に二度入ることはできない

 ななな、なんじゃこりゃ-!!

 釣り場から帰ってきて、苦労して修繕して釣り場復帰させた、大森製コンパック「カプリⅡ」を洗おうとして衝撃が走る。近場の釣りがほとんどなので竿にリール付けたまま2本継ぎの竿をロッドベルトで束ねて持ち運んでて、帰ってきたらそのまま外の水道でジャバジャバ洗うんだけど、釣ってるときは明かりつけたくない(魚が警戒しかねず釣り場がバレかねない)ので暗くて気がつかなかったけど、ラインがワンタッチのボタンにグルグルに巻いてしまっている。と一瞬思ったんだけどなんかそれにしては、巻いている部分が長い。ボタンそんなに飛び出てたハズがないので理解に苦しんでたけど、理由が分かってマズいことが起こっていることが判明してゾッとする。これドラグノブが無くなってる。

 普通スプール押さえているドラグノブが無ければドラグ滑ってラインが巻けなくなるかスプールが落ちるなんだけど、ドラグノブが填まってた位置にラインがグルグル巻きになってるのでドラグは効いてないけどラインは固定状態で近距離は巻けるしスプールもおちないので気がつかなかったようだ。写真は普通に巻ける部分15~20mを引っぺがしてグルグル巻きに到達した状態。ドラグノブ落ちた直後にラインが巻くという不幸な偶然が起こってしまったのかと思ったけど、そんな都合の良いというか悪いタイミングでそうそうことが起こるとは思えず、逆にラインが巻いたからドラグノブが落ちたというのが正解かもしれん。ラインがドラグノブの下に潜り込んで巻いてしまい、ドラグノブを押し上げて落としたっていうほうがありそうに思う。

 とにもかくにも無いと困るので探しに釣り場に戻る。途中の道も目を皿にして下を向いて探しつつ、釣り場では3つのポイント、立ち位置的には7箇所で投げたので足下はもちろん、柵から乗り出して投げてた場所もあるので、ヘッドランプで水中も照らして探したけど、足下には落ちてないのは間違いなさそうだけど、水中は暗い時間水位もあるとなんも見えんのでどうにも分からんかった。こうなっては発見は望み薄だけど、それでも一縷の望みにかけて次の日明るい時間の干潮時に行ったけど、降雨で増水してたから釣りに行ったぐらいで流れは結構あったし、アルミの軽くて小さい部品など流れてしまっただろうし、どこで落ちたのかも定かではないので覚悟はしてたけど見つからなかった。犯行に使われた凶器を探す警察のように鋤簾(じょれん)とか使って川ざらいしてしまいたいぐらいだったけど現実的ではなく、泣く泣く泣き寝入り。

 なんでワンタッチの部分を接着剤で固める必要があったのか?と以前の持ち主の意図が分からんかったけど、多分こういうことがあって、落として気がついて回収できたので固めたのかもしれんと思い当たった。なんにしても手間暇掛けて金掛けたリールが使用不能になってしまいガックリ来た。モノはいつか壊れる。釣り具が釣り場で壊れるのとかはある程度覚悟して使っている。どうしても壊したくないなら釣り場に持ち込まずに棚にでも飾っておけという話ではある。とはいえ自らの不注意で落としたことに気付かず、ラインをフケさせて巻いたから起こる不手際が原因だとなると、リールに対して申し訳なくてどうにか復活させられないかと悪あがきを始める。

 まずはパーツ取りにできるような個体が出ていないか、普段毎朝チェックしている国内ネットオークションとかに出てないのは調べるまでもないので、セカイモンでイーベイに出物がないか見てみるも、「86カプリⅣ(デラックススーパー系)」は部品売りさえあるけどカプリⅡはない。そらそうだ、ラインローラーが錆びて朽ちる素材でストッパーが削れる素材だと、使われたらすぐに壊れて生き残った個体は少ないハズで、完品が出てくるとしたら箱入りデッドストックぐらいで、ジャンクで残ってて今さら売りに出るほど売れもしなかったんだろうというのは想像に難くない。ジャンクと部品売りは薄い可能性に賭けて今後もチェックしておきたいけどコリャダメだ感が強い。なんかちょうど良いナットでも探して填まらんかな?填まればあとはスペーサーとか使ってドラグ締めるツマミぐらい何とかなりそうには思ったり思わなかったり、既に死んだ子の歳を数えるに近いような悪あがきに突入してるけど、手塩に掛けた我が子が生きていればいくつになったか親なら数えずにいられないように、ワシも諦め切れん。

 ネジ入ってる道具箱とかさらってみるも大きめのナットって在庫が無くて、ホームセンターまでひとっ走りするかと思って、ふと「待てよ、大森製のワンタッチのスプールのドラグノブならひょっとして填まるのがあるんじゃないか?」と悪あがきしてみる。大きさ的にはNo.3ぐらいかなと、先日いじったばかりの外蹴りアウトスプール版「マイクロセブンNo.3」のを試したらちょっと大きくてスカスカ。やっぱりダメかと諦めかかりつつも毒くわば皿までで一つ下のサイズの「マイクロセブンNo.2」のドラグノブを試したら、オオッ神よ!信じてないけど感謝します!!填まるしちゃんとドラグ締めてくれて機能する。相変わらず下部に隙間ができるのと見た目が致命的に全く合ってないというのは仕方ないとして、釣り場に再度復帰させられそうには思う。とりあえず今シーズンぐらいN川要員で使ってルーロン樹脂製のラインローラーの耐久性試験をしつつ、魚釣って釣り道具としての本懐をとげさせて、あとはドラグノブ外してわが家の蔵でワシが死ぬまで眠ってもらい、運が良ければ純正ドラグノブ入手して復活の目もなきにしもあらずって感じか。

 ということで、しばらくドラグノブは借り物で行くんだけど、浮いてるのでまたドラグノブの下にライン巻いて落としかねない。ちゃんと指でライン放出調整して糸フケないようにしておけよというのはごもっともな意見なんだけど、大きめのリールなのでアタイの小さめの手では指届きにくくてギリギリなの。許して。マイクロセブンNo.2は綺麗な個体でコイツまでドラグノブ欠品にしてしまうのは避けねばならぬ。仕方ない、ボロい個体探すか。と何が仕方ないのか全く分からんけど部品取りできそうな個体の出物が無いかネットオークションとか探してみた。なんとまさにビンゴなシェイクスピア版マイクロセブンNo.2同型機「2410」の”ドラグナット”がイーベイに出てる。しかし円安のおりセカイモン通して購入すると6千円以上となってしまい、何か別のモノ買うことがあったら送料節約できるので関税かからない額まで調整するのに買っても良いけど、さすがに部品一個にその金額はキツい。普通に中古リールが余裕で買える。かつ買うのはマイクロセブンNO.2でなくても、大森製作所の同じドラグノブ使ってる機種、具体的にはオートベールでもスーパーセブンでも問題無い。

 へっへっへ上玉が見つかりやしたぜ。ジャーン「オートベールNo.2」。我が家に新品箱入り娘がいるので2台目だけど、ひーとり娘とやるときにゃ親の承諾えにゃならぬ~♪ってぐらいで、おいそれと使えないのでちょうど良い。何がちょうど良いのか自分でも分からんけど次女なら問題ない。黄色いお店のネット通販で2,657円+送料880円の計3,537円で、カプリⅡにこれまで突っ込んだ金額はだいぶエラいことになりつつあるけど、趣味で楽しんでやってるんだから良いンです。と沼の底からゴボゴボと叫んでおこう。6千円でドラグノブ一個買うことを考えたらお得!れいによってハンドル周りの銘板が片側剥げ落ちて、かつラインローラー固着ということで中古屋価格としては安めだけど、ぶっちゃけネットオークションとかで待てばもっと安いかも。だけど、今必要なので時価で買うしかない。ということにしておこう。

 せっかく我が家にお越しになったので、とりあえずは整備しておくかと、固着してるというラインローラーも予定どおり復活させて全バラし青グリスグッチャリで仕上げたら、銘板ハゲやら小傷やらはあるけど、これまた予定どおり快調に仕上がった。大森ダイヤモンドリールにおいては部品欠損が無ければ、ギアも充分以上に余裕持って丈夫だから摩耗したりしてるのはまず無いし、ベアリングは今回生きてたけど、錆びてシャーシャーいってても規格品なので交換でクルックルに復活する。ベールスプリングが折れるのはこの時代の安全ピン開いたような”トーションバネ”では避けられないけど、バネ屋さんに作ってもらえば交換で復活するし、何なら自作してもいい。

 今回このオートベールをいじってみて、自分が大森ダイヤモンドリールの分解整備について”だいぶ慣れたもんだな”と感慨深かったのと、この機種がやっぱり大森製作所を代表するような標準機だなという思いを新たにしたので、ちょっとオートベールの整備については別途ネタにしてみたい。
 そして、なぜオートベールが”標準機”だと考えるのかというと、大森的なアウトスプールスピニングの基本設計、硬質フェルト製湿式ドラグパッド3階建てのドラグ、丈夫で滑らかなハイポイドフェースギア、使用中にガタがでない左右用のネジ山を交互に切った独特のネジ込みハンドルと、そのためにハンドル軸のギアに鋳込んだ鋼製の芯、丈夫でかつ本体内で浸水などから守られているローター軸ギア直上のストッパー、高らかに機種名で謳われる軽い内蹴り式のベール返し、ルーロン系樹脂スリーブ入りの回転式ラインローラー。収納時折り畳めるベールとハンドル。小型機種には単純クランク方式のスプール上下(オシュレーション)、ローター軸のギアのボールベアリングに加えハンドル軸のギアにもボールベアリング1個。ワンタッチ式のスプールが奢られている。というあたりが必要充分なアウトスプールスピニングの一つの完成形というように感じるからである。それ以前の外蹴りアウトスプール版マイクロセブンには、今のスピニングでは標準装備の内蹴りのベール返しがまだなく、オートベールの同時代の簡素版的な機種であるタックルオートはワンタッチとハンドル軸ギアのベアリングがない分単純で、その後の樹脂系キャリアーやらインスプールのコメットやらへの発展の原型とはなっているけど、設計の順番的には当時考えた一番の設計をオートベールに持って来て、簡素で値段を抑えたタックルオートをそこから作ったと考えるのが自然かなと。今時の大手メーカーみたいに旗艦機から4つも5つも別グレードを用意して、あげく魚種別、釣り方別に特殊モデルまで売りさばくようなことはしていなかったけど、大森製作所も旗艦機種と簡素版っていう品揃えはしていたと思う。外蹴りアウトスプール時代(写真上)にはマイクロセブンの下にはタックル5があってまさに、オートベールとタックルオートの関係と同様で、タックル5はワンタッチスプールじゃなくて、ベアリングも一個、ついでに左右のハンドルネジは交換式でネジ収納部がハンドルにあるのがマイクロセブンのデザイン面での特徴となっててタックル5にそれは無い。後の時代の樹脂製のマイクロセブンCキャリアー(写真下)になると、若干関係は違っててキャリアーはタックルオートの樹脂版という設計で軽量化に振ってて、マイクロセブンCは樹脂製でも耐久性を確保するために補強入れたりした新機軸の設計になっている。とはいえ凝った上位機種と簡素版という関係ではあったと思う。この2機種はどちらもワンタッチじゃなくてドラグパッドがテフロン製のスプールは共通。で、オートベールで完成の域に達した大森ダイヤモンドリールの機構を踏襲しつつ、ドラグを尻に持って来たのが大ヒット作”マイコンシリーズ”ってことなんだと思う。ってなことも今回オートベールNo.2をいじってみて感じたところである。
 
 とまあ、紆余曲折あってなんとかカプリⅡはオートベールNo.2からドラグノブを拝借して、釣り場復帰させることができるようにはなった。
 正直ジャジャ馬が過ぎるというか金の掛かるヤツである。
 でも最近の高級リール様が、いりもせんような遊びの無い逆転防止とか過剰な回転性能とかの他に、売りにしている機能をつらつらと読んでいくと、結局それってヘッタクソでもトラブルなく使えるようにメーカーさんが苦労して付けてくれた機能だよね?ってワシ思いあがってるかもだけど思わずにいられんのじゃよ。まあワシそんなに技術に特化した釣り人じゃないいけど、そこまでしてもらわんくても普通に釣りできるんで、高級リール様のお手を煩わすまでもないのですじゃ。つまりヘッタクソ用のリールなんか使わんでいい身分なので、ジャジャ馬でも楽しめりゃ良いさと思ってます。まあ今回みたいな致命的なトラブルは困るのでこれっきりにしてもらいたいけど、もうさすがに不具合は出尽くしたと思うので使います。どんなトラブルが出るか想定できてれば、防止も対処もできるので、道具は手に馴染んだモノが結局頼りにはなる。なるけど違う道具使うのも楽しいからアタイやめられないの。
 
 もしも最新鋭の高級リール様でないと釣りが成立しないとか感じておられるならば、一度貴兄が釣具屋や釣りメディアに洗脳されてはいないか、あるいは失礼ながら腕がヘッタクソではないか、ご自身を見つめ直してはいかがかと存じます。

2023年4月1日土曜日

2001年と全く関係ない大森の旅

 ここのところ、大森製コンパック「カプリⅡ」、韓国日吉釣具製ルー「ゴールドスピン」×2と、悪戦苦闘のジャンク整備が続いたので、サラサラッとお茶漬け的なもので今日のご飯は済ましておきたいな、という気がしたので語感的には違和感あるけど”あっさり目の大森”で済ませてみました。メインは、また誰も興味がないような、韓国大森製の「ダイヤモンド2001SS」のなんと箱入り娘。その他のネタとしては、なぜかまた買ってる外蹴りアウトスプール版「マイクロセブンNo.3」、ついでに実戦導入したら調整が必要な不具合が早速生じた「カプリⅡ」と、大森じゃないけど昨年シーズン終わって全バラしフル整備しようと思ってそのままだったシェイクスピア「2062NL-2」の4台をいじってみましたので、気付いたことやら参考情報やらって感じのネタでございます。ご用とお急ぎでない方はゆっくりしていってね。

 「ダイヤモンド2001SS」は見たら大森沼の住人なら分かると思うけど、韓国大森製で安っぽいし色も変な茶色だし、なんでこんなモンを買ったのか?と思うかもだけど、箱入りで取説保証書付きで1500円送料込みだと、さすがに箱書きやら取説やらの情報欲しさもあって思わずマウスが滑ってしまったのである。アタイ病気が憎いのか何なのかもうよく分からないノ。

 でもたいした情報は拾えなかった。値札は意外に良い情報で、上州屋で売ってたっていうのがポイント。大森製作所が上州屋に身売りしたのが90年代初めのはずで、その直後に同じような茶色い「ロングマイコン」を今は無き渋谷のジャンボな上州屋のワゴンで見つけて、ワシ「大森ダイヤモンドブランドが残ってまた良いリールを作ってくれるのを望むなら買って支援せねば!」と1台買っている。っていう記憶があるので90年代半ばの製品だと推定できる。機種名に”2001”とあるけど2001年製では全くなくて、「2001年宇宙の旅」的に未来のリールっていうような意味合いの名前なんだろう。たとえ実際には未来的でも何でもないダイヤモンドリールの出がらしのようなリールだとしてもである。

 保証書にも箱書きにもどこにも、製造元の住所やら連絡先の記載がなくて、保証書には「修理はお買い上げ店にお申しつけ下さい」となってて、まあ上州屋でしか売ってないからそれでも良いのか?っていう感じ。箱裏に小さく「MADE IN KOREA」とシールが貼ってあるのは当時の韓国製工業品への信頼感の無さが偲ばれて味わい深い。

 同シリーズ2機種あったようで、この「SS」は175g、さらに小型の「M」は150gと樹脂製で小型軽量なのは評価できる点ではある。いらんもん付いてないから軽い。まあ全体的な仕様としては以前紹介した「ダイヤモンドキング」に近い。細かい違いはあるけど概ね似たような設計。というようなことが分かる程度の箱書きその他において、唯一「箱入りで買って良かった~」と思ったのが、このどういうセンスしてたんだろう?っていう茶色系のボデイカラー名が判明したことで”小豆メタリックカラー”だそうだ。ツボに入って腹抱えて笑った。アズキ色だとは思ってたけどそのまんまという感じ。なんでこの色になったのか?っていうのは奇しくも今回前後してシェイクスピアの「2062」をいじって「ひょっとしてコレのイメージじゃね?」と感じたところである。アズキ色のリールってシェイクスピアの2062系2052系界隈ぐらいしかない気がするし、シェイクスピアと大森製作所は切っても切れない縁でもある。関係ないか?

 でもって、購入時右巻になってたのを左巻きにしてからクリクリして不具合ないか確認していくと、逆転防止が効かない。まあ何度も書いてきたけど、逆転防止が効かなくなってるのは単なる組み間違いが多いので気にせず分解清掃に入っていく。

 とりあえず効かなくなってる逆転防止からみていくと、案の定外れてて填め直してはみるんだけど、填めても押しつけが弱くてカカカカッっとか掛かり切らない感じで逆転してしまう。これ明らかにバネが大きさ合ってなくて、本来なら爪の下のフリルの付いたスペーサーにクルッと巻き付くべき巻いた部分が、思いっきり軸より直径が大きくて左の写真の様に下にずれて傾いてしまってる状態で、そのままでは爪を逆転防止の歯車に押しつける力が足りない。タチウオハリス用のステンワイヤーでちょうど良いのを作っても良かったけど、面倒くせぇのでギュッと開いてやって、爪に掛かる部分が抜けないように角度キツくして填め直したら正常に機能するようになったのでとりあえず良しとしておいた。多分大きさが合ってないのは、他の機種用とかの余ってた部品を流用してとりあえず填まるからまあいいかという感じで出荷しているんだろうと思う。爪の下部にサイレント化するときのバネか樹脂パーツが引っかけられそうな凹部があるのも、多分他機種からの流用っていうか余り部品をぶっ込んででっち上げてるんだろうってのが想像に難くない。先ほど”出がらし”と書いたのはこういうこと。ヤレヤレだぜ。

 タップネジがネジ山ナメりそうになってるのも安パッチいし、ベール返しの蹴飛ばしがダイヤモンドキング同様、樹脂製本体そのもので金属製のガード兼簡易ローターブレーキが無いのも残念な仕様。

 タップネジがダメってならキャリアーもダメッて話で樹脂製の高級機ではないリールなら、不人気実力派マイクロセブンCシリーズのように金属雌ネジ入れたりしないのも、軽量化の点では有利だしダメとまでは思わないけど、ベールアーム受けとかが、樹脂製ローターの方で受けさせてて、止めているのはタップネジってのはさすがに耐久性的に不安で安っぽいと感じざるを得ない。同じ樹脂製でタップネジ使用のキャリアーではベールアーム受けるのは専用設計のネジのネジ山を切ってない円筒部分で受けているので、樹脂で受けるより耐久性には優れていて安心設計。

 とはいえ、ステンの打ち抜き2枚の安上がりで丈夫なストッパーの歯車とか丈夫そうだし、真鍮のローター軸ギアに、ネジ込みハンドルにできる鉄系の芯を鋳込んだ亜鉛鋳造のハンドル軸ギアとかは、これぞ大森ハイポイドフェースギアっていう設計を踏襲し受け継いでるし、小型のスピニングに単純クランク方式のスプール上下(オシュレーション)機構とかは、量販店の店頭で4080円で売られてたリールなら上等だろうし、ドラグが硬質フェルト湿式3階建てで良いドラグなのは、”でがらし”でもそこは大森ダイヤモンドリールなんだと感じたところ。ローター軸ギアがダイヤモンドキングと違ってスポンと抜けて整備性が良いのも悪くない印象。ベール折り畳み機構が省略になってしまったのは残念だけど、値段もそんなに高くないことと考えると、それなりに使えるリールにまとまっているのかなという気はする。ちなみにラインローラーはセラミックの直づけ回転式。ルーロン樹脂系スリーブ入りが大森熱患者としては欲しくなるけど、同様の仕様のキャリアー使ってて削れたとか不具合は生じなかったので、滑りの良いセラミックラインローラーは直づけでもあまり金属を削らないのかもしれない。

 ということで、青グリスとダイワリールオイルⅡでいつものように仕上げておきましたとさ。

 なんだけど、小型のスピニングは蔵に豊富にあったりするので、コイツ使うならマイクロセブンCSとか、何ならダイヤモンドキングミニという手もあって、また余計なモノを買ってしまったという気がしないでもないけど、この辺の”チープ大森”はワシが書かんと誰も書かんだろうし、”大森ダイヤモンド”が消え去る間際のリール達には、なんか見てて切なくなってくるような実態もこれあり、誰も読まんとしてもせめてワシとしては書きとめておいてあげたい。丈夫な大森ハイポイドフェースギアにまともなドラグという心臓部はちゃんと継承されているし、軽さも評価はできるので、キャリアーSSは使ってみたいけど、何万も出せるか!っていう人は2,3千円も出せばまず買えるので、軽さとギアの感じだけ体験してみるのに試しに買うのはありかなと思います。逆転防止のバネだけちょいと調整必要だけど実釣で”使えない”リールではなさそうに思うところ。

 で、お次は、なぜまたナマジは外蹴りアウトスプール版「マイクロセブンNo.3」を買っているのか?説明させてください。以前「スーパーセブンNo.3」を入手したおりに、マイクロセブンNo.3とワンタッチスプールが互換性があるというのは確認できて、換えスプール体制できたなと喜んだわけだけど、以前から我が家にあるマイクロセブンNo.3は初期の深緑の”グリーニー”な個体でスプールまでその色なので、イマイチ黒のスーパーセブンのスプールとしては色目的にしっくりこなかった。という状況の中、ポーンとネットフリマに2200円というお値打ち価格で1台出ていたので、黒ボディーにシルバースプールはよくある配色だし問題無かろうということで、スルッとマウスが滑って確保。分解清掃してみるとなんと、左巻き用のネジがハンドル後方?のネジ収納部に入っておらずちょっとガッカリだったけど、元々スプール要員で買ったわけだし、必要なら左巻き用ネジこっちに持って来ても良いので気にしないで右巻で整備しておいたんだけど、2箇所固着があってやや難儀した。ベールアーム反対のローターに填まる金具の固着はネジ山なめそうな気配がしたので放置しておいたけど、ローター軸のボールベアリングはシャーシャー鳴り始めてるので、現状使えるっちゃ使える程度だけど、今後ベアリング交換が必要になることを考えると固着は外しておいた方が良いなと、ボディ側からマイナスドライバー突っ込んでベアリングにあてて、木槌で小突いたらシーリング用のステンレスの輪っかはさすがに壊れたけど、ベアリング自体は外れてオープンベアリング状態でグリス盛って、固着しないように周りにも盛って整備しておいた。外蹴りで部品数少なく、丈夫で余計なモノが付いていない何度見ても良いリールだと思う。

 でもって、お手入れ関連の現場導入組の2台。

 アズキ色のシェイクスピア「2062NL-2」はなにげに超優秀。実釣面での実力は昨年秋に証明したところだけど、整備性の面でもアメリールらしい簡単さ&放置上等で極めて優秀。昨年秋にシーズン終わって全バラしフルメンテしようと思ったけど、整備待ちのリールが片付かなくてこの時期になってしまったのに無問題。シーズン中水道水ジャバジャバ掛けて外回り注油だけだったけど、どこも錆びてないし浸水らしい浸水もしてないようで、これなら分解清掃必要なかったぐらい。日本じゃ人気ないけどこのアズキ色のリールは買って間違いない。買ったらドラグだけ純正の皮パッドが干からびてたりするので適宜入れ換えてやれば、インスプールスピニングとして最強級の実用性を発揮することを確信する。渓流には小さい方の2052系の方が良さげだけど、2062系はC4クラスでシーバスにちょうど良い。ベールアームの反対側のベールリリース周りにラインが絡んだりしないか最初不安だったけど、よっぽど糸ふけ出したりしないと絡まず普通に使ってる分には大丈夫。2062系は4台も買ってしまってるけど売る気がなくなるぐらい気にいった。

 でもって、問題児のカプリⅡ。ルーロン樹脂製のラインローラーは意外に大丈夫っぽくて、一時間強の出撃3,4回では溝も掘れてないし特になんともなってない上に”なんちゃってツイストバスター”はやっぱり効果あるのか糸ヨレも気にしなくて良い感じ。わりと調子良いじゃんと思ってたら、なんか逆転防止が効かなくなってきた。最初ちょっと掛かりが悪い時があるなぐらいに思ってたら、気がついたらカリカリ鳴っててストッパーが稼動してるのに爪が掛からず常時逆転可能になってしまった。どういうこと?と分解してみたらストッパーの爪が掛かる部分がギアと一緒に亜鉛鋳造なんだけど、これが山が削れて低くなって爪があたってるけど掛からなくなってる。爪の方は鉄系の堅い素材で歯車の方が負けて摩耗してしまったようだ。写真は在りし日の正常な状態で、右側のギア裏、工場マークみたいなどっちの回転でも刃が引っかかるはずの凸部分が角が丸まって低くなってしまっていた。まだ凸が完全に平坦になったわけではないので、爪をもう少し内側に出るようにすれば引っかかりそうなので、爪の根元を削って調整したら上手くいった。ただまた同じようにカリカリ鳴らしてリール巻いてるとまた同じように削れていくのは明白なので、今後はミッチェル式でストッパーは外して使って、タモ使うときとかハンドルから手を放すときだけストッパーを掛ける運用でいかざるをえない。

 2001SSは”出がらし”だったけど、”カプリⅡ”は錆びて朽ち果てる鉄系ラインローラーといい、カリカリ巻いてると削れていく亜鉛製ストッパーといい、後の大森製作所にみられるような適材適所な素材選定の部分がまだ”煮詰まってない”段階のように見受けられる。やっぱり大森製作所も最初っから我らの愛する”大森品質”だったワケじゃないってことで、いろんなリールのマネから始まって、試行錯誤繰り返してだんだん上手にリール作れるようになっていったというのが見て取れる。概ね「マイクロセブンDX」の時代(1960年代まん中頃)から「マイクロセブンC」の時代(1980年代まん中頃)ぐらいまでが、ハズレの少ない大森製作所的黄金期なのかなと思ったり思わなかったりしてます。写真は蔵ひっくり返してて出てきた1985年の大森製作所カタログで、コレ見るとマイコンシリーズが基本の樹脂ボディー”100”シリーズ、ウィスカーチタンカリ仕様の”ウルトラ”シリーズ、ツイストバック搭載の”300TB”シリーズとあり、それぞれ米国流行のトリガーモデルがあって、ついでに公式でも「フィールドの実力派」「個性豊かなダイヤモンドリールの中で、地味ながら忠実」と地味な実力派扱いのマイクロセブンCシリーズと、似たような機種の派生が増えてて若干とっちらかり始めた気配はあるといえばある。とはいえマイコンTBシリーズ(85'新発売)とマイクロセブンCシリーズはワシの”推しリール”なので、この辺までを黄金期に含めたいところ。(アレッこの時代ですでにTBシリーズ以外樹脂本体ということは、大森製作所最後の金属ボディーのスピニングはマイコンTBシリーズだったのか。UPフィットとかアルミスプールの機種はその後もあったけど金属ボディーはないよね?)

 結局なんでも一緒で、釣りでももろにそうだけど、最初から上手くできるわきゃなくて、上手い人の真似して、試行錯誤を繰り返して、経験踏まえて、改良加えて、ものごとって上達していくんだと改めて感じましたとさ。