2026年10月17日土曜日

迎撃準備完了!?

 軍事力が典型だけど、人間って未来のことが心配になると、空がオレの胸に落ちてくるかもって不安でたまらなくなるぐらいで、過剰なぐらいに備えがちである。ケセラセラとかケンチャナヨとか気楽に構えておけばいいものを、あるいは未来はナルホイヤだから、今から準備したところでどうしようもなく、その時になって必要なことをするのみと割り切れば良いものを、未来の不足を想定して、そんなもん未来にどんな不足が生じるか不確定ななかで不安がって準備を始めるとエラいことになる。海水温上昇に伴う”紀伊半島南の海化”を迎え撃とうとして”強い”ミノーを求めた結果の惨状がどうだったか、読者様の中には憶えていらっしゃる方もいるだろう。そうではあっても、その準備過程で試し投げしていたミノーがなんか良い魚に食われるという事象が生じており、準備するのに早すぎるということはないし、待ったなしであると思わされたのもこれまた事実。

Fマグ3kg強、ロングA約3kg、インビン2kg弱

 ミノー軍団については、ミノー買いまくってた時にも書いたけど、まあラパラ「Fマグ」各種、ボーマー「ロングA」各種、ニールズマスター「インビンシブル」各種が在庫充分なので、それだけでも間に合うだろうというのが冷静な見方というものだろう。しかし、ミノーで間に合わなくなるような、「とにかくアピール力で勝負!」「もっと深く!!」という場面で、ミノーよりも太いボディーで浮力や水押し力で優れるクランクベイトをと考えるのは、ルアーマンのモノの考え方としては至極当然だろうと思う。後者においては、深く潜るためのデカいリップを備えるには浮力の大きな容積の大きなボディーのクランクベイトが必要なのはルアーの設計上自然な流れで、実際に「根魚クランク」において、ディープクランク達には活躍してもらっているところ。前者のアピール力強化という面では、ミノーの”長さ”という視覚的要素はアピール力において無視できない要素であり、ミノーにはミノーのアピール力があるとは認識している。とはいえ、大型クランクベイトの強力な水押し力、水掻き力、激しい動きとラトルとの相乗効果というものはまた別格のアピール力を持っているのは間違いなく、ミノーのアピール力で足りなくなったら、クランクの出番とワシが考えたのはある種避けられない流れだと思う。まあ、ポッパーとか水面系もあるけどそっちは備蓄もあるしでとりあえず不用意に触らない。

こいつらまだまだ子供サイズ
 ということで、マウス滑りまくっている状況を、これまでもご報告してきた次第であるが、紀伊半島が南の海化した際に迎え撃たねばならない大型根魚、大型フエダイ系、大型に育ったメッキ系を迎撃するためのクランクベイトの体制が、やっとのことで整ったのでご紹介しておきたい。すでに大型根魚用のディープクランクについては実戦配備され戦果を上げつつある状況なので、それはここでは割愛させてもらって、港内や河口域の浅場を想定した、強いシャロークランク?達の布陣を主に紹介したい。

 とりあえずクランクベイトの”強さ”の大きな要素が太い本体の容積が押しのける水量に起因する”水押し”であるからして、ある程度以上大きめのに絞られる。まあぶっちゃけ小型のが必要な状況ならピーナッツⅡ軍団と”おっぱいおっきい地味メガネねぇちゃん”ことマジェンダ投げときゃ良いんだろって気もする。となると、具体的にはバグリーの「バルサB」でいえば「B2」、スクエアビルクランクの新基準であるラッキークラフトUSAの「RC」シリーズとその後継「LC」シリーズでは”2.5”クラス、長さでいえば7センチぐらいから上の大きさになるだろう。それ以上の大きさを全部で4段階に分けて、今回ルアー図鑑第96弾では紹介してみたい。

 では早速、”B2級”からいってみよう。まずはB2は使わない。なぜならB2って真鍮リグの時代のはしらんけど、ドミニカ製B2だと、フロントフックのアイはオモリと一体になったリグを埋めて接着してるだけのようなので、ぶっ壊されていざというときに魚に逃げられる恐れがある。代わりとして、そういう欠点を解消してあるのがワシの自作の「パクリ-2(略称P2)」である。 見た目はパッとしなくても実釣能力的には詰めてあるつもり。そして、まあプラ製のスクエアビルクランクという流行を作り出した源流ラッキークラフトUSA「RC2.5」&「LC2.5」はその先駆性に敬意を表して使ってみたい。でストライクキング「KVD2.5」はぶっちゃけラッキークラフトの真似なんだろうけど、でもディープクランクのXDシリーズとかとも共通するノペッとした表面塗装でストライクキングと一目で分かる個性があるのは評価する。性能的にもラッキークラフト製と遜色ないぐらい良く動く。で、これまであげたクランク達はノンラトルである。まあ”強さ”を求めるならラトルという要素も無視できないだろう。ということで、昔から樹脂製クランクはラトルインがお約束なので、古めからこれまたストライクキングの「リトルS」を選んでみた。表情が気に入って気がつけばなにげに5個在庫するにいたっている。ラトル有り2つめは国産シャロークランクの名作ベルズ「シャローラビットBIG」あんまりこいつの”売り”の障害物回避性能とかを使う場面はないんだけど、立ち込んでゴロタの浜とかで使うならコイツかな。で、もいっちょ抑えにラパラ「シャローシャッドラップ9」は強いクランクというのとはちょっと外れるかもだけど、平べったくて水掻き力に長けて、ノンラトル、バルサ製の嫌われる要素の少ないコイツは良い仕事するだろう。長さ的には7センチより長いけど、重量というか水を動かす量的にこのクラスと判断したところ。このクラスのクランクは投げるのにまだ抵抗感が生じにくい。なんならシーバスに投げてもいいぐらい。

 で次は、8センチ20g前後を”オリジナル級”としたい。ビッグOに始まるルファベット戦争の主戦場であり、そのころの各社ご自慢のクランクベイト達のオリジナルサイズがこのあたりというのと、バルサ50「オリジナル」にこれまた敬意を表してみたところである。ちなみにバルサ50も使わない。ワシの持ってるのリップに50の浮かせ文字が入ってる第2世代の”オリオリ”で下手すると数万円とかする。ワイヤー貫通構造でその面でも優れてるけど、さすがにぶっ壊されるの前提でいかちぃ魚共に投げる気にはならん。ということで、まあこのへんは前述したようなアルファベットプラグを持ってきておきたいところで、樹脂製「ビッグO」大サイズ(C80)は最近まで製造されていたので確保もしやすく、釣り人の信頼も厚く、まずは堅いところだろう。で、ついでにパチモノくさいシェイクスピア「ビッグシェイカー」も4つほど確保しているので投入したい。フラットサイド方面では自作「Pフラット」がこの階級に入る。そして今時?のノンラトルのスクエアビルクランクからはラッキークラフトUSA「ファットCBSR」を選んでみた。大森選手優勝記念モデルとか安く売りに出てるので確保しやすい。もいっちょ変化球入れてマンズ「ワンマイナス」は水面直下担当。藻場の上っ面とか引いて下からドカンとか、干潮時に残った河口の澪筋でウネウネゴロゴロでドカンとか妄想は楽しい。

 ここから先は、ちょっと投げるのがためらわれ、狂気が必要になってくるけど、海の魚はデカいのは上限知らずなので、いくらでもデカいの使えば良いと思う。”1オンス超級”と安直な階級名にしておく。デカいクランクのブームの先駆けとなったストライクキング「KVD8.0」は1.5オンス9センチといったところで、大きい分ややモッサリ感は出るにしても2.5と同様に良い動きしてる。ラッキークラフトUSA「ファットCB BDS6」は同サイズながらやや平べったい系おとなしめで、暴れるKVD8.0とは使い分けできそう。でこの2つはノンラトル。れいによってラトルインも欲しいとなると、一つはシーバス用シャッド系のハルシオン「ネタ」は重心移動も搭載で飛距離稼いで広く探れる。そして、もいっちょが変化球でデプス「バズジェット」は、ノイジーなのか水面ウェイキングでジョボジョボやりつつグネングネン暴れるのはアピール度ということでは、その大きさもあって強烈だろう。水面直下引きでも良い感じ。このあたりのルアー、デカクランクもバズジェットも流行ったときは入手も困難で、なんならプレ値ついて売り買いされてたんだろうと想像に難くないけど、流行りが過去のモノになってしまえば千円しないような普通の中古価格。流行ってたんなら弾数も多く入手簡単。たしかにこれだけのアピール力の高いルアーが流行ってしまったら、すぐにスレてしまうだろうから、最初に美味しい思いをした釣り人以外はろくに釣れもせずもてあますだろうことは想像に難くない。ただ、逆に流行が過ぎてしまえば、スレた魚も忘れてしまい、また釣れるようになる。その時に実績が高い釣れると分かってるルアーが使える。同じバス狙うにしてもそうだと思うし、さらには海に持ち出そうなんて思ったら、バス釣りで流行って効果が実証されたルアー達が、流行終わって安く中古市場にあふれてる状況とか、買う以外に選択肢がないだろうと思う。名品は色あせないのである。魚釣りで良い思いをしているのは、もちろん先頭走ってる、新しい釣り方開拓してるような釣り人は、リスクや苦労に見合った良い思いする権利があると思うけど、意外に流行が過ぎて周回遅れでやってると良い釣りがデキたりするので、流行関係なしのマイペースな釣り人も存外釣ってたりする。バスに限らずルアーに限らず釣りに限らずである。一番苦労するのが、流行ってる釣りモノ、流行ってる釣り方に中途半端な時期から参入する釣り人で、既にスレ始めている魚を相手に多くの釣り人と競らなければならない。人の10年先を行く釣りは難しいけど、人より10年遅れた釣りをするなら難しくない。釣り場情報とかでも「もうあそこは終わった」とか言われてる釣り場が、釣り人来なくなって密かに復活してたとかいうのは経験している。過去に実績が上がっていたという紛れもない事実は、わけの分からん釣り具業界が流行らそうとしてくる珍奇な釣りよりは確実性が高いと思っている。

 最後は、15センチとか2オンスを越えることもあるようなデカブツ共を”マグナム級”とする。デカクランクのブームの中心に存在した、ラッキークラフトUSA「SKTマグナム」は2オンス級の巨体のくせにRC2.5みたいに暴れてみせるデカいけどスクエアビルクランクらしい逸品。これがまた中古市場で安い。今回のクランクベイト熱以前に、何に使うかもさておきとりあえず確保してたぐらいに「これは釣れる」感がすごくする。集合写真で他のデカブツと混じると2ozのデカさがわかりにくいのでピーナッツⅡSRと並べてみたのでデカさをご理解いただきたい。でもいっちょサイレントでマグナム級なのは14センチのラパラ「スーパーシャッドラップ(SSR14)」、コイツは怪魚釣りとかではカウントダウンタイプと共に定番なのは皆様ご存じのとおり。まあマグナム級のフラットサイド部門担当である。でここまでノンラトルなので、ラトル有りもと思うんだけど、デカクランクが流行った時にどのメーカーもスクエアビルクランク流行の流れからか、単にKVDやSKTの真似なのかラトル有りタイプが少ない。アピール勝負ならラトル有りもあってしかるべきだろう、っていうなかで我が道を突き進み、お家芸の多目的重心移動をぶち込んであるメガバス「ビッグM4.0」は、他のノンラトルのデカクランクとのローテーション要員としては国産ではコレしかないってぐらいの個性を発揮している。リアルな造形の作り込みとかはルアーの効果的には意味ないと思ってるけど、メガバスの場合はそれがブランドの個性であり、先駆者でもあり、味わいとしては癖が強いけど悪くないと思うところ。コイツはちょっと中古でもお高い。そして、マグナム級の隠し球として、ドリフターズタックル「ビリーバー」は、果たしてクランクベイトなのかなんなのか。元々はパイクやマスキー用のトローリングルアーらしいけど、竿で投げて巻く分にはクランクベイト扱いで良いだろう。日本円が高かったころに海外通販楽しんでこういう色物?も種々買えて良かった。今国内だと新品5千円以上で売ってたりするけど、そこまでのものか?プラの、昔からあるある種の定番品だぞ?で、ビリーバドとかにも改造したりもしているけど、8インチと10インチが箱入り娘で残ってる。20センチ25センチのデカブツ投げる状況が果たして来るのか、是非来て欲しいと願ってやまない。

 という感じで、今後海水温が上昇するにつれ、南の海と化していくであろう紀伊半島の海に、見たこともないような獲物が現れたとしても、ワシは準備おさおさ怠りなく、釣る気満々なのである。先駆者のやってることは、往々にして”普通の人”には理解しにくく奇異に、もっと端的に言えば頭おかしく見えるだろう。そのぐらいじゃないと人より先んじることなどかなわないとカリスマ(自称)としては思っているし、良い釣りをして範を示していきたい所存である。

2026年10月10日土曜日

ないものは作る

 ルアー制作は”自分で作ると安く上がる”と素人は考えがちだけど、実際には手間も時間も掛かって、材料費にさらに道具も買ってとなるととても元が取れるとは思えない。最低賃金のバイトでもいいから働いてルアー買った方がよっぽど安上がりである。とはいえ売ってないものが欲しい、自分の思い通りのモノが欲しい、とかになると作るしかないってのもこれありだけど、なにより自分で作ると楽しめるというまぎれもない事実があり、費用対効果だのタイパだのは楽しさの前ではクソ食らえなのである。

 ここのところクランクベイト方面に病状が出ていて、アタイ病気が憎いわけなんだけど、本当に欲しいものはなかなか手に入らない。売ってりゃ老後資金削って買うのもやぶさかではないけど、古い真鍮リグのバグリー「バルサB2」の良い色とか出てこないうえに、出てきたらさすがのワシでもちょっと金に糸目はつけねばならん値段になっててマウスの滑りが悪くなる。フラットサイドクランクも金出せば買えるけど、使用を前提とすると杉にヒートン打ってるだけのようなバス仕様のものでは、なんぼ釣れるルアーだとしても強度面で不安が生じて使えない(ヒートンじゃないスタンフォードのは1つ買った)。なら作るかということになった。

 まずは古い「バルサB2」的なものをでっちあげよう。古いフロリダはウィンターヘブン工場時代のものが、塗装が薄くて軽くて良い動きをするという、その再現というのが目指すところ。要するに”パクり”である。もう本物のドミニカB2から型紙起こして作っていくので、なんの新規性もありゃしない。ワシ、あんまりデキのいいパチモノはいかがなモノか?と書くところであるけど、”塗装が薄くて”というのを再現すると、どうしてもデキは木目の残る、良い風にいえばギルモアとかの古いウッドルアーみたいな風合いともいえるけど、完成度低いちゃちいモノにしかならないので、これで稼ごうとしてるわけでもなく”私的複製”の範囲を出ないものでもあり、バグリー様におかれましてはなにとぞお目こぼしをお願いしたい。

 作り方は、一般的なバルサを2枚貼り合わせる方式で、貼り合わせる面の端をマジックで黒く塗ってるのは、両面テープで貼り合わせて削るときに中心線が分かりやすく、左右のバランスが整えやすいからである。まあ、現物横に置いてカッターナイフで大まかに削り出して、あとはサンドペーパーで成形していく。バルサは柔らかいので目の大きいサンドペーパーでガリガリやると簡単に削れていって形状を整えることができるけど、逆に削りすぎないように注意が必要なぐらい。

 で、ここからがワシ的に大事なところで、内部のリグをどう処理するかということころで、ラパラとかみてると針金長く折り返した部分が接着剤の樹脂で固めてあるだけのようで、でも本体のバルサぶちこわされてもフックが抜けてしまった経験はない。とはいえもうちょい強力なイナバ物置的な頑丈さが欲しい。過去やったことがあるのは、単純にねじってへワイヤーツイスト決めておく方式でこれだと強度的にはなんの心配もいらなくなるけど、ややコブができてしまいバルサ削ってちょうど収める溝掘るのが面倒くさくなる。丈夫なポリエチレンとかケブラーのスレッド巻いて強化はそこそこイケると思うけど、今回もっと単純かつ丈夫なリグにしてみた。だるまスリーブでかしめる方式。これだと作業も簡単だし強度的には本体ぶっ壊されようが何しようが、ラインとフックがもちさえすれば魚は揚がる。で、最重要項目が重量で、ドミニカB2はフック無しで12.4g。なのでそれよりちょい軽くなるぐらいのをとなると塗装前の部品全部で11.9gとした。 オモリはお腹のふくれたあたりに腹のフックぶら下げるリグの前後に入れた。これで、貼り合わせて接着。真ん中変に強力な接着力を誇るコニシのSU、周辺部は削りやすい粘度のある瞬間接着剤を使った。塗装で0.5g増えるかどうか?そこはやってみないと分からない。どのみちシングルフックで運用するので、動きは”軽く”なる方向にいくとは思う。全体的な重量の増減ではなく、塗装というまんべんなく重量が増える要素が良くないのなら、真ん中下方重心に重量がまとまっていれば良いのかなと考えるところ。まあ、そのへんはプロのルアーデザイナーが苦心するところで、素人は下手な考え休むに似たりで、とりあえず作って投げてみろだろう。

 リップは、0.8mmの基盤板を使った。リップの位置と角度と大きさはドミニカB2に準拠。基盤板はサーキットボードとも呼ばれるようだけど、要するにFRPの板で薄いので水切りが良く、動きに切れがでるんだとかなんとか。ドミニカ製になる前のバグリーから基盤リップのバルサBシリーズとかも出てたように記憶している。逆に一体成形の分厚い重いリップがダメかというと、重量で振り子のようにボディーを振り回す効果があるとかないとか、ホンマかいな?だけど、ヘドン「タイガー」の大きく分厚いリップを思い浮かべると、そういうこともあるのかなと思う。まあ今回の良く動くクランクベイトをという趣旨からいって、薄くて”切れのある動き”が期待できる基盤リップで良いだろう。

 で、基本構造ができたら塗装。今回薄くしあげるということで、黄色ペンキ1回、のときにキンラメ振り掛けして、目を入れてからウレタンコーティング1回。リップをエポキシ接着剤で取り付けて、銘を入れて完成。なんだけどこの工程が一番時間が掛かる。手間はドブンとペンキ缶にどぶ漬けにせよ、書き目にせよ、ウレタン筆塗りにせよたいしたことないんだけど、乾燥時間が掛かる。しっかり乾燥させておかないとコーティング時に目の塗料がたれたりしてイーッとなるので、充分干す。軒下で天日干し。カラーに凝り始めると使った色毎に乾燥時間が掛かってきていつまで経っても完成しないので、単純な色構成にしておくのが釣るためだけなら最適解。ちなみに銘は”P2”と入れた。バグリーをパクったので「パクリー2(P2)」と命名。

 これが、予想外に重くなってしまった。ハリ無しで13.5g。塗装だけで1.6gも増えるとは思わんかった。2回塗装でこれだと厚く塗装していくと確かに全体にオモリを分散して貼り付けるようなモノだろう。ドミニカB2のトリプルフックとリングが2セットで1.4g、P2に使用したシングルフックとリング2セットは14.7gは1.2gで、そこまで差がない。塗装って重いということを学習した。ということで単純に目方を小さく仕上げることには失敗。でも、塗装は薄いので、重量がオモリ入れたフロントフック周りに集中していて、動きは良いという可能性はあるので、試しに投げてみる。

 いつも使ってる根魚用のリーダー12号ナイロンの道具立てで投げてみるとドミニカB2と比較して、あんまり遜色ない良い動きしてる。っていうか浮力の強さに負けてる感じで挙動が不安定なのが、いわゆる”チドり”状態を産んでてこれはこれで悪くない。ただ、同クラスの大きさのラッキークラフトの「LC2.5」やその対抗馬的なストライクキング「KVD2.5」は浮力はそこまでないけど、動きが大きく激しい。そっちの動きを目指したつもりなのでちょっと意図した方向性とは違ってしまっている。まあ原因は重量が増えてってのもあるかもだけど、なにげにドミニカB2と比較するとちょっとデブであり、そのへんが全体的な重量増を越えて浮力の強さを生じさせている気がして、重量増あんま効いてない気もする。が、そんなもん正直よく分からんって話で天然素材であるバルサ製ルアーの宿命で”個体差”ってヤツかなとも思う。バルサB2自体、時代やロット、個体差によって重さ12g強から15gぐらいまであるらしく、なので当然動きも全然違ったりするらしい。そう考えるとタンクテスト済みとはいえ、ほぼハズレ個体がなく均質に近いラパラは偉大って話か。生産国がフィンランド本国からアイルランド、エストニアと変わっても品質が保たれているのは賞賛に値する。P2は、これはこれで使える弾としては上首尾だけど、激しく暴れるような動きを出したいという思いもこれあり、まあ再挑戦でややスリムに軽くを心がけて作ってみることにしてまたバルサ削り始めている。


 もういっちょは、浅場に突っ込んで来た良型根魚を想定して1.5mぐらい潜るフラットサイドクランクをという目論見。今回は特にパクリ元はないので、まあこんなもんだろっていう、いい加減な脳内のイメージで適当に形とか決めていく。極端な薄いボディーにはせず、P2作るのに使った15mmの厚さのバルサ1枚分のボディー厚でいく。2枚に割る方式ではなく、下部に溝を掘って骨組みとオモリを埋め込む方式なので、大まかに成形したら金鋸の方を固定して溝掘るボディーの方を持って前後させてギコギコと溝を掘る。掘れたらサンドペーパーで成形。

 リップはそれなりに潜らせたいので、ルアーのおでこの角度と平行ぐらいのやや浅い角度で、狭い扇状で大きめの、これまた基盤板を用意。そのままでは内部のワイヤーが邪魔で差し込めなくなるのでリップの根元の方に切り込みを入れておく。こういう細かい加工が金切りバサミで適当にデキてしまう割れにくさは基盤板の扱いやすいところ。ステンワイヤーのリグは当然P2同様にだるまスリーブでか締めてある。リップの大きさはニールズマスター「インビンシブル8DR」とかハルコ「ソーサラー」のような、リップにアイが付いてなくてリップの上に張り出すようにして本体先端にアイがあるタイプの潜りやすいルアーを参考にした。リップにアイを付けるとワイヤー貫通方式が技術的に難しく、差し込みリップに付いてるアイがフックぶら下げるアイと繋がってない方式では欲しい強度が得られないのでこういう形が妥当と考えた。リップの大きさと形状は適当で、嫌われる要素少なめのおとなしい動きが良いので、そこそこ動けばいいやなんだけど、試してみてダメなら調整する。

 悩ましいのが重さで、参考となるパクリ元がないので、同程度の大きさのクランクベイトのビッグO19g、タイガー11g、ちょい小さいポーエリート12gと参考にならんような数値を参考に、まあ15gぐらいになれば良いだろうと、塗装抜きで14gに設定して、腹の隙間を拡張してペンチで挟んで平たくしたオモリを突っ込み、半田で調整。動きキビキビしてなくても良いとはいえ、せっかくのバルサボディーなのでそれなりには動いて欲しいので、最初写真のようにしっぽの方までオモリ入れてたけど、なんとか腹の方に収めるように拡張工事で収めた。収めたら溝のへこみをバルサの削り端を瞬着で貼り付けて、細かいところはティッシュを貼って瞬着で固めてサンドペーパーで均して成形。

 で、コイツはペンキ2回、ウレタンコーティング2回のうち一回目にキンラメ振り掛け、とP2の倍の塗装を施す。その途中のペンキ2回の段階でスイムテストを近所でやっておく。テストしたところ思ったほど潜ってはいかなくて、シャロークランクのストライクキング「リトルS」よりは潜るけど、金属リップの割には潜らないストーム「ホットN」よりまだ潜らない感じ。まあ1mから1.5mの間ぐらい。上等か?その分動きが良い。オモリが前後に分散させる形になってるので、もっとおとなしくなるかと思ったけど、バルサの軽さ舐めたらアカンね。浮き上がりも早いし動きも狙ってたヌルヌルというよりは、キビキビまでいかないけどブリブリと元気に泳ぐ。これはこれで有りだと思うので。リップはこれで一発合格にした。あとはウレタンコーティングしてキンラメ振り掛けて仕上げのもいっちょウレタンコーティングの後リップをエポキシで固定して完成。重量は17g強と3gは塗装で重くなった。やっぱり塗装は重いと再認識。名は「Pフラット」とした。パクリじゃないけど、バグリー「Bフラット」とスタンフォード「Cフラットスペシャル」にオマージュを捧げてみた。

 という感じで、ルアー図鑑第95弾は、自作した2つのクランクベイトでいってみました。2つとも実弾として使えそうなモノに仕上がったので、紀伊半島南国化に伴い、近所の漁港の浅場に接岸した根魚や、シーバス釣ってるような川の下流域に突っ込んで来た良型のメッキやらフエダイ系やらを向こうにまわして、いつの日か武勲を立ててくれることを夢想している。願わくは、その強い引きや迫力ある質量でボディーをぶっ壊すような魚を、貫通ワイヤーのリグが功を奏して水揚げに成功する、ってな展開を期待したい。

2026年10月3日土曜日

秘密じゃないクランクベイト

 雨貝健太郎著「秘密のクランクベイト」は面白い釣り本だとは聞いてたけど、米国バストーナメントを背景とした話らしいので、発行当時はあんまワシ関係ないなと読まずにいたんだけど、ここに来てパチモノクランク達をいじくってて、というかそれ以前から根魚をクランクで狙うようになってた影響や、紀伊半島が南国化するにつれ”強い”動きのルアーで迎え撃とうということで、ミノーをあれこれ物色したときに、ミノーで間に合わんかったらクランクだなと感じた経緯もあり、クランクベイトについてちょっとお勉強してみようかなと思いましたとさ。てなわけで2003年発行のこの本を読んでみることにした。クッソ、プレ値ついてやがって定価2400円が中古で4000円もした。とはいえ、内容はしっかりとした”クランクベイト論”で勉強になったし、読み物としても楽しめたのでまあお値段以上の価値はあったと思っておこう。

 読み始めると、まずは”元祖クランクベイト”フレッド・ヤング氏謹製の初期ビッグOから紐解いてファットボディーでブリブリ泳ぐクランクベイトの特徴と機能を、プロトタイプも含めた初期ロットの”ビッグO”のコレクションを用いて、その生い立ちから明らかにしている。そして、もう一方当時流行りだしていた薄いボディーでややおとなしい動きのフラットサイドの系譜についても触れ、という感じにクランクベイトの歴史から入り、クランクベイトのなんたるかを整理していく。

 クランクベイトとはなんぞや?という問いに「リアクションルアー」である。と筆者は述べる。北米にあんな形状の淡水魚はおらず、ベイトに合わせて形作られたルアーではなく、潜ったり障害物を回避したりする機能をもち、動きなどで魚の補食行動を誘うために必要な形をしているだけであり、リアルさなんぞは必要としない。と看破している。このあたりまったくその通りだと思う。ワシなんぞルアーのほとんどはその整理でいくとリアクションベイトであると思ってて、マッチザベイトとかルアーマンが言い出した時点で負けが9割方確定しているとこれまでも書いてきた。ルアーは餌に似せているのではなく、餌などを捕食するために魚が指標とする要素を、強調したり抽出したりして表現しているモノであり、よほど特定の餌に狂ってる場合を除いてマッチザベイトは役立たずだし、マッチザベイトが必要なときでさえ、たとえばバチ抜けでは細長い物体が真っ直ぐ進むという要素が重要で、脚とかウネウネした動きとかいらないなど、限られた要素を押さえていれば魚は釣れて、その限られた要素の絞り方、見せ方にどういうルアーが必要かということで、条件さえ満たしていれば割り箸にハリぶら下げても釣れるのである。加えて、適当な棚に沈むか、潜るかというような機能も備えておらねばならないので、そのへんからルアーに求められる魚に反応させる要素、と魚の反応する範囲に通すことができる機能を盛り込んだモノがルアーとして成立するのだとワシャ思ってる。単純明快な典型としてはスプーンなんて金属片のキラメキとゆらゆらする動きのみで魚に口を使わせるし、加えて魚に届けるために重量で飛距離を稼ぎ狙う棚に沈むような機能を持っている。人から見たリアルさなんぞ無用である。逆にあの金属のきらめきは遠くまで届くような天然の餌にはありえない強い刺激があり、時に自然物である餌よりも激しい魚の反応を引き出す。

 ただ、「シャロークランクは基本的にカバーを釣るためのルアー」であるとしていて、トーナメントシーンでは沈木だのにガンガン投げて当ててすり抜けさせて使うらしく、障害物回避能力が求められ、アメリカのトーナメントプロとかに言わせると一昔前の日本製クランクはゴミ扱いだったらしいけど、これには異論を唱えておきたい。まあ米国のバス釣りはトーナメントシーン中心にボート前提の釣りが多く、根がかってもシャロークランクなら近づいて回収機で回収できるだろうし、飛距離も軽視して回収重視で太いラインも使えるだろう、一方、日本では一部のトーナメント志向の釣り人を除いては、陸っぱりが多くてまた違うと思うところ。陸っぱりでクランクベイトでカバーに当てて釣ってたら根がかってルアー失って釣り場にゴミ残しつつ釣具屋ばっかり儲からせてしょうもないことになる。それはそれこれはこれって話であり、海でクランク使うワシの個人的な釣りにおいてはなおさら障害物には当てられない。蛎殻の生えた石組み、ロープ、一発でアウトの障害物が淡水とは状況を一変させる。それぞれの状況でもまた同じクランクベイトでも求められる要素や機能も変わるということで、アメリカバスプロの最強クランクベイト運用法が日本の野池や、いわんやおや紀伊半島の漁港においておや、ということを分かって混同しないようにして、米国プロトーナメントにおいての話として読んでいく。アメリカのバスプロ仕様の戦略と、紀伊半島のワシの戦略は違う。違うけど同じクランクベイトを使うなら参考になって、自分の釣りの知識を深めるのにおおいに役立つこともまたあるのである。

左から、古め練り大、復刻バルサ大、現行C80大、中、小、小小
 とりあえず、クランクベイトと言って思い浮かべるような、太っちょで高浮力、大きめのリップ、「ワイドウォブル」と表現されているけど、ようするに大きくブリブリとケツ振って泳ぐ、という特徴が上手くあわさると、アピール力高く、障害物もデカめのリップを振り回してはじいて高浮力も手伝ってかわしていく、メリケン仕様のシャロークランクの基本形ができあがる。これをまさに体現しているのが開祖フレッド・ヤング氏謹製のバルサ製だった頃の「ビッグO」だと著者は述べている。ちなみに手作りでは限界のあった生産を、コットンコーデル社が版権買ってプラスチックで大量生産した今でも入手できる「ビッグO」は優れたルアーではあるけど、初代の持っていた「バルサウッド独特の浮力とアクションはやはり失われていると言わざるを得ない」としている。まあそうだろうな。で、バグリーのバルサB系が初代の後を継ぐようなものである旨述べている。

 で、もう一つのシャロークランクとして、当時旋風を巻き起こしていた「フラットサイドクランク」についても新しくカテゴライズされた別の進化を辿ったルアーとして取り上げている。家内制手工業で作られるようなシダーウッド(杉)製の、薄くその名のとおり側面が平面のボディーで低浮力、動きは「タイトウィグル」な小さくプルプル震えるルアー達の、無視できない強さについて解説している。どうも”タービュランス”水を乱す力とでもいう要素が鍵らしい。フラットサイドクランクについてはかなりページを割いていて、ディープダイバーのような「ダイビングクランク」については、使用目的が多岐にわたるとして、各個撃破的に詳細な説明はせずシャロークランクが地形の上に存在する障害物である”カバー”を釣るのに対して、かけ上がりとか「主に地形変化を釣る」とサラッと流しているのと対照的で、当時の”フラットサイド熱”とでもいうものがしのばれるところ。

 フラットサイドクランクは、カバーの少ないテネシー州の人造湖で盛んに使われていたようで、その特性から、障害物回避能力は高くないけど、より”フィネス(嫌われる要素が少なく地味ぐらいの意味)”な釣りにマッチザベイト的に使われることが多かったようだ。ところが、当時のトーナメントシーンでは、本来障害物回避能力の高いビックOタイプのクランクで狙うべきシャローの障害物周りを、フラットサイドで攻めることが流行していて。一部のトッププロの”秘密”のクランクベイトだったのがバレて流行りだしてしまっている状況だったようだ。わざわざフラットサイドのクランクに、障害物に強い大きな”コフォン(棺桶)型リップ”をあてがってまで使ったのは、フラットサイドのボディーは先ほどちょっと触れた要素「タービュランス効果」、水流を”乱す”効果が大きく反射的なバイトを促進する効果があり、かつ、それはラトル音ほど不自然で飽きられやすくないとされている等の理由からだとのこと。フラットサイドが普通の丸っこいボディよりタービュランス効果を生みやすいのは、げんこつと平手で水をかいた時の差を例に出していたけど、イマイチぴんとこなかった。太いボディーのクランクの方が水を動かしてそうでタービュランス効果も大きそうに思う。でも、色々お勉強してタービュランスとウォーターディスプレイスメントの違いを理解すると、しっくりくる。太って丸っこいボディーはタービュランス効果は小さいけどウォーターディスプレイスメントは大きい、平べったくて平面なボディーはその逆。例として船を考えると釣り人なら分かりやすいかも、タービュランスは船のペラにまさに求められる性能で、ペラは曲がってるにしてもおおよそ薄くて平べったく設計される。肉厚で太ったスクリューとか重いだけで効率悪いだろう。対してウォーターディスプレイスメントは水を押しのける力で、船が進むときにその船体の水中部分で水を押しのける効果であり、その効果は遠くまで伝わる。船が沖を通過するときに、引き波が足下までやってきてジャバジャバするのは釣り人なら日常的に経験することだろう。対してタービュランスの効果は船を動かすほど強くても遠くには伝わらない。大型船の離着岸の時に海底の泥が巻き上げられることはあるけど、それでも効果が届く範囲は限定的でスクリューが掻いた水が岸壁でザバザバするようなことがあればその船は転覆しかかってるかなにか大きな問題を抱えている。ウォーターディスプレイスメントは水を押しのける、Dr.柏木いうところの”水押し”力とでもいうもので、ブリブリ大きな動きで泳ぐ太くて丸っこいクランクは、大きな船体が、水を押しのける動きで水を動かしたように、ウォーターディスプレイスメントが大きく、その”水押し力”の効果は遠くまで伝わってアピール力が強い。逆にタービュランス効果で”水を掻く力”が強い、バイブレーション的な小さな動きの薄くて側面が平面のいわゆる”フラットサイド”クランクは、ボディーの体積自体小さく水を押しのけて発生させる”水押し力”は少ないのでアピール力こそ劣るけど”水掻き力(という用語を提唱します)”は高くて、近くに寄った魚に口を使わせる引き金を備えている。ということだろう。クランクベイトを始めルアーを理解するうえでとてもためになる要素のとらえかただと思う。

 で、本書ではそういったクランクのそもそも論を第一章で論じてから、第二章ではカラーや素材に塗装、リップやラトルの有無の違いなどの基礎的な話を論じて、第三章で、本場米国バスプロトーナメントの取材を通じて目にしてきた、プロ達のシークレット、タイトル回収的に「秘密のクランクベイト」達を紹介している。ここがおつゆたっぷりで読み物として面白いところで、プロ達のそれぞれの戦略やら秘密にしておくその隠しっぷりとかも知れて面白い。で、読んでると当然その”秘密のクランクベイト”達が欲しくなる。幸いなことに当時はプレミアついて売り買いされただろう秘密のクランク達も、20年も経ちゃあ、すでに秘密でも何でもなく皆の知るところであり流行も落ち着いていて、買おうと思ったら買える値段で中古市場に出てるのもある。あるけど、よく考えるまでもなくワシ米国に渡ってバストーナメントに参戦するどころか、バス釣りさえ年一回行くかどうかで、ワシの日常の釣り場である海で投げるところがあるのかって話であり、さらによく考えると、既に持ってたりするのも多いし、ドンピシャじゃなくても似たような性格のモノは蔵に転がっていたりする。なので、「秘密のクランクベイト」として紹介されているクランクと、それに対応するであろう我が家のクランクベイトを紹介してみたい。

 まずは、”スパーシャロー”の刺客、1996年ポトマック川での勝利から注目を浴びるようになって、今時クランクベイト作ってるメーカーならシリーズに”SSR(スーパーシャローランナー)”を用意してるのが普通ってぐらいに、数々の追従者(≓パクり)を生み出したマンズ「ワンマイナス」。ご存じのように潜らないクランクベイトで、藻面の上とかの水面直下の美味しい棚を引いたり、なんなら竿立てて水面波立てて引いてくる”ウェイキング”も得意。これは、さすがに現物持ってる。オリジナルサイズとベビーサイズがなんぼか蔵に転がってる。ついでにストレッチベビーワンマイナスも転がってる。まあ、ワシ的にはクランクベイトは可能ならすべて「ピーナッツⅡ」一族に任せたいと思ってるので、ピーナッツⅡのSSRはデカ、ノーマル、タイニーと蔵にございます。シーバス狙いでタイニーは使ったけど結果は思わしくなかった。でも藻場の表層をラトル音させて引いてくるとかそのうち出番がありそうに思う。在庫は充分だぜ。

 続いては”オールドバグリー”日本でも真鍮アイの古物とかは人気で中古市場で高値がついてるけど、バグリーの「バルサB2」とかに米国のバスプロがご執心という話は、以前からワシの目に入るぐらいだから有名だろうと思う。できの悪い中米産のを箱買いして、良い動きするヤツだけを選別して、他はすぐにネットオークションに流すとか、昔のが手に入らないので塗装引っぺがして昔風に塗り直すとかとか。本書ではラリーニクソンの「ビティーB」、ケビンバンダムの「キラーB3」が典型例として紹介されているけど、日本でなら大森選手の「バルサB2」が有名か?わし、バグリーが新体制になってドミニカ工場で作り始めたときに、80年代の綺麗なバグリーが帰ってきたと思っていくつか買ったぐらいだけど、ドミニカ産ではいかんのか?と思うんだが、この本の当時はまだドミニカ工場じゃなかったし、ドミニカ産の綺麗な塗装は逆に重くてバルサの動きの良さを削ってしまいそうではある。まあワシはドミニカ産で充分。そんなトーナメントレベルでのシビアな違いなど分からんしな。でも古いバグリーもあることはある。写真の青い「バルサB1」は真鍮リグ。どっか中古屋でえぐったブツ。バグリーは差し込みリップのモデルだと、ぶっ壊されてリップが抜けるのが怖くて使いにくいけど、ワイヤーが貫通してるモデルなら出番はあるかも。そんなバグリーも今は工場セルビアだとか聞く。


 で、お次。本書の本命筋が初代ビッグOからバルサB系の流れとしたら、裏本命というか対抗馬的な位置づけの家内制手工業のフラットサイドクランク。「スタンフォード」、「テネシータフィー」、「ソニー・マクファーランド」あたりの小規模メーカーが紹介されていたけど、我が家の蔵にも大量生産で入手しやすいポーの「RC」シリーズとかは転がってるし、スミス「シャッティー」シリーズとダイワ「BHシャッド」シリーズ、「バスジャッカーⅡ」、レーベル「ベビーブリーム」あたりはフラットサイドクランクとしてもイケるのではなかろうか?ラトルなしならシャッドラップやらのバルサ製シャッド系はだいたいイケそうに思う。このあたりは普通に使ってるのも多い。シャッドラップとか今考えるとフラットサイドクランク的にタービュランス効果も効いてたんだろうなって思うけど、理屈は知らんけど釣れると分かってればそれで良かったっちゃそうなんだけど、知ってた方がモアベターよ。

 最後はスモールクランク。アメ人もずいぶんとまたせせこましいこともやるんだなと、”メリケンクランク使い”ならDD22とかぶん投げてボートデッキに膝ついてモリモリ巻いてるもんだという偏見を恥じたしだい。クラッピー用とかのスモールクランクにハリだけ大きいの乗せて使ったりするんだと。以外にお盛んらしく例としてノーマン「ディープタイニーN」、バグリー「ビティーB」、ボーマー「ファットA4F」、同「モデル5A」、ラパラ「リストラップRR04」、同「ラトリンファットラップRFR04」と色々出てきてた。まあワシも浅いところ用にファットA、モデルA、ラトリンファットラップは使ってる。どこでもそうだろうけど、特にトーナメントなんかやってる場所では魚がスレてて小さいルアーじゃないと口使わないとかあるんだろうってのは想像に難くない。つらいところである、と同類相哀れむところ。

 という感じで、楽しく読了したんだけど、そのお勉強した視点で自分の主力クランクベイトを考えてみる。現在”根魚クランク”で実績が高いのはストライクキング「5XD」、サンシャインフィッシング「ベクトロン60」、ベルズ「マジェンダ80」の3強である。まずはワシの求めるクランクベイトの性能としては、何はさておき潜行深度が重要である。潜りすぎて底の石組みとかに当てると高確率で蛎殻とかに根がかるので、底のちょい上50cmぐらいを安定して引いてこられるのが大事。たまに底に当たったぐらいならその後竿先上げるなり一回浮かせるなりしてなんとかできるけど、ガツガツと底を叩くようなことは砂底でもなければ不可。その”潜行深度”という際に、海水という浮力が強くなる条件下で12号50ポンドのナイロンリーダーを背負って潜らせるので、カタログスペックとはだいたい1mぐらい違ってくるし、そもそもカタログスペックも投げて巻くのか、トローリング的に船で引くのかでも違うのでぶっちゃけテキトーなことも多く、いちいち試して、潮位変化に応じたポイントごとの深度とあわせて把握しなければならない。5XDとベクトロン60は3m水深担当で、干満差とか海底の傾斜とか多少の水深差は、膝ついて竿先海中に突っ込むか、普通に立ち上がって竿立て気味に巻くかとかで調整できるけど、普段より1m以上浅くなるような大きく引いた干潮時とかは、ベクトロン45とかハスティー3とかの2m水深対応のものにバトンタッチする。5XDはそれなりに側面が平らなディープクランクで”水掻き力”もある程度期待できる。この形状はおそらくボーマー「ファットフリーシャッド」からの流れで、ファットフリーシャッドについては後世に残るだろうと書かれていたけど良くできてると思う。そいつをさらに発展させて急速潜行しつつ深く潜るように詰めてある優等生がストライクキングの「XD」シリーズで、ラトルも水掻きも水押しもバランス良く”全部のせ”してあって実際良く釣れるのも納得である。対してベクトロン60の方は、太っちょなアメルアらしさのある形状のディープクランクで、特徴はノンラトルであるということ。もともとバグリー「DB3」が5XDとか引いた後でも”変えると来る”で魚を連れてきてくれたんだけど、バルサ製で差し込みリップに後ろのフックアイはヒートンでは40UPの根魚が釣れてくるようになって強度不足でぶっ壊されて魚逃がす懸念が生じてきたので、代替となるモノをと考えて導入したものである。樹脂一体成形のベクトロンは強度的にはまあ安心だけど、ノンラトルだからといってDB3と同様の性格かというと、厳密には違うと考えてはいる。バルサなど木製ルアーと樹脂製ルアーの違いというと比重の違いでバルサは軽いということが注目されているけど、意外に違ってて釣果にも影響してきそうなのが、木製なら内部が充填されているけど、樹脂製は硬質発泡素材とかの例外を除くと、内部が空洞であるという点で、何が違うかというと音響特性が全然違ってくる。ノンラトルのルアーでもハリが当たる音やスプリットリングが擦れる音は発生させていて、その響き方は人間が聞いても違うレベルだし、イルカのような自ら超音波出して”音響定位”できるソナー持ちでなくても、自然音の反射の具合の違いは魚も聞き分けてておかしくないと思っている。でも、ラトルのような積極的に音を響かせているのと、ハリ音とかでは程度の違いが大きく、ベクトロンは水掻き効果も少ない曲面ボディーであり、全体的に大人しく仕上がってて嫌われる要素少なめ、でもそれなりに水押はブリブリと力強くアピール力はあるという良いあんばいなので、長くノンラトルクランクの名作として幾多のブランドを乗り換えつつ売られ続けていたのだろうと思う。DB3の完全互換ではないけど、5XDとローテーション組ませるには良い感じの違いのあるルアーだと思っている。でもって、マジェンダ80がまた独特で、水掻きも水押しも弱いミノーっぽい細いボディーで動きも細かいバイブレーションみたいな大人しい動きでスルスル動く、でもそういう弱いミノーみたいな特徴の中で1点ラトルだけが派手にアピール度高い。アピール全振りでも、フィネス全振りでもない、なんか一点豪華主義な感じのルアーでこれが理屈はよく分からんけどなぜか良く釣れる。あれか、地味なメガネのオネェチャンがチチだけデカいとめちゃくちゃモテるってのと共通か?しらんけど。なんにせよ良く釣れるので、よく売れて流行に習ってリアルになった後継型とかも含め長く愛されてきたけど、ワシはクランクとして使ってるけど、昨今一般的な分類で言うスプーンビルミノーってもう流行らないのか廃盤になって久しい。でも雨貝氏も、結局古いバグリーや、なんならバルサ版のビッグOでも、今でも売ってるならバスプロ達も使うだろうってぐらいで、よく釣れるルアーが流行り物として消費されて「まだそんなルアー使ってるの」ってな言い方されるのはかんに障るようで、「名作は色あせない」って書いてたけどけだし名言である。


 で、流行っていうと、本書から20年から経った現在までのクランクベイトの流行というか趨勢を振り返って見てみると、まずは大きな動きとしてバルサ製クランクの動きををプラで再現するっていうのがあったようだ。そらいつまでも古いバグリーとか供給の途絶えたルアーに頼ってられんって話で、その嚆矢となったのがラッキークラフトUSA「RC」シリーズらしく、そのへんの開発苦労話は書籍になってるようだけど、一部釣り人社のサイトで読めてなかなか面白い。で、その大きな流れの中で、マグナム化やウルトラディープ攻略とかの枝葉もでてきて現在に至る。フラットサイドクランクは一時の流行は収まったけどそこそこ定着。あと小規模工房の作るバルサB風のクランクも一時流行ったようだ。という感じか。写真のクランクはまあ、そうなると欲しくなるよねって話で、RCシリーズの後継というか廉価版?のLCシリーズ「LC1.5」と「LC2.5」。確かに素人目にもバルサクランクみたいな良い動きしてる。とはいえ素人目には前回取り上げたパチモノクランクも良い動きに見えるけどな。マグナムサイズもUSAラッキークラフト製「SKTマグナム」とかデカいのに良く動いてやりそうな雰囲気ムンムンで思わず3つぐらい確保してある。いつの日か50グラムからのマグナムクランクが火を噴く日を夢見ている。ウルトラディープ攻略の恩恵はワシXDシリーズやデュエル「バレットクランク7+」とかで享受しているところ。ありがたいこってす。

 しっかしパチモノだらけは今に始まったことではないにせよ、洋の東西さえ関係なしだな。もう各社から出てるシャロークランクが樹脂製でスクエアビルの「RC」シリーズのそっくりさんだらけ。まあ、ビッグOがその設計の基本部分をパクられてアルファベット戦争が勃発した際に、百花繚乱のルアーを選ぶ楽しみが釣り人にもたらされたわけで、単純に悪いとは思わんけど、丸パクは論外として、結構な大手が後発で「うちはリップを基盤リップにしました」とかちょい独自性っぽい設定を加えて売り出してるのとか、コーモランがファッツオー丸パクで怒られたかなんかで、ヘルメットかぶらせたのと大差ないやんけと思ってしまう。昭和のパチモノメーカーと令和のメイドインジャパンとで一緒のことやっててどうするねんって正直思う。

 ということで、ルアー図鑑第94弾は、クランクベイトはどこから来てどこへ行くのか?あたりにせまってみました。バス専用だと思われてるふしがあるけど、釣れる要素と機能を備えたらできあがった形なので、見た目に惑わされずなんだって釣れると信じて投げてみてください。ワシもそうしてます。

2026年9月26日土曜日

ついでにコーモラン

  B級好きなら避けて通れない、キングオブMede in Japanパチモノなコーモラン。まあお世話になった世代で、思い入れもあるけど、そこまで蒐集欲をそそられない。なんでか分からんけど。でも、まとめて買うと送料お得感が出るという謎の動機や、そもそも一山いくらで売りに出てるのに混ざってきたりして、それなりに蔵に転がってる。まあ今回はそのあたりをいってみます。

 ま、コーモランといえば、ハズレ引くとまともに動かんってのがお約束で、この機会にコーモじゃないかもなパチもんも含め、試し投げの結果も含めご紹介していこうかなと思います。とりあえず第1弾。こんな感じ。

 全体的な感想としては、意外にみんなまともな動きというか、良い動きしてて、ガキの頃「横向いてまともに動かんやんけ!」と憤慨したのは、ラインアイをペンチで左右に曲げるいわゆる”トゥルーチューン””アイチューン”という調整方法を知らなかったからというのもあったのかもしれないと思わされた。コーモランに限らずだけど中古で手に入れた状態でまともに動かないチューニングが狂ってる個体が多いってことは、みんなちゃんと調整してないのでダメルアー認定で中古で売うっぱらってるんだという気もする。チューニングの仕方知ってると、逆にわざと斜めに泳がせて岸壁沿いに当てつつ引っ張るとかもできるってのもあるけど、まあまともに使うために必ず知っておいた方が良いと思う。ラパラの箱には昔チューンの方法書いてあったような気がするけど、ペンチで摘まんで泳ぎが曲がる方向と逆に曲げるだけである。

 で、まずはミノー系。一番上のは「スーパーコッド」という名前のミノーで、コーモランがパクりじゃなくてオリジナルなルアーを世に出し始めた頃のルアーのようで、頭出して縦浮き系でノタノタと緩く泳ぐ感じで、頭を突っ込ませてお辞儀とかのトップウォーターミノーイング用に作られているらしい。ネットとか見ているとアルミ貼りでもっと豪華なのもある。側面平面系なのでアルミ貼りだとギラッギラして確かに良さげ。2番目のはコーモラン版ロングAのジョイントタイプ「フォルテシモ」これは、あまり潜らず良い動きすると教えてもらってて見つけたときに確保したもので、これのジョイントじゃない「フォルテ」は「コーモランのロングA」と呼ばれて、ガキの頃仲間内では釣れるルアーと認識されていた。フォルテシモも実に良い動きでこれは釣れるという感じ。で3つめはスピードシャッドっぽい形に尻ビレがついている「ビブフラット」だと思う。コイツも本家に負けず劣らず良い動きしている。

 でお次がクランク系。一番上、人気のの「マルちゃん」シャロー巨人ヘルメット版はメットが邪魔で泳ぎ破綻するかと思ったら、意外に普通にちゃんと泳ぎます。問題なく魚釣れそう。まあ元ネタがファッツオーなら動いて当たり前かとも思うけど、元ネタ通りに動かないのがあるのがコーモランクオリティというのもあって、ちゃんと動くとお得な気分になる。中段右は「ベイビーバグ」で本家のストーム「バグプラグ」よりリップが立った形状だけど、良く水を噛んでブルブルと小気味よく泳ぐ。中段左の名前が分からんけどリップに刻印ありのレーベル「クロウフィッシュ」系もつぶらな可愛いお目目で元気にぶりぶり泳ぐ。ここまでまともすぎてつまらんぐらい。で、下段の2個はコーモかどうかも分からんパチモノで、さすがにまともに泳がないのではと”期待”したけど、右側の素朴なシャロークランクは普通に泳いだ。左のディープダイバーっぽいのが一番危なっかしくて、リップが大きすぎるのかフラットフィッシュを思わせるような、つんのめるような動きが混じって早引きするとひっくり返ったりする。でも使えないってほどじゃなさげ。案外この程度でも魚良く釣れそうには思う。

 で、もいっちょはトップとスプーンで、スプーンはオークラのコーモ版で「コデット」でいいのかな、これは本家の薄っぺらさを上手くパクってる感じでわりと良い動き。コーモのスプーンは北海道仕様のパチ「ドサンコ」が使えると人気らしい。今でも売ってるけどプレス用金型壊れて主力の重さが廃盤になるとか。ちなみにパラバンのバッハスペシャルが元ネタ。ベビトーっぽいのはパクられがちなのでコーモじゃないかもだけど、コーモなら「トップー●」とかの名前だと思う。まあこの形でやることは引っ張ったらペラが回れば十分で、そこはなんなくクリア。で、今回是非泳がせてみたかったのが、「バッカス」またの名を「TOP-4」というヘドンクレイジークローラーのパクりで、これ人によって「泳ぎ不如意」「羽いじっても何やっても泳がない」という意見と、「ちゃんと泳ぐ」「本家のオリジナルとタイニーの中間の大きさなのでローテに入れている」とかいう見解とに大きく分かれる。この形で泳がないってないだろうって思うけど、名前が酒の神バッカスだから酒飲んで泳いで溺死してるのか?とか謎だったけど、今回泳がしてきました結果、この個体はちゃんと”羽モノ”の動きで泳ぎます。泳がないっていう意見が散見されるのはなんでだろう?個体差か、あるいは動かない仕様だったのを後年変更したとかか?いずれにせよちゃんと泳ぐ個体もありま~す。ちなみにフローティングワームヘッドの「パクパク」は今回出してみたら表面塗装が溶けて、袋にべったりとくっついてしまってて泳がせることはかなわなかった。古いコーモランの塗装がベタベタに溶けてしまうのはたまに聞く。

 でお次が第2弾なんだけど、「ビッグO」タイプのシャロークランク達で、こいつらコーモランじゃないパチモノが多い。じつは白ベースにグリッターが振りかけてあるのは、コーモの箱に入ってネットオークションで売られてるのを見た記憶がありコーモラン製だと思ってたけど、違うブランド名のパッケージに入ってるのも散見され、どうにもコーモではない気がしている。っていうかこのあたりの、古いパチモノシャロークランクは複雑な事情が絡むようで、興味持って調べてる人も少なく、資料も現物箱入りぐらいしかない状態で、思わぬところに深い沼として存在していて足を踏み入れた人間を飲み込む。ワシっ、もうダメかもしれぬ・・・ブクブク。

 そもそもは、神奈川在住時に近所の黄色い中古釣具屋(ああっ懐かしい!)で件の白ベースグリッターのを手にしたところ、ノンラトルでかつリグも鉄板リグで興味を引かれるモノがあり、シーバスに投入目的で2個同じのがぶら下がってたのを買ったと記憶している。値段は300円ちょいの在庫処分価格だったけど、その値段にふさわしいショボい作りのクランクベイトである。買った当時は名前もないような国産パチモノだと思ってたけど、前述のようにコーモの箱に入って売られているのを見かけたので、コーモの一味なのかと納得してたんだけど、これが別のネット記事で「サンゴルアー」のパッケージに入ってるのもあると知り、コーモじゃなかったのか?と思ったんだけど、これそんな単純な話でもないようである。同じような鉄板リグのクランクを安くネットオークションで見つけて確保してみたら、今度はラトル入りでかつ塗装の感じもちょっと違う。で、色々と探ってみるとサンゴルアーの方は他にも鉄板リグのミノーとかもパッケージ入りで出てくるけど、プラグ以外にもパチモノ臭いルアーがこのブランドで出ていたようだ。会社は「TONOSAKI FISHING HOOK」というハリ屋のようで、フックを納入しているつきあいからか、どうもパチモノのルアー作ってるような会社から流れてきたブツを自社ブランドで売ってた気配がしてくる。そうなると製造元は別ブランドにもパチモノ作って流しててもおかしくなくて、 コーモランが自社パッケに入れて売ってても不思議じゃないし、コーモランが製造元っていう可能性も否定できない。こんなもんただでさえ40,50年昔の話で、まともに資料も証言も残ってるわきゃないので想像するしかない。

 しかし、もういっちょの青いラトル入り鉄板リグの方は、どうも香港シェイクスピアが作ってた「ビックSHAKER」シリーズのミディサイズの売れ残り在庫の横流しバッタものの可能性が出てきた。SHAKER(シェイカー)シリーズも時代によってリグが普通のエイト管だったりするけど、香港時代のは鉄板リグのもあったようで、本物?は腹にペイントで名前が書いてあるので、箱入りでなくても分かりやすいんだけど、これが、腹に名前の書いてあるモノが「KYOTO」というパチモノ感丸出しの製造元不明のブランドのブリスターパックに入った状態で出てくる。これなど、当時日本でシェイクスピアの企画やらもしつつ代理店してたのはコーッタックらしいけど、香港の製造元がコータックに収めなかった余り在庫をそのまま適当な日本語っぽいブランドロゴのパッケージに入れて売ったんだろうと見てとれる。面白いのは、同じ「KYOTO」のパッケージで同じような造りのクランクが、銘のない状態でも存在するところで、写真の小さめの方は銘がない。ついでにエイト管。でもネット画像で出てくる銘ありエイト管の個体と独特の出目の作りが同じに見える。そうなると正規に発注元に収めなかった余った在庫品のみならず、調子に乗って同じ型使って生産して無銘のままKYOTOブランド?で売ってたのではないだろうか?だとすると、製造元と企画販売元ブランドが異なっててって話で、製造元が正規に発注元に納めたモノ以外に流通させたバッタモノが出てくるのはある意味当たり前で、香港だろうが中国だろうか韓国だろうが、もちろん日本だろうが、こういう適当にパクったパチモノなのか正規品の横流し的バッタものなのかわからんのはいくらでもあって、今更パソコン椅子探偵が頑張ったところで「真実は一つ」とは特定し得ないし、真実が一つとも限らないのではないだろうか。ワシも若い頃、スピードスティックの銘を入れる前のダイコーからの横流しバッタモンという竿を愛用していた。クランクベイトではザウルスが「ジャララ」の名前で売ってた体側に溝が入るブランクスが、あちこち出回っていろんなブランド名で出てるのも、わりとB級好きには有名な話かと思う。鉄板リグとか目立つ特徴があったので今回ある程度推理しようとは試みたけど、そもそもビッグOっぽいパチモノクランクで普通のエイト管リグのなんて推理のとっかかりもないぐらいありふれているだろう。

 で、昔のは分からんでも今のパチモノなら追えるかというと、製造元が東南アジアの新興工業国あちこちに広がって、かつ製造(コピー)技術も上がっているので、やっぱりわけの分からん出所不明のパチモンが出てくる。写真のブツも側面の溝からバンディット「200」かなと思って安かったので手を出したけど、バンディットにこの歩脚まで書いたザリガニカラーはないようだ。このザリガニのプリントカラーはボーマーにはある。でもボーマーにこの形のルアーがない。ネットの海に潜って調べていると、ブランド名もクソもない、紙に英語ワープロ書きの「CRANK BAITーDeep Daiver」 サイズ2、カラークローダットとかプリントアウトされたシールが貼られたブリスターパックで、同じモノが売られているのを見つけた。見つけたけど情報少なすぎてどこのどなたが作ってるのかさっぱり分からん。

 というなかで、実際にルアーを投げてみて思ったのは、ビッグOタイプのパチモノはだいたい良い動きをするなということで、当時は飛距離がどうとかあまりいわんかったので、オモリも入ってるか疑わしい限りの軽い作りで、ポカンと浮いてキビキビと泳ぐ。クランクベイトのあの形は、太いボディーで浮力を確保し、水をたくさん押して動かしつつブリブリと泳ぐという機能のために、開祖フレッド・ヤング氏が設計したもので、パクりは褒められたモノではないけど、パクってもそれなりにその設計した意図のとおりに機能するというのはヤング氏偉いッ!ってことなんだろう。思わずもっと欲しくなってビッグOパチモノを意味もなく買ってしまった。ついでに見つけたオリム「ビックI」?とウィーRパチで鉄板リグの「DAE YANG 」にもマウスが滑った。こいつらもパチモノそのものだけどDAE YANGは妙にできが良い。けどちゃんとリップに名前が書いてあるのは偉い。ビックIとか名前どこにも書いてないので他のパチモノと区別するのが難しい。ケツがヒートンであとはカラーがそれっぽいとネットで見比べて見分けてみたけど正直自信がない。同じようなパチモン他にもあっただろうし、同じモノが別の名前で出ていてもおかしくない昭和の混沌。あとクロームカラーのもノーマン「リトルN」かもだけどノーマンは銘を入れないのでパチに紛れると分からんくなる。そいつを含め上から2段目は全部エイト管モノでそれぞれ目の処理が違うので製造元は少なくとも違うっぽい。にしても、古くて安っぽいパチモノには意外に鉄板リグが多いのは真鍮の板を打ち抜いて穴開けるだけの鉄板リグの方が、ステン硬線を曲げて作るエイト管より安く上がるとか理由があるのだろうか?実は上の写真の真ん中の段の同じパーチ柄の鉄板リグモノ2つ、片方だけラトルが入ってる。もう、わっけわからんな。なんにせよ買いすぎで、アタイ病気が憎いッ!思わずシャロークランク以外の鉄板リグモノにも誤爆している。ついでにパチモノ界隈では大御所の一角ザ・プロデューサーズものもなぜか蔵にあった。一瞬ピーナッツⅡDRに見えるけど表面の鱗模様が独特だし銘がちゃんとある。堂々としたものである。パチモノではないけどダイビングクランク繋がりで誤爆したバークレー「フレンジー」はなにげに新型。金型新しくするぐらい売れたということだろうけど、エエんかアメ人的にはあれで?パチモノ軍団と並べても何ら遜色のない胡散臭さはなかなかのものである。

 今時の”良すぎる”パチモノは正直ワシ使いたくないとこれまでも書いてきた。苦労して開発したり、釣り方さえ提言して売れるところまで育てたルアーを安易に丸パクされて、その市場を食われてしまうとすれば、まともに開発、開拓するのが馬鹿臭くなって、先駆的なルアーメーカーがいなくなりかねない。ただ、40年から昔のショボいデキのパチモンルアーに関しては、笑って許して味わうのも一興かなと思ったところ。

 ちょっとコーモ以外のルアーに話が逸れたけど、コーモランも既に昔のパチものだけのメーカーではなく、いまだと「VIVA」ブランドや、ちょいまえの「プライアル」ブランドでオリジナルの自社製品を世に出すようになっている。とはいえまだ、ヘドン「ソナー」をパクったロングセラー「コーモソナー」も2代目になってしっぽの方がちょっとかっこつけてあるようになって健在だったりする。ソナーって音波探査機の類いの一般名詞でもあるけど、ルアーの世界では当然ヘドンのそれで、それをルアーも丸パクしたうえで、バス釣り少年がフォルテを「コーモランのロングA」と呼んでたのと同じようにコーモラン公式が堂々と「コーモソナー」と命名していたその度胸はちょっと笑える。現在オリジナルな製品が多く、わし次の冬用にコーモラン製の魚バサミなんてのも用意したところだけど、パチモノの王者としての仕事もまた忘れていないようだ。ビックバドのサイズ違いとかも出してるはず。しかも良いできだと高評価。まあ、パチモノは褒められたことではないけど、コーモランなら仕方ないと思わされるぐらいに歴史と伝統のあるお家芸ではあると思う。フロッグの世界では、ほぼスナッグプルーフに端を発する上向きダブルフックの中空タイプが席巻し標準仕様となってしまった中で、脈々といにしえの上向き1本フック”ガルシア”方式を「かへるくん」の昔から、現代の「愛アマカエル」で今に伝えてるのとか、なかなかに味わい深いモノがある。

 ということで、 ルアー図鑑うすしお味第93弾は愛すべき”キング・オブ・パチルアー”コーモランと、よく分からんパチモノクランクあたりでいってみました。ちなみにコーモランって鵜のことだけど、知ってました?

2026年9月19日土曜日

当たり王

 ストライクキング社は、1964年創業の古くからある米国のルアーメーカーだけど、むしろ若いルアーマンのほうがなじみがあるんじゃなかろうか、なにせプラドコやラパラの軍門に降らず経営者は変わってたとしても独立したメーカーとして生き残ってて、バスプロのケビン・ヴァンダム氏と組んで、KVDシリーズのシャロークランクやら、沈むときにブルブルしながら沈む”シミーフォール”とかでブームを引き起こした「レッドアイシャッド」っていうバイブレーションとかで、トーナメントシーン中心に気を吐いている。ワシもディープダイバーで急速潜行得意な「XD」シリーズは特に海水で太いリーダー背負って3mラインを攻める時の「5XD」を中心に愛用していて、「10XD」でスーパーディープクランクの釣りを開拓した先進性と共に、あとで触れるけど「5XD」の完成度の高さ釣る能力の高さには惚れ込んで投げている。令和の時代になっても貼り合わせのバリとか残ってる仕上げでも、実釣能力はさすが本場のトーナメントで鍛えられたアメルアらしい強さのあるルアーである。若い釣り人にはそういうイケイケなルアーブランドとして目に映ってるかもしれない。

 でも、おっさんたちは「ん?」そんなご大層なメーカーだったっけ、ってピンとこないだろう。まず何作ってたっけ?っていうと80年代バス少年達に一番なじみがあったのが「ダイヤモンドワーム(正確にはダイヤモンドバックワームか?)」っていったら、ああ、そんなんあったな。と思い出してもらえるかもだけど、もっと有名なのは、ダイワの「ピーナッツ」の生まれがSRはそのまんまストライキング社の「ピーナッツ(S)」でDRが「ダンスキング」で、ダイワのピーナッツ、ピーナッツⅡ一族に連なる始祖を作ってたメーカーとしておっさん&ジ様界隈には一番知られているのではないだろうか。写真のがそいつら。ピーナッツをネタにしてから欲しくなってしまい、バス模様のリアルプリント柄のが雰囲気あって実に良いんだけど、高くて買えなかったのよ。相場で4千円がとこしている.写真のこいつらは半額程度で、でも悪くないとは思う。とくにピーナッツの派手な色とサイコな目はストライクキングっぽさもあって良い。ダンスキングは樹脂の素材が堅いのかラトルの響きが高くて良い音鳴る。

 ダイヤモンドワームに限らず、ダイヤモンド型の表面加工にはこだわりがあったようで、スピナベのブレードにもダイヤ模様のがあったはずだし、ワシんちの蔵からも写真上、バイブレーションの「ダイヤモンドシャッド」がパッケージ入りで出てきた。まあ地味であんま人気のないメーカーのルアーで、買ったときにはたたき売りされてて290円とかで3つほど買ったけど、陸っぱりでシンキングのバイブレーションって若い頃のワシも含めアホの所行であり、根がかって失くして結局パケ入り1つしか残ってない。ダイヤモンド状の表面加工が起こす乱反射が魚の反応を引き出して劇的に釣れるとかなら、たたき売られてなかっただろうし、ワシももっと探して弾数増やしてただろうけど、まあ安かったので買ったけど、それっきりである。ただ、ダイヤモンドシャッドが最初のダイヤ表面バイブレーションじゃないようで、名称不明のバイブレーションとして写真下のボーマーの「ピンフィッシュ」みたいな丸っこい形状で表面がダイヤ状のバイブレーションが格安で出てきて確保。入札前に、たぶんストライクキング製だろうなと思ってネットで検索かけたら、その時は出てきて名前も判明してストライキング製で正解というのも分かったんだけど、いざ入手して今回ネタにしようとして名前も忘れたので再度ネット検索したらこれが出てこない。同じルアーがネットオークションに出品されてるのとか引っかかってきたけど、やはり名称不明で出てる。入札した日にち前後の検索履歴とかから調べようとしても上手くいかなくてイーッとなってたけど、別件で”B列伝”を読み返してたら、さすがという感じで出てきて「シミーシャッド」と判明。こっちの方がやっぱり古い時代のものだった。ネットの情報は玉石混淆すぎて欲しい情報にたどり着きにくく、その道の権威の書いたものにあたるのが結局早いっていうことか。まあいつも書くようにどちらも上手に使いわけるのが王道。で、”シミー”シャッドという名前から、ひょっとしてコイツが”シミーフォール”するバイブレーションの原点か?と思ったけどそんなことはなくて”シミー”自体の意味は細かく揺れるとかなので、そういう名前ってだけのようだ。くだんのレッドアイシャッドの制作にはオモリを3カ所に分けて配分してどうたらこうたら理想の動きにするのに苦労したとかなんとか。ちなみにデュエル(ヨーヅリ)の「ラトリンバイブ」がシミーフォールの”元祖”を名乗ってて、現行のラトゥールシリーズでもれいによってデュエルお得意の”お化粧直し”して生産されているようだ。まあ、シンキングのバイブレーションなんて使わんから買わんけどな(ハッ!シミーシャッド買ってるじゃん)。

 で、まあピーナッツとダンスキング探してたら、別のクランクにも誤爆してしまった。こいつは「リトルS」って名前らしく、いわゆるクランクベイトの”アルファベット戦争”の時代のいかにもなネーミングだけど、調べたけど「ビックS」との2サイズの展開だったようだ。でリトルと言っても結構大きめでデカピーナツ級。でついでにもう一つの頭文字Sのシェイクスピアから「ビッグS」というのが出てて、サイズ違いで「ミディS」「リトルS」というのもあるようでややこしい。その辺の問題もあったせいか、シェイクスピアの方は正式には「リトルSHAKER(シェイカー)」っていう名前のようだ。シェイクスピアのシェイカーシリーズは鉄板リグの時代もあってビックSはヘドン「ビックヘッド」のそっくりさんで紛らわしかったりややこしいルアーで、また別途ネタにしたい。もちろんそちらにも誤爆しているからな。アタイ病気がにくいっ!

左から、ビックO、ピーナッツS、ピーナッツⅡ
 でもって、上のリトルSの意匠の素晴らしさよ、子供のお絵かきみたいな表情がとても良いと思う。何でもかんでもリアルお魚模様にしてるしょうもない国産メーカーと違いデザイナーが仕事してる感じがして好ましい。思わず使う予定などみじんもないのに2発目もチュドーンと誤爆。こいつ売れ残ったのか在庫処分で「トムマンアップロード」っていうトムマン印のパッケージでも売ってたようだ。まあ百花繚乱のアルファベット戦争の敗残兵といったところか?元祖のコットンコーデル「ビッグO」のできが良いから、なかなか差別化して生き残るのは難しかったんだろうなと思う。ぶっちゃけピーナッツもビックO小サイズとそっくりさんだからな。始祖「ビックO」はじめ、「モデルA」「バルサB」「ウィーR」「リトルN」「ファッツO」あたりの勝ち残った一流どころの、クランクベイトという機能の縛りの中での独自性の発露のなんと色気のあることよ。って話。

 でもって、ストライクキング社は昔からクランクベイト得意としているメーカーではあって、バルサ製の「バルサキング」なんてのもあったけど、木片をラグビーボール型に削って、金属製のリグをあしらってフラスカートも装備した「スペンススカウト」「カブスカウト」っていう素朴なクランクもあって、名前は当時の社長のスペンス氏の名前から来てるとのこと、”カブ”は小熊の意味だけど、カブスカウトってボーイスカウトの年少者クラスの組織名でワシもカブ&ボーイスカウト出身なのでなんか縁を感じて1個買ってた。スカウトってドラゴンボールのスカウターとか野球のスカウトである程度分かると思うけど、偵察とかの意味があってボーイスカウトの始まりって少年兵を戦闘行為につかせるのは戦時でもなんぼなんでもあれなので斥候に使えるように野外で行動する技術を鍛える(by BP)ってのが身も蓋もない原点だとかなんとか。我が家の蔵にあったカブスカウトのスカートは腐ってもうなかったのでこの機会にシリコンスカートをフックに細いステンレス線で縛り付けておいた。スペンススカウトの方は、最近ジャンク状態のを安く手に入れたもので、スカートはもちろんおなかのヒレもなくなってたのでアルミの0.5ミリ板で作って補修。スカートは適当に昔買ったルアーについてた手作りっぽいのをつけておいた。スペンススカウトなにげに需要はあったようで、ボディーが樹脂製のも長年作られていた。そして、金属リグを廃止してリップまで樹脂一体成形の「ウォータースカウト」も一時期作られていて、それじゃあ良さが台無しじゃんと思ったけど、実はウォータースカウトは津田商会製でパチものだとテツ西山著「ヒット:バスルアー」の後ろのカタログ?で知って納得してたんだけど、今回ネタにするにあたって、ネットで調べてたらなんと「ウォータースカウト」はコットンコーデル製のもあるようで、さすがに日本のパチものメーカー製のは無許可っぽいけど、コーデル製は版権とか了解得て作ってたんだろうから、このとぼけた味わいのルアーの分かる人間には分かるしぶとい魅力があるんだろう。ワシにはあんま分からんかったけどな。

 で、B級好きにはストライクキングでスカウトといえば、むしろこっちだろうっていうのが「サイコスカウト」で、樹脂一体成形垂直リップの個性的な見た目のクランクベイトである。釣れるルアーっていう評判は聞いたこともなく、まあ人気ってほどでもないのでボロいと500円前後からで買えたので2つほどゲットしたら、これが”B列伝”によると黒い方の目が普通のはパチものでフィッシュメイト製「ウォールアイ」で、キチガイピエロっぽいサイコな涙滴目の方が本物だそうである。なぜこんなマイナーなルアーをパチろうとしたのか?版権管理が緩そうとか、素人には分からん経営判断とかがあったのだろうか?単なる好みか?いずれにせよ微苦笑させていただきました。パチものもこういうほほえましいのは良いけど、いまだに我が国のブランドで製造は人件費安い国なんだろうけど思いっきり丸パクしてて、釣具屋の棚に本物の横にエラそうにパクりルアーが陳列されてるのとか見ると、どうにも胸くそ悪く怒りが湧いてくる。釣具屋もそんなもん同列扱いで売るなや。ワゴンか階段の段ボール箱にでもぶち込んでおけって心底思う。

 まあむかつく話はおいといて、ワシが良くできてるなと感心した5XDあたりについて書いて締めたい。5XDの前身は「プロシリーズ5」というクランクで、見た目は5XDもそんなに変わらない。写真の上から3枚、上と左が5XD下と右がプロシリーズ5。まあボーマー「ファットフリーシャッド」に始まるフラットサイド気味のややボディーの薄いディープクランクである。これが、写真で分かるかどうかだけど、リップが微妙に反って窪んで水噛みを良く、かつ若干大きくもして設計してやったんだと思うけど、ギューンと急速潜行して同じような大きさのプロシリーズ5より感覚的には1mぐらい深く潜る。底に当たった時の挙動も軽くひっくり返ってヒラうってテンションが抜けるので分かりやすく、抜群に使いやすい。そして実際に魚が釣れる。もうこの大きさのディープクランクではコイツを超えるのは難しいのではないかと思う完成度。後発で同程度の性能のものが色々出てきても正直べつにコレでいいやで終わってしまう。たださらに深くてデカくてな10XDになると、さすがに引き抵抗の重さや投げやすさで、デュエル「バレットクランク7+」の方が使いやすい。写真下の2枚、上が10XDで下がバレットクランクだけどデュエルのほうは反りや窪みのない平らなリップだけど、「バスフラッペ」とかから連綿と続く伝統?の根元の絞れた長いリップで上手に潜らせてて、さすが世界を相手に戦ってきた釣りの現場叩き上げの”漁具系”釣り具メーカー、その独自性の高い技術力に感心する。まあ、ストライクキングとデュエルは”シリーフォール”なバイブレーションでもしのぎを削る関係にあるようだけど、どちらもなかなかに実力のあるルアーブランドだなと思うのであった。

 ということで、ルアー図鑑うすしお味第92弾はストライクキング社のルアー界隈でいってみました。

2026年9月12日土曜日

謎ミノー なんじゃこりゃ?詳細希望!

  まあリールや竿も買えばルアーも買うよねってことで、ルアー図鑑うすしお味第92弾はよくわからんミノーでいってみます。

 ミノーも格好いいのが色々あって、ボーマー「ロングA17A」とかフルーガー「マスタング」とかとか、まあそういうのも好きなわけで過去とりあげてきたけど、格好良さとは離れていくかもだけど、変なミノーもこれまた好物なわけで、安い値段で出てるのをネットで見つけると思わずマウスが滑ってしまう。アタイ病気がにくいッ!

 ということで、ちょっと変なのが蔵にたまってきたのでご紹介したい。

上ハードコアミノー210F、下タイドミノースリム200
 まずは軽くジャブから、デュエル「ハードコアミノー210F」は、とにかく長い。海外のマスキー用とか海用なら21cmの長さも珍しくはないのだけど、その場合長さもあるけど太さも出てくるので、道具からして大物対応のものが必要になってくる。だけど、このミノーが出てきた背景には、シーバス狙いでのコノシロパターンやボラパターンはじめ、長いミノーのアピール力が欲しいという場面に対応したってのがあって、長くて細いミノーの世界はDUO「タイドミノースリム」が開拓した分野で、最初120と140がメインだったのが、「長い方が釣れる」という要望に応えて175と200が追加されていった。その時に、ベイトタックルとか特殊な道具立てではなく、多少強めのシーバスタックルで投げられるってのが売りで、そうなると当然長細いミノーに仕上がる。大手メーカー含め長いシーバスミノーというのは1つのジャンルを形成するに至り、なかでもデュエルは後出しジャンケンで210mmのを突っ込んできて、東京湾でシーバス釣ってた当時、「タイドスリムミノー200」は購入済みで、かつデカい餌食っててもルアーのアピール力は強いので、よっぽどのことがなければ145mmで食ってくるってのも感じるところだったので、210mmと言われても食指が動かなかったけど、塗装はげちょろげで700円とかでネットフリマに出てきたら、思わずマウスが滑ってクリック。そのうち暇をみて、黄色に塗り直すなりして青物でも狙ってぶん投げてみたいところ。

 お次が光りモノ。まあ黒蝶貝とかで作った釣り針を使ってた石器時代のご先祖様の大昔から光が魚の興味を引くというのは注目されてきたわけで、各種科学技術が発達した現代においては、反射光や蓄光を利用するだけでなく、自ら発光する仕組みをそなえたルアーも色々と作られてきた、単純明快なのは写真下のヨーヅリ「アークミノー」のように”おなかにポケット”等ケミホタルを装着することができるタイプで、最近ではアーボガスト「ジッターバグ」にケミ搭載用の金具が付いてるモデルがあったりするようだ。ワシそんなの売ってなかった時代に、クリアカラーのジタバグに穴開けてケミを入れる筒を仕込んで光るジッターバグ作ったりしてた。光るジタバグは思いっきりナマズに嫌われることがあって、普通に黒か黄、白あたりの色が無難だと思っている。で、光らせるなら当然電気浮き方式で電池で光らせようという発想も出てくる。我が国では、ナショナル→パナソニックと大手電機メーカーが”光るルアー”の伝統を引き継いでいる。ナショナル時代のは目が光ったようだけど、00年代に作られた”平成最新版”のものは、頭が全体的に光って、かつバイブレーションとポッパーも展開していて、意欲的な怪作となっている。ただ、傑作ではあっても名作ではないようで、あんまりこれで釣れたっていう評判は聞いたことがない。蓄光のジグあたりでも、嫌われるときは思いっきり嫌われて警戒されるので、とある船長さんは周りに迷惑かけるから使わないでくれとまで言ってた。でもグローカラーのジグも釣れるときは蓄光が効いてるかどうかは別として良く釣れたけどな。自ら光って魚を誘うってのはハマりどころがありそうな気がするけど、それがいつどこで何を対象になのかはよく分からん。なのでワシが使うことは想定されない。けど、けっこうネットの中古市場には弾数多くて、送料割安感を出すのになんかついでに買っておくかと、200円のレッドヘッドに手が出てしまった。電池は電気浮子用のがあるので光らせてアークミノーと共に写真撮ってネタにしようと思ったら、配達されてきた個体はジャンク個体で発光せず。200円の動作未確認品だし文句も言えんけど、結局送料込み600円のイワシカラーのをおかわりしてしまった。いつかこいつらの光が、捕食者共のやる気スイッチを押しまくることがあるのだろうか?ちなみにアークミノーが光るところを撮影するためにケミを一本消費したわけではない。ケミって冷凍庫で保管するとポキッとして光り始めた後でも反応を止めて保管しておける。半年ぐらいは問題ない。釣り終わったらその場に捨ててくとかもってのほかなので持ち帰って冷凍庫保管して何度も使って欲しい。

 話横道にそれるけど、久しぶりに蔵から出した、ケミ装着改造ジッターバグ、実に良くできている。ケミが突っ込める筒を本体横っ腹に貫通させているんだけど、片方の端に少し径の小さい筒をハメて接着している。ケミを突っ込んで小さい筒に当たって止まるまでしっかり押し込んで使って、ケミを外すときには小さい筒に千枚通しかなんかを突っ込んで押し出すことができるようになっている。ワシ、若い頃からこの手の細工物は得意だったんだなと思いましたとさ。ナマズ釣れなかったけどな。釣れなくてもいろんなこと試していくのが大事。10のアイデアのうち一つでも上手くいったら儲けものである。アークミノーのケミ突っ込むところは単なる窪みだけで、適当に出っ張らせてチューブで突っ張り棒みたいにしてやらないと装着できない落っこちそうな仕様より安全確実と自負している。

 で、お次が顔のない「BETEミノー」ニールズマスター時代だろうと思うけど、ひょっとしたらBETEがニールズマスターに吸収されるときに持ってた塗装途中の在庫が流れたバッタもんかも。単に塗装はげただけか?っていうBETE社なんだけど、ダイワの「チヌーク」やらのネタ元の一つだと思う「ヤムトランド」とかのスプーンが有名で、スプーン好きにはおなじみのブランドだけど、スプーンマニアの方々の情報を見ていると、BETE社はTYSK社に買収されたかなんだかで、ブランド名が変わって、BETEのスプーンのパッケージに「TYSK」のシール貼って売られていた時代もあったようだ。となると、その後だと時代的には考えられるニールズマスターへの吸収のさいにはブランドはTYSKだったと考えるのが自然だけど、なぜかBETEとなっている矛盾。ニールズマスターの公式サイトにもBETEブランドで今でもヤムトランドやウトーといった伝統的なスプーンがラインナップされている。TYSKブランドあんまり浸透してなかったので、なじみのあるBETEブランドをニールズマスターが復活させたとかだろうか?真相ご存じのかたはタレ込みお願いします。

 で、もいっちょフィンランドものが、「フィンランディアミノーウォブラー」といういわゆるスターホイルのクラッシックなミノー、リップには「Original Finlandia uistin wobbler」と明記されていて、おなかにはメイドインフィンランドの赤文字が誇らしげに記されている。”uistin”はフィンランド語でルアーの意味のようで、フィンランド産ルアーのパッケージとかでちょくちょく見かける単語だと思う。これ、売り主さんはニールズマスターのフィンランディアの初期版と考えてたようだけど、ちょっとそのあたりが怪しく確証が持てない。ニールズマスターの初期のルアーには七種類あってその1つがハーカーみたいな平べったい系の「コンカラー」でスターホイルが貼られている。ってのがDab氏の”B列伝”で紹介されていたと思うけど、残りの六種がなんだったのか、そのうちの一つがコレなのか?ただ、コンカラーにはすでにリップに”NILS MASTER”の銘が見える。
 気になって探したらリップに”NILS MASTER”の刻印ありのスターホイルなフィンランディアも見つけてヌルッとマウスを滑らせて入手できてしまって、なおさらニールズマスター製なのかどうかこんがらがってきた。いずれにせよ60年代ぐらいの、ラパラに触発されたというかパクったフィンランド製ルアーなのは間違いない。詳細ご存じの方がおられたらこれもタレ込みよろしくお願いします。って、引き続き調べてみると、丁寧に年代とブツを追った推理でニールズマスター社の前身の製造であるとしている方がおられました。ラパラの真似してこの形式のミノー作ってた会社は、知的財産権とかも適当だった当時はフィンランド国内に複数あったとか。そういうラパラの真似で始まったけど、1963年あの独特の感性を爆発させて7つのルアーをひっさげてニールズマスターという個性的なルアーメーカーになったということなのかな?なかなか説得力のある説。ちなみに最初のニールズマスターの七種類はスピアヘッド 8 cm、インビンシブル 8 cm、ウォリアー 8 cm、コンカラー 7 cm、デストロイヤー 5 cm、プレデター 5 cm、スタルワート 8 cmだったそうな(あれっフィンランディアがない?)。
上と右がニールズマスター製
 入手したニールズマスター製スターホイルなフィンランディア?を見ていくと、リップはニールズマスター刻印ありの丸い形状のに変わっている。腹に赤字のMaid in Finlandもない。ただその他は多少体高が高いかなというのはバルサ製なので個体差かなという感じで違いが見あたらない。特にフロントフックのアイの形状がちょっと尖ってるのとか癖が一致するのは同一の製造元であることを想起させる。細かいところでもう一点スターホイルの鱗パターンが、星の間隔といい、星の中にも点が入ってることといい、同一の”鱗ローラー”が使われてるように思える。アルミホイルに鱗描くのは鉄筆使って定規で線引く方法と金属製のローラーを転がす方法が代表的だけど、今回のもそうだけどラパラのような細かい鱗模様は後者で、金属製の円筒に模様が切ってあるのを、ローラー刷毛のような治具にハメるか直接かいずれにせよ押しつけて転がして鱗模様にする(スターホイルの場合星形のを押してから細かい鱗模様を押すのかも?)。オルファのアートナイフのグリップ部分とかいつも「アルミ箔に細かい鱗描けそうだな」って思いながら使ってる。同じ”鱗ローラー”を違う製造元が使ってたとも考えにくいので、製造元同じって可能性が高いかとパソコン椅子探偵としても推理するところ。真相を知る方がいたらご教授願います。なんにせよラパラのスターホイルものとか復刻版以外だと手が出ないぐらいにお高いけど、ニールズマスター製始め、ラパラは周辺のものも含めて面白くて案外ラパラ以外が狙い目かもと思ったりして。じつはニールズマスターの初期のものはリップに、刻印ではなく社名が”けがいて”あったとかで、刻印リップものはその後の時代のもののようなので、引き続きなんかそのへんも狙ってみたい。

 そして最後が、ある意味今回の本命ネタ。なんじゃコリャ?ってブツ。たぶんボディーの意味深なくびれは、スカートとかなにかを装着するためのものと見て取れる。頭切ったタコベイトとかなら問題なく装着可能だろう。ただ、単にスカートを装着するだけなら、くびれが一カ所あればいいだけで、こんなしっぽの方まで何かに突っ込んでカチッとはめるような構造が必要とは思えない。ボウガンみたいな射出装置にカチッとはめて、バシュッと撃ち出すんじゃないかという感じの形状に見える。ただその場合後ろのフックが思いっきり邪魔なので現実的ではないか?だとすればこのミノーはなんなのか?色違いのパーツを左右からパチッとはめたりするとかか?まったくわからんので、こういう珍品は”B列伝”かえぐり氏チャーリーさんのサイトを見ればでてくるだろうと、調べてみたけど出てこない。出てこないけど、さんざん悩まされた「トップ45Ⅱ」とかB列伝でしっかり紹介されてたりして、知ってる人は知ってるものだと感心した。いろいろ調べてみたけど、結局答にはたどり着けず。ただ、ルアーをバシュッと撃ち出すっていう装置は今も昔もあるようで、カタパルト方式からボウ&アロー方式、変わったところでスパイダーマン方式まで各種あるようだけど、どれ一つとして「竿とリールで投げとけ!」というツッコミから逃れられるモノではないと思う。ちょっといけそうなのが、まあ三平君の”デカバルト”の昔から、ドローンでルアーを運ぶっていう発想はあって、ドローンはありかもで、ドローン撮影と組み合わせたら面白いかもしれない。魚群の探索とかに使ってる人は既に居る。まあ、便利な分めんどくせぇけどな。などと暇はつぶれたのであった。にしてもこのミノーがいったい何なのか、分かる方、探し求めてたという熱烈なマニアの方、ご連絡お待ちしております。

 ということで、謎めいた?ミノー達を紹介してみたんだけど、なぜ我々は(ワシだけか)こうも謎にロマンを感じてしまうのだろうか?分かってしまえばしょうもない話だったとしても、分からないこと自体にあらがえない魅力があるように思ってて”私気になります”っていう気持ちが抑えきれない。好奇心はネコを殺すらしいけど、我が家では好奇心が老後資金を削っております。ホドホドにせなあかんね。かまうもんか、ブレーキなしでアクセル全開だぜ!(by JF)