なんぼ切れないラインを使っていたところで、竿が折れれば釣りは継続できず、リールが壊れればこれまたどうしようもない。もっというならそれらの釣り道具を強化しまくったところで人の体が耐えられなくなればどうしようもない。どうしようもないのに、船だの磯だのに道具を固定とかし始めたら終わりである。それはもうワシの知っている”釣り”ではない。単なる漁であり魚を獲る手段でしかない。
往々にして大物狙いの場合、強度面での破綻は人の体の限界が招くので、まあ限界値を上げたかったら体鍛えろって話になってくる。あるいは技術面で補完するかで、いずれにせよ道具の限界が人体の限界を超えていると危ないので、どこか力の逃げ道を作っておかないと怪我の元である。リールのドラグがそういう役目を果たしてくれるけど、より確実に安全を確保したいなら、ハリなりラインなりに体の限界が来る前に壊れる部位を設けておくのが上策だと思っている。ワシが根魚狙うのに道糸をぶっといPEではなくナイロン16LBや20LBにしているのは、換えの効かない釣り具である我が体を壊したくないからである。それ以外でもどこが使ってる道具立てで一番の弱点かを理解していることは有用で、根魚狙いの岸壁ジギングではアシストフックが写真のように折れるか抜けるかするようにしているし、フライフックは”世界のマルト”の「H260」という細軸の折れやすいハリを主力として使ってるけど、そうすると根掛かりは避けられないとしても海にゴミを残すのが錆びて朽ち果てるハリだけにできて、ルアーを失くすことや高価なフライラインを伸ばして痛めることもかなり防げる。根がかったラインを手元で切るバカが一定数存在するようだけど、意図しない”高切れ”もハリに近いところに弱点を作っておけば防げる。ノットをわざと”弱い”ものにしておくというのも使える手。破綻するような弱点も”逆に考えるんだ”って上手く扱うべきだと思ってる。で、釣りは弱いところがあるとそこから破綻するっていうこの考え方は、もっと範囲を広げて釣りの技術全体においても同じようなことが言えると思っている。端的に言うとなんぼ道具を良いものを揃えたとしても、技術が伴っていなければどうしようもないって話であり、逆に言うと釣り全体のレベルは、道具、体、精神、知識、情報、技術、経験、センス等諸々の一番低い部分に引っ張られて限界が生じる。もっというなら心技体が揃った釣り人でも釣り場にやる気のある魚が居なければ手のうちようがない。なので、技術も知識もたいしたことない場合、道具やらにはそこまでシビアな性能が求められない。雑っつい釣りしかしてないのに、細かな戦略を支えるための高レベルな尖った性能の道具など使いこなせるわけがなく必要ではない。あんまり尖りすぎてたり高機能すぎたりするとかえって使いにくかったりする。
ワシが、40年から昔の道具にちょこちょこ手を加えて使ってるのは、劣っているのを承知で格好いいから使ってるってわけではなく、自分の釣りの技術で必要とされる性能が充分それで間に合うからであり、かつ手入れが楽とか壊れる部品がそもそも少ないとかとか総合面で勝るからというのはコレまでも書いてきたとおり。よく、中古の道具の説明文に「古い物なので今の製品より性能は劣ります」とか書かれているけど、どのへんの性能がどう劣っていて、それがどうあんたの釣りに不利益をもたらすのか説明してくれって話で、投げて巻いての基本性能が同等なのはリールならギアの方式とかが変わってないなら当たり前の事実で、瞬間的に止まるとか滑らかな回転とか竿なら美しいベントカーブとか、それがあればなんか釣りに有利な点があるのか?って話だし、剛性や軽さ感度の良さなんかは、重さ、強度不足、魚への違和感の与えやすさと表裏一体で、適切な落としどころってものがあるだろうって話で宣伝文句的に優れているからといって、それがどうしたって話である。魚釣ってなくても評価できる軽さとか飛距離とか感度とか、どうしても物を売る側はそういう分かりやすい性能を打ち出してアホな釣り人がホイホイ釣られるけど、一回あんたの釣りに必要な道具の性能はなにかよく考えろと書いておく。 まあ、ワシ技術的にはたいしたことをやってない。まさしく投げて巻いて(あるいは手繰って)の基本動作ぐらいしかやってない。戦略的にはそこそこ玄人らしい釣りをしている自負はあるけど、ワシのような”腕で釣らずに足で釣る”ような釣り人にとって道具は最低限の基本性能さえ備えてくれていれば困るようなことはない。その範囲内でおおいに遊んでもいる。ヘッタクソな釣り人に限って、自分の腕やら戦略やらがダメで釣れていないのに、道具のせいにしたがって、結果道具ばかりご大層な”ソニンデラックス”が釣り場に量産される。釣り道具はまあ状況や腕にあったのを使うと、釣り全体を底上げしてくれるようなことがあるのも否定しないけど、物理法則を無視したような魔法の道具も存在し得なければ、お魚まっしぐらな万能の餌や疑似餌もあり得ない。新規なけったいな”爆釣ルアー”とかさんざん若い頃にだまされたけど、結局ほとんどの場合で定番ルアーが強い。たまに革命的なルアーは出てくるけど、まずほとんどがすぐに消えていく泡沫のようなものである。ワシが長い釣り生活で新発売のルアーで恐れ入ったのはコモモとフラットラップラパラ、グレートハンティングミノーとかごく限られている。ワシがどんだけの種類のルアーを買ったかって話にもかかわらずである。フラットラップラパラは唯一無二に近いけど、コモモやグレートハンティングミノーがその後その基本設定をどれほどパクられたか。自分の釣り全体を底上げしていきたいと思うなら、道具なんてどっかに破綻する欠陥を抱えていないことが確保されてれば充分で、全体として弱点が少ないことを重視した基本的な道具立てでほとんどの場合間に合う。もっと情報収集能力とか、作戦の組み立て方とか、人山の回避の仕方とかに力を入れた方が結果に直結する。道具に金掛けるぐらいなら、その分交通費や船代に回すべきである。って、使いもしない道具に金かけてる人間がどの口がいうかだけど、”釣り”と”釣り具の蒐集”はちょっと別物なところもありご容赦願いたい。
というなかで、久しぶりに実釣想定の釣り具を買ったので、マイニューギアってみたい。 ハッハッハ、フライロッド買うたりました。写真の5本継ぎのがそれ。ちなみに8番で主に冬のカマス用。![]() |
| 現行、8番メインロッド、4本継ぎ |
カベラスのフライロッドたまにレビュー記事書いている人がいるけど、総じて「コレといった強みのない凡庸な竿」「費用対効果は抜群」という評価である。凡庸な竿っていうのは、ようするに腕の良い人にとっては物足りない性能だろうけど、逆に言うと長所と引き替えの欠点もない素直で基本性能の足りている竿だと言えると思う。弱点は裏返すと利点に転じる。バスプロショップスと親会社統合されているようだけど”カベラスブランド”で、初心者がまず買う1本とか、玄人衆が予備竿に持っておく1本とかには好適な竿だろうし、そういう竿もまた釣り具市場には必要って話である。
ワシもロアーロッドには明確な好みがあるけど、フライロッドには好みをどうこう言えるほどの技量も知識もないしで、こういう初心者向けの竿は非常に合っていて分相応だと思う。今使ってるロッキーマウンテンアウトフィッターズも釣りツアーとかやってるアウトドア系旅行会社の貸し出し竿ブランドらしく、まさに初心者用って感じだけど、それでワシの釣りに足りない部分があるとか、もっとこうしたいとかいう好みが出てくるとかいうところまでワシ至ってない。なら初心者用の道具で何ら問題ないだろう。
カベラスの竿は、9番の「LST」と6番の「キャスタウェイ7」を使ってきたけど、どちらもなんの問題もなく使えている。っていうかかなり魚釣った。ソニンデラックス共の高級ロッド様とは段違いに魚で曲がった竿だと思う。
とりあえず次世代主要ロッドなので、ボナンザ塗ってしばらく蔵で待機だと思うけど、今の竿が腰抜けたり折れたりで引退したら活躍してくれることだろう。
良い買い物だった。とブログには書いておこう。






