2023年2月25日土曜日

ベール周りが針金一本のリールってどんなもんなのよ?

  なんじゃら買うてしもてます。アタイ病気が憎いッ。

 これはあれです。以前人様にお借りしたリールをいじくったときに、「バンタムⅢ」という異形の大森スピニングを目のあたりにして、ベール周りが針金を曲げてたわめたパーツでやっつけてあるリールに興味が湧いてしまい、「ナイト600」ってのを狙ってたけど意外に左巻き機が出てこなくて、同じく大森製らしいこのコンパック「シエラⅣ」に手が出てしまったのである。ちなみに送料込み4200円とわりとはりこみました。欠損とか派手な疵とかのないまともな個体なのでまあこんなモンかなと。

 人様のリールをお借りして、分解してお勉強して楽しんでみるというのは、自分の持っていないリールを楽しめて非常に良かったんだけど、買わなくてイイから送料だけであんまりお金掛からんだろう、という目論見はその後の”大森熱”の悪化状況を鑑みるに、まったくアテが外れて、欲望のたがが外れて、財布の紐の縛りもほどけてしまって、という体たらく。病気になりたくてなる人間はいないけど、なるときはなってしまうものである。しかたないね。病気は憎いよね。

 まっそんなこんなで我が家にお迎えしたからにはこのリール、いつものように分解整備して稼動状態にもっていき、実戦導入して針金ベールのリールの実力のほどをみてみようって目論見のもとサクサクと分解清掃。

 入ってた古いラインを引っぺがして、スプール周りから見ていくとなかなか面白いドラグが入ってる。「バンタムⅢ」ではバネの役割をする曲げワッシャーの上にドラグパッドが乗ってて、ドラグ締めていくと曲げワッシャーに接する面積が増えていきそうな見るからに不安定そうな、そのわりにわりとまともに機能するドラグだったけど、バンタムⅢが1954年発売でその翌年1955年発売らしいシエラⅣはちょっと改良されていて、曲げワッシャーの代わりにクラゲのエフィラ幼生みたいな放射状に脚の出た金属部品の脚がバネの役目をしていて、その真ん中に乗ってるフェルト製のドラグパッドはいつも円状の部分と接する形になってる。エフィラ幼生状部品はスプールと同期して回転、上部の欠け金属ワッシャーは当然主軸と同期して回らない、その間のドラグパッドが適度に摩擦力を生じさる構造。これ結構まともなドラグになってて、そこはやっぱりさすが大森製作所という感じなのである。単純だけどちゃんと仕事ができるドラグになっている。ドラグにボールベアリング入れてるようなアホメーカーはこのへんのリールから勉強し直せと言いたい。

 でもって、本体パカッと開けていくと”強化ナイロン”製だとかいうハンドル軸のギアがドーンと鎮座している。蓋側にだけどな。

 純正状態なのか以前の持ち主がぶち込んだのか、グリスグッチャリで好ましい。けど、なんか真鍮製のローター軸のギアの根元あたりにヒゲのようなモノがチョロリと見えてるので、なんだろう?と引っ張ってみたら、これスプール下に噛んでしまったラインを巻き込んで、そのままギアのあたりまで絡んでしまっている。慎重に逆回転とかさせながらほぐしていって綺麗に除去できたけど、このリールもバンタムⅢもそうだったけど、スプール上下のためにハンドル軸ギアの上面?に刺さる棒が、金属製スリーブ噛ませてあって丁寧な仕事ぶりなのはいいんだけど、ハメゴロされていて主軸が抜けない状態になっっているのでローター及びローター軸のギアが外せない。なので、絡んだままほどけなかったら致命傷モノである。この点、整備性という面はイマイチ。

 でもって、強化ナイロン製のハンドル軸ギアなんだけど、ギアとしては意外と大丈夫なのか上の写真見てのとおりのベベルギアなんだけど欠けたり摩耗したりはみられず、整備後は巻きも軽くそこそこ滑らか。なんだけど、ストッパーはさすがに樹脂製ではいかんともしがたいようで一部つぶれていたりする。ミッチェル式で普段はストッパー外しておく運用なら使えるかもだけど、取り込みでタモ使うときにストッパー掛けて魚が最後の抵抗で暴れたときに、はたして大丈夫なのかやや不安な強度。どうせ金属の軸を入れるのならストッパーは金属製にすれば良かったのにとは思うけど、軽量化優先の尖った仕様だったんだろうな。バンタムⅢでも樹脂製ストッパーは欠けてたのでまあ無茶な仕様かと。

 というわけで、PENNやら往年の大森スピニングやらのように丈夫なギアでもなさそうなので、グリスは耐塩性より耐摩耗性やらを重視してちゃんとしたリール用のグリスであるABU純正グリスでグッチャリグリスシーリング。

 主軸が抜けないのはいかんともしがたかったけど、パーツクリーナーのスプレー圧で古いグリスは吹っ飛ばして、ややストッパーに怪しいところはあるものの、稼動品で見た目もそれなりに綺麗な状態で残ってる良い状態に整備できたとは思う。

 ただ、逆に状態が良いだけに海水での使用にはもったいなく、あとやっぱり樹脂製ストッパーの強度は実用上信用しかねるので、コイツはお蔵入りか売りに出すことにして、ナイト600の左巻き個体を手に入れて針金ベールのリールは一回実釣導入して使ってみたいところ。大森製にこだわらなければ、この手の針金ベールの安っぽいスピニングは「ノーマン」とか初期ダイワがお得意で中古の弾数も多めだけど、どのみち左巻き版は少ないのが悩みのタネ。ひょっとしたら大森製かも?なオリム系も同様右巻主流。やっぱり左投げ右巻きの練習するか?

 ボロい個体が出てきたらもいっちょシエラⅣでぶっ壊れるまで使ってみるっていう手もなきにしもあらず。大きさ的にはバンタムⅢほど異様な小ささではなくて、比較対象に左に置いてみた「マイクロセブンDX」のような小型軽量機と同程度のサイズ感でそのあたり大きさ的にも実釣には向いてそう。スプール径はむしろマイクロセブンDXより大きめで使いやすそうにも思う。あと特徴的なのはその薄っぺらさで、ハンドル軸のギアに直接スプール上下のための溝が掘ってあるのもあってギアの厚さ分ぐらいしかボディーの厚さがなくて、主軸が収まる部分はミッチェルみたいに筒状に張り出しているだけという個性的な見た目でなかなかのもの。軽さはさすがにギアまで樹脂製にしただけあって、マイクロセブンDXも200gをチョイ切る軽量小型機だけど、シエラⅣは170gを切る軽さ。なかなかのトンガリ具合。

 てな感じで、針金ベールのスピニングなんていう方向にも症状が出てしまっていて、我ながら困ったモノです。再度いつもの台詞で締めておきましょうか。

 アタイ、病気が憎いッ!

2023年2月18日土曜日

釣り人のマナーが良くなることは、今後もまったくぜんぜん期待できない

 ワシゃそう思ってる。

 論拠はいくつかあげられるが、一つには「釣り人」という大雑把なくくりでは、なにもとらえることできないという根本的な限界がある。このブログを読んでくれてるような奇特なレベルの釣り人も「釣り人」なら、なんか最近コロナ禍で”釣りブーム”とかいうからいっちょやってみるかと、百均あたりで道具揃えて釣り場にやってくるのも「釣り人」で、ボランティアで釣り場の清掃活動を企画運営するような聖人から、そいつが一定時間そこにいた結果、生じた廃棄物、具体的には食事飲み物のゴミ、絡んだ釣り糸、一回しか使ってない仕掛け、仕掛けの入ってた包装、余った餌、”外道”として持ち帰らない魚、など全てをその場に捨てていく、そいつの品性の下劣さがもろに形になっている”脱皮殻”のようなものを形成し釣り場に残していく輩まで含めて「釣り人」であり、「釣り人のマナー」っていうと自分は品行方正な釣り師なので関係ないと思われる方も多いと思うけど、世間一般からは同じ「釣り人」と認識しくくられてしまうのである。他人がどう見てこようと本来関係ないんだけど、後述するようにまとめて「釣り人」で考えられると、エラい不利益を被りかねないので、この視点は重要だと思う。どんな業界?でも、おおくくりにして十把一絡げにした中に程度の低い”マナーの悪いやつ”が一定数含まれてくるのは避けようがない。

 そういう人達には、みんなで注意してやってマナーを守ってくれるようにしましょう。っていうのは正論ではあるけど、実際には難しい。長く「釣り人」でいてくれるなら”教育(親がしておくべき躾のレベルだけどな)”も効をそうするかもしれない。でも実際にはマナーの悪い層なんてのは入れ替わり立ち替わりで参入してくる実態のはずで、釣り場にわざわざ看板が出てるし、釣具屋の紙袋にもいちいち「釣り場をきれいに、ゴミは持ち帰りましょう」と書かれていても、読みもしないのか気にしないのか、ひょっとして”読めない”ンじゃなかろうかというバカどもだから、結局魚がたいして釣れない。「ゴミを捨てるな」ぐらいの日本語が読めない、あるいはその必要性が理解できない頭の悪さで、意外に難しいこと考える必要がある”魚釣り”を楽しめるわけがない。なので始めてもすぐに飽きてやめる、やめるけど、テメエには釣りを楽しむだけのおつむがネェっていうのが自認できないそういう輩の新規参入は止まらないので、常にそういう低俗な「釣り人」は量産されている(それでも”啓蒙”活動は聞く耳を持つ人には効くだろうから大事だとは思うけど。)

 そういう人達が、ゴミを捨てている場面って意外と見ないモノで不思議に思うんだけど、おそらくワシが朝の”時合い”が終わって撤収した後に来てるか、逆に夕の”時合い”が始まる前に居なくなってるんではないかという気がする。まあ、釣れんわなそんなんじゃ。にもかかわらず釣り場に行くたびにあからさまに釣り人が残したと思われる、絡んだ釣り糸、一回しか使ってない仕掛け、仕掛けの入ってた包装、余った餌、”外道”として持ち帰らない魚、などなどが前回回収なりしたはずなのにまた落ちている。

 特に気にしてて、昔からなるべく拾うようにしていたのはラインゴミで、目についたら自動的に拾うことにしている。ペットボトルのホルダーにクシャッと丸め込んでペットボトルで押しこんで持ち帰り、帰ったら釣り具を洗って干すと同時に、写真の様に棚に設置してあるラインゴミ袋にまとめていき溜まったら使えそうなオモリやらハリをやらを回収してゴミに出す。冒頭写真は同じゴミ袋の中身の接写。この冬12月終盤ぐらいにゴミ袋を新しい封筒に換えて2ヶ月半くらいで満タンになってきた。

 ラインゴミは本当に勘弁して欲しい。鳥の脚に絡んでるのとか見ると申し訳なくて切ない。なるべく根掛かりもしないようにしてラインが自然界で生き物に悪さをしないようにしておきたいと強く思っている。ラインゴミは見つけたら拾う。

 で、最近は釣り人の出したと思われるその他の包装やらビニール袋やらも可能な範囲で回収しようと心がけている。ワシがなんで食ってもおらんコンビニ牛丼の食べ残しとか処理してゴミの日にださんといかんのじゃ?(スカベンジャーナマジもさすがにそれは食わん)と腹立たしいけど、どうも釣り場がゴミで汚れていて、最終的に困るのはワシのような地元でしか釣らないような、釣りを止めたら呼吸が止まってしまうような種類の「釣り人」であり、ゴミ捨ててる側の「釣り人」はいっさい全くビタイチ困らないということが、身に染みて理解できるようになってきたので、嫌だけど自衛策としてそうせざるを得ないと考えるに至っている。

 ゴミ捨ててくような輩は、それでその釣り場が”釣り禁止”になっても、痛くも痒くもなさそうなんである。別の釣り場に行けば良いだろうし、なんなら釣りなんてやめてしまってもいっこうにかまわんのだろう。そういう輩のマナーが改善されるのを待つには永遠の時をしてまだ足りない。で、対照的に釣り禁止になると自分は本当に干上がってしまうぐらいに困る。年間200日から釣りに行く人間から釣りを取りあげることの残酷さをご理解いただけるだろうか?当ブログの読者さんなら共感いただけると思うんだけど。みんな一緒だよね?

 だから、”自分の釣り場”のゴミはなるべく拾って釣り場を綺麗に使わせてもらうよう心がけるのは大事で、「漁港」なんていう漁師さんの職場で「邪魔にならんのなら」と遊ぶことを黙認してもらっているような状況では特に、いつ”釣り禁止”にされてもおかしくないので、ちゃんとした釣り人の皆さん。クソ腹立つ話だとは思いますが、諦めて「釣り場のゴミは自分のじゃなくても拾って帰りましょう!」ってお願いさせてもらいます。もうやってますよ!ってさすが我がブログの読者様。素晴らしい釣り人ですね。などと揉み手でおだて上げてでも、釣り場を綺麗にしておかんとマズいって思っています。

 深く考えるとゴミ問題は、プラゴミに代表される人間が作りだした化合物やら分解がなかなか進まないものをこのまま使い続けていいのか?とか悩ましいんだけど、海洋等水域へのマイクロプラスチックの主な流出の原因の一つが、ご家庭の「洗濯排水」だと聞き及ぶに至って、極論すると化繊の服着たらあかんのか?という話にまでなってしまいそうで、いい塩梅の匙加減を考えるのが難しく、とりあえず生物ってしたたかで海洋プラゴミとかを栄養源や住み家に新たな生態系が作られつつあるような報告もチラホラ目にするので、「風の谷のナウシカ」で猛毒のヒソクサリとかの腐海の植物がじつは汚染された大地を浄化していたように、ある程度新たな生態系が何とかしてくれるのを期待しつつも、どうにもならんようなら化繊の服を捨てることも覚悟しつつ、「とりあえず目に見える形で鳥が死ぬようなラインゴミや小さな鉛のオモリは極力自然界に放置しない」、「同じ(と外からは見える)「釣り人」が出したゴミで楽しい釣り場から締め出し食らわないようになるべく拾う。」っていうのは自治体のゴミ出しルールに追加してワシが自分に定めたゴミルールに、好むと好まざるに関わらずなってしまっております。なんでクソどものためにワシがこんなコトせにゃならんのやと気分悪いけどしかたあんめぇ。

 でも、釣り場のゴミがなくなってちょっと綺麗になると、わりと気分の良いものだなとは感じてます。

2023年2月11日土曜日

スーパー7とはこういうのだと思ってました

 

 まあ普通の人なら”スーパーセブン”っていったらルパン三世が乗ってたようなクラッシックカーを思い出すんだろうけど、大森熱患者なら以前紹介したゴッツいコンパックブランドのではなく、こっちの方を思い出すんじゃなかろうか(当社比)?

 こっちの大森製作所「ダイヤモンドスーパー7」は、大森の歴史ではプロラインの後に作られた最後のウォームギア機だと思うんだけど、ちょっとカタログ掲載年とかわからない。つくりが”オートベール”的なので70年代終わりか80年代始めぐらいだと思ってるけど、ご存じの方おられたら情報提供ヨロシクです(※1979年発売と判明)。

 ウォームギア機って使い慣れると独特の味があるように思うところ。「パワーがなくてゴリ巻きできないからダメ」とかの不平不満を、スピニングリールのなんたるかを知らん釣り人が書いてたりするけど、これまでも何度も書いてきたけど「ポンピングしろ」とだけ書いておくにとどめるとして、愛好者がわりと多いのは、カーディナル3とかが何度も復刻されることからも分かるし、PENNがパワーの必要とされそうな海のリールとして「706z」「704z」という大型ウォームギア機を復刻させたりしてることやら、ドイツD・A・M社も近代的な設計のウォームギア機「クイックレトロFD」シリーズなんていうのを今世紀に入っても新規に設計して作ってたりしたのとかからも分かると思う。好きな人は好きなんです。大森製作所にも好きな人がいたんでしょう。ハイポイドフェースギア作るようになってからもウォームギア機もしぶとく作ってました。

 ウォームギア機の何が良いって、巻きが滑らかで感度が良いってよく言われてて、確かにPENNの430ssgとか使ってた時に、今時の国産機使ったら巻きが軽すぎてカスカスな感じで、まったくルア-引いてる抵抗とかが手元に来ず「こりゃ気持ち悪い」と感じたもので納得するところである。あとメッチャ丈夫らしいのも良い点だけど、色々考えていくとパワーがなくてゴリ巻きできないところがスピニングらしくてなんか気に入ってるのかもなとも思う。ぶっちゃけ巻き心地だ感度だはワシあんまり気にしてないからな。別にギアゴロ上等の丸ミッチェルとかでも使ってて嫌じゃない。むしろ好ましく感じてる。

 っていうことで、ウォームギア機大好きなナマジとしては「見せてもらおうか、大森のウォームギアの性能とやらを!」と思ってたんだけど、意外と縁がなかった。人気の「プロライン」はお高くて手が出ず。「アトラスⅡ」は2台入手したけど個体差ばらつきがあって、まだ大森っぽいリールに育ちきってない気がした。そこで今回の「スーパー7No.3」ですよ。そこそこマイナーだけど、小型のSSとかは手が出ない値段に大森沼の住人が競り上げてしまうので買えないけど、今回不人気の中型機でNo.3の大きさ。ちょうど外蹴りアウトスプール版「マイクロセブンNo.3」が蔵にあるので、おそらく色々と部品共通でスペアスプール体制も組めるだろうと入札。説明振りだと「逆転防止が壊れてて効かないジャンク」となっていて、入札ワシだけで900円(税込み1001円)で落札、送料入れて2121円は送料の方が高い。

 まあ、逆転防止が効かなくなってるのはグリスが固まって爪が動かなくなってる程度だろうから余裕で直せるはずで安い買い物である。またもや中型機で売れない代物だけどいまさら気にすんな。って思ってたらモノが到着してみたら温度変化で固まったグリスが溶けたとかか、なんかわからんけど逆転防止も普通に機能していて、表面が潮かぶったみたいに腐蝕してるところもあるけど、稼動品に持ってくのはわけなさそうでホッとした。

 下の写真なにやってるのかわからんかもだけど、中型機にタップリ巻かれた投げ釣り用の途中で色が変わるナイロンラインをそれ用の道具を使って引っぺがしてます。「ラインクリッパー」っていってバークレーから出てた商品なんだけど、電動のモーターでゴムのローラー2個を回してその間に挟んだラインを素早く引っぱがしてくれるので、デカいリールの長尺ラインの巻き替えとかには”アルトベンリ”な代物。写真では足下に引っぺがしたラインが裸でごちゃついてるけど、ビニール袋の中に出口を向けてやれば後始末が楽。

 ラインを引っぺがしたら、スプールからバラし始める。

 やっぱりあれだ、これは”オートベールのウォームギア版”だな、この時期の大森スピニングではすっかり皆様お馴染みの作りで、オートベールと同じくワンタッチ交換できるスプールにドラグは硬質フェルト湿式3階建て、ベールアームは樹脂製でポチッと左上のボタンを押してベールを畳むことができる。ラインローラーは樹脂製スリーブ入り、同じ大きさのオートベール所有してないので比較できないけど、ローター自体がタックルオートも含め3機種で共通の可能性もありそう。っていうか多分そうだろうと思う。ギアが違うスーパー7はひょっとしたら違うかもだけど、オートベールとタックルオートとは変える必然性がないように思う。ちなみに外蹴り時代のアウトスプール機のマイクロセブンとタックル5(と同型機タックル)のローターは同規格。ハンドルは左右両用に使えるネジを切った方式のネジ込みハンドルだし、銅製の板の”簡易ローターブレーキ”も大森沼住民にはお馴染みのが付いてる。ストッパーは本体内ローター軸のギアに掛かる方式。

 でもって、今回の本題であるギアはドーン!とこんなん出ました。

 オーッ!確かにグルグル棒のローター軸ギアに500円玉みたいに側面に歯を切ったハンドル軸のギアが重ならず並んでいて、まごうことなきウォ-ムギアスピニング。

 スプール上下させるオシュレーション機構は本体裏の蓋にハンドル軸のギアから回転持ってくるためのギア2枚並べてハンドル2回転で一往復ぐらいの減速オシュレーションにしている。デカい機種だけかも?と思ったけど、写真見る限りNo.1サイズでも蓋の方がそれなりに膨らんでて、単純クランク方式のウォームギア機独特の、本体が薄っぺらくてなんか格好いい感じはなくて少しウォームギアフェチとしては残念に感じるところではある。

 まあでも見た目より機能よ、引っこ抜くと真ん中写真のような感じになるんだけど、ウォームギア機の場合、ローター軸側がステン、ハンドル軸側が真鍮というのが一般的な組み合わせだと思うけど、大森ウォームギアはローター軸側が綱系(上の写真でちょい錆が見える)、ハンドル軸側は軽量化のためにアルミに芯が綱系かと思ってたけど、写真見てるとアルミじゃなくて綱系に見えてきて、グリスグッチャリにする前に磁石でもくっつけて確認すれば良かったと思ったけどあとの祭りで、バラして確認も面倒くせぇのでネット検索で情報無いかと探ったら、スーパー7では出てこなかったけど「プロラインNo.101」が”鋼のウォームギア”だという記事が出てきて(まあTAKE先生のところです)、たぶんその後を継ぐようなスーパー7も鋼のウォームギアの可能性が高い気がする(追加註:TAKE先生著の「リール哲学」でプロライン系について原氏はアルミ合金だと書いてる)。大森沼に沈んでる方でお手元のスーパー7のギアの材質確認してる方がおられましたら情報提供いただけると嬉しいです。まあ、鋼の円盤から切削でギアの歯作ってるなら「EXCELLENT GEAR」と誇らしげに表記したくなるのも分かりますね。ボールベアリング3個も入れてるけどそんなモンはもう表記するほどの価値はないってのも時代の趨勢か。

 ちなみに、ウォームギア機のハンドル軸のギアが真鍮製で重いということの対応策としては、イタリア製アルチェード「2CS」では穴開けて軽量化されていて、スウェーデンのABU「カーディナル4」とかになると小さめのハンドル軸ギアになってて(瑞穂製の「C4」にも引き継がれる)、「デカくて重いけど、それがなにか?」という態度だったPENNのスピンフィッシャー710系、アウトスプール3桁の「430ss」、「420ss」も、後継機の4桁「4300ss」、第4世代「430ssg」ではカーディナルっぽく小さめなハンドル軸ギアになっている。PENNにも、軽量化の小うるさく求められるようになってた時代に、そうまでしてでもウォームギア機を残したいっていうウォームギア好きの同志がいたのだと思うと胸が熱い。

 でもって、全バラしてパーツクリーナーでシュッシュのゴシゴシと汚れを落として青グリスグッチャリで組み上げてくんだけど、ここで問題発生。右巻になってたのを左巻きにしようとしたら入らんがな。この時代の大森のハンドルは同じ軸に左右のネジの山をクロスさせるような感じで切った左右共用で(この方式シェイクスピアが特許持ってたとかどっかで目にしたけど出典が分からんくなった。ゴメン未確認情報扱いです)、左にも付け替え可能なハズなんだけど、空転して入って行かない。たまに初めて左巻きにするときにちょっと抵抗があることはあって、でも力入れてゴリゴリとねじ込んでいくとキッチリ填まって、その後は問題なくなるってのがパターンだったので、今回もそう思ってゴリゴリっとねじ込もうとしたらネジ山なめったような嫌な感触を残して空転し始めて「やっちまったダ!」と暗澹とした気分に落ち込む。ただ、入り口のところで多少ネジ山舐めてても、奥の方はまだ生きてるハズでなんとか奥まで突っ込む方法はないかと、頭捻ってたら、パーツ互換性を試すために用意していた外蹴り「マイクロセブンNo.3」の左巻きのハンドルのネジでほじくって、ネジが入る道筋をつくってやってからねじ込めばどうか?と考えて真ん中写真のようにやってみたけど一発目は不発。やっぱりダメだったかと思いつつもダメ元で、ハンドルネジの方もマイクロセブンの方のギアに突っ込んでネジ山を整えてみたらどうだろう?と試して再度突っ込んでグリグリしてみたら、無事ねじ込めました。ふぅ一安心。

 ただ、この方式は諸刃の剣のようで、あまりお薦めできるモノではない事がその後判明する。続くときは続くモノで記事にもするつもりもない通常業務として、我が家にお迎えした4台目の「マイクロセブンC2」を整備してたら、上記と同じように左ハンドルにしようとしても空転する状態に突入。でも、左巻きの状態になってるハンドルでギア側のネジ山整えてやれば行けると学習済み!とC2の普段使ってる個体のハンドルでグリグリやって、整備する側のハンドルも使ってるC2のギアにグリグリ入れてってやってから、と思ったらそもそも入らんし。仕方ないコイツは諦めて右巻のみで運用するかとおもって、使ってた方のC2を元に戻そうとしたら、なんと逆に使用中の個体のハンドルが元通り左に付けられなくなってしまった。グハッまたやってしもた!同型機含めたら5台もあるので2台右巻個体でも大丈夫な気はするけど、これまで左右どちらでも使えてたのを片方潰したというのは精神的にダメージが大きい。ここで”損切り”して諦めるのが賢いのは目に見えてるような気がするけど、悪あがきいたしました。左右共用のネジ山が切ってあるハンドルを突っ込んだから左用に整いにくかったのではないだろうか?という薄い可能性だけど藁にもすがるような気持ちで信じたい仮説のもと、左右でネジが別の外蹴りの「マイクロセブンNo.2」で同じようにグリグリやってみた。わが家の蔵からはなんでも出てくるので助かるね。結果、マイクロセブンNo.2まで左巻きダメ個体になる予感もあったけど、なんとか元々左巻きで運用してたC2は左巻きOKに復活させることができた。新たな個体はボロいのでスプール要因にしてしまうつもりでこれ以上無駄に触って被害を広げないようにしたのは我ながら賢いのではなかろうか。ちょっと嫌な汗かいたけど原状復帰まではできて一安心。ということで、左右両用のハンドルがどちらかにしか入らないという場合に、裏技として「右用左用が別だった時代の大きさ同じ大森スピニングを用意して、グリグリッとしてネジ山を整えてやる。」というのは、上手くいくこともあるけど下手すると片側しか使えないリールが1台から2台になる可能性があると憶えておいて欲しい。

 ということで、無事使用できる目処も立ったし、スペアスプール体制は組めるかな?と外蹴りマイクロセブンNo.3と部品共用具合を確認してみると、無事スプールは共通。スプールの前にはからずも確かめることになってしまったけどハンドルも共用可能。スプール交換するとちょい見た目あってないけどスペアスプールはいつも出番が有るわけじゃなしで、それが鞄にあるという安心感が大事。

 でもって回した感触なんだけど、なんというか大森ハイポイドフェースギアも充分滑らかなので、部屋でクルクル回した程度では取り立てて言うほどには違いが分からない。ウォームギア独特の重さも、減速オシュレーションのおかげもあってかそんなに感じない。まあこういうのは実釣で試してこそ真価が分かるというものだと思うのでそのうち出番を作ってやろうと思う。

 という感じで、大森熱は昨年から引き続き終息宣言など出せるわけもないような状況で、毎日ネットオークションとか出物が無いか見回ってるんだけど、最近なんだか値段が上がってるような気がして、特に「タックル5No.1」が1万5千円で売れてたのには、こんな強気の値段でも運が良いと買い手つくんだ!と、とぼけたことを思ってたら、そうじゃなくてどうも「ギジー」っていう釣り雑誌の新春号でオールドタックルの特集があって、その中で何故か「タックル5No.1」と「オートベールNo.1」が紹介されたようで、その一瞬の商機を逃さず売りに出した商売上手が1万5千円の高値で、普段なら3千円になれば上々のタックル5を売り切ったようである。タックル5はワシも好きなリールで3台持ってて1台はまさにNo.1サイズだけど、商機はもう過ぎたようで現時点では6千円ぐらいでも入札されてない。まあ根魚遠征用に使ってるから売らんけどな。だれか、雑誌とかで”不人気実力派マイクロセブンCシリーズ”を紹介してくれやンもんかいな?全部で13台もござる。使うとしても3サイズ2台づつあれば上等で、7台高値で売れたら、また別のリールが買えるのに・・・。赤字を解消しようとかいうのは道のりが遠すぎて諦めかかっている。現在の赤字額は236,479円。

 あと、最近思うのがワシそろそろ左投げ右巻もできるように練習した方が良いのかもってことで、まあ昔右手首腱鞘炎になったときにちょっと練習したことあって真っ直ぐ投げるだけならできるんだけど、歳食って万が一右手が振れんようになってもフライキャスティングのメル・クリーガー氏の逸話みたいに逆の手で同じように振れれば問題無いじゃんって話もあるし、なにより右巻専用機が使えるようになれば、ネットオークションとかで「ああこれ右巻か」と見送らずに済む。

 絶対練習してはいけない気が、書いててしてきた。両手使って全力で沼に潜ってどうするよ?

2023年2月4日土曜日

ガシャーン!!って昭和ロボ感がそこはかとなく

  気にはなってたけど、手を出さずにきていたものに、大森のアウトスプールでも”外蹴りアウトスプールマイクロセブン”以前のアウトスプール中大型機があって、独特の外付け方式のベールスプリングの収まったシリンダー的部品とかが特徴的で、気にはなっていたけど、大森1300サイズは4桁PENNだと5500SSぐらいの中型機で使いみちも想定されず、かといって人気があるわけじゃなしで、買ったところで売るのに困る不良在庫化必至のしろものなので、まあ手を出すまでもないかと思ってたんだけど、ここのところ”デカ大森”を立て続けにいじってきて、勢いがついてしまい、売れはせんけど買うときもたいして金かからん、という割り切りもあって、またついマウスが滑ってクリッククリック。開始価格の1200円落札でプラス送料870円は立派なゴミスピ価格。その名は「ダイヤモンドスーパー1300V」。

 さて、我が家に来てみるとわりとボロ目の個体でいきなりハンドルのノブをクルッと反転させて収納するのが固着している。これはいきなり分解清掃ではなくて、スプール、ハンドル外した上でネジだの隙間だのにCRC666を吹き付けた後ビニール袋につめてしばし漬け置き、が必要だなとなって、その後の作業とあいなった。
 CRC漬けにして数日放置の後、分解清掃に入ると、残念ながらハンドルノブをクルッと本体側に回すためのネジは緩まずで残念な結果だったけど、その他は問題なくネジも外せて一安心。

 スプールから古いラインを引っぺがすと、下から真ん中が盛り上がった形状の樹脂製の”エコノマイザー”的な部品が出てきて面白かった。外せそうで微妙に外せず、壊しても馬鹿臭いのでそのまま放置。深溝を浅溝化するのはこの方式でそんなに支障ないと思っている。一つのリールにいろんな仕事させようとすると、細糸だと下巻きが面倒だったりするけどエコノマイザー方式なら楽で良い。でも今時のメーカーは浅溝スプールが交換用にあるどころか、浅溝専用機種を買わせてくる方針のようで胸くそ悪い。騙されてそんなクソリール買わんで欲しいと思う。互換性のある浅溝スプールがあれば良しだし、エコノマイザーなら貧乏人にはなおありがたい。まあエコノマイザーは自分でコルク削ったりして作れるけどな。

 でもって、分解していくともうこの時代だと、ザ大森方式っていう感じで、ドラグはフェルト製3階建て。一枚耳付きワッシャーが多いのは、スプールのドラグ穴の底が平面じゃなく軽量化のために柱が入ってるような構造なのでドラグ穴の底の代わりにスプールに固定の座面として入れられている。
 真ん中の脚付きの本体フレームはれいによって左右両用で、ネジ2個でしっかり止める方式のオシュレーションスライダーが、左巻き仕様本体左側のハンドル軸ギアの上のカラーの填まった突起でハンドル一回転で1回上下する単純方式。オシュレーションスライダーを填めるのに、本体フレームにオシュレーションスライダーを主軸に刺して先に固定してから、ハンドル軸のギアを入れた本体左側をギア上の突起がオシュレーションスライダーの溝に入るように填めてソッ閉じ、というのが順序だと思ってたけど、この機種だけか、インスプールマイクロセブンとかでも実はそうなのか、先にハンドル軸のギアを填めた本体左側と、本体フレームを合体させてから、縦にしたオシュレーションスライダーをギア上の突起に合わせて隙間からギア上に置いて、クリッと90度回転して収まるべき位置に収めてから上から主軸をブッ刺して固定というのが問題なくできた。この方が何かとやりやすい。
 ラインローラーは真鍮製のブッシュ入りで回転式。特に固着もなく普通に回ってた。
 ギアは大森得意のハイポイドフェースギア。別に気になるほどのギアゴロ感もなく充分スムーズ。逆転防止はハンドル軸のギア裏にかける方式。ローター軸のギアにベアリングが一つ入ってるのもあってか巻きは充分軽い。

 でもって、この機種の最大のみどころである、ローター外側ベールアーム下部に鎮座いたしますグルグルバネの入ったシリンダー。隙間から見せてる部分は一部で実際にはシリンダーの長さいっぱい使ってバネを収めてあるので、ベールを起こしたり返したりするベールスプリングの耐久性的には。今時の真ん中に心棒があってグルグルバネ方式、もしくは溝にはまったグルグルバネ方式と比べても遜色ないものだろうと思う。
 グルグルバネ方式は長らく特許の関係でスピニングリールに採用できなかったと聞くが、このシリンダー方式は特許的には大丈夫だったのだろうか?微妙な線のような気がするけどあまり気にしないでおこう。

 小型機に乗せるようなあんまり小さいシリンダーは難しそうだし、ローター外側に可動部が露出してしまってるのは、ラインが噛んだら一発裁断されてしまいそうな不安もあるけど、耐久性については後年大森製作所も採用していた2巻きか3巻きしかないトーションバネ方式(安全ピン開いたような形のバネ)より間違いなく長寿命で、通常5巻き前後と巻きが多かったインスプールスピニングのベールスプリングよりも長持ちするだろうことは明白。

 仕組み自体は難しくはなくて、ばねが押し縮められて入っているシリンダーが、シリンダーの根元からみて中央から右にベールアーム側の接続部があれば、右に押しあげてベールアームは戻った状態に固定される。手で中央を越えてベールアームを開いてやると、中央から左に接続部が行った時点で今度は左に押あげるので、ベールが返った状態で固定される。やってることは一般的な手でベールを返すことができるアウトスプールスピニングのベールスプリングと一緒。外蹴りでそれなりに作動時重い感じはあるけど、ガシャーンってシリンダーが縮んで伸びるのは、なんとなくメカメカしくて良いのです。

 ハンドル収納時のノブの反転だけ固着してるけど、他は分解清掃できて実釣可能な感じに仕上がりつつあるんだけど、塩水使用で塗装が剥げて腐蝕しているスプールエッジが、さすがに投げるときにラインを痛めかねないし飛距離もおちるだろうということで、スプール主軸に刺してドリルで回しつつサンドペーパーで腐蝕の凸凹をならして、そうすると剥き出しになったアルミは腐蝕に弱そうなので、気休めかもだけど上にエポキシを塗ってコーティングしておいた。

 いつものように青グリス盛り盛りで整備終了。左右兼用の本体フレームにハンドル側にギア、反対側に蓋という大森好きにはお馴染みの構造からいって、マイクロセブンDXと同時代1960年代真ん中へんの設計なのだろうと思う。投げ釣り用でよく売れたのか、同様の設計で「デラックス1300」「スーパー1300」「スーパー1300QS」「1300SSS」とかの1300系のほかにもファミリアというシリーズもネットオークションとかで散見される。この時代になるとだいぶ洗練されてきてる印象で、部品数も少なめで単純な整備性の良い設計だし、真鍮スリーブ入りラインローラー、滑らかで丈夫な綱系軸入り大森製ハイポイドフェースギア、ネジ込み式ハンドル、耐久性の高いベールスプリングのシリンダー方式にドラグはフェルトパッドの3階建て方式と実釣に持ち出してもある程度使えることは想像に難くない。兄弟機の多さから言っても、大森製作所を代表するようなリールの一つだろうなと感じたところ。
 ただ、いかんせん投げ釣り用のリールということで、冒頭でもボヤいたけど中古リール市場ではあまり需要が無く、そのくせ玉は少なくないのでいきおい値段は安い。買うには嬉しいけど売れんがなこんなモン。
 ラインローラーがブッシュも入った回転式ならPEラインでも行けそうに思うので、ドラグがフェルトパッドのままでいけるかどうかは試験してみないと分からんけど、青物狙いとかに持ち出しても案外使えてしまいそうな気がする。ギア比も4:1ぐらいとそれほど遅くはない(4桁PENNの5500ssで4.6:1)。

 売れぬなら使ってしまおうホトトギス。という気がちょっとしてます。