2020年5月23日土曜日
大森熱もたまに再発する
小人閑居して不善をなす、っていうらしいけど、おうちで暇してると悪い病気が出たりするのよねこれがまた。
だいたい、魚が釣れていないと道具をイジリ始めるってのはお約束で、今回もしばらくの療養期間中に、買って放置していた1台と、勢いがついて思わずポチッと落札してしまったのの2台を暇に飽かせて分解清掃してしまった。
どちらも見た目はボロい個体なんだけど、いつも書いているように大森のリールが内部まで逝ってることはほとんどなくて、固着している箇所でもなければせいぜいベアリングを交換する程度で何の問題なく復活する。今回も2台ともサクッと復活。
左の青いのは「タックル5No.2」なんだけど、以前書いたように同型機のベールアームのナット固着を上手く外せず、無理矢理捻ってネジを折ってしまっているので、ベール周りの部品が取れればいいやとジャンク扱いのを安く入手したんだけど、分解清掃したら普通に復活してしまった。折れている方の個体は折れた部分にドリルで穴を掘ってネジ穴に加工できないか、自動車整備関係の仕事している友人にチョット見てもらっているところ。あかんかったらベールワイヤーレス機に改造予定。
タックル5はNo.1の大きさを小遠征の根魚釣りに使ってるけど、外蹴りで単純な構造で壊れるような要素も少なく、左手でベールを返す釣り人ならベールの返しが重いとかも関係ないし今のところ快調に使えている。ドラグはこの時代から既にフェルトのドラグパッド3階建て方式だし、ねじ込みハンドル、鋼製の芯を鋳込んだハンドル軸のギア、樹脂製スリーブの入ったラインローラー、折りたたみ可能なベールとまさしく大森仕様という感じで全然人気がないのが可哀想になってくる。兄弟機の「タックル」や「マイクロセブン(アウトスプール版)」も含め凄く良いのにみんな見る目がない。
もいっちょ、右の黒い小さめのリールは「マイクロセブンCS」でこれまたボロ個体を、どうせ分解清掃したら復活するから、と落札して予想通りあっさり復活。コイツを入手したのは我が家にある「タックルオートSS」には何故かマイクロセブンCSのスプールが付いていて、スペアスプール有りの体制がすぐに組めるからというだけの理由で、特に使うアテがあるわけでもないのに思わず反射的に入札してしまった。「大森熱」という悪い病気は、なおったと思っても魚釣りに行けずに心が弱っていたりすると再発するのです。
またこれが「マイクロセブンC」シリーズも不当に人気がなくて、同じ樹脂製のキャリアーが小さいSSの大きさだと一時期ほど高騰してはいないにしても万札ぐらいは飛んでいくのに、若干重くなるとはいえ、ラインローラーに樹脂製スリーブ入りでネジがタップネジじゃなくて金属の雌ネジとか、重い分はしっかり作られていて耐久性はあるハズでどちらかが優れてるってよりは性格の違うそれぞれ魅力的なリールのハズなのに、購入見送ったけど箱入りのC1が2千円とかにしかなってないのを見て「なんでやねん?」と突っ込まざるを得なかった。
以前スピンフィッシャーの「4200SS」について、PENNが作ったダイヤモンドリールみたいな単純軽量なスピニングと書いたけど、逆にマイクロセブンCシリーズは大森製作所が作った樹脂製4桁スピンフィッシャーみたいな、樹脂製だけど必要なところに金属で補強入れて丈夫に耐久性も持たせたスピニングなんじゃないだろうかと感じている。
いずれにせよ、今回の2台は送料は別途掛かるけど落札金額自体は500円と1100円と格安だったのである。キャリアーSSが1万円は越えてくるのに、同じ大きさのマイクロセブンCSはなんぼボロいと言っても10分の1の価値しかないとか思えないんだけど、みんなちゃんと見てる?って不思議に思う。
大森人気も一時の加熱状態は過ぎて落ち着いてきたようで、ハッキリ言ってダイヤモンドリールが安い。今でもキャリアーSSとコメットとかの小型インスプールぐらいは値段付くけど、他はそんなに値段付いてなくて、インスプールでも「マイクロ2世301」が開始価格4000円で1週目買い手が付いてなかったってぐらいで全体的に安くなってる。
ダイヤモンドリールのデキの良さとか全く変わってないはずだけど、単なる流行廃りの関係でみんな飽きたか、良さが理解できるほどスピニングリールを「分かってない」かだと思う。バカくせぇことである。
ただ、あんまり値段が安いとネットオークションに出されもせずにゴミの日に出されてしまいかねず、ダイヤモンドリールなんてベールスプリングとベアリング交換してやれば100年快適に使えるはずでありゴミにするには惜しすぎるので、そろそろ初心者マークが取れそうな「大森アナリスト」として、人気それ程なくて安いけど使えるお薦めのダイヤモンドリールを推しまくってチョットでも相応しい人の手元に相応の値段で届くように応援していきたい。
まずは、普通に使えるスピニングが欲しいという向きには「タックルオート」をお薦めする。上でも書いたけどフェルトのドラグパッド3階建て方式、ねじ込みハンドル、鋼製の芯を鋳込んだハンドル軸のギア、樹脂製スリーブの入ったラインローラー、折りたたみ可能なベールと、ザ大森方式というスピニングで、大森ご自慢のベールの返りが軽い内蹴り式なのでハンドル回してベールを返す釣り人にも快適に使える。ボールベアリングが2個に増えてワンタッチスプールになる高級版の「オートベール」も、さっき書いた外蹴り版「タックル5」他でももちろんそれぞれの使い方を考えて選べばまずこの辺は間違いないし、値段も汎用性の高いNo.1サイズなら弾数も多くて安いはず。
それから、せっかくダイヤモンドリール買うならリアドラグのマイコン系が使ってみたいという釣り人には「TB」シリーズをお薦めする。なぜなら、マイコンシリーズの終わりの方にでてきたせいもあって、スプールエッジの形状が大森独特の”なで肩”じゃなくて真っ直ぐ系に修正されていたりして、使ってて全く不満を感じなかったので自信を持ってお薦めしたい。マイコンシリーズで値段が多少付くのはオリジナルのSSかNo.1ぐらいで、その他のマイコン系は3千円も出せば買えることが多い。鱒用に人気のSSサイズのマイコン30STBでもそのぐらいで買えると思う。
そして、不当なぐらいに評価が低いマイクロセブンCシリーズだけど、これこそ買いだと思う。これまで気付けば4台も買ってしまっているけど、箱入りのC1の3900円、シェイクスピア版の「シグマプレジデント2440-040」2800円でもデキの良さ大森製作所の気合いのは入りようを考えると安いぐらいだと思うけど、C2の980円とCSの1100円とか、もうゴミスピ価格である。
キャリアーのほうが軽いっていっても、マイクロセブンCシリーズだって樹脂製で軽いはずでどれぐらい違うのか、実際測ってみた。
結果は、
①NO.1の大きさ
キャリアーNo.1:220g、マイクロ7C1:236g、タックル5No.1:250g、タックルオートNo.1:252g、マイコン301TB:274g
②SSの大きさ
タックルオートSS(スプールはマイクロセブンCSの樹脂製):187g、マイクロセブンCS:195g、タックルASS:204g
ちなみにラインも巻いたうえでの湿重量。
という感じで、確かにキャリアーの方が軽い、でも言うほど違うか?って正直思う。マイクロセブンCSの195gとか明らかに軽いリールの範疇だと思うがどうなのよ。
っていうか、大森のNo.1と同じぐらいの大きさのスピンフィッシャー430ssgとかライン巻いたら291gもあって300g級の重さだけど、竿とのバランスもあるんだろうけど特に重いと感じたことはないんだよね、ってぐらいで220gと236gの差が我慢できんほどなのかね?ってPENN使いからしたら思ってしまう。その分丈夫に作ってあるって考えたらまったく問題ない”重さ”だと思うけどナ。タックルオート自体単純でよけいな機構も付いてないんでずいぶん軽快なスピニングだと思うけど、ソレより樹脂製のCシリーズは軽いんでっセ。カリカリ音しないようにする消音化の部品も組み込んであるし、お買い得だと思うンだけどどうでっしゃろ。
って、部屋でクリクリリール回して書いてるだけでは説得力がないので、ちょっとこの夏はダイヤモンドに浮気してマイクロセブンCシリーズの実力を推し量ってみようかなとおもっちょりマス。
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ナマジさん、おはようございます。
返信削除先日は色々とありがとうございました。ナマジさんにアドバイスされてから、再度じっくりリールを見回す事をしたので、そのおかげだと感謝しております。
大森ネタ、楽しく読ませてもらいました。
私も何台か大森リールを所持してますが、ベースにはマイコンNo.101があって、そこから右に左にと派生して行きました・・(笑)
マイコンNo.101がベースになっているのは、PEラインを使用した時にドラグノブにラインが巻き込みずらいというのが理由にあったりします・・(笑)
C1は予備リールとして必ずリュックに忍ばせています。(大森リールのベールスプリングは忘れた頃に折れたりしますので・・)
先日、ご相談した青いマイクロセブンは、ハンドルノブのキュルキュル音が気になる事が多く、その解消のために給油したりすると今度その油が手に付いたりして煩わしく思ってたので、
今回、某工房にお願いして、ハンドル軸を換えてベアリング入りのノブに交換して今日届く予定なんですよ(笑)
ナマジさんの大森ネタ、非常に奥深く大森リールを考察してて、うなずける部分も多く面白いですね!
はしどいさん こんにちは
削除大森ネタ楽しんでいただけたなら幸いです。
PEがフロントドラグに巻き込むのは確かにリアドラグ機なら防げますね。言われて初めて気がつきました。
私もデカいの掛かってるときに限ってPEがドラグノブに噛んでしまって釣りそこね、シーバスごときにPE使う理由なんて特にないからと、その後はナイロンラインにしてしまいました。
マイコンとかカーディナルC4を触ってみると、意外なぐらいドラグちゃんとしていて一般的に言われているリアドラグは精度が悪いっていうのもあんまりアテにならんなと感じたところです。
ナマジさん、こんばんは。
返信削除もう一度、記事をじっくり読んでみましたが、中でも
「ダイヤモンドリールなんてベールスプリングとベアリング交換してやれば100年快適に使えるはずでありゴミにするには惜しすぎるので」は、
結構、名言だな~と思いました!(笑)
お褒めにあずかり光栄です。
削除骨董的釣り具を楽しむ世界ってのは確実にあるんだけど、そういうマニア筋が喜ぶリールじゃない、大森の”実用機”あたりをゴミにしてしまうのはほんともったいないと思っています。
どれ買ったら良いのか分からん、当たり外れもある今時のリールより多少設計が古くさくてもハズレじゃないのがわかりきってる往年の実用機は、使ってて面倒がなくて良いと思うので、今時のリールが今一ピンとこない人にはお薦めしているしだいです。