2022年12月31日土曜日

2022年のベスト3(釣り編)

 ○釣り:1位「81スズキ様」、2位「ご近所アジ釣り」、3位「メッキ」

 1位は、とにかく今年はシーバスが釣れんかった中での超嬉しい一匹。シーズン中雨が降ったらとにかく行っておくという方針は今年もかわらなかったけど、とにかく行っても行ってもで、セイゴが釣れれば良い方で春はセイゴすら釣るのがままならん大苦戦。シーバスの増減には「アリューシャン低気圧指数」なんてのが指標になるような冬が冬らしいかどうかが関係あるようで、紀伊半島でシーバス不調だと遠く離れた東京湾でも大阪湾でも不調のようで、全国的にシーバスマン受難の年だったようではある。そういうなかで出た一発。また出方が派手で浅い所に突っ込んできてたのもあって暴れ方も半端なく、スズキサイズってそんなに暴れる個体は少ない印象だったけど、たまにいるアホみたいに暴れるフッコみたいに暴れてくれて心臓バクバクものだった。シーバス釣るのに高価な道具も胡散臭いテクニックも必要ない。確率上げてとにかく釣り場で竿振っておけ、というのが証明できたと思う。釣れないと釣り場に行く気力が削がれがちだけど、釣れてる時にしか行かないとか”判断”し始めるとそれが原因で”釣れる時に釣り場に居ない”ということが生じがちなので、機械的に釣れようが釣れまいが自分の中で設けた基準を満たしてる日は釣りに行っておけば、釣れる日を逃すことが減ると思う。

 2位は、我が家の主食と言っては過言だけど、主力のオカズであるマアジ。釣らねば1人と1匹が飢えかねないので気合い入れて釣っている。2月3月の6.2m竿出しての深棚良型狙いから、夏の豆アジ、秋の小アジと、棚変え竿換え仕掛け換えつつ釣り続ける”のべアジ”から、カマスと一緒に回ってる良型釣るためのスピニングタックルでの切り身フカセ、遠投カゴ釣り勢に混じってのチョイ投げ浮子釣りと、年間通じて5月の端境期を除いてオカズを生産してきた。今自分の釣りで一番深い所まで突っ込んでるという感触がある。特に”のべアジ”の堅さはなかなかのモノがあると自負している。アジなんて簡単だろ?と思うのは多分真面目にアジ狙ったことない人の感想。活性高い魚が入ってるときにサビキでボコスカ釣るのは簡単でも、そうじゃないときに堅くオカズを確保し続けるのはなかなかに難しいはず。普通の釣り人が”アジは釣れてない”と認識している日でも特に問題なく釣れるところまで来た。水揚げ目標達成率が異様に高いのは、そのぐらいの数は時合いが終わる前に余裕で釣れるようになっているからである。今年は大型も狙いたいと考えて切り身フカセやらチョイ投げやらも始めて、苦戦もしてるけど狙いどおりちょっと良い型も釣れている。螺旋浮子仕掛けの”のべアジ”は仕掛けも進化して、技術的にも特に対フグ戦略で、フグより上の表層に湧いたアジが食ってるのを寝浮子の状態でアワセて掛けるとか、フグのリリース方法の最適化とかだいぶ技術的な進歩があった。フグをリリースするのは”遠投リリース”であっち行け!と投げてたけど、多分もっと良いのは”釣れてすぐにその場に放流”である。その場で放流してビューッと逃げていくと、どうもフグの群全体が警戒し始めてスレて刺し餌を警戒して食わなくなりコマセだけ食う感じになる。マアジは関係なく刺し餌に食ってくる。コモンフグでの話でフグの群の規模とか状況にもよるんだろうけど、試して損はない方法だと思う。そこら辺に転がしておくのは論外。フグ対策が上手くいくと、他の釣り人が「フグばっかりで釣りにならん」と敬遠するような釣り座が”生け簀”と化す。フグ様々である。

 3位のメッキは、今年は秋にちょい良い型が近所にやってきてくれて初めて使うトリガースピンのリールとかフライとかも使って夕方チョロッと行って楽しく釣れて実にイイ釣りモノだった。大きくても25センチがとこだけど、さすがは回遊魚の子供、引きは鋭いしルア-への反応の仕方も良いし出方は派手だし実にイイ。これまで”回遊魚狙い”ということで、高速ジャーク&ジャーク中心に早ければ早いほど食ってくる早引き系で狙ってたけど、チヌも意識してゆっくりめに首振らせるぐらいのポッパーでの釣りもやってみたら、これはこれでパコンと出てくれて悪くない感触。大人のロウニンアジ狙いでもボカンとポッピングしてしばらく放置っていうのは定石なぐらいで、釣れてあたりまえといえばあたりまえ。海水温は上昇傾向にあるんだろうからボチボチ紀伊半島で越冬する個体が増え始めて、遠征いかなくても20キロとかのロウニンアジ狙いができるようになったりして?そうなったら終末感ハンパないな。


○残念だった釣り:1位「落下」、2位「ルア-根掛かり」、3位「特に無し」

 「語るに落ちた」っていう感じの1位。雨でコンクリの壁から手が滑って仰向けに落下。背中を痛打。一番痛かった背中の痛みは10日ほどで治まったけど、地味に脇腹が一月近くなんかの拍子に痛んで、なんでぶつけてもないそんなところが痛いのかと思ったけど、落ちて打った時に肋骨がたわんで脇のあたりにヒビが入っていたようだ。っていうぐらいに酷い落ち方で、頭でも打ってたらそのまま永い眠りについててもおかしくなく、そうじゃなかったからこうやってネタにできているけどちょっとヤバかった。ホント爺様になって、体も思うように動いてくれないし、握力やらの筋力も落ちてるし、器用さやらも失われてきていて、若い頃の感覚でできそうだと思っても簡単に失敗することが増えてきた。そういうモノだと認識して、怪我しないように気をつけていきたい。まったくの不注意であり猛省する。

 2位の「ルア-根掛かり」は今年もルア-根掛かりロスト”ゼロ”を目指して頑張ってたんだけど、ワームいくつかと、ハードルアーも2個やってしまった。ハードルアーは1件目メッキ釣ってて護岸の足下で反応してるんだけど食い切らないので、ジギングラップでショイショイッと足下上下で誘ってたらなんかパイプみたいなのが沈んでて根がかった。2件目はなんと今朝。最後の最後でやっちまった。シャッドキャロで投げてたベビーシャッド50SPのエース格のパールホワイトの個体でガックリ。なんか底からちょっと浮いた位置のロープに掛かったのかちょっと寄ってくる感触のある根掛かり。釣れないと棚下げがちだけどそれで根がかってたらマヌケ。何度も書くけど根掛かりなんて、金の無駄だし、水中にゴミは残すし、なにも良いことはない。釣りをする限り、例えばフグに切られるハリとか、根魚狙いの時の仕掛けとか、水中にゴミを出してしまうのは避けられない部分はある。あるにしても目標としては”根掛かりゼロ”を目指すべきで、フグが来たら切られにくい長軸の流線バリに変えて対応したり、根魚狙いのときは投げずに真下だけを狙うようにして根掛かりしてもすぐ外せるように心がけたりしている。”根掛かり覚悟”なんていう、釣具屋が儲かるだけでなんの利もないような愚行は厳に慎むべきだと思っている。来年こそは根掛かりゼロでいきたい。まずはハードルアーを一個もなくさないように、ってのが現実的な目標かな。

 3位は特に無しとした。こまごまと見ていけば釣りたいけど結果が出てない釣りモノとかはあるけど、それは継続的にやっていけばいい課題で残念ってほどでもない。釣りに行って”残念”って思うのは、事故やらゴミやらぐらいで、釣れなかったぐらいのことは釣りをするなら織り込み済みの話でたいしたこっちゃないんだと思う。


○ルア-等:1位「リトルダイナマイト」、2位「フラッタースティック」、3位「鳥皮(チキンリンド)」

 1位の「リトルダイナマイト」は今期シーバス狙いで大活躍。春の唯一のまともな釣果であるヒラフッコも、冒頭写真のランカースズキ様もリトルダイナマイトで釣っている。元々はバス釣り用の小型のポッパーでいかにも”ハトリーズ”な大口開けた表情が楽しい小型プラグなんだけど、ゆっくりただ引きすると、ダーターみたいに水面下には潜らず、やや下向きに開いた口が水を受けてなんとも絶妙な感じに水面に貼り付きながらユルヨタッとヘタクソに泳ぐ動きを見せる。これが川に突っ込んできたやる気のあるシーバスには効くようで、ハクとか水面系の小型魚と重なる要素があるのかなと想像してるんだけど、セイゴからスズキまでバコンとかゴボッとか心臓に悪い音をさせて食ってくる。ついでにウグイちゃんもバシャッと派手に食ってくる。釣れ方としては浮き上がる系小型シンキングペンシルの「海爆リップレス」のそれに近いように感じているけど、海爆リップレスは引き始めてしばらく水面直下に沈んでる時間もあるので、引き始めから水面貼り付きのこのルア-とは多少釣れ方が違うのでローテーションさせている。なんにせよ今や押しも押されぬ一軍レギュラーに育ってくれた。とうの昔に廃盤でやや中古でも弾数少ないのが難点ではあるけど、人気はあまりなくネットオークションとかに出物があればまめに補充している。本来の使い方とは全く違う想定外の使われ方だと思うけど、ルア-は使い手によっていろんな”顔”をみせてくれるのも魅力でそれを引き出すのも楽しみ方の一つだと思うので、こういう使い方もありまっせっていう話。

 2位の「フラッタースティック」はラパラ傘下のストームブランドものだけど、多分日本向け企画のシンキングペンシルで、10、7、4と3サイズ展開で発売されて、7センチには東京湾のバチ抜けシーバスの時期にお世話になったけど廃盤。4センチだけが今生き残っている。この4センチが海爆リップレスとは使い分けができる”浮き上がりにくい”小型シンペンで、竿をあおって速度を出す高速ジャーク&ジャークとかでも水面上に飛び出しにくくてメッキ狙いに重宝している。対メッキ用頼れる一番バッター。実売千円前後と新品でも安いうえに、動きも低速ただ巻きでのユラユラからツィッチでの平打ち、高速ジャークでのバタバタと暴れるところまで実に良い感じで、使える小型シンペンなのである。

 3位の「鳥皮(チキンリンド)」は、ルア-なのか餌なのか?まあ餌なんだろうけどアジ釣りで餌交換の頻度を押さえるためとかで使う場合と違って、今回取りあげた使い方としては、根魚狙いにワームの代わりにハリに掛けて足下に落とし込んで誘うというもので、だいぶルア-っぽくはある。これが超優秀だと気がついて、根魚釣りは一気に楽になった。ワームとか普通の切り身餌とかだと、フグに囓られてすぐに消えてしまう。ところが鳥皮は丈夫でフグの猛攻にもある程度耐えて根魚を誘ってくれる。値段も安いし短冊作って好きな色に食紅とかで染めて冷凍しておけばいつでも使える手軽さ。バス釣りでつかう脂付き豚皮である”ポークリンド”っぽくもあるので”チキンリンド”という呼称も提案してもらったけど、まさにそんな感じ。発見の経緯は、釣りの上手い人ががアジ釣っててコマセに反応しているガシ(カサゴ)を釣りたいというので、ルア-タックルにワームで釣り始めて、見えてた個体を皮切りにポンスカ釣り始めたのはいいけど、拾ったワームがすぐにフグにボロボロにされてしまい、かわりにアジ用に用意してた鳥皮で代用したらなんら遜色なく釣れるうえに、フグの攻撃にもかなり耐えると判明したというのが発端。ちなみに東北では岸からワームで根魚釣るの流行って”釣り系ユーチューバー”とかが釣り場公開してしまったりしてるので、帰省したときに釣ろうとしても釣れなくなってしまってるらしく、紀伊半島では根魚がまだ良く釣れるので喜んでた。紀伊半島の釣り場にはワームを瞬時にポンチで抜いたように歯形だらけにしてしまう各種フグたちがいて”防衛”してくれているので、フグが多い釣り場には根魚そこそこ残ってくれている。フグ様々である。”フグは福”というのはなにも下関だけの話じゃないと思う。


○釣り具:1位「新旧自転車」、2位「ゼブコ44クラッシック」、3位「のべアジ用遊動式オモリ仕掛け」

 1位の自転車は、ワシの釣りには無くてはならない道具で、とにかく小回りがきいて駐車スペースを気にしなくて良いので、ルア-でササッと探って反応無ければすぐ移動、という感じで機動力を生かして釣り場を巡ることが可能。釣り場探索にはこれ以上無いぐらいに役立つ。車乗ってた時代にも車に積める折り畳み自転車を積んで釣り場開拓にいそしんでたものである。川崎時代から愛用の先代は長年の酷使で足回りが文字通りガタガタになってて、本来鮮魚運搬用でも何でもない前カゴは塩水で錆びまくり、自転車屋さんで匙を投げられる始末。自転車は無いと困るなぁ、と思ってたらちょうど安く中古ママチャリが売ってたので、その素人が水色にペンキで塗った空色のママチャリを即金とっぱらい1500円なりで購入。新しいチャリでも、機動力活かして近所の釣り場を走り回って”足”で魚を釣っている。末永くよろしく。

 2位の、ゼブコ社「44クラッシック」は、クローズドフェイスリールって使ったことないけどどんなもんだろ?とスピニング用ロッドで使える”トリガースピン”型の竿の下に付けるやつを試しに買って使ってみた。なかなか面白かった。スプール上下もないような単純なリールだけど、単純明快で良い意味で安っぽく、釣れりゃいいじゃんという米国っぽい実用充分さが好ましく、トリガーだけ触っておけば投げられることからくる手返しの良さはたしかに利点だし、まだそこまで指が慣れてないけど構造上、トリガー引いてローターをカバーに押しつけてライン放出を”サミング”して飛距離調整も可能なはずで、確かに使いこなせば”使える”リールだというのは腑に落ちた。実際メッキ釣りに投入したけど良い感じに釣れた。なかなか楽しいリールなので今後もたまに使って遊んでみたい。

 3位の「のべアジ用遊動式オモリ仕掛け」は、ケン一の「ハリス交換頻繁にしてるけど、オモリの位置をずらせるようにしておけば良いんじゃないの?」という疑問から始まって、そんなもんアワセでズレて固定できないと思ったんだけど、じゃあズレたら元の位置まで戻せるように目印付けておくのはどう?っていうあたりで、頭の中で仕掛けができた。ズレないようにしっかりオモリを止めようとしても止まらないし、止まるようなキツい止め方してしまうと頻繁に位置をずらしているとラインが痛んでそこから切れる。でも、逆に考えるんだ!って”ズレて良い”と発想を転換してしまえば、アワセ入れるまで止まっててくれれば良い程度のユルい止まり方で間に合い。その方がむしろ道糸を痛めずに済む。それでも頻繁なオモリの位置調整で道糸が擦られるのは良いわきゃなくて、摩擦に強いフロロカーボンをオモリの可動域に使うことで、ある程度耐久性を持たせる対策をとる。という考え方でオモリとコマセ螺旋をパイプに乗っけて、パイプの上下をユルいウキ止めゴムで止めて、アワセでズレたら上の浮子ゴムまで戻す。という仕掛けで試釣。結果は上々。実質ハリスの上の方が太い道糸になるわけで、そのあたりで食い込みが悪くなるとか不具合が出でないか?というような心配は杞憂に終わり、ちゃんと長ハリスとして機能してくれた。ハリスを交換するより簡単手早く”オモリ下(=ハリス長)”を変えられる効果は大きく、ダメならすぐに元に戻すってのもありがちであり利点は大きい。欠点は同じハリスを使いっぱなしになりがちなので、傷が入ってるのに気付かずアワセ切れとかが生じるぐらいだけど、まあそのあたりはまめに確認しておけば済むかと。最初の試釣に持ち込んだ仕掛けで特に大きな改良は必要なく、実際の釣りで使うオモリの可動範囲にあわせて道糸のフロロの部分の長さを調整するぐらいで良い感じに仕上がった。っていうような細かな改善を積み重ねながら、釣りって上達していくので、良さそうなアイデアはダメでも良いから試してみる。10に1つでもものになったなら、ちょっとずつでも釣りの腕は上がっていくと思っちょります。


○スピニング熱:1位「シェイクスピア2062NL-2」、2位「マイクロセブンC1」、3位「ミッチェル314」
 1位のシェイクスピア「2062NL-2」は秋のスタメン4番打者を任せた信頼に応えてくれた感じで、冒頭写真の80upスズキ様に、50up”歳無し”チヌにとかっとばしてくれた。アメリカンなウォームギア機ということで、PENNで馴染みのある使い心地でもあり、手にしっくりくる感じ。釣りに必要な機能は単純な設計の中にもしっかり備わってて、スプール径大きめで投げやすくラインローラーも回転するしでライントラブル少なく、ドラグもパッドだけ百均フェルトで自作したのに3枚中2枚交換したら、まあ3階建てだし今時のリールに入ってるドラグとなんら構造的に変わらんわけだし、あたりまえに性能は良いものに調整できた。チヌに流れの底に貼り付かれても、スズキに浅場で大暴れされても、ドラグがドラグとしてのあたりまえの仕事をしっかりこなしてくれたからちゃんと魚が釣れている。60年代のインスプールのスピニングだけど、魚釣るのに充分な機能・性能を持っていて釣り場でなにも困らない。今のリールがどれだけ進歩したか?邪魔くさい余計なモノが付いた分のマイナス面を考えるとむしろ退化してるんじゃないかとさえ思う。
 2位の大森製作所「マイクロセブンC1」はこれまでも何度も何度も”不人気実力派”と書いてきたところだけど、使ってみて改めてデキが良いことに唸らされる。樹脂製で軽いし、そのくせしっかりした作りで壊れそうにないしで、使ってこれもなにも困ることがない。欠点もあるけど対応可能で、一番困るのは銘板剥がれてると2千円とかで買えてしまうので何台も買ってしまうことか?ちなみに今我が家にCシリーズ同型機も含めて13台もござる。どうすんのこれ?人気のキャリアーと比較しても、双方特徴があるけどどちらも良いリールだと思うぐらいで、ひけはとらんと思うんだけど、中古市場での値段は雲泥の差で、ものの値段とかは中身とあんまり関係ないところで決まるんだなと思ってしまうところ。キャリアーSSなんて値段落ち着いてきたとはいえ今でも万札飛ぶ価格が普通で、マイクロセブンCSだって負けちゃいないとおもうけど、我が家の4台のうち2台が3千円台、2台が千円台というゴミスピ価格だった。安く手に入れられてありがたいけど、ちょっとムカつく。正当に評価してあげて欲しい。
 3位の丸ミッチェル「314」はボロボロの個体を手入れして使って、ちゃんと写真のように魚が釣れる性能があると証明して見せた。ただ、なにも面倒臭いところのないシェイクスピア2062系とかと比べるとやや”ジャジャ馬”で最初糸巻き量が多すぎてライントラブル頻発した。でも、そのあたりのあしらい方を理解すれば、ボールベアリング不使用でも、ラインローラー固定式でも、ドラグも1階建ての単純なものでも、魚釣って遊ぶのぐらいできらぁ!って話で、このリールに関してはそういうちょっと不便なところもあるリールをあえて使って楽しんでいる。来年はさらにスピニングリールの歴史を遡ったような、純正マニュアルピックアップベールに換装したベールレスなベベルギア機である「304」で遊んでみたいと思っている。

 今年は、こんな感じでPENN以外のリールを使ってて、PENNは青物狙いで6500SSを使ったぐらいでほぼ温存している。”PENN使い”としてはいかがなものかと思わなくもないけど、最終的にはPENNに戻るにしても、いろんなリール使って釣りするのは楽しいので、しばらく”スピニング熱”は完治しそうにない。

 てな感じで、今年は実釣はアジ以外苦戦が続いたけど、最後スズキ様も釣れてなんだかんだで帳尻があったように思う。釣りって”運”だよりのギャンブルみたいに思われることもあるかもだけど、長期的には努力に比例した結果が出るし、釣る人間は釣るようになっていると思っている。一年振り返って楽しく釣りできたなと思うので良い一年だったのだろう。

 ただ体調がヨレヨレだったり、落ちたり、物忘れが激しかったりと、いよいよ耄碌してきたなという実感はあったりする。まあこれも順番で、生まれて死ぬまで生きていれば避けようのないことで、そういうモノだと認識して気をつけつつ、やれるようにボチボチとやるしかないのかなという諦念。しゃーないやね。

 来年は怪我なく、いい年になるよう祈っておこう。

 皆様も良いお年をお迎えください。

2022年のベスト3(エンタメ編)

©野田サトル ©トリガー
  今年も活字本は、「華氏451度」は年またぎで読了してその警句の鋭さに唸ったけど、それ以外はラノベ読んだぐらい。皇帝がいた時代の中国後宮を舞台に”薬屋”の少女が謎解きしたり陰謀に巻き込まれたりと活躍する「薬屋のひとりごと」はなかなかに面白かった。若い頃は年間に購入する文庫本だけで100冊はいってた”活字中毒”だったので、こんなに読まなくなるとは予想してなかった。まあ読まねばならん義務もないし読みたくなれば読めば良いだろう。ってことで今年も活字部門無しでいっときます。

○マンガ:1位「ゴールデンカムイ」、2位「ベルセルク」、3位「絶対可憐チルドレン」

 1位「金カム」は、堂々の大団円完結。一巻の時点で”こりゃ大ヒット間違いなし”と太鼓判押した作品が、予想どおりに大ウケして最後までその熱量を失わず完走してくれたので1ファンとして我がことのように嬉しい。何が面白いかっていうと色々と要素は上げ始めたらキリがないけど、登場人物が魅力的っていうのは外せない要素だったと思う。ヒロインであるアシリパさんの、アイヌの狩人としての凜々しく頼もしい面と、食いしん坊でお茶目な面の落差、そのアシリパさんに敬意を払いつつ大人として汚れ仕事は引き受ける”不死身の杉本”の誠実さは、物語の最初の方でアイヌに対する差別的な発言を受けたアシリパさんが「気にするな、私は慣れている」と言ったときに、そんなもんに慣れる必要なんてねぇ!と憤る場面で端的に表れていて、この場面で杉本に多くの読者は惚れ込んだだろう。他にも本作の裏ヒロイン阿仁のセクシーマタギ源治郎ちゃんと、敵も味方も差別せず騙す雌狐インカラマッちゃんコンビとか、女性にモテモテ柔道無敗ステゴロ無敵の大男でアシリパさんからも”チンポ先生”として懐かれていた牛山のラストバトルの格好良さにはワシも泣いたし、作中屈指のトリックスター脱獄王白石も良い味出してて忘れちゃならんし、なんと言っても”ラスボス”鶴見中尉の人たらしぶりと禍々しさその存在感の濃さよ!その過去の秘密を知る度にこの作品がよく練りこまれた筋書きに沿って展開していて、伏線やらパロディーやらの大ネタ小ネタを見逃さないように隅々まで読まねばならんと痛感させられたものである。本当はもっとマイナーな作品を挙げて”ちょっとやるオタク感”を醸し出したいんだけど、この面白さでは1位やむなしである。

 2位「ベルセルク」も、一応三浦建太郎先生の描く作品としては、先生の夭逝により未完ではあるけど、それなりにキリの良いところまできて一区切りとなった。三浦先生ありがとう、とまた書いておきたい。グッチャグッチャドロドロの魔が跋扈するダークファンタジーの世界で、それでもなお輝く美しい人間の魂が描き出されていたように思う。続きは先生の意思をついでアシスタントの人達が描き続けることになったようだ。それはそれで楽しみに読みたい。

 3位「絶チル」は、少年サンデーのベテラン作家「極楽大作戦ゴーストスイーパー美神」がオッサン世代には懐かしい椎名高志先生の長期連載作で、昔このマンガをネタに”マンガ論”を書いたこともあり思い入れのある作品で、美少女エスパー達が主人公の超能力バトルモノで、椎名先生昔っからおもいっきり萌えもバトルもギャグもシリアスもてんこ盛りで描くサービス旺盛な作風で、良い話しありバカネタあり、とにかく楽しめた。最後長期連載で敵がインフレしててどう決着つけるんだろうとハラハラ心配してしまっていたけど、ベテランマンガ家にいらぬ心配で、超能力バトルモノとしてなかなかに鋭く格好いい少年マンガらしい決着でこれまた大団円に締めてお見事と心の中で拍手した。2004年から2021年の永きにわたる連載で63巻で完結。途中アニメ化もあり(深夜アニメじゃなくて日曜朝アニメなのが笑える)、スピンオフ企画もアニメ化するなど地味に大ヒットしてる。椎名先生お疲れ様でした。

 という感じで今回は一区切り付いたマンガ縛りで3つ選んでみました。マンガはそこそこ読んでいて終わる作品があれば新しい作品も探しておかねばなので、ちょくちょくチェックしていて「虎鶫」「勇気あるものより散れ」「時間停止勇者」あたりは面白い作品が始まったという感じで楽しみにしている。その他では「ヴィンランドサガ26巻」が滅茶苦茶に良くて感動した。この作品では2度目だけど泣かされてしまい干からびかけてるジイサンの涙腺絞られてしまった。ネタバレすると面白くないので書かないけど老若男女問わず読むべき作品だと思う。NHKでアニメ第2期が来年放送されるようで、1度目泣かされた”農奴篇”まで行きそうでそっちも要チェックである。


○アニメ:1位「サイバーパンク:エッジランナーズ」、2位「アキバ冥途戦争」、3位「ぼっち・ざ・ろっく!」

 1位はもう、これでいいんだよ!っていう感じのSFアニメ。電脳技術が発展しそれを使った犯罪やらも存在する”サイバーパンク”な近未来の世界観、体をサイボーグ化して闘うという超能力バトルモノ要素、囚われのお姫様を悪の城から救い出すという物語の骨格、どれも手垢の付いたような今まで何度も描かれてきたし、今も描かれ続けているような要素で構成される作品である。主人公の得た超能力が”加速”ってのからして「サイボーグ009」からの伝統でなんにも目新しくはない。でも過去の名作と比べてもひけを取らないし、今年見たアニメの中ではぶっちぎりに面白かった。バトルシーンが格好いい、全編に漂う破綻への予感がやるせなくて良い、ハッピーエンドじゃない終幕がどうにも胸に来る。何が違うのか説明しきれないのがもどかしいけど、偶然じゃなくて狙ってやってる細かい積み重ねの累積で仕上がりが違ってきてるのかなと想像している。Netflixのオリジナルアニメで制作は「トリガー」。金かけて力のある制作陣が作ったのがもろに感じられる。ネトフリのアニメも金掛けたからといって全部が面白いわけじゃないけど、それでもチョイチョイと突き刺さるような傑作が作られているので、パトロンとしては来年も契約更新させてもらう所存である。いたく満足している。

 2位、3位は年末の最終回までオレの中でデッドヒートを繰り広げてくれて、もう甲乙つけがたかった。僅差2位の冥途戦争の方はアキバのメイドで任侠モノのパロディーをやるというヤッタケタな作品なんだけど、萌えあり笑いありドンパチあり不条理ありで良くこんなわけ分からんアニメ作ったなと感心する。楽しめる人間限られるけど分かる人間が見たらクソ面白い怪作。対して3位のぼっちざろっくの方は、王道の女子高生バンド青春モノで、その枠だと萌えアニメの歴史に燦然と輝く「けいおん!」があるわけだけど、個人的には今作の方が好み。コミュ障で一人でギターひいて動画サイトに投稿してた少女が、ひょんなことからバンドに参加して、不器用ながらも仲間と”THE青春”って感じの物語を紡いでいく。基本”コミュ障あるある”なギャグ多めだけどなんというか、白秋からそろそろ玄冬にかかる域にあるジ様の心に残る遠き青春の残り香を思い起こさせるような切なさも孕んでる。学校の体育館とかゴミ捨て場とか図書館とかが丁寧に描かれたシーンになぜか胸が締め付けられる。ぼっちちゃんが初めて路上ライブする場所がシーバス釣ってた高架下だったりして知ってる街並みが出てくるのも個人的に懐かしかった。こっちはコミュ障なオタクどもには受けたようで、ひょっとすると「スパイファミリー」「チェンソーマン」という秋のド本命ジャンプ勢より評判とったかも。なんというか”ぼっち”だって好きなことみつけてのめり込んで打ち込んだら、なんか沼の底の方で仲間もみつかるってのは人生の真理かもしれない。なんでも良いので好きなことを見つけて目一杯楽しむってのが重要だとジイサン若い人には言ってあげたい。君の旋律をかき鳴らせ!

 アニメは沢山観たので他にもいっぱい面白いのあった。もちろん「シン:エヴァンゲリオン」は最高の締め方で”庵野監督ありがとう”って感じだったけど劇場版アニメは別枠だと思うので外した。「パリピ孔明」「錆食いビスコ」あたりもクソ面白かったけど選には漏れてるってのが今のジャパニメーションの水準の高さを物語ってる気がする。他にも中国のコロナ禍再燃で外注してた作画が間にあわんくなったとかで2度目の放送延期に入ってる「異世界おじさん」が完走してたらベスト3に入ってておかしくない可笑しさで”異世界モノ”というもうネタ出尽くした感のある分野でもまだこんなにも面白い作品があるってことに驚きと喜びを感じている。


○ドキュメンタリー他:1位BBC「ワイルド・アラビア~神秘の王国~」、2位「魔改造の夜」、3位「さよなら全てのエヴァンゲリオン~庵野秀明の1214時間~」

 1位の「ワイルド・アラビア」はさすがBBCと唸らされる圧巻の映像美。アラビア半島の野生動物を追ったドキュメンタリーなんだけど、もうラクダの色っぽい眉毛から、トビネズミが跳ねるときに足の毛が砂をとらえるところまで、クッキリハッキリ魅せてくれる。ラクダと先住民の関係とラクダと石油長者の関係の対比とかも興味深く、そしてなんといっても夫婦共同で技ありの奇襲をかけるコシジロイヌワシのケープハイラックス狩りの映像が痺れる格好良さ美しさ。”西側”の我々が知らないアラビアの自然の美しさがそこには映し出されていた。眼福眼福。アマゾンプライムビデオで視聴可能なので生き物好きの皆様は是非ご覧ください。超お薦め。

 2位の「魔改造」はドキュメンタリーじゃないけど、NHKのバカっぽい企画番組で、モノホンの技術者たちが、しょうもない”お題”に社名に泥を塗らぬよう己が誇りに恥じぬよう全力全開で取り組む技術系バトル番組。太鼓を叩くクマちゃん人形は瓦を叩き割り、イジェクトされたDVDが射出されボウリングのピンを倒す。そこに何の意味があるのか?なくても技術者の魂が震えたならば、そして倒すべき強敵がいるならば、彼らは寝食を忘れて魔改造に没頭する。やってることは大の大人が本気で遊んでるだけなんだけど、そこにドラマも生まれれば感動さえ覚えるという事実。こういう真剣に遊びができる技術者たちが日本の”もの作り”の現場にいるということはとても頼もしく感じる。夜会のルールとして「失敗してもかまわない」というのが設けてあるところが、この企画を立ち上げた側が、人間の技術や知識の発達において失敗をおそれていては何も生まれ得ない。ということを良く分かってるというのがまた頼もしい。バカバカしいけど面白くて意義深い観る価値のある番組だとワシャ思う。

 3位の「さよなら全てのエヴァンゲリオン」は「シン:エヴァンゲリオン」製作現場の庵野監督に密着したドキュメンタリー。庵野監督伝説は奥さんのモヨコ先生や大阪芸大時代の同級生島本先生のマンガでも知ってたので、サッポロポテトバーベキュー味を口に流し込みながら作画作業する場面とか妙な既視感があって笑えたなんてのも楽しかったけど、アニメ製作の方法論からして凡百の監督とは違ってて、自分の頭にある範囲では限界があるので、それを破るために参加するメンバーにも限界まで”出力”してもらって、それらが化学反応起こして限界突破した作品にもっていく、っていうやり口に正直驚かされた。凡百の監督なら自身の理想が頭の中にあって、そこに向かっていくんだろうけど、庵野監督はスタート地点ではどこにも存在していない作品を、みんなの力を借りて顕現させるのである。天才だとは認識してたけど、やっぱりどうにも天才だと思う。できた作品が規格外なのは監督自身が規格外の天才だからだと納得した。NHK作成だけどこれもアマプラで視聴できます。

 てな感じで、今年もマンガにアニメにドキュメンタリーにと楽しめたんだけど、今年に入って、もう地上波民放TV局は大きなスポーツイベントの放映権料が払えなくなってきているという末期症状が顕著に表れはじめていて、ボクシングの「井上VSドネア」「村田VSゴロフキン」(敬称略)はアマプラ独占だったし、国内格闘技の何十年に一度あるかどうかの大イベントだったメインカードが那須川天心VS武尊の「THEマッチ2022」がアベマ独占でペイパービューで視聴権購入して観る方式、サッカーワールドカップもエラいぞアベマTVって感じでアベマTVで全試合無料配信ときて、地上波TV放送受信機が我が家に無くて唯一残念だった、格闘技やスポーツの生中継を視聴できないという不満は、むしろ”サブスク”と呼ばれる動画配信サイトを契約していないと生じる不満となりつつあり、視聴者舐めて馬鹿にした番組作りして、スポンサーにおもねって、くっだらねえバカのクレームに反発する気概もない腰抜けの地上波民放TV放送には、いよいよ”タダで見られる”っていう利点以外なにも残ってない状態になってきて、昔っからその視聴者舐めくさった鼻につく態度が気にくわんかったのでザマミロバーカと気分が良い。

 アベマTV、Netflix、NHKオンデマンド、アマゾンプライム、いずれも払った料金の価値は充分あった。来年もこの調子でよろしく。

 という感じで今年も、人様の作ってくれた作品で沢山の楽しい時間を過ごすことができた。微力ながらお金払ってパトロンとして応援していくので、これからも良い作品を力一杯創って欲しい。

 今年楽しんだ作品に関わるすべての表現者のみなさんに感謝。

※画像引用は野田サトル「ゴールデンカムイ」第31巻Kindle版、netflix「サイバーパンク:エッジランナーズ」第10話より

2022年12月24日土曜日

君の名は?エソ編そしてスカベンジャーナマジのビンボ飯

 ちょっと気になったんだけど、「君の名は?」って題名はナマジのことだしアニメからと思ってる人も多いかもしれないけど、”君の名は?シリーズ”は実はあのアニメよりも以前からあるシリーズで昔の実写映画のほう由来ね。さすがにワシも世代じゃないけど”マチコ巻き”っていうのがなんなのかを知ってるぐらいの知識はある。アニメの方のタイトルはオマージュなんじゃないの?しらんけど。タイトルにアニメの方は「。」が付いてるのは丸かぶりはマズいからか?(いまちょっとwikiったらリスペクトしつつ作った的な書きぶりなのでオマージュで正解っぽい、実写映画はラジオドラマの映画化なのね。)

 てな関係ない枕から始まってますが、今回のお題はエソ系。釣り人には十把一絡げに”エソ”と呼ばれ”外道”扱いされてるけど、高級練り物の原料としては良く知られていてそれなりに大型化する種は数がまとまれば商品価値もある魚。ただ「WEB魚図鑑」でも「エソ科魚類は表徴形質に乏しく同定が難しい分類群のひとつである」と書かれていて、正直メッキ釣ってて釣れてくる”エソ”は総合的に判断して「アカエソ」と一応同定しているけど、ミナミアカエソじゃないとした根拠は?と聞かれればそんなモンはない。だって、測線鱗数とかもかぶってて自分の中では別種とする根拠が分からんので同種扱いでいいやと思ってるぐらいである。DNAとかみないと分からんのならワシには分からん。

 ということで、あちこちカマス探してさまよってて底ベタ狙いで食って来た写真の魚、何エソなのか?調べるにはとりあえず持ち帰るしかないなということで確保した。試したい捌き方もあったので好都合。

 こういうのは下手に先入観いれるより知識無しに原則通りに検索図鑑で選択問題を解くような作業の繰り返しで愚直に行くのが間違いがないだろうなと、いつもの中坊徹次教授編著「日本産魚類検索 全種の同定」東海大学出版会(第一版)を紐解く。
 
 さすがにエソ科なのは間違いないと思うので、エソ科のページから始めると、まずは”胸ビレの外側と内側の軟条がほぼ同長”かどうかで分かれる。持ち帰った状態だと胸ビレ破れ傘状態で分かりにくいけど、内側の軟条もそれなりに長いのは確認できる。一応胸ビレの長さと位置は同定の鍵になるという認識ではいたので、釣ったすぐの写真も押さえてあり、やっぱり胸ビレの外側内側の軟条は長さに大きな差がないようだ、差がある場合はオキエソとかの仲間に、差が無い場合はさらに選択問題が続く。

 次は”胸ビレが著しく短く、その後端は腹ビレ起部にたっしない”かどうか、で明らかに長めで起部に達するほどなので、次に続く。ちなみに短いとトカゲエソとかの仲間。

 次から3つが”色”の話で、あんまりアテになんねえ”表徴形質”なのよね。”各ヒレに褐色斑がある”かどうか、であればマダラエソ、無ければ次の”尾鰭上縁に黒色点列がある”に続いてあればクロエソ、無ければ最後の”尾鰭下縁が白か黒か”で白ければマエソで黒ければワニエソとなる。あとワニエソ雄の背ビレの先端からはミョーンと糸状のものが伸びる。

 褐色斑は無い、尾鰭上縁の黒色点列も無い。ここまでは多分大丈夫。ただ、尾鰭下縁が白か黒かというのが写真でも現物でも文字通り白黒ハッキリしない。黒くはないし白っぽく見えるっちゃみえる。ということでマエソと一応同定して「WEB魚図鑑」でマエソワニエソのいろんな個体の写真を見て比較してみると、どうも体型に違いがあるように見えてきて、マエソの方が頭部より後ろが細く、ワニエソは頭部より後ろがやや太くなる感じで、痩せぎすなマエソ、マッチョなワニエソという全体的な体型からくる印象はそこそこ同定に使えそうに思う。根拠を示せといわれてもなんとも名状しがたい特徴ではあるけど、自分の中では今回の魚はマエソで9割方同定できたと思う。青物狙ってジグ投げてる人がたまに釣ってて地域ナンバーワンのスカベンジャー(掃除屋)を目指すワシがおこぼれにあずかろうとしてるのはワニエソで、ワニエソは50センチ60センチとデカくなるのも特徴のようなので、デカいのはワニエソでいいのかも。とりあえずマエソは初物であり嬉しい。これで今まで釣った魚は260種。生涯目標300種で食用として市場に流通する魚がだいたい300種とか言われてて、約4000種からいるらしい日本近海の魚種の一割にも満たないわけだけど、それでもそこそこ魚を知ったぐらいにはなるかなと思ってる。けど、すでに釣れそうな魚はそれなりに釣ってるのでなかなか厳しくなってきてる。あと40種、一年に2種追加していって20年。70まで生きてれば届くだろうか?まあボチボチいこう。そういえばフライで”アブラビレ”のある魚って久しぶりに釣ったな。脂ビレのある魚って代表例はサケマスじゃなくてナマズ目(全てじゃないけどないけどギギやらにはあって種類数は圧倒的に多い)、カラシン科とエソ系含むヒメ目で、ついでにサケ目だとワシャ思うぞ。

 でもって、エソ料理といえば肉量豊富なワニエソでも存分に堪能した”すり身”関連が圧倒的大正義というか”それ以外はまるでダメ”というのが、これまでの評価だった。ところが、その評価を覆す捌き方を工夫して”エソ料理界”に革新をもたらした方が居て、ちょうどその動画をYoutubeで見つけたのが昨年だったんだけど、好評のようで現在まで11万回視聴とご本人さんとしては大当たりのようで、今回探したらさらなる改良版「究極のエソの捌き方」を上げておられたので、それを参考に捌いて料理させてもらった。

 やることはそんなに難しくない。手法としては手開きでマイワシとか捌くときに、背骨を手で引っ張って外すと肋骨とかの小骨も背骨にひっついて外れる、あれに近い。ただエソの白身はマイワシのように柔らかい身じゃないのでそのままだと骨離れが悪いので、そのあたりが上手く工夫されている。

(1)まずは鱗とって背ビレをハサミでジョキッと切り取る。死後硬直で固まってる魚体をグネグネとグネッって柔軟体操させておく。

(2)ひっくり返して腹ビレの後ろから包丁を入れて内臓を取る感じで頭の手前まで刃が入ったら、そこでズドンと頭を落とす。

(3)腹に続いて尾鰭まで”切れてる”ように背骨まで包丁を入れて、腸などを動画ではスプーン使って綺麗にしてたけど、爪でもなんでも良いので掻き出すようにして綺麗にしておく。

(4)ここがキモ、背中側を上にして厚みのある出刃包丁などで、筒型のエソの体がコチのような扁平になるまで叩きまくる。すると身がある程度崩れて柔らかくなり背骨と一緒に肋骨が取れやすくなる。

(5)尾鰭側の背骨をプチッと切って端を包丁で押さえつつ、身の方を既に無いけど頭の方に向かって引っ張っていくと、小骨が付いた背骨と小骨が抜けた身に分かれる。

 あとは煮るなり焼くなりご自由に。という感じで特に難しいことはなく手順も普通の3枚おろしより簡単なぐらいで、魚料理したことある人なら苦労はしないだろう。ただ、鮮度が良すぎると骨から身が離れにくくやや難しいようで、今回も朝釣ってきたのを夕方捌いたら小骨がちょくちょく背骨から外れて身に残ってしまっていた。それでも単純に塩焼きにしただけでも十分美味しく。まあ味自体は悪くないのは想像できるとおりで、”美味しい白身魚”そのものである。叩いて潰しまくったので身がグチャッとなってて食感が悪くなってしまうのではないか?と懸念したけど、加熱するとまとまる性質が強いのが関係しているのかなんなのか、そんなこともなくて食感も悪くない。小骨もほとんど取れていて気になるほどではなかった。動画では塩焼きと天ぷらでお子さんが味わってたけど、確かに天ダネとしては良いかもしれない。いずれにせよこれは釣り人なら憶えておいて損はない捌き方である。

 常々思うのは、大間のクロマグロだの氷見の寒ブリだの日本海のノドグロだの、ご大層な値段がついてる魚を、なんも分かってないようなアホのマスコミが流すゴミ情報に釣られてありがたがってるだけの”食通”って単にそういう”情報を食べてる”だけのゴッコだよな。とワシャ思うのである。対して、こういうこれまでに無かったような工夫をこらして、あんまり評価もされてなかったような魚の美味を見つけ出してくる、こういう人こそ本物の”魚通”っていうもんだろうと、敬意を覚えるところである。

 まあ、大間のクロマグロだのの”高級魚”にはそういう”値段が高い”ことそのものに意味があって需要があることも分かる。金があって贅沢感を醸し出したいのなら食えば良いし、相手にわかりやすく”もてなし”を演出するにも好適だろう。でも我々釣り人なら、そういう金さえ払えば食える程度じゃない美味を知ってるはずで、泳いでる魚に値札付いてるわけでもないのに、市場価値が高い程度のことで”高級魚が釣れた”とかありがたがるのはバカバカしくて、小骨を綺麗に処理したエソ系の旨さや、ゴンズイやらアイゴやらの捨てられる魚の意外なぐらいの美味しさ、ベラやスズメダイの類いの小味の効いてる味わい、鮮度の良いマルソウダの刺身の血の臭い、活けのまま持ち帰った淡水魚の繊細、刺身で食える鮮度の魚で作った干物の滋味、そいういったものこそ珍重すべき我ら釣り人の特権的美味なのではないかと思うのである。
 ぶっちゃけワシだいたいなに食っても「うまいうまいっ」て喜んで食うけどな。

2022年12月17日土曜日

デカ大森の魅力

 ハイッ!買っちゃってますね!!
世間では一部リアドラグ機とか除いてあんまり人気のない大型大森スピニングの魅力について、語る人も少ないし、読む人も少ないだろうけど、そうであるならなおワシが書かずして誰が書く?という謎の使命感に突き動かされ書いてみようかと思っちょります。まあぶっちゃけワシも何台かいじった程度で例によって沼の浅場でビチャビチャ泥遊びしてる程度のことのご報告ではあるけど、ご用とお急ぎでないむきはゆっくりしていってくださいな。

 買っちゃいました冒頭写真の機種は大森製作所謹製の「スーパー2000」でこの蓋の形状とかは大森ファンにはなじみ深いのではないだろうか?「マイクロセブンDX」とかに通じる形状で、脚が付いてる本体は左右共通で、どちらかにハンドルとハンドル軸のギアが、反対側にスプール上下のオシューレーション機構関係が入っててアルミ板の蓋で閉じられているパターン。発売は1964年とマイクロセブンDXよりちょい前だけどだいたい同じ時代の機種。

 なんであんたそんなモン買ってんねん?って話だけど、説明させてください。いつものことですが説明させてください。前回取りあげたコンパック「スーパー7」は次の展開は博打打った海外からの部品取り用の個体が大平洋渡って我が家に来てからで、まだしばらく後になるだろうってことで、それはそれで粛々とことを運んでいけば良いんだろうけど、なんか勢いついてしまって、大森のゴッツくて力強い大型機をいじってみたい!って思ってしまって、思ったとしても売ってなかったら、あるいは以前触ったことがある「マイコンNo.6」とかなら買わずに済んだんだけど、なんかスーパー7のときに見たようなベールアーム周りの構造が見てとれるこの機種が、ネットフリマに送料込み3,800円で売りに出されていたのを見て、理性では使うアテもないしそもそも右巻でオマエ使えんやろ?っていう話だしで無視しようとするんだけど、感情はもう”欲しい”の1択で言うこと聞いてくれんかった。無視できんかったんじゃ。アタイ病気が憎いっ!

 まあ、スプールは共通っぽいスーパー7の後継機的な見た目だし、部品いろいろ共通ならスーパー7の方と融通しあってニコイチなりサンコイチなりになってもまあ着地点としてはアリかなという計算もあって我が家にお迎えいたしましたスーパー2000、800g弱の迫力ボディにウットリしつつ、早速分解清掃に入っていく。

 まずはスプール外してドラグ周りから。って分解初めて3階建てのドラグが入ってるの見て違和感が走る。スーパー7はドラグ一階建てだった。これドラグが違ったらスプール互換性無いんじゃなかろうか?って思ってスプール比べてみたら互換性もクソも、ドラグ云々よりそもそも直径若干小さく違っててダメだこりゃ。加えてなんかそれ以上に強烈な違和感があるなと”なんだろう?”ってしげしげ見てて気がついた。ローター逆回転やんけ!ベールアームの向きが当然逆なのが違和感の正体。右巻仕様のリールだから左投げを想定して意図的に変えてるならさすが大森という感じ。正回転ローターの左巻き仕様のもあったのか気になるところだけど、とりあえずスーパー7とはローターも含め異なり新しく金型起こした新機軸の機種のようだ。部品の互換性とかビタイチないんでやんの。

 まあしゃあない、気を取り直してドラグ周りを見ていく。

 ドラグノブ外すと、ノブの中にバネがなくて、ありゃこれだと調整幅出ないんじゃねえの?と思うんだけど、ほじくっていくと3階建てのドラグの下にバネが入ってる。そして、ドラグが良く分かってないリールとお小言を書いたダイワ製「スーパースターNo.2」の時に「ワシこういうことが言いたかったのよ」という設計がされていて、さすが大森!わかってるぅ!!と思いましたとさ。バネの上面にはスプールと同期して回る耳付きワッシャーを入れていて、バネはバネとしては機能するけどスプールと一緒に回るので”ドラグとしては機能しない”というかドラグの仕事を邪魔しない設計。なのでよく見る3階建てのドラグの6枚円盤に加えて1枚耳付きワッシャーが多い7枚の円盤が入ってるのである。ちなみにドラグパッドは革製でカピカピに干からびて堅くなってるので実釣に使うなら交換が望ましいけど、使う予定がないのでとりあえずグリス塗ってそのまま”純正”状態を保存しておくことにした。皮でドラグパッド作ったことないけど加工の難しい素材じゃないし蔵になんぼか端布があるので一回どんなもんか試作してもいいかも。

 でもって、本体蓋をパカッと開けると予想どおりスプール上下のオシュレーション機構が入ってるんだけど、これがなかなか面白い。部品がスーパー7で採用されていた亜鉛鋳造だと大型リールの部品としては強度不足がやっぱりあったのか、真鍮と言うより青銅っぽい色合いの素材になってるのも面白いけど、クランクにつながってる歯車っぽい部品がぱっと見ただの円盤で歯が切ってなくて、なんじゃこりゃ?って思って、ハンドル側もパカッと開ける。するってぇと、ギアがローター軸のが傘じゃなくて真鍮の円筒形にグルグルでハンドル軸のギアは綱系の芯を鋳込んだ亜鉛鋳造で平面的な斜め切りの歯車のまさに大森”ハイポイドフェースギア”でちょっと感動するんだけど、それ以上にハンドル軸のギアの芯から延長するように歯車が突き出してて、本体真ん中に開けた穴を貫通してる方式に「ナルホドこの手があったか」と意表を突かれる。オシュレーション用の歯車は3枚目写真の様に歯が内側に向けて切られているちょっと変わった設計のものだった。直径大きくしてスプール上下を減速して巻き上げ時に掛かる力を減らす目的だろうか?良くあるハンドル軸のギアから下にズラした歯車を介して減速オシュレーションになってる方式よりは直径大きいハンドル軸のギアと重なる部分が多くて直径が大きくとれるのは確かだろう。

 ローター軸のギアは、ちょっとミッチェルを思わせるような本体のステンレスっぽいパイプに刺さってる設計で、まあ漢らしく、ボールベアリングなしの真鍮ブッシュですよ。ギア比1:3.5ぐらいの低速機で上に書いたように減速オシュレーションなのもあって巻きは特段重くはない。

 ストッパーはハンドル軸のギア裏にあるこの時代の大森では標準的方式。切り替えレバーが樹脂製じゃなくて真鍮製でこの機種は徹底的に丈夫に作ってる感じ。遊びはそれなりにあるけど、普段はストッパー外しておくという”ミッチェル式”で丸ミッチェル使ってて思うのは、ハンドル握ってるんだから遊びが多少あっても関係ないというか、ハンドル放す必要がある取り込みのときにストッパー効かせれば良いっていうので間に合うということで、逆転の遊びなんぞなんら問題ないのが良く理解できる。何度も書くように瞬間的に止まる利点はシャクりまくる釣りでガチャガチャいわないことぐらいで、デメリットはとにかく種々邪魔くさいのはこれまでしつこく書いてきたとおり。

 ベール周りは、前回紹介のスーパー7と同様に巻き取る前にラインの緩みをしごくワイヤーの関門が設けられているのに加えて、なぜか立ち上がったベールアームの角のところにローラーが追加されて、上部の”補強の棒”とは違ってこちらはちゃんと回転している。

 なぜここに、ローラーが必要だったのか、当然ラインが摩擦で切れないようにだろうけど、この位置にラインって掛かるか?と疑問には思う。でもわざわざ付けたってことは角に擦れて切れたとかがあったからなんだろう。ぶっといナイロンラインだと外側に膨らんであたるとかがあるのだろうか?まあ気にしないでおこう。当然塩水かぶる部分で腐蝕しかかってはいたけど、固着はしておらず、汚れ綺麗にしてラインローラーは良く回るように調整しておいた。今回は整備上手くいって、ちゃんと稼動品に仕上がってすっごく気分が良い。

 という感じで、スーパー7の反省を踏まえたのか、スーパー2000はとても頑丈な作りになっていて、ちょっと実戦投入してみたくなるんだけど、右巻なのよねこいつ。グリス盛りつつ組んでる最中の本体の真ん中の板の写真だけど、こちらハンドル軸のギアが入る右側なんだけど、こちらにもオシュレーションの歯車が乗るピンが突き出てて、左巻き版もあったのかもしれない。そのへん確認したくて、以前教えてもらった欧州のシェイクスピア関係法人のサイトから古いカタログとか眺めてスーパー2000に相当する機種がないか、特にその左巻き版の有無を確認しようとしたんだけど、ドンピシャのが見つからなかった。72年カタログの「シェイクスピア2250」が後継機のようでかなり近いけど、ベール反転のバネが入ってるあたりの機構が異なるように見える。それより古いカタログではコンパック版スーパー7的な「キャデラック」が64年カタログにあるけど、その中間っぽいスーパー2000同型機は探しきれなかった。少なくとも左巻き仕様はあるんだろうなたぶん。で、左巻きが出てきたら欲しいと思ったんだけど、よく考えたらむしろさらに進んだ設計のハズの「2250」こそ狙い所なんではないか。ってヤーメーテーオーケ~!!いい加減にしろと我ながら思うのである。既にもう一台部品取り個体が我が家に大平洋を越えてくることは確定済みで、これ以上”デカ大森”の重石で沼の深みに沈んでどうするねんって話。場所くうし値段付かないから売れないし、使う場面もなかなか難しいし、そろそろ手を引かないと収拾が付かなくなる。とはいえ、一度でも欲しいと思ってしまったら、ネットオークションとかで出てきたら手が出てしまうような、そんな未来が見えてはいる。

 諦めて収拾つかないけど蒐集しておくか。トホホ。

2022年12月10日土曜日

「スーパー7」ってこんなんだったっけ?

  コンパックブランドの「スーパー7」というのが、ネットオークションにやや高めの5千円ででてた。スーパー7ってこんなリールだったっけ?という見た目で、後年の大森ダイヤモンドブランドの「スーパーセブン」はアウトスプールのウォームギア機で、今回見つけたインスプールのコンパック版スーパー7とはだいぶ見た目も違い名前が引き継がれてるけど別物とみてよさそうだ、そして一番の違いは見た目もなにも、大きさが違う。ダイヤモンド版スーパーセブンにもNo.6サイズがあったら互角かもしれないけれど、コンパック版はそのぐらいデカく、あからさまに海の大物用で、自重は880gと900g超えのPENN「スピンフィッシャー9500SS」に迫る巨体。米国の釣り人コレで何釣ってたんだろ?ただ、製造元は大森製作所なのはその見た目の雰囲気からも、ハンドルやら上面に穴の開いたスプールやらの特徴からも明らかなところ(情報も確認できて1961年発売の機種と判明)。

 使い道ワシが分からんぐらいなら、この国で分かる人間は少ないはずで、このあんまり見かけない機種の価値も含めみんな分からんだろう。ていうか国内で古いスピニングのマニアは渓流向けとかの小型機優先でこんな場所ばかり取る得体のしれない大型リールはそもそも守備範囲外でワシが落札してやらんと燃えないゴミ行きで、それはあまりにも忍びないということで、いらぬ深情けでマウスが滑って開始価格で落札。送料込み6千円がとこもあれば、もっと使いどころも整備して売れる目もある機種が買えただろうけど、まあそんなことはどうでも良いのである。ワシャこいつを燃えないゴミになどしたくなかったんじゃ。「コンパック”スーパー7”お前に魂があるのなら...応えろ!(©皆川先生)」と整備にかかったんだけど、結果から書くと応えてくれんかった。ちなみに大きさの比較に置いたのは渓流で使うぐらいの大森製小型機「マイクロ二世301」。

 まあ、これだけの大型機で大森製となれば丈夫に作ってあって、巻きが重くなってるのぐらいはグリス入れ換えでどうとでもなるし、スプール上下しなくなってるのも、組み間違いとかで正常に作動してないだけだろうと舐めてかかったら、ちょっとどうにもならんかったでござる。

 パカッと本体蓋開けると、きったねーグリスが固まった状態でいまいち全体像が掴めないけど、ギアの方式は斜めに歯を切った傘車の”スパイラルベベルギア”で、大型機で力のある巻き上げを可能にする設計意図が見て取れる。でそのローター軸のギアの直下にローター軸の回転を利用する形でウォームギア(スクリューギア?)のグルグルが鎮座していて、ウォームギア機のスピニングとは反対にグルグルがスプール上下(オシュレーション)の歯車を回す形となっている。っていうか機械的にはウォームギア機のスピニングにおける歯車の方を回してグルグルの方に回転を伝える方式は珍しいのかもしれない。普通逆で今回のようにグルグルを回すことによって歯車を回すのは、時間はかかるけど力は強くて、「魔改造の夜」でも電動ドリルの限られた力で重い熊の手刀を持ち上げるのに使ってた。てっいうぐらいでギア比にもよるんだろうけど力強くスプールを上下させるコトができる設計のハズだった。でも、実際にはその力強い機構に耐えうるだけの部品の強度が出せておらず、当初は機能していたのはラインが綺麗に巻かれていたのからも確かだけど、グリスが固まってから巻いたとかかもしれないけれど、写真でもお分かりいただけるように、オシュレーション関係のパーツは歯車は歯が飛びまくり、カムはバキバキにヒビが入って折れまくりで、多分こういう形だったんだろうなと復元したのが写真一番下の列で、設計的にもウォームギアで力が掛かるところの部品に亜鉛鋳造では元から強度が不足していたのかもしれないし、折れて割れて、きったねぇグリスに亜鉛の破片が混ざりまくっているのを見ると、製造工程で温度管理とか失敗してて”す”が入ってしまっていた疑いも強い印象で、現時点ではちょっとした力でボロボロと割れてしまう状態。滑らかに上下させるために白い樹脂製のタイヤを履かせてあるとか、なかなか凝った設計で面白いんだけど、見るも無惨な状況になっていて、こりゃちょっとやそっとでは直しようがない。ナマジガックリ。

 でも、いつの日か強度が十分確保できる3Dプリンターとかが利用可能になるまで、整備して腐蝕進まないようにして現状維持で壊れたパーツも可能な範囲で復元をしてから保存しておこう。

 ということで、引き続き分解清掃。心臓部のギアはなかなか格好いい。ローター軸のギアはステンレスか焼き入れした鉄系で、ベアリングはニードルタイプが入ってるって情報も拾えたけど、コイツには入ってなくて真鍮ブッシュが漢らしい。ローター軸のギアとオシュレーション用のグルグルを合体させて一番上の写真に写ってる主軸が通るパイプに通して、一番下の写真の様にそのパイプはナットで固定。ローター軸のギアとグルグルが回転する遊びを確保しているかたち。でもってハンドル軸のギアは直径デッカい真鍮製ので、残念ながら鉄系の軸が錆か何かで太ってるのか抜けなかったけど、穴が開けてあるところからパーツクリーナーのノズル突っ込んで、グリスと亜鉛の破片を洗い流して青グリス盛り盛り。逆転防止もこのギアの裏に入ってて特に問題なく作動している。本体は今できることはこれぐらいが関の山か。

 ドラグは一階建ての単純なもので、ドラグパッドが樹脂製のグリップの良さそうな感触のもので、ドラグとしての性能は後の大森製ほどではないけど、ガッチリ締めて使うことを想定していたのか?いずれにせよドラグノブ内にバネが入ってる今時でも同じようなドラグの方式が、1960年代当初には既にあったということである。ドラグノブ分解できそうな構造だったけどネジが固着していて無理に外すより温存かなとグリスヌリヌリでここも放置。

 クソ面白いのはベール周りで、なかなかに凝ってるというか鋭い。まずは右の2枚のベールアーム周りの写真で、見る人が見たら2つ「オオッ!」となる箇所があるだろう。

 まずは、ラインローラーの下に細いワイヤーで”関門”が設けられていて、ラインをスプールに巻く際に、ラインが緩んだまま巻かれるのを防ぐために、ここで一回軽くしごかれて張りを持ちながらスプールに巻かれることになる。そう、シ○ノが同じような工夫を最近高級機種に導入して、新機軸のようなことを謳っててあちこちでツッコミが入ってたのを沼の底の住人の皆様ならご存じだろう。TAKE先生はそれ「ミッチェルクォーツ」でやってたと指摘してたし、ぬこさんがPENN「スピンフィッシャー4300ss(と430ss)」でもここのところは狭くなっててラインのループを巻き込まない設計になってて、古くからある工夫と書かれていたけど、確かに4300ssのそこは狭き門になってる。ワシの若い頃の愛機だけど言われるまで気付かなかったワシの目は節穴。明確にそれ用のパーツまで用意してるのでは1961年製のこの機種はかなり古い方ではないだろうか?シ○ノさんはどうも古くからある工夫を知ってか知らずか「ウチが開発しました新機構」ってやってることがちょくちょく目について、やや恥ずかしいのでやめた方がイイよと書いておく。スプール裏に直径デカいドラグパッド入れるのとか、4桁スピンフィッシャー「9500ss」にあったぐらいだから80年代にはすでにあった工夫だって。逆に言うと、購買層の目に目新しくうつるような機構をと思ったら、温故知新で古いリールいじって遊ん学んでみてはいかがか?当時の技術や素材の限界で企画倒れにおわった工夫でも現在の技術で手直ししてやれば生かせるものがあるかもよ?

 っていう工夫の一つになりえるのが、もう一つのオオッと声が出る箇所。写真2枚目を見てください。これがベールを起こした状態です。はいっ!ベールアームはローターにガッチリ固定というか一体成形、ベールワイヤーのみが反転する仕組みです。昔PENNのベールレス機「スピンフィッシャー706Z」を買ってしげしげと眺めたときに「ベールアームが固定だと壊れにくそう」って思ったんだけど、これそれをあきらかに狙ってます。やはりかなりの力勝負を想定したリールで、多分テストしたらこの形式が一番強かったのではないかと想像してます。インスプールなのもアウトスプールのようにローターの下部、スプールのスカートが下りてくる位置より下からベールアームを立ち上げなくてよいので強度確保に効いてる気もする。で、ラインローラーの固着を外して、滑らかに回るようにいつものように歯磨き粉つけてラインローラーをルーターと輪ゴムで接続して回しつつ、つらつら見てるとラインローラーの上の棒の役目はなんじゃろな?と気になる。ラインが当たる位置でもないしと疑問に思ってたけど、これ単純に”補強”でラインローラーの固定のネジ一本だけでは想定している引っ張り合いのときに歪んでローラー回らなくなるし、下手すりゃここから壊れそう。なので上の方の位置に、ライン巻き取るときの邪魔にならないように両軸リールの横棒みたいに補強を入れているのである。なんともゴツいリールである。

 でもって、そのゴツいリールのベール反転のバネがまたゴツい。ベールアームの反対側に樹脂製の蓋に組み込まれた一式がバネと反転機構なんだけど、真ん中のバネ見てください。9巻きも巻いてます。で蓋抜いた左下から伸びてる棒が反転機構のレバー?で本体上部の”蹴飛ばし”がこれを押し上げてベールが戻る仕組み。

 って仕組みは分かる。蓋外したときに反転機構のバネがポロッと落ちてきて、どこに入ってたのか確認し損ねて焦ったけど、反転機構の棒が刺さってたと構造上すぐ分かる。

 分かるんだけど、これがその状態にして元に戻そうとすると、どうやっても上手くいかなくてイーッとなる。何度やっても失敗するので、もうこいつ燃えないゴミの日に出してやろうか?とブチ切れる手前まで行って、なんとか填める方法にたどり着いて一安心。

 みなさま、今日憶えていって欲しいのはここです。コンパック「スーパー7」のベール反転バネと反転機構は、写真一番下のように樹脂製の蓋の方に全部くっつけて、反転機構のバネはギュッと縮めた状態でローターの穴にスポッと入れて、それぞれの棒が穴に入るようにグリグリしてねじ込んでやってください。まあ、この機種分解清掃する機会のある人がどれだけいるか分からんけど、そういう人は検索してこのブログにたどり着くはずなので参考にしてください。ちなみにこの方式はこのあたりの年代の大森製大型スピニングには共通して採用されているようなので、別の機種でも同じようなタイプならハメ方も同じだと思います。これまたご参考まで。

 っていう感じで、とりあえず一段落したんだけど、もう本当に自分でも嫌になるんだけど「コノ個体をはやく稼動品にもどしたい。」という、それやって使うアテがあるわけでなし、意味が無いだろ?って自分でも思う、思うんだけど病気なんでそう思うといてもたってもいられないのである。部品取りできる個体が他に出てないかと国内ネットオークション、フリーマーケット、中古屋のネット在庫を見てみるも、こんなレアと言えば聞こえは良いけど、需要のない機種そうそう出物があるわけがない。ないけど我慢できんのじゃ~!と最近は見ないようにしていた海外ネットオークションを覗いてみると、同じ名前のではないけど、明らかに同型機で少なくとも形が同じなのでオシュレーション機構は同じ方式だろうと思われる機種が2台売りに出てた。1台はフット折れ1台は一応外見は大丈夫そう。値段はどちらも送料除いて4千円台即決。普通なら折れてない方買うと思うよね。でもそれだと結局稼動しない個体が1台出てくるので気持ち悪いのである。その点足折れ個体は本体はもう捨てるしかないので部品取りに置いておくかもだけど、そいつを稼動品にしたいという謎の欲望からは逃れられる。ただ、亜鉛鋳造の部品がぶっ壊れたのの部品を確保するために同じ時代のものを買うというのは滅茶苦茶”地雷”臭がプンプンなのでだいぶ迷った。奇しくもTAKE先生も前述したミッチェル「クォーツ(米国版名プレシジョン)」でスの入ったギアの個体を何台も買ってしまうという罠にハマっておられたのが脳裏によぎる。ラインローラー手前にラインをしごく工夫のあるリールの亜鉛鋳造部品の不具合。”意味のある偶然の一致”っぽくて非常にイヤな予感がする。

 でも、ポチッと買っちゃった。ちょうど届くのはクリスマス前くらいだし、自分へのプレゼント!って寂しい行き遅れOLみたいなことをほざいてますが、このちょっと持ち直したとはいえ円安のなか、あまりにアホと言えばアホ。何せすでに6千円がとこ使ってて、追加で7千円ぐらいぶっ込んで、なんとなく、届いた個体パカッと開けたら亜鉛部品ご臨終で「1万3千円もあったら・・・」という死んだ子の歳を数えなければならん未来に収束するのが避けられるのか、おおいに不安である。不安なので、せっかく船便の送料払うからついでにと、以前から欲しかった部品を確保しつつ、もう1台関係ないリールも買ってしまった。何がどう「不安なので」そうなるのか文脈から読めないところが自分でも恐ろしい。

 いつもながらまったくもってほんとうにとことんつくづく、アタイ病気が憎いっ!

 まあ金額なんてのはね、他人が決めたようなもんだから、欲しいと思ったらワシには関係ないことなのよね。頭おかしいよね。

2022年12月3日土曜日

たかがググれば分かる情報、されどググれば分かる情報

  「ググればすぐ分かる程度の情報を学校で教わって暗記しなきゃならない理由ってなんなの?」というJC(女子中学生)の問いにお父さん困っちゃう的な記事がネットで目について、良くあるありがちな質問だし中身読まずに例によって見出しだけでハハーンと分かった気になってたんだけど、この手の質問は多分古今東西試験制度のある文化圏においてはあまた繰り返されてきて、そして今後も繰り返されるだろうって話で、お父さんちゃんと答えられたのか心配なので、ここに老婆心ながら模範解答をいくつかと、ググればなんでも分かると思うなよという警句を書き記しておきたい。

 まず、一番手っ取り早く現実的で身も蓋もない回答としては、「それが世の中で一番一般的な能力を測るための”物差し”だから」というのがある。ようするに企業にしろ個人業主にしろ公的機関にしろ、理不尽な命令にも従って粛々と学んでそれを出力できる人材が欲しいわけで、その指標として詰め込み式の教育の出力としての試験結果を出せる人間を”使えるだろう”と判断して採用の重要な基準にする。ってのが一番一般的だからその仕組みに乗っかって無駄と思うような知識でも試験終わるまでは憶えておけ、それがイヤならそういう一般的な評価軸では測れない”認めるに値する能力”が自分にあることを、他人にハッキリ分かる形で示せ。そっちの方が明らかに難しいンだから、特別な能力が自分に無いと自覚してるなら黙って受験勉強しておけ。というものである。ある程度”めはし”の効くお子さんなら渋々勉学に励んでくれることだろう。自分は特別だと思い込んでる馬鹿が変な方に突っ走ってもそれはそれでやむなしで死にゃしないので身の程を思い知れば落ち着くところに落ち着くだろうし、行けるところまで行ってしまうようならそれはそれで僥倖。

 もうちょっと真面目に答えるなら「ググるにもある程度体系的な基礎知識が必要、義務教育レベルの知識ぐらい頭に入れておけ」ってのがある。ググる時に限らず、基礎知識なんてのは生きてく上で必要な場面は山ほどあって、仏教伝来が西暦何年かを知ってることにたいして意味は無いんだろうけど、えらい昔にやってきたっていう背景とこれまでの日本での他の信仰との関係なんかがある程度分かってれば、葬式は仏教方式でやっとけば無難か、それとも今時なら無宗教な家族葬でもありかなんてのの判断材料にもなる。細かく仏教の宗派の変遷なんかも押さえていれば、怪しい”仏教系”新興宗教の正体をググって調べるなんてのにしてもアタリがつけやすい。ウクライナ情勢とか気になって世界史の基礎知識があったら、当然中国共産党の動きは気になって”台湾有事”なんてのが心配になるとき、地理の知識で台湾と沖縄は近いと知っていればググってどのぐらい近いのか調べてみることもできる。値上げラッシュの秋に家計簿つけてどの項目から削減するべきか、数学のパーセントの知識すらなければ、支出における割合が大きい削るべき項目がハッキリしない(ハッキリしたところで削れるか否かはまた別問題。例:我が家の釣り具経費)。生物・化学・物理の基礎知識が無いから”摂取カロリー量を減らし、消費カロリー量を増やす”以外のダイエット方法なんかに騙される。基礎知識があればそれを元に正しく自分に合ったダイエット方法もググって調べられるというもの。数学なら複雑な方程式の解き方を憶えてなくてもこれまで生きてきて不自由したことないけど、”y=xの2乗”っていうグラフを描いたときの”パラボラ”な曲線の急激な立ち上がり方は頭にないと、トンチ話で将棋の81マスの一マス目に米一粒、二マス目に米二粒、三マス目に米四粒と倍々ゲームで増やして褒美をくれという条件を飲んで蔵の米を根こそぎ持っていかれた庄屋様と同じような目に遭わされる。高利貸ししかりネズミ講しかり。生きていくには常に瞬間瞬間に様々な判断を強いられるけど、その時にいちいちググってたら時間がいくらあっても足りないはずで冒険家の石川直樹さんが著書「全ての装備を知恵に置き換えること」で、知識で道具の代替方法を使ったり、原理を知ってその場で作り出したりすることで装備を減らし軽くすることができるというようなことを書いていたと思うけど、人生においてまったく同じようなことが言えると思ってて、基礎的な知識があっていちいち調べなくても良い、あるいは頭の中で関連づけて応用して使えるレベルの知識があるというのは、便利な道具を持っていることに時に勝るぐらい価値があるのである。基礎がないとその上に専門的・応用的な知識は積み上がらない。だからだいたい世界共通でホモサピがこれまでに得てきた知識体系の基礎的な部分は教えるような仕組みが設けられているのである。時代と共に要求される知識も変化しているけど、概ね”このぐらい知っとけよ”というのが義務教育レベルの知識として教科書に載せられているのである。というのが2つめの模範解答でこっちのほうがやや真面目な回答か。

 でもって、お嬢ちゃんに小うるさいジジイのお説教として「ネット検索ぐらいでなんでも分かると思うなよ」っていうのは言っておきたい。まあ、馬鹿ならあたえられる知識を疑問になど思わず家畜のように詰めこんで社会に出荷されるだけだろうし、質問の文脈からしてもググっても分からん高度な情報もあることは頭にある賢い子のようなので、分かってそうではあるけど老婆心ながらということで赦してちょうだい。

 まあ、皆さんご存じのとおり、ネットに転がってる情報は玉石混交でしょうもないデマやら稚拙な誤りも含まれていて、調べるにしてもある程度の知識や技術が必要とされる。でもって、どうでもいいような情報に溢れてて本当に知りたい情報にたどり着くには苦労する。それでもパソコンの前に座ってサクサククリッとするだけで、様々な情報に触れることができるのは大きなメリットで、まあネットの情報も上手に使っていかないといかん、というのは常々感じるところだけど、現状においていまだ、細かくマニアックな情報を手に入れたければ”有識者”に直接聞いてしまうのに勝る方法はやはりないと思っている。例えば、ワシあんまり詳しくはないフライフィッシングの技術的、戦略的な疑問が生じたら、ネットなんてまったくあてにせず、ケン一なりJOS師匠なり、キッチリ実地で経験積んで知識も蓄えてる専門家に聞く。道具売らんがためにワケの分からんタワゴト並べてるような輩やその信者より、キッチリ釣り場で研鑽積んできてる釣り人でかつワシのレベルと嗜好も分かってる釣り人の知識・助言が真に役に立つのは言うまでもないことである。そういう”専門家”の知識を拝借できるというのは、素晴らしい特権である。釣りに限らず、鳥のことなら、昆虫のことなら、とかいう感じで、教え導いてくれそうな友人達がいるのはありがたいことこのうえない。

 逆にワシ、魚と水辺環境のことは、それこそ大学では水産系コースで学んだ学士様なわけで、魚類生理学も魚類行動学も魚類分類学も体系的に講義で一通り大枠は学んでて得意分野だったし講義以外でも趣味で”勉強”し続けている、海洋物理学やら漁業資源管理論やらもそれなりに真面目に講義聴いてて今でもネット検索の助けを借りれば、なんとなく正しい知識を引き出せる程度の知識は持っている。というわけで、釣った魚の名前が分からん?とかいう時にはワシの知識は便利に使ってもらっている。ネットでも写真投稿すれば同定してくれるサービスなんかもあるけど、さすがに「リリースしてしまって写真もないんだけど、ホウボウ系じゃないんだけどヒレが脚みたいになってて口が下の方に付いてる魚がキス釣ってて釣れたんだけどなんて魚?」「メッキ釣っててバラした魚が見たことない魚で、メッキみたいに銀ピカだけどもっと細くて口が大きかった」とかの情報だけで、正解引っ張り出すのはそれなりに難易度が高いのではなかろうか。前者はツバメコノシロもしくはナントカアゴナシ、後者はイケカツオもしくはミナミイケカツオと回答して画像検索してもらったところ、どちらも第一候補で正解だったようで「めっちゃスッキリした」とお喜びいただいた。ちなみにワシが前述の両種を推定したのはツバコノについては特徴が特殊なのでそれしか思いつかないけど、イケカツオはメッキ釣ってて自分でも釣ったことあるので、メッキと混じって黒潮に乗って回遊してくるという知見からの推定。なんの情報もなく、独自でネット検索でツバメコノシロだのイケカツオだのの地味な魚にたどり着くのは難しくても、種名と近い仲間が予想されていてその画像を引っ張り出して確認するという方法なら、正解にたどりつける。やっぱりネットで検索するにも前情報として知識はあったほうが上手くいく。

 典型的だったのが、どこが作ったのか不明だった謎スピニング「スーパースターNo.2」で、ワシかなりネットの深い所まで潜ったつもりでいたんだけど、ダイワ製というところまではたどりつけなかった。ところが、識者に「初期ダイワ製だと思いますよ」とタレコミいただいて、当時「Jorgensen」ブランドとかでダイワ製のがあったという情報を持って、あらためてネットに潜ってみたら、細かい部品の一致した機種が出てきて、ナルホドこれは初期ダイワ製なんだ!っていう確信的情報までたどりつくことができた。

 要するに分かって絞ってググるとたどりつける。って話で、繰り返しになるけど絞るための基礎知識として、ググれば分かる程度の情報でも頭に入ってると色々と捗りまっせ。ということなんである。

 というのとはまた別に、人生においてなんの役にも立たないように思えた知識が意外に味わい深かったりして、と人生終盤になってくると思ったりもして、義務教育じゃなくて高校の授業だけど、漢文なんて今時なんの役に立つって話だけど、李白や杜甫のエピソードだけでも知ってると知らん人生より”幸せ”なのかなと思ったりもするので、まあ何が役に立つのか必要なのか?なんてよく分からんので、進学だの就職だのに使える”道具”なのは間違いないので、とりあえず義務教育レベルの知識は若くて頭にぶち込めるときにぶち込んでおいて損はないよとジイさん思うのである。

 しょーもない初歩的なことを聞いてくる輩用に”ググレカス(ggrks)”って罵倒の言葉があって(最近使われなくなってきてるけど)、今回ググってて英語圏でも似たような言い回しがあって「Google is your friend.」っていうらしい、ってな知識もなんの役にも立たんけど、それを知ること自体にも喜びがあったりしてこれまた味わい深いなと思いましたとさ。

2022年11月26日土曜日

反対の逆、それはクルリと裏返る

 「オレはなんの変哲もない高校生」とかマンガ・アニメの世界の主人公は言っちまいがちだけど、だいたい両親が長期海外出張で一人暮らしとかからして特殊で、美少女と知りあったり、新たな力に目覚めたり、とんでもない事件にまきこまれたりして、まったく何が”なんの変哲もない”だ、って感じでヤレヤレだぜなんだけど、リールも似たようなモノで、意外に”普通”ってなんだ?ってくらいで、どのリールもいじってみると個性があって、このぱっと見「なんの変哲もないクローズドフェイスリール」に見える大森製作所製1959年発売のコンパック「クリッパーⅣ」もなにげに面白いリールだった。

 ということで、お借りしたリールを紹介する、人の褌ネタもこれで最後の第3弾となりました。人様のリールをお借りすることで、買う必要なくリールをいじって楽しめてとても安上がりで助かったんだけど、実はそれが呼び水になって”スピニング熱”がおもいっきりぶり返してしまっていて、現在整備待ちのボロリールが7台、海外からの発送待ちが2台と久しぶりの激しい発作でエラいことに。ブクブクと沈んでおりますそんな沼の底から今日も楽しくお届けいたします。

 まあでも、分解していくと”筒状”だったゼブコ「44クラシック」なんかよりは、とっても普通で、アルミのスプールを覆ってるカバーを外すと、ラインを引っかける棒が飛び出すローターがハマってて、ローター外すとスプールが見えて、ドラグはスプールの上に合成皮革製みたいなのが乗っている。このへんの構造は特にゼブコのと変わらないので、クローズドフェイスリールの基本的な仕組みなんだろう。

 ドラグパッドの乗っているスプールの頭が、なぜか歯車になっていて、ドラグパッドの端の方が歯車のギザギザでちょっと痛んでる感じで、何がしたいのか?やや不明だけど、これは後々の重要な伏線となるので記憶しておいていただきたい。

 で、ドラグの方式は、写真一番下の銅製のでっかいEクリップみたいな部品が、ドラグ調整つまみで上下して乗っかってるスプールをドラグパッドに押しつけたり緩めたりする仕組み。普通にドラグは機能する感触。

 ”蓋”のネジを外していくと、同じ大森製の「マイクロ7DX」なんかと同じように、本体が足の付いた枠とハンドルとギアの入ってる部分と蓋に3分割される。

 ギアの方式は単純なフェースギア方式で、ネジが一本蓋と本体等を固定すると同時にプッシュボタンの根元が刺さる棒になってるのが上手に兼業させてるなという感じだけど、蓋が上下対称なのといい、ハンドル位置も真ん中で、明らかに剥き出しにしたローター軸のギアの左右どちらから填めても機能しそうである。

 じつは、このリールはハンドル蓋ごと左右入れ替えにより左右の交換が可能と事前情報があったので「なるほどこれを反対に付ければ良いだけだな」と左右交換してみた。

 結果、飛行機を取り入れた意匠の「クリッパーⅣ」の機種名が背面飛行になってしまってるけど、左右入れ替えできて、もともとは右巻仕様だったのが左巻きにできた。

 このリール、ストッパーはハンドル軸のギア裏に付いてるんだけど、ストッパーオフと正回転のみ、逆回転のみのストッパーが設けられていて、左ハンドルの時は右ハンドル時の正回転時にストッパーがかかる”逆回転のみ”にハンドル根元のレバーを入れると左ハンドルで正回転でハンドルを回すことができる。ただ、その時はラインが出ていく。

 ありゃ?って感じだったけど、単純にギアごとひっくり返したら正回転でローターは逆に回る。なので、最初「左ハンドルにしたら巻くとき逆回転しなきゃならんから巻きにくいじゃん!」って思ったけど、ちょっと考えたらラインを一回引っ張り出して逆巻きに巻き直したら解決。って思いついて人心地ついた。けど、後で写真整理していて「そういうことだったのか!?」とパソコン椅子探偵真実にたどり着いた。

 謎は全て解けた!伏線を回収しておかねばである。このリールではドラグパッドが歯車の上に乗っている。ドラグパッド乗せておくだけなら平面が良くて、端をギザギザの歯車にする必要はない。でもこのリールを左右ハンドルを交換したときに、スプールが上下というか裏表同じ形であれば、ひっくり返して逆回転に巻いたスプールとして使えるのである。なので、本来下側にドラグの”音だし”のために設けられている歯車が右巻時には不要だけど上にも付いていたのである。これならラインを逆に巻き直しする必要なく、工程としては①ハンドルを蓋ごと左右交換、②スプールを裏返す、③ストッパーレバーは逆の方に入れる。という感じでロゴはひっくり返るけど右巻から左巻きに交換可能となる。ちょっと「ダムクイック110」のハンドル左右切り換えにも似てるけど、あちらはハンドル軸のギアが斜めに切られているウォームギア方式なのでスプールは逆転しなくてもそのまま使えるのが違いか。

 という感じで、このリールは主軸がハンドル軸のギアの真ん中を通るフェースギア方式だけど、左右にハンドル切り換え可能で、そのための小技も仕込んであって面白い機種でした。この時代っていろんな方法が考えられたリールの基礎を固めていった時代だと思うけど、なかなかに工夫がこらされていて、その後左右切り換えなんてのはそれこそ大森製作所が開発に大きく貢献したといわれているハイポイドフェースギアなら、逆転防止とかそのままでハンドルだけ換えればいいようになって、蓋ごと交換方式は消えて無くなった設計だけど。当時の工夫、挑戦する姿勢とかが偲ばれて楽しめました。

 って、終わるにはちょっと尺が短いかなという感じもあるので、クローズドフェイスリール周りの小ネタをチョコチョコと。

 クローズドフェイスリールって、釣り終わってラインをスプールに巻き取って片付けると、次回ラインを引っ張り出すのにカバー外してラインを拾い出さなければならず、意外に面倒臭い。なので、普通は先を8の字結びにするなどして輪っかにしてフットとかにひっかけて巻き込まないようにしてることが多いと思う。ワシも普段そうしてたけど、古いクローズドフェイスリールをいじってたら、そういえば、昔はライン巻き込まないように”キャスティングプラグ”結んでたりしたんだよな。ってジ様は思い出すのじゃ。”キャスティングプラグ”っていうのはゴムカバーで当たっても危険性が少ないようにしたキャスティング競技やキャスティング練習用のオモリで、昔はABUのとかが釣具屋のルア-コーナーには売ってたりしたモノだと遠い目でまたこれも思い出すのじゃ。黄色いのとかね。ゴムで覆ってあるので巻き込んだときにクローズドフェイスリールのライン放出リングにも優しいのもちょうど良かったんだろう。で、ついでに誰かがそのキャスティングプラグには”自動ハリス止め付きヨリモドシ”を付けておくと、仕舞うときにライン結ばなくても良くて手間がなくて良いよ、と紹介してくれてたのを思いだして、キャスティングプラグは持ってないので、手頃なルア-で代用しておいた。コーモラン「パクパク」はとぼけた顔してすすけた色合いも良い塩梅。

 でも、わし結構ライン巻き取るときスナップつけたままだったりするのよね。っていう場合は、ふつうにアイにスナップ接続すれば良い。クローズドフェイスリールのリール袋には一個、片方に自動ハリス止めを付けた手頃なルア-を入れておくと良いかなと思っちょります。

 でもって、オマケついでにもう一つ小ネタ。ルア-の釣りで使うスナップって結構重要で、意外に良いのを見つけるのに苦労するんだけど、最近スゴく良いのを見つけたので、これまた売れずに廃盤となるとイヤなので勝手に宣伝させてもらっておく。

 ルア-交換は頻繁にする方なので、スナップは必須だと思ってて、まずは強度面で必要充分に丈夫なのが大事なんだけど、そこは売ってるやつでそれほど酷いのはない。なのでそこそこ太いラインでごっついルアー投げるときは左端のクロススナップ方式のを愛用しているし、クロスしてない普通のでも大きめのはそこそこ安くても丈夫で使えるのが多いので困らないんだけど、シーバス以下メッキとかまでの小型のスナップが悩ましい。初期状態では問題ないんだけど使ってると引っ張られて変形して”コリャダメだろ?”って感じになってしまう。写真の左2列目3列目がアイに通す側じゃなくて軸側に掛けているワイヤーの部分が外れてしまったり間が狭くなってしっかり掛からずユルくなってるのがお分かりだろうか?こうなると強度的に信用できない状態で交換せざるを得ず、なんとかならないかとペンチでか締めてから使ったりしてもダメなときはダメで、結局値が張るけど”溶接スナップ”が最適かなとも思ったけど、ややお高いのよね。まあワシってばルア-を根掛かりとかでなくすのは年に一個二個とかの人なので、気にすんな必要経費だって気もするけど、試しに買ってみたバスディの「ウルトラライトスナップ」というのが抜群に良かった。丈夫で変形もしないし、小さく作られているのでワシの使ってるような古めの竿ならガイドも通るので、現場で老眼で苦労しながらスナップにライン結ばなくて良くてこりゃ助かるわい。右端の二個がそれで右の写真がパッケージ入り新品。買いだめしてます。

 良いモノだと思うので、廃盤にならないように皆さん買ってみてくださいとお薦めしておく。

 てな感じで、アレコレ書いてきましたが、改めて愛機達を貸してくださったレクエル堂サンには感謝を、ありがとうございました。ちょっとオマケ付けて返させてもらいますのでお楽しみに。

 今整備待ちのリール達の多くは、稼動状態に持ち込めるか怪しかったり、そこは端から諦めて、中身覗いてみたいので手に入れたまごうことない”ゴミスピ”とかボロいのが多いので、ちょっと手間食うかもですが、ボチボチと整備進めてブログネタにしようと思っておりますので、お好きな方はしばしお待ちください。

 釣りがわりと調子良い時期に入っと思ったらアクシデント発生のうえにスピニング熱も悪化、弱り目に蜂、アタイ病気が憎いっ!っといつもの台詞で締めておこう。

2022年11月19日土曜日

60年先をいってた”ダイレクトフィネス”(意味不明)

 ”ベイトフィネス”とか言うて、釣り具業界が、軽いルアーとかをベイトリールで投げさせて釣り人から金をふんだくろうとしている昨今。軽いルアーはスピニングで、重いルア-はベイトで投げておけっ!って思ったりもするんだけど、まだ軽いルアーをベイトでっていうのは、リールの性能を上げて対応すればデキるっちゃできるし、ラインが縒れないとか、リールが単純で壊れにくいとか利点はそれなりにあるので、好きな人がそういうのを楽しむ分にはアリかなと思うけど、逆の重いルア-をスピニングでっていうのは、根本的に無理があるのに日本じゃむしろそれが当然と化している。重いルア-はベイトでっていうのは、ジギングと一部磯からを除いてルア-の世界ではほぼやる人いない状態。シーバスのベイト使用はあるけどシーバスルア-は軽いルアーの範疇だと思ってます。海外だとドデカプラグをベイトタックルでぶん投げるマスキー狙いとか”怪魚系”では”重いルア-をベイトで”は一般的だと思うけど、なぜか日本はいつものガラパゴス化って感じで、スピニングリールが構造的に抱えてて、根本的な解決が難しい糸ヨレが困るはずの、長時間ドラグ使ってライン出し入れしてやりとりするマグロ狙いとかに使ったり、ロウニンアジだカンパチだを強引に止めて勝負するとかのために、そもそも強度が得にくいスピニングをゴリ巻きで壊れないようにしたりして、どんどんスピニングが本来あるまじき奇形じみた無理矢理強度を持たせたものになっているように感じる。キャストが難しいっていう欠点はあるけどベイトでやってしまえば、糸ヨレ問題もリールの強度確保も解決するけど、要するにみんな難しいことには挑まないってことなんだろう。ワシ、実戦投入するところまで年齢的に時間切れで技術練り上げられんかったけど、ロウニンアジには最終的にベイトで挑みたいとは思ってた。左手サミングの練習とかはだいぶした。ロウニンアジ釣るところまでは行かんかったけど、シーバスやらライギョやらは左手サミングで釣れるところまで習熟したのは我ながら若い頃のワシ立派だと褒めたい。GTタックルでもワシなんかより上手な人が取り組めばできるはずだと思う。黎明期のGTアングラーは結構ベイトタックル使ってた。代表例は丸橋栄三先生の世界記録はABU10000C使用とか。大型ベイトのルア-キャスティング市場は、日本じゃほぼ手つかずで残ってる未開の沃野だと思うんだけどどうなんだろう?ハゼやらアジやらに向かってルアー投げさせてる暇があったら、そっちに手を出した方が正しい方向性だとワシャ思う。

 って関係ない長い話から入ったのは、先週からネタにしているお借りした大森4台のうち紅白2台のダイレクトリールが、これもベイトリールといえばそうなんだろうけど、”ベイトフィネス”とかいう概念のなかっただろう大昔にダイレクトリールの単純な構造を生かして、これでもかという軽量・繊細なリールを作っていたので「これはもう”ダイレクトフィネス”とでもいうべき代物だろう?!」って驚愕したので、ベイトフィネスがらみで一席ぶってみました。

 この紅白2台のおめでたい感じのダイレクトリールは、大森製作所製1959年発売のコンパック「モデル33」というリール。赤の方はハンドルノブが白でアルミシルバーの方はハンドルノブが赤で、大森製作所にしてはオシャレな見た目というと失礼か?

 2台だけ並べてると、大きさよく分からんと思うので、バス釣りに使ってたABUアンバサダー5000(パーミングカップの80年代モデル)と比較してみるとこんな感じ。

 写真じゃあんまり小さく見えないけど、実際はかなり小型な印象で、それは手にするとさらにその思いが補強されるんです。軽いんです。アンバサダー5000のほうはこの状態で測ると280gぐらい、赤のモデル33は約147gと、半分強の重さしかない。重さしかないけどこのぐらいならまだ常識的な範囲で、小型のダイレクトリールってだけの話なのかもしれない。それでも充分華奢で繊細には思うけど。

 ヤバいのは白なんでございます。110g。正直、アルミアルミしててそれもアルミ缶の底ぐらいしか厚さないんじゃないかっていう薄さ繊細さで、いじるの壊しそうで怖かったぐらい。

 今時の高級フィネス(繊細な釣り)用ベイトリールで130gぐらいのようなので、なんぼ単純な構造のダイレクトリールとはいえクソ軽いのがご理解いただけるだろうか。

 何が軽い要素か、比較して見る。

 スプールがまずアルミ、レベルワインダー(平行巻)のカバーもアルミ、ハンドルの柄もアルミ、極めつけはフット。単純な形だと薄いアルミは強度得られないためだと思うけど、二重円でまさにアルミ缶の底のへっこんだ部分を折り返して平面に収めたような形状にしている。赤い方はこれらに相当する部品はおそらく真鍮とかにクロームメッキだと思う。普通のリールに使われている素材でなんか安心できる。

 白のフットはアルミ板曲げ伸ばして板金加工で作ってるよね?って感じだけど、スプールも漏斗を二個作って芯棒と組み合わせたような作りで、漏斗つくってるアルミ屋さんに作り方習いにいってそうな代物。赤い方のが標準仕様で、アルミに置き換えできそうな部分を板金加工で全部アルミにしたってことだろうか?

 ギアとかは小っちゃいけど、ダイレクトリールなので極めて単純。スプール軸のギアの細かさには感心する。ハンドル軸のギアはアルミ製で芯に真鍮。なぜか分からんけど、赤は斜めに切ったギアだけど、白は真っ直ぐの歯のギア。なんで変える必要あったのかワシにわ分からん。どなたか分かる人がいたらご教授願います。

 ブレーキはメカニカルブレーキでスプールの軸を押さえる単純方式のみ。レベルワインダー(平行巻)は丸ABUと一緒のクロスギア方式なので歯車が一個あって歯車の数は計3枚。

 回転は、赤の方が手で回した感触では滑らかで良く回る。スプールの重量があるので”はずみ車”的に指で弾いたときに回りやすいってだけで、実際にルアー投げたときにどうなのかは、理屈から言えばスプール軽い白に軍配が上がるはずだけど、このリール達に合わせる竿がまったく見当が付かないので試し投げとかする気にはならんかった。白は下手にぶん回すと壊れるんじゃないかっていうトンガリ方してるので、今回は鑑賞だけにしておくのが無難かなという判断。

 白の方は大森製作所としても攻めまくった実験機的・挑戦的モデルだったんじゃないだろうか?「大森にもこんな変態性があったのかと驚かされます。」と持ち主であるレクエル堂さんがメールに書いてたけど、大いにうなずける。「ウチ軽く作れっていわれたらこのぐらい作れます。」って腕を見せつけてる感じだったのだろうか?大森製作所の印象としては、使い込んで塩かぶってボロボロに腐蝕している不燃物手前の状態のリールでも、ギアとかまるで平気でガタが来てるような個体をみたことないぐらい”余裕もってしっかり作ってあって丈夫!”っていう印象だったけど、こんなギリギリを攻めた方向性のも作ってたっていうのは面白い。アメリカ市場向けだろうけど、何に使ってたんだろうか?一般的な米国製のダイレクトリールはデッカいバスプラグを投げてたんだろうけど、そういうリールじゃないよね?って考えるとベイトフィネスでカスタムロッドあしらえて、クラッピーとかマスとか釣ってたんだろうか?むしろこの可愛らしいサイズは氷上に穴開けてウォールアイのアイスフィッシングとかが似合うか?想像力もかき立てられるリールである。

 という感じで借り物リール達で二週にわたってお送りしております当ブログ。4台借りたのでもう一台残っております。ぱっと見普通のクローズドフェイスリールで今回ついでに紹介する予定だったんだけど、ワシ的に結構面白かったので、ついでじゃもったいないので次回回しとさせていただきます。引き続きお楽しみに。

2022年11月12日土曜日

秋の大森祭り!柿は甘いがリールは渋~い!!

 ちょっと前の話になるけどコロナ禍で法隆寺が拝観料等の収入減で維持管理費等経費が間に合わなくなって、クラウドファウンディング(ネット上で出資者やら寄付やらを募る集金方法)でお金を集める、という話題を目にして、何千何万という日本中のオヤジどもがおそらく思いついたであろうクソしょうもないネタを、恥ずかしながらワシも思いついてしまったことをここに告白しておく。

 柿食えば、金が無くなり法隆寺

 あっ痛い、モノを投げないでください、オッサンだから仕方ないんです。赦してください。

 というようなしょうもない枕で始まっております、今日のナマジのブログ、お題は冒頭写真の様に”柿”ではなくて、季節の果物に偽装してレクエル堂さんから送られてきた怪しげなリール達四台。一発で紹介し切れなさそうなので2週にわけてお送りしてみたいと思ってます。ご用とお急ぎでない方はごゆるりとお楽しみくださいませ(レクエル堂サン柿美味しゅうございました!)。

 今回、リール4台が我が家に来た経緯は、ちょっと前に当ブログで「大森製作所が、スピニングリール以外にもクローズドフェイスリールや太鼓リールを作っていたらしいというのはどっかで目にした記憶があるんだけど、それらを目にする機会は実物でもネット上でもこれまでなくて、例によって”OEM”という名の下請け仕事で、海外のブランドやらもしかしたらオリムピックとかの国産リールとして売られてたのかなと想像していた。」とボヤいてたところ、レクエル堂さんから「参考に必要でしたら大森のダイレクトリールとスピンキャストをお貸しします。」とのありがたい申し出を受けて、夏場たまってたジャンクリール達の整備を涼しくなってきてやっつけてから、今回お借りすることとあいなりました。改めてレクエル堂サンには感謝申し上げます。

 ブツは小型スピニングのコンパック「バンタムⅢ」、クローズドフェイスリールのコンパック「クリッパー」、小型ダイレクトリールは紅白ともモデル名はコンパック「モデル33」といずれもコンパックブランドで出ていて、なかなかこれらが大森製作所製だとは気付かないところである。なぜそれが大森製と分かったのかというのはまた後ほどにして、とりあえずあからさまに異形なスピニング「バンタムⅢ」が気になりすぎるので、分解してどんなモノか見ていきたい。

 見ていきたいんだけど、その前にまずこのリールの異様な小ささを皆さんにお示ししておきたい。今回の4台のうち後ろの方にうつってるクリッパーはごく普通のサイズ感なんだけど、他の3台は攻めッ攻めに攻めた小型機なのでイマイチ集合写真ではその小ささが伝わってないと思う。

  右の写真の比較対象の茶色いのは「デラックススーパー730」ではなく、ましてや「デラックススーパー777」でもなく、200gを切る軽量で通産省グッドデザイン賞も受賞の大森を代表するような小型機、茶色い方の北米版名コンパック「89アトラスⅢ」こと「マイクロセブンDX」なのである。マイクロセブンDXはかなりコンパクトで可愛い機種なんだけど、それより二まわりがところ小さく、でもリールが小さいからといって使う人間の手が小さいわけじゃないということから、ハンドルと脚が相対的に長く、脚と反対側に長く突き出した外蹴り式ベールの”蹴飛ばし”も併せて、脚の長い蜘蛛のような異形を感じさせる外見となっている。

 そして、このバンタムⅢその重量はなんとライン巻いた状態で実測約124g!ライン抜いたらおそらく120g強しかないというその軽さ、これだけでいかに面白いしろものか伝わるだろうか?

 でもって、分解に入る。

 ドラグは、写真だと見分けがつかないかもだけど、要するに一階建て方式で、ドラグパッドとワッシャーがそのわりに多くみえるのは、実は右から2枚目がバネの代わりの湾曲したワッシャーなのである。丸ABUのハンドルの根元に入ってるやつと似たような機能と言うと分かる人には分かるだろうか。で、右端がバネワッシャーの下に敷いてあるワッシャーで左2番目がフエルト製ドラグパッド、1番左が片側欠いた主軸と同期するワッシャー。という構成なので、欲を言えばバネワッシャーをスプールに固定化して、バネワッシャーの上に底のワッシャー1枚を持って来てこれまたスブールに固定した方が、ドラグパッドの作動時に摩擦する面積が増えて安定するはずだけど、現状でもそれなりにドラグとして機能していて、ドラグ締めていくにつれドラグパッドの接触面積が増えていくというのは案外良かったりして。なににせよドラグというモノがある程度分かった設計になっているのは確か。ドラグがまとものモノが付いているっていうのは大森製の特徴と言って良いのかと。

 そしてメチャ軽の要因の一つが、ローター周りで、ローター自体が鋳造じゃなくて薄いアルミ板をいわゆる板金加工したもののようで薄くて軽い。そしてベール関係がベールワイヤーの”バネ的力”を利用して外蹴りで反転する方式で、ベールアームも単純だし、ラインローラーは固定式どころかベールワイヤーの一部でしかない。

 左写真の様に、ベールアーム部?は斜めに切り込まれた円柱状で、ベールアームは常時ローターを挟むバネっぽく働いていて、投げるときはベールを起こすと写真真ん中のように傾斜の頂点越えて最後のところにきて窪みに填まるようになっていて止まる。ベール反転は脚の逆側の本体から伸びている”蹴飛ばし”がベールワイヤーの糸が掛かるところあたりを蹴っ飛ばして反転する。通常のベールアーム、ラインローラーが担当する機能の多くをベールワイヤー自体が担っていて、あからさまに単純な構造になっている。ベールスプリング、ラインローラーが少なくとも”無し”であり、それらを固定するネジだの支持する構造だのの必要性が生じない。さすがにベールアーム部の円柱のアルミとみられる金属はステンレスっぽいベールワイヤーに削られつつあるように見受けられるけど、素材の選定なり表面加工なりで強度確保するとかしたら、ラインローラーは固定式でも使えないほど糸ヨレ酷くないし、硬質クロームメッキのラインガイドは今でもフライロッドでは使われている程度には丈夫で、糸溝も砂っぽい場所で使うとかじゃなければ掘れないだろうし、軽さに振るならこれはこれでアリかもしれん。とか思うと一度このタイプのベールアームの機種を使ってみたくなって、ちょうどバンタムⅢ含む一山いくらの出物がネットオークションにあったのでマウスが滑ってしまったけど、競り負けて命拾いした。どこに沼は穴を開けて待ち構えてるか分かったモンじゃない。皆様もお気をつけて。

 そして、本体をご開帳といくと、これがビックリ玉手箱!ちょっと目を疑ったけど、いくら見てもドライバーでコツコツ叩いてみても、ハンドル軸のギアが黒い樹脂製(芯は真鍮製)です。ありがとうございます。そりゃ軽いわけである。

 マジかよ?強度的に大丈夫なのか?っていうのはギアに関しては大丈夫だったようでローター軸のギアは真鍮製のかさ歯車同士のベベルギアなんだけど特に摩耗もしてなくて充分滑らかに回ってる(当社比)。ただ、さすがにストッパーは持たなかったようでギア裏に設けられてるんだけど1枚歯が欠けていた。これは使用時ストッパーを切って使っておいて、取り込み時とかハンドルから手を離すときだけストッパーをかける”ミッチェル方式”で使った方が良さげなリールである。でもまあ120gちょいの超小型機に強い糸巻いて堅い竿でガツンと大アワセするわきゃないので、ミッチェル式採用のうえ繊細な釣りを楽しむ分には実釣可能ではなかろうかと思う。だって、ちゃんと糸巻いて投げるのはデキるように作られてるもん。

 でここから主軸を抜いてローターを抜いてと思ってたら、スプール上下用のピンが主軸にブッ刺さってて外せず、主軸が抜けないことが判明。構造的にローターにボールベアリングとかが入ってることもなさそうなので、分解ここまでで終了。

 でもって、このリールが大森製作所製である根拠は何ぞや?って話になっていくんだけど、今回の4台ともワシ、外見では大森製作所製とは判断つかん。今回のバンタムⅢについては、かろうじてハンドルの形が古い大森っぽいといえばぽい。ハンドル折り畳みじゃない時代の大森スピニングのハンドルは、リール側からハンドル軸のギアの芯の先が出てきててそこにネジが切ってあり、それが収まるハンドルの方には当然雌ネジが切ってあって、その上部がポコッと丸く飛び出している。昔触ったことあるリールでは「スーパー99」とかがそうだった。とはいえその程度の特徴は他のメーカー製のリールでもまま見られるものであり決め手にはならないだろう。

 ワシも初見で、バンタムⅢは「オリムピック製か?」と思った。事実オリムピック製として紹介しているネットの情報もあった。しかし、決定的な証拠としてレクエル堂さんが海外のサイトで見つけてきたという資料を見せてもらったら、大森製作所の80年代末ぐらいまでの代表的な機種を並べて歴史を振り返る的な、パンフレットかカタログかの抜粋で、その中に、今回お借りした4機種はしっかり発売開始年やらも含めて出てくるのである。大森製作所公式の資料のようなので、大森製作所が製造したリールで間違いないのだろう。ちなみにバンタムⅢは1954年発売。

 ただ、色々と周辺情報を総合していくと、単純明快にはいかないような臭いもしてきて、調べれば調べるほど混乱してくる。

 ちょうどタイミング良く、TAKE先生がサイトの方で元日吉産業の原氏のお話を紹介していて(2022/10/28の記事)、それを読むと当時力のあったオリムピックは埼玉の小さいリールメーカー各社に下請け仕事を発注していた様子がうかがえる。当然大森製作所もオリムの下請けはしていたとみるのが自然で、例えば、バンタムⅢもオリムピックがコンパックブランドのコマースパシフィック社に収めてた形だけど、実際には孫請けになる大森製作所が作ってた、なんてことがあり得たんじゃなかろうか?って思うし、オリムピックブランドで売ってた「NO.15 HI-STAR」なんていう機種を見ると、大森製作所作成と”大森公式”が書いている、コンパックプランドのバンタムⅢやシエラⅣと形式とか細部とか良く似てて、大森製のリールを「オリムピック」の名の下に売ってたのも当然あったのだろうと思う。大森がオリムのOEMという名の下請けしてたのは”ベルセカ”でもチラッと触れられてたので、どのあたりの機種がそうなんだろうと思ってたけど、ローターが薄いアルミ板金でベールワイヤーがベールアーム・スプリングの役割をするタイプはそれっぽいのではないかという気がしている。他にもあるのかも。

 オリムの製品は必ずしも自社工場生産だけじゃなかった。っていうと過去に感じていた、オリムの製品はしっかりしてるのと、そうでもないのと混ざってる。っていう感覚もナルホドナと納得するものがある。ワシが初めて実戦導入したインスプールスピニングである「トゥルーテンパー727」はカチッとしっかりした作りで、ボロかったけどメンテしたら実釣問題ないものだった、でも同時期の「エメラルド350」はイマイチ、カスカスした感触というか個体差もあったのかもだけど、使ってて「大丈夫かこれ?」っていうしっくりこない感触のモノだった。同じところが作ってるにしては違う気がしてたんだけど、気のせいではなくて実際の製造元が違っていたのかもしれない。それは必ずしもオリムピックの方がデキが悪い的な話ではなくて、埼玉の小さいメーカーには大森や日吉のような今でも評価が高いところもあれば、名も残ってないようなショボいところもあったんじゃないだろうか?っていうのが、今回推理でも何でもない、想像というかワシの妄想である。

 そのあたり、原氏のお話をまとめた本を企画中なのをTAKE先生サイトで匂わせていたので、当時の現場を見てきた人の語る内容は読まねばなるまいと思っちょります(たのまれてもおらんけど宣伝しておきました)。

 とはいえ、分からんからミステリアスな魅力が出てきて、沼にズブズブ沈んで行くっていう側面もあるので、何でもかんでも分かりゃ良いってモノでもないのかもしれない。でも知りたいノ。面倒くせぇぜ複雑なオヤジ心。

2022年11月5日土曜日

我が家の回転の力Act.Ⅱ

 

 我が家にフードプロセッサーがやってきた。これまで買おうかどうか悩んできたけど、使用を想定している用途がエソをすり身にするときと、鯵の頭と腸をコマセにするためにミンチにする時に限られていて、まあ文化包丁と小出刃の2本でチタタプしておけば良く(祝「ゴールデンカムイ」完結!最後まで面白かった!!)、まあいいやと思ってたんだけど、チタタプはみんなで飯食うから良いんであってジイサン一人で”我々が沢山叩いたもの”を意味するチタタプもオソマもネェだろって思うところもあり、正直月一ぐらいでコマセ用ミンチを作るはめになるんだけど、時間も手間も掛かるし面倒くせぇとは思ってた。フードプロセッサーって昔は引き出物とかでもらって、最初珍しがって何度か使うけどすぐ飽きて棚の奥にしまい込まれる調理器具筆頭で、実際我が実家にもあったけど何度かミックスジュースを飲んだような記憶がある程度で使われていなかった。昔ならそうやって棚の奥にしまい込まれてたんだろうけど、今時は要らんモノは「コメ兵(東海地方ローカルネタでゴメン!)」じゃなくてネットで売ろう!って話で、ヤ●オクでもメル●リでも、安く売ってるんじゃなかろうか?と覗いてみたら、選びたい放題に出品されてござる。しかも、千円台のお値打ちな感じのがゴロゴロしてて、鯵の頭ごと粉砕できる力技が必要なのと、魚調理が主目的なので、洗いやすい構造で、汚れ落ちしやすい素材が良いなとかえり好みしたとしてもすぐに良さげなのが見つかったので、1499円(送料込み)とお値段もお手頃だったので、スルリとマウスを滑らせてダブルクリック。その名も「ツインバードKC-D627フードプロセッサー」。デデデンッ!

 材料を入れる容器の部分が強化ガラス製で汚れが付きにくいのがまず良い。樹脂製だとどうしても細かい傷とかができてだんだん汚れ落ちしにくくなる。コマセ用ミンチ専用なら多少汚れててもかまわないようなものだけど、エソのすり身のときに食中毒でもおこしては話にならん。そして、回転部分は容器の中心軸に被せた歯の付いた筒の上の方で中心軸の中で回転する本体回転軸の回転を受け取って下の方で歯が回る構造で、歯の付近に掃除が面倒くせえような隙間が来ないようになってて、掃除がしやすくて魚ミンチにしても後々隙間から異臭が漂うようなことがなさそうなのが良くできてる感じ。

 そして、肝心要の歯がゴツい。フードプロセッサーなので他にもスライス用の変え刃とかも付属しているけど、基本魚をぶった切る”チョッパー”の出番しかないはずなので、コイツの仕事っぷりが何をさておいても重要。 

 真鍮製っぽい厚歯の2枚刃で、やってくれそうなイイ面構えをしている。

 一応取説では、白身魚のすり身を作る時、骨等は取り除いて角切りにしてからチョッパーにかけるようにと説明があるけど、ネット情報によるとそこそこ”強め”のフードプロセッサーなら青魚を丸ごとすり身にとかは可能とのことで、多分大丈夫だろうという見込みで購入したんだけど。さて実際にはどうだろうか?

 今回用意したのは、冷凍庫で場所を取ってる生の小アジの腸と頭詰め合わせ。あらかじめ湯煎で解凍しておく。さすがに凍った材料は砕けないだろう。

 あんまりいっぱい容器に入れると良くないようなのでこの2枚目の写真ぐらいにしておく。だいたい一回の操業で釣ってきた小アジから出る材料がこのぐらいの量なので、1度に処理できる容量的にもちょうど良い塩梅だったようだ。

 上に乗っける蓋の本体側に突起があって、それが本体上部のスイッチを押す仕様となっている。つまり中で刃が回転して切り刻んだ素材達が暴れている間は、自然と蓋をしっかり押さえておくことになる。

 でもって、スイッチオンにしてみると、動かなかったらどうしよう?などという不安はまったくの杞憂で力強く小アジの頭達をぶった切っていき、だんだんゲル状のミンチに変わっていく。一回止めて蓋開けて様子見て、もうちょっと細かくした方が良いなともう一回し。

 下準備とかに掛かる時間はあるけど、チョッパーにガーッとかけている時間は、ものの一分あるかないかで、いままでもっと小分けにしてチタタプチタタプと同じ量なら小一時間がとこかかってやってた作業が、あの苦労はなんだったのか?というぐらいあっけなく素早く仕事が終わる。こりゃイイ。

 できたミンチは、すぐにパン粉等と混ぜ合わせてコマセにしてしまわないのなら、ビニール袋に入れて冷凍保存しておく。頭のままだと隙間もできてかさばるけど、ミンチにしてしまうと大幅に体積が小さくなるので、つぎコマセ作るために解凍するまで省スペースで冷凍保管しておける。

 合格!!

 これは良いモノだ。初めてハンドドリルが我が家に来たときも、似たような感動を覚えたモノだけど”回転”の力を、電気としてあちこちに送って(最近は回転伴わない発電方式もあるけど)、送られた先で回転はもとより光や熱、音、演算なんてのに使えてしまえるという電気を使う現代生活の便利さを改めて思い知る。

 「回転を信じろッ!回転は無限の力だ それを信じろッ」っていうジャイロ・ツェペリの台詞も、フードプロセッサーの刃の力強い働きはもとより、生活全てに関わってくる電気を作る火力発電やら、物流になくてはならない車のエンジンやら、回転が我々にもたらすものの多さ大きさを考えると、納得することができる気がする。

 釣り人ならば、リールの回転もまた、我々に魚をもたらす力であることを信じてみても良いだろう。